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June 2008

Monday, 30 June 2008

The Body-Snatcher by Robert Louis Stevenson (2) スティーヴンソン 「死体泥棒」「死体盗人」「死骸盗人」「死骸盜人」「屍體盜人」 (2)

« 1 The Body-Snatcher »
« 1 死体泥棒 »

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映画ポスター、漫画、表紙画像 A poster, a cartoon and a book cover

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a. Body_snatcher b. Thebodysnatcher5s c. 513wnh2pp5l


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 柴田 2006
「誰も気付かないことを期待しよう」とマクファーレンは言った。「かりに気付かれたとしても、とにかく 君は 気付かなかったのさ、な、それで話は終わりだよ。もう長年やってきたことだから、いまさら騒ぎ出すわけには行かんのさ。下手に騒ぎ立てると、Kがひどく面倒なことになりかねない。君だってえらい目に遭うぞ。僕にだってとばっちりが回ってくる。証人席に立たされてみろ、いったい僕らが人目にどう映るか、何と弁解できるか聞かせてもらいたいね。まあとにかく間違いないのは、我々が買い取る死体は、事実上すべて殺された人間のものだってことさ」

  • R・L・スティーヴンスン=著 柴田元幸=訳 「死体泥棒」 エドワード・ゴーリー=編 A・ブラックウッド〔ほか〕=著 柴田元幸+小山太一+宮本朋子=訳 『憑かれた鏡—エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』 河出書房新社 2006/08 所収
  • 文中の太字箇所は、原文では太字ではなく傍点。
  • 原書: The Haunted Looking Glass: Ghost Stories Chosen and Illustrated by Edward Gorey. First published in 1959. Recent paperback editions include The Haunted Looking Glass, New York Review Books, 2001/03

(2) 橋本 1980, 1990
「気づかれなければいいが!……もしばれたら——そうだ! 君も知らなかったことにしよう。わかるだろう? そうすれば決着がつく。実のところ、こういうことはもだいぶ長いこと続いてきたんだ。泥をかきたてればKもひどく厄介なことに巻き込まれる。君だってただじゃすまないぞ。実際ぼくだってそうさ。どの顔さげて証人席に立ったらいい? どう言って自己弁護すればいいかね? ひとつだけたしかなのは、つまり事実上ぼくらの使う死体は全部殺人死体だということさ」


(3) 河田 1975, 1988
「そうでないことを願うね」とマクファーレンは言った。「仮に誰かが知っていたとしても——そう、きみが知らないということにすればいいんだ。わかるね。それでもう何も言うことはないよ。実を言えば、こんなことは今まで長い間行われてきたんだ。ここで騒ぎを起すと、K——さんにひどい迷惑をかけることになるんだよ。それにきみだって困った羽目になるんだ。わたしだって同様だよ。法廷の証人席にどんなつらをして立てと言うのかね。そして、何を証言すればいいんだい? 一つ確かなことがあるんだ——つまり、実を言えば、解剖用材料の死体はみんな殺されたものばかりなんだよ」


(4) 緑川 1959
「そんなことはないと思う」とマクファーレンが言った、「が、誰かが気づいても——そうだ、君だって気づいた訳ではないのだ、ねえ、分るだろう、そうすりゃ、それでおしまいさ。実は、こうした事が長い間行われていたのだ。騒ぎ立てれば、君はK—先生をひどく苦しめることになり、君自身も困ることになる。君がそうなれば、僕も同じだ。キリスト教徒の証人席についたら、我々のうちの誰にしろ、どんな顔つきをするか、一体自分たちのために何と弁解する積りか知りたいもんだ。僕にとっては、君も知っているように、この事だけは確かなんだ——実際のところ、我々の解剖死体は全部殺されたものであったんだ」


(5) 武井 1952
「そんなことはないだろう」とマクファーレンは言った。「たとえ誰かゞ知っていても——まあ、君は知らなかったんだし、そうでしょう、それでおしまいさ。事実こんなことはもう長い間行われているんだよ。泥を掻き廻すと、K氏を最も恐ろしい災厄に追い込むことになるよ。君自身もどえらい破目に陥るぞ。若し君がそうなれば僕だって助からないだろう。そうなったら僕達は誰れでも、どんな顔するかまた証人席に立たされて自分のためにどんなことを言わねばならんか知 りたいもんだね。僕の知る限りでは君も知ってる通り確かなことは一つだよ——実際僕達の手に入れる死体は皆殺されたものだということさ」

  • R.L.Stevenson=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註 「死骸盜人」 『マークハイム 他二編』 研究社新訳註叢書27 研究社出版 英文併記 1952/12 所収

(6) 三宅 1936
『誰も知らないことにしとき度いね。』とマクファーレンは言つた。『又假りに誰か氣がついたにしてもだね、君は知らなかつたといふことにしとけばいゝぢやないか。それですむんだよ。しかし實はこれも久しいことだからね。君が騒ぎ出したら、K——をどんな恐ろしい困難に突き落すか知れやしない。そして君も困つた立場に置かれることになるだらう。さうなつたら僕も御同樣さ。基督教國の證人台に出て、吾々が何んな顏をするか、何んなことが假りにも言へたものか、知り度いもんだ。僕に言はせれば、君としてこの一事だけはしかと心得てゐなくちやならない——それは、有體にいへば、吾々の解剖用屍體はみんな殺されて來た奴ばかりだといふことだ。』

  • スティーヴンスン=著 三宅幾三郎=譯 「屍體盜人」 十一谷義三郎(じゅういちや・ぎさぶろう)=譯編 『世界短篇傑作全集1 英米短篇集』 河出書房 頒價金壹圓 1936/09(昭和11)所収

■スペイン語訳 Translation into Spanish

-Esperemos que no, -dijo Macfarlane- y si alguien lo hace, bien, tú no la reconociste, ¿comprendes?, y no hay más que hablar. Lo cierto es que esto lleva demasiado tiempo sucediendo. Remueve el cieno y colocarás a K en una situación desesperada; tampoco tú saldrías bien librado, ni yo. Me gustaría saber cómo quedaríamos, o qué demonios podríamos decir si nos llamaran como testigos. Porque hay una cosa cierta: prácticamente, todo nuestro material han sido personas asesinadas.


 Audio 1 
原書朗読: マイク・ハリス Audiobook read by Mike Harris

下の引用箇所の朗読は 19:13 あたりから。 Uploaded to YouTube by rt20bg on 26 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts around 19:13.


 Audio 2 
原書朗読: ロイ・マクレディ Audiobook read by Roy Macready

制作: スパイダーズ・ハウス (2009)。下の引用箇所の朗読は 3:59 あたりから。 Uploaded to YouTube by SpidersHouseAudio on 19 Oct 2009. Spiders' House Recording, 2009. Reading of the excerpt below starts around 3:59.


 Audio 3 
原書(短縮版)朗読: ネルソン・オルムステッド
Audiobook (abridged) read by Nelson Olmsted

下の引用箇所にほぼ相当する部分の朗読は 2:23 あたりから。 Uploaded to YouTube by Amanda Nuchols on 22 Jul 2013. "The Body Snatcher," Side 4 Track 3, digitized from a 1968 pressing of the vinyl LP, Nelson Olmsted ‎- Tales of Terror. Reading of the section roughly corresponding to the excerpt below starts around 2:23.


■英語原文 The original text in English

'We'll hope not,' said Macfarlane, 'and if anybody does - well, you didn't, don't you see, and there's an end.  The fact is, this has been going on too long.  Stir up the mud, and you'll get K- into the most unholy trouble; you'll be in a shocking box yourself.  So will I, if you come to that.  I should like to know how any one of us would look, or what the devil we should have to say for ourselves, in any Christian witness-box.  For me, you know there's one thing certain - that, practically speaking, all our subjects have been murdered.'

   The Body-Snatcher by Robert Louis Stevenson
   First published in the Pall Mall Christmas "Extra" 13 (Dec 1884).
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「屍體盜人」……三宅 1936
   「死骸盗人」……河田 1975, 1988
   「死骸盜人」……武井 1952
   「死体泥棒」……柴田 2006
   「死体盗人」……橋本 1980, 1990
   「死体盗人」……緑川 1959


■外部リンク External links

 [en] English

 [ja] 日本語


■更新履歴 Change log

  • 2013/07/24 マイク・ハリスによる原書朗読とネルソン・オルムステッドによる原書朗読の2本の YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/07/11 スペイン語訳を追加しました。
  • 2010/04/18 英語原文の朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2009/02/03 武井亮吉=訳註 1952/12  を追加しました。
  • 2008/07/12 三宅幾三郎=譯 1936/09 を追加しました。
  • 2008/07/10 緑川伝作=訳 1959/01 を追加しました。

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The Body-Snatcher by Robert Louis Stevenson (1) スティーヴンソン 「死体泥棒」「死体盗人」「死骸盗人」「死骸盜人」「屍體盜人」 (1)

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        目次 Table of Contents

  Video   映画 死体を売る男 (1945) 予告篇 The Body Snatcher (1945) Trailer
 Images  表紙画像 Cover photos
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 柴田 2006
  (J2) 橋本 1980, 1990
  (J3) 河田 1975, 1988
  (J4) 緑川 1959
  (J5) 武井 1952
  (J6) 三宅 1936
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translations into Spanish
  (Es1)
  (Es2) 2010
 Audio 1  原書朗読: マイク・ハリス Audiobook read by Mike Harris
 Audio 2  原書朗読: グレン・ホールストロム Audiobook read by Glen Hallstrom
 Audio 3  原書朗読: ネルソン・オルムステッド Audiobook read by Nelson Olmsted
■英語原文 The original text in English
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


 Video 
映画 死体を売る男 (1945) 予告篇 The Body Snatcher (1945) Trailer

監督: ロバート・ワイズ 出演: ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシ Uploaded to YouTube by OdeonEntertainment on 19 May 2011. Directed by Robert Wise. Starring Boris Karloff, Bela Lugosi.


 Images 
表紙画像 Cover photos

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2006
死体の供給は、彼にとっても師にとっても終始頭痛の種であった。人数も多い活発な授業にあって、解剖の素材はつねに払底(ふってい)していた。死体確保のため必要になってくるもろもろのやり取りは、それ自体不快であるばかりか、かかわる者みなを危険に巻き込みかねない。この取り引きに関してはいっさい何も訊かない、というのがK氏の方針であった。「奴らが死体を持ってきて(ブリング・ザ・ボディ)、私らが金を払う(ペイ・ザ・プライス)」と、頭韻を強調しながら氏はよく言った。「現物に現ナマ、さ」。

  • R・L・スティーヴンスン=著 柴田元幸=訳 「死体泥棒」 エドワード・ゴーリー=編 A・ブラックウッド〔ほか〕=著 柴田元幸+小山太一+宮本朋子=訳 『憑かれた鏡—エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』 河出書房新社 2006/08
  • 原書: The Haunted Looking Glass: Ghost Stories Chosen and Illustrated by Edward Gorey. First published in 1959. Recent paperback editions include: The Haunted Looking Glass New York Review Books, 2001/03

(J2) 橋本 1980, 1990
Kにもフェティスにも死体の供給はいつも頭痛の種でした。学生の多い活発なKの教室では解剖用の死体はいつも不足していたのです。必要不可欠な死体入手の仕事は、それ自体不快なものでしたし、関係者にとってはきわめて危い仕事でした。死体の取引きについてよけいな詮索はしないというのがKの方針でした。「相手は物(ぶつ)を運ぶだけ、こちらは金を払うだけ。五分五分だよ」と頭韻を強調するのが彼の口ぐせになっていました。


(J3) 河田 1975, 1988
死骸の供給はK——氏のみならずフェティスにとっても常に悩みの種だった。その大きくて活発なクラスでは、解剖用材料の死骸はいつも不足がちであった。その結果必要になった死骸供給の仕事は、それ自体気持が悪いだけでなく、下手をすると関係者全員に難が及ぶ恐れがあった。死骸を売買する時は何も聞かないというのがK——氏の方針だった。「イ・ブリング・ザ・ディー・アンド・ウイ・イ・ザ・ライス(死骸を持って来れば代価を払う)」と彼は頭韻を強調しながら、口ぐせのように言っていた。


(J4) 緑川 1959
解剖死体の調達には、先生も彼も絶えず苦労をした。その忙しい大学級では、解剖材料は、始終不足し続けていた。そのため必然やらねばならない仕事は、本質的に不愉快であるばかりではなく、それにかかり合うすべての人々に危険な結果をもたらすおそれがあった。闇商人との取引においては、何も尋ねないというのが、K—氏の方針であった。「たい(死体)をしょ(背負)って来る、い金(代金)を(出)す」と頭韻に気をつけながら、彼はよく言ったものだ——「物には物だ」


(J5) 武井 1952
死体の供給は彼の先生に取っては勿論彼に取っても絕えず苦労の種であった。あの大きな忙しい敎室においては解剖学者の原料は絕えず無くなるのであった。かくして必要となる仕事はそれ自体不愉快であるばかりでなく、またそれに関係するすべての人に危險な結果を招來する恐れがあった。その商賣の取引においては疑問を発しないというのがK氏の政策であった。「死骸を持って來たらその代金を拂う」と彼は「代償を」と頭韻に力を入れていうのを常とした。

  • R.L.Stevenson=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註 「死骸盜人」 『マークハイム 他二編』 研究社新訳註叢書27 研究社出版 英文併記 1952/12

(J6) 三宅 1936
解剖死體の供給は、彼の先生にとつてだけでなく、彼にとつても絶えることのない苦勞の種だつた。大勢の學生を收容して盛んにやつてゐるその教室では、解剖の生(なま)の材料が始終切れ勝ちだつた。かうして、いやでもやつて行かなければならない屍體供給の仕事は、それ自身甚だ氣持のよくない仕事であつたばかりでなく、下手すると、それに關係する人達みんなを危險に曝(さら)すものだつた。この取引に關しては一切質問をしないといふのがK氏の政策だつた。『彼等が屍體を持つて來る、それに對して吾々が代金を支拂ふ。つまりたゞの「取つ替へつこ(クヰツド・プロ・クヲオ)」なんだ。』と「取つ替へつこ(クヰツド・プロ・クヲオ)」の頭韻に特に力を入れて、彼はいつも言ふのであつた。

  • スティーヴンスン=著 三宅幾三郎=譯 「屍體盜人」 十一谷義三郎(じゅういちや・ぎさぶろう)=譯編 『世界短篇傑作全集1 英米短篇集』 河出書房 頒價金壹圓 1936/09(昭和11)

■ロシア語訳 Translation into Russian

Пополнять запасы диссекционного стола было трудно; это постоянно заботило и мистера К. и его помощника. Занятия кипели; учащихся было много, а потому то и дело оказывался недостаток в анатомическом материале, и обязанность добывать его, уже и сама по себе неприятная, грозила сделаться опасной для всех, кто имел к ней отношение. Мистер К. по ставил себе за правило не задавать никаких вопросов продавцам.
  -- Нам приносят труп, мы платим,-- говаривал он, вечно повторяя эту фразу.

   Роберт Льюис Стивенсон. Похититель трупов
   E-text at Lib.ru/Классика


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

O suprimento de cadáveres constituía um problema constante para ele, assim como para seu mestre. Naquela sala de aula grande e buliçosa, a matéria-prima dos anatomistas estava sempre em falta; e o trabalho assim requerido não era de todo desagradável em si, mas ameaçava acarretar consequências perigosas para todos os envolvidos. O sr. K. adotava a política de nunca lhe fazer perguntas sobre seus procedimentos naquele negócio. "Eles trazem o traste e nós pagamos o preço", costumava dizer, demorando-se na aliteração — quid pro quo.


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
La obtención de cadáveres era continua causa de dificultades. En aquella clase con tantos alumnos y en la que se trabajaba mucho, la materia prima de las disecciones estaba siempre a punto de acabarse; y las transacciones que esta situación hacía necesarias no sólo eran desagradables en sí mismas, sino que podían tener consecuencias muy peligrosas para todos los implicados. La norma de Mr. K era no hacer preguntas en el trato con los de la profesión. Ellos consiguen el cuerpo y nosotros pagamos el precio, solía decir, recalcando la aliteración; quid pro quo.


(Es2) 2010
El suministro de cadáveres para diseccionar era una preocupación constante, tanto para él como para su maestro. En aquella clase tan concurrida y atareada, la materia prima que necesitaban los anatomistas siempre estaba a punto de acabarse; y el negocio que necesariamente se derivaba de ello no sólo era desagradable en sí mismo, sino que amenazaba con peligrosas consecuencias a todos los implicados. El señor K. tenía por norma no hacer preguntas en sus tratos comerciales. «Ellos traen el cadáver y nosotros pagamos el precio», solía decir, haciendo hincapié en la aliteración... «quid pro quo».


 Audio 1 
原書朗読: マイク・ハリス Audiobook read by Mike Harris

下の引用箇所の朗読は 14:11 あたりから。 Uploaded to YouTube by rt20bg on 26 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts around 14:11.


 Audio 2 
原書朗読: グレン・ホールストロム Audiobook read by Glen Hallstrom

下の引用箇所の朗読は 13:51 あたりから。 Uploaded to YouTube by rt20bg on 8 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts around 13:51.


