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Wednesday, 22 November 2006

Unbeaten Tracks in Japan by Isabella L. Bird (1) イザベラ・バード/イサベラ・バード 『日本奥地紀行』『イザベラ・バードの日本紀行』 (1)

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           目次 Table of Contents

    Images  本の表紙と肖像写真 Book covers and a portrait
   ■イザベラ・バードとは? Who is Isabella L. Bird?
   ■複数ある邦訳と邦題、ならびに著者名の日本語表記について
    On differences among editions and titles of Japanese translations
    as well as transliteration of the author's name
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 金坂 2012
     (J2) 時岡 2008
     (J3) 高梨 1973, 2000
    Audio  英語原書朗読 第1信 Audiobook, Letter 1
   ■英語原文+朗読音声 Audio_button_icon_2 The original text in English with audio Audio_button_icon_2
   ■tomoki y.によるコメント Comments by tomoki y.
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


 Images 
本の表紙と肖像写真 Book covers and a portrait

a. Jpn94 b. Isabella_l_bird


■イザベラ・バードとは? Who is Isabella L. Bird?

イザベラ・バード (1831-1904) はイギリスの女性旅行家。オーストラリア、北米、アジアなど、世界各地を旅行。日本へは1878(明治11)年5月に来訪。横浜に上陸し、同年12月に横浜から離日するまで丸7か月間の滞在中に、東京から北海道や京都・伊勢方面まで足をのばした。彼女がスコットランドにいる妹へ書き送った手紙をもとにまとめられた本が、下に引用する "Unbeaten Tracks in Japan"。


■複数ある邦訳と邦題、ならびに著者名の日本語表記について
 On Japanese translations and their titles as well as transliteration
 of the author's name

従来、高梨健吉氏による『日本奥地紀行』という邦題で知られていたが、2008年に出た時岡敬子氏による新訳では『イザベラ・バードの日本紀行』となっている。高梨訳は版によっては、ファーストネームを「イサベラ」と表記している。また、2012年3月に刊行が始まり2013年3月に完結した金坂清則氏による全4巻の完訳版は高梨氏訳を踏襲して『日本奥地紀行』と題されている。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 金坂 2012
第一報 第一印象
五月二一日[火曜日] 横浜 オリエンタルホテルにて

[略]上陸してまず印象的だったのは浮浪者が一人もおらず、通りにいる男たちが、小柄で、不恰好で、顔は人が良さそうだがしわくちゃで貧相で、蟹股(がにまた)で、猫背で、胸がへこんだように見えるものの、みな自分の仕事をもっていることだった。上陸用の階段をあがった所に屋台[挿絵]が一つあった。小ぎれいで、実にこぢんまりとまとまり、炭火を使う七輪(しちりん)と調理器具と食器が揃っていた。ただ、あたかも人形が人形のために作ったものであるかのように見えた。屋台の男の背丈も五フィート[一五二センチ]に届かず、小人のようだった。[……]


(J2) 時岡 2008
第一信
五月二一日、横浜、オリエンタル・ホテルにて

[略]上陸してつぎにわたしが感心したのは、浮浪者がひとりもいないこと、そして通りで見かける小柄で、醜くて、親切そうで、しなびていて、がに股で、猫背で、胸のへこんだ貧相な人々には、全員それぞれ気にかけるべきなんらかの自分の仕事というものがあったことです。上陸用の段々を上がったところには、移動のできるレストラン[屋台]があり、これはとてもコンパクトにまとまった案配のいいもので、七輪、調理器具と食器の一切が備わっています。ただし人形のために人形がつくったように見え、これの持ち主である小人は身長が五フィート[約一五二センチ]ないのです。[略]

  • イザベラ・バード=著 時岡敬子(ときおか・けいこ)=訳 『イザベラ・バードの日本紀行(上)』(全2冊) 講談社学術文庫 2008-04-10
  • 原書: Unbeaten Tracks in Japan: An Account of Travels in the Interior, Including Visits to the Aborigines of Yezo and the Shrines of Nikkô and Isé, by Isabella L. Bird, with Maps and Illustrations, London, John Murray, Albermarle Street, 1880.

(J3) 高梨 1973, 2000
第一信
横浜 オリエンタル・ホテル 五月二十一日

[略]上陸して最初に私の受けた印象は、浮浪者が一人もいないことであった。街頭には、小柄で、醜くしなびて、がにまたで、猫背で、胸は凹み、貧相だが優しそうな顔をした連中がいたが、いずれもみな自分の仕事をもっていた。桟橋の上に屋台が出ていた。これは、こぎれいで、こじんまりとした簡易食堂で、火鉢があり、料理道具や食器類がそろっていた。それは人形が人形のために作ったという感じのもので、店をやっている男も五フィートたらずの一寸法師であった。[略]

  • イサベラ・バード=著 高梨健吉(たかなし・けんきち)=訳

 Audio 
英語原書オーディオブック(朗読) 第1信
Unbeaten Tracks In Japan, Letter I. Audiobook read by Availle

Uploaded to YouTube by FULL audio books for everyone on 15 Jul 2013. Audio courtesy of LibriVox.


■英語原文+朗読音声(Audio_button_icon_2 をクリック)
 The original text in English (Click Audio_button_icon_2 for the recording)

Audio_button_icon_3 LETTER I

ORIENTAL HOTEL, YOKOHAMA, May 21.

[Omission] Audio_button_icon_4 The first thing that impressed me on landing was that there were no loafers, and that all the small, ugly, kindly-looking, shrivelled, bandy-legged, round-shouldered, concave-chested, poor-looking beings in the streets had some affairs of their own to mind. At the top of the landing-steps there was a portable restaurant, a neat and most compact thing, with charcoal stove, cooking and eating utensils complete; but it looked as if it were made by and for dolls, and the mannikin who kept it was not five feet high. [Omission]


■tomoki y.によるコメント Comments by tomoki y.

イザベラ・バードが横浜に上陸したのは、130年まえの5月末。

バードは日本人の身体的特徴についてボロクソに描写している。金坂訳と時岡訳の「小人」はコドモではなく、コビトと読むはず。高梨訳の「一寸法師」という表現もすごい。その後、日本人の体格は、かなり向上した。とはいえ、いまでもわが同胞が欧米人より一般に小柄なのは事実だ。

ニッポン文化の大きな特徴のひとつで、130年まえも今も、変わらないこと。そして、130年まえも今も、外国人が感心すること。それは、ケータイ文化だ。屋台のことをバードは「ポータブル・レストラン」と表現している。直訳すれば、まさに携帯レストラン。上陸初日についての、わずか数行の描写のなかに早くも、するどい観察眼が発揮されている。このイギリス人のおばちゃん、えらいよ。


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013-10-10 「はじめに」の項でバードの滞日期間について誤った記述をしてしまっていたことに気づいたので、訂正しました。 
  • 2013-09-16 金坂清則=訳注の全4巻の刊行が完結したのに伴い、記述を修正・補足しました。また、外部リンクを追加しました。
  • 2013-09-14 オーディオブックの YouTube 画面を追加し、本文にも録音へのリンクを張りました。
  • 2012-12-21 金坂清則=訳注 2012-03-21 を追加しました。
  • 2008-05-26 時岡敬子=訳 2008-04 の訳文を挿入しました。また、tomoki y.によるコメントの項を新設しました。
  • 2008-05-14 時岡敬子=訳 2008-04 についての書誌情報を挿入しました。訳文は追って挿入するつもりです。

 

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