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Sunday, 17 August 2008

Hamlet - Tales from Shakespeare by Charles and Mary Lamb チャールズ・ラム+メアリー・ラム 『シェイクスピア物語』 ハムレット

■表紙画像コレクション Cover photo collection

[zh] 莎士比亚故事集 天津人民出版社 (2008) 中国語版(簡体字)
[tw] 莎士比亞故事集 好讀出版社 (2005) 中國語版(繁體字)
[ja] シェイクスピア物語 岩波少年文庫 (2001)

[de] Shakespeare für Eilige Aufbau Taschenbuch Verlag (2001) ドイツ語版
[it] Cinque racconti da Shakespeare Sellerio (1983) イタリア語版
[br] Histórias de Shakespeare ブラジル・ポルトガル語版

[es] Shakespeare Cuenta Espasa-Calpe (1984) スペイン語版
[fr] Les Contes de Shakespeare Editions Naïve (2005) フランス語版
[en] Tales from Shakespeare Penguin Classics (2007)

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 安藤 2008
 ハムレットは、以前から気力を失い、打ちしおれていたところへ、亡霊を見て五感に植え付けられた恐怖のために、精神を乱され、理性を失わんばかりでした。そこで、こういう状態が続けば、自分は注目の的となり、叔父に対して何かたくらんでいるのではないかとか、父王の死の真相について、本当は叔父が公表したよりも多くのことを知っているのではないかとか、叔父に疑われ、叔父を警戒させることになるのを懼(おそ)れて、ハムレットは、奇妙な決心をしました。
 --いまから、おれは、正真正銘の狂人になったふりをするのだ。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリー・ラム=作 安藤貞雄(あんどう・さだお)=訳
   『シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 岩波文庫 2008/07


(J2) SOGO_e-text_library 2007
亡霊を見たことにハムレットは恐怖し、精神錯乱に陥った。もともと病弱なたちで元気がなかったのだが、これにより精神の平衡を失い、今にも理性が吹き飛ぼうとしていた。そして、こんな状態がずっと続くようなら、自分の振る舞いに人々の耳目が集まり、叔父も警戒するようになるだろう、自分が叔父に対してなにかたくらんでいるとか、実は父親の死について叔父が発表した以上のことを自分が知っているなどと感づかれたらまずいな、と心配し、とても妙な決心をした。本当に発狂してしまったと見せかけようと考えたのである。

   「デンマークの王子ハムレット
   Charles Lamb =原作 SOGO_e-text_library =責任編集
   プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト
   2007/02/10 初アップロード


(J3) 矢川 2001
 亡霊を見てからというもの、ただでさえ沈んでいたハムレットは、おそろしさにほとんど正気ではいられませんでした。こんなことでは叔父に疑われてもしかたありません。そこでハムレットは、用心のため、わざと狂気を装うことにしました。

   「ハムレット」
   ラム=作 矢川澄子(やがわ・すみこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 2001/09
   引用文中のルビは省略しました。


(J4) 乾 1984, 1992
 亡霊の恐ろしい姿は、ハムレットの心を離れませんでした。以前から心よわくふさぎがちだったハムレットは、その恐怖のために、ほとんど我を忘れ、正気を失いそうになりました。
 ハムレットは、この状態が続いて、人目をひくことになるのを心配しました。もし、おじがそれに気づいて、ハムレットはなにごとかたくらんでいるかもしれない、父の死について公表された以上のことを知っているかもしれないと思えば、警戒するでしょう。そこでハムレットは、奇妙な決心をしました。
 ほんとうに気が変になったふりをしようというのです。(……)

   「ハムレット」
   ラム=作 乾侑美子(いぬい・ゆみこ)=訳
   4a.愛のシェイクスピア物語 ロミオとジュリエット
      てんとう虫ブックス 小学館 1992/05
   4b.シェイクスピア物語』 フラワーブックス 小学館 1984/02
   引用は 4a. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。


