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Wednesday, 12 September 2007

The Voyage by Katherine Mansfield キャサリン・マンスフィールド 「船の旅」「海の旅」「船旅」「航海」

        目次 Table of Contents

 Video 1  キャサリン・マンスフィールド A Portrait of Katherine Mansfield
 Video 2  ニュージーランドの町ピクトン Picton, New Zealand
 Images   表紙画像と切手 Book covers and a postal stamp
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 芹澤 2017
  (J2) 平戸 2003
  (J3) 西崎 2002
  (J4) 大澤 1975, 1999
  (J5) 崎山 1969
  (J6) 江上 1960
  (J7) 黒沢 1960, 1961, etc.
  (J8) 伊藤 1958, 1986
  (J9) 安藤 1957
  (J10) 崎山 1934
■ロシア語訳 Translation into Russian
■スペイン語訳 Translation into Spanish
  Audio   英語原文のオーディオブック Audiobook in English read by Lucy Burgoyne
■英語原文 The original text in English
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


 Video 1 
キャサリン・マンスフィールド——作家の肖像 A Portrait of Katherine Mansfield

Uploaded to YouTube by Rogério Bettoni on 22 Oct 2014


 Video 2 
ニュージーランドの町ピクトン Picton, New Zealand

マンスフィールドはピクトンに縁がある。彼女の祖父母と父ハロルド・ボーシャンは、オーストラリアからニュージーランドへ移住したあと、一時期ピクトンに住んでいた。また、祖父アーサー・ボーシャンは1866年から翌67年まで、この地区選出の国会議員だった。 Uploaded to YouTube by World Travel Guides on 16 Apr 2014


 Images 
表紙画像と切手 Book covers and a postal stamp

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Kennedykm b. Image_upload c. Katherine_mansfield_nz_post

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 芹澤 2017
 南島のピクトン行きの汽船は、午後十一時半に出港することになっている。穏やかな美しい夜で、星がたくさん出ていたけれど、みんなで辻馬車を降りて港に長く突きだした旧埠頭を歩きはじめたとき、海から吹いてくる風に帽子を吹き飛ばされそうになり、フェネラは慌てて片手で帽子を押さえた。旧埠頭は暗かった。とても暗かった。羊毛の梱(こり)を貯蔵しておく小屋、家畜運搬用の貨車、空に首を伸ばす起重機(クレーン)、ずんぐりとした小型の機関車——どれも闇の塊を削ってこしらえたように見えた。


(J2) 平戸 2003
 ピクトン行きの船は十一時半の出港予定だった。穏やかで、星明かりの美しい夜だったが、それでも車から下りて港に突き出ている旧桟橋を歩き始めると、海から吹きつける風にフィネラのかぶった帽子ははためき、彼女は片手を上げてそれを押さえた。旧桟橋の上は暗かった。ひどく暗い。羊毛格納庫、家畜運搬車、とっても高く立ち上がっている起重機、小さくてずんぐりした鉄道機関車、そうした物はみんな漆黒の闇に彫りこんだように見えた。

  • キャサリン・マンスフィールド=著 平戸喜文(ひらど・よしふみ)=訳 「船の旅」 トマス・ハーディ〔ほか〕=著 『イギリス名作短編集』 近代文芸社 2003/02 所収

(J3) 西崎 2002
 ピクトン行きの汽船は十一時半に出港することになっていた。穏やかな美しい夜で、頭上では夥しい星が瞬いていた。けれども、タクシーを降りて、港に深く切れこむ旧埠頭通りを歩きはじめた時、海から風が吹いてきて、フェネラの帽子は吹き飛ばされそうになった。フェネラは帽子を手で押さえた。旧埠頭通りは暗かった。とても暗かった。羊毛を貯めておく小屋、家畜運搬車、空に突きでたクレーン、うずくまる小さな蒸気機関車、みんな固形の闇を彫って造ったように見えた。

  • キャサリン・マンスフィールド=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳 「船の旅」 西崎憲=編訳 『マンスフィールド短篇集』 ちくま文庫 2002/10 所収

(J4) 大澤 1975, 1999
 ピクトン行きの船は十一時半に出ることになっていた。穏やかな、星のきらめく、美しい夜だったが、しかし彼らが馬車から降りて、港の方へ突き出た旧桟橋に沿って歩き出した時には、水の上を渡ってくるそよ風が、フェネラの帽子の下の髪をそよがせ、彼女は手をあげて帽子を押さえた。旧桟橋の上は暗かった、まっ暗だった。羊毛置場、牛をのせた無蓋貨車、非常に高くそびえているクレーン車、小さなずんぐりした機関車、すべてが暗黒の塊で彫って作ってあるように思われた。

  • キャサリン・マンスフィールド=著 大澤銀作(おおさわ・ぎんさく)=訳 「船の旅」
    1. 大澤銀作+相吉達男(あいよし・たつお)+河野芳英(かわの・よしひで)+柴田優子=訳 『マンスフィールド全集』 新水社 1999/06 所収
    2. マンスフィールド作品集』 文化書房博文社 1975 所収
  • 引用は1に拠りました。

(J5) 崎山 1969
 ピクトン行きの船は十一時半出航の予定だった。暖かで、星のかがやく美しい夜であった。しかし、みんなが、馬車から下りて、港につき出ている「旧波止場(はとば)」を歩き出すと、海面から吹いて来るかすかな風が、フィネラの帽子の下でパタパタして、片手を上げて、それをおさえなければならなかった。「旧波止場(はとば)」の上は暗かった——まっくらだった。羊毛刈場、家畜貨車、そびえ立つ起重機、小さなずんぐりした鉄道機関車——みんな深いやみのなかに、彫りもののように見えた。


