Ukridge's Accident Syndicate by P. G. Wodehouse P・G・ウッドハウス 「ユークリッジの事故シンジケート」「ユークリッジの傷害同盟」「傷害組合」「怪我をする会」
目次 Table of Contents
■表紙画像その他 Cover photos, etc.
■日本語訳 Translations into Japanese
(J1) 森村 2014
(J2) 岩永+小山 2008
(J3) 岡 1940
(J4) 梶原 1927, 1929, etc.
■英語原文 The original text in English
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log
■表紙画像その他 Cover photos, etc.
↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓
- よりぬきウッドハウス 2 国書刊行会 2014
- ユークリッジの商売道 P・G・ウッドハウス選集 4 文藝春秋 2008
- 新青年傑作選4 翻訳編 新装版 立風書房 1991
- Ukridge Overlook Press, 2003
- Ukridge Penguin Books, 1973
- P. G. Wodehouse. Image source: The Literature Network
■日本語訳 Translations into Japanese
(J1) 森村 2014
「(……)俺は頭を打ったに違いないんだ。おかげで俺の記憶はなんだか不確かになっちまった。(……)俺はあることは完全に憶えてる、だがあるところでは俺の記憶はまるきり空白なんだ」
「そうか、だがさ、大将」震える声でユークリッジは言った。「お前はあの保険についちゃ忘れちゃいないだろ?」
「ああ、忘れてない、憶えてるさ」
ユークリッジは安堵(あんど)のため息を洩(も)らした。
「俺は何誌も週刊誌を定期購読してたんだ」テディ・ウィークスは続けた。「彼らは今、俺に保険金を支払ってくれている」
「そうだ、そうだ、大将」ユークリッジが叫んだ。「だが俺が言いたいのは、お前はシンジケートのことのことを憶えてるだろうってことだ。憶えてるよな?」
テディ・ウィークスは眉を上げた。
「シンジケート? 何のシンジケートだ?」
- P・G・ウッドハウス=著 森村たまき(もりむら・たまき)=訳 「ユークリッジの事故シンジケート」 『よりぬきウッドハウス 2』 国書刊行会 2014/03/24
(J2) 岩永+小山 2008
「(……)どうやら、頭をぶつけたらしい。その結果、記憶があやふやになってしまった。あることははっきり思い出せるが、まったく空白の領域もある」
「いや、しかし、その」ユークリッジの声が震えた。「保険のことは忘れてないよな?」
「うん、覚えている」
ユークリッジが安堵の息を洩らした。
「ぼくは週刊誌をたくさん定期購読していた」とテディ・ウィークスが続けた。「各社がぼくに保険金を払ってくれてる」
「そう、それそれ」ユークリッジが叫んだ。「で、我輩が言ってるのは、シンジケートのこと。覚えてるだろ、どうだ?」
テディ・ウィークスが眉を吊り上げた。
「シンジケート? 何のシンジケート?」
- P・G・ウッドハウス=著 岩永正勝(いわなが・まさかつ)+小山太一(こやま・たいち)=訳 「ユークリッジの傷害同盟」 『ユークリッジの商売道』 P・G・ウッドハウス選集 4 文藝春秋 2008/12
(J3) 岡 1940
『(……)僕、物によつては非常に記憶が確かなんだが、物によつては全然頭にないことがあるんだ』
『然しねえ、君。君は保險のことは忘れてはゐないだらうね』
『覺えているさ』
アクリッヂはこの一言で蘇生の思ひである。
テッデイは言葉を續ける。
『僕は週刊新聞のいくつかに購讀を申込んでゐる。各社とも僕に今、保險金を支拂つてゐるよ』
『よし、よし。ところで、僕の尋ねるのは、組合のことなんだ。その點は覺えてゐるね』
テッデイ・ウイークスは眼を上げて云つた。
『組合? 何の組合だ』
- P・G・ウツドハウス=著 岡成志(おか・しげゆき)=譯 「傷害組合」 『愛犬學校』 P・G・ウツドハウスユーモア傑作集 東成社 1940/08(昭和15)
(J4) 梶原 1927, 1929, etc.