(J5) 大場 1977, 2001
 ハムレットは以前から体力も弱まり、気力も衰えていたから、幽霊を見た恐怖は彼の心に深い刻印を残し、ほとんど気も狂わんばかりの錯乱状態におちいった。こんな状態がつづいていては、だいいちひとから好奇の目で見られるだろうし、叔父のほうでも警戒をつよめることになるだろう。なにか自分によからぬことを画策しているのではないか、父親の死について自分が公表した以上の深い秘密をにぎっているのではないか、叔父はそう疑ってくるはずである。
 あれこれ考えたハムレットは、そのときから、正真正銘の狂人のふりをしようという奇妙な決心をかためた。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ+メアリ・ラム=著 大場建治(おおば・けんじ)=訳
   5a.シェイクスピア物語』 沖積舎 2000/11
   5b.シェイクスピア物語』 旺文社文庫 1977/04
   引用は 5a. に拠りました。


(J6) 福田 1968
 亡霊を見たことによってハムレットの心にもたらされた恐怖の念は、以前から弱々しく意気消沈していたかれの心を気ちがいのようにし、すっかり正気をうしなわせました。こんな状態がつづけば、かれの行動は監視されることになるであろうこと。もし叔父が、ハムレットが自分に対してなにかよからぬことを考えていることに気づけば、あるいは、ハムレットが先王の死についてうわべよりはもっと多くを知っていることなどに気づけば、かれに監視をつけるようになるであろうこと。こんなことをおそれたので、ハムレットは、以後、自分がほんものの狂人のふりをしようという、奇妙な決意をしたのです。(……)

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=作 福田陸太郎(ふくだ・りくたろう)=訳
   『シェイクスピア物語』 世界の名著12 ポプラ社 1968/08
   引用文中のルビは省略しました。


(J7) 永井 1966, 1970
 ただでさえものうく、ふさぎ病にかかって気力をなくしたハムレットは、亡霊に会ってからは、見るもの聞くもの、すべてがかれの心をいらだたせた。こんなありさまでは、かれの心のうちが、クローディアスに知られてしまう。父が毒殺されたのだという事実を、ハムレットが感づいたのではないかと、怪しまれないともかぎらない。そうなれば、クローディアスのほうでも警戒することになる。
 そこでハムレットは、うまいことを考えついた。これからは本物のきちがいに見せかけることだ。(……)

   ラム姉弟=作 永井鱗太郎(ながい・りんたろう)=文
   シェークスピア物語 「ハムレット」
   7a.カラー版少年少女世界の文学2 イギリス編1』(全30巻)
      小学館 1970/09 所収
   7b.少年少女世界の名作文学4 イギリス編2』 小学館 1966/11 所収
   引用は 7a. に拠りました。ルビは省略しました。


(J8) 厨川 1963, 1979
 すでに気力をうしない、しずんでいたところへ、亡霊を見て、さらに恐怖感をうえつけられたので、ハムレットの心は、ほとんど理性をうしなって、くるってしまいそうであった。もしこのままの状態がつづけば、ハムレットが王になにか叛逆をくわだてているらしいとか、父王の死の真相を、見せかけよりはよく知っているらしいことなどと、クローディヤス王にうたがわれることになる。そうなると、ハムレットは監視されるし、クローディヤス王は警戒するようになる。そこでハムレットはきみょうな決心をした。
(いまから、おれは、ほんとうに気がちがってしまった ふり をするのだ。(……)

   「ハムレット」
   ラム=作 厨川圭子(くりやがわ・けいこ)=訳
   8a. シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 偕成社文庫 1979/02
   8b.シェイクスピア物語(下)』(全2冊) 白水社 1963/07
   引用は 8a. に拠りました。引用文中の太字箇所は、原文では傍点。
   ルビは省略しました。


(J9) 野上 1956, 1962
 それまでも憂うつになっていたハムレットは、亡霊の姿を見てからは、ほとんど理性を失ってしまいました。そのままでは、人目をひき、叔父のクローディアスに自分がもくろんでいることをさとられてはならないと考えたので、ほんものの狂人のように見せかけようと決心しました。

   「ハムレット」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子(のがみ・やえこ)=訳
   9a. シェイクスピア物語』 岩波少年少女文学全集 1962/06
   9b. シェイクスピア物語』 岩波少年文庫 1956/05
   引用は 9b. に拠りました。引用文中のルビは省略しました。


(J10) 堀江 1955
 前から身体が弱り意気阻喪していたので、幽霊を見た時、ハムレットの心に刻みつけた恐怖のために、ほとんど彼の精神は錯乱し、彼の理性を失わんばかりであった。それで彼はこの状態が続けば結果として人の注意を引くようにしたり、それに叔父に対して自分が何事かを目論んでいるとか、または叔父が公表した以上に父の死について実際知っているのではないかと叔父が疑ったならば、彼に警戒させる結果になるだろうと心配したので、それからというものは本当に発狂したもののように見せかけようと妙な決心をした。

