秋の音、秋の香り
秋の音、秋の香り
朝、窓を開けるとぷ〜んとかおる香り。
このまえ近所を歩いていたときに、最初に気づいた。
キンモクセイ。
どこに生えているのかは知らない。
夜、窓の外の音が、
セミの声から秋の虫に変わったのは、
わずか数日のあいだの出来事だった。
十月に最高なのは、北京の秋空。
天安門広場の真ん真ん中に立って、大きく背伸びをしたい。
京都の十月も悪くない。雨が多いけど、
もみじ見物の人が押し寄せるまでの束の間、街は静か。
きのう小雨のなか短パン姿で自転車をこいでいたら、
ちょっと寒かった。
「いつまで短パンはいてるんや?」
と友達に訊かれた。
いつまででも。夏の名残りを感じていたい間じゅう。
冷めた紅茶の最後のひとくちを飲み干す瞬間が、
好きなのだ。
2005 (c) Tomoki Yamabayashi
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