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August 2008

Tuesday, 26 August 2008

Frankenstein: Or, the Modern Prometheus by Mary Shelley (1) メアリー・シェリー 『フランケンシュタイン』 (1)

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        目次 Table of Contents

■はじめに——第一の疑問 Introduction: A primary question
  Video   Frankenstein (1910) - Full Movie
 Images  表紙画像 Cover photos
■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese
  (Zh1) 范颖 2010
  (Zh2) 尤云峰 2004, 2005
■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 田内 2015
  (J2) 芹澤 2015
  (J3) 小林 2010
  (J4) 細川 2006
  (J5) 吉田 2004
  (J6) 菅沼 2003
  (J7) 加藤 2001
  (J8) 山中 1997
  (J9) 今村+澤里 1997
  (J10) 吉上 1996
  (J11) 森下 1984
  (J12) 山主 1984
  (J13) 治村 1981
  (J14) 澁澤 1979, 1996
  (J15) 臼田 1979
  (J16) 塩谷 1959
  (J17) 宍戸 1953
  (J18) 山本 1948, 1968, etc.
■日本語訳の類別 Classification of the Japanese translations
■ロシア語訳 Translation into Russian
 Audio 1  ドイツ語版オーディオブック Audiobook in German
■ドイツ語訳 Translation into German
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
 Audio 2  スペイン語版オーディオブック Audiobook in Spanish
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translation into French
 Audio 3  原書朗読: トマス・A・コープランド Audiobook read by Thomas A. Copeland
 Audio 4  原書朗読: ポーラ・ベリンスタイン Audiobook read by Paula Berinstein
■英語原文 The original text in English
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに——第一の疑問 Introduction: A primary question

フランケンシュタインが死体を継ぎ合わせて作った、あの怪物は、そもそも、どのぐらいグロテスクだったのか? あるいはグロテスクでなかったのか?

Just how grotesque--or not grotesque--was Frankenstein's monster that was made of various body parts?


 Video 
Frankenstein (1910) - Full Movie

監督: J・サール・ドーリー。メアリー・シェリーの小説を世界最初に映画化した明治43年の作品。 Uploaded to YouTube by HD Public Domain on 20 Aug 2015. Directed by J. Searle Dawley.


 Images 
表紙画像 Cover photos

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■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese

(Zh1) 范颖 2010
他的肌肉和血管在黄色的皮肤下一览无遗、他的头发油黑顺滑、他的牙齿像珍珠一样洁白。但这些单独看来十分漂亮的器官,却和其他器官形成了强烈的反差,变得更加骇人。他的水泡眼安在两个几乎是惨白颜色的黑洞中,他的皮肤皱成一团,薄薄的嘴唇像死人般乌青。


(Zh2) 尤云峰 2004, 2005
他的黄皮肤刚好包住肌肉和皮下血管;他的头发乌黑油亮,而且顺滑,他的牙齿也像珍珠一样洁白。但是这些不错的器官和他水泡眼配在一起,反而更加骇人。而且他的眼眶也是差不多像浮肿一般的惨白色。他的面部肌肤萎缩,薄薄的嘴唇又黑又直。

  • 活跳尸(弗兰肯斯坦) 作者: (英)玛丽·雪莱   译者: 尤云峰
  • 引用は c. 読叭に拠りました。

■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

  • 《科學怪人》 作者: 瑪麗・雪莱/著 譯者: 于而彦 台灣商務印書館 2002
  • Available from:

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 田内 2015
黄色の皮膚にはその下に広がる筋肉や動脈が浮き上がり、つややかな黒髪は流れるかに見え、歯はさながら真珠のごとく美しい白をしています。ですが、眼窩とほぼ変わらぬ薄茶色をした潤む両目や、やつれた顔色や、一文字に結ばれた黒い唇と相まってみると、そんな美貌もいっそうおぞましさを引き立てるばかりではありませんか。

  • メアリー・シェリー=作 田内志文(たうち・しもん)=訳 角川書店=編 『新訳 フランケンシュタイン』 角川文庫 株式会社KADOKAWA 2015-02-25

(J2) 芹澤 2015
その黄味がかった皮膚では、皮膚のしたにある筋肉や動脈の動きをほとんど隠すことができません。確かに、髪は黒くつややかに伸び、歯は真珠のように真っ白ですが、そんな麗(うるわ)しさも、潤(うる)んだ薄茶色の眼をいっそうおぞましく際立(きわだ)たせるばかりです。その眼が嵌(は)め込まれた眼窩(がんか)も同じような薄茶色、顔色もしなびたようにくすみ、真一文字に引き結ばれた唇は血色が悪く、黒みがかっているようにさえ見えます。

  • メアリー・シェリー=作 芹澤恵(せりざわ・めぐみ)=訳 『フランケンシュタイン』 Star Classics 名作新訳コレクション 新潮文庫 2015/01/01

(J3) 小林 2010
黄色い皮膚は、その下にある筋肉や動脈の動きをほとんど隠すことはなく、髪の毛は黒く光って流れるようで、歯は真珠のように真っ白です。しかしこのような輝かんばかりの特徴も、うるんだ目をよけい恐ろしく際だたせるばかり。その目は陰鬱な薄茶色の眼窩とほとんど同じ色ですし、やつれた顔やまっすぐ引かれた黒い唇も、やはりおどろおどろしく見えるだけです。


(J4) 細川 2006
黄ばんだ皮膚は、下の筋肉や動脈の構造を隠しきれなかった。たしかに、髪は黒々と豊かに垂れ、歯は真珠のように白かった。だが、このような贅を尽くした細部が、逆に、灰白色の眼窩とほとんど同色に見える濁った目、皺だらけの顔、真一文字に切れたどす黒い唇と恐ろしい対照をなしているのだった。

  • メアリ・シェリー=著 細川美苗(ほそかわ・みなえ)=抜粋訳 久森和子(ひさもり・かずこ)+中川僚子(なかがわ・ともこ)=編著 『フランケンシュタイン』 シリーズ もっと知りたい名作の世界7 ミネルヴァ書房 2006/12

(J5) 吉田 2004
黄色い肌の下に筋肉や動脈の動きが透けて見える。流れるような黒髪。真珠のように白い歯。涙ぐんだ目、目の色といえばうす茶色の眼窩と見分けがつかないほど。しなびた顔に、黒ずんだ唇が真一文字という容貌だ。


(J6) 菅沼 2003
黄色い皮膚はその下の筋肉や動脈の動きを覆い隠してはいませんでした。ふさふさと垂れ下がっている、漆黒の頭髪、ほとんど真珠のように白い歯。しかし、こうした豊潤さは、はめ込まれた眼窩(がんか)とほとんど同じように灰褐色をした潤んだ目や、しわだらけの顔、一文字の黒いくちびるなどと、一段と恐ろしい対照をなしていました。


(J7) 加藤 2001
美男子に造ってあったはずの顔は不自然にゆがんでしわだらけになり、深いくぼみの中でギョロつく目はどんよりとにごり、黒い色のくちびるが真一文字に走っている。(……)全身をつつむ黄色くくすんだ皮膚の下には、青い血管がくっきりと不気味にうきだしていました。

  • メアリー=シェリー=作 加藤まさし=訳 『フランケンシュタイン』 講談社 青い鳥文庫 2001/01
  • 引用文中のルビは省略しました。

(J8) 山中 1997
あいつの黄ばんだ肌は、すけすけで、筋肉や動脈がまるみえなんです。(……)たしかに髪の毛はくせのない、つやのある黒で、いい感じにたれていました。歯だって真珠のようにそろって白く光っていました。それなのに、目はなぜかしょぼしょぼしていて、まわりはどす黒くくぼんでいて、ほっぺたは、ひからびたような色で、ごつごつしており、くちびるもおなじように黒ずんでいました。


(J9) 今村+澤里 1997
黄色い皮膚は筋肉や動脈の組織をほとんど隠していない。その髪は漆黒に輝き、豊かである。その歯は真珠のように白い。だが、それらの素晴らしいものは、半透明の目、それを縁取るくすんだ白色の眼窩とほとんど同じ色に見える目とのいっそう恐ろしい対比をしか、黄ばんだ顔色と真一文字の黒い唇をしか、生じさせなかった。

  • J=J・ルセルクル=著  今村仁司(いまむら・ひとし)+澤里岳士(さわさと・たけし)=訳 『現代思想で読むフランケンシュタイン』 講談社選書メチエ 1997/05
  • 澤里氏(「訳者あとがき」)によると、この訳書では、下の森下弓子=訳 1984/02 を参照したうえで「当該のテクストに関する原著者の解釈を尊重するという観点から、原則としてルセルクルによる仏語テクストから訳出するという方法を採用した」とのこと。

(J10) 吉上 1996
黄色い皮ふからは、その下にあるきん肉や動脈がすけていました。かみの毛は黒ぐろとして長く、歯は真じゅのように白い。でもそれは、うるんだ目や、しなびた顔の色、一文字の黒いくちびるの気味悪さをいっそう目立たせました。

  • メアリ・シェリー=作 吉上恭太(よしがみ・きょうた)=訳 『フランケンシュタイン』 子どものための世界文学の森32 集英社 1996
  • 引用文中のルビは省略しました。

(J11) 森下 1984
黄色い皮膚は下の筋肉や動脈の作用をほとんど隠さず、髪は黒くつややかにすらりと伸び、歯の白さは真珠のよう。たがそんな贅沢は、いっそうおぞましくきわだたせるばかりでした。はめこまれた薄茶の眼窩とほとんど同じ色に見えるうるんだ目、やつれたような顔の色、一文字の黒い唇を。


(J12) 山主 1984
大きな体、ひからびたようなはだの下には、血管がすけてみえていた。髪は黒く、歯はまっ白だったが、黄いろい目のきみわるさ――。

  • M・シェリー=原作 山主敏子(やまぬし・としこ)=訳・文 『フランケンシュタイン』 世界こわい話ふしぎな話傑作集1 イギリス編 金の星社 1984/01
  • 引用文中のルビは省略しました。

(J13) 治村 1981
あいつの黄色い皮膚は、下部の筋肉や動脈の構造をおよそ隠してはいませんでした。髪の毛は光沢のある黒色で、なだらかに垂れていました。歯は真珠のように真白でした。しかしこれらの華麗さも、ほぼ同色に見える白っぽい灰かっ色の眼窩にはまった眼、萎(しな)びた顔の色、一文字の黒い唇と、いっそう恐ろしい対照をなすだけでした。

  • M・W・シェリー=著 治村輝夫(じむら・てるお)=訳 『フランケンシュタイン』 世界民話童話翻訳シリーズ32 イギリス幻想文学1 東洋文化社 新版1981/10

(J14) 澁澤 1979, 1996
髪の毛は黒くふさふさとしていたし、歯は真珠のように白かった。それだけに、その不気味な黄色い眼と、ミイラのように皺くちゃな顔と、一文字に切れたどす黒い唇が、何とも恐ろしいコントラストをなしていたのである。見るに堪えない醜悪さだった。

  • シェリー夫人=著 澁澤龍彦(しぶさわ・たつひこ)=訳 「フランケンシュタイン」
  • a. は b. を図版等を再編集し文庫化したもの。引用は a. 河出文庫 1996年版に拠りました。

(J15) 臼田 1979
その黄ばんだ皮膚では、下の筋肉や動脈の構造をほとんど隠すこともできませんでした。頭髪はつややかな黒で、すらっと垂れ下がり、その歯は真珠のように白く光っていました。しかしこういう華やかさも、そのしょぼしょぼとした眼とは、なおいっそう恐ろしい対照を見せるだけでした。その眼は、それがはまっている灰白色の眼窩、ひからびたような肌の色、硬直した、黒ずんだ唇と、ほとんど同じ色に見えました。

  • M・W・シェリー=著 臼田昭(うすだ・あきら)=訳 『フランケンシュタイン』 ゴシック叢書6 国書刊行会 1979/01
  • 引用文中のルビは省略しました。

(J16) 塩谷 1959
かみの毛はまっ黒で、ふさふさしていた。歯もしんじゅのように白かった。けれど、それだけに、かえて、ぬれたような目や、しわくちゃな顔や、一文字に切れた、どす黒いくちびるとくらべると、なんともいえない、ぶきみさだった。

  • シェリー夫人=著 塩谷太郎(しおや・たろう)=訳 『フランケンシュタイン』 世界名作全集158 講談社 1959/01
  • 引用文中のルビは省略しました。

(J17) 宍戸 1953
黄いろい皮膚は、下の筋肉や動脈のはたらきを紙一重で蔽つていたし、髪の毛は艶やかに黒くてふさふさしており、歯は真珠色がかつた白であつたが、こういうものがりつぱなだけに、暗褐色を帶びた白の眼窩とほとんど同じように見えるどんよりした眼や、しなびた肌や、一文字に結んだどす黒い唇と、恐ろしい対照をなしていた。

  • マリー・シェリー=著 宍戸儀一(ししど・ぎいち)=訳 『フランケンシュタイン』 サスペンス・ノベル選集4 日本出版協同 1953/08

(J18) 山本 1948, 1968, etc.
黄色い皮膚は下の筋肉と血管の組織をどうにかおおっているだけで、髪毛はつやつやと黒く、ふさふさと生え、歯は真珠色に白かったが、こういうものがりっぱなだけにかえってそのみずみずした目と恐ろしい対照をなし、目はほとんどその灰白色の眼孔と同じ色に見え、顔はしわくちゃで、一文字にきれた唇はどす黒かった。


■日本語訳の類別 Classification of the Japanese translations

上に挙げた日本語訳を、おおまかに分類すると、つぎのとおり。

  • 完訳/全訳または、それに近いもの
    • 田内 2015
    • 芹澤 2015
    • 小林 2010
    • 菅沼 2003
    • 森下 1984
    • 治村 1981
    • 臼田 1979
    • 宍戸 1953
    • 山本 1948, 1968, etc.
  • 一般読者向けの抄訳
    • 澁澤 1979, 1996
  • 児童向けの抄訳/翻案/再話
    • 加藤 2001
    • 山中 1997
    • 吉上 1996
    • 山主 1984
    • 塩谷 1959
  • 解説書/評論書で、上の引用箇所を含むもの
    • 鈴木 2006
    • 細川 2006
    • 吉田 2004
    • 今村+澤里 1997

■ロシア語訳 Translation into Russian

Желтая кожа слишком туго обтягивала его мускулы и жилы; волосы были черные, блестящие и длинные, а зубы белые как жемчуг; но тем страшнее был их контраст с водянистыми глазами, почти неотличимыми по цвету от глазниц, с сухой кожей и узкой прорезью черного рта.


 Audio 1 
ドイツ語版オーディオブック Audiobook in German

Uploaded to YouTube by GreatAudioBooks on 17 Jul 2014


■ドイツ語訳 Translation into German

Die gelbe Haut, die nur notdürftig das Spiel der Muskeln und das Pulsieren der Adern verdeckt. Das wallende Haupthaar von schimmernder Schwärze. Die weißen, gebleichten Zähne, Ergebniss einer Mundhygene, ganz im Kontrast zu den wäßrigen Augen, nahezu von der selben Farbe wie die schmutzigen, weißen Höhlen, in welchen sie gebettet sind. Das runzelige Antlitz und die schwarzen, aller Modelierung entbehrenden Lippen. Wow, was für ein Freak, ist es den schon Fasching.

  • Frankenstein: Oder Der moderne Prometheus. Paperback: Reclam, 1986/01

■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

A sua pele amarela mal cobria os músculos e artérias que sob ela trabalhavam; a sua abundante cabeleira era de um negro lustroso; os seus dentes eram brancos como pérolas; mas estes apanágios apenas formavam um contraste mais hórrido com os seus olhos lacrimosos, que pareciam quase da mesma cor que as órbitas brancas e sombrias em que estavam implantados, a sua compleição ressequida e os seus lábios pretos, que nenhuma expressão arqueava.

  • Frankenstein ou o Moderno Prometeu by Mary Shelley
  • Excerpt at monstros

 Audio 2 
スペイン語版オーディオブック Audiobook in Spanish

Uploaded to YouTube by Proyecto: Universo Audiolibro on 3 Feb 2015


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Su piel amarillenta apenas cubría la red de músculos y vasos sanguíneos. Su cabello era largo y sedoso, sus dientes muy blancos, pero todo ello no lograba más que realzar el horror de los ojos vidriosos, cuyo color podría confundirse con el de las pálidas órbitas en las que estaban profundamente hundidos, lo que contrastaba con la arrugada piel del rostro y la rectilínea boca de negruzcos labios.


■フランス語訳 Translation into French

Sa peau jaunâtre, tendue à l'extrême, dissimulait à peine ses muscles et ses artères. Sa longue chevelure était d'un noir brillant et ses dents d'une blancheur de nacre. Mais ces avantages ne formaient qu'un contraste plus monstrueux avec ses yeux stupides dont la couleur semblait presque la même que celle, blême, des orbites. Il avait la peau ridée et les lèvres noires et minces.


 Audio 3 
英語原文のオーディオブック 朗読: トマス・A・コープランド
Audiobook in English read by Thomas A. Copeland

下の引用箇所の朗読は 1:55:57 から始まります。 Uploaded to YouTube by Fab Audio Books on 26 Nov 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 1:55:57.


 Audio 4 
英語原文のオーディオブック 朗読: ポーラ・ベリンスタイン
Audiobook in English read by Paula Berinstein

下の引用箇所の朗読は 1:35:32 から始まります。 Uploaded to YouTube by The 16th Cavern on 9 Oct 2012. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 1:35:32.


■英語原文 The original text in English

His yellow skin scarcely covered the work of muscles and arteries beneath; his hair was of a lustrous black, and flowing; his teeth of a pearly whiteness; but these luxuriances only formed a more horrid contrast with his watery eyes, that seemed almost of the same colour as the dun white sockets in which they were set, his shrivelled complexion and straight black lips.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/12/12 リンク先で削除されていたスペイン語版オーディオブックを別の録音で置き換えました。
  • 2015/08/23 田内志文=訳 2015/02/25 を追加しました。
  • 2015/01/01 目次を新設し、芹澤恵=訳 2015/01/01 を追加しました。
  • 2014/12/09 ドイツ語版とスペイン語版のオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/08/02 2種類のオーディオブックへのリンクを追加しました。
  • 2012/07/24 ロシア語訳を追加しました。
  • 2010/12/13 ポルトガル語訳を追加しました。
  • 2010/10/15 范颖による簡体字中国語訳 2010-07-01、小林章夫=訳 2010/10/20、およびスペイン語訳を追加しました。また、ドイツ語訳の訳文を挿入しました。
  • 2010/05/20 Frankenstein (1910) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2008/10/18 菅沼慶一=訳 2003/09 を追加しました。
  • 2008/09/13 治村輝夫=訳 1981/10、および宍戸儀一=訳 1953/08を追加しました。
  • 2008/08/28 加藤まさし=訳 2001/01、吉上恭太=訳 1996、および山主敏子=訳・文 1984/01を追加しました。また、「上掲日本語訳の類別」の項を新設しました。

 

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Saturday, 23 August 2008

King Lear - Tales from Shakespeare by Charles and Mary Lamb (2) チャールズ・ラム+メアリー・ラム『シェイクスピア物語』リア王 (2)

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まえの記事『シェイクスピア物語』リア王 (1) から続く
Continued from the previous entry: King Lear - Tales from Shakespeare (1)
 
 
■「リア」「リヤ」「リーア」「リヤア」:表記の異同
 Transliteration variations of the title role in Japanese

   「リーア王」品田 1886, 1999
   「リア王」 安藤 2008
   「リア王」 矢川 2001
   「リア王」 乾  1984, 1992
   「リア王」 大場 1977, 2000
   「リア王」 福田 1968
   「リア王」 永井 1966, 1970
   「リア王」 野上 1956,1962
   「リア王」 八木 1951
   「リア王」 野上 1932, 1987
   「リア王」 河原 1927
   「リア王」 木村/笹川 1916
   「リヤア王」平田 1927
   「リヤ王」 松本 1952
   「リヤ王」 厨川 1963, 1979
    未収録 阿部 1954
 
 
■日本語訳の書誌情報
 Bibliography on translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
   「リア王」
   チャールズ・ラム+メアリー・ラム=作 安藤貞雄(あんどう・さだお)=訳
   『シェイクスピア物語(上)』(全2冊)岩波文庫 2008/06
 
(J2) 矢川 2001
   「リア王」
   ラム=作 矢川澄子(やがわ・すみこ)=訳
   『シェイクスピア物語』岩波少年文庫 2001/09
   引用文中のルビは省略しました。
 
(J3) 乾 1984, 1992
   「リア王」
   ラム=作 乾侑美子(いぬい・ゆみこ)=訳
   3a.愛のシェイクスピア物語 ロミオとジュリエット
    てんとう虫ブックス 小学館 1992/05
   3b.シェイクスピア物語』フラワーブックス 小学館 1984/02
   引用は 3a. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。
 
(J4) 大場 1977, 2000
   チャールズ+メアリ・ラム=著 大場建治(おおば・けんじ)=訳
   4a.シェイクスピア物語』沖積舎 2000/11
   4b.シェイクスピア物語』旺文社文庫 1977/04
   4a.4b. の再刊。引用は 4a. に拠りました。
 
(J5) 福田 1968
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 福田陸太郎(ふくだ・りくたろう)=訳
   『シェイクスピア物語』世界の名著12 ポプラ社 1968/08
   引用文中のルビは省略しました。
 
(J6) 永井 1966, 1970
   ラム姉弟=作 永井鱗太郎(ながい・りんたろう)=文
   シェークスピア物語「リア王」
   6a.カラー版少年少女世界の文学2 イギリス編1』(全30巻)
    小学館 1970/09
   6b.少年少女世界の名作文学4 イギリス編2』小学館 1966/11
   引用は 6a. に拠りました。ルビは省略しました。
 
(J7) 厨川 1963, 1979
   「リヤ王」
   ラム=作 厨川圭子(くりやがわ・けいこ)=訳
   7a.シェイクスピア物語(上)』(全2冊)偕成社文庫 1979/02
   7b.シェイクスピア物語(上)』(全2冊)白水社 1963/07
   引用は 7a. に拠りました。ルビは省略しました。
   引用文中の太字箇所は原文では、太字でなく傍点。
 
(J8) 野上 1956,1962
   「リア王」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子(のがみ・やえこ)=訳
   8a.シェイクスピア物語』岩波少年少女文学全集 1962/06
   8b.シェイクスピア物語』岩波少年文庫 1956/05
   引用は 8b. に拠りました。ルビは一部省略しました。
 
(J9)【参考】 阿部 1954 - 未収録
現物を確かめたら、この本には「リア王」は収録されていませんでした。
   「シェイクスピア物語」
   ラム=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳
   『世界少年少女文学全集6 イギリス編4』創元社 1954/05
 
(J10) 松本 1952
   「リヤ王」
   チャールス・ラム=作 松本恵子(まつもと・けいこ)=訳
   『シェイクスピア物語』新潮文庫 1952/07
 
(J11) 八木 1951
   「リア王」
   チャールス・ラム+メアリー・ラム=著
   八木林太郎(やぎ・りんたろう)=訳註
   『シェイクスピア物語(下)』英米文学訳註叢書 開文社 1951/11
   英語学習者向け対訳本
 
(J12) 野上 1932, 1987
   「リア王」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子=訳
   12a.「沙翁物語」『野上弥生子全集 第2期 第20巻 翻訳3
    岩波書店 1987/07 所収
   12b.沙翁物語』岩波文庫 1932/06(昭和7)
   12a. の底本は 12b.。引用は 12a. に拠りました。
 
 
(J13)【参考】 峰尾 1927 - 未収録
この本には、Hamlet, Prince of Denmark; Othello; The Merchant of Venice; The Tempest の4篇のみを収録。King Lear は含まれていません。
   チャールズ・ラム+メリー・ラム=著 峰尾都治(みねお・としはる)=訳註
   『英文世界名著全集10 シエークスピヤ物語』
   英文世界名著全集刊行所 1927/12(昭和2)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-908-E37ウ
   英文併記
 
 
(J14) 平田 1927
   チヤアルズ・ラム+メエリイ・ラム=著
   平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯「リヤア王」
   『世界名作大觀 各國篇 第11卷 ガリヴァの旅・沙翁物語
   國民文庫刊行會=編輯・發行 非賣品 1927/06(昭和2)所収
   原文は総ルビ。上の引用では、その一部を略しました。
   引用文中の太字箇所は、原文では太字でなく傍点。
 
(J15) 河原 1927
   ラム=著 河原萬吉(かわはら・まんきち)ほか=訳
   『シェークスピア物語』万有文庫23
   万有文庫刊行会 1927/04(昭和2)
 
(J16) 木村/笹川 1916
   シエークスピーア=原作 チャールス・ラム+メリー・ラム=著
   木村 秀夫=譯 笹川臨風(ささかわ・りんぷう)=編
   『通俗シエークスピーア物語』通俗叢書
   編輯兼發行:通俗敎育普及會出版局 非賣品 1916/02(大正5)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-355-33い
   大阪府立図書館蔵書検索: ページ下のほうのコード検索で「タイトルコード」を
   選び、コード番号に「10000000291119」を入力すると、書誌詳細が表示されます。
 
(J17) 品田 1886, 1999
   セキスピヤ=原作 チャールス、ラム=著
   品田太吉(しなだ・たきち)=譯「リーア王の事」
   17a.セキスピヤ物語』国立国会図書館近代デジタルライブラリー
   17b.シェイクスピア翻訳文学書全集6 セキスピヤ物語 明治期
    大空社 1999/02
   17c.セキスピヤ物語』1886/12(明治19)
   17a.17c. のスキャン画像。17b.17c. の復刻版。
   引用は 17a. に拠りました。変体仮名の読みに自信がありません。
   もし誤読している箇所がありましたら、ご指摘ください。
 
 
■英語原文の書誌情報 
 Bibliography on the original text in English

   King Lear
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb

   Recent paperback editions include:
   * Tales from Shakespeare. Penguin Classics, 2007/12
   * Tales from Shakespeare. Signet Classics, 2007/06
   * Tales from Shakespeare. Puffin Classics, 1995/03

   Scanned book at University of Florida Digital Collections

   E-text at:
   * Mr. William Shakespeare and the Internet
   * Shakespeare-Literature.com
   * Project Gutenberg
   * Eldritch Press
   * Bartleby.com
 
 
■外部リンク External links

   * Tales from Shakespeare - Wikipedia (1807)
   * Charles Lamb - Wikipedia (1775-1834)
   * King Lear - Wikipedia
 
