« Leave It to Jeeves (The Artistic Career of Corky) by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス 「コーキーの芸術家稼業」「コーキーの画業」「コーキイの芸術的生涯」 | Main | А. С. Пушкин. Пиковая дама (2) The Queen of Spades by Alexander Pushkin (2) プーシキン 「スペードのクイーン」「スペードの女王」 (2) »

Saturday, 10 November 2007

Marie Antoinette by Stefan Zweig (2) シュテファン・ツヴァイク 『マリー・アントワネット』 (2)

« 1 Marie Antoinette 3 »
« 1 マリー・アントワネット 3 »

■表紙画像と肖像写真 Book covers and a portrait

a. 51tdb084mnl b. 511z5rxqvkl c. Zweig1_2
↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中野 2007
結婚適齢期のプリンセスなら、いつの時代もハプスブルク家は欠かしたことがないし、今回もあらゆる年齢の候補者がとりそろえられていた。そこで大臣たちは、ルイ十五世とハプスブルクのプリンセスを結婚させようと考えた。ルイには孫もいたし、品行よろしくないのは承知の上でだ。だがこの「キリストの信仰もっともあつき国王」〔フランス国王に対する当時の尊称〕は、ポンパドゥール夫人のベッドからたちまち別の愛妾(あいしょう)、デュ・バリー夫人のもとへ逃げ込んでしまう。しかたがない。オーストリア皇帝ヨーゼフと、ルイ十五世の三人の娘のひとりを結びつけるのはどうだろう。だが二度も王妃を亡くしていたヨーゼフは、彼女たちのような老嬢には気乗りしなかった。というわけで、必然的に第三の選択肢しか残らない。ルイ十五世の孫で、将来のフランスを継ぐ若き王太子と、マリア・テレジアの娘のひとりを婚約させることだ。一七六六年には、十一歳のマリー・アントワネットが早くも真剣に検討されていたらしい。

   シュテファン・ツヴァイク=著 中野京子=訳 
   『マリー・アントワネット(上)』 全2冊 角川文庫 2007/01


(J2) 関 1965, 1967, etc.
ハプスブルク家は、いつの時代も結婚可能の王女にことかかない。このときにも、あらゆる年かっこうの候補者が目白押しにひかえていた。大臣たちはまず第一に、孫があって、いかがわしいというもおろかな素行の主(ぬし)ではあるが、ルイ十五世に、ハプスブルク家の皇女をだれかめあわせることを考えてみた。しかし、「キリスト教の信仰最も篤き国王」(フランス王の尊称)は、ポンパドゥール夫人のベッドにいたかと思えば、またさっともう一人の愛妾デュバリ夫人の床へ逃げこむありさまだし、二度目の王妃を失ったヨーゼフ皇帝も、ルイ十五世の娘である三人の老嬢のだれかと仲を取り持ってもらう気はいっこうに見せない——そうなれば最も自然なのは第三の結びつき、つまり、ルイ十五世の孫でゆくゆくはフランスの王冠をいただくことになる若年の王太子を、マリア・テレジアの娘と婚約させる、ということになる。一七六六年、当時十一歳のマリー・アントワネットは、すでに本式に推薦されていたものと見なしてよい。

   2a. S・ツヴァイク=著 関楠生=訳
      『マリー・アントワネット(上)』 全2冊 河出文庫 新装版 2006/11
   2b. シュテファン・ツワイク=著 関楠生=訳
      『マリー・アントワネット』 河出文庫 1989/06
   2c.河出世界文学大系61 ツワイク』 河出書房新社 1980/11
   2d. ツワイク=著 関楠生=訳
      『世界名作全集16 マリー・アントワネット』 河出書房 1967
   2e. ツワイク=著 阿部知二〔ほか〕=編 関楠生=訳
      『世界文学全集 第3集15 マリー・アントワネット
      河出書房新社 1965/05
   引用は 2b. に拠りました。


(J3) 藤本+森川 1962, 1974, etc.
結婚適齢期の皇女ということならば、ハプスブルク家ではいつの時代にも事欠くことはなかった。このときにしても、あらゆる年恰好の候補が品数豊富にひかえている。さしあたって大臣たちの思案にのぼるのは、ルイ十五世に——これは孫まである身の上ではあり、いかがわしいというもおろかな御乱行の主ではあるが——ハプスブルクの一皇女をめあわせることである。しかし、この「キリストの信仰もっともあつき国王」〔当時のフランス国王にたいする尊称〕は、ポンパドゥールの臥床にいたかと思えばたちまち別の愛妾デュバリの寝床に逃げこんでいるといったありさま。二度まで王妃を亡くしたオーストリア皇帝ヨーゼフも、ルイ十五世の娘である三人の姥桜のうちのだれかとの仲をとりもってもらうことには気乗りのしない様子——となると、ごく自然な結びつきとして残るのは第三のケース、ルイ十五世の孫で、ゆくゆくはフランスの王冠を戴く、青年王太子を、マーリア・テレージアの娘のひとりと婚約させることである。一七六六年、当時十一歳のマリー・アントワネットのことは、すでに本気で提議されていたと見ることができる。

