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Wednesday, 23 May 2007

Yuki-Onna by Lafcadio Hearn ラフカディオ・ハーン / 小泉八雲 「雪女 / 雪おんな / 雪をんな」

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a. Nihon_no_kaidan b. Yukionna_1 c. Hearn_no_sekai
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平井呈一訳の朗読 Audiobook in Japanese

下に引用した個所は 5:33 あたりから。The excerpted section starts around 5:33.


■日本語訳の例 A list of some translations into Japanese

1.  小林幸治=訳「雪女」  『怪談』プロジェクト杉田玄白 2006 or 2010(?)
2a. 池田雅之=訳「雪女」  『語られると怖い話』    ポプラ社 2006/03
2b. 池田雅之=訳「雪女」  『新編 日本の怪談』角川ソフィア文庫 2005/07
2c. 池田雅之=訳「雪女」  『妖怪・妖精譚』     ちくま文庫 2004/08
3.  井上雅之=訳「雪女」  『小泉八雲 日本の心』    彩図社 2003/08
4.  脇 明子=訳「雪女」  『雪女 夏の日の夢』  岩波少年文庫 2003/03
5.  船木 裕=訳「雪おんな」『完訳 怪談』      ちくま文庫 1994/06
6.  保永貞夫=訳「雪女」  『耳なし芳一・雪女』講談社青い鳥文庫 1992/06
7.  平川祐弘=訳「雪女」  『怪談・奇談』    講談社学術文庫 1990/06
8.  中山伸子=訳「雪おんな」『恐怖の1ダース』    講談社文庫 1980/08
9.  奥田裕子=訳「雪女」  『小泉八雲作品集3』  河出書房新社 1977/08
10. 斎藤正二=訳「雪おんな」『完訳 怪談』      講談社文庫 1976/10
11. 上田和夫=訳「雪おんな」『小泉八雲集』   新潮文庫(新版) 1975/03
12. 保永貞夫=訳「雪女」  『怪談2』    少年少女講談社文庫 1972/11
13. 繁尾 久=訳「雪おんな」『怪談 他四編』     旺文社文庫 1972/06
14. 白木 茂=訳「雪おんな」『怪談』    旺文社ジュニア図書館 1971/04
15a.平井呈一=訳「雪おんな」『怪談』      岩波文庫(改版) 1965/09
15b.平井呈一=訳「雪おんな」『新・日本児童文学選2』   偕成社 1965/07
15c.平井呈一=訳「雪おんな」『全訳 小泉八雲作品集10』  恒文社 1964/06
16. 田代美千稔=訳「雪おんな」『怪談・奇談』      角川文庫 1956/11
17. 竹村 覺=譯「雪女」  『怪談・奇談』     金文堂出版部 1948/06
18. 平井呈一=訳「雪をんな」『怪談』      岩波文庫(旧版) 1940/10
19a.田部隆次=譯「雪女」  『小泉八雲集(上)』新潮文庫(旧版) 1950/07
19b.田部隆次=譯「雪女」  『小泉八雲全集第八卷家庭版』第一書房 1937/01
20. 山本供平=譯「雪女」  『Kwaidan (1)』       春陽堂 1932/03
21a.森銑三+萩原恭平=訳「雪をんな」『十六桜』      研文社 1990/09
21b.刈谷新三郎+萩原恭平=訳
        「雪をんな」『小泉八雲選集1』  嶺光社+開隆堂 1926/05


■上掲日本語訳からの抜粋 Excerpts from the translations listed above

(1) 小林 2006(?), 2010(?)
「私は、お前もあの人のようにする積りだったけど、お前が哀れに思えて仕方がない。だから見逃してやる事にするわ。見ればとても若くてかわいい坊やなんだから、巳之吉、今はお前には何もしないであげる。けど、もし今夜見た事を誰かに話したら、たとえそれがお前の母さんでも、私はすぐ分かるからね、その時はお前を殺してやるわ。私の言葉、忘れないで。」

   ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)=著 小林幸治=訳 「雪おんな
   『怪談:妖しい物の話と研究』 「プロジェクト杉田玄白」正式参加作品
   出版年は不明。アクセスカウンターは2010/09/06からカウント開始している。
   あとがきに相当する「訳者より」のページには「平成18年12月7日」
   すなわち 2006/12/07 の日付が見える。