 
■更新履歴 Change log

1008/12/11 木村 秀夫=譯 笹川臨風=編 1916/02 を追加しました。 2008/10/18 河原萬吉ほか=譯 1927/04 を追加しました。
2008/09/13 大場建治=訳 2000/11 を追加しました。
 
 

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King Lear - Tales from Shakespeare by Charles and Mary Lamb (1) チャールズ・ラム+メアリー・ラム『シェイクスピア物語』リア王 (1)

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■舞台・映画・テレビ・ラジオ Stage, Film, TV & Radio

a. King Lear (2010), expected to start production in early 2009. Directed by Joshua Michael Stern, starring Anthony Hopkins (1937-  ) as Lear. Also featuring Naomi Watts, Gwyneth Paltrow and Keira Knightley as Lear's three daughters. Sources: IMDb, guardian.co.uk, Scotland on Sunday. Photo of Hopkins (left) from a previous stage production. Image source: Obsessed With Film.
最新版『リア王』、アンソニー・ホプキンス主演で映画化へ。娘役にナオミ・ワッツ、グウィネス・パルトロウ、キーラ・ナイトレイ。情報源:シネマトゥデイ.
b. King Lear (2007), directed by Trevor Nunn, starring Ian McKellen
(1939-  ). Photo by Tristram Kenton. Image source: blogs.guardian.co.uk
c. King Lear (1997), directed by Richard Eyre, starring Ian Holm (1931-  ).
d. King Lear (1994), a BBC Radio production directed by Glyn Dearman, featuring John Gielgud (1904-2000), Kenneth Branaugh, et al.
e. King Lear (1987), directed by Jean-Luc Godard, featuring Burgess Meredith (1907-1997), Norman Mailer (1923-2007), Woody Allen (1935-  ), et al. Image source: Comme au Cinema .com
f.乱』(1985). 監督: 黒澤明. 主演: 仲代達矢. 『リア王』と毛利元就の逸話に基づく.
Ran (1985), a reworking of King Lear, directed by Akira Kurosawa (1910-1998), starring Tatsuya Nakadai (1932-  ). Image source: Wikipedia
g. King Lear (1984), directed by Michael Elliott, starring Laurence Olivier (1907-1989).
h. King Lear (1975), directed by Grigori Kozintsev. Script based on a translation by Boris Pasternak. Starring Ju¨ri Ja¨rvet (1919-1995), an Estonian actor.
i. King Lear (1974), directed by Edwin Sherin, starring James Earl Jones (1931-  ).
j. King Lear (1971), directed by Peter Brook, starring Paul Scofield (1922-2008).
k. King Lear (1953), a TV production directed by Andrew McCullough, starring Orson Welles (1915-1985). Image source: NYTimes.com.
l. King Lear (1940) at the Old Vic, London. Starring John Gielgud. Image source: JAMD

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a. A_lear_anthony_hopkins  b. B_lear_ian_mckellen

c. C_lear_ian_holm           d. D_lear_gielgud_radio_2

e. Kinglearaffiche f. F_ran_tatsuya_nakadai

g. G_lear_laurence_olivier h. H_lear_kozintsev i. I_lear_james_earl_jones

j. J_lear_paul_scofield k. K_lear_orson_welles l. L_lear_gielgud
 
 
■状況説明:日本語訳
 The Situation: Translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
このしがない道化は、リアが王冠を譲ったあともそばを離れず、気のきいた洒落(しゃれ)を言っては、リアの気を引き立てていました。しかし、ときには、リアが退位し、何もかも二人の娘に譲ってしまった軽率さをからかわずにはいられませんでした。そんなときには韻を踏んだ文句で、こう歌うのでした。(……)
 
 
(J2) 矢川 2001
道化は時には、一切を娘たちに譲ってしまった軽率なご主人を、からかわずにはいられませんでした。そんなときには歌にしてうたうのです。(……)
 
 
(J3) 乾 1984, 1992
このおかしな道化師は、リアが王冠をすててからもあとも王のもとを離れず、こっけいなことをいって王の気を引きたてていました。けれども時には、王冠をほうりだし、なにもかも娘たちにやってしまったリアの軽率さをからかわずにはいられませんでした。そんなとき、道化師はうたいました。(……)
 
 
(J4) 大場 1977, 2000
このあわれな道化も、もとよりとるに足らぬ卑しい身ながら、身分相応に、なんとか一途の忠義を示そうと、リアが王冠を譲ったあとも、相変わらずリアにつきそって、機知に富んだもの言いでリアの気分を引きたてていた。もっとも、みずから王冠をはずして娘たちにいっさいを与えてしまった主人の軽率さかげんを、ときには皮肉らずにはいられなかったけれども。  そんなときには、彼は、ざれ歌にこと寄せて歌うのだった――(……)
 
 
(J5) 福田 1968
このしがない道化は、リアが王冠を人にやってしまったのちもかれについて離れず、機知にとんだことをいっては、いつも王を上きげんにしておくのでした。もっともときには、リアが王位をすててすべてをふたりの娘たちにやってしまったのは軽率だ、とからかわずにはいられませんでした。道化が調子をつけていったところによれば、あのとき娘たちは(……)
 
 
(J6) 永井 1966, 1970
リア王が、王の位を譲ってからも、この道化師は、楽しみをなくした哀れな王のそばにつきそって、愉快なとんちや、ばかげた冗談をとばして、王のうさをはらしていた。ときには、歌でもって、王をからかうこともあった。(……)
 
 
(J7) 厨川 1963, 1979
この道化者は、リヤ王が王冠をゆずった後も、そばにつきっきりで、おもしろおかしなことをいっては、リヤ王のきげんをとりむすんでいた。しかし、ときにはリヤ王にむかって、「王位からしりぞき、なにもかも娘にゆずってしまうなんて軽率だ」と、ひやかさずないではいられないこともある。そんなときには歌にことよせていった。(……)
 
 
(J8) 野上 1956,1962
身分のいやしいこのあわれな道化は、王位をしりぞいた後(のち)まで王につきまとい、奇抜な話しぶりで、機嫌をとっていました。それでも時どき、無考(むかんが)えに王冠を捨て、なにもかも娘たちにやってしまった主人を、からかわないではいられませんでした。道化は、歌の調子でいいました。娘たちは、(……)
 
 
(J9)【参考】 阿部 1954 - 未収録
[この本には、King Lear は含まれていません。- tomoki y.]
  
 
(J10) 松本 1952
(……)卑しい道化者が、そのとるにたりないような卑しい身分の者が自分の愛情をあらわし得る範囲で、リヤが王冠をすてたのちもなお王を棄てずに仕え、しゃれや警句で王の気を引きたてていました。もっともときどき王が王冠をぬぎ棄てて、何もかもふたりの娘に与えてしまった軽率をからかわずにはいられませんでした。そんなときには彼は韻をふんだ文句で次ぎのように歌いました。(……)
 
 
(J11) 八木 1951
このあわれな道化はリアがその王冠を手離した後まで彼から離れず、機智のある言葉で彼の機嫌を取っていた。尤も主君が軽卒にも自ら王冠を外し、すべてをその娘達にやってしまったのを時として嘲弄しないでおれなかったが。そんな時、彼が韻をふんで歌ったのは、娘御達は(……)
 
 
(J12) 野上 1932, 1987
そのあはれな道化が王冠を捨てた後まで王につきまとひ、その奇抜な話ぶりで機嫌を取つてゐました。それでも時々その主人を嘲弄しないでゐられないのは、彼が無考に王冠を捨て、何もかも娘たちにやつてしまつたからでした。そんな時には、道化が歌の調子で云つたやうに、娘たちは、(……)
 
 
(J13)【参考】 峰尾 1927 - 未収録
[この本には、King Lear は含まれていません。- tomoki y.]
 
 
(J14) 平田 1927
この道化めが、王位を捨てゝ仕舞つた後までも、リヤアにくつついて離れず、その奇抜な言ひ草で始終王の御機嫌を取つてゐたが、折にはまた、自らその王冠を脱ぎ捨てゝ、何も彼も姫君達にやつて仕舞はれた無分別に對し、御主人を笑はないわけにはいかなかつた。現にその折も、小唄もどぎに斯う云つたのであつた(……)
 
[原文はつぎのとおり総ルビ - tomoki y.]
この道化(だうけ)めが、王位(わうゐ)を捨(す)てゝ仕舞(しま)つた後(あと)までも、リヤアにくつついて離(はな)れず、その奇抜(きばつ)な言(い)ひ草(ぐさ)で始終(しじう)王(わう)の御機嫌(ごきげん)を取(と)つてゐたが、折(をり)にはまた、自(みづか)らその王冠(かんむり)を脱(ぬ)ぎ捨(す)てゝ、何(なに)も彼(か)も姫君達(ひめぎみたち)にやつて仕舞(しま)はれた無分別(むふんべつ)に對(たい)し、御主人(ごしゆじん)を笑(わら)はないわけにはいかなかつた。現(げん)にその折(をり)も、小唄(こうた)もどぎに斯(か)う云(い)つたのであつた(……)
 
 
(J15) 河原 1927
王の友としてはケーアス以外に、宮廷に養つてある道化役者のフールがゐた。彼は王にいやな事件が起つた後には、此の者がいつも、おどけを言つて慰めてゐた。此の正直者はゴネリルの面前でも、王親子を諷した歌を平氣で唄つた。(……)
 
 
(J16) 木村/笹川 1916
王の友としては、ケント許りでなく元、王の宮廷に養つてあつた道化役者、フールと云ふ身分賤しい者があつたが、王にいやな事件の起つた後には、此の者がいつも、おどけを云つて、慰めて居た。王退位の後も茲までついて來て、時々は王を諷して、戯談口を叩くが良き性質の奴だつた、王が身を位から退いて、娘にみんな領地をやつたのを諷した歌に(……)
 
[原文はつぎのとおり総ルビ - tomoki y.]
王(わう)の友(とも)としては、ケント許(ばか)りでなく元(もと)、王(わう)の宮廷(きうてい)に養(やしな)つてあつた道化役者(だうけやくしや)、フールと云(い)ふ身分(みぶん)賤(いや)しい者(もの)があつたが、王(わう)にいやな事件(じけん)の起(おこ)つた後(あと)には、此(こ)の者(もの)がいつも、おどけを云(い)つて、慰(なぐさ)めて居(ゐ)た。王(わう)退位(たいゐ)の後(あと)も茲(こゝ)までついて來(き)て、時々(とき/゛\)は王(わう)を諷(ふう)して、戯談口(じやうだんぐち)を叩(たゝ)くが良(よ)き性質(せいしつ)の奴(やつ)だつた、王(わう)が身(み)を位(くらゐ)から退(しりぞ)いて、娘(むすめ)にみんな領地(りやうち)をやつたのを諷(ふう)した歌(うた)に(……)
 
 
(J17) 品田 1886, 1999
王の位を讓り給ひたる后も一向に随從し奉りて面白く笑しき事など數多、言ひて王の心を慰め參らせぬ。左れど此阿呆すらも時々触れては王が冠を脱して公主達に授け給ひたる不覺を嘲けり歌を作りて諷刺しぬ(……)
 
 
■状況説明:英語原文
 The Situation: The original text in English

( . . . ) this poor fool clung to Lear after he had given away his crown, and by his witty sayings would keep up his good humour, though he could not refrain sometimes from jeering at his master for his imprudence in uncrowning himself, and giving all away to his daughters; at which time, as he rhymingly expressed it, these daughters ( . . . )

   King Lear
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb
 
 
■ざれ歌:日本語訳  The Song: Translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
   降ってわいた喜びに、娘たちはうれし泣き
    だけど、おいらは泣くのさ、かなしくて
   立派な王が「いないいないばあ」をして
    道化の仲間入りをするなんて
 
 
(J2) 矢川 2001
   思いがけない喜びに
   娘はうれし泣きするけれど、
   わたしゃ悲しゅうてうたいます
   王さまほどの殿方が
   かくれんぼして お道化に
   仲間入りとは なさけなや
 
 
(J3) 乾 1984, 1992
   思いがけないごほうびに
   二人の娘はうれし泣き
   道化はかなしくて泣きまする
   こんなりっぱな王さまが
   いないいないばーをなさるとさ
   道化暮らしをなさるとさ
 
 
(J4) 大場 1977, 2000
   娘はうれしがって泣き出したとさ、
   阿呆は悲しくって歌ったとさ、
   賢い王さまが子供にかえって、
   まぬけな阿呆とかくれんぼするんだからね。
 
 
(J5) 福田 1968
   不意のよろこびに涙をながし
   おれは悲しくて歌うたった
   なぜって こんな王様が
   道化どもといっしょに
   いないいないばあ をやるとはねえ
 
 
(J6) 永井 1966, 1970
   そのとき 娘は うれし泣き
   おれは悲(かな)しくて 歌うたう
   やれや 王ともあるかたが
   道化仲間に なっちゃって
 
 
(J7) 厨川 1963, 1979
   ふってわいた喜びに、
   娘御さんはうれし泣き。
   わしはうたって、悲し泣き。
   この王さまが道化にまじり、
   いないいないばーでもするかと思や。
 
 
(J8) 野上 1956,1962
   思いがけねばうれし泣き、
   わしゃ悲しゅうて歌います。
   王様ほどのおん方(かた)が、かくれんぼなさる、
   道化仲間におはいりなさる。
 
 
(J9)【参考】 阿部 1954 - 未収録
 
 
(J10) 松本 1952
   そのふたりの娘御は
   にわかな喜びにうれし泣き、
   そして私は悲しさに歌います。
   りっぱな王様がたわいないまねをし、
   ばかな道化の仲間入りとは。
 
 
(J11) 八木 1951
   思いもよらず嬉し泣き
   おれは悲しうて歌います、
   あれ程の王様が道化を仲間に
   「いないいないばあ」をなさるとは。
 
 
(J12) 野上 1932, 1987
   思ひがけねばうれし泣き。
   わしや悲しうて歌ひます。
   王様ほどのおん方が隠れんぼなされる、
   道化仲間におはひりなされる。
 
 
(J13)【参考】 峰尾 1927 - 未収録
 
 
(J14) 平田 1927
   急の嬉しさに姫達は泣く、
   御當人は悲しさに歌はれる、
   萬乘の君が かくれんぼ
   道化のなかに立ち交じらうとは。
 
   [原文はつぎのとおり総ルビ]
   急(きふ)の嬉(うれ)しさに姫達(ひめたち)は泣(な)く、
   御當人(ごたうにん)は悲(かな)しさに歌(うた)はれる、
   萬乘(ばんじよう)の君(きみ)が かくれんぼ
   道化(だうけ)のなかに立(た)ち交(まじ)らうとは。
 
 
(J15) 河原 1927 - 訳出なし
この本には「リア王」は収録されていますが、該当個所は訳出されていません - tomoki y.
 
 
(J16) 木村/笹川 1916
   餘りの嬉しさに泣く娘さん、
   此の身や悲しく歌ひます、
   痴者に交つてあの殿樣が、
   御惡戯なさるとは驚いた。
 
   [原文はつぎのとおり総ルビ]
   餘(あま)りの嬉(うれ)しさに泣(な)く娘(むすめ)さん、
   此(こ)の身(み)や悲(かな)しく歌(うた)ひます、
   痴者(ばか)に交(まぢ)つてあの殿樣(とのさま)が、
   御惡戯(おいた)なさるとは驚(おどろ)いた。
 
 
(J17) 品田 1886, 1999
   斯くも尊き大君は     何の頑是もなき童兒(ちご)の
   戯れなして大人氣なく   阿呆ものゝ仲間入
   なさるゝことの哀しさに  我は悲しみ歌ふなり
   姫御は俄のよろこびに   泣き給ふこそ是非なけれ
 
 
■ざれ歌:英語原詩 The Song: The original lyrics in English

For sudden joy did weep,
 And I for sorrow sung,
That such a king should play bo-peep
 And go the fools among.

   King Lear
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb
 
 
■書誌情報 Bibliography

上に引用したすべての日本語訳および英語原文に関する書誌情報については、つぎの記事『シェイクスピア物語』リア王 (2) をご覧ください。

For complete bibliographical information on the original texts in English and their Japanese equivalents quoted above, please see the next blog entry: King Lear - Tales from Shakespeare (2).
 
 

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Sunday, 17 August 2008

A Midsummer Night's Dream - Tales from Shakespeare by Charles and Mary Lamb チャールズ・ラム+メアリー・ラム『シェイクスピア物語』真夏の夜の夢, 夏の夜の夢, 夏至祭の夜の夢

■舞台 Stage performances

S1 2007 Directed by Tim Supple. Swan, Stratford. Image source: guardian.co.uk Blogs
S2 2007『夏の夜の夢』演出: ジョン・ケアード. 出演: 村井国夫, 麻実れい. 新国立劇場. Directed by John Caird. Image source: とーるブロ
S3 2002 蜷川カンパニー『夏の夜の夢』演出: 蜷川幸雄. 出演: 嵯川哲朗, 白石加代子. シアターコクーン. 東京 (1994), ロンドン (1996), さいたま (2000) などの再演. The Ninagawa Company directed by Yukio Ninagawa. Image source: The Japan Times
S4 1996 Royal Shakespeare Company on Broadway directed by Adrian Noble. Image source: Footlights Gallery
S5 1978 The Riverside Shakespeare Company, with Eric Hoffmann as Puck and directed by Gloria Skurski. Image source: Wikipedia
S6 1970 Royal Shakespeare Company directed by Peter Brook. Image source: Gerry Jenkinson Homepage
S7 1945 Starring John Gielgud and Peggy Ashcroft. The Theatre Royal, Haymarket, London. Image source: JAMD

↓ Click to enlarge ↓

S1 2007_tim_supple_dream_5 S2 2007_john_caird

S3 2002_ninagawa_midsummer_2 S4 1996_rsc_noble_dream S5 1978_riverside_midsummer

S6 1970_peter_brook_4 S7 1945_gielgudashcroft_2
 
 
■映画 Film adaptations

F1 A Midsummer Night's Dream (1999). IMDb Directed by Michael Hoffman. Starring Kevin Kline, Michelle Pfeiffer, Rupert Everett, Calista Flockhart.
F2 A Midsummer Night's Dream (1996). IMDb Directed by Adrian Noble. Starring Lindsay Duncan, Alex Jennings, Desmond Barrit.
F3 A Midsummer Night's Dream (1968). IMDb Directed by Peter Hall. Starring Derek Godfrey, Barbara Jefford, Diana Rigg, Helen Mirren, Ian Holm, Ian Richardson, Judi Dench.
 
F1 1999_michael_hoffman_midsum F2 1996_adrian_noble_midsummer F3 1968_peter_hall_midsummer
 

■わたしのシェイクスピア個人史
 My personal history with Shakespeare's dramas

小学生のころ、親がラム姉弟の『シェイクスピア物語』を買ってくれた。野上弥生子さん訳の岩波少年文庫旧版。函入りハードカバーだ。正直いって、当時の私には難しすぎた。筋書きが理解できたのは『ベニスの商人』ぐらいではなかったか。

長じて渡米し、夏の野外劇場における無料のシェイクスピア・フェスティバルに接するに至って、ようやく沙翁の面白さを知った。四大悲劇をはじめとした主要作品の舞台・ビデオをかなりたくさん観たし、戯曲の原文と邦訳も通読した。ロンドンに移り住むと、さすがに本場なので、絶えずあちこちでシェイクスピアを上演している。嬉々として観劇にいそしんだ。といっても、まったく触れていない作品も、いまだに多数あることはある。

いちばん好きなのは『ハムレット』と『リア王』。ニューヨークのベラスコ劇場で観たレイフ・ファインズ演ずるハムレットや、ロンドンのナショナル劇場で観たイアン・ホルムのリア王は素晴らしかった。喜劇は、いまひとつ面白いと思わない。その数少ない例外が、1996年ロンドンのマーメイド劇場における蜷川幸雄さんの『夏の夜の夢』だった。日本人が日本語で演じたこの舞台は、無類の痛快さだった。

シェイクスピアの喜劇は、なぜか私には、何度観てもプロットが頭に入らない。『夏の夜の夢』は、私が最も親しんだ喜劇のうちの一つだが、それとても、人にストーリーを説明せよと言われたら、できない。ところが、下に引用するように、チャールズ・ラムは、戯曲の冒頭の50行ちかくを、わずか数行にみごとに凝縮している。しかも明快そのもの。

最近、岩波文庫から新訳が出たのを機に、『シェイクスピア物語』を再読した。メアリーとチャールズの姉弟による、このダイジェスト本が、刊行後200年を経て、いまだに味読する価値のある本であることを知った。
 
 
■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
 むかし、アテネに、父親は、だれでも自分が選んだ男との結婚を娘に強制してもよい、という法律がありました。つまり、父親が夫として選んだ男と結婚するのを娘がいやだと言えば、父親は、この法律により娘を殺してもよいという権限をあたえられていたのです。しかし、父親は、じつの娘を殺すのを望まないのが普通でしたから、娘がたまたま少々だだをこねることがあっても、この法律は実施されたためしは、めったにありませんでした。でも、おそらく、この町の若い女性たちは、この法律の恐ろしさをちらつかせて、両親に脅されることは、決してまれではなかったでしょう。
 ところが、一度だけ、イージウスという老人が(……)

   「真夏の夜の夢」
   チャールズ・ラム+メアリー・ラム=作 安藤貞雄(あんどう・さだお)=訳
   『シェイクスピア物語(上)』(全2冊) 岩波文庫 2008/06
 
 
(J2) 矢川 2001
 むかし、アテネには厳しい法律があって、娘が父親の選んだ男と結婚するのをことわったときには、父親が娘を死刑にしてもよいということになっていました。ただし、自分の娘を殺すことをのぞむ父親はまずおりませんから、この法律が実行されることはありませんでした。
 ところが、イージアスという老人の場合は(……)

   「夏の夜の夢」
   ラム=作 矢川澄子(やがわ・すみこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 2001/09
   引用文中のルビは省略しました。
 
 
(J3) 乾 1984, 1992
 昔、ギリシアのアテネには、『娘たちは父親の選んだ男と結婚しなければならない』という法律がありました。もし娘が、父親のきめた男とは結婚しないといいはると、父親はその娘を法律によって死刑にできるのです。
 とはいえ、父親というのはめったに自分の娘の死を望んだりしませんから、いうことをきかない娘はときおり出現しましたが、この法律が実行にうつされることはまずぜったいにありませんでした。もちろんアテネの娘たちはしょっちゅう、いうことをきかないと死刑だぞ、とおどかされはしましたが。
 ところがあるとき、イージアスという老人が(……)

   「夏の夜の夢」
   ラム=作 乾侑美子(いぬい・ゆみこ)=訳
   3a.愛のシェイクスピア物語 ロミオとジュリエット
      てんとう虫ブックス 小学館 1992/05
   3b.シェイクスピア物語』 フラワーブックス 小学館 1984/02
   引用は 3a. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。
 
 
(J4) 大場 1977, 2000
 むかしアテネの町にひとつの法律があったが、市民たちは、その法律によって、自分の好みで選んだ男との結婚を娘に強制することができた。夫として選んでやった男との結婚を拒否するような場合は、父親は、当然の権利として、娘の死刑を要求することができたのである。しかし、父親というものは、たとえ娘が多少手に負えないような場合でも、すぐさま娘の死を望むなどということがあるはずはなく、その法律じたい、ほとんど絶対といってよいほど実行されたためしはなかった。もちろん町の若い娘たちは、その法律のおそろしさをたねにずいぶん両親からおどかされる場合も多かっただろうけれども
 しかしここに一つ例外が出た。イジーアスという名の老人であるが、彼は(……)

   チャールズ+メアリ・ラム=著 大場建治(おおば・けんじ)=訳
   4a.シェイクスピア物語』 沖積舎 2000/11
   4b.シェイクスピア物語』 旺文社文庫 1977/04
   4a.4b. の再刊。
 
 
(J5) 福田 1968
 アセンズの町には、娘たちを親の思いどおりに結婚させてよいという法律がありました。娘が父の選んだ結婚の相手を拒否したばあい、父はこの法律によってかの女を殺す権限をあたえられていました。しかしじっさいには、たとえ娘たちがすこしばかり手におえないことがわかっても、父親たちがわが子を殺したいと思うことはあまりありませんでしたから、この法律はめったに、いえ、まったく実行にうつされることがなかったのです。おそらくこの町の若い女性は、この法律のおそろしさをきかされて親たちからしょっちゅうおどかされてはいたでしょうが。
 ところがここである老人の訴えがありました。その名をイジーアスといい(……)

   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 福田陸太郎(ふくだ・りくたろう)=訳
   『シェイクスピア物語』 世界の名著12 ポプラ社 1968/08
   引用文中のルビは省略しました。
 
 
(J6) 永井 1966, 1970
 むかし、アシンズ(アテネ、古代ギリシア文明の中心地)の町では、娘はじぶんかってに結婚することができなかった。おとうさんが選んだ男を、いやだとこばむと、おとうさんは娘を死刑にしてもよいという法律があった。だが、たとえ娘がいやだといっても、そこは親子だ。法律どおり、さあ死刑にしてほしいと訴えるような、おとうさんはいなかった。
 ところがついに、そんながんこ者が現われた。イージュースという父親だ。(……)

   「真夏の夜の夢(まなつのよのゆめ)」
   ラム姉弟=作 永井鱗太郎(ながい・りんたろう)=文
   シェークスピア物語
   6a.カラー版少年少女世界の文学2 イギリス編1』(全30巻)
      小学館 1970/09
   6b.少年少女世界の名作文学4 イギリス編2』 小学館 1966/11
   引用は 6a. に拠りました。ルビは省略しました。
 
 
(J7) 厨川 1963, 1979
 むかし、アテネ市に、こんな法律があった。「父親は、自分がえらんだ男と、娘を結婚させてよい。もし娘がいやだといえば、娘を死刑に処してもよい」というのだ。
 しかし、父親は娘を殺したいと思わないのが、ふつうだから、娘がいうことをきかないようなことがあっても、この法律はめったに、いや、ほとんど絶対にといっていいくらい、実行されたことはなかった。しかし、アテネ市には、「いうことをきかないと、法律どおり死刑にしてしまいますよ」と、両親におどかされる娘は、かなりいたようだ。
 しかし、ここに一つ例外があった。イージーヤスという老人が(……)

   「夏の夜の夢」
   ラム=作 厨川圭子(くりやがわ・けいこ)=訳
   7a.シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 偕成社文庫 1979/02
   7b.シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 白水社 1963/07
   引用は 7a. に拠りました。ルビは省略しました。
 
 
(J8) 野上 1956,1962
 むかし、アテネの町は厳しい法律で、娘がおとうさんの選んだ人を夫にするのを断われば、おとうさんは、その娘を死刑にしてもよいということになっていました。しかし、実際には、この法律によって娘を死刑にしようという父親はありませんでした。
 ところが、イージュースという老人が(……)

   「夏至祭の夜の夢」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子(のがみ・やえこ)=訳
   8a. シェイクスピア物語』 岩波少年少女文学全集 1962/06
   8b.シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 1956/05
   引用は 8b. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。
 
 
(J9) 坪内 1954
 アセンスの市には、むすめたちを、親のこのんだ相手とむりにでも結婚(けつこん)させる力を市民にあたえた一つの法律があった。それで、むせめが、その夫(おつと)にと、父親がえらんだ男子と結婚するのをこばんだら、父親はこの法律によって、むすめを死刑(しけい)にしてくれと、うったえる権利(けんり)があった。しかし、父親としては、たとえ、少々手におえないことがあっても、じぶんのむすめの死を願う者はあまりないから、この法律は、よしんば市の若いおじょうさんたちは、たびたび親たちにおどかされることはあったにしても、めったに、いや、ほとんど、じっさいに適用されはしなかった。
 ところが、その名をイージヤスという、ひとりの老人の例があった。(……)

   「真夏の夜の夢」
   ラム=著 坪内士行(つぼうち・しこう)=訳
   平沢文吉(ひらさわ・ぶんきち)=装幀・箱絵
   『ラムのシェイクスピア物語』 冨山房 1954/12 所収
   太字箇所は原文では太字でなく傍点。


(J10) 【参考】 阿部 1954 - 未収録
この本は、ディケンズの「クリスマス・キャロル」やキャロルの「ふしぎの国のアリス」とともにラムの「シェイクスピア物語」を収めています。しかし、現物を確かめたところ、「シェイクスピア物語」のうちの収録作は「ヴェニスの商人」と「ハムレット」の2篇のみで、A Midsummer Night's Dream は含まれていませんでした。- tomoki y.

