« Jeeves in the Springtime by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ジーヴズの春」 | Main | Lady into Fox by David Garnett デイヴィッド・ガーネット「狐になった奥様」「狐になった人妻」「狐になった夫人」 »

Thursday, 14 June 2007

柿本人麻呂 「たまかぎる……」 萬葉集巻11-2391 Kakinomoto no Hitomaro "Tamakagiru...." from Man'yoshu 11-2391

 Video 1 
Love Songs from the Man'yoshu (Kodansha's Illustrated Japanese Classics, 2000)
万葉恋歌 Love Songs from the Man'yoshu(講談社インターナショナル 2000)

Uploaded to YouTube by LitBookMix on 23 Feb 2013


 Images 

a. Ueno_makoto_chiisana_koi_no_manyosh b. Manyo_luster_9784894441866 c. Love_songs_from_the_manyoshu_978477

↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑

■現代日本語訳 Translations into cotemporary Japanese

1.
それはまさに一瞬の光——
昨日
それも夕方
逢(あ)ったばかりなのに
今朝にはもう
恋しく思っている
そんなわたしで
イイノカナ……
        上野 2005
 
 
2.
玉がかすかに音を立てるようにちらっと昨日の夕方逢っただけなのに、
今日の朝、こんなにも恋するなどということがあってよいものだろうか。
        阿蘇 2004
 
 
3.
(たまかぎる)昨日の夕逢ったところなのに
今日の朝こんなにも恋をしてよいものか。
        稲岡 1998
 
 
4.
昨日の晩逢ったばかりだというのに、
明けた今朝、はやもうこんなに恋い焦れる
なんていうことがあってよいものであろうか。
        伊藤 1997 
 
 
5.
魂合いをして昨日の夜は逢えたものを、
もう今日の朝はこんなに恋に苦しむべきものなのか。
        中西 1984
 
 
6.
昨夜(ゆうべ)逢ったというのに、
明けた今朝(けさ)、はやもうこんなに恋い焦(こが)れる
なんていうことがあってよいものだろうか。
        青木+井手+伊藤〔ほか〕1980
 
 
7.
ほんのちよつと、昨日の夕べ見たものを、
今日の朝、戀ひ思ふべきものであろうか。
        土屋 1977
 
 
8.
ちらりと昨日の夕方会っただけなのに、
今日の朝こんなに恋しがってよいものであろうか。
        桜井 1974 
 
 
9.
偶然にも、昨日の夕べ逢ったのであるのに、
今日の朝に恋ふべきであろうか、恋うべきではない。
        窪田 1966
 
 
10.
まざまざと、あんなにしみじみきのふの晩は逢つたものを、
もうけふの朝にこんなに戀しがる事があつてよいものか。
        澤瀉 1962
 
 
11.
ちらりとほんの一瞬、昨日の夕見ただけなのに、
今日の朝に恋しく思うべきであろうか。
        高木+五味+大野 1960
 
 
■たまかぎる……
 上野 2005、新大系 2002、稲岡 1998
 伊藤 1997、集成 1980  

たまかぎる きのふのゆうべ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

玉かぎる 昨日の夕 見しものを
今日の朝に 恋ふべきものか

   1. 上野誠=著 佐藤秀明=写真
     『小さな恋の万葉集』 小学館 2005/12
   (*) 佐竹昭広+山田英雄+工藤力男(くどう・りきお)
     +大谷雅夫+山崎福之(やまざき・よしゆき)=校注
     『新日本古典文学大系3 萬葉集3』 岩波書店 2002/07
   3. 稲岡耕二(いなおか・こうじ)=著 『萬葉集全注 巻第十一』(全20巻)
     有斐閣 1998/09
   4. 伊藤博(いとう・はく)=著 『萬葉集釋注6』 集英社 1997/05
   6. 青木生子(あおき・たかこ)+井手至(いで・いたる)
     +伊藤博+清水克彦+橋本四郎=校注
     『新潮日本古典集成41 萬葉集3』 新潮社 1980/11
 
 
■たまひゞき……
 阿蘇 2004

たまひゞき きのふのゆふべ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

玉ひゞき 昨日の夕 見しものを
今日の朝に 恋ふべきものか

   2. 阿蘇瑞枝(あそ・みずえ)=著 『人麻呂集・赤人集・家持集
     和歌文学大系17 明治書院 2004/02
 
 
■たまあへば……
 中西 1984

たまあへば きのふのゆうへ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

玉あへば 昨日の夕 見しものを
今日の朝に 恋ふべきものか

   5. 中西進=著 『萬葉集 全訳注 原文付』 講談社 1984/09


■たまゆらに……
 土屋 1977、桜井 1974、大系 1960  

たまゆらに きのふのゆうべ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

玉ゆらに 昨日の夕べ 見しものを
今日の朝に 戀ふべきものか

   7. 土屋文明=著 『万葉集私注6』 筑摩書房 1977/01
   8. 桜井満(さくらい・みつる)=訳注
     『現代語訳対照万葉集(中)』 旺文社文庫 1974/09
   11. 高木市之助(たかぎ・いちのすけ)+五味智英(ごみ・ともひで)
     +大野晋(おおの・すすむ)=校注
     『日本古典文学大系6 萬葉集3』 岩波書店 1960/10
 