 Audio 3 
原書(短縮版)朗読: ネルソン・オルムステッド
Audiobook (abridged) read by Nelson Olmsted

下の引用箇所にほぼ相当する部分の朗読は 0:52 あたりから。 Uploaded to YouTube by Amanda Nuchols on 22 Jul 2013. "The Body Snatcher," Side 4 Track 3, digitized from a 1968 pressing of the vinyl LP, Nelson Olmsted ‎- Tales of Terror. Reading of the section roughly corresponding to the excerpt below starts around 0:52.


■英語原文 The original text in English

The supply of subjects was a continual trouble to him as well as to his master.  In that large and busy class, the raw material of the anatomists kept perpetually running out; and the business thus rendered necessary was not only unpleasant in itself, but threatened dangerous consequences to all who were concerned.  It was the policy of Mr. K- to ask no questions in his dealings with the trade.  'They bring the body, and we pay the price,' he used to say, dwelling on the alliteration - 'QUID PRO QUO.'


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  • 「屍體盜人」……三宅 1936
  • 「死骸盗人」……河田 1975, 1988
  • 「死骸盜人」……武井 1952
  • 「死体泥棒」……柴田 2006
  • 「死体盗人」……橋本 1980, 1990
  • 「死体盗人」……緑川 1959

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013/07/24 ポルトガル語訳と2種類のスペイン語訳を追加しました。また、つぎの3本の原書朗読の YouTube 画面も追加しました。
    1. マイク・ハリスによる朗読
    2. グレン・ホールストロムによる朗読
    3. ネルソン・オルムステッドによる朗読
  • 2012/08/11 ロシア語訳を追加しました。
  • 2010/12/10 映画 『死体を売る男』 (1945) の YouTube 動画がユーザーによって削除されていたので、ほかの動画と差し替えました。
  • 2010/04/18 映画 『死体を売る男』 (1945) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳註 1952/12 を追加しました。
  • 2008/07/12 三宅幾三郎=譯 1936/09 を追加しました。
  • 2008/07/10 緑川伝作=訳 1959/01 を追加しました。

 

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Saturday, 28 June 2008

The Truth of the Counter-Revolutionary Rebellion in Beijing by the Propaganda Department of the Beijing City Communist Party 中国共産党北京市委員会宣伝部「北京で発生した反革命暴乱の真相」

■表紙画像 Cover photos

a.中国怪談集』 河出文庫 (1992)  Cover photo by tomoki y.
b. Tiananmen Diary: Thirteen Days in June by Harrison Salisbury. Little, Brown (1989)
c. China since Tiananmen: From Deng Xiaoping to Hu Jintao by Joseph Fewsmith. Cambridge University Press, 2nd edition (2008)

↓ Click to enlarge ↓
a. Chugoku_kaidanshu b. 51qc13dtwtl c. 51uontlfhdl

■日本語訳 Translation into Japanese

一、ある人がこうたずねました。ここ数日、動乱の局面はすでに緩和されていたのに、そのうえ戒厳部隊が入城する必要があったのでしょうか?

二、ある人がこうたずねました。六月三日に発生した事件は、暴乱と言えるのだろうかと。

三、ある人がたずねました。部隊が入城して暴乱を鎮圧したときに、どうして一般市民に発砲したのか?

四、世上では、戒厳部隊が入城したのちに〝血が天安門を洗った〟とのうわさが広がっていますが、これはまったくのデマなのです

五、認識を高め、反革命暴乱鎮圧の完全なる勝利を奪取しよう。

   中国共産党北京市委員会宣伝部=執筆 武田雅哉(たけだ・まさや)=訳
   「北京で発生した反革命暴乱の真相」(1989年6月5日)から、
   見出しだけを抜粋。全文の日本語訳は、つぎの本に収録:
   
   中野美代子+武田雅哉=編 『中国怪談集』 河出文庫 1992/03

   この河出文庫版が底本として用いた中国語原文の出処は、
   中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』1989年6月10日
   第1面から2面にかけて掲載された論説。
   中国共産党北京市委員会宣伝部は6月5日にこれを作成し、
   「新華社6月9日発」として掲載した。
 
 
■中國語原文(繁體字)The original text in traditional Chinese

一、有的同志提出,前幾天動亂的局勢已有所緩解,戒嚴部隊還有必要進城嗎?

二、有的同志問,6月3日這一天發生的事情,夠得上是暴亂嗎?

三、有的同志問,部隊進城平息暴亂,爲什麽向老百姓開槍?

四、社會上盛傳,戒嚴部隊進城之後,'血洗天安門。這完全是謠言。

五、提高認識,奪取平息反革命暴亂的全勝。

   《人民日報》第一版和第二版分別刊登了
   署名中共北京市委宣傳部1989年6月5日發表的
   "北京發生反革命暴亂的事實真相"
   Quoted by 昝愛宗:六月只有三十天


■中国語原文(簡体字)The original text in simplified Chinese

一、有的同志提出,前几天动乱的局势已有所缓解,戒严部队还有必要进城吗?

二、有的同志问,6月3日这一天发生的事情,够得上是暴乱吗?

三、有的同志问,部队进城平息暴乱,为什么向老百姓开枪?

四、社会上盛传,戒严部队进城之后,‘血洗天安门。这完全是谣言。

五、提高认识,夺取平息反革命暴乱的全胜。

   《人民日报》第一版和第二版分别刊登了
   署名中共北京市委宣传部1989年6月5日发表的
   “北京发生反革命暴乱的事实真相” 其中黑体字的小标题
   Quoted by:
   * 六月只有三十天——重读八九春夏之交《人民日报》若干细节(上篇)
   * 昝爱宗:一九八九年六月纪事
   * 昝爱宗文集:六月只有三十天—重读八九春夏之交《人民日报》若干细节


■外部リンク External links

 [en] English
   Tiananmen Square protests of 1989 - Wikipedia
   Tank Man - Wikipedia
 [zh] 簡体中文
   六四事件 - Wikipedia
   王維林 - Wikipedia
 [zh] 繁體中文
   六四事件 - Wikipedia
   王維林 - Wikipedia
 [ja] 日本語
   六四天安門事件 - Wikipedia
   無名の反逆者 - Wikipedia(「戦車男」)


■更新履歴 Change log

2011/12/11 日本語訳の項に「上掲日本語訳の出典」と記述していたのは、
         誤解を招く表現でした。「上掲日本語訳が底本として用いた
         中国語原文の出処」に改めました。また、中国語原文(簡体字)の
         情報源のうち、「昝爱宗文集」へのリンクがリンク切れになって
         いたので、正しいリンクを張り直しました。


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The Romance of Certain Old Clothes by Henry James ヘンリー・ジェイムズ 「古衣装の物語」「古衣裳のロマンス」「古い衣裳のロマンス」「ある古衣の物語」

■はじめに Introduction

The Romance of Certain Old Clothes は、アメリカの作家ヘンリー・ジェイムズが1868年に書いた短編小説。初出はアトランティック・マンスリー誌 第21巻第124号。1885年に英国で出版される際に、ジェイムズは登場人物の名前の変更などいくつかの改訂を行った。


 Video 
ヘンリー・ジェイムズの生涯 The Life of Henry James

Uploaded to YouTube by xYuKaRiBaByx on 23 May 2010


 Images 
表紙画像 Cover photos

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 南條+坂本 2005
彼女の心に最後まで残っている感情は疑いの念だった。自分が苦痛にあえいでいるとき、ロザリンドと一緒にいたと夫に言われたショックから、まだ立ち直っていなかった。彼女は夫を愛しているのと同じくらい信頼していたが、永久(とわ)の旅路につこうとする今、姉に対して冷たい恐怖感をおぼえた。ロザリンドが自分の幸運をずっと妬(ねた)んでいることを、彼女は心の底に感じていた。つつがなく過ぎた幸福な一年も、あの時の姉の姿——自分の婚礼衣装を着て、かりそめの勝利の微笑(えみ)を浮かべた顔を脳裏から拭い去ってはくれなかった。

  • ヘンリー・ジェイムズ=著 南條竹則+坂本あおい=訳 「古衣装の物語(ロマンス)」 『ねじの回転—心霊小説傑作選』 創元推理文庫 2005/04 この本の詳細は ここ
  • ジェイムズは1868年に初稿が出たあと、二度書き改めました。この訳の底本はその最終稿です。

(J2) 鈴木 1989
彼女の胸の中にいまだに燻(くすぶ)っている最後の感情は疑いの気持ちであった。彼女はアーサーから受けたあのショックからまだ立ち直っていなかった。すなわち、彼女が陣痛で苦しみもがいていたそのさなか、彼がロザリンドといっしょにいたと、夫が話して聞かせたことであった。彼女は夫を愛しているのとほとんど同じくらい夫を信じてもいた。しかし永久に別れを告げなければならない今となって、姉のことはぞっとして冷たい恐怖を感じた。彼女は心底から、ロザリンドは自分の幸運をいつまでも妬(ねた)んでやまなかったのだと思った。そしてしあわせで安らかであった一年の月日も、自分の結婚衣裳を着飾って、そしていつわりの勝利感で微笑を装っていた若い姉の面影を打ち消してはいなかったのだとも思った。

  • ヘンリー・ジェームズ=著 鈴木武雄=訳 「古衣裳のロマンス」 荒俣宏=編 『アメリカ怪談集』 河出文庫 1989/05

(J3) 仁木 1985
この場におよんでもまだ彼女の心にひっかかっている感情は疑いの気持ちであった。彼女は、自分が陣痛に苦しんでいる間、アーサーがヴィオラと一緒にいたと聞かされたそのショックから立ち直っていなかったのだ。彼女は夫を愛していると同時に、またそれに劣らないくらい信じていた。しかし、永遠に別れなければならない今となっては、彼女は姉に凍るようなぞっとした恐怖をおぼえた。彼女は心の中で、ヴィオラが自分の幸福をねたんでやまなかったと思った。何事もなく幸福な一年間が、ウェディング・ドレスをまとい、いつわりの勝利に微笑んでいる若い姉の面影をかき消してはいなかったのだ。


(J4) 橋本 1980, 1990
彼女の胸にわだかまっている最後の感情は疑いであった。彼女が陣痛の苦しみを味わっている時にロザリンドと一緒にいたと、夫の口から聞かされた時のショックがまだ残っていた。彼女の夫に対する信頼は愛情と同じくらい深いものだったが、永久に神に召されてゆこうとしている現在(いま)、彼女は姉に対し冷たい恐怖を感じた。姉は自分の幸運を妬(ねた)み続けているという気がパーディタの心の奥深くにあった。幸せな結婚をして一年たった今でも、彼女のウェディング・ドレスをこっそり着て、偽わりの勝ち誇ったような微笑(えみ)をうかべていたロザリンドの姿は決して忘れられなかった。


■イタリア語訳 Translation into Italian

L'ultimo sentimento che indugiava nel suo cuore era di sospetto. Non era riuscita a riprendersi dal colpo infertole da Arthur quando egli le aveva detto che nell'ora del suo travaglio era stato con Rosalind. Aveva fede nel marito quasi pari all'amore che gli portava; ma ora, sul punto di scomparire per sempre, provava nei confronti della sorella un senso di gelido terrore. Intuiva nell'intimo che Rosalind non aveva mai cessato d'invidiarle la sua buona sorte; un anno di serena sicurezza non aveva cancellato in lei l'immagine della fanciulla ornata dei suoi paramenti nuziali, sorridente di finto trionfo.


■スペイン語訳 Translation into Spanish

El postrer sentimiento que anidaba en su corazón era de desconfianza. No se había recobrado de la conmoción que Arthur le había producido al enterarla de que en el instante de su tormento él había estado con Viola. Confiaba en su marido casi tanto como lo amaba; pero ahora que iba a abandonar este mundo para siempre, su hermana le inspiraba un escalofriante horror. En el fondo sabía que Viola nunca había dejado de envidiarle su buena suerte; y un año de feliz seguridad no había borrado la imagen de la joven ataviada con sus galas nupciales y sonriendo con imaginado triunfo.

  • La leyenda de ciertas ropas antiguas by Henry James
  • E-text at Ciudad Seva

 Audio 
英語原文のオーディオブック 朗読: チキト・クラスト
Audiobook in English read by Chiquito Crasto

下の引用箇所の朗読は 27:57 から始まります。 Uploaded to YouTube by freeaudiobooks84 on 2 Oct 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 27:57.


■英語原文 The original text in English

The last feeling which lingered in her heart was one of suspicion. She had not recovered from the shock which Arthur had given her by telling her that in the hour of her agony he had been with Rosalind. She trusted her husband very nearly as well as she loved him; but now that she was called away for ever she felt a cold horror of her sister. She felt in her soul that Rosalind had never ceased to be jealous of her good fortune; and a year of happy security had not effaced the young girl's image, dressed in her wedding-garments, and smiling with simulated triumph.

  • The Romance of Certain Old Clothes by Henry James
    First published in The Atlantic Monthly, February 1868.

■英語原文の書誌情報 Bibliography on the original text in English


■表記/訳題の異同 Variations of translation and transliteration

  • 著者名:James
      ジェイムズ………………………南條+坂本 2005
      ジェイムズ………………………仁木 1985
      ジェイムズ………………………橋本 1980, 1990
      ジェームズ………………………鈴木 1989
  • 表題:The Romance of Certain Old Clothes
      ある古衣の物語…………………橋本 1980, 1990
      古い衣裳のロマンス……………仁木 1985
      古衣裳のロマンス………………鈴木 1989
      古衣装の物語(ロマンス)……南條+坂本 2005

  古 vs 古い, 衣裳 vs 衣装, 物語 vs ロマンス


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/05/23 「はじめに」の項を新設し、英語原文オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/08/26 イタリア語訳とスペイン語訳を追加しました。
  • 2011/11/28 YouTube 動画 "Henry James" を追加しました。

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Monday, 23 June 2008

The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells (3) H・G・ウェルズ 「亡きエルヴシャム氏の物語」「故エルヴィシャム氏の物語」(3)

a. Wells & Welles. Download the 1940 radio interview with H. G. Wells and Orson Welles at Classic Destinies. Image source: The Digital Deli Online. A larger, clearer, copyrighted image is here at JAMD.
b. H. G. Wells - outside his house at Sandgate, Kent, England. Image source: Wikimedia Commons
c. H. G. Wells, Sandgate. Photographed by Alvin Langdon Coburn, 1905. The full-scale, copyrighted image is here at The Art of the Photogravure.

↓ Click to enlarge ↓

 

a. Wellesandwells b. H_g_wells__sandgate__project_gutenb c. H_g_wells_2


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 坂崎 1992
ぼくの変化は、書いてみればこういう単純なものなのだ。だが、だれひとり、ぼくがいいたてることを信じてはくれないだろう。ぼくは、気がふれた人間としてあつかわれ、いま現在も、みはられている。だが、ぼくは正気だ。かんぜんに正気だ。それを証明するために、ぼくは、おこったことをくわしく書きしるした。これを読んだ人にききたい。いままで読んでくれて、文体とか、書きかたに、ちょっとでも狂気の気配があったろうか?

   H・G・ウェルズ=作 坂崎麻子=訳 「故エルヴシャム氏のおぼえがき」
   坂崎麻子=編訳 『七つの恐怖物語—英米クラシックホラー
   偕成社文庫 1992/07 所収
   原文にあるルビは省略しました。


(2) 小野寺 1988
以上がわたしの変身についての、ありのままの物語である。いくら躍起になって事実だとがんばっても、誰も信じてはくれまい。わたしは狂人あつかいを受けて、いまでも拘禁されている。だがわたしは正気なのだ。完全に正気なのだ。それを証明したいからこそ、腰を据えて、この物語をくわしく、事が起こった順序どおりに書いたのである。読者にはぜひ、いま読んだ物語の文体なり書き方なりに、少しでも狂気の形跡があるかどうかを見ていただきたい。

   H・G・ウェルズ=著 小野寺健(おのでら・たけし)=訳
   「亡きエルヴシャム氏の物語」
   『バベルの図書館8 白壁の緑の扉』 国書刊行会 1988/09 所収

   原書:
   The Door in the Wall by H.G. Wells,
   from the series, The Library of Babel,
   selected by Jorge Luis Borges.
   Other titles of the series are shown here.