   「シェイクスピア物語」
   ラム=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳
   『世界少年少女文学全集6 イギリス編4』 創元社 1954/05
 
 
(J11) 松本 1952
 昔アゼンスに、市民は自分の娘を勝手にだれとでも結婚させる権利を持つ法律がありました。娘が父親の選んだ男を夫にするのを拒んだばあいには、父親はその娘を殺すことも認められていたのです。しかし父親は多少は反抗するようなことがあっても、自分の娘の死を望んだりしないのが常ですから、この法律はアゼンスの若いお嬢さんたちを、その恐ろしさで脅迫するためにしばしば持ち出されたとしても実際に適用されたことはありませんでした。
 しかしたった一度だけ、イージアスという老人が(……)

   「真夏の夜の夢」
   チャールス・ラム=作 松本恵子(まつもと・けいこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 新潮文庫 1952/07
 
 
(J12) 野上 1932, 1987
 アシンズの町には一つの法律があつて、市民たちはその娘をば誰でも自分たちのやりたいと思ふ人にやることが出来る権能を持つてゐました。娘が、お父さんが夫としてとして択んだ人と結婚するのを拒めば、この法律に依つてお父さんは娘を死刑にすることも出来るのでありました。しかし幾らか剛情を張るやうなものはあつたにしても、父親が自分の娘の死を望むものはさう/\はなかつたから、町の娘たちは親たちから、その怖ろしい話で脅かされてはゐたものの、この法律が適用されたことはめつたに、いいえ、決してありませんでした。
 ところが、此処にイーヂュースと呼ぶ老人が(……)

   「夏至祭の夜の夢」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子(のがみ・やえこ)=訳
   12a. 「沙翁物語」 『野上弥生子全集 第2期 第20巻 翻訳3
      岩波書店 1987/07 所収
   12b.沙翁物語』 岩波文庫 1932/06(昭和7)
   12a. の底本は 12b.。引用は 12a. に拠りました。
 
 
(J13) 【参考】 峰尾 1927 - 未収録
Hamlet, Prince of Denmark; Othello; The Merchant of Venice; The Tempest の4篇のみを収録。A Midsummer Night's Dream は含まれていません。- tomoki y.

   チャールズ・ラム+メリー・ラム=著 峰尾都治(みねお・としはる)=訳註
   『英文世界名著全集10 シエークスピヤ物語』
   英文世界名著全集刊行所 1927(昭和2)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-908-E37ウ
   英文併記


(J14) 河原 1927
 アゼンス市に結婚に關する嚴しい法律があつた。若し父親が定めた夫と結婚することを拒絶する娘があつたら、この法律に從つて、父親は娘を死刑に處することが出來た。然し父親達は娘を死刑に處することを好まなかつたので、この法律は存在するのみで實施されることは稀であつた。市の若い娘達はこの法律のために父親から嚇されることは屡々であつた。

   「眞夏の夜の夢」
   ラム=著 河原萬吉(かわはら・まんきち)ほか=譯
   『シェークスピア物語』 万有文庫23
   万有文庫刊行会 非賣品  1927/04(昭和2)


(J15) 平田 1927
 昔アゼンの都市(まち)には一つの法律(はふりつ)があつて、市民は何人(だれ)なりと自分の好む者へ娘をやることが出來る、萬一娘の方で父が良人(をつと)として選んだ人物に結婚するのを拒む場合は、父はその者を死に處するも差支ないといふことになつてゐた、が、よし多少の我儘(わがまゝ)を云ひ募るとしても、父として流石(さすが)に我が娘(こ)の死を願望(ねが)ふものもないので、その法律の實行されたといふ例(ためし)は滅多に、否(いや)、全くないといつてよい、あの都市(まち)の若い婦人で、今にもこの怖ろしい處刑(しよけい)にあはすと、嚇(おどか)されたことは珍しくないことであらうけれど。
 ところが、こゝに一人(ひとり)イージアスといふ老人があつて(……)

   「眞夏の夜の夢(なつのよのゆめ)」
   チヤアルズ・ラム+メエリイ・ラム=著 平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯
   『世界名作大觀 各國篇 第11卷 ガリヴァの旅・沙翁物語
   國民文庫刊行會=編輯・發行 非賣品 1927/06(昭和2)所収
   原文は総ルビ。上の引用では、その一部を略しました。


(J16) 中村 1926
 アシンズ市に一つの法律があつて、その法律により、市民は己の氣に適つた者との結婚を娘に强ひ得る權力をもつて居た。それで、父親が娘の夫にと選んだ男と結婚する事を、娘が拒んだ際には、娘が死刑に處せらるゝやうにする權利を、父親は、法律によつて與へられて居たのである。けれども、父親と云ふものは、わが娘の死をさう望んで居るものではないから、時として娘達が少し気儘だと思はれるやうな事があつても、また市の若い夫人達が、その兩親に、怖ろしい法律の事をもち出されて、脅かされる事は、多分稀ではなかつたらうけれど、此の法律はめつたにた事はなかつた。  ところが、イーヂイアスと云ふ老人が、(……)

   チャールズ・ラム=著 中村詳一(なかむら・しょういち)=譯
   メアリ作 「眞夏の夜の夢
   『シェクスピヤ物語』 春秋社 定価金貳圓參拾錢 1926/09/20(大正15)
   国立国会図書館デジタル化資料
   書名の表記は表紙に拠ります。奥付の表記は『シェーキスピヤー物語』。
   適・選・達・婦の旧字は新字で置き換えました。


(J17) 木村/笹川 1916
 アゼンスの市に市民の娘は自分等の好きな男へは、嫁入りする事が出來ないと云ふ法律があつて、父が娘のために定めた婿を娘が嫌やだと云ふ事があれば、其の娘は法律に依つて死刑になると云ふ規則だつた、然し自分の娘を死刑に願ひたいと云ふ父親も無いから、我儘者の娘はあつたにしろ此う云ふ法律があるんだぞと兩親から折々、嚇される位な事はあつても、此の法律の事實上の執行は稀だつた。否や殆どない位だつた。
 然し茲に一例があつて、一人の老人名はエジウスと云つて(……)

[原文は次のとおり、総ルビ]
 アゼンスの市(まち)に市民(しみん)の娘(むすめ)は自分等(じぶんら)の好(す)きな男(をとこ)へは、嫁入(よめい)りする事(こと)が出來(でき)ないと云(い)ふ法律(はふりつ)があつて、父(ちゝ)が娘(むすめ)のために定(さだ)めた婿(むこ)を娘(むすめ)が嫌(い)やだと云(い)ふ事(こと)があれば、其(そ)の娘(むすめ)は法律(はふりつ)に依(よ)つて死刑(しけい)になると云(い)ふ規則(きそく)だつた、然(しか)し自分(じぶん)の娘(むすめ)を死刑(しけい)に願(ねが)ひたいと云(い)ふ父親(ちゝおや)も無(な)いから、我儘者(わがまゝもの)の娘(むすめ)はあつたにしろ此(か)う云(い)ふ法律(はふりつ)があるんだぞと兩親(りやうしん)から折々(をり/\)、嚇(おど)される位(くらゐ)な事(こと)はあつても、此(こ)の法律(はふりつ)の事實上(じじつじやう)の執行(しつかう)は稀(まれ)だつた。否(い)や殆(ほと)んどない位(くらゐ)だつた。
 然(しか)し茲(こゝ)に一例(れい)があつて、一人(ひとり)の老人(らうじん)名(な)はエジウスと云(い)つて(……)

   「眞夏の夜の夢」
   シエークスピーア=原作 チャールス・ラム+メリー・ラム=著
   木村 秀夫=譯 笹川臨風(ささかわ・りんぷう)=編
   『通俗シエークスピーア物語』 通俗叢書
   編輯兼發行:通俗敎育普及會出版局 非賣品 1916/02(大正5)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-355-33い
   大阪府立図書館蔵書検索: ページ下のほうのコード検索で「タイトルコード」を
   選び、コード番号に「10000000291119」を入力すると、書誌詳細が表示されます。


(J18) 小松 1907, 2006, etc.
 亞丁市(アテンし)に一つの法律が施かれて、親たるものは其娘を自分の好む青年に、否應(いやおう)云はせず嫁(よめ)に行くやうに強迫(きやうはく)する權利(けんり)を與へらるゝ事と成つた。即ち父が選(ゑら)んだ男と結婚(けつこん)する事を若し娘が拒(こば)むやうの事あれば、其生命を取り得るの權力(けんりよく)を有したのである。然し父として自分の娘の死を願ふ者はないから、縱令(たとヘ)娘が少しは片意地(かたゐぢ)を張つて云ふ事を聞かぬ事があつても此法律は極稀(めつた)に行はれない、否全く励行(れいかう)せられなかつたのである。尤も此市の若い令嬢(れいじやう)方は此事で兩親に威嚇(おどさ)されるのは決して珍(めづら)しき事でなかつたのである。
 が茲に一つの六かしい事件が起(おこ)つた。それはエージヤスと云ふ老人(らうじん)が(……)

   「夏の夜の夢」
   チャ-ルス・ラム=著 小松月陵(こまつ・げつりょう)=譯
   18a.沙翁物語十種』 国立国会図書館近代デジタルライブラリー
   18b. 川戸道昭+榊原貴教=編
      『シェイクスピア翻訳文学書全集21 沙翁物語十種 明治期
      大空社 2006/06
   18c.沙翁物語十種』 博文館 1907/12(明治40)
   18a.18c. のスキャン画像。18b.18c. を複製したもの。
   引用は 18a. に拠りました。一部判読しづらいところがありました。
   もし、誤読している箇所がありましたら、ご指摘ください。
 
 
(J19) 【参考】 品田 1886 - 未収録
この本には「ハムレツト太子復讐の事」など6作品が掲載されているだけで、A Midsummer Night's Dream の邦訳は収録されていません。- tomoki y.

   セキスピヤ=原作 チャールス、ラム=著
   品田太吉(しなだ・たきち)=譯
   19a. セキスピヤ物語』 国立国会図書館近代デジタルライブラリー
   19b.セキスピヤ物語』 品田太吉=出版 1886/12(明治19)
   19a.19b. のスキャン画像。


■老人(父親)の名前の日本語表記
 Variations of transliteration of the father's name in Japanese

  イージーヤス……厨川 1963, 1979
  イージアス………矢川 2001 乾 1984, 1992 松本 1952
          平田 1927 河原 1927
  イージウス………安藤 2008
  イージヤス………坪内 1954
  イージュース……永井 1966, 1970 野上 1956,1962
  イーヂイアス……中村 1926
  イーヂュース……野上 1932, 1987
  イジーアス………大場 1977, 2000 福田 1968
  エージヤス………小松 1907, 2006, etc.
  エジウス…………木村/笹川 1916


■英語原文 The original text in English

There was a law in the city of Athens which gave to its citizens the power of compelling their daughters to marry whomsoever they pleased; for upon a daughter's refusing to marry the man her father had chosen to be her husband, the father was empowered by this law to cause her to be put to death; but as fathers do not often desire the death of their own daughters, even though they do happen to prove a little refractory, this law was seldom or never put in execution, though perhaps the young ladies of that city were not unfrequently threatened by their parents with the terrors of it.

There was one instance, however, of an old man, whose name was
Egeus ( . . . )

   A Midsummer Night's Dream
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb

   Recent paperback editions include:
   * Tales from Shakespeare. Penguin Classics, 2007/12
   * Tales from Shakespeare. Signet Classics, 2007/06
   * Tales from Shakespeare. Puffin Classics, 1995/03

   Scanned book at University of Florida Digital Collections

   E-text at:
   * Mr. William Shakespeare and the Internet
   * Shakespeare-Literature.com
   * Project Gutenberg
   * Eldritch Press
   * Bartleby.com
 
 
■外部リンク External links

   * Tales from Shakespeare - Wikipedia (1807)
   * Charles Lamb - Wikipedia (1775-1834)
   * A Midsummer Night's Dream - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2013/06/02 中村詳一=譯 1926/09/20 を追加しました。
2008/12/15 品田太吉=譯 1886/12 に関する参考書誌情報を追加しました。
2008/12/11 木村 秀夫=譯 笹川臨風(ささかわ・りんぷう)=編 1916/02 を
         追加しました
2008/10/16 河原萬吉ほか=譯 1927/04 を追加しました。
2008/09/11 大場建治=訳 2000/11 を追加しました。
2008/08/30 小松月陵=譯 1907/12 を追加しました。
2008/08/23 福田陸太郎=訳 1968/08 を追加しました。
2008/08/20 永井鱗太郎=文 1970/09、および平田禿木=譯 1927/06 を追加
         しました。また、峰尾都治=譯 1927/12 に関する書誌情報を修正
         しました。
2008/08/18 乾侑美子=訳 1992/05 を追加しました。また、野上弥生子=訳
         1987/07 を追加しました。この版は、これまで野上弥生子=訳
         1956/05 と同じ項に含めていました。しかし、一般読者向けの
         前者(=岩波文庫旧版に拠る)と、児童向けの後者(=岩波少年
         文庫旧版)とでは、訳文がかなり異なります。したがって、別立てに
         して引用文を挙げることにしました。


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Hamlet - Tales from Shakespeare by Charles and Mary Lamb チャールズ・ラム+メアリー・ラム 『シェイクスピア物語』 ハムレット

■表紙画像コレクション Cover photo collection

[zh] 莎士比亚故事集 天津人民出版社 (2008) 中国語版(簡体字)
[tw] 莎士比亞故事集 好讀出版社 (2005) 中國語版(繁體字)
[ja] シェイクスピア物語 岩波少年文庫 (2001)

[de] Shakespeare für Eilige Aufbau Taschenbuch Verlag (2001) ドイツ語版
[it] Cinque racconti da Shakespeare Sellerio (1983) イタリア語版
[br] Histórias de Shakespeare ブラジル・ポルトガル語版

[es] Shakespeare Cuenta Espasa-Calpe (1984) スペイン語版
[fr] Les Contes de Shakespeare Editions Naïve (2005) フランス語版
[en] Tales from Shakespeare Penguin Classics (2007)

↓ Click to enlarge ↓

zh Zh_shakespeare_gushiji tw Tw_shakespeare_gushiji ja Ja_shakespeare_monogatari

de De_shakespeare_fuer_eilige it It_raconti_da_shakespeare br Br_historias_de_shakespeare_2

es Es_shakespeare_cuenta fr Fr_contes_de_shakespeare en En_tales_from_shakespeare_2


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
 ハムレットは、以前から気力を失い、打ちしおれていたところへ、亡霊を見て五感に植え付けられた恐怖のために、精神を乱され、理性を失わんばかりでした。そこで、こういう状態が続けば、自分は注目の的となり、叔父に対して何かたくらんでいるのではないかとか、父王の死の真相について、本当は叔父が公表したよりも多くのことを知っているのではないかとか、叔父に疑われ、叔父を警戒させることになるのを懼(おそ)れて、ハムレットは、奇妙な決心をしました。
 --いまから、おれは、正真正銘の狂人になったふりをするのだ。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリー・ラム=作 安藤貞雄(あんどう・さだお)=訳
   『シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 岩波文庫 2008/07


(J2) SOGO_e-text_library 2007
亡霊を見たことにハムレットは恐怖し、精神錯乱に陥った。もともと病弱なたちで元気がなかったのだが、これにより精神の平衡を失い、今にも理性が吹き飛ぼうとしていた。そして、こんな状態がずっと続くようなら、自分の振る舞いに人々の耳目が集まり、叔父も警戒するようになるだろう、自分が叔父に対してなにかたくらんでいるとか、実は父親の死について叔父が発表した以上のことを自分が知っているなどと感づかれたらまずいな、と心配し、とても妙な決心をした。本当に発狂してしまったと見せかけようと考えたのである。

   「デンマークの王子ハムレット
   Charles Lamb =原作 SOGO_e-text_library =責任編集
   プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト
   2007/02/10 初アップロード


(J3) 矢川 2001
 亡霊を見てからというもの、ただでさえ沈んでいたハムレットは、おそろしさにほとんど正気ではいられませんでした。こんなことでは叔父に疑われてもしかたありません。そこでハムレットは、用心のため、わざと狂気を装うことにしました。

   「ハムレット」
   ラム=作 矢川澄子(やがわ・すみこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 2001/09
   引用文中のルビは省略しました。


(J4) 乾 1984, 1992
 亡霊の恐ろしい姿は、ハムレットの心を離れませんでした。以前から心よわくふさぎがちだったハムレットは、その恐怖のために、ほとんど我を忘れ、正気を失いそうになりました。
 ハムレットは、この状態が続いて、人目をひくことになるのを心配しました。もし、おじがそれに気づいて、ハムレットはなにごとかたくらんでいるかもしれない、父の死について公表された以上のことを知っているかもしれないと思えば、警戒するでしょう。そこでハムレットは、奇妙な決心をしました。
 ほんとうに気が変になったふりをしようというのです。(……)

   「ハムレット」
   ラム=作 乾侑美子(いぬい・ゆみこ)=訳
   4a.愛のシェイクスピア物語 ロミオとジュリエット
      てんとう虫ブックス 小学館 1992/05
   4b.シェイクスピア物語』 フラワーブックス 小学館 1984/02
   引用は 4a. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。


(J5) 大場 1977, 2001
 ハムレットは以前から体力も弱まり、気力も衰えていたから、幽霊を見た恐怖は彼の心に深い刻印を残し、ほとんど気も狂わんばかりの錯乱状態におちいった。こんな状態がつづいていては、だいいちひとから好奇の目で見られるだろうし、叔父のほうでも警戒をつよめることになるだろう。なにか自分によからぬことを画策しているのではないか、父親の死について自分が公表した以上の深い秘密をにぎっているのではないか、叔父はそう疑ってくるはずである。
 あれこれ考えたハムレットは、そのときから、正真正銘の狂人のふりをしようという奇妙な決心をかためた。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ+メアリ・ラム=著 大場建治(おおば・けんじ)=訳
   5a.シェイクスピア物語』 沖積舎 2000/11
   5b.シェイクスピア物語』 旺文社文庫 1977/04
   引用は 5a. に拠りました。


(J6) 福田 1968
 亡霊を見たことによってハムレットの心にもたらされた恐怖の念は、以前から弱々しく意気消沈していたかれの心を気ちがいのようにし、すっかり正気をうしなわせました。こんな状態がつづけば、かれの行動は監視されることになるであろうこと。もし叔父が、ハムレットが自分に対してなにかよからぬことを考えていることに気づけば、あるいは、ハムレットが先王の死についてうわべよりはもっと多くを知っていることなどに気づけば、かれに監視をつけるようになるであろうこと。こんなことをおそれたので、ハムレットは、以後、自分がほんものの狂人のふりをしようという、奇妙な決意をしたのです。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=作 福田陸太郎(ふくだ・りくたろう)=訳
   『シェイクスピア物語』 世界の名著12 ポプラ社 1968/08
   引用文中のルビは省略しました。


(J7) 永井 1966, 1970
 ただでさえものうく、ふさぎ病にかかって気力をなくしたハムレットは、亡霊に会ってからは、見るもの聞くもの、すべてがかれの心をいらだたせた。こんなありさまでは、かれの心のうちが、クローディアスに知られてしまう。父が毒殺されたのだという事実を、ハムレットが感づいたのではないかと、怪しまれないともかぎらない。そうなれば、クローディアスのほうでも警戒することになる。
 そこでハムレットは、うまいことを考えついた。これからは本物のきちがいに見せかけることだ。(……)

   ラム姉弟=作 永井鱗太郎(ながい・りんたろう)=文
   シェークスピア物語 「ハムレット」
   7a.カラー版少年少女世界の文学2 イギリス編1』(全30巻)
      小学館 1970/09 所収
   7b.少年少女世界の名作文学4 イギリス編2』 小学館 1966/11 所収
   引用は 7a. に拠りました。ルビは省略しました。


(J8) 厨川 1963, 1979
 すでに気力をうしない、しずんでいたところへ、亡霊を見て、さらに恐怖感をうえつけられたので、ハムレットの心は、ほとんど理性をうしなって、くるってしまいそうであった。もしこのままの状態がつづけば、ハムレットが王になにか叛逆をくわだてているらしいとか、父王の死の真相を、見せかけよりはよく知っているらしいことなどと、クローディヤス王にうたがわれることになる。そうなると、ハムレットは監視されるし、クローディヤス王は警戒するようになる。そこでハムレットはきみょうな決心をした。
(いまから、おれは、ほんとうに気がちがってしまった ふり をするのだ。(……)

   「ハムレット」
   ラム=作 厨川圭子(くりやがわ・けいこ)=訳
   8a. シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 偕成社文庫 1979/02
   8b.シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 白水社 1963/07
   引用は 8a. に拠りました。引用文中の太字箇所は、原文では傍点。
   ルビは省略しました。


(J9) 野上 1956, 1962
 それまでも憂うつになっていたハムレットは、亡霊の姿を見てからは、ほとんど理性を失ってしまいました。そのままでは、人目をひき、叔父のクローディアスに自分がもくろんでいることをさとられてはならないと考えたので、ほんものの狂人のように見せかけようと決心しました。

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子(のがみ・やえこ)=訳
   9a. シェイクスピア物語』 岩波少年少女文学全集 1962/06
   9b. シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 1956/05
   引用は 9b. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。


(J10) 堀江 1955
 前から身体が弱り意気阻喪していたので、幽霊を見た時、ハムレットの心に刻みつけた恐怖のために、ほとんど彼の精神は錯乱し、彼の理性を失わんばかりであった。それで彼はこの状態が続けば結果として人の注意を引くようにしたり、それに叔父に対して自分が何事かを目論んでいるとか、または叔父が公表した以上に父の死について実際知っているのではないかと叔父が疑ったならば、彼に警戒させる結果になるだろうと心配したので、それからというものは本当に発狂したもののように見せかけようと妙な決心をした。

   「デンマークの王子ハムレット」
   Mary and Charles Lamb=作 堀江清弥=編訳
   『訳注 シェクスピア物語1』 泰文堂 1955/11
   英語学習者向けの対訳本。引用文中のルビは省略しました。


(J11) 坪内 1954
 それまでにすでによわくおとろえていたハムレットの神経(しんけい)をしげきした亡霊の出現のおそろしさは、かれの心をひどくみだし、理性をもうしなわせかねなかった。それでかれは、こんな状態(じょうたい)をつづければ、やがて注目のまととなり、もしじぶんが何かたくらんでいるらしいとか、ハムレットは、じつはかれの父親の死について、じぶんが公表した以上のことを知っていると思わせでもしたら、おじ が用心ぶかくなるわけだとあんじて――そのとき以後かれは、まるでほんとうに気ちがいであるかのような、にせぶりをしようというふしぎな決心をした(……)

   「ハムレット(デンマークの王子)」
   ラム=著 坪内士行(つぼうち・しこう)=訳
   平沢文吉(ひらさわ・ぶんきち)=装幀・箱絵
   『ラムのシェイクスピア物語』 冨山房 1954/12 所収
   太字箇所は原文では太字でなく傍点。


(J12) 阿部 1954
 幽霊と出あってからは、ハムレットの心はいよいよみだれてきて、今では、ほとんど気もくるわんばかりだった。そこで、かれは思った。――このようにしていては、人目にもつき、おじクローディアスも注意するであろう。そして、クローディアスは、ハムレットは父の死の秘密をかぎつけいて[ママ]、復讐しようと思っているのでないか、と警戒することもあるかもしれない。
 それで、ハムレットは、一つの決心をした。――これからはほんとうに気がくるっているようにみせかけよう。

   「シェイクスピア物語」
   ラム=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳
   『世界少年少女文学全集6 イギリス編4』 創元社 1954/05 所収
   ルビは省略しました。


(J13) 松本 1952
 ハムレットはもともと身体が弱く気が沈んでいましたが、亡霊を見た恐怖は彼の心を乱し理性を失わせんばかりでした。それで彼はその状態が進めば、自分は注目の的となり、自分が叔父に対して何か計画しているとか、または、父の死について叔父が公表した以上のことを知っているのを感づかれ、叔父に警戒させるようになるだろうと心配して、ハムレットはそのとき以来、まぎれもなく真実の狂人を装おうという途方もない決心をしました。(……)

   「ハムレット」
   チャールス・ラム=作 松本恵子(まつもと・けいこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 新潮文庫 1952/07/30