(2) 池田 2004, 2005, etc.
「わたしは、おまえをあの年寄りのようにしてやろうと思っていたのさ。だが、おまえはたいそう若いから、どうも憐(あわ)れになった。
 巳之吉(みのきち)、おまえはなかなかきれいだから、今は許してやることにしよう。しかし、もしも、おまえが今夜見たことを、たとえ母親にでもしゃべったなら、そのときは、きっと命はないものと思うがいい。いいか、わたしの言ったことを忘れるでないぞ」

   小泉八雲=著 池田雅之(いけだ・まさゆき)=訳 「雪女」
   a. 赤木かん子=編 『語られると怖い話』 ホラーセレクション2
     ポプラ社 2006/03 所収
   b. 池田雅之=編訳 『新編 日本の怪談』 角川ソフィア文庫 2005/07 所収
   c. 池田雅之=編訳 『妖怪・妖精譚』 小泉八雲コレクション
     ちくま文庫 2004/08 所収


(3) 井上 2003
「おまえもあの爺さんと同じ目に遭わせてやろうと思っていたのさ。でも、気の毒になってね。だって、おまえは若いし、ほんとに可愛いからね。……今夜のことを、たとえ、おまえのおっ母さんにでもだよ、口にしたら、殺してしまうからね。わたしにはすべてお見通しなのさ。……わたしの言葉を忘れるでないよ」

   ラフカディオ・ハーン=著 井上雅之=訳 「雪女」
   和田久實(わだ・ひさみつ)=監訳 『小泉八雲 日本の心
   彩図社 2003/08 所収


(4) 脇 2003
「おまえも、もう一人のようにしてやるつもりだった。でも、なんだかかわいそうになってきたわ。おまえはこんなに若いんだもの。……おまえはきれいね、巳之吉(みのきち)。いまはおまえには触(さわ)らないでおくわ。でも、今夜ここで見たことをだれかに言ったら——たとえ、それがおまえのお母さんであっても——だれかにひとことでも言おうものなら、あたしにはちゃんとそれがわかるからね。そうしたら、おまえを殺してしまうよ。……あたしの言ったことを覚えておおき!」

   ラフカディオ・ハーン=著 脇明子(わき・あきこ)=訳 「雪女」
   『雪女 夏の日の夢』 岩波少年文庫 2003/03 所収


(5) 船木 1994
「おまえもあの爺さんと同じ目にあわせるつもりだったのに、なんだかかわいそうになってしまった。——なにしろあんまり若いのだもの。——ねえ、巳之吉(みのきち)、あんたはかわいい子だね。だから、今回は見逃してあげよう。でもね、今夜見たことは決して誰にもいってはいけないよ——母親にもね。そんなことしてごらん、あたしにはちゃんとわかるんだからね。そのときには、おまえの命はないからね——いいかい、それを忘れるんじゃないよ」

   ラフカディオ・ハーン=著 船木裕(ふなき・ひろし)=訳 「雪おんな」
   『完訳 怪談』 ちくま文庫 1994/06 所収


(6) 保永 1992
「おまえも、茂作(もさく)と同(おな)じめにあわせてやろうと思(おも)ったが、なんだかかわいそうになった。だって、おまえはまだ若(わか)いし、心(こころ)もやさしそうだから、こんどは助(たす)けてあげよう。しかし、今晩(こんばん)のことは、だれにも——たとえ、おまえのお母(かあ)さんにでも話(はな)してはいけないよ。そうしたら、おまえの命(いのち)はないからね……いいかい、わたしのいったことを、けっしてわすれるんじゃないよ。」

   小泉八雲=作 保永貞夫(やすなが・さだお)=訳 「雪女」
   『耳なし芳一・雪女—八雲怪談傑作集
   講談社青い鳥文庫 1992/06


(7) 平川 1990
「お前も同じ目にあわせてやろうと思ったが、なんだか不憫(ふびん)になった。お前はあんまり若いから。お前は可愛いから、今度は助けてあげる。しかし今晩のことは誰にも話してはいけない。たといお母さんにでも言えば、只ではおかない。そうしたら命はないよ。いいか、わたしの言いつけをお忘れでないよ」

   小泉八雲=著 平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)=訳 「雪女」
   『怪談・奇談』 講談社学術文庫 1990/06 所収                     


(8) 中山 1980
「お前ももう一人の人と同じような目に会わせてやるつもりだったんだけどね。何だかちょっとかわいそうになったのさ——お前はまだとっても若いから……きれいな子だね、お前は、巳之吉。お前を痛めつけるのは今はやめにしてあげよう。だけど、もしお前が誰かに——そう、たとえお前のお母さんにだってさ——今夜見たことを話したら、私には、ちゃんと分かるんだよ。もしもしゃべったら、そしたら、お前の命は今度こそないよ……私が言ったことをお忘れでないよ」