(3) 橋本 1980, 1990, etc.
これがぼくの変身のありのままなのである。ぼくの狂気じみた言い分をだれも信じてはくれないだろう。ぼくは乱心した人間として扱われ、現在、拘禁されている。しかし実際は正気、絶対に正気である。それを証明するために、事の次第をありのまま詳細に書き記そうと机に向かったのである。読者諸兄におききしたい、ここまで読んでこられた物語の文章、書き方にどこか狂気を思わせるところがあるだろうか。

   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「故エルヴィシャム氏の物語」
   3a. 橋本槙矩+鈴木万里(すずき・まり)=訳 『モロー博士の島 他九篇
      岩波文庫 1993/11 所収
   3b. エリザベス・ボウエン〔ほか〕=著 『猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集
      福武文庫 1990/07 所収
   3c. 橋本槙矩=訳 『夜光死体—イギリス怪奇小説集
      旺文社文庫 1980/04 所収
   引用は 3a. に拠りました。


(4) 阿部 1970
これが、わたしの変身についてのありのままの物語である。わたしがやっきになっていい張っても、だれひとり信じてくれないだろう。わたしは、気が狂った人間としてあつかわれており、このいまも、閉じこめられているのだ。しかし、わたしは正気だ。まったく正気である。そして、そのことを証明するために、ここに腰をおろして、自分の身に起こったことをありのままにくわしくたどりながら、この物語を書いてきた。わたしは読者に訴えるが、この物語を読んできて、その文体や筋道になにか気ちがいじみたしるしがあらわれているだろうか。

   H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳 「故エルヴシャム氏の物語」
   『ウェルズSF傑作集2 世界最終戦争の夢』 創元推理文庫 1970/12 所収


(5) 宇野 1962, 1978
 以上が、かんたんに述べた、わたしの変身の経過である。わたしは、気がくるったものとして、とりあつかわれた。いくら説明しても、だれひとり、信じてくれるものもない。そして、現在、わたしは監禁状態におかれている。しかし、わたしは正気である。完全に正気なのだ。それを説明するために、ここに腰を下ろして、わたしの身に起った出来ごとを、こと細かく書きとめている。
 わたしは読者諸君に訴える。諸君はこの手記を読まれて、文体とか、叙述の方法とかに、狂気の徴候をみとめられるであろうか?

   5a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
      「故エルヴシャム氏の話」
      『H・G・ウエルズ傑作集2 タイム・マシン
      ハヤカワ文庫SF 1978/01 所収 著者名の表記は「ウエルズ」
   5b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳 「故エルヴシャム氏の話」
      早川書房編集部=編 『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
      ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962 所収
      著者名の表記は「ウェルズ」
   引用は 5a. に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Такова без всяких прикрас история моего превращения. Никто не верит моим фантастическим уверениям. Со мной обращаются как с сумасшедшим и даже сейчас за мной присматривают. Между тем я человек нормальный, абсолютно нормальный, и чтобы доказать это, я сел за письменный стол и записал очень подробно все, что со мной случилось. Я взываю к читателю. Пусть он скажет, есть ли в стиле или ходе изложения истории, которую он только что прочел, какие-нибудь признаки безумия.

   Герберт Уэллс. История покойного мистера Элвешема
   Translated by Н. Семевской
   E-text at Lib.Ru


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Tal es la historia de mi transformación. Nadie me cree. Me tratan como un demente y, aúnahora, me tienen bajo vigilancia. Pero estoy cuerdo, absolutamente cuerdo; para demostrarlo,escribo lo que me ha sucedido.

   El caso del difunto mister Elvesham by H.G. Wells
   E-text at Scribd


■フランス語訳 Translation into French

   Histoire de feu M. Elvesham by H.G. Wells,
   Translated by Henry-D. Davray and B. Kozakiewicz

   a. Histoire de feu M. Elvesham by H.-G. Wells,
     Collection Folio Junior, Gallimard Jeunesse, 2002/01
     More details here.
   b. Récits d'anticipation by H.G. (Herbert George) Wells,
     Mercure de France, 1988/09


■英語原文 The original text in English

That simply is the story of my change. No one will believe my frantic assertions. I am treated as one demented, and even at this moment I am under restraint. But I am sane, absolutely sane, and to prove it I have sat down to write this story minutely as the thing happened to me. I appeal to the reader, whether there is any trace of insanity in the style or method of the story he has been reading.

   The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells
   First published in The Idler May, 1896.
   The story was incorporated in
   The Plattner Story and Others, London: Methuen & Co., 1897

   Recent editions include:
   * The Plattner Story and Others (1904),
    Kessinger Publishing, 2007/11
   * The Complete Short Stories of H.G. Wells,
    Orion, 2001/05
   * The Plattner Story and Others,
    Methuen, 1997/06
   * The Complete Short Stories by H.G. Wells
    A & C Black Publishers, 1987/10

   E-text at:
   * The Literature Network
   * HorrorMasters.com (pdf)
   * Project Gutenberg
   * Red Moon Horror
   * Wikisource


■tomokilog の関連記事 Related articles from tomokilog

 * いわゆる「二重人格」に関わる不朽の古典。
    スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』
    Dr Jekyll and Mr Hyde by Robert Louis Stevenson

 * 変身譚といえば、ずばり、
    カフカ『変身』
    Die Verwandlung / Metamorphosis by Franz Kafka

 * 窮地に陥った人間が突如姿を消すお話。
    アポリネール「オノレ・シュブラックの失踪」
    La Disparition d'Honore Subrac by Guillaume Apollinaire

 * これに似た、フランスのもう一つの短篇。
    マルセル・エイメ「壁抜け男」
    Le Passe-Muraille by Marcel Ayme

 * 狂人らしき男が「俺は狂っていない」と言い張る、緊迫感あふれる独白体短篇。
    エドガー・アラン・ポー「裏切り心臓」
    The Tell-Tale Heart by Edgar Allan Poe


■著者名の表記の異同
 Transliteration variations of the author's name "Wells" in Japanese

  ウェルズ………坂崎 1992
   〃  ………小野寺 1988
   〃  ………阿部 1970
   〃  ………宇野 1962
  ウエルズ………橋本 1980, 1990, etc.
   〃  ………宇野 1978


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  故エルヴィシャム氏の物語…………橋本 1980, 1990, etc.
  故エルヴシャム氏のおぼえがき……坂崎 1992
  故エルヴシャム氏の物語……………阿部 1970
  故エルヴシャム氏の話………………宇野 1962, 1978
  亡きエルヴシャム氏の物語…………小野寺 1988


■外部リンク External links

[en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * H. G. Wells - Wikipedia (1866-1946)
   * The H.G. Wells Society

[ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成


■更新履歴 Change log

2012/07/29 ロシア語訳とスペイン語訳を追加しました。
2008/06/29 宇野利泰=訳 1978/01 を追加しました。


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Saturday, 21 June 2008

The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells (2) H・G・ウェルズ「亡きエルヴシャム氏の物語」「故エルヴィシャム氏の物語」(2)

■Books containing The Story of the Late Mr Elvesham, or its translation

Left Récits d'anticipation, Mercure de France (1988). More details here. フランス語版
Centre Stories of the Night, edited by Denys Val Baker. William Kimber (1976). Image source: British Horror Anthology Hell
Right Some Things Strange and Sinister, Coronet Books (1975). Image source: Vault of Evil: British Horror Fiction

           ↓ Click to enlarge ↓

Recits_danticipation Stories_of_the_night Joan_kahn
 
 
■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 坂崎 1992
夢にしては、あまりに現実味をおびている。あのへんな酒のおかげで、記憶がどこかでぬけおちてしまったのだ。遺産相続はほんとうらしいが、その幸運がわかったとたん、よろこびのあまり、なにかをわすれてしまったのだ、とぼくは考えたかった。(……)しかし、老エルヴシャムとの食事のことは、ふしぎにあざやかに思いだせるし、つい最近のことだとわかるのだ。シャンペン、物見だかいウエーター、粉、酒——賭けたっていい! あれはたしかに、ほんの何時間かまえのことなのだ。
 そのとき、ささいな、だが、ぼくにとってはひどくおそろしいことがおこった。そのときのことを思うと、いまでもからだがふるえる。ぼくは、考えながら、ひとりごとをいっていた。(……)

   H・G・ウェルズ=作 坂崎麻子=訳「故エルヴシャム氏のおぼえがき」
   坂崎麻子=編訳『七つの恐怖物語—英米クラシックホラー
   偕成社文庫 1992/07 所収
   原文にあるルビは省略しました。
 
 
(2) 小野寺 1988
夢を見ているにしては、万事があまりにもはっきりしている。つい、あのリキュールをあおったせいでまだ記憶に脱落があるのでは、と考えたくなった。ひょっとするともう相続はすんでいて、自分の幸運が明らかになった時から、とつぜんあらゆる記憶を失ってしまったのではないか。(……)しかし、エルヴシャム老人との食事のことは、妙に生々しく、ついさっきのことのように覚えていた。あのシャンペン、じろじろ見ていたウエイターたち、あの粉とリキュール——それが数時間前のことなのは、魂を賭けてもいいほど確かだった。
 そのとき、じつにつまらないことなのだが、わたしにとってはとても恐ろしく、いま思い出しても身震いが出るようなことが起こった。声を出して(……)

   H・G・ウェルズ=著 小野寺健(おのでら・たけし)=訳
   「亡きエルヴシャム氏の物語」
   J・L・ボルヘス=編纂・序文『バベルの図書館8 白壁の緑の扉
   国書刊行会 1988/09 所収
 
 
(3) 橋本 1980, 1990, etc.
夢にしてはすべてがあまりにリアルであった。わたしは、あの奇妙な酒を飲んだせいで記憶に間隙(かんげき)ができたのだ。すでに相続はすんでいるのに、あのエルヴィシャム氏から自分の幸運を告げられたとき以後の、すべての記憶を喪ってしまったのだと思いこもうとした。(……)しかし、エルヴィシャム老人との夕食の場面だけはいやに鮮明に、つい先刻のことのように記憶に残っていた。シャンペン、気のきく給仕たち、薬、リキュール、すべては疑いもなく数時間前の出来事だった。
 それに続く出来事は、ささいなこととはいえ、ぼくにとっては非常に恐ろしいことであった。あの時のことは今思い返してもぞっとする。ぼくは声をだして(……)

   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「故エルヴィシャム氏の物語」
   3a. 橋本槙矩+鈴木万里(すずき・まり)=訳『モロー博士の島 他九篇
    岩波文庫 1993/11 所収
    著者名の表記は「ウエルズ」。書名の「博士」に「はかせ」とルビ。
   3b. エリザベス・ボウエン〔ほか〕=著『猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集
    福武文庫 1990/07 所収
   3c. 橋本槙矩=訳『夜光死体—イギリス怪奇小説集
    旺文社文庫 1980/04 所収 著者名の表記は「ウエルズ」。
   引用は 3a. に拠りました。
 
 
(4) 阿部 1970
夢にしては、全体がはるかに現実的であり過ぎた。わたしは、あの奇妙なリキュールを飲んだせいで、自分の記憶にまだなにかぬけ落ちているところがあるのではないか、と想像したくなった。たぶん、もう相続をすましたのではないか。そして、自分の幸運を告げられてから、とつぜんすべての記憶を失ってしまったのではないか。(……)けれども、エルヴシャム老人といっしょに夕食をしたことは、いまもふしぎにありありとま新しく記憶に残っていた。シャンパン酒、観察好きの給仕たち、粉末、そしてリキュール——それらがみんな数時間まえに存在したことは、自分の命をかけてもよいほど確かだった。
 そしてそのとき、ごくつまらないことが起こったのだが、それはわたしにとってはたいへん恐ろしいことで、その瞬間を思いだすと、いまでも身ぶるいがでる。わたしは、大声をだしていったのだ。(……)

   H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳「故エルヴシャム氏の物語」
   『ウェルズSF傑作集2』創元推理文庫 1970/12 所収
 
 
(5) 宇野 1962, 1978
夢にしては、すべてのものが、あまりにも現実味を帯びすぎている。あのおかしな酒を飲みすぎたために、わたしの記憶に、ある種の断層を生じたのではなかろうか? 思いがけなく、ばく大な遺産をうけつぐことになり、それと知らされたうれしさに、それまでの記憶を失ってしまったのではあるまいか?(……)ただ、エルヴシャム老人とともにした晩餐のことだけは、奇妙なくらい、ありありと記憶にのこっていた。シャンペンの酔い、気のつくボーイたち、ふしぎな粉末、そして、リキュール——それらのものが、わずか数時間前、わたしのまわりに存在したことは、自分のたましいに誓って、うそではないのだった。
 そして、その直後に、きわめてささいなことではあるが、わたしにとっては、このうえもなく怖ろしいことが起ったのだ。わたしはその瞬間のことを考えると、いまだにぞっとしないではいられない。
 わたしは、大声を出して、こういったものである。(……)

   5a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
    「故エルヴシャム氏の話」
    『タイム・マシン』H・G・ウエルズ傑作集2
    ハヤカワ文庫SF 1978/01 所収
    著者名の表記は「ウエルズ」
   5b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳「故エルヴシャム氏の話」
    早川書房編集部=編『H・G・ウェルズ短篇集2
    ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962 所収
    著者名の表記は「ウェルズ」
   引用は 5a. に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

  Все вокруг было вполне реальным; это не было сновидением. Я готов был вообразить, что от выпитого вчера странного напитка в памяти у меня образовался какой-то пробел. Может быть, думал я, меня уже ввели во владение наследством, а я потом вдруг забыл обо всем и не помню, что случилось после того, как я узнал о своей удаче? [Omission] Между тем воспоминания об обеде со стариком Элвешемом были необыкновенно живыми и свежими: шампанское, услужливые официанты, порошок, напиток... Я был готов дать голову на отсечение, что все это было лищь несколько часов назад!

  Затем произошло нечто совершенно обыкновенное и вместе с тем столь ужасное, что я до сих пор содрогаюсь при одном воспоминании об этой минуте. Я заговорил вслух.

   Герберт Уэллс. История покойного мистера Элвешема
   Translated by Н. Семевской
   E-text at Lib.Ru


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Todo era demasiado real para ser un sueño. Imaginé que había un hiato en los recuerdos producido por la extraña bebida; que había recibido mi herencia y que esa brusca felicidad me había privado de la memoria. [Omission] Pero la cena con el viejo Elvesham aparecía detallada y vívida. El champagne, los mozos, el polvo rosado, los licores, yo juraría que todo eso era muy reciente. Entonces ocurrió algo trivial y al mismo tiempo tan horrible que tiemblo al recordarlo: dije en voz alta: [Omission]

   El caso del difunto mister Elvesham by H.G. Wells
   E-text at Scribd


■フランス語訳 Translation into French

   Histoire de feu M. Elvesham by H.G. Wells,
   Translated by Henry-D. Davray and B. Kozakiewicz

   a. Histoire de feu M. Elvesham by H.-G. Wells,
    Collection Folio Junior, Gallimard Jeunesse, 2002/01
    More details here.
   b. Récits d'anticipation by H.G. (Herbert George) Wells,
    Mercure de France, 1988/09
 
 
■英語原文 The original text in English

The whole thing was far too real for dreaming. I was inclined to imagine there was still some hiatus in my memory, as a consequence of my draught of that strange liqueur; that I had come into my inheritance perhaps, and suddenly lost my recollection of everything since my good fortune had been announced. (. . .) Yet my dinner with old Elvesham was now singularly vivid and recent. The champagne, the observant waiters, the powder, and the liqueurs--I could have staked my soul it all happened a few hours ago.

And then occurred a thing so trivial and yet so terrible to me that I shiver now to think of that moment. I spoke aloud. I said (. . .)