(J14) 野上 1932, 1987
 それまでも弱く意気阻喪してゐたハムレットは、亡霊の姿から受けた恐怖のため、殆んど精神錯乱して、理性をも失つてしまひました。さうして彼は、もしこの状態が続けば、その結果人目を引き、且つ伯父が彼に対して自分が何事かを目論んでゐるとか、或ひは口で云ふ以上に父の死について知つてゐるのではあるまいかなどと疑ふ事になりはせぬかと恐れたので、以後は、本物の狂人の如くに見せかけようと云ふ奇妙な決心を致しました。(……)

   「ハムレット、デンマーク王子」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子=訳
   14a. 「沙翁物語」 『野上弥生子全集 第2期 第20巻 翻訳3
      岩波書店 1987/07 所収
   14b.沙翁物語』 岩波文庫 1932/06(昭和7)
   14a. の底本は 14b.。引用は 14a. に拠りました。


(J15) 峰尾 1927
 ハムレットは從來氣弱く、心の沈んだ人であつたから、亡靈を目のあたり見て恐ろしさが感覺に殘り、殆んど心亂れて物狂ほしき氣持になつた。そこで彼は、もし斯(か)うした状態が繼續するなら、叔父は自分の樣子に眼をつけるであらうし、又自分が何事か畫策(くわくさく)してゐることや、父の死因に就て叔父の説明せる以上の消息を事實心得てゐると氣付くならば、叔父は警戒するであらうと思うて、此の上は眞實氣狂ひのそぶりを装(よそを)ふて行かうといふ、世にも不思議な決心をした(……)

   チャールズ・ラム+メリー・ラム=著 峰尾都治(みねお・としはる)=譯註
   『英文世界名著全集10 シエークスピヤ物語』
   英文世界名著全集刊行所 1927/12(昭和2)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-908-E37ウ
   英文併記


(J16) 平田 1927
 亡靈を見てから、強い恐怖の念はハムレツトの感じを去らず、豫(かね)て氣弱に、うち沈んでゐたもので、殆どその心意(こゝろ)を攪亂(かくらん)し、理性の外(ほか)に走らしめた。して、斯(か)かる事の必ず永くうち續くべしと患(うれ)ひ、すれば、自然他人(ひと)の眼を惹くことになり、叔父がもし何か自分が切(しき)りに企(たくら)んでゐるとか、乃至また、父の横死(わうし)に就いて別に深く知るところあるやうに感づいたなら、彼は定めしそれとなく警戒するであらうから、以後は斷じて、自分が實際に、正眞(しやうじん)に氣が狂つてゐるやう装はうといふ、不思議な決心に彼は及んだ。(……)

   チヤアルズ・ラム+メエリイ・ラム=著
   平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯 「ハムレツト」
   『世界名作大觀 各國篇 第11卷 ガリヴァの旅・沙翁物語
   國民文庫刊行會=編輯・發行 非賣品 1927/06(昭和2)所収
   原文は総ルビ。上の引用では、その一部を略しました。


(J17) 河原 1927
 この時からハムレツトはクローデイアスの安心を求めるために發狂を裝ひ復讐の機會を待つた。

   ラム=著 河原萬吉(かわはら・まんきち)ほか=訳
   『シェークスピア物語』 万有文庫23
   万有文庫刊行會 非賣品 1927/04(昭和2)


(J18) 中村 1926, 1936
 幽靈を見た時、ハムレツトの心に刻みつけられた恐怖は、前から身體も弱り、神氣も沮喪して居た際なので、殆んど彼の心の調子を狂はしめ、正氣を失はせた。それで彼は、かう云ふ状態が續きその結果として、人の注意を引くやうになり、又叔父がハムレツトは自分に對して何事か謀らんで居るとか、または父の死に關して自分が發表した以上の事を知つて居るのではないかと疑ふようになれば、叔父も警戒を怠らぬようになるだらうと懸念して、その時以來眞實眞正の狂氣であるやうなふりをしようと決心した。(……)

   18a. ラム=著 中村詳一(なかむら・しょういち)=譯 「ハムレツト」
      『シエークスピヤ物語(下)』(全2冊)
      春秋文庫 第3部93 定價金八十錢 春秋社 1936/05(昭和11)
   18b. チャールズ・ラム=著 中村詳一=譯 「ハムレツト」
      『シエクスピヤ物語
      世界名著選家庭文庫 春秋社 1926/09(大正15)
      国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-517-378
   引用は 18a. に拠りました。


(J19) 木村/笹川 1916
 ハムレットは性來氣の弱い質で此の亡靈を見てからは心が平靜を失つて、異状をも來した、ハムレットは思ふに「若し乃公が企んでる事を伯父が知つて仕舞ふて、乃公の身に警戒する樣な事があつてはいけない」と、其れからはハムレットは父の死については、何事も知らない樣な風にして、眞に氣狂ひになつた樣に見せかけて居た、己の行爲も氣狂いひにならば大した事も仕出來しはしまいと、伯父も高をくゝるだらうし、己が胸の秘密の苦惱も、狂人となれば表はれないだらうからと思ひ付いたからなのであつた。(……)

[原文は次のとおり、総ルビ]
 ハムレットは性來(せいらい)氣(き)の弱(よわ)い質(たち)で此(こ)の亡靈(ばうれい)を見(み)てからは心(こゝろ)が平靜(へいせい)を失(うしな)つて、異状(いじやう)をも來(きた)した、ハムレットは思(おも)ふに「若(も)し乃公(おれ)が企(たく[ママ])んでる事(こと)を伯父(をぢ)が知(し)つて仕舞(しま)ふて、乃公(おれ)の身(み)に警戒(けいかい)する樣(やう)な事(こと)があつてはいけない」と、其(そ)れからはハムレットは父(ちゝ)の死(し)については、何事(なにごと)も知(し)らない樣(やう)な風(ふう)にして、眞(しん)に氣狂(きちが)ひになつた樣(やう)に見(み)せかけて居(ゐ)た、己(おのれ)の行爲(かうゐ)も氣狂(きちが)ひにならば大(たい)した事(こと)も仕出來(しでか)しはしまいと、伯父(をぢ)も高(たか)をくゝるだらうし、己(おのれ)が胸(むね)の秘密(ひみつ)の苦惱(くなう)も、狂人(きちがひ)となれば表(あら)はれないだらうからと思(おも)ひ付(つ)いたからなのであつた。(……)

   「ハムレット(デンマーク皇子)」
   シエークスピーア=原作 チャールス・ラム+メリー・ラム=著
   木村 秀夫=譯 笹川臨風(ささかわ・りんぷう)=編
   『通俗シエークスピーア物語』 通俗叢書
   編輯兼發行:通俗敎育普及會出版局 非賣品 1916/02(大正5)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-355-33い
   大阪府立図書館蔵書検索: ページ下のほうのコード検索で「タイトルコード」を
   選び、コード番号に「10000000291119」を入力すると、書誌詳細が表示されます。


(J20) 後藤 1915
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   「ハムレット」
   チャールス・ラム=著 後藤一郎(ごとう・いちろう)=訳
   『シエイクスピアー物語-対訳詳註 第1編 ハムレット
   三光堂 1915(大正4)


(J21) 小松 1904, 1922, etc.
 ハムレットは性來羸弱なるが上に、神氣沮喪し來れる折柄、目のあたり幽靈を見、言葉交はしたることなれば、此事常に感覚より離れで心は鍵を失ひ、腦には異状を呈するやうなりけるが、思ひらく『若し叔父にして吾が遺恨に思ひて何等畫策するところあると悟り、或は吾が父の變死に就きて知るところ、叔父が報道せしところより多きを知るに至らば、必ず吾が擧動(ふるまひ)に就きて警戒を與ふるならん。』と、されば此後は眞實狂氣のさまを裝ひて叔父と人々の眼を眩(くら)まさんと、世にも稀れなる決心をなしぬ。(……)

   21a. チャールス、ラム+メリー、ラム=著 小松武治=譯 「ハムレット物語」
      川戸道昭+榊原貴教=編
      『シェイクスピア翻訳文学書全集19 明治期 沙翁物語集
      大空社 1999/10 所収
   21b. ラム=著 小松武治=譯 「ハムレット物語」
      『ラム沙翁物語集』 大鐙閣 定價金二圓五拾錢 1922/02(大正11)
      上田敏「沙翁物語集序」および夏目漱石「小羊物語に題す十句」を収録
   21c. チャールス、ラム=著
      小松武治(こまつ・たけじ)/ 小松月陵(こまつ・げつりょう)=譯述
      「ハムレット物語」
      『沙翁物語集』 日高有隣堂 定價七拾錢 1904/06(明治37)
      上田敏「沙翁物語集序」および夏目漱石「小羊物語に題す十句」を収録
      国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YDM101017
   21a.21c. を複製したもの。引用は 21c. に拠りました。


(J22) 品田 1886, 1999
ハムレツト太子ハ固より愁に沈みて精神も引き立たず身心共に痛(いた)く疲(つか)れ衰(おとろ)へてありける處へ今又幽靈に逢ひて一大事の遺命をも受け給へければ心に亂れて麻の如く氣も狂ハんずばかりなり斯て長くあらんよハ人に覺(さと)られて叔父も用心の臍を固め我に害心ありと疑ひ又ハ父上崩御の樣子などの密事を知ると猜(さい)せられなば愈々以て大事を遂げ難かり左れば今より奥誠に發狂したるもヽの体に見せかけなば大事を仕出すの力なしと思ひて心を許すこともやあらん又我が心の亂れで挙動を疑はしきとあるもの恠(あやし)むものハなかるべしと獨り心に點頭(うなづ)きて是よりハ發狂者の眞似(まね)せんと深念(しあん)を定め給ひけり(……)

   セキスピヤ=原作 チャールス、ラム=著
   品田太吉(しなだ・たきち)=譯 「ハムレツト太子復讐の事」
   22a.セキスピヤ物語』 国立国会図書館近代デジタルライブラリー
   22b.シェイクスピア翻訳文学書全集6 セキスピヤ物語 明治期
      大空社 1999/02
   22c.セキスピヤ物語』 品田太吉=出版 1886/12(明治19)
   22a.22c. のスキャン画像。22b.22c. を複製したもの。
   引用は 22a. に拠りました。変体仮名その他の判読に自信がありません。
   もし誤読している箇所がありましたら、ご指摘ください。


■英語原文 The original text in English

The terror which the sight of the ghost had left upon the senses of Hamlet, he being weak and dispirited before, almost unhinged his mind, and drove him beside his reason. And he, fearing that it would continue to have this effect, which might subject him to observation, and set his uncle upon his guard, if he suspected that he was meditating anything against him, or that Hamlet really knew more of his father's death than he professed, took up a strange resolution, from that time to counterfeit as if he were really and truly mad ( . . . ).

   Hamlet, Prince of Denmark
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb

   Recent paperback editions include:
   * Tales from Shakespeare. Penguin Classics, 2007/12
   * Tales from Shakespeare. Signet Classics, 2007/06
   * Tales from Shakespeare. Puffin Classics, 1995/03

   Scanned book at University of Floria Digital Collections

   E-text at:
   * Mr. William Shakespeare and the Internet
   * Shakespeare-Literature.com
   * Project Gutenberg
   * Eldritch Press
   * Bartleby.com


■タイトル "Tales from Shakespeare" の日本語訳の異同
 Variations of the title translated into Japanese

  シェークスピア物語  永井 1966, 1970
  シェークスピア物語  河原 1927
  シェイクスピア物語  安藤 2008
  シェイクスピア物語  矢川 2001
  シェイクスピア物語  乾  1992,1984
  シェイクスピア物語  大場 1977, 2001
  シェイクスピア物語  福田 1968
  シェイクスピア物語  厨川 1963, 1979
  シェイクスピア物語  野上 1956, 1962
  シェイクスピア物語  坪内 1954
  シェイクスピア物語  阿部 1954
  シェイクスピア物語  松本 1952
  シェクスピア物語   堀江 1955
  シエークスピーア物語 木村/笹川 1916
  シエークスピヤ物語  中村 1936
  シエークスピヤ物語  峰尾 1927
  シエイクスピアー物語 後藤 1915
  シエクスピヤ物語   中村 1926
  セキスピヤ物語    品田 1886, 1999
  沙翁物語       野上 1932, 1987
  沙翁物語       平田 1927
  沙翁物語集      小松 1904, 1922, etc.


■外部リンク External links

   * Tales from Shakespeare - Wikipedia (1807)
   * Charles Lamb - Wikipedia (1775-1834)
   * Hamlet - Wikipedia
   * 神原文庫蔵『セキスピヤ物語』(品田太吉譯)


■更新履歴 Change log

2010/05/29 SOGO_e-text_library =責任編集 2007/02/10 を追加しました。
2008/12/12 坪内士行=訳 1954/12 を追加しました。
2008/12/11 木村秀夫=譯 笹川臨風=編 1916/02 を追加しました。
2008/10/16 阿部知二=訳 1954/05、および河原萬吉ほか=訳
         1927/04 を追加しました。
2008/09/11 大場建治=訳 2000/11 を追加しました。
2008/08/30 中村詳一=譯 1936/05、および小松武治=譯述 1904/06 を
         追加しました。また、「タイトル "Tales from Shakespeare"
         の日本語訳の異同」の項を新設しました。
2008/08/24 品田太吉=譯 1886/12 を追加しました。ただし、引用の
         正確さは未確認です。
2008/08/23 福田陸太郎=訳 1968/08 を追加しました。
2008/08/20 永井鱗太郎=文 1970/09、峰尾都治=譯 1927/12、および
         平田禿木=譯 1927/06 を追加しました。
2008/08/19 野上弥生子=訳 1987/07 を追加しました。この版は、これまで
         野上弥生子=訳 1956/05 と同じ項に含めていました。しかし、
         一般読者向けの前者(=岩波文庫旧版に拠る)と、児童向けの
         後者(=岩波少年文庫旧版)とでは、訳文がかなり異なります。
         したがって、別立てにして引用文を挙げることにしました。
2008/08/18 乾侑美子=訳 1992/05 を追加しました。


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Saturday, 16 August 2008

Another of the Same [a.k.a. Break of Day] by John Donne ジョン・ダン「夜明け」「夜あけ」

AC/DC - Baby, Please Don't Go

Uploaded to YouTube by Carlos Young on 7 Feb 2014


■はじめに Introduction

恋人たちに朝がおとずれる。――平安朝の「きぬぎぬの別れ」でも、ジャコビアン朝の「形而上詩人」でも、20世紀のブルースやハードロックにしても、歌うことは同じだ。


■Baby, Please Don't Go - Lyrics 歌詞

Baby please don't go
Baby please don't go
Baby please don't go down to New Orleans
You know I love you so
Baby please don't go

When the man done gone
When the man done gone
When the man done gone down the county farm
He got the shackles on
Baby please don't go
Don't leave me
 [Omission]


■ジョン・ダン「夜明け」の日本語訳
 Translations of John Donne's "Another of the Same" into Japanese

(J1) 湯浅 1995
本当に、夜明けだわ。だからどうなの。
まさか、起きて帰る気ではないでしょ。
明るくなっても、起きることはないわ。
暗くなったから、寝たのでもないのに。
闇夜でも、愛の神はここで会わせてくれた。
夜明けでも、このまま一緒にして欲しいわ。
 [以下略]


(J2) 長谷 1991
なるほど、夜明けよ——でも何だというの?
まあ、あなたは、だから起きるの、わたしから?
なぜに起きるの、わたしたち、明るいからなの?
夜が来たから寝たの? わたしたち。
暗闇なのにふたりを連れて来た恋の神さまは
明るくなってもふたりを離しちゃいけないのだわ。
 [以下略]

  • ジョン・ダン=作 長谷安生(ながたに・やすお)=訳 「夜明け」 長谷安生=訳 『ジョン・ダン抒情詩集』 成美堂 1991/04

(J3) 河村 1970
ええほんとに朝だわ だからどうなの?
だからもう起きて行くとおっしゃるの?
日が射すから起きなきゃなんて法はないでしょう?
日が落ちたから寝たというわけでもないでしょうに
闇夜にもかかわらず二人をここへ導いた愛ならば
日の光にもかかわらず二人を一緒にしておいてくれるべきよ
 [以下略]

  • ジョン・ダン=著 河村錠一郎(かわむら・じょういちろう)=訳 「夜明け」 『エレジー・唄とソネット』 古典文庫 現代思潮社 1970/06

(J4) 星野 1968
あらほんとに朝ですこと、でもそれがどうしたというの。
ああ、あたしのところから起きて行くのですか。
夜が明けたからからといって起きなければいけないの。
日が暮れたからといってあたしたちは寝たのですか。
夜の闇をいとわず二人をここに導いた愛なら、
日の光もいとわず二人を寝せておいてくれるはず。
 [以下略]

  • ジョン・ダン=作 星野徹=訳 「夜明け」 星野徹=訳編 『ダン詩集』 思潮社古典選書 1968/01

(J5) 篠田 1959
そうね、朝だわ——でもそれがどうしたの?
まあ、起きてこのまま行ってしまうつもり?
朝になったら起きなければいけないかしら?
わたしたちは 日がくれたから寝たのでしょうか?
くらくてもふたりをここまで連れてきた愛なら
あかるくてもふたりを離しはしないはずです。
 [以下略]


■ジョン・ダン「夜明け」のスペイン語訳
 Translations of John Donne's "Another of the Same" into Spanish

Es cierto, es ya de día, ¿y a nosotros
qué nos importa? ¿Piensas levantarte
de nuestra cama? ¿Por qué, porque hay luz?
¿Nos acostamos porque anochecía?
Amor, que aquí nos trajo a pesar de la noche,
debiera mantenernos juntos pese al día.
[Omission]


■ジョン・ダン「夜明け」の英語原文
 Another of the Same by John Donne - The original text in English

'Tis true, 'tis day ; what though it be?
O, wilt thou therefore rise from me?
Why should we rise because 'tis light?
Did we lie down because 'twas night?
Love, which in spite of darkness brought us hither,
Should in despite of light keep us together.
 [Omission]


■外部リンク External links


 

■更新履歴 Change log

  • 2012/07/04 スペイン語訳を追加しました。

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Thursday, 14 August 2008

Bitter Chocolate: Investigating the Dark Side of the World's Most Seductive Sweet by Carol Off キャロル・オフ 『チョコレートの真実』

 Images 
表紙画像 Cover photos

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■日本語訳 Translation into Japanese

序章 善と悪が交錯する場所

(……)バレンタインデーには、この甘い粒に寄せて「アイ・ラブ・ユー」のメッセージが伝わることになっている。「メリークリスマス」や「ハッピーバースデー」にもなるし、ハロウィーンには子供たちにに配られるお菓子に、復活祭には卵をかたどったイースターエッグにもなる。こうした行事を彩り、私たちの胃袋におさまるまでの長い旅が、このうだるような熱帯から始まっている。しかし、先進国で大切にされるそんなセレモニーの晴れやかな場面から、ここほど遠く隔たっている所はない。深緑色のコートジボワールの森の中、悪路を行きながら、私はそう感じる。
 
 
エピローグ 公正を求めて

チョコレートの物語は、公平とは何かということと深い関係がある。(……)公平さ、そしてその成長した兄ともいうべき正義は、チョコレートのような嗜好品の原料生産に当たる人々のもっと正当な扱いを求める。しかし公平を求めた人間たちは、彼らの道徳的潔癖さよりも強い力をもつ側によって無視され、打ち負かされた。彼らはエリートに立ち向かい、また倫理に鈍感な市場に立ち向かった。最大の障害は、一般消費者のどっちつかずの倫理観だった。不公正の非難にはいつでもすぐとびつくが、同時に世界の成果を可能な限り安い値段で享受することは譲らない。そうする権利は何もやましいことではないと、相変わらず多くの消費者は考えている。

   キャロル・オフ=著 北村陽子(きたむら・ようこ)=訳
   『チョコレートの真実』 英治出版 2007/09
   細目次も含めた内容詳細は ここ
 
 
■英語原文 The original text in English

Introduction: In the Garden of Good and Evil

( . . . ) the sweet morsels that ostensibly say, "I love you" on Valentine's Day, "Merry Christmas," "Happy Birthday," the Halloween treats; the Easter eggs--they started the long journey into our stomachs and our ceremonies here in this tropical hothouse. Yet I could not be farther away from those cherished ceremonies of life, the pageants of celebration and happiness in the developed world, than I am driving along these rutted paths through the jade-coloured forests of Côte d'Ivoire.

Epilogue: In All Fairness

The story of chocolate has a lot to do with what is fair. ( . . . ) Fairness or its grown-up sibling, justice, demanded a better deal for the people who produced the raw material for luxuries like chocolate. But they were ignored or vanquished by powers greater than their moral rectitude. They were up against elites and the ethical insensitivity of the marketplace. The greatest impediment of all was the moral ambiguity of a consuming public that has always been quick to decry injustice, but also determined to enjoy the fruits of the earth at the lowest prices possible. The right to do so is still considered, by many consumers, to be only fair.

   Bitter Chocolate : Investigating the Dark Side of the
   World's Most Seductive Sweet
   by Carol Off.  More details here.

   Excerpt at:
   * chapters.indigo.ca
   * RandomHouse.ca
   Quotation at:
   * Blogcritics Magazine
 
 
■個人的な体験 My personal experience

コートジボワールのお隣のガーナ。日本では、その名のついたチョコレートも発売されている。なので、ガーナもカカオ豆の産出国であることは、みなさんご承知だろう。1990年代の半ば、わたしは旅行者としてこの国に2か月滞在した。この間に、ホット・チョコレートを飲む機会が一度だけあった。

Lonely Planet といえば、日本における『地球の歩き方』とおなじぐらいに、英語圏で知名度の高い旅行ガイド・シリーズだ。そのアフリカ編に、首都アクラで「ホット・チョコレートが飲める唯一の店」というのが紹介されていた。場所は市内の中心部。行ってみると、ガーナ航空のオフィスのそばの、大通りに面したビルの1階にあった。

閑散とした店内。メニューには、たしかに「ホット・チョコレート」がある。注文すると、店員が袋から原料を取り出して、機械に入れていた。日本だと、紙コップで熱い/冷たい飲み物が出て来る自動販売機を見かける。あれの非常に原始的なタイプみたいな機械だ。しかも1種類(=ホット・チョコレート)の飲み物しか出ない。原料のココア・パウダーは、欧米からの輸入品であるように見えた。機械が店の奥のほうにあったので、よくは見えなかったが、袋にネスレかなにかのブランド名が印刷されているみたいだったのだ。
 
20分ぐらい待たされただろうか。ようやくホット・チョコレートが出てきた。作り方から容易に想像がつくだろう。インスタントの味だった。まずい。カカオ豆の本場には、おいしいホット・チョコレートを飲める店がない。たぶん1軒も。「フェア・トレード」とか「持続可能な」なんとかといったコトバを知る何年もまえの話。
 
 
■外部リンク External links

   * Carol Off - Wikipedia
   * Book review by Bonnie, 2007/01/11
 
 
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Monday, 11 August 2008

The Butterfly Hunter : Adventures of People Who Found Their True Calling Way Off the Beaten Path by Chris Ballard クリス・バラード『バタフライハンター—10のとても奇妙で素敵な仕事の物語』

 
■義眼づくり(ビデオ映像) Artificial Eye Maker: A Video

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Image source: SpokesmanReview.com

義眼技工士のキム・エリクソンは病気や怪我で失明した人のためにカスタムメイドの義眼を作っている。SpokesmanReview.com の短いビデオ(2分)を見るためには  ここ をクリックしてください。

Ocularist Kim Erickson creates custom artificial eyes for people who have lost an eye to disease or injury. To view a short video (2 min.), click here at SpokesmanReview.com.

   Photography and Audio Production by Colin Mulvany
   SpokesmanReview.com (c) 2007

   

■表紙画像その他 Cover photos, etc.

Leftバタフライハンター—10のとても奇妙で素敵な仕事の物語』日経BP社 (2007)
Centre The Butterfly Hunter: Adventures of People Who Found Their True Calling Way Off the Beaten Path. Broadway Books (2007)
Right Chris Ballard. Image source: Powells.com

↓  Click to enlarge  ↓

51sl0fxjal_2  41b8ic065cl_2  Chris_ballard

   

■日本語訳 Translation into Japanese

目玉職人

[略]

 ダンズがこのトリックを使うのは、もし「わたしは義眼技工士(オキュラリスト)です」と言えば、相手に医者のようなものと思われるだろうからだ。(……)そしてもし「わたしは義肢装具(義眼などを表す専門語)をつくっています」と言えば、腕や足の義肢をつくっている成形品工場で働いているところを想像されてしまうかもしれない。しかしまた、装具を表す最も知られた用語であるグラス・アイをつくっていると言えば、二つの点で正しくない。まず、この装具は現在はガラス製ではなく(……)次に、彼がつくるのは目玉全体ではなく、目の筋肉の上に納めるなかがくぼんだアクリル製の殻(……)で、子どもの頭に載せた自転車用のヘルメットのようなものだ。

[略]

「人からは『眼窩をのぞかなくちゃならないなんて』と言われますけど、眼窩は美しいとも思います。外科医の腕が良くてそこの組織がしっかりしていたなら、美しいんです」
 (……)ある人に天職を見つけたかどうか調べるリトマス試験紙を施すとしたら、一つの簡単な質問で結果を出せるかもしれない——自分の仕事の細部に美を見ていますか?

[略]

 こんな人たちがいた(……)、オフィスに来る前、目をさかさまにはめていたことに気づかずに熱心に説教していたというアフリカ系アメリカ人のペンテコステ派の牧師クローデット(本人の話によると、教区の人々はその日彼女が精霊と交信していると思ったらしい)(……)。ダンズはその一人ひとりに友人のようにあいさつする。ポラロイドカメラのおかげで(必ず一枚患者の写真を撮るようにしている)、いままでに診た患者のほぼ全員を覚えているという。珍しく感情を分析してみせた。「相手のために義眼をつくると、自分がその人の人生の一部になり、その人がわたしの人生の一部になるような気がするんです」

   クリス・バラード=著 渡辺佐智江(わたなべ・さちえ)=訳
   『バタフライハンター—10のとても奇妙で素敵な仕事の物語
   日経BP社 2007/11
 
 
■英語原文 The original text in English

The Eyeball Artisan

[Omission]

Danz uses this trick because were he to say, "I'm an ocularist," (pronounced ock-u-LAIR-ist), people would probably assume he was a doctor of some sort. ( . . . ) And if he said, "I make prostheses," which is the technical term for the eyes, people might envision him working in a plastic appendage factory, fashioning fake arms. Then again, if he said he made glass eyes, the best-known term for the prostheses, it would be incorrect on two accounts. First, the prostheses are no longer made of glass ( . . . ). Second, they aren't actually entire eyeballs, but rather concave acrylic shells that fit on top of the eye muscle ( . . . ) sort of like a bike helmet over a child's skull.