「(……)車にドシンとぶっつかった時、頭を打ったらしいんだ。どうも記憶の具合がへんなんだ。(……)憶えていることははっきり憶えてるが、ほかのこととなるとまるっきり憶えていないんだよ。」
「だけど何だろうね、」とウークリッジの声は震えた。「保険のことはまさか忘りゃアしまいね?」
「忘れるもんか。よウく憶えてるよ。」
ウークリッジはホッと息をついた。
「あたしゃ方々の新聞を購読していたんでネ(#原文は小さい「ネ」)、保険金がどっさり貰えるんだよ。」
「そうそう、そうだよ。」とウークリッジの声はだんだん大きくなった。「だけどおれの言うのは例の会のことだよ、組合のことだよ。」
テディ・ウイクスは目を見張って、
「会? 何の会だい?」
- P・G・ウッドハウス=著 梶原信一郎(かじわら・しんいちろう)=訳 「怪我をする会」 著者名表記は次のようにバラバラです。
- ウッドハウス 『新青年傑作選4 翻訳編』 立風(りっぷう)書房 新装版 1991/09
- ウォドハウス 『新青年傑作選4 翻訳編』 立風書房 新装版 1975
- ウォドハウス 『新青年傑作選4 翻訳編』 立風書房 初版 1970
- ウツドハウス 『どもり綺譚』 新青年叢書 博文館 1929(昭和4)
- ウォドハウス 「新青年」 1927/01(昭和2) 新春増大号
- 初出は e 「新青年」 1927年1月号。引用は a 立風書房 新装版 1991 に拠りました。
- また、つぎの版は異題ですが、上掲訳の改題再録かと推測されます(未確認)。
- P・G・ウッドハウス=著 梶原信一郎=訳 「怪我をしよう会」 「新青年」 1931/08(昭和12)増刊号
■英語原文 The original text in English
'It's the effect of the shock I got when that thing bowled me over. [Omission] I can remember some things perfectly, but in some ways my memory is a complete blank.' [Omission]
'Oh, but I say, old horse,' quavered Ukridge. 'I suppose you haven't forgotten about that insurance, have you?'
'Oh, no, I remember that.' Ukridge breathed a relieved sigh.
'I was a subscriber to a number of weekly papers,' went on Teddy Weeks. 'They are paying me insurance money now.'
'Yes, yes, old horse,' cried Ukridge. 'But what I mean is you remember the Syndicate, don't you?'
Teddy Weeks raised his eyebrows.
'Syndicate? What Syndicate?'
- Ukridge's Accident Syndicate (1923) by P. G. Wodehouse
- Reprinted in The Most of P. G. Wodehouse by P. G. Wodehouse. Touchstone (a division of Simon & Schuster), 2000. Preview at Google Books
- Excerpt at Language in P.G. Wodehouse's Ukridge's Accident Syndicate by Leena Rahko
■外部リンク External links
- 邦訳の出版社サイト
-
文藝春秋
- P・G・ウッドハウス選集4 『ユークリッジの商売道』 上のリンク先で第一話「ユークリッジの犬学校」の冒頭約7ページを立ち読みできます(2008/12/20 現在)。
- P・G・ウッドハウス選集3 『マリナー氏の冒険譚』
- P・G・ウッドハウス選集2 『エムズワース卿の受難録』
- P・G・ウッドハウス選集1 『ジーヴズの事件簿』
-
国書刊行会
-
文藝春秋
- 邦訳に関する書誌情報
- 文芸誌ムセイオン - P・G・ウッドハウスを読む
- ミステリー・推理小説データベース Aga-Search.com
- 本棚の中の骸骨:藤原研究室通信 書斎の死体(投稿コーナー) 真田啓介=編 P・G・ウッドハウス邦訳書誌
- 埼玉大学 八木研究室 『新青年傑作選』 『現代の推理小説』 総目次
- 愛読者どうしの交流や情報交換
- mixi(ミクシィ)のなかの 「P.G.ウッドハウス」コミュニティ
- その他:
- Revbiro Tamas Homepage - P. G. Wodehouse ウッドハウス作品を数多くハンガリー語に翻訳した Revbiro Tamas という方のホームページ。本文は英語/ハンガリー語のバイリンガル。写真多数。見ているだけでも楽しめます。
- The shelves in detail 上記 Tamas 氏のウッドハウス蔵書リスト。壮観。
■更新履歴 Change log
- 2014/03/24 目次を新設し、森村たまき=訳 2014/03/24 を追加しました。
- 2008/12/20 岩永正勝+小山太一=訳 2008/12 を追加しました。また、出版社サイトおよび書誌情報に関して修正・補足しました。
- 2007/07/30 参考の項に挙げた「文芸誌ムセイオン - P・G・ウッドハウスを読む」のURLが変更され、しばらくリンク切れになっておりました。リンクを修正しておきました。
- 2007/03/14 岡成志=譯 1940/08 を追加しました。
↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザの画面を更新すると入れ替わります。
↓ Refresh the window to display alternate titles of books, CDs and DVDs.
■洋書 Books in non-Japanese languages
■和書 Books in Japanese
■DVD ■VHS
■CD ■Cassette
« A Clean, Well-Lighted Place by Ernest Hemingway ヘミングウェイ 「清潔な、明かりのちょうどいい場所」「清潔で明るい場所」「清潔な、明かりの心地よい場所」「清潔で、とても明るいところ」「清潔な、照明のよい場所」「清潔で明るい所」 | Main | Un Maniaque / A Madman by Maurice Level モーリス・ルヴェル「或る精神異常者」 »
Comments