   ツヴァイク=著 藤本淳雄+森川俊夫=訳
   3a.マリー・アントワネット1』(全2)
      ツヴァイク伝記文学コレクション3(全6巻) みすず書房 1998/09
   3b.ツヴァイク全集14』 みすず書房 1974/03
   3c.ツヴァイク全集12』 みすず書房 1962
   引用は 3a. に拠りました。


(J4) 山下 1958
ハプスブルク家では、いつの時代にも、結婚適齢期の王女にこと欠きはしない。今度も、ありとあらゆる年恰好の、おあつらえむきの候補者が、選び放題にしこたま控えている。まず第一に大臣連の思案したのは、ルイ十五世のことである。この王はもう祖父(おじい)さん格で、その上相当以上にいかがわしい品行の主ではあるが、この王にだれかハプスブルク家の王女をめあわせることは如何なものか、と。しかし、このキリスト教徒中のキリスト教徒なる王様は、ポンパドゥール侯夫人のベッドからたちまちの早業でもう一人の寵妾デュ・バリーの床に逃げこむ始末。二度目の男やもめの身であるオーストリーの皇帝ヨーゼフも、ルイ十五世の三人のオールドミスの娘たちのどれかとくっつこうなどという気はさらにみせない——とどのつまりは、一番自然な結びつきとして、第三の場合がのこる。すなわち、ルイ十五世の孫で未来のフランスの戴冠者たる年少の王太子とマリア・テレシアの娘との婚約である。一七六六年、当時十一歳のマリー・アントワネットはすでにこの時厳粛なる提案の下に立ったとみなすことができる。

   ツヴァイク=著 山下肇(やました・はじめ)=訳
   『マリー・アントワネット(上)』 全2冊 角川文庫 1958/11/30


(J5) 高橋+秋山 1953, 1980
結婚適齢期の王女ならば、ハプスブルク家においていつの時代にもこと欠いたことはない。こんどもまたあらゆる年かっこうの花嫁はよりどりみどりである。第一に大臣たちが考えたことは、お祖父(じい)さんというような年輩でもあり、かなりいかがわしい素行の持主ではあるが、ルイ十五世にだれかハプスブルク家の王女を輿入(こしい)れさせることであったが、この「キリスト教徒中のキリスト教徒たる王」は、いち早くポンパドゥール侯夫人の寝床から、もう一人の愛妾デュバリーの寝床に雲隠れしてしまう。二度目の男やもめの身であるオーストリアの皇帝ヨーゼフにも、ルイ十五世の三人の老嬢に近い娘の誰かと結婚するという気はさらにない——となれば、一番自然な結びつきとして残るは第三の手、ルイ十五世の孫で、ゆくゆくはフランス王冠の戴冠者たるべき年少の皇太子にマリア・テレサの娘をめとらせることである。一七六六年、当時十一歳のマリー・アントワネットは、すでに厳粛な申込みを受けたと見なすことができる。

   5a. シュテファン・ツワイク=作 高橋禎二+秋山英男=訳
      『マリー・アントワネット(上)』 全2冊 岩波文庫 改訳 1980/06
   5b. シュテフアン・ツワイク=作 高橋禎二+秋山英男=訳
      『マリー・アントアネット(上)』 全3冊 岩波文庫 1953
   引用は 5a. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

La Casa de Habsburgo no careció jamás de princesas casaderas; también esta vez tenía dispuesta una rica colección de todas las edades. Primeramente, los ministros pensaron en casar con una princesa de Habsburgo a Luis XV, a pesar de su situación de abuelo y sus costumbres más que dudosas; pero el rey cristianísimo huía prestamente del lecho de la Pompadour al de otra favorita, la Du Barry. Tampoco el emperador José, viudo por segunda vez, mostraba ninguna inclinación a dejarse aparear con una de las tres resequidas hijas de Luis XV. Por tanto, sólo quedaba como posible enlace el tercero y más natural: desposar al delfín adolescente, nieto de Luis XV y futuro heredero de la Corona de Francia, con una hija de María Teresa. En 1766, la princesa María Antonieta, entonces de once años, podía ya ser objeto de un proyecto serio; [Omission].