   「デンマークの王子ハムレット」
   Mary and Charles Lamb=作 堀江清弥=編訳
   『訳注 シェクスピア物語1』 泰文堂 1955/11
   英語学習者向けの対訳本。引用文中のルビは省略しました。


(J11) 坪内 1954
 それまでにすでによわくおとろえていたハムレットの神経(しんけい)をしげきした亡霊の出現のおそろしさは、かれの心をひどくみだし、理性をもうしなわせかねなかった。それでかれは、こんな状態(じょうたい)をつづければ、やがて注目のまととなり、もしじぶんが何かたくらんでいるらしいとか、ハムレットは、じつはかれの父親の死について、じぶんが公表した以上のことを知っていると思わせでもしたら、おじ が用心ぶかくなるわけだとあんじて――そのとき以後かれは、まるでほんとうに気ちがいであるかのような、にせぶりをしようというふしぎな決心をした(……)

   「ハムレット(デンマークの王子)」
   ラム=著 坪内士行(つぼうち・しこう)=訳
   平沢文吉(ひらさわ・ぶんきち)=装幀・箱絵
   『ラムのシェイクスピア物語』 冨山房 1954/12 所収
   太字箇所は原文では太字でなく傍点。


(J12) 阿部 1954
 幽霊と出あってからは、ハムレットの心はいよいよみだれてきて、今では、ほとんど気もくるわんばかりだった。そこで、かれは思った。――このようにしていては、人目にもつき、おじクローディアスも注意するであろう。そして、クローディアスは、ハムレットは父の死の秘密をかぎつけいて[ママ]、復讐しようと思っているのでないか、と警戒することもあるかもしれない。
 それで、ハムレットは、一つの決心をした。――これからはほんとうに気がくるっているようにみせかけよう。

   「シェイクスピア物語」
   ラム=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳
   『世界少年少女文学全集6 イギリス編4』 創元社 1954/05 所収
   ルビは省略しました。


(J13) 松本 1952
 ハムレットはもともと身体が弱く気が沈んでいましたが、亡霊を見た恐怖は彼の心を乱し理性を失わせんばかりでした。それで彼はその状態が進めば、自分は注目の的となり、自分が叔父に対して何か計画しているとか、または、父の死について叔父が公表した以上のことを知っているのを感づかれ、叔父に警戒させるようになるだろうと心配して、ハムレットはそのとき以来、まぎれもなく真実の狂人を装おうという途方もない決心をしました。(……)

   「ハムレット」
   チャールス・ラム=作 松本恵子(まつもと・けいこ)=訳
   『シェイクスピア物語』 新潮文庫 1952/07/30


(J14) 野上 1932, 1987
 それまでも弱く意気阻喪してゐたハムレットは、亡霊の姿から受けた恐怖のため、殆んど精神錯乱して、理性をも失つてしまひました。さうして彼は、もしこの状態が続けば、その結果人目を引き、且つ伯父が彼に対して自分が何事かを目論んでゐるとか、或ひは口で云ふ以上に父の死について知つてゐるのではあるまいかなどと疑ふ事になりはせぬかと恐れたので、以後は、本物の狂人の如くに見せかけようと云ふ奇妙な決心を致しました。(……)

   「ハムレット、デンマーク王子」
   チャールズ・ラム+メアリ・ラム=著 野上弥生子=訳
   14a. 「沙翁物語」 『野上弥生子全集 第2期 第20巻 翻訳3
      岩波書店 1987/07 所収
   14b.沙翁物語』 岩波文庫 1932/06(昭和7)
   14a. の底本は 14b.。引用は 14a. に拠りました。


(J15) 峰尾 1927
 ハムレットは從來氣弱く、心の沈んだ人であつたから、亡靈を目のあたり見て恐ろしさが感覺に殘り、殆んど心亂れて物狂ほしき氣持になつた。そこで彼は、もし斯(か)うした状態が繼續するなら、叔父は自分の樣子に眼をつけるであらうし、又自分が何事か畫策(くわくさく)してゐることや、父の死因に就て叔父の説明せる以上の消息を事實心得てゐると氣付くならば、叔父は警戒するであらうと思うて、此の上は眞實氣狂ひのそぶりを装(よそを)ふて行かうといふ、世にも不思議な決心をした(……)

