杜甫/Du Fu/Tu Fu/とほ 「江亭」
■原文と読み下し文
The original text in Chinese and its Japanese reading
江亭
杜甫
1 坦腹江亭暖 坦腹すれば 江亭暖かに
2 長吟野望時 長吟す 野望の時
3 水流心不競 水流れて心競わず
4 雲在意倶遅 雲在りて意倶に遅し
5 寂寂春將晩 寂寂として春將に晩れんとし
6 欣欣物自私 欣欣として物自から私す
7 故林帰未得 故林 帰ること未だ得ず
8 排悶強裁詩 悶を排して強いて詩を裁す
761年(上元2年)、成都・浣花草堂での作。
■大意 Translation into contemporary Japanese
(第1・2句)川沿いの亭で大の字になって寝そべる暖かさ、
野原をながめながら詩を口ずさむ時。
(第3・4句)水はゆったりと流れ、それに面した私も
水と一体になり、身をまかせている。
雲はぽっかりと浮かんでいて、
それを見る私も雲といっしょにのどかな気持ちになる。
(第5・6句)ひっそりと春が静かに過ぎ行こうとしている。
物はみなそれぞれの生の営みに喜々として励んでいる。
(第7・8句)ふるさとに帰ろうとしてもまだ果たせない私。
胸にわだかまる煩悶を押し出そうと、無理矢理、詩を作る。
■出典 Source
川合康三『風呂で読む杜甫』世界思想社 1996/08
世界思想社|風呂で読むシリーズ
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