   ラフカディオ・ハーン=著 中山伸子=訳 「雪おんな」
   中田耕治=編 『恐怖の1ダース』 講談社文庫 1980/08 所収


(9) 奥田 1977
「お前さんもこの爺さんとおんなじ目に遭わせてやるつもりだったが、まだ若いらしいから、今日のところは止めにしておいてあげよう。顔も可愛らしいし、かわいそうになったんだよ。だが、もしお前さんが今夜の出来事を人にしゃべったりすれば、この私にゃちゃんと分かるんだからね。そうしたら、ただではおかないよ。おふくろさんにしゃべっても、お前さんの命はないからね。いいかい、今言ったことをお忘れでないよ」

   小泉八雲=著 奥田裕子(おくだ・ひろこ)=訳 「雪女」
   森亮(もり・りょう)〔ほか〕=訳 『小泉八雲作品集3—物語の文学
   河出書房新社 1977/08 所収


(10) 斎藤 1976
「あたしは、おまえさんを、もうひとりの人と同じような目にあわせてやろうと思っていたんだよ。だが、どうもすこし、おまえさんがかわいそうになってきてね。——だって、おまえさんは、まだとても若いんだものね。……おまえさんは美少年だね、巳之吉。それで、あたしは、きょうのところ、おまえさんを殺(あや)めるようなことはしないでおくよ。だが、もしも、おまえさんが、今夜見たことを、だれかに——たといおまえの母親にだってもだよ——口外したとすればだよ、あたしには、それが、ちゃんとわかるんだからね。そして、そのときには、あたしゃ、おまえさんを生かしちゃおかないからね。……あたしの言ったことを、よく覚えておおき!」

   ハーン=著 斎藤正二(さいとう・しょうじ)=訳 「雪おんな」
   『完訳 怪談』 講談社文庫 1976/10 所収


(11) 上田 1975
「わたしは、おまえも、あの人のようにするつもりだったのよ。だけど、ちょっとかわいそうになってね——あんまり若いものだから。……なんて、かわいい子だろう、巳之吉さん。もう、おまえを殺しはしない。でも、もしおまえが、だれかに——たとえ、おまえの母親であっても——今夜見たことを言ったら、わたしにはわかるのだから。そのときは、おまえを殺してしまう……言ったことをよくおぼえておくのだよ!」

   小泉八雲=著 上田和夫=訳 「雪おんな」
   『小泉八雲集』 新潮文庫(新版)1975/03 所収


(12) 保永 1972
「おまえも、あの人と、おなじようなめにあわせてやろうと思ったのだが、すこし、かわいそうになってきたよ——。だって、まだわかいのだもの……。
 巳之吉や、おまえは、ほんとうに、きれいで、やさしそうな子だね。それで、いまのところ、おまえをいためつけるようなことはしないから、安心をおし。
 けれど、今夜見たことを、もしだれかに——たとい、おまえの母親にでも——話そうものなら、わたしには、ちゃんとわかって、そのときは、おまえを殺してしまうからね……。わたしのいったことを、けっしてわすれるのではないよ。」

   小泉八雲=作 保永貞夫(やすなが・さだお)=訳 「雪女」
   『怪談 2』 少年少女講談社文庫 1972/11
   原文は総ルビですが、ここではそれらをすべて略しました。


(13) 繁尾 1972
「おまえも、あっちの男のようにしてくれようと思ったけれど、でもなんだかかわいそう——まだ、こんなに若いんだから……かわいい子だね、巳之吉、おまえは。今はいたぶるのはよしにしよう。でも、こん夜見たことを人にいいつけたら、たとえおまえのおっ母(か)さんにしゃべったって、あたしにはわかっちまうんだから、いいね。そんなことをしでかしたら、わたしはおまえを取り殺してしまうから……あたしのいったことを、よくおぼえておくがいい!」

   ハーン=作 繁尾久(しげお・ひさし)=訳 「雪おんな」
   『怪談 他四編』 旺文社文庫 1972/06 所収


(14) 白木 1971
「わたしは、おまえも、この年よりのような目にあわせてやろうと思ったのだが、なんだか、かわいそうになってきたんだよ。——おまえは、まだ若いんだからね……。ねえ、巳之吉(みのきち)、あんたは、かわいい少年だね。だから、そっとしといてあげる。そのかわり、おまえは、今夜のことをだれにもいってはいけないよ。おまえのおかあさんにもだよ。——もし、このやくそくをやぶるようなことがあれば、このわたしには、すぐわかるんだからね。いいね、だれかにいったりしたら、おまえをころしてしまうよ。わかったね、ようくおぼえておくんだよ。」
[原文にあるルビは一部省略しました - tomoki y.]

