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Friday, 14 September 2007

Bliss by Katherine Mansfield キャサリン・マンスフィールド 「幸福」「至福」「彼女の幸福」

            目次 Contents

    Video  Bliss: The Beginning of Katherine Mansfield (2011) DVD Trailer
    Images  表紙画像 Cover photos
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 芹澤 2017
     (J2) 西崎 2002
     (J3) 利根川 1998
     (J4) 大澤 1975, 1999
     (J5) 崎山 1969
     (J6) 海老池 1964, 1980
     (J7) 黒沢 1961, 1966
     (J8) 江上 1960
     (J9) 伊藤 1958, 1986
     (J10) 萩原 1937
     (J11) 崎山 1934
     (J12) 平田 1930, 1936
     (J13) 山本 1929
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese
     (Pt1) Sardinha, 1997
     (Pt2) Cupertino, 1991
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
    Audio  英語原文オーディオブック Audiobook in English
   ■英語原文 The original text in English
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


 Video 
Bliss: The Beginning of Katherine Mansfield (2011): DVD Trailer

Uploaded by NZditto on Oct 12, 2011. "Bliss: The Beginning of Katherine Mansfield" 2011 TVC for Roadshow Entertainment New Zealand created by Jeremy Freeman of Dot.com and Christian de Ment of ditto. Written and Directed by Fiona Samuel. Starring Kate Elliott.


 Images 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Penguin b. 41b05vt2xql c. Bloomsbury


■日本語訳 Translations into Japanese
 
(J1) 芹澤 2017

 ハリーは食事を愉しんでいた。彼は食べ物についてよく語った。たとえば「ロブスターの白い身となると恥知らずなまでの情熱を抱く」とか「ピスタチオ・アイスクリームに見られる緑色は、そうだな、エジプトの踊り子の瞼のような涼やかな緑だ」と。こんなふうに自分のことばに得意になるのは、彼の性格というよりも才能の一種であって、断じてポーズなどではないし、敢えて言うならば、彼という人を形づくる何かだった。


(J2) 西崎 2002
 ハリーは食事を楽しんでいた。それは性格というよりは彼の才能だった。そしてそれは断じてポーズではなく——彼を形成する何か——もっと重要な何かだった。彼が食べ物について語って得意がることは。「ロブスターの白い肉への恥知らずな情熱」あるいは「ピスタチオ・アイスの緑色——エジプトの踊り子の瞼のような冷たい緑」。

  • 「幸福」 キャサリン・マンスフィールド=著 西崎憲(にしざき・けん)=編訳 『マンスフィールド短篇集』 ちくま文庫 2002/10

(J3) 利根川 1998
 ハリーは晩餐を楽しんでいた。食事について語ること、「ロブスターの白い肉への慎みのない情熱」や「エジプトの踊り子のまぶたのように緑で冷たい、ピスタチオ風味のアイスクリームの緑色」を得意がることは、夫の一部であり——厳密にいえば夫の本性の一部ではなく、もちろんポーズの一部なのでもなかったが——夫の——なにかしらの一部だった。


(J4) 大澤 1975, 1999
 ハリーは晩餐を楽しんでいた。食物の話をして「海老の白肉となると厚かましいほどに目のないこと」と「ピスタチオ入りアイスクリームの緑の部分——エジプトの踊り子のまぶたのように緑色で冷たい」とか得意になって述べるのは、彼の——そう、正確に言って、彼の本性ではない、確かに彼のポーズでもなし、彼の何かというところだった。


(J5) 崎山 1969
 ハリーは食事を楽しんでいる。それは彼の——なんというか、性質ではない、厳密にいうなら、もちろんポーズじゃない——彼の——なにかしら、なんでもいいわ、あるものの一部なんだけれど、食べものの話をし、「ロブスター(いせえびの類)の白い肉には見えも外聞もないほど目がないんだ」とか「ピスターシオウ・アイス(南欧産の小木ピスターシオウのナッツをつぶして香料としたアイスクリーム)のみどり色——エジプトの踊子の瞼(まぶた)のようにみどり色で冷たくて」と悦にいっている。


