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Tuesday, 15 May 2007

L'oiseau du tour du monde by Jules Supervielle シュペルヴィエル 「牛小屋に寝ていた……」

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a. シュペルヴィエル 『海に住む少女』 光文社古典新訳文庫 (2006)
b. Un boeuf de Chine by Jules Supervielle, Illustration by Marc Daniau (2002)
c. Jules Supervielle (1884-1960) Image source: Meridiano Zero and Academie de Versailles


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 小海 1996
牛小屋に寝ていた
中国の灰色の牛が、
のびをする。
するとそれと同じ瞬間に、
ウルグアイの牡牛が
誰か動いたかしらんと
見ようとして寝返りをうつ。
その両方の牡牛の上を
昼と夜とを横切って
一羽の鳥が飛び、音もなく
この地球を一回りする、
決して地球にさわらずに
決して途中で休まずに。

   ジュール・シュペルヴィエル=作 小海永二(こかい・えいじ)=訳
   「牛小屋に寝ていた……」
   * 小海永二=編 篠崎三朗(しのざき・みつお)=画
    『ふしぎのうた』 みんなで読む詩・ひとりで読む詩4
    ポプラ社 1996/04 所収
   * 『現代フランス詩集』 世界現代詩文庫6 土曜美術社 1989/01 所収


(2) 三野 1990
中国の灰色の牛が、
自分の家畜小屋で横になり、
背を長々とのばす、
すると同じ瞬間に
ウルグアイの牛が
だれかが動いたかと
ふりかえって見る。
音もたてずに
昼と夜とを横切って
地球の周りをまわり
けっして地球にふれず
けっしてとどまることもない小鳥が
昼と夜をつらぬいて
二頭の牛の上を飛んでいる。

   ジュール・シュペルヴィエル=著 三野博司(みの・ひろし)=訳
   「中国の灰色の牛が……」(『無実の囚人』)
   『沖の少女—シュペルヴィエル幻想短編集
   現代教養文庫 社会思想社 1990/05 所収


(3) 堀口 1972
灰色の支那の牛が
家畜小屋に寝ころんで
背のびをする
するとこの同じ瞬間に
ウルグヮイの牛が
誰か動いたかと思って
ふりかえって後(うしろ)を見る。
この双方の牛の上を
昼となく夜となく
翔(と)びつづけ
音も立てずに
地球のまわりを廻り
しかもいつになっても
とどまりもしなければ
とまりもしない鳥が飛ぶ。

   ジュール・シュペルヴィエル=作 堀口大學=訳 「灰色の支那の牛が……」
   詩集『無実の囚人』(Le Forca innocent, 1930) より
   * 『シュペルヴィエル抄』 小沢書店 1992/03 所収
   * 『堀口大學全集3』 小澤書店 1982/04 所収
   * 『堀口大學訳詩集』 思潮社 1980/09 所収
   * 『シュペルヴィエル詩集』 世界の詩61 彌生書房 1972/08 所収


(4) 飯島 1968
家畜小屋に横たわっていた
灰色のシナの牛が
背伸びをする
と おなじ瞬間に
ウルグワイの牛が
誰かが動いたのかと
うしろをふりかえって見る。
この両方の牛の上を
昼も夜もとおして飛び
音も立てずに
地球のまわりをまわる鳥がいる
いつになっても下りて来ず
いつになっても止まりもしない。

   シュペルヴィエル=作 飯島耕一=訳 「灰色のシナの牛が……」
   『世界詩人全集17』 アポリネール詩集・コクトー詩集・シュペルヴィエル詩集
   新潮社 1968/07 所収


■英訳 Translation into English

A grey Chinese ox,
Lying in its shed,
Stretches its back
And at the same moment
An ox in Uruguay
Turns round to see
If someone has moved.
Flying above them both,
Bridging night and day,
The bird who silently
Flies around the planet,
Yet never touches it,
And never stops to rest.

   Jules Supervielle
   Quoted in Dai Wangshu: The Life and Poetry of a Chinese Modernist
   by Gregory Lee. Chinese University Press, 1989.
   Preview at Google Books


 Video 
L'oiseau du tour du monde

Uploaded by misterdivideo on Jan 25, 2010. Poésie de Jules Supervielle, récité en classe de CE2 à fort-Mardyck, en janvier 2010 par Maxence B, élève de la classe de Mister Di.


■フランス語原文 The original text in French

Un bœuf gris de la Chine
Couché dans son étable
Allonge son échine
Et dans le même instant
Un bœuf de l'Uruguay
Se retourne pour voir
Si quelqu'un a bougé.
Vole sur l'un et l'autre
A travers jour et nuit
L'oiseau qui fait sans bruit
Le tour de la planète
Et jamais ne la touche
Et jamais ne s'arrête.

   L'oiseau du tour du monde
   by Jules Supervielle
   E-text at Le Fuilet - Ecole Primaire Publique


■更新履歴 Change log

2013/03/10 英訳を追加しました。
2012/10/03 フランス語原詩を朗読する子供の YouTube 動画を追加しました。
2007/06/18 飯島耕一=訳 1968/07 を追加しました。
2007/06/04 三野博司=訳 1990/05 を追加しました。
2007/05/16 小海永二=訳と堀口大學=訳の書誌情報を補足しました。


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