(J6) 江上 1960
 ピクトン*航路の船は、十一時半に出帆(しゅっぱん)の予定だった。美しいおだやかな星月夜だった、ただ、彼女たちが馬車を降りて、港の中に突出している「旧埠頭(ふとう)」を歩みはじめたとき、水の上を吹渡ってくる微風がフェネラの帽子をあふったので、彼女は手をあげてそれをおさえた。「旧埠頭」の上は暗かった、まっ暗だった。羊毛倉庫、家畜運搬車、高くそびえている起重機、小さなずんぐりした機関車、すべてが固い闇を刻(きざ)んだもののように見えた。

* 訳註 Picton ニュージーランドの南島にある港市。北島のウエリントンからここへ行くには、船でクック海峡を渡る。


(J7) 黒沢 1960, 1961, etc.
 ピクトン行きの船は十一時半に出ることになっていた。そんなに寒くない、星のある、美しい夜で、ただ、彼等が馬車をおりて港に突出ている旧棧橋を歩き出した時に、海を渡ってくる微かな風がフェネラの帽子の下の髪をそよがせた、彼女は手をあげて帽子をおさえた。旧棧橋の上は暗かった、とても暗かった、羊毛置場、牛をのせた貨車、高く立っている起重機、小さなずんぐりした機関車、すべてが暗黒の塊を彫って造ったようにみえる。


(J8) 伊藤 1958, 1986
[伊藤恭二郎氏による下の2種類の対訳本には The Voyage は収録されていません]


(J9) 安藤 1957
 ピクトン行汽船(訳注 ピクトンはニュージーランドの南島にある港市。北島のウェリントンから渡るもので、この間にクック海峡がある)は、十一時半に出るはずだった。美しい夜で、おだやかに、星がきらめき、ただ、彼らが馬車からおりて、埠頭(ふとう)に突き出している「旧桟橋」を歩きだそうとしたときに、水の上をわたってくるかすかな風が、フェネラの帽子をあおったので、手をあげてそれをおさえた。「旧桟橋」の上は暗かった、とても暗かった。羊毛置場、家畜運搬車、高くそびえている起重機、小さな、ずんぐりした鉄道の機関車——すべてが固い暗闇から彫りぬかれたようだった。


(J10) 崎山 1934
 ピクトン號は十一時半出帆の筈だつた。その夜は、強い風もなく、空には美しい星がかゞやいてゐた。一行が馬車から下りて、港の中に突き出てゐる古い棧橋を歩いて行く時、波間からそよと吹きよせて來る肌ざはりのいゝ風が——それが、たゞ一つの動くものだつた——それが、フェネラの帽子をまくし上げ、彼女は手を差しのばして、それをおさへた。古棧橋の上は眞暗だつた。羊毛置場、家畜車、そびえ立つてゐる起重機、うずくまつてゐる小さな機關車——さうしたものがぼんやりと浮び上つてゐるのだつた。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Пароход на Пиктон отходил в половине двенадцатого. Вечер был чудесный, тихий, звездный; только когда они вылезли из пролетки и двинулись по Старой пристани, что вдавалась прямо в гавань, морской ветерок чуть не сдул с Фенеллы шляпу и пришлось придержать ее рукой. На Старой пристани было темно, очень темно; навесы, под которыми складывают тюки шерсти, платформы для скота, высоченные краны, приземистый паровозик – все, казалось, вырублено из плотной тьмы.

  • Кэтрин Мэнсфилд - Путешествие.  Переведен в 1981 г. Первая публикация: Английская новелла ХХ века. М.: Худож. лит., 1981. - с.180-188.
  • E-text at ВАВИЛОН: Проекты: Нора Галь

■スペイン語訳 Translation into Spanish

El barco de Picton debía zarpar a las once y media. La noche era hermosa, tibia, llena de estrellas, pero cuando salieron del taxi y empezaron a caminar por el Muelle Viejo que sobresalía en el puerto, una ligera brisa procedente del mar agitó el sombrero de Fenela por debajo y tuvo que levantar la mano para sujetárselo. El Muelle Viejo estaba oscuro, muy oscuro; los tinglados de lana, los camiones de ganado, las grúas erguidas a gran altura, la pequeña y rechoncha locomotora, todo parecía estar labrado en una oscuridad sólida.


 Audio 
「園遊会」その他の短編 英語原文のオーディオブック 朗読: ルーシー・バーゴイン
The Garden Party and Other Stories. Audiobook read by Lucy Burgoyne

「航海」は9番目の録音です。 Audio courtesy of LibriVox. The Voyage is Track 9.


■英語原文 The original text in English

The Picton boat was due to leave at half-past eleven.  It was a beautiful night, mild, starry, only when they got out of the cab and started to walk down the Old Wharf that jutted out into the harbour, a faint wind blowing off the water ruffled under Fenella's hat, and she put up her hand to keep it on.  It was dark on the Old Wharf, very dark; the wool sheds, the cattle trucks, the cranes standing up so high, the little squat railway engine, all seemed carved out of solid darkness.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2018-02-25 芹澤恵=訳 2017/04 を追加しました。
  • 2016-11-16 伊藤恭二郎氏による対訳本についての書誌情報を修正しました。
  • 2014-12-22 ピクトンを紹介するビデオと英語原文オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2012-06-19 ロシア語訳とスペイン語訳を追加しました。
  • 2010-12-25 The Life & Writings of Katherine Mansfield の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009-07-31 江上照彦=訳 1960/04/30 を追加しました。

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■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese

  

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