[Omission]

"People say, 'You have to look in eye sockets.' Well, I think there can be beauty in an eye socket. If the surgeon was good and there's good tissue in there, it can be beatutifu."
( . . . ) It occurred to me that if one were to design a litmus test for whether someone had found a calling, this could serve as it, in one easy question: do you see beauty in the details of your work?

[Omission]

I met, among others: ( . . . ); Claudette an African-American Pentecostal minister who, prior to coming into the office, had been preaching enthusiastically, unaware that she'd put in her eye upside down (the parishioners, Claudette, recounted, thought she'd really channelled the holy spirit on that day); ( . . . ) .  Danz greeted each like a friend. With the help of a Polaroid--he snaps one of every patient--he says he can remember almost everyone he's ever worked on. "I feel like once I make a prosthesis for someone, I become part of their life," he told me in a rare moment of emotional analysis. "And they become part of mine."

   The Butterfly Hunter: Adventures of People Who Found Their
   True Calling Way Off the Beaten Path
   by Chris Ballard
   Paperback: Broadway Books, 2007/04
   Hardcover: Broadway Books, 2006/04

   Excerpt at changethis.com (pdf)
 
 
■外部リンク External links

   * Chris Ballard - The eBook Store from Sony
   * 毎日新聞書評 2007/11/25 - 評者:小西聖子(こにし・たかこ)
 
 
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Sunday, 10 August 2008

The Canonization by John Donne ジョン・ダン 「聖列加入」「聖列参加」「列聖」

■はじめに——Canonization とは? Introduction: What is canonization?

   動詞 canonize の名詞形。
   CD-ROM版 ランダムハウス英語辞典(小学館 1999)によれば——

   can・on・ize v.t.
   【1】[教会] 列聖する, 聖者の列に加える.
   【2】賛美[称賛]する, …に栄光を与える.
   【3】(特に聖書の)正典と認める.
   【4】神聖視する.
   【5】(特に宗教的)権威をもって認める.
   【6】[古] 神に祭る.
   [c1380.中期英語. CANON]


■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese

(Zh1)
看上帝面上请住嘴,让我爱;
你可以指责我中风兼痛风,
可以笑我鬓斑白、家道穷,
且祝你胸有文采、高升发财,
你可以选定路线去谋官,
看重御赐的荣耀和恩典,
仰慕御容或他金铸的脸.
对你的路固然要刮目看待,
但是你要让我爱。
[略]

   多恩 〈宣布成圣〉
   E-text at:
   * 诗人 CNPoet.COM
   * 豆瓣 (douban.com)


(Zh2)
看着上帝的份,管着你的舌头,让我爱;
  或斥责我的瘫颠,或我的痛风;
  我的五种灰发,或蔑视毁了的前途;
财富说明你的状况,心灵被艺术提升;
    给你选一个航程,找一个地方,
    观察尊敬的法官,或崇敬的皇室;
或国王真实的,或他压到硬币上的脸
  凝思;你会赞许什么,
  这样你会让我爱。
[略]

   约翰-多恩 〈封圣〉
   E-text at 豆瓣 (douban.com)


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 久野 2000
後生だから黙って、ぼくに恋をさせてくれ。
 ぼくの中風や痛風をとがめても、
五本の白髪や破産を嘲ってもいい。
 君は富で地位を買い、学芸で精神を磨き、
  出世の道を選び、地位を獲得し、
  お偉方や、えらい坊さんにへつらい、
あるいは王様の尊顔や金貨に押された御顔を
 拝んでいいよ。君がやることはなんでも認めよう。
  だから、ぼくには恋をさせてくれ。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 久野幸子(くの・さちこ)=訳 「聖列加入」
   東中稜代(ひがしなか・いつよ)+小泉博一(こいずみ・ひろいち)=編
   『イギリス詩を学ぶ人のために』 世界思想社 2000/04 所収


(J2) 湯浅 1995, 1996
頼むから、口をつぐんで、僕に恋をさせてくれ。
  僕の中風(ちゅうぶう)や、痛風を責めたてるのも、
五本だけ残った白髪や、破産をなじるのもよい。
  財を築いて地位を買い、学芸で心を養い、
    出世街道を選んで、職に就き、
    お偉方や、お坊様に頭を下げ、
王様の玉顔を拝し、金貨に刻まれたその写しを
  眺める、やりたい邦題やるのは君の勝手。
  でも、僕には恋をさせてくれ。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 湯浅信之(ゆあさ・のぶゆき)=訳 「聖列加入」
   2a. 湯浅信之=訳 『ジョン・ダン全詩集』 名古屋大学出版会 1996/12 所収
   2b. 湯浅信之=編 『対訳 ジョン・ダン詩集—イギリス詩人選2
      岩波文庫 1995/01 所収
   引用は 2a. に拠りました。


(J3) 長谷 1991
後生だから、きみの口をつぐんで、ぼくの恋を放っておいてくれ。
 でなければ、ぼくの中風を、痛風を、
五本の白髪を、また財産の破滅をも罵りそしるがよい。
 きみは富で地位を、学問で精神を高めたまえ、
  出世の道をしっかりと進み地位を得たまえ、
  法官殿や閣下のご機嫌をとり結びたまえ、
また王様のほんとうのお姿や刻印された肖像を拝んで
 どちらでも讃えたい方を讃えたまえ。
  ぼくの恋を放っておいてくれさえすればよいのだ。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 長谷安生(ながたに・やすお)=訳 「列聖」
   長谷安生=訳 『ジョン・ダン抒情詩集』 成美堂 1991/04 所収


(J4) 川崎 1972, 1976
頼むからつべこべ言わずに おれの恋をほっといてくれ。
 おれの中風や痛風をとがめるならとがめるがいい。
五本の白髪を嘲り 家財蕩尽をわらうのもいい。
 きみ自身は富で身分を高め 学芸で精神を高めてくれ。
  まともな方針をたて まともな地位を得てくれ。
  閣下や 殿下を拝し、王様の生身の御姿や
貨幣に鋳造された御姿を つくづく拝むがよい。
 なんなりと讃えたいものを 讃えてくれ。
 ただ おれには 勝手に恋をさせてくれよ。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=著 川崎寿彦(かわさき・としひこ)=訳 「列聖」
   4a.豪華版 世界文学全集38 世界詩集』 講談社 1976/10 所収
   4b.世界文学全集48 世界詩集』 講談社 1972/01 所収
   引用は 4b. に拠りました。


(J5) 河村 1970
頼むから黙ってくれ 俺の恋には口はさまずに
 中風のくせにというならいえ
俺の五本の白毛 俺の破産を嘲けるがいい
君は富で身分を 学芸で心を向上させればいいさ
  出世の道をはずさずに 地位を得るがいい
  お偉方に腰を低くしへいつくばって
王の御尊顔 でなきゃ刻印された御尊顔を拝し奉っていればいい
 やりたいことは何でもやるがいいんだ
 そのかわり俺の恋に口出しするな
[以下略]
 
   ジョン・ダン=著 河村錠一郎(かわむら・じょういちろう)=訳 「聖列加入」
   『エレジー・唄とソネット』 古典文庫 現代思潮社 1970/06 所収


(J6) 星野 1968
どうか後生だから、黙ってぼくに恋をさせてくれ、
  ぼくの中風や痛風を咎めるのはいい、
やれ白髪が五本出たとか、財産を蕩尽したとかあざけるのもいい、
きみは財力で身分を、学芸で精神を向上させたまえ、
  一生の方針を立て、立派な地位につきたまえ、
  閣下や殿下には腰をひくくし、
王のあらたかな、また貨幣に刻印された竜顔を
  拝みたまえ。好きなように何でもやってみたまえ、
    だからぼくには恋をさせてくれ。
[以下略]

   ジョン・ダン=作 星野徹(ほしの・とおる)=訳 「聖列参加」
   星野徹=訳編 『ダン詩集』 思潮社古典選書 1968/01 所収


(J7) 篠田 1959, 1969, etc.
君、後生だから、黙ってて、ぼくの恋を放っといてくれ。
 ぼくの中風や痛風を咎めてくれていい。
生えだしたぼくの白髪や散財を嘲るのも君の勝手だ。
 君こそは、富で身分を、学問で精神を向上させたまえ。
  方針をしっかり立て、よき地位を作りたまえ。
  閣下殿や猊下(げいか)様をよく見倣いたまえ。
それとも、王様の御真姿なり、貨幣に刻まれた御姿なりを拝むのも結構だ。
 なんなりと君の讃えたいものを自由に讃えたまえ。
 だけど、ぼくには勝手に恋をさせてくれ。
[以下略]

   ジョン・ダン=作 篠田一士(しのだ・はじめ)=訳 「聖列加入」
   7a.筑摩世界文學大系88 名詩集』 筑摩書房 1991/09 所収
   7b.世界文学全集66 世界名詩集』 筑摩書房 1970/11 所収
   7c.カラー版 世界文学全集 別巻第1巻 世界名詩集
      河出書房新社 1969/05 所収
   7d.世界名詩集大成9 イギリス篇1』 平凡社 1959/10 所収
   引用は 7d. に拠りました。


 Video 1  「聖列加入」の朗読 Reading of The Canonization


■ロシア語訳 Translation into Russian

Молчи, не смей чернить мою любовь!
А там злорадствуй, коли есть о чем,
Грози подагрой и параличом,
О рухнувших надеждах пустословь;
Богатства и чины приобретай,
Жди милостей, ходы изобретай,
Трись при дворе, монарший взгляд лови
Иль на монетах профиль созерцай;
А нас оставь любви.

[Omission]

   Джон Донн - Канонизация
   Translated by Г. М. Кружкова
   E-text at Lib.Ru


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

Прошу, замовкни й дай мені любить,
Подагру гань мою й мій дрож,
Скронь сивину, й докори множ;
Зваж, що знайти могла б, що загубить.
Залиш, як є, чи все міняй,
Себе в молитвах вдовольняй
Й на інших погляд свій спиняй;
Сама вирішуй, що робить, --
Лиш дай мені любить.

[Omission]

   Джон Донн. Канонізація
   E-text at Український Центр (ukrcenter.com)


■ドイツ語訳 Translation into German

Um Gotteswillen, schweig und laß mich lieben!
Schilt meinen Schlagfluß, meine Gicht,
Fünf graue Haar' verspott, was mir gebricht;
Dein Geist sei und dein Wohlstand hoch getrieben,
Nimm eine Stelle ein im Rund,
Beachte Huld und Ehrenbund,
Betracht des Königs wahres Antlitz und
Auf Münzen das; folg deinen Trieben:
Wenn du nur mich läßt lieben!
[Omission]

   Die Heiligsprechung by John Donne
   E-text at Liebeskummer Forum


■イタリア語訳 Translation into Italian

Per amor di Dio, frenate quella linguaccia e lasciatemi amare;
Altrimenti, deplorate la mia paralisi o la mia gotta,
Schernite i miei quattro capelli grigi o la mia fortuna disastrata;
Pensate a migliorare il vostro stato col danaro e la vostra mente
Avviatevi alla carriera, fatevi una posizione; [con le Arti;
Rendete ossequio a Suo Onore o a Sua Grazia,
Altrimenti, contemplate la faccia vera del Re
O quella stampata sull’effigie. Approvate quello che volete,
E così mi lascerete amare.
[Omission]

   La canonizzazione by John Donne
   E-text at Canzoni e sonetti [PDF]


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Para a preensão da causa do deus sua lingüeta, e deixou-me amar,
ou chide meu palsy, ou meu gout,
meus cinco cabelos cinzentos, ou fortuna do ruin'd flout,
com riqueza seu estado, sua mente com artes melhora,
faz-lhe exame de um curso, começa-lhe um lugar,
observa-a sua honra, ou seu grace,
ou o rei real, ou sua cara carimbada contempla,
o que você, aprovar,
assim que você deixar-me-á amar.
[Omission]

   O Canonization by John Donne
   E-text at Bryant McGill


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
Para el asimiento del motivo del dios su lengüeta, y me dejó amar,
o regañar mi parálisis, o mi gout,
mis cinco pelos grises, o fortuna del ruin'd se burla de,
con abundancia su estado, su mente con artes  mejora,
le toma un curso, le consigue un lugar,
observa a su honor, o a su tolerancia,
o a rey verdadero, o su cara estampada
comtemplaba, qué usted, aprobar,
así que usted me dejará amar.
[Omission]

   La Canonización by John Donne
   E-text at:
   * instantesdeficcion.com.ar
   * Bryant McGill


(Es2)
Por Dios, callaos, y dejadme amar;
o si queréis, murmurad de mi perlesía, de mi gota,
de mis cinco cabellos grises, y burlaos de mi fortuna perdida;
mejorad con riquezas vuestra condición, con las artes vuestra mente;
abrazad un partido, conseguíos un empleo,
admirad a Su Honor, o a Su Gracia,
o la realeza del Rey, y contemplad su rostro acuñado;
aprobad lo que queráis,
pero dejadme amar.
[Omission]

   La Canonización by Juan Donne
   E-text at Scribd


■フランス語訳 Translations into French

(F1)
Pour la prise du saké de Dieu votre langue, et m'a laissé aimer,
ou réprimander ma paralysie, ou ma goutte,
mes cinq poils gris, ou fortune de ruin'd se moquent,
avec la richesse votre état, votre esprit avec des arts s'améliorent,
te prennent un cours, t'obtiennent un endroit,
observent son honneur, ou sa grace,
ou le roi vrai, ou son visage
embouti contemple, ce que tu, pour approuver,
ainsi tu me laisseras aimer.
[Omission]

   La Canonisation by John Donne
   E-text at Bryant McGill


(F2)
Grand Dieu ! retiens ta langue, et laisse-moi aimer,
Ou gronde ma paralysie, ou bien ma goutte,
Mes cinq cheveux gris ou raille ma banqueroute,
Que par la richesse et les arts soient sublimés
Ta vie et ton esprit, fais ta route, aie ta place,
Du roi observe donc ou l’Honneur ou la Grâce,
Contemple ou l’estampée ou la réelle face,
Quoique ce soit, au reste, il te faut l’affirmer,
Pour une seule fin : de me laisser aimer.
[Omission]

   La canonisation by John Donne
   E-text at guillaumedelaby.com


■英語原文 The original text in English

For God's sake hold your tongue, and let me love ;
    Or chide my palsy, or my gout ;
    My five gray hairs, or ruin'd fortune flout ;
With wealth your state, your mind with arts improve ;
        Take you a course, get you a place,
        Observe his Honour, or his Grace ;
Or the king's real, or his stamp'd face
    Contemplate ; what you will, approve,
    So you will let me love.
[Omission]

   The Canonization by John Donne

   Paperback editions include:
   * The Complete Poetry and Selected Prose of John Donne
    Modern Library, 2001/08
   * Complete English Poems: John Donne
    Penguin Classics, 1977/08

   E-text at:
   * Representative Poetry Online
   * Project Gutenberg Australia
   * The Literature Network
   * Luminarium.org


 Video 2  「聖列加入」のもう一つの朗読 Another reading of The Canonization


■外部リンク External links

 [en] English
   * John Donne - Wikipedia (1572-1631)
   * The John Donne Society
 [ja] 日本語
   * ジョン・ダン - Wikipedia (1572-1631)


■更新履歴 Change log

2013/01/29 ウクライナ語訳を追加しました。
2012/07/04 もう1種類の簡体字中国語訳を追加しました。
2012/06/07 ロシア語訳を追加しました。
2012/05/06 簡体字中国語訳、ドイツ語訳、イタリア語訳、ポルトガル語訳、2種類の
         スペイン語訳、および2種類のフランス語訳を追加しました。
2010/04/23 詩の朗読の YouTube 画面を追加しました。
2009/01/30 久野幸子=訳 2000/04 を追加しました。
2008/08/16 長谷安生=訳 1991/04 を追加しました。
2008/08/13 川崎寿彦=訳 1972/01 を追加しました。


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■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese

  

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The Triple Fool by John Donne ジョン・ダン 「三重の愚者」「三重の馬鹿」「三重の馬鹿者」「三重馬鹿」

           目次 Table of Contents

    Images  表紙画像 Cover photos
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 湯浅 1995, 1996
     (J2) 長谷 1991
     (J3) 河村 1970
     (J4) 星野 1968
     (J5) 篠田 1959
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■ドイツ語訳 Translation into German
   ■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
   ■スペイン語訳 Translations into Spanish
     (Es1)
     (Es2)
   ■フランス語訳 Translations into French
     (F1)
     (F2)
    Video 1  原詩の朗読 The Triple Fool presented by ContraPoints
    Video 2  原詩の朗読 The Triple Fool presented by Hans Ostrom
   ■英語原文 The original text in English
   ■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


 Images  表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. John_donne_okamura_makiko b. John_donne_poemes_sacres_et_profane c. John_stubbs_donne_the_reformed_soul


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 湯浅 1995, 1996
  僕は二重の馬鹿である。
まず、恋をする馬鹿、次に、すすり泣く
  歌でそれを物語る馬鹿。
でも、女が嫌と言わなければ、賢者だって
  僕のようになるだろう。
そこで僕は考えた。大地の腹の細く曲がった
水脈が、海の水から辛い塩を浄化するように、
  脚韻の苦痛を通して濾(こ)せば、
僕の恋の悩みも薄めることができるはずだと、
韻律に従わせれば、悲しみも楽になるだろう、
歌に閉じ込めれば、おとなしくなるだろうと。

 [略]

恋と悲しみにこそ、歌は捧げられるべきもの、
だが、読んで楽しい歌では逆効果。それでは、
  恋も悲しみも肥大するのだ。
かくして、恋と悲しみの勝利が広く知れ渡り、
二重の馬鹿であった僕は、三重の馬鹿となる。
小利口な奴こそ、まさに大馬鹿者なのである。


(J2) 長谷 1991
 わかってる、ぼくは二重の馬鹿者さ、
恋をしたうえ その内わけを
 めめしい詩歌(うた)に うたいこむ。
でも彼女がいやと言わぬなら
 賢者もするだろ、ぼくのように。
地球の中の細道が 海の粗塩(あらしお)清めるように
 ぼく思えらく、詩歌(うた)の調べに合わせ綴れば、
恋の悩みも薄らぐだろと。
悲しみは詩歌(うた)に入れると弱くなる、
詩人(うたびと)は詩歌(うた)で縛って飼いならすから。

 [略]

詩歌は恋につきものだけど、
声に出してはおもしろくない。
 その曲世間にひろまって
このぼくの恋と悩みをつのらせる。
ぼく二重馬鹿、三重馬鹿に昇格だ。
すこし利口は大馬鹿なのさ。

  • ジョン・ダン=作 長谷安生(ながたに・やすお)=訳 「三重の馬鹿者」 長谷安生=訳 『ジョン・ダン抒情詩集』 成美堂 1991/04

(J3) 河村 1970
 俺は二重の馬鹿だ わかってる
恋などして おまけにそれを
 ひゅうひゅうと小利口にも詩に嘆く
でも女がなびいた時には 俺と違って
 じっと抑える凉しい奴などいないだろう
海水は地下の迷路を抜けるうち苦い塩分が濾過される
 愛の苦しみは恋歌のややこしい押韻の則(みち)を走らせて
除去できるもの 韻律の足枷をはめるのだから
悲しみも詩にうたわれたら手なづけられて
その激しさも和らぐもの と思ったのさ

 [略]

詩は愛と嘆きに捧げるもの でも
読んで気が楽になるような捧げものどころか
 詩にうたわれるとせつない情がつのるだけ
愛と嘆きは詩となって巷に広められれば勝利者だが
すでに二重の馬鹿のこの俺はそこで三重馬鹿になる
ああ一寸の小利口こそ尺の大馬鹿だ

  • ジョン・ダン=著 河村錠一郎(かわむら・じょういちろう)=訳 「三重馬鹿」 『エレジー・唄とソネット』 古典文庫 現代思潮社 1970/06

(J4) 星野 1968
    ぼくは二重の馬鹿だ、全くのところ、
  恋をして、それをめめしい
    詩なんかにうたうのだから。
だがぼくの轍を踏まない利巧者がどこにいるか、
    彼女が無下に拒まないかぎりは。
それで、地下のねじれた狭い小路が
海水の苦い塩分を濾過するように、
  もし煩瑣な押韻をくぐらせるなら、
ぼくのこの苦しい想いも和ごうというものだ、
韻律につながれた悲嘆はそれほど烈しくはあるまい、
詩型の足枷をはめてしまえば、おとなしくなるはず。

 [略]

詩の貢物は愛と悲嘆に捧げられる、
だが読まれてみると気分がいいどころか、
  うたわれれば愛も悲嘆もつのるばかり。
愛と悲嘆の二つの凱歌は巷にあふれ、
二重の馬鹿であったぼくは、三重の馬鹿になる。
小利巧なものがいちばん馬鹿な目をみる。

  • ジョン・ダン=作 星野徹=訳 「三重の馬鹿」 星野徹=訳編 『ジョン・ダン詩集』 思潮社古典選書 1968/01

(J5) 篠田 1959
 僕は二重の馬鹿だ、全く。
恋して、それを女々しい詩なぞに
 うたうにいたっては。
だが僕のまねをしないような、賢い奴がどこにいようか。
 彼女が拒(こば)まない限り。
そこで僕は考えた。地の下の曲りくねったせまい小径(こみち)が、
海水の舌を刺す塩分(えんぶん)を濾過(ろか)するように、
 小うるさい押韻(おういん)の中を通せば、
僕の苦悩も和らげられると。
韻律につながれた悲恋はそれ程猛々しくはあるまい。
詩形の足かせをはめれば、馴らす事も出来るのだから。

 [略]

詩の貢(みつぎ)ものは愛と悲恋に捧げられる。
しかしそれが読まれた時は別問題だ。
 愛も悲恋もそんな唄にうたわれては一層つのる。
それら二つの勝利が人々の口にのぼると、
二重の馬鹿だった僕は、今や三重になる。
ちょっぴり利口な者が、結局一番馬鹿なのだ。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Я дважды дурнем был:
Когда влюбился и когда скулил
В стихах о страсти этой;
Но кто бы ум на глупость не сменил,
Надеждой подогретый?
Как опресняется вода морей,
Сквозь лабиринты проходя земные,
Так, мнил я, боль души моей
Замрет, пройдя теснины стиховые:
Расчисленная скорбь не так сильна,
Закованная в рифмы - не страшна.

 [Omission]

И без того любви приносит стих
Печальну дань; но песня умножает
Триумф губителей моих
И мой позор тем громче возглашает.
Так я, перемудрив, попал впросак:
Был дважды дурнем - стал тройной дурак.

  • Джон Донн - Тройной дурак. Translated by Г. М. Кружкова
  • E-text at Lib.Ru

■ドイツ語訳 Translation into German

Zwei Narren bin ich doch,
Erst lieb ich und dann sag ichs noch
In Versen, weinerlich.
Doch welcher Weise wär nicht gern wie ich,
Ergäb die Dame sich?
Wie im Gewirre unterirdischer Gänge
Das Meerwasser sein bittres Salz verliert,
So dacht ich, wenn mein Leid ich zwänge
Durch Irrwege des Reims, wär es kuriert.
Nicht mehr so wild ist der gezählte Gram,
Wer ihn in Verse fesselt, macht ihn zahm.

[Omission]

Der Liebe und dem Gram dient ein Gedicht,
Doch jenes nicht, das zu gefällig klingt,
Solch Lied vermehrt nur ihr Gewicht,
Weils ihren Sieg der Welt zu Ohren bringt.
Und ich, der ich zwei Narrn war, bin nun drei:
Ein bißchen Geist macht tollste Narretei.


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Eu sou dois tolos, eu sei
amando, e dizendo assim
na poesia lamentando-se;
Mas onde é que wiseman que não seria I,
se não negasse?
Então, enquanto o th ' liga à terra as pistas curvadas estreitas internas
removem o sal irritável das águas de mar afastado,
mim pensaram, se eu poderia extrair minhas dores
com o vexation das rimas, mim se allay.
O grief trazido aos números não pode ser assim que feroz,
porque domestica-o que fetters ele no verso.

[Omission]

O tributo para amar e de grief do verso pertence,
mas não de como satisfaz quando ' os tis lêem;
Ambos são aumentados por tais canções,
porque ambos seus triunfos assim que são publicados;
E I, que era dois fooles,  assim que cresce três;
Quem são um pouco sábios, os mais melhores tolos sejam. 


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
Soy dos tontos, ya lo sé,
por amar y por decirlo
en gemidora poesía.
Pero ¿dónde está ese sabio, que no sería yo,
si ella no dijera no?
Luego, como los íntimos y angostos senderos retorcidos de la tierra,
purgan la irritable sal del agua de mar,
pensé que si pudiera diseñar mis penas
en la molestia de la rima, podría calmarlas.
El dolor llevado a los números no será tan feroz,
pues quien lo aherroja en verso lo amansa.

 [Omission]

Al amor y al dolor pertenece el tributo del verso,
pero no de aquél que agrada al ser leído.
Ambos aumentan con esas canciones:
pues ambos publican así sus triunfos,
y yo, que fui dos tontos, me convierto en tres;
que quienes son un poco sabios, son los mejores tontos.


(Es2)
Soy dos tontos, sé para amar,
y para decir tan
en poesía de gimoteo;
¿Pero donde es que wiseman que no sería I,
si ella no negaría?
Entonces, como el th ' conecta a tierra los carriles torcidos
estrechos internos purgan la sal fretful de las aguas de mar lejos,
yo pensaron, si podría dibujar mis dolores
con el vexation de las rimas, yo si alivian.
La pena traída a los números no puede ser así que feroz,
porque él la domestica que los fetters él en verso.

[Omission]

El tributo para amar y de la pena del verso pertenece,
pero no de por ejemplo satisface cuando los ' tis leen;
Ambos son aumentados en tales canciones,
porque se publican ambos sus triunfos así que;
E I, que era dos fooles,  así que crece tres;
Quiénes son poco sabios, los mejores tontos sean.