   The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells
   First published in The Idler May, 1896.
   The story was incorporated in
   The Plattner Story and Others, London: Methuen & Co., 1897

   Recent editions include:
   * The Plattner Story and Others (1904),
    Kessinger Publishing, 2007/11
   * The Complete Short Stories of H.G. Wells,
    Orion, 2001/05
   * The Plattner Story and Others,
    Methuen, 1997/06
   * The Complete Short Stories by H.G. Wells
    A & C Black Publishers, 1987/10

   E-text at:
   * The Literature Network
   * HorrorMasters.com (pdf)
   * Project Gutenberg
   * Red Moon Horror
   * Wikisource
 
 
■著者名の表記の異同
 Transliteration variations of the author's name "Wells" in Japanese

  ウェルズ 坂崎 1992
   〃   小野寺 1988
   〃   阿部 1970
   〃   宇野 1962
  ウエルズ 橋本 1980, 1990, etc.
   〃   宇野 1978


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  故エルヴィシャム氏の物語     橋本 1980, 1990, etc.
  故エルヴシャム氏のおぼえがき   坂崎 1992
  故エルヴシャム氏の物語      阿部 1970
  故エルヴシャム氏の話       宇野 1962, 1978
  亡きエルヴシャム氏の物語     小野寺 1988


■訳語の異同 Variations of some expressions translated into Japanese

(1) far too real
  あまりにもはっきりしている    小野寺 1988
  あまりにも現実味を帯びすぎている 宇野 1962, 1978
  あまりにリアルであった      橋本 1980, 1990, etc.
  あまりに現実味をおびている    坂崎 1992
  はるかに現実的であり過ぎた    阿部 1970

(2) some hiatus in my memory
  記憶が(……)ぬけおちてしまった       坂崎 1992
  記憶に(……)ぬけ落ちているところがある   阿部 1970
  記憶に(……)断層を生じた          宇野 1962, 1978
  記憶に間隙ができた              橋本 1980, 1990, etc.
  記憶に脱落がある               小野寺 1988

(3) I could have staked my soul
  すべては疑いもなく              橋本 1980, 1990, etc.
  魂を賭けてもいいほど確かだった        小野寺 1988
  自分のたましいに誓って、うそではないのだった 宇野 1962, 1978
  自分の命をかけてもよいほど確かだった     阿部 1970
  賭けたっていい! あれはたしかに       坂崎 1992


■外部リンク External links

[en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * H. G. Wells - Wikipedia (1866-1946)
   * The H.G. Wells Society

[ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成
 
 
■更新履歴 Change log

2012/07/26 ロシア語訳とスペイン語訳を追加しました。
2008/06/30 宇野利泰=訳 1978/01 を追加しました。また、「訳語の異同」の
         項を新設しました。
2008/06/22 小野寺健=訳 1988/09 を追加しました。
 
 
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Friday, 20 June 2008

The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells (1) H・G・ウェルズ「亡きエルヴシャム氏の物語」「故エルヴィシャム氏の物語」(1)

Left七つの恐怖物語—英米クラシックホラー』偕成社文庫 (1992)
Centre Histoire de feu M. Elvesham, Gallimard Jeunesse (2002). More details here. フランス語版
Right The Complete Short Stories of H.G. Wells, Orion (2001)

           ↓ Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 坂崎 1992
そのときはまだ正気だったから、ぼくは、自分のおかしな精神状態をはっきり自覚していたし、さっきのんだ物は、アヘンだったのじゃないだろうかと考えていた。いずれにしろ、ぼくには生まれてはじめてのものだった。いまとなれば、どうおかしかったのかをいいあらわすのはむずかしい。二つの精神がかさなりあった状態といえば、ぼんやりあたっているだろうか。
 リージェント・ストリートを歩きながら、なんともふしぎなことに、ここはウォータールー駅だという確信がわいた。そして、駅にいる人間が汽車にのりこむように、工科大学にはいってゆこうとするのだ。

   H・G・ウェルズ=著 坂崎麻子(さかざき・あさこ)=訳
   「故エルヴシャム氏のおぼえがき」
   坂崎麻子=編訳『七つの恐怖物語—英米クラシックホラー
   偕成社文庫 1992/07 所収
   ルビは省略しました。
 
 
(2) 小野寺 1988
そのときはまだ正気だったから、自分の心理状態が異常なこともに分かり、あの薬は阿片だったのではないか——未経験の薬だったのではないかと、疑うこともできた。いまとなっては、そのときの異常な心理状態の特殊性を説明するのはむずかしい。二重心理とでも言えば、近いだろうか。リージェント・ストリートを北へ向かって歩いていると、変なことにそこがウォータールー駅だと思えてきて、列車に乗り込むように工業学校へ入っていきたい、妙な衝動に駆られた。

   H・G・ウェルズ=著 小野寺健(おのでら・たけし)=訳
   「亡きエルヴシャム氏の物語」
   J・L・ボルヘス=編纂・序文『バベルの図書館8 白壁の緑の扉
   国書刊行会 1988/09 所収

   原書:
   The Door in the Wall by H.G. Wells,
   from the series, The Library of Babel,
   selected by Jorge Luis Borges.
   Other titles of the series are shown here.
 
 
(3) 橋本 1980, 1990, etc.
そのときまだぼくは自分を失っていなかったから、自分の奇妙な心理状態に気づいていた。そしてさっきのあの薬は阿片だったのかと思った……阿片は飲んだことはなかった。ぼくの奇妙な心理の特色を、今説明しろと言われても難しい。あえて言うなら、心理的ダブリとでも言うのだろう。リージェント街を歩いているのに、ここはウオタールー駅だという奇妙な気がしてくるのだった。そして、汽車に乗るように工芸学校へ入って行きたいという妙な衝動をおぼえた。

   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「故エルヴィシャム氏の物語」
   3a. 橋本槙矩+鈴木万里(すずき・まり)=訳『モロー博士の島 他九篇
    岩波文庫 1993/11 所収
   3b. エリザベス・ボウエン〔ほか〕=著『猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集
    福武文庫 1990/07 所収
   3c. 橋本槙矩=訳『夜光死体—イギリス怪奇小説集
    旺文社文庫 1980/04 所収
   引用は 3c. に拠りました。
 
 
(4) 阿部 1970
そのときはまだ正気だったので、自分の異様な精神状態に気づいて、さっき飲んだあの薬は、阿片(あへん)——経験したことのない薬——ではなかったのかと思いめぐらすことができた。いまとなっては、そのときの奇怪な精神状態をはっきり説明することはむずかしい——心の二重写しという表現が、かすかながらそれに近い。リージェント街を歩いているうちに、心の中で、そこがウォータルー駅だといいきかせるふしぎな言葉が聞こえ、まるで列車にでも乗るように、工業学校にはいってゆきたいというおかしな衝動を感じた。

   H・G・ウェルズ=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳
   「故エルヴシャム氏の物語」
   『ウェルズSF傑作集2』創元推理文庫 1970/12 所収
 
 
(5) 宇野 1962, 1978
 わたしはまだ、恍惚とした気分をつづけていたので、奇妙な精神状態に気づいて、さっき飲んだ粉末は、阿片ではなかったのか——経験したこともない薬品のちからにおどろいていた。
 そのときの精神状態の異様さを、いまにして説明するのは困難である——心理の二重写しとでもいったら、どうやらあたっているのではなかろうか。リージェント・ストリートを歩いていると、頭のどこかで、ここはウォタールー駅だといいきかせているものがあった。そして、汽車に乗りこむように、工芸学校の門のなかへとびこみたい奇怪な衝動にもおそわれた。

   H・G・ウエルズ(またはウェルズ)=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
   「故エルヴシャム氏の話」
   5a.H・G・ウエルズ傑作集2 タイムマシン
    ハヤカワ文庫SF 1978/01 所収
   5b. 早川書房編集部=編『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
    ハヤカワ・SF・シリーズ 1962 所収
   引用は 5a. に拠りました。
 
 
■ロシア語訳 Translation into Russian

  Я настолько сохранил ясность мысли, что замечал свое необычайное психическое состояние и спрашивал себя, не подсыпал ли он мне опиума, с действием которого я практически был совершенно незнаком.

  Мне очень трудно сейчас описать все особенности моего состояния; пожалуй, его можно было бы назвать раздвоением личности. Идя по Риджент-стрит, я не мог отделаться от странной мысли, что нахожусь на вокзале Ватерлоо, и мне даже хотелось взобраться на крыльцо Политехнического института, будто на подножку вагона.

   Герберт Уэллс. История покойного мистера Элвешема
   Translated by Н. Семевской
   E-text at Lib.Ru


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Recuerdo vívidamente mis sensaciones. Al bajar por Regent Street, estaba extrañamente convencido de que esa era la estación Waterloo. Casi entré al Politécnico como quien toma un tren.

   El caso del difunto mister Elvesham by H.G. Wells
   E-text at Scribd


■フランス語訳 Translation into French

   Histoire de feu M. Elvesham by H.G. Wells,
   Translated by Henry-D. Davray and B. Kozakiewicz

   a. Histoire de feu M. Elvesham by H.-G. Wells,
    Collection Folio Junior, Gallimard Jeunesse, 2002/01
    More details here.
   b. Récits d'anticipation by H.G. (Herbert George) Wells,
    Mercure de France, 1988/09
 
 
■英語原文 The original text in English

I was still so far myself that I could notice my strange mental state, and wonder whether this stuff I had had was opium -- a drug beyond my experience. It is hard now to describe the peculiarity of my mental strangeness -- mental doubling vaguely expresses it. As I was walking up Regent Street I found in my mind a queer persuasion that it was Waterloo station, and had an odd impulse to get into the Polytechnic as a man might get into a train.

   The Story of the Late Mr Elvesham by H. G. Wells
   First published in The Idler Magazine, May 1896.
   The story was incorporated in
   The Plattner Story and Others, London: Methuen & Co., 1897

   Recent editions include:
   * The Plattner Story and Others (1904),
    Kessinger Publishing, 2007/11
   * The Complete Short Stories of H. G. Wells, edited by John Hammond
    Orion, 2001/05
   * The Complete Short Stories of H. G. Wells, edited by John Hammond
    Phoenix Giant, 1998. More details here.
   * The Plattner Story and Others,
    Methuen, 1997/06
   * The Complete Short Stories by H.G. Wells
    A & C Black Publishers, 1987/10

   E-text at:
   * The Literature Network
   * Project Gutenberg
   * HorrorMasters.com (pdf)
   * Red Moon Horror
   * Wikisource
 
 
■表記/訳語の異同
 Variation of translation and transliteration in Japanese

a) 著者名:Wells

   ウェルズ  坂崎 1992
    〃    小野寺 1988
    〃    阿部 1970
    〃    宇野 1962
   ウエルズ  橋本 1980, 1990, etc.
    〃    宇野 1978

ちなみに、『市民ケーン』などで知られる映画監督・プロデューサー・脚本家・俳優の故オーソン・ウェルズ氏の場合は Welles とつづります。
 
 
b) 表題:The Story of the Late Mr Elvesham

   故エルヴィシャム氏の物語   橋本 1980, 1990, etc.
   故エルヴシャム氏のおぼえがき 坂崎 1992
   故エルヴシャム氏の物語    阿部 1970
   故エルヴシャム氏の話     宇野 1962, 1978
   亡きエルヴシャム氏の物語   小野寺 1988
 
故 vs 亡き、エルヴィシャム vs エルヴシャム、物語 vs 話 vs おぼえがき。些細な違いですが、上の5つの訳題は全部、おたがいにどこかが異なります。なので、検索には、とても不便。もっとも、もしかりに表記が正確に写されているとするならば、邦題によって訳者が特定できるので、便利ともいえるのかもしれませんが……。
 
 
c) 駅名:Waterloo Station

   ウォータールー駅 坂崎 1992
      〃     小野寺 1988
   ウォータルー駅  阿部 1970
   ウォタールー駅  橋本 1993
      〃     宇野 1978
   ウオタールー駅  橋本 1980
   [未確認]    橋本 1990
   [未確認]    宇野 1962
 
 
d) 学校の名称:The Polytechnic

   工科大学  坂崎 1992
   工業学校  小野寺 1988
    〃    阿部 1970
   工芸学校  橋本 1980, 1990, etc. 
    〃    宇野 1978
   [未確認] 宇野 1962
 
 
■外部リンク External links

 [en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * H. G. Wells - Wikipedia (1866-1946)
   * The H.G. Wells Society

 [ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成
 
 
■更新履歴 Change log

2012/07/29 スペイン語訳を追加しました。
2012/07/26 ロシア語訳を追加しました。
2008/06/30 宇野利泰=訳 1978/01 を追加しました。
2008/06/20 小野寺健=訳 1988/09 を追加しました。
 
 
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Thursday, 19 June 2008

The Horror of the Heights by Arthur Conan Doyle ドイル 「大空の恐怖」

 Images 
表紙画像と旧コナン・ドイル邸 A book cover and Conan Doyle's house

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

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 Map 1 
クロイドン、サウス・ノーウッドの地図 Map of South Norwood, Croydon
South_norwood
Image source: Streetmap.co.uk


 Map 2 
コナン・ドイル邸付近の地図 The area around Arthur Conan Doyle's home

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 Map 3  MapQuest
 Map 4  Bing Maps


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 西崎 2000, 2004
それからヘイ・コナーの死だ。(……)ヘイ・コナーは大滑空のすえ未知の高空から降りてきた。彼は飛行機から消えてはいなかった。操縦席で死んだ。なぜ死んだのか? 心臓麻痺だ、と医者は言った。ばかばかしい。ヘイ・コナーの心臓はわたしのと同様しっかりしたものだった。(……)ヴェナブルズに向かって話されたのはただの一語で、それは「信じられない(モンストラス)……」というふうに聞こえた。(……)怪物たち(モンスターズ)、というのが可哀想なハリー・ヘイ・コナーの最期の言葉だった。そして彼は確かに恐怖のせいで死んだのだ。ヴェナブルズが考えた通りに。

   コナン・ドイル=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳 「大空の恐怖」
   1a. 北極星号の船長 ドイル傑作集2』 創元推理文庫 2004/12 所収
   1b. 北原尚彦+西崎憲=編 『ドイル傑作選2 ホラー・SF篇
      翔泳社(しょうえいしゃ)2000/02 所収
   1a. の底本は 1b.。引用は 1a. に拠りました。
 
 
(2) 福島 1996
 また、ことしのコナー飛行士は、なんとかぶじに飛行場まで帰ってきたものの、とうとう操縦席から出ないまま死んでしまった。医師の診断では、心臓まひだったというが、コナー飛行士はそれまで、人の三倍も健康だったのだ。
 では、なぜ心臓まひをおこしたのか……かれは、死ぬ直前、「おそろしい……おそろしい。」とくりかえしていたというではないか。

   ドイル=作 福島正実=訳(再話) 「大空の恐怖」
   『鏡にうかぶ影』 講談社 青い鳥文庫・Kシリーズ 1996/07 所収
   原文は総ルビですが、ここでは省略しました。
 
 
(3) 延原 1960, 2007
それからかのヘイ・コナーの死がおこったのだ。(……)とにかく未知の高空から非常なる大滑空をなして地上に降りてきた。そして機外に脱出することなく、座席に坐(すわ)ったまま事切れた。死因は何か? 医師は心臓障害だという。バカな! ヘイ・コナーの心臓は私のに劣らず強健だったのだ。(……)そのときヴェナブルズに向かってただひと言だけ発したが、それは「怪異な(モンストラス)……」という風に聞こえたという。(……)怪異(モンスターズ)! これぞかの気の毒なヘイ・コナーの最後の言葉だったのだ。ヴェナブルズが考えたように、彼はまさに恐怖のために死んだのだ。

   コナン・ドイル=著 延原謙(のぶはら・けん)=訳 「大空の恐怖」
   3a. ドイル傑作集3 恐怖編』 新潮文庫 改版 2007/08 所収
   3b. ドイル傑作集3 恐怖編』 新潮文庫 1960/07 所収
   引用は 3a. に拠りました。
 
 
■ロシア語訳 Translation into Russian

потом  погиб  Хей  Коннор.  [Omission]  Из аэроплана он так  и  не вышел, умер прямо на сиденье. От чего он умер? У него было  больное  сердце, объявили врачи. Чушь! У Хея Коннора сердце было крепче  моего.  [Omission]  Знаете,  что тогда сказал Венаблз? Венаблз - единственный, кто был с ним рядом, когда  он умирал. Так вот, он рассказывает, что Хей дрожал и на лице у него был  ужас. Он умер от страха, утверждает Венаблз, но не представляет, что  же  его  так напугало.  [Omission]  Хей  произнес  одно-единственное   слово:   "чудовищно...",  [Omission]  Чудовища! Вот последнее слово, которое произнес бедняга  Гарри  Хей  Коннор, Да, он действительно умер от страха, Венаблз был прав.

   Артур Конан Дойл. Ад в небесах
   Перевод Ю. Жуковой
   Артур Конан Дойл известный и неизвестный
   Перстень Тота. Сборник рассказов. М., СП "Квадрат", 1992.
   E-text at Lib.Ru


■スペイン語訳 Translation into Spanish

(. . .) de pronto se produjo la muerte de Harry Connor. (. . .) Harry Connor descendió desde una altura ignorada y lo hizo en un fantástico planeo. No salió del aparato y murió en su asiento de piloto. ¿De qué murió? Enfermedad cardiaca, dijeron los médicos. ¡Tonterías! El corazón de Connor funcionaba tan a la perfección como funciona el mío. (. . .) Una sola palabra pronunció el muerto delante de Venables; una palabra que sonó algo así como monstruoso. (. . .) ¡Monstruos! Esa fue la última palabra que pronunció el pobre Harry Connor. Y, en efecto, murió de miedo, tal y como opinó Venables.

   El horror de las alturas by Arthur Conan Doyle
   E-text at Axxon.com.ar


 Audio 1 
The Horror of the Heights - Audiobook in English read by Igor Teaforay

下に引用する箇所の朗読は 12:02 あたりから始まります。 Uploaded to YouTube by freeaudiobooks84 on 4 Jan 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts around 12:02.


 Audio 2 
The Horror of the Heights - Audiobook in English read by Mike Harris

下に引用する箇所の朗読は 8:57 あたりから始まります。 Uploaded to YouTube by rt20bg on 26 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts around 8:57.


■英語原文 The original text in English

(. . .) and then there was the death of Hay Connor. (. . .) He came down in a tremendous vol-plane from an unknown height. He never got off his machine and died in his pilot's seat. Died of what? 'Heart disease,' said the doctors. Rubbish! Hay Connor's heart was as sound as mine is. (. . .) Only said one word to Venables, which sounded like 'Monstrous.' (. . .) Monsters! That was the last word of poor Harry Hay Connor. And he did die of fright, just as Venables thought.