   チャールズ・ラム+メリー・ラム=著 峰尾都治(みねお・としはる)=譯註
   『英文世界名著全集10 シエークスピヤ物語』
   英文世界名著全集刊行所 1927/12(昭和2)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-908-E37ウ
   英文併記


(J16) 平田 1927
 亡靈を見てから、強い恐怖の念はハムレツトの感じを去らず、豫(かね)て氣弱に、うち沈んでゐたもので、殆どその心意(こゝろ)を攪亂(かくらん)し、理性の外(ほか)に走らしめた。して、斯(か)かる事の必ず永くうち續くべしと患(うれ)ひ、すれば、自然他人(ひと)の眼を惹くことになり、叔父がもし何か自分が切(しき)りに企(たくら)んでゐるとか、乃至また、父の横死(わうし)に就いて別に深く知るところあるやうに感づいたなら、彼は定めしそれとなく警戒するであらうから、以後は斷じて、自分が實際に、正眞(しやうじん)に氣が狂つてゐるやう装はうといふ、不思議な決心に彼は及んだ。(……)

   チヤアルズ・ラム+メエリイ・ラム=著
   平田禿木(ひらた・とくぼく)=譯 「ハムレツト」
   『世界名作大觀 各國篇 第11卷 ガリヴァの旅・沙翁物語
   國民文庫刊行會=編輯・發行 非賣品 1927/06(昭和2)所収
   原文は総ルビ。上の引用では、その一部を略しました。


(J17) 河原 1927
 この時からハムレツトはクローデイアスの安心を求めるために發狂を裝ひ復讐の機會を待つた。

   ラム=著 河原萬吉(かわはら・まんきち)ほか=訳
   『シェークスピア物語』 万有文庫23
   万有文庫刊行會 非賣品 1927/04(昭和2)


(J18) 中村 1926, 1936
 幽靈を見た時、ハムレツトの心に刻みつけられた恐怖は、前から身體も弱り、神氣も沮喪して居た際なので、殆んど彼の心の調子を狂はしめ、正氣を失はせた。それで彼は、かう云ふ状態が續きその結果として、人の注意を引くやうになり、又叔父がハムレツトは自分に對して何事か謀らんで居るとか、または父の死に關して自分が發表した以上の事を知つて居るのではないかと疑ふようになれば、叔父も警戒を怠らぬようになるだらうと懸念して、その時以來眞實眞正の狂氣であるやうなふりをしようと決心した。(……)

   18a. ラム=著 中村詳一(なかむら・しょういち)=譯 「ハムレツト」
      『シエークスピヤ物語(下)』(全2冊)
      春秋文庫 第3部93 定價金八十錢 春秋社 1936/05(昭和11)
   18b. チャールズ・ラム=著 中村詳一=譯 「ハムレツト」
      『シエクスピヤ物語
      世界名著選家庭文庫 春秋社 1926/09(大正15)
      国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-517-378
   引用は 18a. に拠りました。


(J19) 木村/笹川 1916
 ハムレットは性來氣の弱い質で此の亡靈を見てからは心が平靜を失つて、異状をも來した、ハムレットは思ふに「若し乃公が企んでる事を伯父が知つて仕舞ふて、乃公の身に警戒する樣な事があつてはいけない」と、其れからはハムレットは父の死については、何事も知らない樣な風にして、眞に氣狂ひになつた樣に見せかけて居た、己の行爲も氣狂いひにならば大した事も仕出來しはしまいと、伯父も高をくゝるだらうし、己が胸の秘密の苦惱も、狂人となれば表はれないだらうからと思ひ付いたからなのであつた。(……)

[原文は次のとおり、総ルビ]
 ハムレットは性來(せいらい)氣(き)の弱(よわ)い質(たち)で此(こ)の亡靈(ばうれい)を見(み)てからは心(こゝろ)が平靜(へいせい)を失(うしな)つて、異状(いじやう)をも來(きた)した、ハムレットは思(おも)ふに「若(も)し乃公(おれ)が企(たく[ママ])んでる事(こと)を伯父(をぢ)が知(し)つて仕舞(しま)ふて、乃公(おれ)の身(み)に警戒(けいかい)する樣(やう)な事(こと)があつてはいけない」と、其(そ)れからはハムレットは父(ちゝ)の死(し)については、何事(なにごと)も知(し)らない樣(やう)な風(ふう)にして、眞(しん)に氣狂(きちが)ひになつた樣(やう)に見(み)せかけて居(ゐ)た、己(おのれ)の行爲(かうゐ)も氣狂(きちが)ひにならば大(たい)した事(こと)も仕出來(しでか)しはしまいと、伯父(をぢ)も高(たか)をくゝるだらうし、己(おのれ)が胸(むね)の秘密(ひみつ)の苦惱(くなう)も、狂人(きちがひ)となれば表(あら)はれないだらうからと思(おも)ひ付(つ)いたからなのであつた。(……)