   ハーン=作 白木茂(しらき・しげる)=訳 「雪おんな」
   『怪談(ふしぎな話)』 旺文社ジュニア図書館 1971/04 所収


(15) 平井 1964, 1965
「わたしは、おまえのことも、こっちの人のような目に会わせてやろうと思ったけれど、でも、なんだか、むしょうにかわいそうになってきた。おまえは、まだ年がいかないものね。巳之吉、おまえはかわいい子だね。もう、わるさはしないよ。でも、今夜おまえが見たことは、だれにも言ってはいけないよ。おまえのおっ母さんにも、黙っているのだよ。言うと、わたしにゃ、ちゃんとわかるよ。そうしたら、わたしはおまえを殺してやるからね。いいかえ、わたしの言ったことを、よくおぼえてお置き」

   a. ラフカディオ・ハーン=作 平井呈一=訳 「雪おんな」
     『怪談—不思議なことの物語と研究』 岩波文庫(改版)1965/09 所収
   b. 小泉八雲=著 平井呈一=訳 「雪おんな」
     『新・日本児童文学選2』 偕成社 1965/07 所収
   c. 小泉八雲=著 平井呈一=訳 「雪おんな」
     『全訳 小泉八雲作品集10 骨董・怪談・天の川綺譚
     恒文社 1964/06 所収

   上の引用は、a. および c. に依拠しました。
   b. は、児童向きに字句や表記がすこし改めてあるため、
   細部が異なりますが、大筋は同じです。


(16) 田代 1956
「おまえも、あの人と同じような目にあわせてやろうと思ったんだが、どうもすこし、かわいそうになってきてね。——だって、まだとても若いんだから。……おまえはきれいな子だね、巳之吉。それで、今のところ、おまえを傷めるようなことはしないよ。だけど、おまえがもしだれかに——たといおまえの母親にでも——今夜見たことを話そうものなら、ちゃんとわたしにわかるのだから、そのときは、おまえを殺してしまうからね。……わたしの言ったことを、よく覚えておいで」

   ラフカディオ・ハーン=著 田代美千稔(たしろ・みちとし)=訳
   「雪おんな」 『怪談・奇談』 角川文庫 1956/11 所収


(17) 竹村 1948
『妾は、お前も、あの男の樣にしてやらうと思つてゐたよ。けれども、妾はどうしてもお前が可哀想でならないのだよ、——お前はこんなに若いのだものね。……巳之吉、お前は美しい子だわね。もうお前に危害を加へるのは止めようね。けれども若しお前が誰にでも——たとへお前の母親にだつても——今夜見た事を話さうものなら、妾にはそれが分るのだよ。その時には、お前も殺してしまふからね。……妾の言ふことを忘れないでね!』

   小泉八雲=著 竹村覺(たけむら・さとる)=譯註 「雪女」
   『怪談・奇談』 金文堂出版部 1948/06 所収


(18) 平井 1940
「わたしはお前もこつちの人のやうな目に遭わせてやらうと思つたが、でもなんだか耐(たま)らなく可哀さうになつて來たよ。お前はまだ年が行かないからね。巳之吉や、お前は可愛いゝ子だね。もう惡戲(わるさ)はしないよ。だが、今夜お前が見たことは誰にも言つてはいけない。お前のおつ母さんにも默つてゐるのだよ。言ふと、ちやんとわたしにや分かるよ。さうしたら、わたしやお前を殺してしまうよ。いゝかえ、わたしの言ふこと、よく覺えてお置き。」

   ラフカディオ・ヘルン=作 平井呈一=訳 「雪をんな」
   『怪談—不思議な事の研究と物語』 岩波文庫(旧版)1940/10 所収


(19) 田部 1937, 1950, etc.
「私は今ひとりの人のやうに、あなたをしようかと思つた。しかし、あなたを氣の毒だと思はずには居られない、——あなたは若いのだから。……あなたは美少年ね、巳之吉さん、もう私はあなたを害しはしません。しかし、もしあなたが今夜見た事を誰かに——あなたの母さんにでも——云つたら、私に分ります、そして私、あなたを殺します。……覺えていらつしやい、私の云ふ事を」

