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Friday, 09 November 2007

Marie Antoinette by Stefan Zweig (1) シュテファン・ツヴァイク 『マリー・アントワネット』 (1)

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■表紙画像 Cover photos

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中野 2007
マリー・アントワネットは王党派の崇める気高い聖女でもないし、革命派が罵(ののし)る娼婦(しょうふ)でもない。平凡な性格の、ごくありふれた人間であり、特に賢いわけでも、ひどく愚かなわけでもなく、火でもなければ氷でもない。[略]一見すると、とうてい悲劇の対象とはなりえないような女性であった。だが歴史という、この偉大な造物主は、心ゆさぶるドラマを舞台にのせるとき、必ずしも英雄的人物を主役に選びはしない。悲劇的緊張というものは、並外れた人物からのみ生じるとは限らず、人間とその運命の均衡がやぶれたときにも生じる。


(J2) 関 1965, 1967, etc.
マリー・アントワネットは王党派のたたえる偉大な聖女でもなければ、革命派のけなす娼婦、「淫売婦(グリュ)」でもなく、平凡な性格、もともとごくありきたりの女性であった。とくに賢くもとくに愚かでもなく、火でも氷でもなく[略]一見したところ悲劇の対象になどなりそうにも思えない。しかし歴史という偉大なデミウルゴス(世界形成者)は、心ゆさぶるドラマの効果を高めるのに、主役として英雄的な性格を必要とするようなことは全然ない。悲劇的な緊張というものは、登場人物が人並はずれているところから生ずるばかりではなく、常に人間とその運命との不釣合から生れるのである。


(J3) 藤本+森川 1962, 1974, etc.
マリー・アントワネットは王党派のたたえるような偉大な聖女でもなければ、革命が罵るような淫売でもなく、平凡な性格の持主であり、本来はあたりまえの女であって、とりたててかしこくもなければ、とりたてておろかでもなく、火でもなければ氷でもなく[略]見かけからいえば悲劇の対象にはなりそうもない女であった。しかし歴史という、この偉大な創造者は、胸をゆさぶるドラマを舞台にのせるにあたって、その主役にかならずしも英雄的な性格を必要とはしない。悲劇的な緊張というものは、ある人物がなみはずれているというところから生ずるとはかぎらないので、いついかなるばあいも、人間がおのれの運命と不釣合になることから生ずるのである。


(J4) 山下 1958
マリー・アントワネットは、王党派の祭りあげた偉大な聖女でもなければ、革命が呼んだごとき莫連女「賤業婦(グリュウ)」でもなくて、根がありきたりのごく平凡な性格の女であったにすぎない。特にりこうでもなければ、特に馬鹿というでもなく、火でもなければ氷でもなく[略]うち見たところ悲劇の対象になどなりそうもない、昨日や今日や明日の月並みな女であった。しかし、歴史という、この偉大なる創造者は、人の心をつきうごかす劇的世界をたかめるために、特にその主人公として英雄的な性格を必要としない。悲劇的な緊張。それはずばぬけた人物から生れるとはかぎらない。常に一人の人間がその運命とアンバランスになることから生れるのである。


(J5) 高橋+秋山 1953, 1980
マリー・アントワネットは、王党派の祭りあげた偉大な聖女でもなければ、革命のとなえた娼婦、「賤業婦」でもなかった。彼女は可もなく不可もない性格の持主であり、ただの一女性であって、特別賢いわけでもなく特別馬鹿だということもなく、火でもなければ氷でもなく[略]一見ほとんど悲劇の対象にもならぬていの凡婦であった。しかし歴史というこの偉大な造物主は、感動的な芝居を打つのに、べつに主役として英雄的性格を必要としない。悲劇的緊張は、ずばぬけた人物から生ずるばかりでなく、またいつでも人間がその運命と不釣合であることによって生ずる。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

María Antonieta no era ni la gran santa del monarquismo, ni la perdida, la grue, de la Revolución. sino un carácter de tipo medio: una mujer en realidad vulgar; ni demasiado inteligente ni demasiado necia; ni fuego ni hielo; [Omission]  a primera vista, apenas personaje de tragedia. Pero la Historia, ese gran demiurgo, en modo alguno necesita un carácter heroico como protagonista para edificar un drama emocionante. La tensión trágica no se produce sólo por la desmesurada magnitud de una figura, sino que se da también, en todo tiempo, por la desarmonía entre una criatura humana y su destino.


■フランス語訳 Translation into French

Marie-Antoinette n’était ni la grande sainte du royalisme ni la grande « grue » de la Révolution, mais un être moyen, une femme en somme ordinaire, pas trop intelligente, pas trop niaise, un être ni de feu ni de glace, [Omission]  assez peu semblable à une héroïne de tragédie. Mais l’Histoire, ce démiurge, n’a nullement besoin d’un personnage central héroïque pour échafauder un drame émouvant. Le tragique ne résulte pas seulement des traits démesurés d’un être, mais encore, à tout moment, de la disproportion qui existe entre un homme et son destin.


■英訳 Translation into English

Marie Antoinette was neither the great saint of royalism nor yet the great whore of the Revolution, but a mediocre, an average woman; not exceptionally able nor yet exceptionally foolish; neither fire nor ice; [Omission] unsuited to become the heroine of a tragedy. But history, the demiurge, can construct a profoundly moving drama even though there is nothing heroic about its leading personalities. Tragical tension is not solely conditioned by the mighty lineaments of central figures, but also by a disproportion between man and his destiny.


■ドイツ語原文 The original text in German

Marie Antoinette war weder die große Heilige des Royalismus noch die Dirne, die 'grue' der Revolution, sondern ein mittlerer Charakter, eine eigentlich gewöhnliche Frau, nicht sonderlich klug, nicht sonderlich töricht, nicht Feuer und nicht Eis, [Omission] und scheinbar kaum Gegenstand einer Tragödie. Aber die Geschichte, dieser große Demiurg, bedarf gar nicht eines heroischen Charakters als Hauptperson, um ein erschütterndes Drama emporzusteigern. Tragische Spannung, sie ergibt sich nicht nur aus dem Übermaßeiner Gestalt, sondern jederzeit aus dem Mißverhältnis eines Menschen.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/02/02 フランス語訳を追加しました。
  • 2012/08/11 スペイン語訳を追加しました。
  • 2011/02/16 ドイツ語原文のテキストを挿入しました。
  • 2010/05/25 山下肇=訳 1958/11/30 の訳文を挿入しました。

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Comments

Thank you ffor the auspicious writeup. It in fact was a amusemjent account it. Look advanced to far added agreeable from you! By the way, how could we communicate?

Posted by: red dresses | Saturday, 21 December 2013 04:02 pm

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