   「ハムレット(デンマーク皇子)」
   シエークスピーア=原作 チャールス・ラム+メリー・ラム=著
   木村 秀夫=譯 笹川臨風(ささかわ・りんぷう)=編
   『通俗シエークスピーア物語』 通俗叢書
   編輯兼發行:通俗敎育普及會出版局 非賣品 1916/02(大正5)
   国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YD5-H-355-33い
   大阪府立図書館蔵書検索: ページ下のほうのコード検索で「タイトルコード」を
   選び、コード番号に「10000000291119」を入力すると、書誌詳細が表示されます。


(J20) 後藤 1915
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   「ハムレット」
   チャールス・ラム=著 後藤一郎(ごとう・いちろう)=訳
   『シエイクスピアー物語-対訳詳註 第1編 ハムレット
   三光堂 1915(大正4)


(J21) 小松 1904, 1922, etc.
 ハムレットは性來羸弱なるが上に、神氣沮喪し來れる折柄、目のあたり幽靈を見、言葉交はしたることなれば、此事常に感覚より離れで心は鍵を失ひ、腦には異状を呈するやうなりけるが、思ひらく『若し叔父にして吾が遺恨に思ひて何等畫策するところあると悟り、或は吾が父の變死に就きて知るところ、叔父が報道せしところより多きを知るに至らば、必ず吾が擧動(ふるまひ)に就きて警戒を與ふるならん。』と、されば此後は眞實狂氣のさまを裝ひて叔父と人々の眼を眩(くら)まさんと、世にも稀れなる決心をなしぬ。(……)

   21a. チャールス、ラム+メリー、ラム=著 小松武治=譯 「ハムレット物語」
      川戸道昭+榊原貴教=編
      『シェイクスピア翻訳文学書全集19 明治期 沙翁物語集
      大空社 1999/10 所収
   21b. ラム=著 小松武治=譯 「ハムレット物語」
      『ラム沙翁物語集』 大鐙閣 定價金二圓五拾錢 1922/02(大正11)
      上田敏「沙翁物語集序」および夏目漱石「小羊物語に題す十句」を収録
   21c. チャールス、ラム=著
      小松武治(こまつ・たけじ)/ 小松月陵(こまつ・げつりょう)=譯述
      「ハムレット物語」
      『沙翁物語集』 日高有隣堂 定價七拾錢 1904/06(明治37)
      上田敏「沙翁物語集序」および夏目漱石「小羊物語に題す十句」を収録
      国立国会図書館所蔵マイクロフィッシュ YDM101017
   21a.21c. を複製したもの。引用は 21c. に拠りました。


(J22) 品田 1886, 1999
ハムレツト太子ハ固より愁に沈みて精神も引き立たず身心共に痛(いた)く疲(つか)れ衰(おとろ)へてありける處へ今又幽靈に逢ひて一大事の遺命をも受け給へければ心に亂れて麻の如く氣も狂ハんずばかりなり斯て長くあらんよハ人に覺(さと)られて叔父も用心の臍を固め我に害心ありと疑ひ又ハ父上崩御の樣子などの密事を知ると猜(さい)せられなば愈々以て大事を遂げ難かり左れば今より奥誠に發狂したるもヽの体に見せかけなば大事を仕出すの力なしと思ひて心を許すこともやあらん又我が心の亂れで挙動を疑はしきとあるもの恠(あやし)むものハなかるべしと獨り心に點頭(うなづ)きて是よりハ發狂者の眞似(まね)せんと深念(しあん)を定め給ひけり(……)