■フランス語訳 Translations into French

(F1)
Je suis deux imbéciles, je connais
pour aimer, et pour dire ainsi
dans la poésie de pleurnicherie;
Mais où est que wiseman qui ne serait pas I,
si elle ne nierait pas ?
Puis, pendant que le Th 'met à la terre les ruelles tordues
étroites centripètes purgent le sel agité d'eaux de mer loin,
j'ont pensé, si je pourrais dessiner mes douleurs
par le vexation de rimes, je si elles apaisent.
La peine apportée aux nombres ne peut pas être si féroce,
parce que il l'apprivoise que des chaînes il dans le vers.

 [Omission]

Pour l'hommage aimer et de peine du vers appartient,
mais pas de comme satisfait quand les 'tis lisent;
Tous les deux sont augmentés par de telles chansons,
parce que leurs deux triomphes ainsi sont édités;
Et I, qui était deux fooles,  ainsi accroissent trois;
Qui sont peu des sages, les meilleurs imbéciles soient.


(F2)
Je suis doublement fou, je le sais,
Pour aimer et le dire ainsi
En bêlante poésie;
Mais quel homme sensé ne voudrait être moi
Si elle disait oui ?
Je croyais une fois qu'à l'égal des canaux
Pratiqués dans la terre
Qui purgent l'eau de mer du sel qu'elle contient
Il me serait aisé si j'attirais mes peines
Dans la contrainte du rythme de les alléger.
Soumise au nombre la douleur est moins farouche
Car c'est l'apprivoiser que l'enchaîner en vers.

 [Omission]

D'amour et de douleur les vers sont le tribut,
Mais non ceux-là qui plaisent à lecture.
Par de telles chansons, tous deux trouvent croissance
Car des deux le triomphe est ainsi publié,
Et moi, doublement fou, triplement le deviens,
Car un grain de sagesse achève un fou parfait.


 Video 1 
原詩の朗読 The Triple Fool presented by ContraPoints

Uploaded to YouTube by ContraPoints on 18 Mar 2013


 Video 2 
原詩の朗読 The Triple Fool presented by Hans Ostrom

Uploaded to YouTube by Hans Ostrom on Oct 13, 2010


■英語原文 The original text in English

    I am two fools, I know,
    For loving, and for saying so
        In whining poetry ;
But where's that wise man, that would not be I,
        If she would not deny ?
Then as th' earth's inward narrow crooked lanes
    Do purge sea water's fretful salt away,
I thought, if I could draw my pains
    Through rhyme's vexation, I should them allay.
Grief brought to numbers cannot be so fierce,
For he tames it, that fetters it in verse.

 [Omission]

To love and grief tribute of verse belongs,
    But not of such as pleases when 'tis read.
Both are increasèd by such songs,
    For both their triumphs so are published,
And I, which was two fools, do so grow three.
Who are a little wise, the best fools be.


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  • 「三重の愚者」………篠田 1959
  • 「三重の馬鹿」………星野 1968
  • 「三重の馬鹿」………湯浅 1995, 1996
  • 「三重の馬鹿者」……長谷 1991
  • 「三重馬鹿」…………河村 1970

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/05/07 目次を新設し、ドイツ語訳、ポルトガル語訳、および2種類のスペイン語訳を追加しました。
  • 2013/05/23 原詩の朗読の YouTube 動画をもう一つ追加しました。
  • 2012/07/04 ロシア語訳と2種類のフランス語訳を追加しました。
  • 2011/11/19 原詩の朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2008/08/15 長谷安生=訳 1991/04 を追加しました。

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Saturday, 09 August 2008

The Indifferent by John Donne ジョン・ダン 「こだわらぬ好き者」「破廉恥男」「無関心」「無差別」「無情者」「無節操な男」「無頓着者」

Left 対訳 ジョン・ダン詩集—イギリス詩人選2』 岩波文庫 (1995)
Centre La poesie de John Donne. Armand Colin (2001)
Right Alchimie der Liebe. Gedichte. Zweisprachig. Diogenes (2004)

↓ Click to enlarge ↓

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■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese

我可以爱白俊,也可以爱黑俏,
多人追求的,无人理睬的,
喜静的,爱演戏作乐的,
乡下生的,城市养的,
信人的,惹人的,
老在眼泪汪汪的,
像一块木塞那样从不流泪的,
我可以爱她,她,你,你,
任何人,只要她不忠诚。
[以下略]
 
   约翰·多恩 《无所谓》
   E-text at Maya Cafe
 
 
■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 湯浅 1995, 1996
色白も、色黒も、僕には愛せる。
贅沢にとろける女も、貧乏に負けて堕落した女も、
一人孤独を愛する女も、仮面劇や芝居を好む女も、
田舎で育った女も、都会で大人になった女も、
簡単に信用する女も、疑い深くて試す女も、
スポンジのような目で、泣きじゃくる女も、
コルクのように乾き切って、泣かない女も、
あの女でも、この女でも、君でも、君でも、
誰だって、不実な女であれば、僕は愛せる。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 湯浅信之(ゆあさ・のぶゆき)=訳 「無差別」
   1a. 湯浅信之=訳 『ジョン・ダン全詩集』 名古屋大学出版会 1996/12 所収
   1b. 湯浅信之=編 『対訳 ジョン・ダン詩集—イギリス詩人選2
      岩波文庫 1995/01 所収
   引用は 1a. に拠りました。
 
 
(J2) 長谷 1991
ぼくは肌の白い女も黒っぽい女も愛することができる、
富に溶ける女も、貧に身をあやまる女も、
独り居の好きな女も、仮面つけて踊る女も、
田舎育ちの女も、都会育ちの女も、
相手を信じこむ女も、相手をためす女も、
海綿のような眼でいつも泣く女も、
乾いているコルクのように決して泣かない女も、
ぼくは彼女を、また彼女を、きみを、またきみを愛することができる。
だれでも愛せるのだ、その人が不実でさえあればよいのだ。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 長谷安生(ながたに・やすお)=訳 「こだわらぬ好き者」
   長谷安生=訳 『ジョン・ダン抒情詩集』 成美堂 1991/04 所収
 
 
(J3) 西山 1990
ブロンドでもブルネットでも僕には愛せるよ。
贅沢暮らしの自堕落女、貧しさ故の零落女、
一人ぽっちでいたがる女、仮装舞踏会で踊る女、
ぽっと出の田舎娘、都会育ちの娘、
だまされ易い女、だまされない女、
海綿さながら涙もろい女、
乾いたコルクみたいにちっとも泣かない女、
僕にはみんな愛せるよ。
不実な女でありさえすれば。
[以下略]
 
   ジョン・ダン=作 西山良雄(にしやま・よしお)=訳 「無頓着者」
   西山良雄=著 『憂鬱の時代—文豪ジョン・ダンの軌跡
   松柏社 1990/10/25 所収
 
 
(J4) 簡野 1985
私は白い肌の女でも 栗色でもいゝ
金に負けようと 欲の塊でもいゝ
寂しがりやでも 猫かぶりでも
田舎風でも 都会風の女、
男を信じる女、さからう女、
スポンジのように ほろ/\泣く女、
固いコルクのように 泣かぬ女、
私はそんな女達が 皆好きだ。
私は誠実な女でなければ 誰でも好きだ。
 
   J・ダン=作 簡野正明(かんの・まさあき)=訳 「無関心」
   簡野正明=訳 『英詩珠玉集』 あぽろん社 1985/02 所収

   この本では、詩の全体(9行×3連=全27行)のうち、上の引用箇所、
   すなわち第1スタンザの9行だけが訳出されています。
 
 
(J5) 河村 1970
ぼくはみんな好きなんだ ブロンドもブルネットも
贅沢暮しの不身持ち女も 金のために体を売る娘(こ)も
孤独の好きな女も 浮かれ騒ぐのを好む女も
鄙の育ちも 都会の娘(こ)も
騙されやすい女も 用心深い女も
いつもぽたぽた涙をたらしている娘(こ)も
乾いたコルクのように泣くことを知らない娘(こ)も
どれでもかでも愛せる どのきみでも愛せるんだ
ただ不実な女(ひと)でありさえすれば
[以下略]

   ジョン・ダン=著 河村錠一郎(かわむら・じょういちろう)=訳 「破廉恥男」
   『エレジー・唄とソネット』 古典文庫 現代思潮社 1970/06 所収
 
 
(J6) 星野 1968
    ぼくには愛せる、色白の女も栗色の女も、
札びら切れば靡く女も、金が切れると性根のあらわれる女も、
孤りひきこもる女も、仮装して夜会に出たがる女も、
  田舎そだちの女も、都会そだちの女も、
    男を信じる女を[ママ]、男をためす女も、
    海綿のようにぽたぽた涙を垂らす女も、
  乾いたコルクみたいに決して泣かない女も。
  ぼくには愛せる、あの女も、この女も、おまえも、おまえも、
  ぼくにはどれでも愛せるのだ、女に実意さえなければだ。
[以下略]

   ジョン・ダン=作 星野徹=訳 「無節操な男」
   星野徹=訳編 『ダン詩集』 思潮社古典選書 1968/01 所収
 
 
(J7) 篠田 1959, 1969, etc.
色白の女も栗色の女も、
豪奢な生活をすれば色っぽくなる女も、金がほしくなると身をまかす女も、
さびしがりや女も、仮面をつけてあそぶことの好きな女も、
田舎育ちの女も、市の女も、
男を信ずる女も、男をためす女も、
海綿のようにいつまでもぽたぽた涙をながす女も、
乾いたコルクのように決して泣かない女も。
ぼくにはどんな女だって愛せる。
だれだって、誠意のない女だったらぼくは愛することができるのだ。
[以下略]

   ジョン・ダン=作 篠田一士(しのだ・はじめ)=訳 「無情者」
   7a.筑摩世界文學大系88 名詩集』 筑摩書房 1991/09 所収
   7b.世界文学全集66 世界名詩集』 筑摩書房 1970/11 所収
   7c.カラー版 世界文学全集 別巻第1巻 世界名詩集
      河出書房新社 1969/05 所収
   7d.世界名詩集大成9 イギリス篇1』 平凡社 1959/10 所収
   引用は 7d. に拠りました。
 
 
■英語原詩の朗読 Reading of the original English text

Uploaded by SpokenVerse on Feb 14, 2012


■英語原文 The original text in English

I can love both fair and brown ;
Her whom abundance melts, and her whom want betrays ;
Her who loves loneness best, and her who masks and plays ;
Her whom the country form'd, and whom the town ;
Her who believes, and her who tries ;
Her who still weeps with spongy eyes,
And her who is dry cork, and never cries.
I can love her, and her, and you, and you ;
I can love any, so she be not true.
 [omission]

   The Indifferent by John Donne

   Paperback editions include:
   * The Complete Poetry and Selected Prose of John Donne
    Modern Library, 2001/08
   * Complete English Poems: John Donne
    Penguin Classics, 1977/08

   E-text at:
   * The Literature Network
 
 
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「こだわらぬ好き者」……長谷 1991
  「破廉恥男」………………河村 1970
  「無関心」…………………簡野 1985
  「無差別」…………………湯浅 1995, 1996
  「無情者」…………………篠田 1959, 1969, etc.
  「無節操な男」……………星野 1968
  「無頓着者」………………西山 1990

 
 
■外部リンク External links

 [en] English
   * John Donne - Wikipedia (1572-1631)
   * The John Donne Society
 [ja] 日本語
   * ジョン・ダン - Wikipedia (1572-1631)
 
 
■更新履歴 Change log

2012/08/02 西山良雄=訳 1990/10/25 を追加しました。
2012/07/10 英語原詩朗読の YouTube 画面を追加しました。
2012/07/04 簡体字中国語訳を追加しました。
2008/08/15 長谷安生=訳 1991/04 を追加しました。
2008/08/10 星野徹=訳 1968/01 を追加しました。
 
 
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Friday, 08 August 2008

Антон Чехов - Чайка (4) The Seagull by Anton Pavlovich Chekhov (4) チェーホフ『かもめ』 (4)

« 1 2 3 The Seagull »
« 1 2 3 かもめ »


■はじめに Introduction

『かもめ 四幕の喜劇』の第四幕のセリフから下に引用する。


■表紙画像 Cover photos

Leftかもめ』 新読書社 (2006)
Centre かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー 群像社 (2002)
Right かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 (1967)

↓ Click to enlarge ↓

4788070588 192370 31462006

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2011
トレープレフ:(……)月夜の描写は長くて気取ってばかりだ・・・トリゴーリンなら使う手が決まってるから楽なもんだ・・・月夜だろ、土手の上に空き瓶の破片がきらきらしている。水車が影を落としている。それでできあがりだ。

   アントン・チェーホフ=作 佐藤康(さとう・やすし)=訳
   「かもめ」(マルコヴィッチ&モルヴァンによるフランス語版から)
   その9(最終回)
   四幕の喜劇 1895年オリジナル版
   とんぼのメガネ 2011/01/10


(J2) 浦 2010
トレープレフ:(……)月明かりの夜の描写は長ったらしいし、もったいぶっている。トリゴーリンなら彼一流のやり方があって、こんなもの造作もないんだ……。やつなら、堤防の上に割れたボトルの口がきらりと光り、水車の影が黒ずんでいたとか書けば、月夜の描写は一丁上がりだ。

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳
   『かもめ』 岩波文庫 2010/01/15


(J3) 沼野 2008
トレープレフ:(……)月夜の描写は長たらしくて、凝りすぎだ。トリゴーリンは自分の手法を編み出したから、彼にはお手のものだけれど……。あの男なら、割れたガラス瓶のくびが土手できらめき、水車の車輪が黒い影を投げている——それでもう月夜のいっちょ上がり。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 沼野充義=訳
   「かもめ—四幕のコメディ」 『すばる』 集英社 2008年7月号収載
   この翻訳を使用した舞台「かもめ」(演出:栗山民也、出演:藤原竜也、
   鹿賀丈史ほか)は、東京・大阪・広島・名古屋を巡業中。公演「かもめ」
   公式サイト(ホリプロ)は こちら。公式ブログは こちら


(J4) 中本 2006
トレープレフ:(……)月夜の描写は長たらしく、凝りすぎだ。トリゴーリンは、手法がきまっているから、楽なもんだ…… あいつなら、土手の上にこわれた瓶(びん)の首がきらきら光って、水車の影が黒く見える—それでもう月夜はできあがり。

   アントン・チェーホフ=作 中本信幸=訳
   『かもめ』 新読書社 2006/07


(J5) 堀江 2002
コースチャ:(……)月夜のシーンは長いし、凝り過ぎだ。トリゴーリンは自分の手法を身に付けているから、簡単でいい。彼の場合、土手の上の割れたガラス瓶が光って、水車の影が暗く見える——これで月夜ができあがり。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 堀江新二=訳
   『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー4 群像社 2002/11


(J6) 堀内 2000-2005
トレープレフ:(……)月夜の描写も長ったらしいし、クドい。トリゴーリンだったらきっと、例の小技でやっつけちまうでしょう。「土手にきらめく割れた瓶と、水車の黒い影」……これで月夜ができちまう。

   アントン・チェーホフ=作 堀内仁=訳
   「かもめ現代演劇翻訳テキスト集
   Copyright (c) LABO! & Horiuchi Jin, 2000-2005
   LABO! の公演用に訳出されたもの。以下のような注記があります:

   なにより「面白い」上演のためのテキストたらんことを望みました。
   そのため、原書に対しては必ずしも忠実ではありません。
   また、アカデミックな研究には寄与するものではないことをご了解ください。


(J7) 小田島 1998
トレープレフ:(……)月夜の描写がまた——長すぎるし、凝りすぎてる。トリゴーリンは独特の小技(こわざ)を身につけてきたから——苦労しないですむんだ……貯水池の土手に割れた壜の首がキラキラ光り、そのかたわらに水車の影が黒々と落ちている——これでもう月夜ができてしまう。

   アントン・チェーホフ=作 小田島雄志=訳
   『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス126 1998/12
   マイケル・フレインの英訳(The Seagull, translation by Michael Frayn, 
   Translation copyright (c) 1988, 1991)からの重訳


(J8) 松下 1988, 1993, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描写が長たらしくて、しゃれすぎてるんだ。トリゴーリンなら手が決まってるから楽なもんだ……。あいつなら、土手に割れた瓶(びん)のくびがきらきらしてて、水車の影が黒く見える——それでもう月夜ができるんだ。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   a. チェーホフ戯曲選』 水声社 2004/09 所収
   b.チェーホフ全集11 三人姉妹・桜の園』 ちくま文庫 1993/10 所収
   c.チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988/06 所収
   引用は c. に拠りました。


(J9) 木村(浩) 1979
トレープレフ:(……)月夜の描写なんて、長ったらしくて、凝りすぎている。でも、トリゴーリンなんかは手法が決ってるから、楽なもんだ。奴さんなら、土手の上に割れたびんの首がキラキラ光っていて、水車の黒い影がみえる——まあ、こんなところで月夜の描写は片がつくわけだが(……)

   チェーホフ=作 木村浩=訳 「かもめ」
   『世界文学全集39 チェーホフ』 学習研究社(学研) 1979/09/01 所収
   傍点は下線で置き換えました。


(J10) 原 1978, 1991
トレープレフ:(……)月夜の描写も長たらしくて、気取りすぎてるな。トリゴーリンなら、自分の手法を作りだしてるから、たやすいもんだ……あの男なら、土手の上に割れた壜(びん)の首が光っていて、水車の影が黒く落ちていれば、それでもう月夜は出来上がりだからな。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「かもめ」
   a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   b.集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
     1978/04 所収
   引用は a. に拠りました。


(J11) 木村(彰) 1976
トレープレフ:(……)月夜の描写は長ったらしいし、それに凝りすぎている。トリゴーリンは完成された自分の手法があるから、仕事は楽なもんだ……あの男なら、こわれたびんの口がきらきら土手の上に光っていて、水車の影が黒く落ちていると書けば、もう月夜ができあがっちまう。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「かもめ」
   『豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収


(J12) 石山+飯田 1960
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   チェーホフ=作
   石山正三(いしやま・しょうぞう)+飯田規和(いいだ・のりかず)=訳
   「かもめ」
   『ポータブル・チェーホフ』 ポータブル・ライブラリィ
   パトリア・ブックス22 パトリア書店 1960/05 所収


(J13) 中村 1959
トレープレフ:(……)月夜の描写は長すぎるばかりか、こりすぎだ。トリゴーリンにはもうちゃんと型ができているから楽なもんだ……あの男の手にかかると、土手の上にこわれた罎の口がきらきら光って、水車の影が黒くなっている——これでもう立派に月夜ができあがるのだ。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「かもめ」
   『新版世界文学全集20 桜の園・三人姉妹
   新潮社 1959/01 所収


(J14) 倉橋 1956
トレープレフ:(……)月夜の描写は長ったらしい上に、凝りすぎている。トリゴーリンは自分の手法をちゃんと作ってしまっているからな、楽なもんだ……あの男なら、土手の上に毀れた壜の口がきらきら光って、水車の影が黒く映つている——これでもう月夜が出来あがってしまう。

   チェーホフ=作 倉橋健(くらはし・たけし)=訳 「かもめ」
   『チェーホフ名作集』 白水社 1956/09/20 所収


(J15) 神西 1954, 1967, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描写が長たらしく、凝りすぎている。トリゴーリンは、ちゃんと手法がきまっているから、楽なもんだ。……あいつなら、土手の上に割れた瓶(びん)のくびがきらきらして、水車の影が黒く落ちている——それでもう月夜ができあがってしまう。

   チェーホフ=作 神西清=訳「かもめ」
   a. 青空文庫 電子テキスト作成作業中
   b. 新潮世界文学23 チェーホフ』 新潮社 1969/07 所収
   c.チェーホフ全集12 戯曲2』 中央公論社 1968/10 所収
   d.かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 1967/09 所収
   e.世界文学全集 第1期 第12』 河出書房 1954 所収

   神西訳は、以上のほか多数の版に収められています。その詳細なリストは、
   たとえば 『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』 岩波文庫(改版)
   2004/09 の巻末にある「神西清訳のチェーホフ作品」で見ることができます。
   a. の底本は d.。引用は d. に拠りました。


(J16) 湯浅 1952, 1976
トレープレフ:(……)月の晩の描写は長くて凝りすぎている。トリゴーリンは自分の手法を作ってしまっているからな、あの男は楽なんだ……あの男の場合は、堤(どて)の上に毀れた壜の口が光っていて、水車の車輪の影が黒ずんでいる——ほら、これで月夜はちゃんとできている。

   チェーホフ=作 湯浅芳子=訳
   a. かもめ』 岩波文庫(改版)1976/05
   b. 『かもめ』 岩波文庫(初版)1952/05
   引用は a. に拠りました。


(J17) 中村 1935
トレープレフ:(……)月夜の描冩は長過ぎるばかりか、綺麗すぎる。トリゴーリンにはもうちやんと立派に型が出來てゐるから樂なもんだ……あの男の手にかゝると、土手の上に、毀れた罎の口がきら/\光つて、水車の影が黒くなつてゐる——これでもう立派に月夜が出來上るのだ。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯
   『チェーホフ全集13 かもめ』 金星堂 1935/07(昭和10)


(J18) 米川 1923, 1964, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描冩は長つたらしくて、苦しさうだ。トリゴーリンは手法がちやんと決つて了つてるから樂なもんだ……あの男に書かせれば、土手の上に破れた壜の口がきら/\光つて、水車の影が黒く映つてゐる——これでもう月夜が出來上つて了ふのだ。

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「かもめ」
   a. 中村白葉〔ほか〕=訳
     『決定版ロシア文学全集15 チェーホフ1』(全35巻)
     日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   b. 中村白葉、原久一郎〔ほか〕=訳
     『ロシア・ソビエト文学全集22 チェーホフ1』(全35巻)
     可愛い女 ヴァーニャ伯父さん 三人姉妹 かもめ
     六号室 犬をつれた奥さん 他
     平凡社 1964/05 所収
   c. 近代劇大系 第14卷 露西亞篇2
     近代劇大系刊行會 非賣品 1923/08(大正12)所収
   引用は c. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

TREPLEV.- ( . . . ) La descripción del anochecer bañado por la luz de la luna, es larga y rebuscada... Trigorin ha dado ya con un estilo, y le resulta más fácil. . . ¡Con decir que el cuellecito roto de la botella brilla en la presa, y que negrea la sombra de la rueda del molino, tiene ya hecha la descripción de la noche de luna ( . . . )

   La gaviota by Anton Pavlovich Chejov
   Translated by E. Podgursky
   E-text at
   * World Public Library
   * Biblioteca Digital de Estudios Sociales (DOC)
   * Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes


■ソ連映画 『チェーホフのかもめ』 監督: ユーリー・カラーシク Part 10
 Chayka / The Seagull (1970) directed by Yuli Karasik - Part 10

チェホフのかもめ (1971) - allcinema 下に引用する台詞が現れるのは1:10あたりから。 The lines quoted below appear around 1:10.


■英訳 Translations into English

(E1) Deemer, 2004
TREPLEV: ( . . . ) My description of a moonlit night is too long and precious. Trigorin has it all worked out, writing is easy for him: a broken piece of bottle, glittering on the dam; a mill wheel casts a dark shadow - and there's his moonlit night. ( . . . )

   The Seagull Hyperdrama
   A play with simultaneous action
   based on Chekhov's The Seagull
   Charles Deemer
   Sextant Books, 2004
   Paperback: Three Moons Media, 2004

   E-text at
   * Ibiblio Deemer Literary Archive
   * The Seagull Hyperdrama (PDF)


(E2) Calderon, 1912
TREPLIEFF. ( . . . ) This description of a moonlight night is long and stilted. Trigorin has worked out a process of his own, and descriptions are easy for him. He writes that the neck of a broken bottle lying on the bank glittered in the moonlight, and that the shadows lay black under the mill-wheel. There you have a moonlight night before your eyes ( . . . )

   The Sea-Gull, A Play in Four Acts
   by Anton Checkov
   Translated by George Calderon

   First published in:
   Two Plays by Tchekhof: The Seagull, The Cherry orchard
   Grant Richards: London, 1912.
   Scanned images of this edition at Internet Archive
   
   E-text at
   * Project Gutenberg
   * vtheatre.net
   * Landscapes in Russian Literature and Art (PDF)
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■ロシア語原文 The original text in Russian

Треплев:  Описание лунного вечера длинно и изысканно. Тригорин выработал себе приемы, ему легко... У него на плотине блестит горлышко разбитой бутылки и чернеет тень от мельничного колеса — вот и лунная ночь готова ( . . . )

   Антон Павлович Чехов - Чайка
   E-text at
   * ilibrary.ru
   * Landscapes in Russian Literature and Art
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■Bibliography on translations into English

   * Anton Chekhov Biography
    (Andreas Teuber Home Page)


■外部リンク External links

   * The Seagull - Wikipedia
   * Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   * Anton Chekhov - drama21c.net
   * The Seagull - Mahalo
   * かもめ (チェーホフ) - Wikipedia
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2012/04/09 木村浩=訳 1979/09/01 の訳文を挿入しました。
2012/03/03 佐藤康=訳 2011/01/10 を追加しました。
2011/05/13 「はじめに」の項と、ソ連映画 『チェーホフのかもめ』の YouTube
         動画を追加しました。
2010/04/07 浦雅春=訳 2010/01/15 を追加しました。
2010/01/06 倉橋健=訳 1956/09/20 を追加しました。
2009/08/28 木村浩=訳 1979/09 の書誌情報を追加しました。訳文は
         追って挿入するつもりです。
2008/08/20 木村彰一=訳 1976/10、中村白葉=訳 1959/01、
         中村白葉=譯 1935/07、および米川正夫=訳 1923/08 を
         追加しました。また、神西清=訳の書誌情報を補足しました。


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London Labour and the London Poor by Henry Mayhew ヘンリー・メイヒュー 『ロンドン路地裏の生活誌』

 Video 1 
Timewatch - Voices of Victorian London - Coster Man

Uploaded by sistermiller on Apr 24, 2008. This is a depiction of the real interview that Henry Mayhew did with a Costermonger in the Nineteenth century. It clearly shows how the normal man thought about things in they day's.


 Video 2 
Timewatch - Voices of Victorian London - Mary, A Coster Girl

Uploaded by sistermiller on Apr 25, 2008. This video is based on an actually interview made in the nineteenth century by Henry Mayhew of a sprout girl in London. It highlights the low level of education of the working person in that era. This extract was taken from a tv series called "Voices of Victorian London" which was on in 1996 and was acted by Sara Stephens.


