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Wednesday, 02 April 2008

My Land and My People by Dalai Lama XIV 『チベットわが祖国—ダライ・ラマ自叙伝』

Leftチベットわが祖国—ダライ・ラマ自叙伝』中公文庫BIBLIO 20世紀 (2001)
Centre My Land and My People, Srishti Publishers & Distributors: India (2002)
Right Historical Tibet and the Tibet Autonomous Region (TAR). 歴史的チベットと中華人民共和国西蔵自治区. Image source: tibetmap.com

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■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 木村 1986, 1989, etc.
タクツェル村は農業地域社会だった。住民の主な食べ物といえば、小麦粉とツァンパ(Tsampa)——大麦をいってひいた粉——肉、バターであり、飲み物はバター茶や、大麦からつくられるチャン(Chhang)と呼ばれるビールであった。肉を食べることについては、仏教徒の間にも異論がある。しかし、肉食は大部分のチベット人にとって必要不可欠なものであった。チベットのほとんどは、厳しい気候である。食べ物は豊富とはいえ、種類は非常に限られている。したがって、肉を食べないで健康を保つということは不可能なことであった。だからこそ食肉の習慣は、チベットに仏教がもたらされる以前からずっと続いていたものなのである。チベット人はどんな理由にせよ、生きている動物を殺すことは邪悪と考える。しかし、彼らはマーケットに行って、すでに死んでいる動物の肉を買うことを、罪悪とは考えなかった。動物を屠殺する者は、罪深い者、社会から落ちこぼれた者とみなされていた。

   ダライ・ラマ=著 木村肥佐生(きむら・ひさお)=訳
   1a.チベットわが祖国—ダライ・ラマ自叙伝
    中公文庫BIBLIO 20世紀 中央公論新社 2001/11
   1b.チベットわが祖国—ダライ・ラマ自叙伝
    中公文庫 1989/09
   1c.チベットわが祖国—ダライ・ラマ自叙伝
    亜細亜大学アジア研究所 1986/01
   原書:
   My Land and My People: Memoirs of the Dalai Lama of Tibet (1962)
   引用は 1c. に拠りました。
 
 
(2) 日高 1963, 1979
タクッセルは、農村であった。村びとたちの主食は、小麦粉と一種の大麦のひきわりでつくるツァムパであり、それに肉とバターであった。それから、彼らの飲み物は、バター入りのチベット茶と、大麦から醸造されるチャンと呼ばれるビールである。肉食については、仏教徒のあいだで意見がわかれる。しかし、チベットの大部分では、寒暑の差が非常にきびしい気候なので、食物は豊富であっても、種類としてはきわめて限られていた。チベットでは、肉食しないでは健康を保つことが不可能であったし、肉食の習慣が、仏教がこの国にもたらされる以前からあって、なかなかすたれなかった。チベット人は、どんな理由があるにせよ、いかなる動物でも既に殺されてしまっている動物の肉を買うことは罪悪とは考えなかったが、動物を屠殺(とさつ)する肉屋は、罪人であり、無頼漢とみなされていた。
 
   ダライ・ラマ=著 日高一輝(ひだか・かずてる)=訳
   2a.この悲劇の国、わがチベット』蒼洋社選書2 蒼洋社 1979/03
    原書:
    My Land and My People by the Dalai Lama
    Potala Corp.: New York, 1978.
   2b.わがチベット—ダライ・ラマ自叙伝』講談社 1963/03
    原書:
    My Land and My People by His Holiness the Dalai Lama of Tibet.
    McGraw-Hill: New York, 1962
   引用は 2a. に拠りました。
 
 
■英語原文 The original text in English

Taktser was a farming community and the staple foods of its people were wheat flour and tsampa -- which is a kind of barley meal -- and meat and butter; and their drinks were buttered tea and a beer called chhang, which is made from barley. There are different opinions among Buddhists about eating meat, but it was a necessity for most Tibetans. In most of Tibet the climate was rigorous, and although food was plentiful it was very limited in variety, so it was impossible to stay healthy without eating meat -- and the custom had lingered there since before Buddhism was brought to the country. Tibetans would think it a sin to kill any animal, for any reason, but they did not think it sinful to go to market and buy the meat of an animal which was already dead. The butchers who slaughtered the animals were regarded as sinners and outcasts.

   My Land and My People: The Autobiography of His Holiness
   the Dalai Lama.
   Edited by David Howarth.
   Weidenfeld & Nicolson: London, 1962.

   Recent editions include:
   * Srishti Publishers & Distributors: India, 2002/07
   * Warner Books, 1997/12

   e-Book based on the McGraw-Hill edition (1962) is here.

   Excerpt at:
   * Amazon.co.jp
   * Amazon.co.uk
   * Amazon.com
   * Amazon.fr
   * Amazon.de
 
 
■日高訳の欠落箇所について

上掲の日高一輝氏による日本語訳は、2a. 2b. のどちらも完訳ではありません。たとえば、木村肥佐生氏訳の章題でいうと、第六章 共産中国との出会い、第七章 弾圧のもとで、第九章 決起 の3つの章に相当する箇所などが訳出されていません。
 
 
■文藝春秋版『自伝』について

文藝春秋社から、つぎのような本が出ています。

   ダライ・ラマ=著 山際素男=訳『ダライ・ラマ自伝』
   (単行本 1992/01, 文春文庫 2001/06)

これら文春版『自伝』は、さきに日高氏、ついで木村氏によって訳された、上掲のダライ・ラマ『自叙伝』とは別ものです。つまり原著が異なるのです。文春版『自伝』の原著は、
   Freedom in Exile: The Autobiography of His Holiness
   the Dalai Lama of Tibet (1990)

原題でも、古い本と新しい本の両方に Autobiography という語が含まれているので紛らわしいのですが、フル・タイトルや刊行年、訳者、出版社などに注意して区別なさってください。
 
 
■外部リンク External links

   * The Website of The Office of His Holiness the 14th Dalai Lama
   * Tenzin Gyatso, 14th Dalai Lama - Wikipedia
   * 中華人民共和国によるチベットの分割と再編 - Wikipedia
   * ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
   * ダライ・ラマ法王14世著作・関連書籍・DVD
 
 
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■DVD

■和書 Books in Japanese

■洋書 Books in non-Japanese languages

 
 
 

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