   小泉八雲=著 田部隆次(たなべ・りゅうじ)=譯 「雪女」
   a. 古谷綱武(ふるや・つなたけ)=編 『小泉八雲集(上)
     新潮文庫(旧版)1950/07 所収
   b.小泉八雲全集第八卷家庭版』 第一書房 1937/01(昭和12)所収
   この訳のオーディオブック 『小泉八雲の怪談傑作選』 でじじ


(20) 山本 1932
「妾はね、お前もあの人の樣に仕樣と思つたんだよ、だが、どうも、少し可哀想でね——お前はまだほんとに若いのだから……。巳之吉、お前は綺麗な子だね、妾は今お前を殺しませんよけれども、お前が若し誰にでも、例ばお前のほんとのお母さんにでも、今夜見たことを、云つたら最後、妾にはちやんと解るのだからその時こそはお前の命を貰ふからね……妾の云つたことを覺えて置いで!」

   ラフカディオ・ハーン=著 山本供平=譯註 「雪女」
   『Kwaidan (1)』 春陽堂 1932/03(昭和7)所収
   (ただし、この本の扉には "Kawidan" と表記)


(21) 刈谷+萩原 1926, 森+萩原 1990
「あたしはね、お前もあの人のやうにしようと思つたのだよ。だがどうも、ちつと可哀さうよ——お前はほんたうにまだ若いのだから……。巳之吉お前は美しい子だね。あたしは今お前をあやめまい。けれども、お前がもし誰にでも——お前のほんとの母親にでも——今夜見たことをいはうなら、わたしには解るのだから、その時こそお前を殺してしまふからね。……あたしのいったことを覚えておき!」

   a. 小泉八雲=著
     森銑三(もり・せんぞう)+萩原恭平(はぎわら・きょうへい)=共訳
     『十六桜—小泉八雲怪談集』 研文社 1990/09 所収
   b. 小泉八雲=著
     刈谷新三郎(かりや・しんざぶろう)+萩原恭平=共訳
     『小泉八雲選集 第1篇』 嶺光社+開隆堂=相版 1926/05(大正15)所収

  • 「刈谷新三郎」は森銑三のペンネーム、つまり森氏と刈谷氏は同一人物です。a.b.『小泉八雲選集 第1篇』所収の12篇に、『小泉八雲選集第2篇』を併せ、一冊にまとめたもの。
  • a. の「編集後記」および、そこに引用されている b. 序文によって、b. の成立事情がわかります。それらによると、b. 所収の12篇のほとんどすべては、すでに1919, 1920(大正8, 9)年ごろ、大道義塾の機関誌「帝國民」に、あるものは刈谷氏、あるものは萩原氏の名前で発表されていたそうです。しかし、その実態は12篇すべてが両氏の共訳だったとのこと。b. 刊行にあたっては、両氏が共同で全篇をことごとく改稿された由。
  • a. には、なぜか ISBN が記載されていません。また、b. は、国立国会図書館「日本全国書誌」2004-32三康図書館蔵書検索−語学明治大学図書館書誌 などに記載されています。

  Video  
英語原書のアニメ化作品 Animated adaptation of the original text in English

下の引用箇所の朗読は 2:39 から始まります。 Uploaded to YouTube by Machinima on 2 Nov 2007. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 2:39.


■英語原文 The original text in English

"I intended to treat you like the other man. But I cannot help feeling some pity for you, -- because you are so young... You are a pretty boy, Minokichi; and I will not hurt you now. But, if you ever tell anybody -- even your own mother -- about what you have seen this night, I shall know it; and then I will kill you... Remember what I say!"


■ハーンによる英文原書『怪談』に関する詳細な書誌
 Detailed bibliography on Kwaidan, Hearn's collection of ghost stories
 in English


■有益なサイト Useful websites


■更新履歴 Change log

  • 2015/02/09 保永貞夫=訳 1972/11 を追加しました。
  • 2014/02/27 英語原書のドラマ仕立ての朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2011/11/10 小林幸治=訳 2006 or 2010(?) を追加しました。
  • 2010/05/19 平井呈一=訳 1964, 1965 の朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2007/07/06 中山伸子=訳 1980/08 を追加しました。
  • 2007/06/02 森銑三+萩原恭平=共訳 1990/09、および刈谷新三郎+萩原恭平=共訳 1926/05 を追加しました。また、日本語訳の例 A list of some translations into Japanese の項を新設しました。

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