   The Horror of the Heights by Arthur Conan Doyle
   First published in the Strand magazine, 1913/11

 
 
■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2013/07/21 ロシア語訳を追加しました。また、2種類の英語原文オーディオブックの YouTube 画面も追加しました。

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Wednesday, 18 June 2008

The Leather Funnel by Arthur Conan Doyle (3) ドイル「革の漏斗(じょうご)」 (3)

Left Medieval Justice: Cases and Laws in France, England and Germany, 500-1500 by Hunt Janin. McFarland & Company (2004)
Centre O Funil de Couro, an eBook by VirtualBooks (2004) ポルトガル語版
Right The Leather Funnel, an audio book (MP3) by One Voice Recordings (2006)

           ↓ Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 西崎 2004
「この行(くだり)を聞いてくれ」彼は言った。「十七世紀のフランス語で書かれている。けど、簡単に訳してみるよ。僕が謎を解いたか、解いてないか、きみ自身で判断してくれ。
『被告人はまず高等法院の判事室に連れて行かれ、それから裁判の行われる小塔に連れて行かれた。被告人に帰せられた罪状は父であるドリュー・ド・オーブレ閣下を殺害し、さらに兄であるふたりの人士も同様に殺害したというもので、ふたりの兄のうち、一名は政府の高官で、もう一名は議会の顧問だった。夫人自らがかくも忌まわしい行いに手を染めたのかどうか、俄には信じがたいところだった。夫人はごく穏和な外見で、小柄で、白い肌と青い目の持ち主だった。しかし有罪の判決を下した裁判官たちは夫人から共犯者の名前を引きだせるのではないかと考えて、夫人に通常の尋問および特別尋問を科することにした。そしてその後で被告人を荷馬車に乗せ、グレーヴ広場まで連れて行き、そこで首を斬り落とし、遺体を焼いて、その灰を空中に撒き散らすことを宣した』
 この箇所の日付は1676年の7月16日になっている」

   コナン・ドイル=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳「革の漏斗」
   北原尚彦+西崎憲=編『ドイル傑作集2 北極星号の船長
   創元推理文庫 2004/12 所収 詳細は ここ
 
 
(2) 橋本 1980, 1990
「ちょっと聞いていてください。十七世紀のフランス語で書かれていますが、読みながらざっと訳していきますので、この謎が解けるかどうか自分で判断なさってください。『罪人は、実父であるパリの代理官ドリュ・ドブレ及び実兄である民事代官並びに議会法律顧問の、二人のドブレを殺害せる かど により、最高法院大審部並びに刑事裁判所に引出された。その容姿はかくも残虐なる罪を犯した女とはとても信じ難いものであった。たおやかな姿は小柄で色あくまで白く、碧い眼を持っていた。然るに法廷は彼の女を有罪と認めた。共犯者の所在を明らかにせんが為尋常及び特別訊問に付したる後、グレーヴ広場へ荷車で護送された。女は広場にて断首の後、屍体は火に焼かれその遺灰は風のなすままに委せられた』日付は1676年7月16日となっています」

   コナン・ドイル=著 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「革の漏斗(かわのじょうご)」
   2a.猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集』福武文庫 1990/07 所収
   2b.夜光死体—イギリス怪奇小説集』旺文社文庫 1980/04 所収
 
 
(3) 延原 1960, 2007
「ちょっとこれをお聞きください。十七世紀のフランスの本ですが、読みながら訳してゆきますから、夢の謎が解けるかどうか、判断はあなたにおまかせします」
『……囚人は議会の大広間なる法廷に引きたてられたり。罪過は実父ドルー・ドブレならびに実兄たる二人のドブレ、その一人は陸軍中尉(ちゅうい)にして他の一人は議会顧問たるを殺害なしたるかどにyる。見るからに彼女が真にかかる大罪を犯したりとは信じがたし。容姿端麗にして矮小(わいしょう)、色白く眼光青ければなり。しかも法廷は彼女の犯行の動かしがたきを看破、普通尋問のほか、共犯者名を自白することもやあると特別訊問を行ないたる後グレーヴ広場へと押送(おうそう)したり。この地において斬首(ざんしゅ)したる後その遺骸(いがい)は焼きてその灰は風のままに飛散せしめらるるなり』
「この文章の記載は1676年7月16日です」

   コナン・ドイル=著 延原謙=訳「革の漏斗」
   3a.ドイル傑作集3 恐怖編』新潮文庫 改版 2007/08 所収
   3b.ドイル傑作集3 恐怖編』新潮文庫 1960/07 所収
   引用は 3a. に拠りました。
 
(1) (2) (3) のいずれも、文中の西暦年月日の漢数字を算用数字に置き換えました。
すなわち、一六七六年七月十六日 → 1676年7月16日
 
 
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

— Apenas escute    — disse ele. — Está escrito num francês do século dezessete, mas farei uma tradução aproximada. Você julgará por si mesmo se matei ou não a charada:

“A prisioneira foi conduzida à presença das Grand Chambers e Tournelles do Parlamento, em sessões de corte de justiça, acusada do assassinato do mestre Dreux d'Aubray, o pai dela, e de seus dois irmãos, os senhores d'Aubray, um deles tenente civil, e conselheiro do Parlamento o outro. Em pessoa, parecia difícil de acreditar que ela realmente tivesse cometido ações de tal perversidade, pois seu aspecto era meigo, e de baixa estatura, com uma pele bonita e olhos azuis. Entretanto, a Corte, tendo averiguado a sua culpa, condenou-a aos interrogatórios usual e extraordinário, de modo a obrigá-la a confessar os nomes de seus cúmplices, depois do que seria conduzida numa carreta até a Place de Grève, onde seria decapitada, sendo seu corpo posteriormente queimado e as cinzas jogadas aos ventos.

A data deste registro é de 16 julho de 1676.”

   O Funil de Couro by Arthur Conan Doyle
   Translated by Silveira de Souza
   E-text at Biblioteca Virtualbooks (pdf)
   Copyright (c) 2000/2003 Virtualbooks
 
 
■フランス語訳 Translation into French

— Ecoutez ceci, dit-il. C'est du français du dix-septième siècle. Je vous le traduis tant bien que mal. Vous jugerez si j'ai ou non déchiffr l'énigme.

《 La prisonnièe fut conduite par devant les Grand'Chambre et Tournelles du Parlement siégeant comme cour de justice,  l'effet d'y être interrogée sur le meurtre de M. Dreux d'Aubray son père, et de MM. d'Aubray ses frères, l'un conseiller au Parlement, l'autre lieutenant civil. Il semblait malais de croire qu'elle eût commis de tels forfaits,  voir sa petite taille, sa peau blanche et ses yeux bleus. Cependant, la Cour, l'ayant reconnue coupable, la condamna  la question ordinaire et extraordinaire, afin qu'elle désignât de force ses complices ; ensuite'de quoi elle serait portée en place de Grève, pour y être sa tête tranchée, son corps brûl et ses cendres jetées au vent. 》

Ceci est daté du 16 juillet 1676.

   L'Entonnoir de cuir by Arthur Conan Doyle
   E-text at Wikisource
 
 
■英語原文 The original text in English

"Just listen to this," said he; "it is in the French of the seventeenth century, but I will give a rough translation as I go. You will judge for yourself whether I have solved the riddle or not.

"`The prisoner was brought before the Grand Chambers and Tournelles of Parliament, sitting as a court of justice, charged with the murder of Master Dreux d'Aubray, her father, and of her two brothers, MM. d'Aubray, one being civil lieutenant, and the other a counsellor of Parliament. In person it seemed hard to believe that she had really done such wicked deeds, for she was of a mild appearance, and of short stature, with a fair skin and blue eyes. Yet the Court, having found her guilty, condemned her to the ordinary and to the extraordinary question in order that she might be forced to name her accomplices, after which she should be carried in a cart to the Place de Greve, there to have her head cut off, her body being afterwards burned and her ashes scattered to the winds.'

"The date of this entry is July 16, 1676."

   The Leather Funnel by Arthur Conan Doyle
   Tales of Terror and Mystery (1925)

   Recent paperback editions include:
   * The Leather Funnel, and The Great Keinplatz Experiment
    Dodo Press, 2008/04
   * Tales of Terror and Mystery
    Book Jungle, 2007/09

   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * The Literature Page
   * HorrorMasters.com (pdf)
   * Project Gutenberg
   * east of the web
   * Wikisource
 
 
■法律用語その他の訳について
 On Japanese equivalents of legal and other terms

a) The Grand Chambers and Tournelles of Parliament
   高等法院の判事室(……)それから裁判の行われる小塔  西崎 2004
   最高法院大審部  並びに  刑事裁判所        橋本 1980, 1990
   議会の大広間なる法廷   (訳出なし?)       延原 1960, 2007

フランス革命以前のフランスにおける Parliament (原語綴りだと Parlement) とは、今日でいうところの国会や議会のような立法機関ではなく、司法機関つまり裁判所だったようです。この意味での Parliament に「高等法院」という訳語をあてている辞書もあります。

Tournelles については、よく知りませんが、刑事事件を扱う裁判所であったことは、まちがいないようです。つぎのような説明をしている本があります:

   The Chambre de la Tournelles (the "tower chamber," so called
   because it was located in a turret of the palace) handled
   criminal matters.

出典:
Medieval Justice: Cases and Laws in France, England and Germany, 500-1500, by Hunt Janin.
Published by McFarland, 2004. ISBN: 0786418419
Sample page at Google Book Search

総じてこれら裁判所関連用語については、定訳があるのかどうか知りませんが、橋本訳がいちばん正解に近そうです。
 
 
b) sitting as a court of justice
この "sit" は「(裁判所が)開廷する」という意味の自動詞。主語は the prisoner(刑事)被告人ではありません。
 
 
c) Master Dreux d'Aubray, her father
Master が何を意味するのかは、よくわかりません。
   父であるドリュー・ド・オーブレ閣下   西崎 2004
   実父であるパリの代理官ドリュ・ドブレ  橋本 1980, 1990
   実父ドルー・ドブレ           延原 1960, 2007
 
 
d) civil lieutenant
どういう役職か知りませんが、陸軍中尉というのは、たぶん誤訳だと思います。
   政府の高官  西崎 2004
   民事代官   橋本 1980, 1990
   陸軍中尉   延原 1960, 2007
 
 
e) a counsellor of Parliament
この役職名も、よく知りません。
   議会の顧問   西崎 2004
   議会法律顧問  橋本 1980, 1990
   議会顧問    延原 1960, 2007
 
 
f) after which she should be carried in a cart (...)
   被告人を荷馬車に乗せ(……)その灰を空中に撒き散らすことを宣した。
                            西崎 2004
   グレーヴ広場へ荷車で(……)その遺灰は風のなすままに委せられた。
                            橋本 1980, 1990
   グレーヴ広場へと(……)その灰は風のままに飛散せしめらるるなり
                            延原 1960, 2007
「灰をまき散らす」という最後の部分までが、判決の内容です。実際に処刑が行なわれたことを、すでに発生した過去の事実として振りかえって描写しているのではありません。この点を正しく訳しているのは、3つの訳のうち、西崎訳だけ。
 
 
■外部リンク External links

   * Arthur Conan Doyle - Wikipedia (1859-1930)
   * Arthur Conan Doyle - Wikisource
   * アーサー・コナン・ドイル - 翻訳作品集成
 
 
■更新履歴 Change log

2008/06/19
けさ、このページを公開した際、スペイン語訳として挙げていた文章は、じつはポルトガル語訳でした(だいぶボケてます;苦笑)。おわびして訂正いたします。

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Monday, 16 June 2008

The Leather Funnel by Arthur Conan Doyle (2) ドイル「革の漏斗(じょうご)」 (2)

Left ドイル傑作集3 恐怖編 新潮文庫 改版 (2007)
Centre The Best Supernatural Tales of Arthur Conan Doyle Dover Publications (1984)
Right Tales of Terror and Mystery Tutis Digital Publishing (2007)

           ↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 西崎 2004
ひとりの男が水を入れたバケツを両手にぶらさげて部屋に入ってきた。その後からもうひとりが三つ目のバケツを持ってきた。ふたりはそれぞれのバケツを木馬の横に置いた。後から入ってきたほうは木の柄杓——長い柄のついた椀——を片方の手に持っていた。そしてそれを黒衣の男に渡した。同時に従僕のひとりが黒々としたものを持って、男に近づいた。夢のなかだったのに、私は漠然とそれが馴染みのものであるように思った。革の漏斗だった。そして黒衣の男はひどく無造作にそれを押しこんだ(……)

   コナン・ドイル=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳「革の漏斗(じょうご)」
   北原尚彦+西崎憲=編『ドイル傑作集2 北極星号の船長
   創元推理文庫 2004/12 所収 詳細は ここ
 
 
(2) 橋本 1980, 1990
両手に水の入ったバケツをひとつずつ持った男が部屋に入ってきた。その後ろから三つ目のバケツをさげて別の男が入ってきた。バケツは木馬のそばに置かれた。二番目の男は手に、真っすぐな柄のついた木の柄杓(ひしゃく)を持っていたが、それを黒い服の男に渡した。同時に従者のひとりが黒っぽいものを手に持って近づいた。夢の中でも、その品物は見覚えのあるような気がした。革の漏斗だったのである。恐ろしい力をこめて男はそれをつっこんだ……

   コナン・ドイル=著 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「革の漏斗(かわのじょうご)」
   2a.猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集』福武文庫 1990/07 所収
   2b.夜光死体—イギリス怪奇小説集』旺文社文庫 1980/04 所収
   引用は 2b. に拠りました。
 
 
(3) 延原 1960, 2007
一人の男が両手にバケツをさげてはいってきた。べつの男が第三のバケツを持ちこんだ。バケツはみんな木馬のそばに置かれた。第二の男はあまった片手に木製の ひしゃく——まっすぐな柄に半球形の鉢のついたものを持っていた。これを黒服の男に渡した。ほとんど同時に下僕の一人が何やら黒っぽい品を手に近づいてきた。夢のなかとはいえ、私には漠然とながら、見なれないものではなかった。革の漏斗だったのだ。恐ろしい力で彼はそれをぎゅっと(……)

   コナン・ドイル=著 延原謙=訳「革の漏斗」
   3a.ドイル傑作集3 恐怖編』新潮文庫 改版 2007/08 所収
   3b.ドイル傑作集3 恐怖編』新潮文庫 1960/07 所収
   文中の太字箇所は原文では太字でなく傍点。引用は 3a. に拠りました。
 
 
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Um homem entrara na sala carregando um balde de água em cada mão Outro homem o seguia, trazendo um terceiro balde. Foram deixados ao lado do cavalo de madeira. O segundo homem segurava na outra mão uma grande concha de madeira – espécie de tigela com uma asa reta. Entregou-a ao homem de vestes negras. Nesse momento um dos lacaios se aproximou da mulher com um objeto escuro nas mãos, o qual, mesmo em sonho, apoderou-se de mim, originando um vago sentimento de familiaridade. Era um funil de couro. Com um impulso enérgico e horrível, o lacaio enfiou-o na (....)

   O Funil de Couro by Arthur Conan Doyle
   Translated by Silveira de Souza
   E-text at Biblioteca Virtualbooks (pdf)
   Copyright (c) 2000/2003 Virtualbooks
 
 
■フランス語訳 Translation into French

Un homme survint, portant de chaque main un baquet d'eau ; puis un autre homme, portarrt un seul baquet. Ils se rangèrent de compagnie à côté du cheval de bois. Le second des deux hommes, dans la main qui ne portait pas le baquet, avait une sorte de grande cuiller en bois a long manche. Il la fit passer à l'homme en noir. Immédiatement, l'un des aides s'approcha, tenant un objet de couleur brune, que, même dans mon rêve, je crus vaguement reconnaître : c'était un entonnoir de cuir. Avec une affreuse énergie, il en mit le tuyau (...)

   L'Entonnoir de cuir by Arthur Conan Doyle
   E-text at Wikisource
 
 
 Audio 1 
英語原文の朗読: ドミニク・ムーア Audiobook read by Dominic Moore

下に引用する箇所の朗読は 16:48 から始まります。 Uploaded to YouTube by freeaudiobooks84 on 4 Jan 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 16:48.


 Audio 2 
英語原文の朗読: グレアム・ダンロップ Audiobook read by Graeme Dunlop

下に引用する箇所の朗読は 22:18 から始まります。 Uploaded to YouTube by FULL audio books for everyone on 10 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 22:18.


■英語原文 The original text in English

A man had entered the room with a bucket of water in either hand. Another followed with a third bucket. They were laid beside the wooden horse. The second man had a wooden dipper--a bowl with a straight handle--in his other hand. This he gave to the man in black. At the same moment one of the varlets approached with a dark object in his hand, which even in my dream filled me with a vague feeling of familiarity. It was a leathern filler. With horrible energy he thrust it (...)

