« Dream-Children; A Reverie (from Essays of Elia) by Charles Lamb チャールズ・ラム (『エリア随筆』より)「夢の子供たち——ある幻想」 | Main | The Spot of Art by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ちょっぴりの芸術」 »

Friday, 27 July 2007

Bertie Changes His Mind by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「バーティー考えを改める」「バーティ君の変心」

 Image gallery 
a. 4336046778 b. 3510 c. Plum

↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑

■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 森村 2005
「(……)つまりだ、ここ数日僕はずいぶん真剣に考えてたんだ、ジーヴス。それで結論に達したんだが、僕の人生は空白だ。僕は孤独なんだ、ジーヴス」
「あなた様には大勢ご友人がおありではございませんか、ご主人様」
「友達なんか何になる?」
「エマーソンは」わたくしはご想起を促しました。「〈友人とは大自然のつくりたもうた傑作である〉と語っております、ご主人様」
「うーん、エマーソンに今度会ったら、僕からだと言ってこう伝えてもらいたい。君はバカだ、と」
「かしこまりました、ご主人様」

  • P・G・ウッドハウス=著 森村たまき=訳 「10. バーティー考えを改める」 『それゆけ、ジーヴス』 ウッドハウス・コレクション 国書刊行会 2005/10 所収

(2) 岩永+小山 2005
「(……)その、最近つくづく思うんだが、ジーヴズ、ぼくの人生は空っぽだ。ぼくは寂しい」
「たくさんお友達がいらっしゃるではありませんか?」
「友達が何の役に立つ?」
「エマーソンが」と私は引用しました。「友人とは天が創りたもうた最高の傑作である、と言っております」
「そうか、じゃあそのエマーソンとかいうやつにこんど会ったら、ぼくが馬鹿めと言っていたと伝えろ」
「承知いたしました」

  • P・G・ウッドハウス=著 岩永正勝+小山太一=編訳 「バーティ君の変心」 『ジーヴズの事件簿』 P・G・ウッドハウス選集1 文藝春秋 2005/05 所収

(3) 梶原 1926, 1927, etc.
『(……)——つまりだね、僕はこの四五日、しみ/゛\考へてみたのだが、要するに、僕の生活は空虚だつてことに氣がついたのさ。僕は淋しいんだよ。』
『御友人がたくさんいらつしやるぢやございませんか。』
『友達がなんの役に立つ?』
『友人は自然の傑作なりとエマーソンは申してをりますが。』
『フン、こんどエマーソンに會つたら、彼奴は莫迦だとおれが言つてたと言つてくれ。』
『かしこまりました。』

[原文はつぎのとおり総ルビ]

『(……)——つまりだね、僕(ぼく)はこの四五日(にち)、しみ/゛\考(かんが)へてみたのだが、要(えう)するに、僕(ぼく)の生活(せいくわつ)は空虚(くうきよ)だつてことに氣(き)がついたのさ。僕(ぼく)は淋(さび)しいんだよ。』
『御友人(おなかま)がたくさんいらつしやるぢやございませんか。』
『友達(ともだち)がなんの役(やく)に立(た)つ?』
『友人(ともだち)は自然(しぜん)の傑作(けつさく)なりとエマーソンは申(まを)してをりますが。』
『フン、こんどエマーソンに會(あ)つたら、彼奴(あいつ)は莫迦(ばか)だとおれが言(い)つてたと言つてくれ。』
『かしこまりました。』

   ウオドハウス(もしくはウツドハウス)=著 梶原信一郎=譯
   「女學校事件」
   3a. 国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-特207-201
   3b.「新青年」復刻版 大正15年 第7巻 合本4 第7号(6月号)・第8号(7月号)
      第3期第1回配本(大正15年分) 本の友社 1998/09 所収
   3c.どもり綺譚』 博文館 新青年叢書 1929(昭和4)所収
   3d. 歐米名作家=著 森下雨村=編
      『怪奇探偵 探偵名玉集』 探偵傑作叢書第50編
      博文館 正價金壹圓 1927/04(昭和2)發行
   3e.新青年 第7卷第8號』 1926年7月(大正15)号収載

   3a. の底本は 3d.3b.3e. の復刻版。引用は3a. に拠りました。
   京都府立図書館ならびに国立国会図書館の司書・職員の皆さん、
   いつもながら、ご協力ありがとうございます。

   つぎの各サイトを参照させていただきました。


 Video 
Jeeves & Wooster Season 2 Episode 6 Part 1/5
下の引用箇所に相当する会話は 2:47 あたりから始まります。 Uploaded to YouTube by wolfxbloed on 14 Jun 2009. The conversation corresponding to the excerpt below starts around 2:47.