■フランス語訳 Translation into French

La maison de Habsbourg n'a jamais manqué de princesses à marier ; et en ce moment, précisément, elles sont nombreuses et de tous les âges. Les ministres envisagent d'abord d'unir Louis XV, bien qu'il soit grand-père, et en dépit de ses mœurs plus que douteuses, à une princesse habsbourgeoise ; mais le roi très chrétien se réfugie vivement du lit de la Pompadour dans celui de la du Barry. D'autre part, l'empereur Joseph, deux fois veuf, ne manifeste guère le désir de se laisser marier à l'une des trois filles de Louis XV qui ne sont plus toutes jeunes. Il reste donc une troisième combinaison, la plus naturelle, l'union du dauphin adolescent, petit-fils de Louis XV et futur héritier de la couronne de France, à une fille de Marie-Thérèse. En 1766, Marie-Antoinette, âgée alors de onze ans, peut déjà faire l'objet d'un projet sérieux [Omission].


■英訳 Translation into English

There had never been a scarcity of marriageable princesses in the House of Habsburg, and at this juncture, no less, there were many possible brides of various ages. The French statesman began by trying to persuade Louis XV (grandfather though he was, and a man of more than questionable morals) to wed an Austrian princess, but His Most Christian Majesty made a quick remove from the bed of the Pompadour to that of a new favourite, the Dubarry. Nor did Emperor Joseph, recently widowed for the second time, show any disposition to couple with one of the three somewhat elderly daughters of Louis XV. The third possibility, and the most natural one, was to betroth the young Dauphin, the grandson of Louis XV, to a daughter of Maria Theresa. In 1766 matters came to a head with a serous proposal as concerned Marie Antoinette, then eleven years old.


■ドイツ語原文 The original text in German

An heiratsfähigen Prinzessinnen hat es im Hause Habsburg zu keiner Zeit gefehlt; auch diesmal steht eine reichhaltige Auswahl aller Alterslagen bereit. Zuerst erwägen die Minister, Ludwig XV. trotz seines großväterlichen Standes und seiner mehr als zweifelhaften Sitten mit einer habsburgischen Prinzessin zu vermählen, aber der Allerchristlichste König flüchtet rasch aus dem Bett der Pompadour in das einer andern Favoritin, der Dubarry. Auch Kaiser Joseph, zum zweitenmal verwitwet, zeigt keine rechte Neigung, sich mit einer der drei altbackenen Töchter Ludwigs XV. verkuppeln zu lassen – so bleibt als natürlichste Verknüpfung die dritte, den heranwachsenden Dauphin, den Enkel Ludwigs XV. und zukünftigen Träger der französischen Krone, mit einer Tochter Maria Theresias zu verloben. 1766 kann die damals elfjährige Marie Antoinette bereits als ernstlich vorgeschlagen gelten; [Omission]

  • Marie Antoinette: Bildnis eines mittleren Charakters by Stefan Zweig

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/02/02 ドイツ語原文を挿入しました。
  • 2012/08/11 スペイン語訳を追加しました。
  • 2010/05/25 山下肇=訳 1958/11/30 の訳文を挿入しました。


にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 英語ブログへにほんブログ村 外国語ブログへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 本ブログ 洋書へにほんブログ村 英語ブログ 通訳・翻訳へにほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ84595840v1308102456

Flag Counter

↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザ画面を更新すると入れ替ります。
↓ Refresh the window to display alternate titles of books, CDs and DVDs.

■DVD

■洋書 Books in non-Japanese languages
(1) Marie Antoinette

(2) Stefan Zweig

■和書 Books in Japanese
(1) マリー・アントワネット

(2) ツヴァイク

(3) ツワイク

  

保存

保存

保存

|

« Leave It to Jeeves (The Artistic Career of Corky) by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス 「コーキーの芸術家稼業」「コーキーの画業」「コーキイの芸術的生涯」 | Main | А. С. Пушкин. Пиковая дама (2) The Queen of Spades by Alexander Pushkin (2) プーシキン 「スペードのクイーン」「スペードの女王」 (2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Marie Antoinette by Stefan Zweig (2) シュテファン・ツヴァイク 『マリー・アントワネット』 (2):

« Leave It to Jeeves (The Artistic Career of Corky) by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス 「コーキーの芸術家稼業」「コーキーの画業」「コーキイの芸術的生涯」 | Main | А. С. Пушкин. Пиковая дама (2) The Queen of Spades by Alexander Pushkin (2) プーシキン 「スペードのクイーン」「スペードの女王」 (2) »