 
 
■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2014/01/22 2種類の英語版オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2008/06/19 ポルトガル語訳を追加しました。
  • 2008/06/18 日本語訳 (1) の訳者の表示を、北原+西崎 2004 から、西崎 2004 に修正しました。この短篇集では、北原、西崎の2人の編者のほかに、駒月雅子、白須清美の両氏を加えた計4人の訳者が分担して翻訳しています。各篇の末尾には、担当した訳者が明記されています。このことに、あとから気がついたので、上のとおり修正することにしました。

 
 
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Saturday, 14 June 2008

The Leather Funnel by Arthur Conan Doyle (1) ドイル「革の漏斗(じょうご)」 (1)

 Images 
本の表紙 Book covers

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. 51p8zfkz0rl b. 41wr2tjdwpl c. 51hl4kxt7el


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 西崎 2004
「きみの深い学識のなかに夢の心理学は含まれているかね」ダクルは訊いた。
「そういう心理学があるとは知らなかった」
「ああ、きみ、(……)夢の心理学は本質的に科学だよ」
「いかさま師の科学だろう」
「いかさま師はいつも先駆者なのさ。占星術師は天文学者になり、錬金術師は化学者になった。催眠術師(メスメリスト)は実験心理学者になった。昨日の山師は明日の教授だよ。(……)」

  • コナン・ドイル=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳 「革の漏斗(じょうご)」 北原尚彦+西崎憲=編 『ドイル傑作集2 北極星号の船長』 創元推理文庫 2004/12 詳細は ここ

(J2) 橋本 1980, 1990
「あなたの学ばれた学問の中に夢の心理学は入っていましたか」
「そんな心理学があるとは知りませんでした」
「いいですか、(……)これ自体一種の科学です」
「いわばインチキ科学ですな」
「インチキはつねに先駆者です。星占師から天文学が生れ、練金術師から化学者が、催眠術師から実験心理学が生まれました。昨日のいかさま師は明日の教授です。(……)」


(J3) 延原 1960, 2007
「あなたはご自分の研究範囲に夢の心理学もふくめておいでですか?」
「そんな心理学などがあるとは知りませんでしたな」
「よろしいですか、(……)その問題を扱った本ばかりですよ」
「いわばまやかし科学の一種ですな」
「まやかしはつねに科学の先駆者なのですよ。占星学者から天文学者が生まれ、錬金術師から化学者が、催眠術から実験心理学が生まれたのです。昨日のやま師は明日の教授です。(……)」

  • コナン・ドイル=著 延原謙=訳 「革の漏斗(じょうご)」
  • 文中の傍点を下線で置き換えました。引用は a. 新潮文庫改版に拠りました。

■ロシア語訳 Translation into Russian

  - Входит ли в  круг  ваших  ученых  занятий  психология  сновидений?  - спросил он.
  - Я даже не подозревал о существовании такой психологии.
  - Друг мой, вон та полка над шкафом с геммами сплошь заполнена томами и томами, написанными исключительно на эту тему, начиная от сочинений Альберта Великого и далее.  Это же целая наука.
  - Наука шарлатанов.
  - Шарлатан  всегда  первопроходец.  Из  астролога  вышел  астроном,  из алхимика -  химик,  из  гипнотизера  -  психолог-экспериментатор.  Вчерашний знахарь  -  это  завтрашний  профессор. [Omission]

  • Артур Конан Дойл. Кожаная воронка. Перевод В. Воронина. Артур Конан Дойл известный и неизвестный. Перстень Тота. Сборник рассказов. М., СП "Квадрат", 1992.
  • E-text at Lib.Ru

■ドイツ語訳 Translation into German

  „Haben Sie auch die Psychologie der Träume studiert?“ fragte er.
  ,,Ich wußte nicht einmal, daß es eine solche Psychologie gibt.“
  „Lieber Freund, dieses Brett über dem Gemmenkasten ist voll mit Bänden, von Albertus Magnus an, welche von nichts anderem handeln. Es ist eine Wissenschaft für sich.“
  „Eine Wissenschaft von Marktschreiern.“
  „Der Marktschreier ist immer der Bahnbrecher. Vom Sterndeuter kam der Sternkundige, vom Alchemisten der Chemiker und vom Mesmeristen der Experimentalpsychologe. Der Quacksalber von gestern ist der Lehrer von morgen. [Omission]


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

  — Você incluiu a psicologia dos sonhos entre os seus assuntos de estudo? – indagou.
  — Eu nem mesmo soube até agora da existência de tal psicologia.
  — Meu caro senhor, aquela prateleira acima da vitrine de jóias está repleta de livros, de Alberto Magno e outros autores. Tratam exclusivamente desse assunto que, em si mesmo, é uma ciência.
  — Uma ciência de charlatães.
  — O charlatão é sempre o pioneiro. Do astrólogo surgiu o astrônomo, do alquimista o químico, do mesmeriano o psicólogo experimental. O impostor de ontem é o professor de amanhã [Omission]

  • O Funil de Couro by Arthur Conan Doyle. Translated by Silveira de Souza.
  • E-text at Biblioteca Virtualbooks [PDF] Copyright (c) 2000/2003 Virtualbooks

■スペイン語訳 Translation into Spanish

  —¿Habéis incluido en vuestros estudios la sicología de los sueños?
  —me preguntó.
  —Ignoraba que hubiera una.
  —Mi querido señor, ese estante, allá, encima de la vitrina de las piedras preciosas, está repleto de obras, comenzando con las de Alberto el Grande, que no trata de otra cosa.  Esto da una ciencia.
  —Una ciencia de charlatán.
  —El charlatán es siempre el precursor.  Del astrólogo precede el astrónomo, del alquimista el químico, del magnetizador el sicólogo experimental.  El empirista de ayer es el profesor de mañana. [Omission]


■フランス語訳 Translation into French

  — Avez-vous, demanda-t-il, compris dans vos études la psychologie des songes?
  — J'ignorais qu'il y en eût une.
  — Mon cher Monsieur, ce rayon, là-bas, au-dessus de la vitrine aux pierres précieuses, est garni d'ouvrages, à commencer par ceux d'Albert-le-Grand, qui ne traitent pas d'autre chose. C'est toute une science.
  — Une science de charlatan.
  — Le charlatan est toujours le précurseur. De l'astrologue procède l'astronome, de l'alchimiste le chimiste, du magnétiseur le psychologue expérimental. L'empiriste d'hier est le professeur de demain [Omission]

  • L'Entonnoir de cuir by Arthur Conan Doyle
  • E-text at Wikisource

 Audio 1 
英語原文の朗読: ドミニク・ムーア Audiobook read by Dominic Moore

下に引用する箇所の朗読は 6:19 から始まります。 Uploaded to YouTube by freeaudiobooks84 on 4 Jan 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 6:19.


 Audio 2 
英語原文の朗読: グレアム・ダンロップ Audiobook read by Graeme Dunlop

下に引用する箇所の朗読は 8:21 から始まります。 Uploaded to YouTube by FULL audio books for everyone on 10 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 8:21.


■英語原文 The original text in English

  "Have you included the psychology of dreams among your learned studies?" he asked.
  "I did not even know that there was such a psychology."
  "My dear sir, that shelf above the gem case is filled with volumes, from Albertus Magnus onward, which deal with no other subject. It is a science in itself."
  "A science of charlatans"
  "The charlatan is always the pioneer. From the astrologer came the astronomer, from the alchemist the chemist, from the mesmerist the experimental psychologist. The quack of yesterday is the professor of tomorrow. [Omission]"


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/04/10 ロシア語訳、ドイツ語訳、およびスペイン語訳を追加しました。
  • 2014/01/22 もう1種類の朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2014/01/21 LibriVox の録音へのリンクを YouTube の画面で置き換えました。
  • 2011/12/23 LibriVox の録音へのリンクを張りました。
  • 2008/06/19 ポルトガル語訳を追加しました。
  • 2008/06/18 日本語訳 (1) の訳者の表示を、北原+西崎 2004 から、西崎 2004 に修正しました。この短篇集では、北原、西崎の2人の編者のほかに、駒月雅子、白須清美の両氏を加えた計4人の訳者が分担して翻訳しています。各篇の末尾には、担当した訳者が明記されています。このことに、あとから気がついたので、上のとおり修正することにしました。
  • 2008/06/16 フランス語訳を追加しました。

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Thursday, 12 June 2008

Madam Crowl's Ghost by Joseph Sheridan Le Fanu レ・ファニュ 「マダム・クロウルの幽霊」「クロウル奥方の幽霊」

 Cover photos 
表紙画像

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. The_corpse_light b. Madamcrowlsghost c. Nonsuch_classics_madam_crowls_ghost


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 橋本 1980, 1990
たしか、十二時を過ぎて十五分もたたないころだったと思います。突然背後で何かが燃え出したように眼の前の壁が明るくなったのです。わたしのベッド、椅子、壁にかけておいたガウンの影が天井の梁(はり)や樫の羽目板の上でちらちらと踊っています。何かに火がついたのにちがいないと思い、わたしは肩ごしにすばやく振り向きました。

何とわたしがそこに見たものは骸(むくろ)をサテンとビロードの服で着飾り、目をかっと見開いて悪鬼そのもののような顔をした奥さまの姿だったではありませんか! まるで服が燃えているように、赤いほのおが音をたてて奥さまを包んでいるのです。奥さまはまるでわたしをつかもうとするように、皺だらけの両手を曲げて、まっすぐわたしの方へ向ってきました。わたしは金縛(かなしば)りにあったように動けませんでした。

   J・S・レ・ファニュ=著 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   「マダム・クロウルの幽霊」
   1a.猫は跳ぶ—イギリス怪奇傑作集』 福武文庫 1990/07 所収
   1b. 夜光死体—イギリス怪奇小説集』 旺文社文庫 1980/04 所収
   引用は 1b. に拠りました。


(J2) 平井 1974, 1985
そうやな、十二時十五分過ぎにはならなんだったなあ、わての前の壁がな、なんやきゅうにボーッと明るうなってさね、なんやこう、うしろで火でも燃えとるように、ベッドの影や椅子の影や、壁にかけたガウンの影がよ、天井やオークの壁にユラユラ踊っとるじゃないかね。こりゃてっきり火事じゃと思うたけに、あわてて首をまわしたとたんに、何を見たとおもうね?

御隠居さまにそっくりなもんが、ええかいね、死骸の上に襦子やらビロードやらをごっそりと着飾らかしてな、眼(まなこ)を皿のようにおっぴらいてからに、化物そっくりの顔をして、そこにヌーッと立っとるんじゃ。足もとから赤い光がボーッとさしとって、まるで足のまわりの着物(ベベ)が燃えとるようじゃ。ほしてな、あの皺だらけの両手でわてを鷲づかみにしょうという格好で、わてを目がけてやってくるじゃないかい。わてはもう身うごきもならんで(……)

   J・シェリダン・レ・ファニュ=著 平井呈一=訳 「クロウル奥方の幽霊」
   2a. レ・ファニュ〔ほか〕=著 『恐怖の愉しみ(上)
      創元推理文庫 1985/05 所収  詳細は ここ
   2b. 平井呈一=編訳 『こわい話・気味のわるい話 第一輯
      牧神社出版 1974/02 所収
   2a.2b. の改題。引用は 2b. に拠りました。
   原文にはない改行を1か所追加しました。


■英語原文 The original text in English

"Well, it could na be a full quarter past twelve, when I sees a lightin' on the wall befoore me, as if something took fire behind, and the shadas o' the bed, and the chair, and my gown, that was hangin' from the wall, was dancin' up and down on the ceilin' beams and the yak pannels; and I turns my head ower my shouther quick, thinkin' something must a gone a' fire.

"And what sud I see, by Jen! but the likeness o' the ald beldame, bedizened out in her satins and velvets, on her dead body, simperin', wi' her eyes as wide as saucers, and her face like the fiend himself. 'Twas a red light that rose about her in a fuffin low, as if her dress round her feet was blazin'. She was drivin' on right for me, wi' her ald shrivelled hands crooked as if she was goin' to claw me. I could not stir (. . .)

   Madam Crowl's Ghost by J. Sheridan Le Fanu

   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■平井氏の苦心
 Mr Hirai's efforts of translating northern English dialect into northern
 Japanese dialect

上に引用したとおり、平井呈一氏の日本語訳は、特色ある文体で綴られています。その意図を平井氏は、つぎのように謙虚な姿勢で説明しておられます。

   (「クロウル奥方の幽霊」は)全篇を北国の方言で綴っているのが
   大へん効果的である。越後あたりの土俗言葉を基調にして、鵺(ぬえ)
   的な方言らしきもので訳してみたことはみたが、われながらお恥しい
   ものである。どなたか完全なものにして下さるまで、お許しを願っておく。


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Sunday, 08 June 2008

The Apparition of Mrs Veal by Daniel Defoe デフォー 「ヴィールの亡霊」「ミセス・ヴィールの幽霊」「ヴィール夫人の亡霊」

           目次 Table of Contents

    Images  表紙画像 Cover photos
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 千葉 1996
     (J2) 平井 1974, 1985
     (J3) 岡本 1929, 1970, etc.
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■ドイツ語訳の書誌情報 Bibliography on translation into German
   ■ドイツ語によるその他の記載 Other descriptions in German
   ■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
   ■スペイン語によるその他の記述・映像 Other stuff in Spanish
   ■フランス語訳 Translation into French
     Audio   英語原文の朗読 Audiobook in English, read by BoltOfTash
   ■英語原文 The original text in English
   ■英語原文の書誌情報 Bibliography on the original text in English
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


 Images 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓
a. 01841 b. 30946222 c. Centurycreepy

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 千葉 1996
 (……)亡霊と会ったバーグレーヴ夫人は、世間の評判がまことにいい女性なのである。
 バーグレーヴ夫人とは、わたしも十五、六年まえからの知り合いだが、いつまでもきよらかな心をうしなわない、純粋な人であることは、このわたしが保証する。この事件がおきてから、ヴィールの弟などは、バーグレーヴ夫人はまもとな人でないとか、亡霊のことは作り話にすぎないなどと世間にいいふらし、あるいは笑いでごまかそうとしている。

   デフォー=作 千葉幹夫=文(再話) 「ヴィールの亡霊」
   ホフマン〔ほか〕=作 那須辰造〔ほか〕=文 『鏡にうかぶ影
   講談社青い鳥文庫Kシリーズ 1996/07 所収
   ルビは省略しました。


(J2) 平井 1974, 1985
ミセス・ヴィールがその死後現われた相手というは、バーグレーヴ夫人という人物で、この婦人は世の昵懇であり、この十五、六年間余の知れる限りにおいて、余はこの婦人の世間的信望を保証するし、若いころより余が相識せし頃まで、気性のきわめてやさしい人であったことを断言して憚らぬ。ところがこの事件以来、夫人は幽霊になってあらわれたミセス・ヴィールの令弟の朋友たちより様々なる中傷誹謗を受け、かれらはこの幽霊談を一の恥辱なりと考えて、この際何とかしてバーグレーヴ夫人の信望を丸潰れにし、この話を世間の面目の立たぬまで、挙げて笑殺せんものと意気ごんでいるのである。

   ダニエル・デフォー=著 平井呈一=訳 「ミセス・ヴィールの幽霊」
   2a. レ・ファニュ〔ほか〕=著 『恐怖の愉しみ(上)
      創元推理文庫 1985/05 所収  詳細は ここ
   2b. 平井呈一=編訳 『こわい話・気味のわるい話 第一輯
      牧神社出版 1974/02 所収
   2a.2b. の改題。引用は 2b. に拠りました。


(J3) 岡本 1929, 1970, etc.
 バーグレーヴ夫人は現在生きている人で、死んだヴィール夫人の亡霊が彼女のところに現われたのであった。
 バーグレーヴ夫人は私の親しい友達で、私が知ってから最近の十五、六年のあいだ、彼女は世間の評判のよい夫人であったこと、また私が初めて近づきになった時でも、彼女は若い時そのままの純潔な性格の所有者であったことを確言し得る。それにもかかわらず、この物語以来、彼女はヴィール夫人の弟の友達などから誹謗(ひぼう)されている。その人たちはこの物語を気違い沙汰(ざた)だと思って、極力彼女の名声を挫(くじ)こうとするとともに、一方には狼狽してその物語を一笑にふしてしまおうと努めている。

   デフォー=作 岡本綺堂=訳 「ヴィール夫人の亡霊」
   3a. ヴィール夫人の亡霊」 青空文庫電子テキスト
      入力:門田裕志+小林繁雄 校正:大久保ゆう 2004/09/26 作成
   3b.世界怪談名作集(上)』 河出文庫 2002/06 新装版
   3c.世界怪談名作集(上)』 河出文庫 1987/08
      序と目次は青空文庫の ここ で閲覧できます。
   3d.岡本綺堂読物選集8 飜訳編』 青蛙房 1970
   3e.世界大衆文学全集35 世界怪談名作集』 改造社 1929(昭和4)
   3a. の底本は 3b. および 3c.。引用は 3a. に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Миссис Баргрэйв - та, кому миссис Вил явилась после смерти; она - близкая моя подруга, и я готова поручиться за ее доброе имя, ибо знаю ее лично на протяжении последних пятнадцати или шестнадцати лет; и могу подтвердить, что с самых юных лет и вплоть до нашего знакомства репутация ее оставалась безупречной. Однако со времен помянутого происшествия на миссис Баргрэйв обрушились клеветники, все - из числа друзей брата покойной миссис Вил; они полагают, что рассказ о появлении призрака - вымысел, и не более, и изо всех сил тщатся очернить доброе имя миссис Баргрэйв и высмеять всю историю от первого слова и до последнего, дабы о ней и не вспоминали более.

  • Даниэль Дефо. Правдивый рассказ о явлении призрака некоей миссис Вил на следующий день после ее смерти некоей миссис Баргрэйв в Кентербери 6 сентября 1705 года. Перевод С. Лихачевой. Английская готическая проза. В 2 т. Т. 1., М., ТЕРРА, 1999
  • E-text at Lib.Ru

■ドイツ語訳の書誌情報 Bibliography on translation into German


■ドイツ語によるその他の記載 Other descriptions in German on this story


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

A senhora Bargrave é a pessoa a quem a senhora Veal apareceu depois de falecer. Ela é minha amiga íntima, e posso atestar-lhe a probidade, por estes últimos quinze ou dezesseis anos, por meu próprio conhecimento. E posso confirmar a reputação de honestidade de que gozou desde sua mocidade até o momento em que a conheci, o que é necessário; porque, em função do relato que fez da aparição da senhora Veal, ela é objeto de calúnia por parte de algumas pessoas que são amigas do irmão da mencionada senhora Veal, às quais o relato da aparição parece uma ofensa, e fazem o que podem para acabar com a reputação da senhora Bargrave e para ridicularizar a história que conta.