■英語原文 The original text in English

  "(....) I mean to say, I've been thinking pretty deeply these last few days, Jeeves, and I've come to the conclusion mine is an empty life. I'm lonely, Jeeves."
  "You have a great many friends, sir."
  "What's the good of friends?"
  "Emerson," I reminded him, "says a friend may well be reckoned the masterpiece of Nature, sir."
  "Well, you can tell Emerson from me next time you see him that he's an ass."
  "Very good, sir."


■ウッドハウス邦訳のリスト

ただし、真田氏の書誌は2003年7月現在のものです。その後、つぎの各シリーズが刊行済み/刊行予定。

  • 国書刊行会 『ウッドハウス・コレクション』 2005/02〜 既刊7冊。2007/12 に第8回『ジーヴスと恋の季節』 配本予定。
  • 国書刊行会 『ウッドハウス・スペシャル』 2007/09 に第1回 『ブランディングズ城の夏の稲妻』 配本予定。版元サイト 2007/02/26 の項に案内)
  • 文藝春秋 『P・G・ウッドハウス選集』 2005/05〜 既刊3冊。第3巻は2007年7月末に出ました。

■参考

  • 文藝春秋|本の話より|自著を語る(「本の話」2007年8月号の電子版) 浅倉久志×小山太一 「ユーモアを翻訳する—翻訳者対談・ウッドハウスとヴォネガットの魅力」
  • 文藝春秋|本の話より|PICK UP(「本の話」2005年7月号の電子版) 岩永正勝×小山太一 「天国のような喜劇の世界—笑いの天才P・G・ウッドハウス」 文藝春秋『P・G・ウッドハウス選集』の編訳者2人による対談。

■更新履歴 Change log

  • 2013/05/03 Jeeves & Wooster Season 2 Episode 6 の YouTube 動画を追加しました。
  • 2007/08/25 梶原信一郎=譯 1926/07, 1927/04, etc. を追加しました。また、岩永正勝+小山太一=訳 2005/05 の邦題を「バーティー君の変心」と表示しておりましたが、正しくは「バーティ君の変心」でした。記事のタイトル、および書誌情報の該当箇所を訂正しました。さらに、検索の便に役立つかな(?)と思い、この記事のタイトルに異題「バーティー考えを改める」を加えました。
  • 2007/07/29 文藝春秋刊P・G・ウッドハウス選集の最新巻『マリナー氏の冒険譚—P・G・ウッドハウス選集3』が書店に出回りはじめました。これに合わせて、上の邦訳リストの記述を修正しました。
  • 2007/07/27 「ウッドハウス邦訳のリスト」と「参考」の項を追加しました。

↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザの画面を更新すると入れ替ります。
↓ Renew the window to display alternate titles of books, CDs and DVDs.

■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese

■DVD

|

« Dream-Children; A Reverie (from Essays of Elia) by Charles Lamb チャールズ・ラム (『エリア随筆』より)「夢の子供たち——ある幻想」 | Main | The Spot of Art by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ちょっぴりの芸術」 »

Comments

はじめまして。
文芸誌ムセイオン管理人BのHernaniです。
貴ブログを拝見していると、
ウッドハウス作品への愛着をひしひしと感じます。

ところで、拙サイト「文芸誌ムセイオン」へのリンク、ありがとうございます。
プロバイダの契約満了に伴い、URLが変更になったため、
いろいろとご配慮いただかなくてはならなかったこと、
大変申し訳ございませんでした。
最近はなかなか更新できておりませんが、これからも地道にがんばりたいと思っています。

今後とも宜しくお願いいたします。

また、森下雨村=編『怪奇探偵 探偵名玉集』探偵傑作叢書第50編については、
まったく存じ上げませんでした。
拙サイトページにも追加させていただこうと思っています。
あと、新青年のテキストについてですが、本の友社から出ている合本が、大きな図書館に行けばあると思います。
大変参考になると思います。

Posted by: Hernani | Thursday, 20 September 2007 03:15 pm

Hernaniさま

はじめまして。コメントありがとうございました。サイト運営者ご本人から直にメッセージをいただき、たいへん光栄に存じます。

貴サイト「文芸誌ムセイオン」は、ほかに類の見あたらない貴重な情報源として、たびたび参照させていただいております。お世話になっている貴サイトについて、もっと早く言及すべきだったと思っております。

本の友社から出ている「新青年」の合本については、まったく存じませんでした。ご教示ありがとうございます。最寄りの図書館には見あたりませんでしたが、近隣の府県の公共図書館が所蔵していることを確認しました。近いうちに取り寄せようと思っています。

お気づきの点がございましたら、またお知らせください。どうぞ今後とも、よろしくお願い致します。

Posted by: tomoki y. | Thursday, 20 September 2007 08:22 pm

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Bertie Changes His Mind by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「バーティー考えを改める」「バーティ君の変心」:

« Dream-Children; A Reverie (from Essays of Elia) by Charles Lamb チャールズ・ラム (『エリア随筆』より)「夢の子供たち——ある幻想」 | Main | The Spot of Art by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「ちょっぴりの芸術」 »