(J6) 海老池 1964, 1980
 ハリーは食事を楽しんでいた。幾分か——そう、生まれつきといっては当たらないし、気取りなんていうものじゃないが——何かある特有のやりかたで——彼は食物の話をして、「蝦の白い肉にたいする厚顔な情熱」とか「ピスタチオ・シャーベットの緑色——エジプトの踊り子の瞼のように緑色で冷たい」とか、得意になってまくし立てた。


(J7) 黒沢 1961, 1966
 ハリイは食事を楽しんでいた。食物の話をしたり「えびの白い肉」や「エジプトの踊り子の眼瞼のように青く冷い——緑の冷いピスターシオに対するみっともない程の情熱」を誇りに思うのは彼の——まあ、生れつきの性質では必ずしもないし、またポーズでも勿論ない——彼の——何かはっきりわからないもののせいである。


(J8) 江上 1960
[この本には Bliss の邦訳は収録されていません - tomoki y.]


(J9) 伊藤 1958, 1986
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

  • マンスフィルド=著 伊藤恭二郎=訳註
    1. マンスフィルド短篇集 園遊会他』 英米作家対訳双書 Kinseido's books 金星堂 1986
    2. 『マンスフィルド短篇集 園遊会他』  Kinseido's books 金星堂 1958/10

(J10) 萩原 1937
 ハリーは御馳走を滿喫してゐた。食べ物の話をして、いや「ざらがに(#原文は太字でなく傍点)の白い肉が無性に好きだ」の「埃及の踊り子の瞼のやうに青くつて冷たい——ピスダシュウ入りのアイスクリームの青さ」だのと述べたてゝ得意になるのが、彼の——さう、必ずしも生れつきとは云へないが、といつて、確かに氣取つてゐるといふのではなく——彼の——何だかはつきりとはいへないけれど、まあ彼の性格の一部といつてもよかつたのだ。


(J11) 崎山 1934
 ハリイはおいしさうに食べてゐました。食物の話をして、「海老の白肉(しろみ)がたまらなくすきだ」といひ、ピスタショ(落花生の一種)入りのアイスクリームの青い色は、丁度「エジプトの踊りつ子の瞼のやうに、青く冷たい」と得意になるのは、彼の性質——とはいへないし、勿論、見榮えといふ言葉もあたらないし、まあしかし、彼ハリイの何かであつたことは間違ひないところです。


(J12) 平田 1930, 1936
 ハリイは頻(しき)りと食事(しよくじ)を賞美(しやうび)してゐた。それが先生(せんせい)の——さう、必(かなら)ずしも本性(ほんしやう)といふ次第(しだい)ぢやないが、確(たし)かに態度(たいど)ぢやないんで——先生(せんせい)の——何(なに)かしらの一部(ぶ)だつたのだ、食物(たべもの)の話(はなし)をして、「伊勢蝦(いせえび)の白(しろ)い肉(にく)が無性(むしやう)に好(す)きでならないこと」や、「埃及(エヂプト)の踊(をど)り子(こ)の瞼(まぶ た)のやうに靑(あを)くて、冷(つめた)い——ピスタシヨオ入(い)りの氷菓子(アイスクリーム)の靑(あを)い」のに大得意(だいとくい)になるのが。

  1. 「幸福」 マンスフイルド=著 平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯 『蜜月・幸福』 山本文庫 3版 山本書店 1936(昭和11)
    • 山本文庫の総目録は、林哲夫氏のサイト daily sumus 2005/06/12
          項や、紀田順一郎+谷口雅男=監修『ニッポン文庫大全』ダイヤモンド社
          1997/11 の317ページなどで一覧できます。
  2. 「幸福」 カザリン・マンスフィルド=著 平田禿木=譯 『世界大衆文學全集第三十七卷 グランド・バビロン・ホテル』 改造社 1930/06/06(昭和5)
    • 電子テキストアーカイブ 青空文庫 では、平田訳「幸福」電子版の同文庫での公開を目指して、2を底本としたテキストの入力が進行していましたが、どうやらその計画は中途で放棄された模様です。上の引用は2に拠りました。食の旧字は新字で置き換えました。

