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Monday, 28 March 2005

A Cat Named Lunch: A Novella 1 of 4

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lunch


      A Cat Named Lunch 1 of 4
      ランチという名の猫 第1話(全4話)

猫の話をします。僕が北京で友達2人と共同で飼っていた猫です。茶色いまだらのメスの子猫。名前はランチ(Lunch)。中国名は晩飯(ワン・ファンと読む。ワンが姓でファンが名)。英語名は Miss Dinah Wong(ディナ・ウォン)。ランチは中国4,000年の歴史上初めて、広州から北京まで二泊三日36時間、一等寝台のコンパートメントに乗って旅をした猫です。

ランチはもともと広州市内の有名な清平食品市場という所で、金網の檻に入れられてグラムいくらで食用に売られていた猫でした。生まれたばかりの子猫です。それを友達2人—アメリカ人の男J1と日本人の男J2—と僕 Tomokiがお金を出し合って、1,000円ぐらいで買い取ったのです。まずホテルまで持ち帰ってバスルームで体を洗ってやりました。そして北京まで連れて帰ったのです。中国の寝台列車はペット持ち込み禁止でした(だったと思います)。車掌が検札に回って来たときには、コートの中に隠して(季節は冬でした)、にゃーにゃー鳴き声をあげそうになると、僕らが咳払いをしたり歌をうたったりしてカムフラージュして、ようやく北京までたどりついたのです。北京の大学の留学生寮も、もちろんペット禁止でした。共同飼い主のJ1とJ2とTomokiは、かわりばんこに各々の部屋で飼って、寮の管理人や大学の先生方に何とか見つからないようにしました。寮と教室は同じ建物にありましたから、先生方にも見つからないように気を付けなければならなかったのです。

1988年2月初めのある晩、J1とJ2とJ3(=J2と同じく日本人)とTomokiは、広東省の広州にいました。4人はTomoki & Js(トモキ・アンド・ジェイズ)もしくは「新四人組」と自称していました。長い冬の旅の終り近くでした。Tomoki & Jsのいた北京の大学では、春節(旧正月)の休み、つまり冬休みが、1月半ばから2月半ばまで丸一か月ありましたが、新四人組は休みに入るやいなや、地面の凍りついた厳寒の北京を脱出して、太陽を求めて南下する旅に出たのです。なにしろ時間だけはたっぷりありましたから、その旅は漫遊とでもいうべきものでした。列車やバスは遅くて不規則で、駅の窓口にはいつも人がわんさといて、押し合いながら切符を買っていました。ときにちゃんと行列をつくって買う場合でも、延々と並んで待った挙げ句に、窓口で「没有(メイヨー=ありません)」と言われることもザラでした。列車やバスの便がない場合。便はあるけど売り切れの場合。便があるのかないのか駅員にもよく分からない場合。いろいろです。予定はあってないようなもの。中国での旅には忍耐と柔軟性が必要でした。そうこうしながらも南へ南へと行き、西のほうにも足を伸ばして、少数民族の多い雲南省を訪れたり、香港に出て(中国返還前でしたし、もちろんパスポートが要りました)久しぶりに先進国の空気を吸ったりしたあとに行きついたのが、広州です。

食在広州(食は広州に在り)。ここは昔からグルメで有名な街です。その晩、Tomoki & Jsは、有名な蛇餐館(The Snake Restaurant)という店に入りました。そして、勇敢/無謀/野蛮にも、龍と虎と鳳凰の入ったスープというのを注文して食べたのです。「龍」というのは、いうまでもなく、このレストランの看板にある蛇の肉です。「鳳凰」というのは、鶏肉。そして「虎」というのは…? そう、猫の肉なのでした。「白髪三千丈」などでご承知のとおり、中国人は物事を大げさに表現するのが得意ですからね。

J1、J2、Tomokiの3人が食品市場で子猫を買って晩飯/ランチと名付けたのは、その翌日のことでした。なお、J3が飼い主に加わらなかったのは、彼が猫アレルギーだったからです。

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2002 (C) Tomoki Yamabayashi
 
 
 

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