  • A aparição da Senhora Veal by Daniel Defoe
  • E-text at Gato Peleque

■スペイン語訳 Translation into Spanish

Mrs. Bargrave, que es a quien se apareció Mrs. Veal después de muerta, es íntima amiga mía, y durante los quince o dieciséis últimos años ha mostrado una conducta intachable y normalísima; sin embargo, desde que hizo este relato, ha sido muy criticada por los amigos del hermano de Mrs. Veal, quienes creen que esta aparición es invención suya, intentando por todos los medios desacreditarla y ridiculizar su narración.


■スペイン語によるその他の記述・映像 Other stuff in Spanish


■フランス語訳 Translation into French

Mme Bargrave est la personne à laquelle Mme Veal apparut après sa mort ; elle est mon amie intime et je puis me porter garant, d’après la connaissance personnelle que j’en ai, de sa réputation au cours des quinze ou seize dernières années ; je suis en mesure de confirmer le bon renom qu’elle a eu depuis son jeune âge jusqu’à l’époque où je l’ai connue, bien qu’après le présent récit, elle soit calomniée par certaines gens, amies du frère de la dame Veal qui est apparue ; ces frères, tenant le récit de cette apparition pour pure imagination, font tout ce qu’ils peuvent pour ruiner la réputation de Mme Bargrave et tourner l’affaire en ridicule.


  Audio  
「ミセス・ヴィールの幽霊」 英語原文のオーディオブック(朗読)
A True Relation of the Apparition of Mrs. Veal - Audiobook read by BoltOfTash

下に引用する箇所は 2:39 から始まります。 Uploaded to YouTube by rt20bg on 1 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 2:39.


■英語原文 The original text in English

Mrs. Bargrave is the person to whom Mrs. Veal appeared after her death; she is my intimate friend, and I can avouch for her reputation for these fifteen or sixteen years, on my own knowledge; and I can confirm the good character she had from her youth to the time of my acquaintance. Though, since this relation, she is calumniated by some people that are friends to the brother of Mrs. Veal who appeared, who think the relation of this appearance to be a reflection, and endeavor what they can to blast Mrs. Bargrave's reputation and to laugh the story out of countenance.


■英語原文の書誌情報 Bibliography on the original text in English


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013/11/06 目次を新設しました。また、ロシア語訳、ポルトガル語訳、およびスペイン語訳を追加しました。
  • 2012/10/01 英語原文オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2011/11/09 ドイツ語訳の書誌情報、この短篇小説に関するドイツ語による記載、この短篇小説に関するスペイン語による記載、スペイン語によるテレビ化作品、ならびにフランス語訳の各項を追加しました。
  • 2008/06/15 千葉幹夫=文(再話)1996/07 を追加しました。

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Saturday, 07 June 2008

Florence Nightingale (from Eminent Victorians) by Lytton Strachey (2) リットン・ストレイチー 「フローレンス・ナイチンゲール」(『ヴィクトリア朝偉人伝』より) (2)

« 1 Florence Nightingale »
« 1 ナイチンゲール »

 Video 1 
BBCドラマ 「フローレンス・ナイチンゲール」 (2008) ポルトガル語字幕
BBC Drama: Florence Nightingale (2008) Subtitles in Portuguese

監督・脚本: ノーマンストーン 主演: ローラ・フレイザー BBC1 drama: Florence Nightingale, written and directed by Norman Stone, starring Laura Fraser. UK broadcast: 31 May-6 June 2008.

ナイチンゲールは「クリミアの天使」などではなかった。戦地で兵士たちの命を救ったというのは事実ではない。むしろ、彼女の誤った判断は、多くの人命を奪ってしまったのだ!——「ランプの貴婦人」の真相を探るテレビドラマ番組。


■BBCドラマは盗作? A historian accuses the BBC drama of plagiarism
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Image source: Times Online

ナイチンゲールの伝記(下の c.)の著者である歴史家ヒュー・スモール (Hugh Small) 氏は、このBBCドラマが彼の本からの剽窃であるとしてBBCを非難した。その詳細を伝えるニュース記事が、下のリンク先。


 Video 2 
TV Florence Nightingale (1985)

監督: ダリル・デューク 出演: ジャクリーン・スミス(ナイチンゲール役)、クレア・ブルーム、ティモシー・ダルトン Directed by Daryl Duke. Starring Jaclyn Smith (as Florence Nightingale), Claire Bloom (as Fanny Nightingale), Timothy Dalton (as Richard Milnes).


 Video 3 
TV The Lady with the Lamp (1951) Trailer. Dubbed in German

監督: ハーバート・ウィルコックス 出演: アンナ・ニーグル(ナイチンゲール役)、マイケル・ワイルディング(シドニー・ハーバート役)Directed by Herbert Wilcox. Starring Anna Neagle (as Florence Nightingale), Michael Wilding (as Sidney Herbert).


 Video 4 
白衣の天使 (1936) 予告編 The White Angel (1936) - Original Trailer

監督: ウィリアム・ディターレ 出演: ケイ・フランシス、イアン・ハンター Directed by William Dieterle. Starring Kay Francis (Florence 'Flo' Nightingale), Ian Hunter (Reporter Fuller of the London Times ).


 Book covers 
ナイチンゲールの生涯をあつかった本
Books related to the life of Florence Nightingale

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

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   b. は c. の日本語訳。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中野 2008
しかし、公的な場で仕事をするために必要なものが、ナイチンゲールには一つだけ欠けていた。成功した政治家に与えられる公的権力と権威を彼女は持っていなかったし、女性である彼女は絶対に持つことはできなかった。(……)

女性が自分の目的を達成するためには、男性の力を借りなければならないのである。そこで彼女は、シドニー・ハーバートをしっかりと掴まえ、教え、仕込み、吸収し、徹底的に支配した。彼は抵抗しなかったし、抵抗したいとも思わなかった。公共の利益のために身を捧げたいという、彼の生まれながらの性格は、ナイチンゲールと同じ道を歩んでいた。そして彼女の恐るべき個性が、すさまじい速度と容赦ない歩幅で、彼を前へ前へと駆り立てたのである。駆り立てた? 一体どこへ? ああ! なぜミス・ナイチンゲールと知り合ってしまったのだろう!

   リットン・ストレイチー=著 中野康司(なかの・こうじ)=訳
   「フローレンス・ナイチンゲール」
   『ヴィクトリア朝偉人伝』 みすず書房 2008/02 所収


(J2) 橋口 1993
公の場所で生きる上での資格として、ミス・ナイティンゲールには、一つだけ欠けているものがあった。成功した政治家が持つ権威と権力が、彼女にはなかった。どうあがいても、それは持てぬものであった。

(……)女性がその意志を実現させるのは、男性の手を通してでなくてはならなかった。

彼女は彼をつかんだ。教えた。思うようにつくり上げ、吸収した。徹底的に支配した。彼は抵抗しなかった。抵抗しようとは望まなかった。

生まれながらの彼の気質も、彼女の気質と同じ道を選んでいた。ただし、彼女の恐ろしい個性が、彼女独得の物凄い速さで、容赦なく大股に、彼を前へ前へと駆り立ててしまったのである、彼をどこへ駆り立てたのか? ああ! なぜミス・ナイティンゲールと知り合ってしまったのか!

   リットン・ストレイチー=著 橋口稔(はしぐち・みのる)=訳
   『ナイティンゲール伝 他一篇』 岩波文庫 1993/11 所収


(J3) 日高 1952, 1966
ナイチンゲールが公的生活に乘り出すのに、たつたひとつ缺けたものがあつた。彼女は、政治的成功ををさめるのに必要な、公的なちからと權威とをもつてゐなかつた——女はけつしてもつことができなかつた。(……)

女性がおのれの意志どほりにやらせるのは、男性の手によらねばならぬ。彼女は彼をとらへ、をしへ形づくり吸収し、どこまでも彼を支配する。彼はこばまなかつた、こばまうとさへしなかつた。うまれながらの氣質は、彼女とおなし方向にむいてゐた。ただ、かのおそるべき個性が、もちまへの猛烈な脚の速さと情容赦のない歩幅とで、彼をまへのはうへひきずつていつたのだ。ひきずつて? どこへ? ああ! なぜ彼は、ナイチンゲールなどと知りあつたのか。

   3a. リットン・ストレチー=著 日高直矢=訳 「ナイチンゲールの生涯」
      角川書店編集部=編 『世界の人間像22 ヴィクトリア朝時代の秀れた人々
      角川書店 1966 所収
   3b. ストレイチ=著 日高直矢=訳 「フローレンス・ナイチンゲール」
      『ヴィクトリア朝時代の秀れた人々』福村書店 1952/09 所収
   引用は 3b. に拠りました。原文にはない改行を1か所追加しました。


(J4) 岩崎 1939
ナイティンゲールが公的生活に必要なもので缺いてゐたものが唯一つあつた――彼女は政治家の成功に必要な公的の力と權威をもつてゐなかつた、又決して持ち得なかつた。(……)

彼女は男性を通じて意志を實行せねばならなかつた。彼女は徹底的に彼を捉へ、敎へ、形態を與へ、吸收し、支配した。彼は反抗しなかつた、又しようと願ひもしなかつた。彼の生れながらの氣質は彼女と同じ方向に向いてゐた。唯彼女の強烈な人格の方が、彼女自身のはげしい歩調と彼女自身の假借せぬ大股で、ぐん/\彼をひきずつて行つたのであつた。ひきずつて行つたのは、一體どこへ? あゝ! 彼がナイティンゲールを知つたのは何たる因果であつたらう。

   リツトン・ストレーチイ=著 岩崎民平(いわさき・たみへい)=譯
   『ナイティンゲール評傳
   實業之日本社 定價八○錢 1939/11/06(昭和14)


■イタリア語訳 Translation into Italian

   Eminenti Vittoriani: Il Cardinale Manning; Florence Nightingale;
   Il Dr. Arnold; Il Generale Gordon by Lytton Strachey.
   Translated by Maria Teresa Pieraccini.
   * Milano: Rizzoli, 1988, ISBN 88-17-16651-0
   * Milano: Rizzoli, 1973.


■フランス語訳 Translation into French

   Victoriens éminents by Lytton Strachey
   Paperback: Gallimard, 1980/10


■英語原文 The original text in English

There was one thing only which Miss Nightingale lacked in her equipment for public life; she had not--she never could have--the public power and authority which belonged to the successful politician.

(...) it was through the man that the woman must work her will. She took hold of him, taught him, shaped him, absorbed him, dominated him through and through. He did not resist--he did not wish to resist; his natural inclination lay along the same path as hers; only that terrific personality swept him forward at her own fierce pace and with her own relentless stride. Swept him--where to? Ah! Why had he ever known Miss Nightingale?

   Florence Nightingale
   in Eminent Victorians by Lytton Strachey
   First published by London: Chatto & Windus, 1918
   Paperback: Penguin Twentieth-Century Classics,
   Penguin USA, 1987/05
   E-text at Project Gutenberg
   [The line break in the text has been added by tomoki y.]


■ナイチンゲールの本性? The true character of Miss Nightingale?

英語に dominatrix という単語があります。いわゆるSMプレイにおけるSの女性のこと。リットン・ストレイチーは、そのような露骨な表現は用いていません。けれども、彼がその著書 "Eminent Victorians" で言っていることは、要するにナイチンゲールはサド的な「女王様」キャラだったということです。

彼女はイギリスの上流階級に生まれ育ち、その財産とコネクションをフルに活用して、有力な男たちをこき使って自己の目的を達成しました。男たちのなかには、彼女にこき使われることに快楽を覚える者もおりました。ナイチンゲールの書簡集[1]を編纂した Martha Vicinus 氏によれば、彼女は「ジャンヌ・ダルクとマーガレット・サッチャーを合わせたような」人物だったとのことです[2]。

大人になってから、大人向けに書かれた評伝を読んでみると、小学生向きの伝記には、けっして書かれていなかった偉人の人格や人間性の本質を発見することができて、興味深いです。

   [1] Ever Yours, Florence Nightingale: Selected Letters
     edited by Martha Vicinus, Harvard University Press, 1990/07
   [2] Light shed on the Lady of the Lamp
     The Sunday Herald, 2001/07/15, by Trevor Royle


 Map 1 
トルコ、スクタリ(現・イスタンブール郊外ウスキュダル)
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Image source: World Atlas - MSN Encarta


スクタリ/スキュタリは、現在のウスキュダル/ユスキュダル/ウスクダル。江利チエミに『ウスクダラ』という歌があったそうです。ここに、クリミア戦争当時、イギリス軍の野戦病院がありました。「ナイチンゲールは1854年11月4日、ボスポラス海峡のアジア側にある、コンスタンチノープル近郊のスクタリに到着した」(上掲・中野康司=訳 2008/02 による)。


 Map 2 
ロンドン、メイフェア、サウス・ストリート10番地
10 South Street, Mayfair, London W1
South_st_mayfair_london_w1
Click here to enlarge. Aerial photo. Image source: Streetmap.co.uk

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

10_south_street_london_w1_6
Image source: Google Earth

ナイチンゲールが後半生を過ごし、亡くなった場所。ロンドンの中心部近くの超高級住宅街メイフェア地区にあります。


■ナイチンゲールのブルー・プラーク Florence Nightingale's Blue Plaque

41ghx5p42tl上記アドレスの家は、ナイチンゲールの死後20年ちかくを経た1929年に取り壊されました。跡地に今では別のビルが建っています。けれども、その外壁には、彼女を記念する ブルー・プラーク が設置されています。写真を下の joeyizzy さんのブログで見ることができます。

You can have a close look at Florence Nightingale's blue plaque at the following blog page. Many thanks, joeyizzy!  :-)
   
   Florence Nightingale's Blue Plaque
   Blue Plaque London, 2008/01/23
   a blog written by joeyizzy.
 
Right Cover photo of The London Blue Plaque Guide by Nick Rennison. Sutton Publishing Ltd, 1999/10


 Map 3 
ナイチンゲール博物館(ロンドン)
The Florence Nightingale Museum, London
Florence_nightingale_museum
Click here to enlarge. Aerial photo. Image source: Streetmap.co.uk

             ↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓
Nightingale_museum_2
Image source: Google Earth 
 
テムズ川をはさんで、ちょうどビッグ・ベンの真向かいの辺にあります。


■著者名の日本語表記の異同
 Variation of the author's name transliterated into Japanese

  • ストレーチイ …… 岩崎 1939
  • ストレイチー …… 中野 2008
  • ストレイチー …… 橋口 1993
  • ストレイチ ……… 日高 1952
  • ストレチー ……… 日高 1966

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013/05/06 つぎの3本の YouTube 動画を追加しました。
    1. TV Florence Nightingale (1985)
    2. TV The Lady with the Lamp (1951) 予告編
    3. 白衣の天使 (1936) 予告編
  • 2010/07/13 BBCドラマ「フローレンス・ナイチンゲール」(2008) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/10/15 岩崎民平=譯 1939/11/06 を追加しました。また、「著者名の日本語表記の異同」の項を新設しました。
  • 2008/06/22 「ナイチンゲールのブルー・プラーク」の項を新設しました。

 

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(1) リットン・ストレイチー

(2) フローレンス・ナイチンゲール

  

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Thursday, 05 June 2008

John Keats' Negative Capability キーツのネガティブ・ケイパビリティ

           目次 Table of Contents

    Images  キーツの手紙、本の表紙 Keats' letter and book covers
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) ウィキペディア 2010
     (J2) 出口 1997
     (J3) 谷 1988
     (J4) 田村 1977
     (J5) 岡崎 1976
     (J6) 出口 1974, 1978, etc.
     (J7) 松浦 1971, 1989
     (J8) 佐藤 1952
     (J9) 梅原 1949
     (J10) 中橋 1940, 1948
   ■日本語による紹介/解説 Commentaries and explanations in Japanese
     (C1) 高橋 2007
     (C2) 藤田 2004
     (C3) 伊藤 2003
     (C4) 伊木 2000
     (C5) 斎藤ほか 1985
   ■ドイツ語による紹介または解説 Explanations in German
     (D1)
     (D2)
     (D3)
   ■フランス語訳 Translation into French
   ■英語原文 The original text in English
   ■"Negative capability" の日本語訳 "Negative capability" in Japanese
   ■"Uncertainties, mysteries, doubts" および "fact and reason" の日本語訳
    "Uncertainties, mysteries, doubts," and "fact and reason" in Japanese
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


 Images 
キーツの手紙、本の表紙 Keats' letter and book covers

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) ウィキペディア 2010
私の心の中で数多くのことがぴたりと符合しハッとした。特に文学において、人に偉業を成し遂げしむるもの、シェイクスピアが桁外れに有していたもの――それがネガティブ・ケイパビリティ、短気に事実や理由を求めることなく、不確かさや、不可解なことや、疑惑ある状態の中に人が留まることが出来る時に見出されるものである。