■表紙画像 Cover photos

a.図説「最悪」の仕事の歴史』 原書房 (2007)
b. The Worst Jobs in History: Two Thousand Years of Miserable Employment. Pan Books, New edition (2007)
c. The Worst Jobs in History: The Most Unenviable Jobs of the Last Two Thousand Years. Boxtree Ltd (2004)
d. London Labour and the London Poor Wordsworth Classics of World Literature (2008)
e. London Labour and the London Poor. Penguin Classics (2007)
f. Victorian London Street Life in Historic Photographs. Dover Publications (1994)

↓  Click to enlarge  ↓

a. 51ipmdlx2bll b. 41guqyxewql c. 41bhh369d4l

d. 51rnsjinmbl e. 51y8ekhjxul f. 51tk2wq73hl


■日本語訳 Translation into Japanese

この宿からたくさんの女の子——ほとんど全員——が街の中に出て行って、自分の好きな男の子のために売春してお金を稼いでくるの。お金が稼げない子は、何か盗まなくちゃ駄目ね。そうしないと、帰ってから「彼」にぶたれちゃうもの。女の子がぶたれたり、血で目が見えなくなるまで殴る蹴るの暴行をよく受けるのを見たことがあるわ。女の子が倒れても靴で蹴って、歯が折れてしまうこともあった。男の子は男の子で、一日じゅう外に出て盗みに精を出すの。食料品を盗んで来ると、宿の主人がそれを買い上げて、寄宿者に売るのよ。宿で警官の姿を見たことはないわ。夜、男の子が文無しで、盗んだベーコンとか何か泊まり客に売れるようなものとか、ハンカチとか何かそういうものもないのに宿にやって来たら、一言「それじゃ、盗みに行きな!」と言われるだけで、泊めてはもらえないわ。女の子だって同じあつかいよ。

   「ある娼婦の話」
   a. ヘンリー・メイヒュー=著 ジョン・キャニング=編 
     植松靖夫(うえまつ・やすお)=訳
     『ヴィクトリア時代 ロンドン路地裏の生活誌(上)
     原書房 1992/11

   上の本は、最近出たつぎの本の中で、たびたび引用されています。
   b. トニー・ロビンソン+デイヴィッド・ウィルコック=著
     日暮雅通(ひぐらし・まさみち)+林啓恵(はやし・ひろえ)=訳
     『図説「最悪」の仕事の歴史』 原書房 2007/09
   
   c. The Illustrated Mayhew's London: The Classic Account of
     London Street Life and Characters in the Time of Charles Dickens
     and Queen Victoria.
     Written by Henry Mayhew, Edited by John Canning,
     Introduced by Asa Briggs.
     London: Weidenfeld & Nicolson, 1986.
      
   d. The Worst Jobs in History: The Most Unenviable Jobs
     of the Last Two Thousand Years
     by Tony Robinson.
     Boxtree Ltd, 2004/11.
 
   a. の原書はc.b. の原書は d.c. は下の e. のグラフィック版。


■英語原文 The original text in English

Many a girl -- nearly all of them -- goes out into the streets from this penny and twopenny house, to get money for their favourite boys by prostitution. If the girl cannot get money she must steal something, or will be beaten by her 'chap' when she comes home. I have seen them beaten, often kicked and beaten until they were blind from bloodshot, and their teeth knocked out with kicks from boots as the girl lays on the
ground. The boys, in their turn, are out thieving all day, and the lodging-house keeper will buy any stolen provisions of them, and sell them to the lodgers. I never saw the police in the house. If a boy comes to the house on a night without money or sawney, or something to sell to the lodgers, a handkerchief or something of that kind, he is not admitted, but told very plainly, 'Go thieve it, then.' Girls are treated just the same.

   Statement of a Prostitute
   e. London Labour and the London Poor, Volume 1
     by Henry Mayhew
     First published in book form (three volumes) in 1851.
     This book derives from a series of articles (which began in 1849)
     in The Morning Chronicle newspaper.
   
   Recent paperback editions include:
   * Wordsworth Classics of World Literature, 2008/03
   * Penguin Classics, 2007/03
   
   E-text at:
   * Electronic Text Center, University of Virginia Library


■外部リンク External links

   * London Labour and the London Poor - Wikipedia
   * Henry Mayhew - Wikipedia (1812-1887)
   * The Worst Jobs in History - Wikipedia
   * The Worst Jobs in History - Channel 4


■更新履歴 Change log

2012-08-04 2本の YouTube 動画を追加しました。


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Sunday, 03 August 2008

Rubaiyat of Omar Khayyam. Translation by Edward FitzGerald, etc. オマル・ハイヤーム『ルバーイヤート』『ルバイヤート』『ルバイヤット』 エドワード・フィッツジェラルドによる英訳ほか

          目次 Table of Contents

   ■はじめに Introduction
   ■凡例 Legend
    Cover photos  表紙画像
   ■台湾語訳(繁體字) Translation into Taiwanese
   ■中国語訳 (C) Translations into Chinese
      (C1) 張, (C2) 黃, (C3) 郭
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     ◎ペルシア語原典から (P)
       (P1) 岡田, (P2) 陳, (P3) 黒柳, (P4) 黒柳, (P5) 黒柳, (P6) 沢, (P7) 小川
     ◎フィッツジェラルド英訳から (F)
       初版から:(F11) 秋國, (F12) 井田, (F13) 尾形, (F14) 森 1969,
            (F15) 森, (F16) 矢野
       第2版から:(F21) 竹友
       第3版から:--
       第4版から:(F41) 長谷川, (F42) 矢野, (F43) 蒲原
       第5版から:(F51) 矢野
     ◎マッカーシー英訳から (M)
       (M1) 片野
     ◎その他の日本語訳 (J)
       (J1) 金子, (J2) 安斎, (J3) 山主
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■フランス語訳 Translation into French
    Video 1  フィッツジェラルドによる英訳の朗読-1 Audiobook 1
    Video 2  フィッツジェラルドによる英訳の朗読-2 Audiobook 2
   ■英訳 Translations into English
     ◎フィッツジェラルドによる英訳 (E)
       (E1) 初版 (1859)
       (E2) 第2版 (1868), 第3版 (1872)
       (E3) 第4版 (1879), 第5版 (1889)
     ◎散文訳と韻文訳:Heron-Allen vs Talbot
   ■ペルシア語原文(現代音に拠る音訳) Phonetic transcription in Persian
   ■『ルバイヤート』日本語訳の翻訳小史
     A short history of Rubaiyat in Japanese translation
   ■表記の異同 Transliteration variations in Japanese
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

『ルバイヤート』の数々の歌のうち、とくに有名な一編があります。フィッツジェラルド英訳の初版では28番、第2版と第3版では31番の番号が振られている作品です。この作品の、さまざまな訳と原文を下に掲載します。


■凡例 Legend

以下の各引用文冒頭の数字は詩篇の通し番号。版により、収録詩篇の総数や配列が異なるので、番号は一致しません。番号の付いていない版もあります。


 Cover photos  表紙画像

↓  Click to enlarge  ↓

a. Zh_en_rubaiyat b. Ja_51x42qsvvbl c. En_rubaiyat_of_omar_khayyam


■台湾語訳(繁體字)
 Translation into Taiwanese (in traditional Chinese characters)

   沙卡布拉揚 (A. D. Sakabulajo)=訳 《露杯夜陶 (Rubaiyat)》 緑蔭社 1996
   初の台湾語訳。


■中国語訳 (C) Translations into Chinese (C)

(C1) 張 2002
   作者:歐瑪爾・海亞姆 譯者:張鴻年
   『魯拜集』 木馬文化 2002/01
   繁體中文 ISBN: 9574697592


(C2) 黃 1956, 1987
   2a. Rubaiyat of Omar Khayyam.
     Bookman Publishing, Taiwan, 1987. 詳細は ここ
   2b. 譯者:黃克孫 『魯拜集』 啓明書局(台北) 1956
     Published by Taipei: Chi Ming Books, 1956.
     七言絶句体を用いて唐詩のような雰囲気を出している由。
   フィッツジェラルド英訳からの重訳。2a.2b. を復刊し、英語の原詩を
   付したもの。


(C3) 郭 1924, 2003
   作者:莪默・伽亞謨 譯者:郭沫若
   3a. 魯拜集』 中國社科 ISBN: 7500438273. 2003/09
   3b. 『魯拜集』 泰東圖書局 1924
   フィッツジェラルド英訳と中国語訳を対照したもの。
   初版は 3b.。中国語訳の方は自由詩体。


■ペルシア語原典からの日本語訳 (P)
 Translations into Japanese from the original Persian (P)

(P1) 岡田 2009
31.
少年の頃、しばらくは師のもとに通い、
やがて学識を誇らしく思ったもの。
だが、そうして辿(たど)りついた結末を見るがいい。
水のようにながれ来て、風のように去るだけ。

   オマル・ハイヤーム=著 岡田恵美子(おかだ・えみこ)=編訳
   『ルバーイヤート』 平凡社ライブラリー 2009/09/10


(P2) 陳 2004
30.
年幼く師につきし時
かつて学びに心足りたり
されど終りに臨みて聞ける言葉は
われら土より来(きた)り風の如く去ると

   オマル・ハイヤーム=原著 陳舜臣(ちん・しゅんしん)=著
   『ルバイヤート』 集英社 2004/02


(P3) 黒柳 1983
134.
幼い頃にはしばし師の許に通い
しばし己が学識を喜んだ
言葉の結びを聞け われらはどうなったか
土から現われて 風のごとく去る

   オマル・ハイヤーム=著 黒柳恒男(くろやなぎ・つねお)=訳注
   『ルバーイヤート』 大学書林 1983/09


(P4) 黒柳 1980
幼い頃にはしばし師の許に通い
長じてはしばし己が学識を誇った
だがわれらが達した結論を聞け
水のごとく来て、風のごとく去る

   オマル・ハイヤーム=著 黒柳恒男(くろやなぎ・つねお)=訳
   『ペルシアの詩人たち』 オリエント選書2 東京新聞出版局 1980/06 所収


(P5) 黒柳 1964, 1974
[該当する詩篇は見あたりません - tomoki y.]

   オマル・ハイヤーム=著 黒柳恒男(くろやなぎ・つねお)=訳
   5a. 「ルバイヤート」 『筑摩世界文學大系9 インド・アラビア・ペルシア集
      筑摩書房 1974/03 所収
   5b. 「ルバイヤート」 『世界文學大系68 アラビア・ペルシア集
      筑摩書房 1964/08 所収


(P6) 沢 1960
[該当する詩篇は見あたりません - tomoki y.]

   オマル・ハイヤーム=著 沢英三=訳 「ルバイヤート」
   『世界名詩集大成18 東洋』 平凡社 1960/05 所収


(P7) 小川 1948, 1979, etc.
37.
幼い頃には師について学んだもの、
長じては自ら学識を誇ったもの。
だが今にして胸に宿る辞世の言葉は——
 水のごとくも来り、風のごとくも去る身よ!
 
   オマル・ハイヤーム=作 小川亮作(おがわ・りょうさく)=訳
   7a.ルバイヤート』 青空文庫電子テキスト
     入力: 土屋隆 校正: 高柳典子 2006/07 アップロード
   7b.ルバイヤート』 ワイド版岩波文庫 1993/04
   7c.ルバイヤート』 岩波クラシックス 1983/01
   7d.ルバイヤート』 岩波文庫(改版)1979/09
   7e.ルバイヤート』 岩波文庫(初版)1949/01
   7a. の底本は 7d.。引用は 7b. に拠りました。


■フィッツジェラルド初版 (1859) からの重訳 (F1)
 Translation from FitzGerald's first edition (1859) into Japanese (F1)
 
(F11) 秋國 1996
28.
彼らといっしょに知恵の種子をまいて、
手間をかけて育ててみたが、
 刈り取った収穫はただこの一事——
「わしは水のようにやって来た、そして風のように去る。」

   オーマー・カイヤーム=原著 エドワード・フィッツジェラルド=英訳
   秋國忠教(あきくに・ただのり)=訳注
   『新釈 ルーバイヤート』 開拓社 1996/10


(F12) 井田 1989
28.
彼らにならって 私も知恵の種を播き
労をおしまず この手でそれを育てたもの。
かくして 私の収穫は——
「水のごとく生れきて風のごとく去る この定め。」

   オウマ・カイヤム=著 エドワード・フィッツジェラルド=英訳
   井田俊隆(いだ・としたか)=訳
   『ルバイヤート—オウマ・カイヤム四行詩集』 南雲堂 1989/04
   英訳詩併載


(F13) 尾形 1984, 1987
知恵の実を 教への道に われ蒔きて
すべてを忘れ 心より いそしみつとめ
育てしに 刈り入れたるは この教へのみ
「流るる水よ 飛ぶ雲よ この生命(いのち)とは」

   ウマル・ハイヤアム=原著 尾形敏彦(おがた・としひこ)=訳
   13a. ルバイヤアト—ペルシアの詩』 あぽろん社 改訂版 1987/10
   13b.ルバイヤアト—ペルシアの詩』 あぽろん社 1984


(F14) 森 1969(口語訳)
28.
わたしも人にまじって知恵の種をまき、
労をいとわずつちかって育てもしたが、
わたしの取り入れたものは一掴(つか)みの言葉だった、
「水のようにおれは来て、風のように去ってゆく。」

   オーマー・カイヤム=著(ハイヤーム=作) 森亮=訳 「ルバイヤット」
   『カラー版 世界文学全集 別巻1 世界名詩集』 河出書房新社 1969/05 所収


(F15) 森 1939, 1941, etc.(文語訳)
28.
人の蒔くなる智慧の種、我も交(まじ)りて蒔きにけり。
われ自らの手を勞(らう)しそを伸ばさんとつとめしが、
終(つひ)の日にわが刈り得てしこれや唯一の取入れぞ、
『水のごと我は來たりて風のごと我はゆくなり。』

   15a. フィッツジェラルド=作 森亮=訳
      「ルバイヤット—オーマー・カイヤムの四行詩」
      篠田一士=編 『世界文学全集66 世界名詩集』 筑摩書房 1970/11 所収
   15b. フィツヂェラルド=作 森亮=譯
      「ルバイヤット—オーマー・カイヤムの四行詩」
      『ルバイヤット』 新ぐろりあ叢書 ぐろりあ・そさえて
      定價一圓四十錢 1941/06(昭和16)
   15c. フィツヂェラルド=作 森亮=譯 「ルバイヤット」
      雑誌『コギト』 1939(昭和14)年2月號〜4月號収載。詳細は ここ
   初出は 15c.。引用は 15b. に拠りました。


(F16) 矢野 1937, 1938, etc.
28.
われ自らも智慧の種子(たね)
蒔き培(つちか)ひて知り得しは
ただ「水のごと生れ来て
風のごと去る」運命(さだめ)のみ。

   16a. オマル・カイヤーム=著 矢野峰人(やの・ほうじん)=訳
      「四行詩集」
      『ルバイヤート集成』 国書刊行会 2005/01 所収
      朝日新聞 (2005/03/20) 書評
   16b. 奥瑪開儼=作 矢野峰人=譯 『四行詩集—古代波斯
      日孝山房(臺北)限定版 非賣品 1938/05(昭和13)
   16c.「波斯四行詩集」 『媽祖』(台湾の西川満が主宰した文芸雑誌)
      1937-1938(昭和12〜13)収載
   初出は 16c.。引用は 16a. に拠りました。


■フィッツジェラルド第2版 (1868) からの重訳 (F2)
 Translation from FitzGerald's second edition (1868) into Japanese (F2)
 
(F21) 竹友 1921, 1930, etc.
31.
智慧の實をかれらとともにわれ蒔(ま)きぬ。
わが手もてこれを培ひ、およすげぬ。
かりいれにわが刈(か)り獲(え)しはこれなりき、——
『水ごとわれ來り、風ごと逝(ゆ)く。』

   21a. オマル・ハイヤーム=著 エドワード・フィッツジェラルド=英訳
      竹友藻風(たけとも・そうふう)=訳
      『ルバイヤート—中世ペルシアで生まれた四行詩集
      英語併記 マール社 2005/11
   21b. オマア・カイヤム=原詩 エドワァド・フィツジェラルド=英譯
      竹友藻風=譯 『世界文學全集37 近代詩人集
      新潮社 非賣品 1930/05(昭和5)所収
   21c. オオマア・カイアム=著 竹友藻風=譯
      『アルス泰西名詩選 ルバイヤット』 アルス 1921/03(大正10) 
   引用は 21b. に拠りました。


■フィッツジェラルド第3版 (1872) からの重訳 (F3)
 Translation from FitzGerald's third edition (1872) into Japanese (F3)
 
[第3版はつぎの第4版とほぼ同じです - tomoki y.]
 
 
■フィッツジェラルド第4版 (1879) からの重訳 (F4)
 Translation from FitzGerald's fourth edition (1879) into Japanese (F4)
 
(F41) 長谷川 1957, 1967
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   41a. 長谷川朝暮(はせがわ・ちょうぼ)=著 『留盃夜兎衍義
      吾妻書房 1967
   41b. 長谷川朝暮=著『赤き酒』 吾妻書房 1957


(F42) 矢野 1925, 1926, etc.
28.
われ自らも智慧の種子(たね)
蒔き培(つちか)ひて知り得しは
ただ「水のごと生れ来て
風のごと去る」運命(さだめ)のみ。

   42a. オマル・カイヤーム=著 矢野峰人=訳 訳詩集『黒き猟人』より
      『ルバイヤート集成』 国書刊行会 2005/01 所収
   42b.黒き猟人—矢野峰人譯詩集』 大木書房(台北)
      1943/09(昭和18)
   42c. 矢野峰人=著 『近代英詩評釈』 三省堂 1935/02(昭和10)所収
   42d. 『四行詩集』 三省堂 100部限定 1935(昭和10)
   42e. オオマア・カイヤアム「四行詩集」
      雑誌『英語青年』1925/10(大正14)〜1926/05(大正15)
   初出は 42e.。引用は 42a. に拠りました。


(F43) 蒲原 1908, 1957, etc.
賢し教に智慧の種子播きそめしより
われとわが手もておふしぬ、さていかに、
収穫どきの足穂はと問はばかくのみ——
『水の如われは來ぬ、風の如われぞ逝く。』

[原典はつぎのとおり総ルビ]
賢(さが)し教(をしへ)に智慧(ちゑ)の種子(たね)播(ま)きそめしより
われとわが手(て)もておふしぬ、さていかに、
収穫(とりいれ)どきの足穂(たりほ)はと問(と)はばかくのみ——
『水(みづ)の如(ごと)われは來(き)ぬ、風(かぜ)の如(ごと)われぞ逝(ゆ)く。』

   オマアカイアム=作 フィッツジェラルド=英訳
   蒲原有明=日本語訳 『ルバイヤツト』より
   43a.精選名著複刻全集近代文学館5 有明集
      日本近代文学館=発行 図書月販=発売 1972/06 所収
   43b. 日本近代文学大系18 土井晩翠・薄田泣菫・蒲原有明集
      (全60巻)角川書店 1972/03 所収
   43c.現代日本文學大系12
      土井晩翠・薄田泣董・蒲原有明・伊良子清白・横瀬夜雨・河井醉茗・
      三木露風・日夏耿之介集
      筑摩書房 1971/11 所収
   43d. 矢野峰人=編 『明治文學全集58 土井晩翠・薄田泣董・蒲原有明集
      筑摩書房 1967/04 所収
   43e.定本 蒲原有明全詩集』 河出書房 1957/02 所収
   43f.有明集』 易風社 1908/01(明治41)所収
      スキャン画像を国立国会図書館 近代デジタルライブラリー『有明集』で
      閲覧することができる。
   43g.文章世界』や『芸苑』に、1907(明治40)年、収録された数篇の訳。
   収録本は、以上のほか多数。43a.43f. の復刻版。単行本初出は
   43f.。雑誌初出は 43g. 。引用は 43b. に拠りました。


■フィッツジェラルド第5版 (1889) からの重訳 (F5)
 Translation from FitzGerald's fifth edition (1889) into Japanese (F5)
 
(F51) 矢野 1959, 1966, etc.
28.
博士賢者ともろともに、智慧の種子(たね)蒔き
みづからの手もて培(つちか)ひそだてしが、
わが刈り取りし智慧の実は、ただ人の世の
水のごと流れ来りて、風のごと去るてふ一事。

   5a. オマル・カイヤーム=著 矢野峰人=訳 「波斯古詩 現世経」
     『ルバイヤート集成』 国書刊行会 2005/01 所収
   5b. オーマー・カイヤーム=作 矢野峰人=訳
     『るぅばぁいやぁと—波斯古詩』 大雅洞 125部限定 1966
   5c. オマル・カイヤーム=著 矢野峰人=訳 「波斯古詩 現世経」
     『波斯古詩 現世経』(全2巻) 大雅洞 110部限定 1959


■マッカーシー英訳 (初版 1889) からの重訳 (M)
 Translation from McCarthy's English translation (1889) into Japanese (M)
 
上に引用した篇に相当する訳文があるかどうかは未確認。

(M1) 片野 1914, 1936, etc.
   1a. オマル・ハイヤーム=原著
     ジャスティン・ハントリー・マッカーシー=英訳
     片野文吉(かたの・ぶんきち)=訳
     『ルバイヤット』 ちくま学芸文庫 2008/12
     読売新聞 (2009/01/14) の関連記事
   1b. オオマア・カイアム=原著 片野文吉=訳
     『ルバイヤット』 龍星閣 1936/06 (昭和11)
   1c. オオマア・ケエヤム=原著 マツカシイ=英訳 片野文吉=訳
     『ルバイヤツト』 開文館 1914/03 (大正3)


■その他の日本語訳(抄訳、原典未確認のものなど) (J)

(J1) 金子2003
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   オマル・ハイヤーム=作
   ムハムマド・アリ・フルギー(Furughi, Muhammad 'Ali)
   +カシム・ガニ(Ghani, Qasim)=撰
   金子民雄(かねこ・たみお)=訳 『ルバイヤート
   胡桃書房 非売品 2003/12


(J2) 安斎 1973
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   安斎七之介(あんざい・しちのすけ)=著 『ルバイヤート
   太玄書房 1973
   上記書名は背表紙による。表紙の書名は:
   Rubaiyat of Omar khayyam as rendered into English verse
   by Edward FitzGerald


(J3) 山主 1967
[児童向け抄訳。10篇を収録。この記事でとりあげた篇は含まれていません - tomoki y.]

   オマル・ハイヤーム=原作 山主敏子(やまぬし・としこ)=訳・文
   「ルバイヤート」
   川端康成〔ほか〕=監修 『少年少女世界の名作文学42 東洋編1
   小学館 1967 所収


■ロシア語訳 Translation into Russian

Завел я грядку Мудрости в саду.
Ее лелеял, поливал -- и жду...
Подходит жатва, а из грядки голос:
"Дождем пришла и ветерком уйду".

   Рубаи [tho-0081]
   автор Омар Хайам
   Translated by Иван Тхоржевский (Ivan Tkhorzhevsky)
   E-text at Wikilivres


■フランス語訳 Translation into French

J'ai eu des maitres éminents.
Je me suis réjoui de mes progrès, de mes triomphes.
Quand j'évoque le savant que j'étais,
Je le compare à l'eau qui prend la forme du vase
Et à la fumée que le vent dissipe.

   Robaiyat de Omar Khayyam
   Translated from Persian by Franz Toussaint, Paris, L'Édition d'art H. Piazza, 1925
   Quoted in Mélanges Roland Fietier by François Lassus
   Presses Univ. Franche-Comté, 1984/01/01


 Video 1 
フィッツジェラルドによる英訳の朗読-1
The Rubaiyat of Omar Khayyam as Translated by Edward Fitzgerald - 1
Read by Lloyd James

下に引用した篇は 6:07 あたりから。 Uploaded by poetictouch2012 on Feb 29, 2012. The stanza quoted below starts around 6:07.


 Video 2 
フィッツジェラルドによる英訳の朗読-2
The Rubaiyat of Omar Khayyam as Translated by Edward Fitzgerald - 2
Read by Tom O'Bedlam

下に引用した篇は 1:33 あたりから。 Uploaded by SpokenVerse on Nov 5, 2008. The stanza quoted below starts around 1:33.


■フィッツジェラルドによる英訳 (E)
 Translations into English by Edward FitzGerald (E)

(E1) 初版 First edition (1859)
28.
With them the Seed of Wisdom did I sow,
And with my own hand labour'd it to grow:
And this was all the Harvest that I reap'd-
"I came like Water, and like Wind I go."


(E2) 第2版および第3版 Second edition (1868) and Third edition (1872)
31. (2nd ed.) or 28 (3rd ed.)
With them the seed of Wisdom did I sow,
And with my own hand wrought to make it grow:
And this was all the Harvest that I reap'd--
"I came like Water, and like Wind I go."


(E3) 第4版および第5版 Fourth edition (1879) and Fifth edition (1889)
28.
With them the seed of Wisdom did I sow,
And with mine own hand wrought to make it grow;
And this was all the Harvest that I reap'd--
"I came like Water, and like Wind I go."

   Rubaiyat of Omar Khayyam
   by Omar Khayyam (1048-1122)
   Rendered into English Verse by Edward FitzGerald (1809-1883)

   E-texts of all of the above five editions found at:


■ヘロン=アレンによる散文訳とタルボットによる韻文訳
 The prose translation by Heron-Allen and the poetic version by Talbot

(E4) エドワード・ヘロン=アレンによる散文訳
  The prose translation by Edward Heron-Allen
121.
A teacher once we sought, when young, to find
Wisdom that for a while contents the mind;
And from the whole discourse what did we learn? -
We come like water and depart like wind.


(E5) アーサー・B・タルボットによる韻文訳
  The poetic version by Arthur B Talbot
121.
For a while, when young, we frequented a teacher,
for a while we were contented with our proficiency;
behold the foundation of the discourse: - what happened to us?
we came in like water and we depart like wind.
 
   Source: Minerva's Page - Rubaiyat Prose Translation


■ペルシア語原文の現代音に拠る音訳
 Transliteration of the original Persian text based on the
 contemporary pronunciation

134.
yek chand be-kudaki be-ostad shodim
yek chand be-ostadiye khod shad shodim
payane sokhan shenou ke ma ra che rasid
az khak dar-amadim o bar bad shodim

   Source:
   オマル・ハイヤーム=著 黒柳恒男(くろやなぎ・つねお)=訳
   『ルバーイヤート』 大学書林 1983/09
   Accent marks are omitted.