(J13) 山本 1929
 ハアリイは晩餐を味はつてゐた。——彼の——さうね、生れ付きぢや可笑(をか)しいわね——と言つて、猶更、氣取つてゐる譯でもなく——彼の——えゝ、何でもいゝわ——それで、いつも、食物の話をし、得意になつて、「海老の白い肉に對する彼の厭(あ)くことなき情熱」や「埃及の踊り女(め)の眼瞼(まぶた)のやうな冷やかな緑色——ピスタショオ氷の緑色」を述べ立てた。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Гарри наслаждался ужином. Это было, ну, не совсем в его натуре и, конечно, не поза - говорить о еде и предаваться "в бесстыдной страсти белой плоти лобстеров и фисташковым шарикам мороженого - зеленым и холодным, как веки египетских танцовщиц".

  • Кэтрин Мэнсфилд "Счастье". Translated by Слободкина Ольга
  • E-text at lit.lib.ru

■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese

(Pt1) Sardinha, 1997
Harry estava apreciando o jantar. Era parte de sua — bem, não exatamente sua natureza, e certamente não de sua pose — de sua — alguma coisa nele — falar sobre comida e se vangloriar de sua "desavergonhada paixão pela carne branca da lagosta" e "o verde dos sorvetes de "desavergonhada paixao pela carne branca da lagosta" e "o verde dos sorvetes de pistache, verdes e frios como pálpebras de bailarinas egípcias".


(Pt2) Cupertino, 1991
Harry estava gostando do jantar. Era próprio dele — bem, não sua natureza, exatamente, e não, certamente, uma pose — bem, um pouco de cada coisa — falar sobre comida e alardear sua paixão "impudica por carne branca de lagosta e o verde dos sorvetes de pistache, verdes e frios como pálpebras de bailarinas egípcias".


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Harry disfrutaba la cena. No estaba siendo natural pero tampoco era una postura; era un algo que lo caracterizaba. Hablaba de la comida y se vanagloriaba de su tímida pasión por la carne blanca de la langosta y el verde del helado de pistacho -verde y frío como ojos de bailarinas egipcias.


 Audio 
英語原文オーディオブック Audiobook in English

下に引用する箇所の朗読は 20:09 から始まります。 Uploaded to YouTube by The16thCavern on 13 Jan 2013. Audio courtesy of LibriVox. Read by Julie VW. Reading of the excerpt below starts at 20:09.


■英語原文 The original text in English

Harry was enjoying his dinner. It was part of his -- well, not his nature, exactly, and certainly not his pose -- his -- something or other -- to talk about food and to glory in his "shameless passion for the white flash of the lobster" and "the green of pistachio ices -- green and cold like the eyelids of Egyptian dancers."


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2018/02/24 目次と芹澤恵=訳 2017/04 を追加しました。
  • 2012/09/27 平田禿木=譯 1930/06/06 の訳文を挿入しました。
  • 2012/06/19 Bliss: The Beginning of Katherine Mansfield の YouTube 動画を追加しました。また、ロシア語訳とスペイン語訳も追加しました。
  • 2011/11/25 Maura Sardinha による、もうひとつのポルトガル語訳を追加しました。
  • 2011/08/21 LibriVox による朗読へのリンクを追加しました。
  • 2011/01/22 ポルトガル語訳を追加しました。
  • 2009/07/31 江上照彦=訳 1960/04/30 の現物にあたって、本作品 A Cup of Tea が収録されていないことを確認しました。
  • 2007/10/16 平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯 1930, 1936 の見出しを追加しました。訳文は追って挿入するつもりです。
  • 2007/09/20 海老池俊治=訳 1964/01 を追加しました。
  • 2007/09/14 萩原恭平=譯註 1937/07、および山本修二=譯 1929/07 を追加しました。また、Links に日本語で書かれたサイト2つを追加しました。

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Comments

Ahaa, its nice conversation on the topic of this paragraph here at this website, I have read all that, so at this time me also commenting here.

Posted by: Claud Sesay | Saturday, 30 November 2013 08:20 am

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