(J2) 出口 1997
文学において偉大な仕事を達成する人間を形づくる特質、つまりシェイクスピアがあれほど所有していた特質、それが何であるか、ぼくは「消極的受容力」というものについて言っているのだが、人間が不確実とか不可解とか疑惑の中においても、事実や原因を究明していらいらすることのない状態を指すのです。

  • Keats' Letter to George and Tom Keats, 22 Dec. 1817. 出口保夫(でぐち・やすお)=著 『キーツとその時代(上)』 中央公論社 1997/11

(J3) 谷 1988
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]


(J4) 田村 1977
いくつかのことがぼくの心の中でぴったりと適合しあい、すぐに次のことが思い浮んだ。それは特に文学において偉大な仕事を達成する人間を形成している特質、シェイクスピアがあれほど厖大に所有していた特質、それが何であるかということだ——ぼくは「消極的能力(ネガティブ・ケイパビリティ)」のことを言ってるのだが、つまり人が不確実さとか不可解さとか疑惑の中にあっても、事実や理由を求めていらいらすることが少しもなくていられる状態のことだ(……)

  • キーツ=著 田村英之助(たむら・えいのすけ)=訳 『詩人の手紙』 冨山房百科文庫 5 1977/04
  • この訳文は次の本に引用されています:
    富田光明(とみた・みつあき)=著 『キーツ—人と文学』 世界の作家 勉誠出版 2005/09

(J5) 岡崎 1976
いくつかのことがらは私の心にぴったり適合しました。そして、どのような特質(これはシェイクスピアが非常に豊かに持っていたものですが)が偉人、ことに文学界における偉人を形成するようになるのかということがただちに私の脳裡にひらめいたのです——私が申しあげたいのは、消極でいられる能力 (Negative Capability)、すなわち、事実と理屈を苛だって追い求めたりせずに、不確かさ、曖昧さ、疑問の中にいられる状態、ということです(……)

  • ジョン・キーツからジョージ・キーツおよびトーマス・キーツへの手紙 1817年12月 アンソニー・ストー=著 岡崎康一(おかざき・こういち)=訳 『創造のダイナミックス』 晶文社 1976/08
  • 引用文中の傍点を下線で置き換えました。

(J6) 出口 1974, 1978, etc.
いくつかのことがぼくの心のなかにつながり合って、突然思いついたことは、特に文学において功をなしとげた人間を構成する特質、シェイクスピアがすばらしく多量にもっていた特質で、ぼくはそれを「受容能力」とします。それは人間が事実や理性をいらだたしく追求しないで、不安と神秘と懐疑のなかにいられる能力をさします。

  • Keats' Letter: To George Keats, Jan. 21, 1817 出口保夫=著 『キーツ 人と作品』
  • 引用は b. 白凰社版 1978 に拠りました。

(J7) 松浦 1971, 1989
いつかの事柄が、私の心の中で、ぴったりと接合し合い、文学においてとくに秀れた仕事をした人を構成している特質、シェイクスピアが、ありあまるほど備えていた特質がどんなものか、ふいに頭に閃きました。——それは〈消極的受容力〉、つまり人間が真理や理由に苛立って到達しようとせずに、かえって不確かさや、謎や、疑惑のなかに安んじていられるときの力なのです。

  • キーツ=著 松浦暢(まつうら・とおる)=訳
  • 引用は b. 吾妻書房版 1971 に拠りました。

(J8) 佐藤 1952
いくつかのことが私の心のなかでつながり合って、咄嗟に思いついたことは、特に、文學において、えらい仕事を仕遂げた人を構成する性質、シェイクスピアが多量にもっていた性質——私が消極能力という性質のことです。この消極能力というのは、人が、事實や理性などをいらだたしく追求しないで、不確定、神秘、疑惑の状態にとどまっていられるときを言うのです。

  • キーツ=著 佐藤清(さとう・きよし)=選訳 『キーツ書簡集』 岩波文庫 1952/07
  • 引用文中の傍丸を下線で置き換えました。

(J9) 梅原 1949
種々の事柄が僕の心の中で繋がり合つてゐる。如何なる性質(シェイクスピアが非常に多く持つてゐた性質だが)立派な仕事、特に文學に於ける立派な仕事を成就した人を形づくるのに與つたかといふことが、ふと頭に浮んだ。それは消極的(ネガテイヴ)能力(ケイパビリテイ)を意味する。即ち、事實や理由を焦立つて索めることをせずに、不安、神秘、疑惑の中に安住し得る性質を意味する。

  • 梅原義一=著 『キーツ書翰集』 弘文選書 弘文社 定價130圓 1949/08

(J10) 中橋 1940, 1948
僕の心の内に種々の事が繋り合つて、特に文學に於て、一藝に達した人を形成してゐる特質にふと思ひ當つた。それはシェイクスピアが甚だ多く持つてゐるもので、『否定的能力(ネガテイブ・ケイパビリテイ)』と言ふものだ——即ち事實や確證とかを捉へんと焦らずに、不確實、神秘、疑惑の中に安んじてゐることの出來る能力を言ふ。


■日本語による紹介/解説 Commentaries and explanations in Japanese

(C1) 高橋 2007
(……)ジョン・キーツという詩人がいる。彼の書簡の中に、Negative Capability(直訳すると消極的能力)という言葉がある。これは「人生や物事における不確かさ、不思議さ、疑い、わからなさのただ中にあって、手っ取り早くその理由や意味をつかみ取ろうとはせず、むしろその不確かさの中にあえて積極的に居続けられる能力」を意味する。「わからなさを保持する力」といってもいいだろう。キーツはこれが優れた詩人にとって必要不可欠な能力であると語った。


(C2) 藤田 2004
キーツによればこの「負の能力、消極的受容能力」とは「人が事実や推量にいらだって手を伸ばすことなく、不確かさや謎や疑惑のなかに安んじていられる能力」のことです。キーツ自身はこの能力を創造的芸術活動にとって必須の条件として理解していましたが(……)。ネガティヴ・ケイパビリティとは「謎に直面しつつ、何ものも期待しないで注意深く待ち続ける力」のことだと言えるでしょう。


(C3) 伊藤 2003
(……)「消極的受容能力」("Negative Capability") という言葉である。「つまり人間が真理や理由に苛立って到達しようとせずに、かえって不確かさや、謎や、疑惑の中に安んじていられるときの力なのです。」とキーツは彼の弟にあてた手紙の中で説明をしている。不安な時代、危険な時代、何が真理なのかわからない時代の中で、自分自身を見失うのでなく、その不安の真っただ中にじっくりと腰を据え、やがて訪れるであろう真理の到来、救いの到来を待つという考え方であろう。

  • 伊藤和男 巻頭辞 「早春に思うこと」 京都文教大学図書館・短期大学図書館 図書館情報誌 「あーゆす」 8号 2003/04/01

(C4) 伊木 2000
[テキストは追って挿入するつもりです - tomoki y.]

  • キーツ=著 伊木和子=注釈 『キーツ書簡集』 研究社小英文叢書 研究社出版 2000/12

(C5) 斎藤ほか 1985
negative capability
Keats が弟たちにあてた手紙(1817年12月21日)で用いた言葉。「消極的でいられる能力。」Shakespeare が悠然として,不確実なことをそのままに看取して,それを事実としたり理屈をつけたりするような焦燥をまぬかれ,無理をしないでいられる性質をいう。


■ドイツ語による紹介または解説 Explanations in German

(D1)
Und mir gefällt John Keats' Definition der 'negativen Fähigkeit' - 'die Eigenschaft in Zweifel und Unsicherheit zu verbleiben, ohne sich auf eine beunruhigende Suche nach Fakten und Begründungen einzulassen.


(D2)
Der romantische Dichter John Keats sprach einmal von der „negative capability“. Mit der „negativen Fähigkeit“ meinte er das Vermögen, sich abseits sicherer Erkenntnis mit Leidenschaft zum Unsicheren und Mysteriösen zu bekennen und dem Zweifel am Erlebten Raum zu geben.


(D3)
Je-mand besitzt diese ‚Negative Fähigkeit’, “wenn er in der Lage ist, mit Ungewißheiten, Geheimnissen und Zweifeln zu leben, ohne irritiert nach Fakten und Gründen zu greifen.” – so Keats in einem Brief von 1817 an seine Brüder (zit. nach Grinberg et.al. 1973, S.139).


■フランス語訳 Translation into French

(...) j’ai été frappé tout d’un coup de la qualité essentielle à la formation d’un Homme d’Art accompli particulièrement en Littérature et que Shakespeare possédait à un degré énorme – je veux dire la Capacité Négative, je veux dire celle de demeurer au sein des incertitudes, des Mystères, des doutes, sans s’acharner à chercher le fait et la raison.


■英語原文 The original text in English

(...) it struck me what quality went to form a Man of Achievement, especially in Literature, and which Shakespeare possessed so enormously - I mean Negative Capability, that is, when a man is capable of being in uncertainties, mysteries, doubts, without any irritable reaching after fact and reason.


■"Negative capability" の日本語訳 "Negative capability" in Japanese

  ネガティブ・ケイパビリティ……ウィキペディア 2010
  受容能力…………………………
出口 1974, 1978, etc.
  消極でいられる能力……………
岡崎 1976
  消極的でいられる能力…………
斎藤ほか 1985
  消極的受容能力…………………
伊藤 2003
  消極的受容力……………………
出口 1997
  消極的受容力……………………
松浦 1971
  消極的能力………………………
高橋 2007
  消極的能力………………………
田村 1977
  消極的能力………………………
梅原 1949
  消極能力…………………………
佐藤 1952
  否定的能力………………………
中橋 1940, 1948
  負の能力、消極的受容能力……
藤田 2004
    [未確認]        伊木 2000
    [未確認]        谷  1988


■"Uncertainties, mysteries, doubts" および "fact and reason" の日本語訳
 "Uncertainties, mysteries, doubts," and "fact and reason" in Japanese

不安    神秘    懐疑  事実 や 理性  出口 1974, 1978, etc.
不安    神秘    疑惑  事實 や 理由  梅原 1949
不確かさ 不可解なこと 疑惑  事実 や 理由  ウィキペディア 2010
不確かさ  不思議さ  疑い  理由 や 意味  高橋 2007
不確かさ  曖昧さ   疑問  事実 と 理屈  岡崎 1976
不確かさ  謎     疑惑  事実 や 推量  藤田 2004
不確かさ  謎     疑惑  真理 や 理由  伊藤 2003
不確かさ  謎     疑惑  真理 や 理由  松浦 1971
不確定   神秘    疑惑  事實 や 理性  佐藤 1952 
不確実   ——    ——  事実 — 理屈  斎藤ほか 1985
不確実   不可解   疑惑  事実 や 原因  出口 1997
不確実さ  不可解さ  疑惑  事実 や 理由  田村 1977
不確實   神秘    疑惑  事實 や 確證  中橋 1940
          [未確認]          伊木 2000
          [未確認]          谷  1988


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2015/03/18 中橋一夫=譯の書誌情報を補足しました。
  • 2011/10/16 ウィキペディア訳 最終更新 2010-08-18 を追加しました。
  • 2011/01/06 フランス語訳を追加しました。
  • 2008/06/25 松浦暢=訳 1971/11 を追加しました。また、"uncertainties, mysteries, doubts" および "fact and reason" の日本語訳の項を新設しました。
  • 2008/06/16 佐藤清=選訳 1952/07 を追加しました。
  • 2008/06/10 梅原義一=著 1949/08 を追加しました。

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Wednesday, 04 June 2008

The Dynamics of Creation by Anthony Storr アンソニー・ストー『創造のダイナミックス』

■アンソニー・ストーの著書から Books by Anthony Storr

a.天才はいかにうつをてなずけたか』求龍堂 (2007)
b.孤独—新訳』創元社 (1999)
c. Solitude: A Return to the Self, Free Press (2005)
d. Freud: A Very Short Introduction, Oxford University Press (2001)
e. Music and the Mind, Ballantine Books (1993)
f. Dynamics of Creation. Ballantine Books (1993)

             ↓ Click to enlarge ↓
 
a. 31ga0t6y0l b. 41wdsnze18l c. 513d09n5n2l

d. 41p3rwq6vwl e. 5151x4qbb8l f. 51zfze04w5l
 
 
■日本語訳 Translation into Japanese

天才が狂気にやや類似しているという考えの起源は、創造的人間がほかの人々より多くの神経症的、もしくは精神病的徴候を示すという観察にあるのではなく、創造的人間と狂気の人間は、一般人なら理解できないし、共有もできないような心理的経験をするという感情にあるようである。(280ページ)

霊感と狂気が共有しているのは、エゴがその視界外のある原点から発散するものによって影響されるという点だけであり、芸術家が実際におこなうことは、およそ狂気とは無縁である。(283ページ)

創造的人間は一般のわれわれより「分裂した自我」という特異点をいっそう持っていて、われわれよりも深いところで自分の「他の面」に近づけるという仮定が正しいとすれば、多くの創造家がアイデンティティの問題をかかえていても驚くにはあたらない。(299ページ)

   アンソニー・ストー=著 岡崎康一(おかざき・こういち)=訳
   『創造のダイナミックス』晶文社 1976/08 
 
  
■フランス語訳 Translation into French

   Les ressorts de la création by Anthony Storr
   Published by Robert Laffont, 1992/02
   Hors Collection 
 
 
■英語原文 The original text in English

It seems probable that the idea that genius is somehow allied to madness did not originate in observing that creative people had more neurotic or psychotic symptoms than anyone else, but in the feeling that both creative people and mad people had mental experiences which the ordinary person found incomprehensible or did not share. (p.261)

Inspiration and madness have in common only the fact that the ego is influenced by something emanating from a source beyond its ken, and what artists actually do is very far from being mad. (p.263)

If we are right in supposing that creative persons are distinguished by being "divided selves" to a greater extent even than most of us, and also that they have a more profound access to their "other side", then it is not surprising that many seem to have a problem of identity. (p.277)

   The Dynamics of Creation by Anthony Storr
   London: Secker & Warburg, 1972/09

   Paperbacks:
   * Ballantine Books, 1993/02
   * Penguin Books, 1991/09
 
 
■外部リンク External links

   * Anthony Storr - Wikipedia (1920-2001)
   * Obituary - Psychiatric Bulletin
 
 
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Monday, 02 June 2008

The Gorbachev Factor by Archie Brown アーチー・ブラウン 『ゴルバチョフ・ファクター』

■表紙画像、肖像写真、その他 Book covers, portraits, etc.

 クリックして拡大 Click to enlarge 

a. Ja_the_gorbachev_factor b. En_the_gorbachev_factor c. Archie_brown_seven_years

d. Gorbachev_reagan_bush e. Ikeda_and_gorbachev f. Prof_archie_brown


■日本語訳 Translation into Japanese

   ゴルバチョフ評価の変遷

ミハイル・ゴルバチョフについてはこれまで随分たくさんのことが書かれてきた。流行の最先端を行くゴルバチョフ観は、ゴルバチョフ指導部とソ連そのものが終焉を迎えるまでに三つの段階を経た。

まず、第一段階。最初の約二年、すなわち1985年から少なくとも1986年の末まで、西側では通例として、次のような見方をしていた。「ゴルバチョフがもたらしたのはスタイルの変化である。ゴルバチョフは、よしんば改革者であるとしてもテクノクラート型の改革者である。ソ連の政治、経済体制や外交政策が根底から一変するなどということはまったく期待できない」(略)

次に、第二段階。比較的頭の柔軟な西側の識者のうち大半の人々は、1987年までに、ソ連共産党指導部の内部において重要な事態が起こっているのを見抜いた。(略)

こうして、ソ連では1989年の夏および秋から、そして西側では1990年はじめから雰囲気が変化し、ゴルバチョフ評価の第三段階がはじまった。(略)退陣の二年前には、ゴルバチョフのソ連国内での人気は国外での人気を下回るようになった。

  • アーチー・ブラウン=著 小泉直美(こいずみ・なおみ)+角田安正(つのだ・やすまさ)=訳 木村汎(きむら・ひろし)=解説 『ゴルバチョフ・ファクター』 藤原書店 2008/03
  • 引用文中の西暦年の漢数字を算用数字に置き換えました。

■英語原文 The original text in English

  Changing Evaluations of Gorbachev

A remarkable amount has already been written about Mikhail Gorbachev and the fashionable view of him had already gone through three phases before his leadership and the Soviet Union itself came to an end.

During the first two years or so -- from 1985 until at least the end of 1986 -- the conventional wisdom in the West was that Gorbachev had introduced a change of style and that, in so far as he was a reformer, he was one of a technocratic type. No far-reaching changes in the Soviet political and economic system or in Soviet foreign policy could be expected. (....)

By 1987 most Western observers with reasonably open minds (...) could discern important developments taking place inside the leadership of the Soviet Communist Party. (....)

Thus, from the summer and autumn of 1989 in the Soviet Union and from early 1990 in the West the mood changed and a third stage of evaluation of Gorbachev was reached. (...) Yet, depite Gorbachev's greater popularity abroad than at home by the time he reached his last two years in office (...)


■ゴルバチョフの著書の邦訳
 Books by Mikhail Gorbachev translated into Japanese


■外部リンク External links


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(2) Mikhail Gorbachev

  

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