■『ルバイヤート』日本語訳の翻訳小史
 A short history of Rubaiyat translated into Japanese

南條武則によれば、エドワード・フィッツジェラルドによる『ルバイヤート』英訳の本邦への紹介は、ラフカディオ・ハーンの東京帝国大学における講義が、もっとも早いものだろうとされている由。そのあと、1899(明治32)年には上田敏が "The Victorian Lyre" という教科書用のアンソロジーに、フィッツジェラルドの第4版を原文で全文収録した。

本邦初訳、つまり日本語訳としての最初のものは、1908(明治41)年に出版された詩集『有明集』に収録された6篇だとされる。これら6篇は、いずれも蒲原有明がフィッツジェラルドの第4版を底本として訳出したもの。すなわち、重訳かつ抄訳。そのうちの最後の1篇が、上に引用した (F43) である。

日本語の全訳として最初のものは、1910(明治43)年に出た蠣瀬彦蔵による『Rubaiyat of Omar Khayyam 英国ふいつぜらるど波斯天文家私人おまあかいやむ四行歌百句』。これにつづく初期のまとまった邦訳としては、1913 (大正2)年の大住訳、マッカーシー英訳からの重訳である、1914(大正3)年の片野文吉訳 (M1) などがある。その後の重要な全訳としては、1921(大正10)年の竹友藻風によるもの (J21)、昭和期の代表的な訳としては、森亮によるものがある。森氏の訳には、いくつかの版があり、文語訳 (F15) も口語訳 (F14) も出ている。

ペルシア語の原典から直接翻訳したものとしては、1920(大正9)年の荒木茂による訳が最初。その後、小川亮作訳 (P6)、澤英三訳、黒柳恒男訳 (P2, P3) などが続いた。近年、陳舜臣による訳 (P1) も出た。

フィッツジェラルドによる英訳版『ルバイヤート』をこんにち翻訳するとは、どういうことか? これはすなわち、11〜12世紀のペルシア人が書いたペルシア語作品を19世紀半ばのイギリス人が英訳したものを、さらに20〜21世紀の日本人が日本語に移すという作業である。そのような作業の意義については、秋国忠教が『新釈 ルーバイヤート』で詳しく論じている。(文中敬称略)

   以上は、おもにつぎの文献に拠って tomoki y. がまとめました。

  • 南條竹則 「ルバイヤートと矢野峰人」 『ルバイヤート集成』 国書刊行会 2005/01
  • 南條竹則 「解説」 オマル・ハイヤーム=原著 ジャスティン・ハントリー・マッカーシー=英訳 片野文吉=訳 『ルバイヤット』 ちくま学芸文庫 2008/12
  • 高遠弘美 「幸福なる少数者のために——矢野峰人讃」 『ルバイヤート集成』 国書刊行会 2005/01
  • 「邦訳書抄覧」 井田俊隆=訳 『ルバイヤート—オウマ・カイヤム四行詩集』 南雲堂 1989/04
  • 秋國忠教 「『ルーバイヤート』を翻訳するということ——覚え書き」 『新釈 ルーバイヤート』 開拓社 1996/10
  • 矢野峰人 「オーマー・カイヤムの翻訳」 『矢野峰人選集1』 国書刊行会 2007/06

■表記の異同 Transliteration variations in Japanese

 A) Omar Khayyam
  ウマル・ハイヤアム……尾形 1984, 1987
  オーマー・カイヤーム…秋国 1996
  オーマー・カイヤム……森 1969(口語訳)
  オーマー・カイヤム……森 1939, 1941, etc.(文語訳)
  オウマ・カイヤム………井田 1989
  オオマア・カイアム……片野 1936
  オオマア・カイアム……竹友 1921
  オマア・カイヤム………竹友 1930
  オマアカイアム…………蒲原 1908
  オオマア・ケエヤム……片野 1914
  オマル・カイヤーム……矢野 2005
  オマル・ハイヤーム……岡田 2009
  オマル・ハイヤーム……片野 2008
  オマル・ハイヤーム……陳 2004
  オマル・ハイヤーム……金子 2003
  オマル・ハイヤーム……山主 1967
  オマル・ハイヤーム……黒柳 1964, 1974, etc.
  オマル・ハイヤーム……小川 1948, 1979, etc.
    [未確認]     安斎 1973
    [未確認]     長谷川 1967

 
 B) Rubaiyat
  ルーバイヤート…………秋国 1996(英語の発音に準拠した由)
  ルバーイヤート…………岡田 2009
  ルバーイヤート…………黒柳 1983
  ルバーイヤート…………長谷川 1967
  ルバイヤート……………竹友 2005
  ルバイヤート……………矢野 2005
  ルバイヤート……………陳 2004
  ルバイヤート……………金子 2003
  ルバイヤート……………井田 1989
  ルバイヤート……………安斎 1973
  ルバイヤート……………山主 1967
  ルバイヤート……………黒柳 1964, 1974
  ルバイヤート……………小川 1948, 1979, etc.
  ルバイヤアト……………尾形 1984, 1987
  ルバイヤット……………森 1969
  ルバイヤット……………森 1939, 1941, etc.
  ルバイヤット……………片野 1936, 2008
  ルバイヤット……………竹友 1921, 1930
  ルバイヤツト……………片野 1914
  ルバイヤツト……………蒲原 1908


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013/04/04 ロシア語訳とフランス語訳を追加しました。
  • 2012/07/10 フィッツジェラルドによる英訳の朗読の、もうひとつの YouTube 動画を追加しました。
  • 2010/05/15 フィッツジェラルドによる英訳の朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/09/22 岡田恵美子=編訳 2009/09/10 を追加しました。
  • 2009/02/14 ジャスティン・ハントリー・マッカーシー=英訳(初版 1889) の片野文吉による日本語への重訳 2008/12 に関する書誌情報を追加しました。また、『ルバイヤート』日本語訳の翻訳小史の項を加筆修正しました。
  • 2008/08/27 尾形敏彦=訳 1987/10 を追加しました。
  • 2008/08/06 井田俊隆=訳 1989/04 および3種類の矢野峰人=訳を追加しました。また、全文にわたって、大幅に加筆修正しました。
  • 2008/08/03 黒柳恒男=訳 1983/09 およびペルシア語原文の現代音に拠る音訳を追加しました。

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Saturday, 02 August 2008

Death, be not proud (Holy Sonnets: Divine Meditations 10) by John Donne ジョン・ダン 「死よ、驕るなかれ」 (聖なるソネット:神に捧げる瞑想 10)

           目次 Table of Contents

 Cover photos  表紙画像
■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese
  (Zh1) 汪剑钊
  (Zh2)
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) Tad, 2005
  (J2) 松浦 2000
  (J3) 湯浅 1995, 1996
  (J4) 平井 1990, 2003
  (J5) 簡野 1985
  (J6) 石井 1979
  (J7) 佐山 1976
  (J8) 竹友 1951, 1982
  (J9) 中野+矢川 1950
■ハンガリー語訳 Translations into Hungarian
  (Hu1) Képes
  (Hu2) Kosztolányi
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
■ポーランド語訳 Translation into Polish
■スウェーデン語訳 Translation into Swedish
■ドイツ語訳 Translations into German
  (D1) Paley
  (D2)
■オランダ語訳 Translation into Dutch
■イタリア語訳 Translations into Italian
  (It1)
  (It2)
■ポルトガル語訳 Translation into Portugal
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translations into French
  (F1)
  (F2)
 Video 1  Death Be Not Proud, a song by Audrey Assad
 Video 2  Holy Sonnet 10 presented by Pearls Of Wisdom
 Video 3  Holy Sonnet 10 read by David Barnes
 Video 4  Holy Sonnet 10 read by Tom O'Bedlam
 Video 5  Holy Sonnet 10 performed by Julian Glover
 Video 6  Holy Sonnet 10 read by Baron S. Cameron
 Video 7  Holy Sonnet 10 recited by Emma Thomson in TV movie Wit (2001)
■英語原文 The original text in English
■翻訳の異同 Variations of translation
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


 Cover photos  表紙画像

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a. 51bsrbb9kml b. 311tandwvjl_2 c. 51h8cqkfr0l_2


■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese

(Zh1) 汪剑钊
死神,你莫骄横,尽管有人将你看得
如何强大,如何可怖,你呀,名不符实;
你自以为已经把芸芸众生毁灭,
可怜的死神,他们没死.你至今还杀不死我;
 [略]
人们小憩一会,精神便得以永远清朗,
便再不会有死亡,死神你自己将死亡。


(Zh2)
死神,你莫骄傲,尽管有人说你
如何强大,如何可怕,你并不是这样;
你以为你把谁谁谁打倒了,其实,
可怜的死神,他们没死;你现在也还杀不死我.
 [略]
睡了一小觉之后,我们便永远觉醒了,
再也不会有死亡,你死神也将死去.

  • 死神,你莫骄傲 约翰-多恩 《神圣十四行诗》
  • E-text at 百度空间

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) Tad, 2005
死よ驕るなかれ、お前は強く恐ろしいと
誰かが言ったかもしれないが、お前はそうではないのだから、
お前が打ち負かしたと思っている人は
死んだのではないのだから、可哀想にお前は私を殺すことはできないのだから。
 [略]
一眠りが終われば、私達は永久に目覚める、
死はもういなくなる、そして死よ、今度はお前が死ぬのだ。


(J2) 松浦 2000
死よ 驕るなかれ おまえが 強大で恐ろしいと
いうものもいるが じっさい そうではない。
おまえが 殺せると思っている者も おろかな死神よ、
死ぬことはないし また 私を殺すこともできない。
 [略]
みじかい死の眠りが 過ぎれば われわれは
永遠(とわ)に眠り もはや 死のかげもない。
死よ おまえは もう終わりだ。

   ジョン・ダン=作 松浦暢(まつうら・とおる)=訳
   「死よ驕(おご)るなかれ」
   松浦暢=編訳 『英詩の歓び—青春、そして夢と追憶
   平凡社ライブラリー 2000/10 所収


(J3) 湯浅 1995, 1996
死よ、思い上がるな。なるほど、或る人たちは、お前は
強くて恐ろしいと言っている。だが、そうではないのだ。
何故なら、お前が打ち倒したつもりの人々は、誰一人も
死なないのだ、哀れな死よ。お前は、この私も殺せない。
 [略]
短い一眠りが経つと、我々は永遠に目覚めることになる。
その時には、死は消滅する。死よ、お前が死ぬのである。

   ジョン・ダン=作 湯浅信之(ゆあさ・のぶゆき)=訳
   「聖なるソネット(神に捧げる瞑想)10」
   3a. 湯浅信之=訳 『ジョン・ダン全詩集』 名古屋大学出版会 1996/12 所収
   3b. 湯浅信之=編 『対訳 ジョン・ダン詩集—イギリス詩人選2
      岩波文庫 1995/01 所収
   引用は 3a. に拠りました。


(J4) 平井 1990, 2003
死よ、驕(おご)るなかれ、たとえ連中がお前を強大で恐るべき者と
  呼んだとしてもだ——お前はそんな者では全然ない。
  お前が亡ぼしたと自惚(うぬぼ)れている相手にしても、
死んでなんかいない、——私だってお前に殺せはしないのだ。
 [略]
  ほんの束の間の仮睡から覚めれば、永遠の命がやってくる。
  つまり死はなくなる。死よ、お前は死んでしまうのだ。

   ジョン・ダン=作 平井正穂=訳「死よ、驕るなかれ」
   4a. 谷川俊太郎=編 フジ子・ヘミング=装画 『祝魂歌
      ミッドナイト・プレス=発行 青雲社=発売  2003/07 所収
   4b. 平井正穂=編 『イギリス名詩選』 岩波文庫 1990/02 所収
   引用は 4b. に拠りました。


(J5) 簡野 1985
人は君を 恐ろしいと思えど
驕るか 死よ
君が倒すと思いし 人も死なず
憐れや われも死せず
 [略]
 我等束(つか)ぬまの眠りから永遠に目覚む
 されば 死もなし あゝ君は死したり

   J・ダン=作 簡野正明(かんの・まさあき)=訳 「死」
   簡野正明=訳 『英詩珠玉集』 あぽろん社 1985/02 所収


(J6) 石井 1979
死よ驕(おご)るのではない、よしや だれかお前のことを
強いとか恐ろしいとか言う人があったとしても、なぜならお前はそんなものではない、
というのも、お前が打ち倒したつもりの相手は、
死にはしないのだ、よいか、そしてお前にはこの私も殺せはしない。
 [略]
つかの間のひと眠りが終われば、わたしたちは永遠にめざめる。
そうなればもう死はない、死よ、そのときはお前の死ぬ番なのだ。

   ジョン・ダン=作 石井正之助(いしい・しょうのすけ)=訳
   「死よ驕るのではない」
   ルネッサンス研究所=編 ピーター・ミルワード=著 石井正之助=訳
   『ジョン・ダンの聖なるソネット』 ルネッサンス双書9
   荒竹出版 1979/11 所収


(J7) 佐山 1976
死よ驕るなかれ、おまえを強くして怖るべきものと
呼ぶものはあったけれども、実はそうではないのだから。
あまえ[ママ]が斃(たお)したと思っている者は実は死んではいない。
あわれにもわたしを殺すことだってできない。
 [略]
われらは最後の日まで一睡をとれば、永遠に目を覚ます。
われらに死はすでになく、死神よ、おまえが死んでしまうのだ。

   佐山栄太郎=著 ジョン・ダンの 「ホウリー・ソネット・聖なる黙想」
   ルネッサンス研究所=編 ピーター・ミルワード+石井正之助=監修
   『形而上詩と瞑想詩』 ルネッサンス双書3
   荒竹出版 1976/09 所収


(J8) 竹友 1951, 1982
死よ、傲るなかれ、或ひと、威力あり、
畏(かしこ)しと汝(なれ)を言ふとも、然らざるなり。
斃せりと汝(な)が思へるは、哀れなる死よ、
死なず。また、われをも汝(なれ)は殺し得ず、
 [略]
一刻(ひととき)を眠りてわれら永遠(とこしへ)に覚む、
死はもはやあらず。死よ、汝(なれ)は死ぬべし。

   ジョン・ドン=作 竹友藻風=訳 「死よ、傲るなかれ…」
   8a. 藤井治彦=編 『竹友藻風選集2』 (全2巻)南雲堂 1982/10 所収
   8b. 竹友藻風=著 『法苑林—訳詩集』 潮人社 1951/11 所収
   引用は 8a. に拠りました。


(J9) 中野+矢川 1950
死よ、驕(おご)るなかれ、汝を呼びて、力あり、
恐るべきものとなすものあれど、しかはあらず。
汝がたおしたりとうぬ惚るる人も、死するにはあらず、
あわれなる死よ。汝は我を殺すことあたわず。
 [略]
やがてたまゆらの短かき眠りすぎなば、われらは永遠(とわ)に目覚め、
もはや死は、たえてあらじな。死よ、死すべきは汝なれば!

   ジョン・ダン=作
   中野好夫(なかの・よしお)+矢川徳光(やがわ・とくみつ)=訳
   ジョン・ガンサー=著 中野好夫+矢川徳光=訳
   9a.死よ 驕るなかれ』 岩波新書 1974/09/20 改版 所収
   9b.死よ 驕るなかれ』 岩波新書 1950/07 所収
   引用は 9a. に拠りました。


■ハンガリー語訳 Translations into Hungarian

(Hu1) Képes
Mért hencegsz úgy, Halál? csak mert e földi
létben kegyetlen úrnak tartanak?
Akit leütsz, és elterül hanyatt,
nem hal meg, és engem se tudsz megölni!
Az álom: képmásod, mézes a csókja –
 [Omission]
akár te: hát ne fúdd fel úgy magad!
Mi felkelünk: öröklét karja vár,
s te nem leszel. Meg fogsz halni, Halál.


(Hu2) Kosztolányi
Halál, ne kérkedj, bár úgy hív a vásott:
nagy és iszonytató, egyik se vagy:
nem hal meg az, ki karjaidba fagy,
szegény Halál: nem öl meg csapásod.
 [Omission]
Egy kurta álom, s ébredünk örökre,
aztán nem is vagy és meghalsz, Halál!


■ロシア語訳 Translation into Russian

Смерть, не тщеславься: се людская ложь,
Что, мол, твоя неодолима сила...
Ты не убила тех, кого убила,
Да и меня, бедняжка, не убьешь.
 [Omission]
Всех нас от сна пробудят навсегда,
И ты, о смерть, сама умрешь тогда!


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

О смерте, що всесильна, не гордись,
Хоч і могутньою тебе всі звуть,
Бо ті, про кого думаєш, що мруть,
Вони лиш сплять і здатні підвестись.
 [Omission]
Проснемсь навічно, як звістить сурма,
Й не буде смерті -- вмре вона сама!


   Священні сонети 10
   О смерте, що всесильна, не гордись…
   Джон Донн.
   Translated by Віктор Марач
   E-text at Український Центр (ukrcenter.com)


■ポーランド語訳 Translation into Polish

Śmierci, próżno się pysznisz; cóż, że wszędy słynie
Potęga twa i groza; licha w tobie siła,
Skoro ci, których - myślisz - jużeś powaliła,
Nie umrą, biedna Śmierci; mnie też to ominie.
 [Omission]
Ze snu krótkiego zbudzi się dusza człowieka
W wieczność, gdzie Śmierci nie ma; Śmierci, śmierć cię czeka.

   John Donne - Sonet X
   Translated by Stanisław Barańczak
   E-text at bric-à-brac


■スウェーデン語訳 Translation into Swedish

Yvs icke, Död, fast många kallat dig
allsmäktig, fruktansvärd -det är ej så,
ty dessa, som du tror dig nederslå,
de dö ej -och du kan ej döda mig.
 [Omission]
Snart vaknar vi till evig morgonglöd,
och Döden finns ej mer: Död, du är död.

   Helig sonett nr. 10 by John Donne
   E-text at Salka


■ドイツ語訳 Translations into German

(D1) Paley
Tod, sei nicht stolz, obwohl einige haben dich
Mächtig und schrecklich genannt, denn du bist nicht so;
Denn diejenigen, die du glaubst, du überwerfst,
Sterben nicht, du armer Tod, auch nicht kannst du mich töten.
 [Omission]
Ein kurzer Schlaf vorbei, wecken wir ewig
Und der Tod wird nicht mehr sein; Tod, du wirst sterben.

   Tod, Sei Nicht Stolz
   Sonett X by John Donne
   Translated by David Paley
   E-text at Poems Without Frontiers


(D2)
Tod, sei nicht stolz, hast keinen Grund dazu,
Bist gar nicht mächtig stark, wie mancher spricht:
Du tust uns nichts; auch mich tötest du nicht.
Die du besiegt wähnst, warten nur in Ruh.
 [Omission]
Nach kurzem Schlaf erwachen wir zur Ruh –
Und mit dem Tod ists aus: Tod, dann stirbst du.

   Sonett an den Tod by John Donne
   E-text at Gedichtepool


■オランダ語訳 Translation into Dutch

Dood wees niet trots, want alles is maar schijn,
Jouw macht en aanzien zijn slechts een valse naam,
Want zij, van wie je denkt dat ze zijn vergaan,
Sterven niet, arme dood, en ook mij doe je geen pijn.
 [Omission]
Aan het eind van een korte slaap ontwaken we in eeuwigheid,
En de dood zal niet meer zijn, dood, jij sterft in vergetelheid.

   Heilige Sonnetten (Goddelijke Meditaties) by John Donne
   E-text at Berichten uit de Zone


■イタリア語訳 Translations into Italian

(It1)
Morte non essere superba, anche se molti ti hanno chiamata
Terribile e potente, perché, tu non lo sei,
Perché, quelli che tu decidi, tu li abbatti
Non morire, povera morte.
 [Omission]
Dopo un breve sonno, ci svegliamo per l'eternità,
e la morte non esisterà più; Morte, tu morirai.
Dopo un breve sonno, vegliamo in eterno,
E la morte non sarà più: morte, tu morirai.


(It2)
Morte, non essere fiera, sebbene alcuni ti abbiano chiamata
potente e terribile, perchè tu non lo sei;
poichè coloro che tu pensi di sconfiggere,
non muoiono, povera morte, ne tu mi puoi uccidere.
 [Omission]
Dopo un breve sonno, ci svegliamo per l'eternità,
e la morte non esisterà più; Morte, tu morirai.


■ポルトガル語訳 Translation into Portugal

Morte, não se orgulhe, embora alguns a tenham chamado
Poderosa e terrível, não trabalhe assim".
 [Omission]
tras un breve sueno despertamos a la eternidad
y la muerte dejará de existir, muerte morirás.

   Soneto X de Sonetos Sacros de John Donne
   E-text at Borrones y otros


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Muerte no te enorgullezcas, aunque algunos te llamen
poderosa y terrible, puesto que nada de eso eres;
porque todos aquellos a quienes creíste abatir
no murieron, triste muerte, ni a mi vas a poder matarme,
 [Omission]
tras un breve sueno despertamos a la eternidad
y la muerte dejará de existir, muerte morirás.


■フランス語訳 Translations into French

(F1)
Mort, ne sois pas fière, malgré que certains t’aient appelée
Puissante et atroce, car, tu ne l’es point.
Car, ceux que tu penses réduire à néant,
Ne meurent pas, pauvre mort, et tu ne peux me tuer non plus :
 [Omission]
Après un court sommeil, nous veillons éternellement.
Et la mort disparaîtra, Mort, tu mourras.

   from The Holy Sonnets by John Donne
   E-text at Candi-ULB [doc]


(F2)
Mort ne sois pas orgueilleuse, bien que certains t'aient déclarée
Puissante et inquiétante.
Car tu ne l'es pas.
Et ceux que tu laisses choir,
Ne meurent pas, pauvre Mort et  tu ne pourras me tuer.
 [Omission]
Dès que le court sommeil s'en va, l'éternité nous réveille,
Et la mort n'existe plus : Mort tu devras mourir !

   from The Holy Sonnets by John Donne
   E-text at Hommage à Rudy


 Video 1 
"Death, Be Not Proud," a song by Audrey Assad

Uploaded to YouTube by LionsRoar on 21 May 2014.


 Video 2 
Holy Sonnet 10 presented by Pearls Of Wisdom

Uploaded to YouTube by Pearls Of Wisdom on 26 Sep 2012.


 Video 3 
Holy Sonnet 10 read by David Barnes

Uploaded to YouTube by CCPoems on 19 Mar 2012. Audio courtesy of Librivox.


 Video 4 
Holy Sonnet 10 read by Tom O'Bedlam

Uploaded to YouTube by SpokenVerse on 16 Aug 2010.


 Video 5 
Holy Sonnet 10 performed by Julian Glover

Uploaded to YouTube by Toddysfins on 4 Apr 2008. From Six Centuries of Verse (1984).


 Video 6 
Holy Sonnet 10 read by Baron S. Cameron

Uploaded to YouTube by BaronSCameron on 22 Mar 2007.


 Video 7 
テレビドラマ 『エマ・トンプソンのウィット/命の詩』 (2001) 監督: マイク・ニコルズ
Wit (2001) Directed by Mike Nichols, Starring Emma Thompson, Eileen Atkins

Helen Gardner (critic) - Wikipedia (1908–1986)
Wit (film) - Wikipedia


■英語原文 The original text in English

Death, be not proud, though some have called thee
Mighty and dreadful, for thou art not so;
For those whom thou think'st thou dost overthrow,
Die not, poor Death, nor yet canst thou kill me.
From rest and sleep, which but thy pictures be,
Much pleasure; then from thee much more must flow,
And soonest our best men with thee do go,
Rest of their bones, and soul's delivery.
Thou art slave to fate, chance, kings, and desperate men,
And dost with poison, war, and sickness dwell;
And poppy or charms can make us sleep as well
And better than thy stroke; why swell'st thou then?
One short sleep past, we wake eternally,
And death shall be no more; Death, thou shalt die.


■翻訳の異同 Variations of translation

 A) Death, be not proud
  死よ 驕るなかれ………松浦 2000
  死よ 驕るなかれ………中野+矢川 1950
  死よ、思い上がるな……湯浅 1995, 1996
  死よ、傲るなかれ………竹友 1951, 1982
  死よ、驕るなかれ………平井 1990, 2003
  死よ驕るなかれ…………Tad, 2005
  死よ驕るなかれ…………佐山 1976
  死よ驕るのではない……石井 1979
  驕るか 死よ……………簡野 1985


 B) Death, thou shalt die.
  あゝ君は死したり……………………………簡野 1985
  死よ おまえは もう終わりだ。…………松浦 2000
  死よ、お前が死ぬのである。………………湯浅 1995, 1996
  死よ、お前は死んでしまうのだ。…………平井 1990, 2003
  死よ、そのときはお前の死ぬ番なのだ。…石井 1979
  死よ、死すべきは汝なれば!………………中野+矢川 1950
  死よ、今度はお前が死ぬのだ。……………Tad, 2005
  死よ、汝は死ぬべし。………………………竹友 1951, 1982
  死神よ、おまえが死んでしまうのだ。……佐山 1976


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/08/25 リンク切れの一部のビデオを他のものと差し替えました。
  • 2014/06/14 もう1種類のハンガリー語訳を追加しました。
  • 2013/05/24 ContraPoints による朗読、Tom O'Bedlam による朗読、および Baron S. Cameron による朗読の計3本の YouTube 動画を追加しました。
  • 2013/02/05 ウクライナ語訳を追加しました。
  • 2013/01/30 目次を新設し、ハンガリー語訳、ポーランド語訳、およびスウェーデン語訳を追加しました。また、Anton Lesser による朗読の YouTube 動画を追加しました。さらに、リンク切れになっていた動画と、リンク先で削除されていた動画を、別の動画と差し替えました。
  • 2012/09/30 David Paley によるドイツ語訳を追加しました。
  • 2012/08/05 ロシア語訳を追加しました。
  • 2012/02/15 もう一種類の簡体字中国語訳を追加しました。
  • 2011/11/19 CCPoems による朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2010/04/23 映画 Six Centuries of Verse (1984) とテレビドラマ『エマ・トンプソンのウィット/命の詩』 (2001) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2010/02/02 簡体字中国語訳、2種類のフランス語訳、ドイツ語訳、そしてオランダ語訳を追加しました。
  • 2010/01/17 中野好夫+矢川徳光=訳 1950/07 を追加しました。
  • 2008/08/10 スペイン語訳を追加しました。
  • 2008/08/08 竹友藻風=訳 1982/10 を追加しました。
  • 2008/08/02 Tad=訳(翻案)2005/07 を追加しました。

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■洋書 Books in non-Japanese languages
(1) John Donne

(2) Death, be not proud

■和書 Books in Japanese

■CD

  

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