 
■たまたまも……
 窪田 1966
 
たまたまも きのふのゆふべ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

たまたまも 昨日の夕 見しものを
今日の朝に 恋ふべきものか

   9. 窪田空穂(くぼた・うつぼ)=著
     『窪田空穂全集17 萬葉集評釋5』 角川書店 1966/11
 
 
■まさやかに……
 澤瀉 1962

まさやかに きのふのゆうべ みしものを
けふのあしたに こふべきものか

まさやかに 昨日の夕 見しものを
今日の朝に 戀ふべきものか

   10. 澤瀉久孝(おもだか・ひさたか)=著 『萬葉集注釋 卷第十一
      中央公論社 1962/10


■古代日本語の表記(万葉仮名)による原文
 The original text in ancient Japanese by using Man'yōgana

玉響 昨夕 見物 今朝 可戀物

   萬葉集 巻第十一 2391
   (柿本人麻呂)
   E-text at Japanese Text Initiative (Nishi Honganji bon 西本願寺本)
   貴重資料画像 - 京都大学電子図書館
   * 京都大学附属図書館所蔵 古典籍(古典大系) 『萬葉集』
   * 京都大学附属図書館所蔵 近衛文庫 『万葉集(近衛本)』


 Video 2 
万葉集 Manyoshu

映像の出所は未確認。NHKテレビの番組か何かのように見受けられますが。 Uploaded to YouTube by HerefordYnagae on 11 Jan 2009


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

2013/03/11 つぎの2本の YouTube 画面を追加しました。
         1) Love Songs from the Man'yoshu
         2) 万葉集 Manyoshu
2007/02/25 記事タイトルのローマ字表記に誤りがあったので訂正しました。
2007/12/19 窪田空穂=著 1966/11 を追加しました。また、外部リンクの項を
         新設しました。
2007/06/18 伊藤博=著 1997/05 を追加しました。
2007/06/17 阿蘇瑞枝=著 2004/02 を追加しました。


にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 英語ブログへにほんブログ村 外国語ブログへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 本ブログ 洋書へにほんブログ村 英語ブログ 通訳・翻訳へにほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ翻訳ブログ人気ランキング参加中

↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザ画面を更新すると入れ替ります。
↓ Refresh the window to display alternate titles of books, CDs and DVDs.

■洋書 Books in non-Japanese languages
(1) Manyoshu

(2) Ian Hideo Levy(リービ英雄)

■和書 Books in Japanese
(1) 万葉集

(2) 萬葉集

■DVD

  

|

« Jeeves in the Springtime by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ジーヴズの春」 | Main | Lady into Fox by David Garnett デイヴィッド・ガーネット「狐になった奥様」「狐になった人妻」「狐になった夫人」 »

Comments

『小さな恋の万葉集』の著者の上野誠です。訳を取り上げてもらいありがとうございます。自分の役を久しぶりに見ると、外国語の訳詩みたいですね。若い人の手引きになれば・・・。

Posted by: 上野誠 | Sunday, 17 June 2007 11:26 pm

上野先生
書き込みありがとうございます。まさか、著者ご本人からコメントをいただけるとは思いもよらず、たいへん光栄に存じます。ご著書のことは、去る5月15日の朝日新聞夕刊「ニッポン人・脈・記」欄に紹介されているのを拝見して知りました。英語の翻訳に携わる職業柄、時空(=言語・時代)を問わず「翻訳」には強い関心を抱いています。わたし自身は、もうけっして若くはないのですが、先生の大胆な意訳に興味をひかれ、遅まきながら万葉の世界にふれていきたいと思うようになりました。わたしたちをわくわくさせてくれるような「万葉文化論」を、ぜひよろしくお願いします!

Posted by: tomoki y. | Monday, 18 June 2007 12:33 am

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 柿本人麻呂 「たまかぎる……」 萬葉集巻11-2391 Kakinomoto no Hitomaro "Tamakagiru...." from Man'yoshu 11-2391:

» 小さな恋人つなぎ、小さな恋のメロディ [恋人つなぎのしあわせ]
今日は、「小さな恋のメロディ」から名場面。放課後の恋人つなぎ。小さな恋人つなぎ。初めてのデートは、ビージーズの「First of May(若葉の頃)」とともに。「50年てどのぐらい?」「休みをぬかして150学期だよ」「ずっと私のこと大好きでいてくれる?」「うん・・・」「そんなの無理よ」「だいじょうぶさ。だってもう7日間も愛しているんだよ!」トレーシー・ハイドとマーク・レスターの小さな恋。5月のロン�... [Read More]

Tracked on Friday, 15 June 2007 09:58 pm

« Jeeves in the Springtime by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ジーヴズの春」 | Main | Lady into Fox by David Garnett デイヴィッド・ガーネット「狐になった奥様」「狐になった人妻」「狐になった夫人」 »