   セキスピヤ=原作 チャールス、ラム=著
   品田太吉(しなだ・たきち)=譯 「ハムレツト太子復讐の事」
   22a.セキスピヤ物語』 国立国会図書館近代デジタルライブラリー
   22b.シェイクスピア翻訳文学書全集6 セキスピヤ物語 明治期
      大空社 1999/02
   22c.セキスピヤ物語』 品田太吉=出版 1886/12(明治19)
   22a.22c. のスキャン画像。22b.22c. を複製したもの。
   引用は 22a. に拠りました。変体仮名その他の判読に自信がありません。
   もし誤読している箇所がありましたら、ご指摘ください。


■英語原文 The original text in English

The terror which the sight of the ghost had left upon the senses of Hamlet, he being weak and dispirited before, almost unhinged his mind, and drove him beside his reason. And he, fearing that it would continue to have this effect, which might subject him to observation, and set his uncle upon his guard, if he suspected that he was meditating anything against him, or that Hamlet really knew more of his father's death than he professed, took up a strange resolution, from that time to counterfeit as if he were really and truly mad ( . . . ).

   Hamlet, Prince of Denmark
   Tales from Shakespeare (1807) by Charles and Mary Lamb

   Recent paperback editions include:
   * Tales from Shakespeare. Penguin Classics, 2007/12
   * Tales from Shakespeare. Signet Classics, 2007/06
   * Tales from Shakespeare. Puffin Classics, 1995/03

   Scanned book at University of Floria Digital Collections

   E-text at:
   * Mr. William Shakespeare and the Internet
   * Shakespeare-Literature.com
   * Project Gutenberg
   * Eldritch Press
   * Bartleby.com


■タイトル "Tales from Shakespeare" の日本語訳の異同
 Variations of the title translated into Japanese

  シェークスピア物語  永井 1966, 1970
  シェークスピア物語  河原 1927
  シェイクスピア物語  安藤 2008
  シェイクスピア物語  矢川 2001
  シェイクスピア物語  乾  1992,1984
  シェイクスピア物語  大場 1977, 2001
  シェイクスピア物語  福田 1968
  シェイクスピア物語  厨川 1963, 1979
  シェイクスピア物語  野上 1956, 1962
  シェイクスピア物語  坪内 1954
  シェイクスピア物語  阿部 1954
  シェイクスピア物語  松本 1952
  シェクスピア物語   堀江 1955
  シエークスピーア物語 木村/笹川 1916
  シエークスピヤ物語  中村 1936
  シエークスピヤ物語  峰尾 1927
  シエイクスピアー物語 後藤 1915
  シエクスピヤ物語   中村 1926
  セキスピヤ物語    品田 1886, 1999
  沙翁物語       野上 1932, 1987
  沙翁物語       平田 1927
  沙翁物語集      小松 1904, 1922, etc.


■外部リンク External links

   * Tales from Shakespeare - Wikipedia (1807)
   * Charles Lamb - Wikipedia (1775-1834)
   * Hamlet - Wikipedia
   * 神原文庫蔵『セキスピヤ物語』(品田太吉譯)


■更新履歴 Change log

2010/05/29 SOGO_e-text_library =責任編集 2007/02/10 を追加しました。
2008/12/12 坪内士行=訳 1954/12 を追加しました。
2008/12/11 木村秀夫=譯 笹川臨風=編 1916/02 を追加しました。
2008/10/16 阿部知二=訳 1954/05、および河原萬吉ほか=訳
         1927/04 を追加しました。
2008/09/11 大場建治=訳 2000/11 を追加しました。
2008/08/30 中村詳一=譯 1936/05、および小松武治=譯述 1904/06 を
         追加しました。また、「タイトル "Tales from Shakespeare"
         の日本語訳の異同」の項を新設しました。
2008/08/24 品田太吉=譯 1886/12 を追加しました。ただし、引用の
         正確さは未確認です。
2008/08/23 福田陸太郎=訳 1968/08 を追加しました。
2008/08/20 永井鱗太郎=文 1970/09、峰尾都治=譯 1927/12、および
         平田禿木=譯 1927/06 を追加しました。
2008/08/19 野上弥生子=訳 1987/07 を追加しました。この版は、これまで
         野上弥生子=訳 1956/05 と同じ項に含めていました。しかし、
         一般読者向けの前者(=岩波文庫旧版に拠る)と、児童向けの
         後者(=岩波少年文庫旧版)とでは、訳文がかなり異なります。
         したがって、別立てにして引用文を挙げることにしました。
2008/08/18 乾侑美子=訳 1992/05 を追加しました。


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