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Monday, 08 September 2008

Frankenstein: Or, the Modern Prometheus by Mary Shelley (4) メアリー・シェリー 『フランケンシュタイン』 (4)

 

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■作家にとって最大の不幸 The greatest misery of authorship

物語をこしらえて書くという作業は、無からの創造ではなく、混沌からの創造である。――そう、『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーは言う。


■表紙画像 Cover photos

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 吉田 2004
話というものは空無からではなく、混沌から作りだされるということを謙虚に認めなくてはならないでしょう。まず素材がなくてはなりません。それでこそ闇の形なきものに姿を与えることができるのです。しかし、ものそれ自体を生みだすことは不可能です。――序文

   吉田純子=編
   『身体で読むファンタジー―フランケンシュタインからもののけ姫まで
   人文書院 2004/12


(J2) 菅沼 2003
わたしは「物語を構想すること」に忙しかった(……)わたしは考え、思いをこらした――が、なにも生まれてこなかった。わたしは、われわれがいくら喚起しようと望んでも反応の鈍い〈無〉しか答えようとしないときの、創意がまったく生まれてこない空しさを感じたが、それは作者にとっての最大の不幸であった。(……)

創造するのは無からではなく混沌からであるということは、謙虚に認められなければならない。まず最初に材料が与えられなければならず、暗い、形のないものに形を与えなければならないが、その形のないもの自体を存在させることはできない。――《傑作小説選集》版に寄せた作者のまえがき(1831年)

   メアリー・ウルストンクラーフト・シェリー=作
   菅沼慶一(すがぬま・けいいち)=訳
   『フランケンシュタイン━あるいは現代のプロメシュース
   共同文化社 2003/09


(J3) 森下 1984
わたしは〝お話を考える〟こと(……)にいそしんだ。(……)わたしは考えこみ、頭をひねった――がむだなこと。作家の最大の不幸である、創作力のあのからっぽな無力さをわたしは味わった。(……)

創作とは無からではなく混沌からの創造であることを、謙虚に認めなくてはならない。まず第一に題材があたえられることが必要である。題材はあいまいでかたちのない素材に形態をあたえることができるけれども、素材そのものを生みだすことはできない。――まえがき(1831年版)
 
   メアリ・シェリー=著 森下弓子(もりした・ゆみこ)=訳
   『フランケンシュタイン』創元推理文庫 1984/02


(J4) 治村 1981
このわたしも「話を考える」ことに懸命になりました。(……)わたしは考えに考えました――が、だめでした。ひたすら祈っても答えてくれるのはただ「無」の鈍い響きだけという状態、あの創作機能が全く働かない作家としての最大の痛恨事である状態だったのです。(……)

創作とは、これは謙虚に認めなければなりませんが、無からではなく、混沌から創造することなのです。まず素材がなければなりません。創作は、暗い形のないものに形を与えますが、もの自体を生み出すことはできないからです。――「名作小説叢書」(1)版へのはしがき

(註1) 1831年にコルバーン&ベントリー社から、叢書の第九巻として『フランケンシュタイン』が刊行された。

   M・W・シェリー=著 治村輝夫(じむら・てるお)=訳
   『フランケンシュタイン
   世界民話童話翻訳シリーズ32 イギリス幻想文学1
   東洋文化社 新版1981/10


(J5) 臼田 1979
わたしは一所懸命 物語を考え ました。(……)わたしは考え、想を練りました――が、骨折り損でした。発想力がからきし働かないのを感じたのです。これこそ作家生活最大の不幸で、こういうときには、必死になって祈りかけても、答えは生気のない「無」なのです。(……)

謙虚になって認めなければならぬことですが、発想力とは、無からではなく、混沌から、なにかを創造することにあるのです。まず第一に材料が与えられなければならないのです。発想力は、冥々として曖昧な素材に形を与えることはできても、素材そのものを生み出すことはできません。――はしがき

   M・W・シェリー=著 臼田昭(うすだ・あきら)=訳
   『フランケンシュタイン』ゴシック叢書6 国書刊行会 1979/01 
   引用文中の太字箇所は、原文では太字でなく傍点。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Я старалась что-то придумать, но тщетно. Я ощущала то полнейшее бессилие - худшую муку сочинителей, - когда усердно призываешь музу, а в ответ не слышишь ни звука. [Omissioni].

Надо смиренно сознаться, что сочинители не создают своих творений из ничего, а всего лишь из хаоса [Omissioni].

  • Из авторского Предисловия к изданию 1831 г. Франкенштейн, или Современный Прометей by Мэри Шелли
  • E-text at:

■スペイン語訳 Translation into Spanish

Yo me urgí a mí misma a pensar una historia, [Omission]. Pensé y reflexioné, en vano. [Omission] ¿Has pensado ya una historia?, me preguntaban cada mañana, y cada mañana me veía forzada a replicar con una mortificante negativa.

La invención, debe admitirse humildemente, no consiste en crear desde el vació, sino desde el caos [Omission]. La invención consiste en la capacidad de atrapar las posibilidades de un tema y en el poder de moldear y dar forma a las ideas que sugiere.


■フランス語訳(部分) Translation into French (fragment)

L'invention, on doit l'admettre humblement, ne consiste pas à créer à partir du vide, mais d'un chaos


■英語原文 The original text in English

I busied myself to think of a story. [Omissioni]. I thought and pondered -- vainly. I felt that blank incapability of invention which is the greatest misery of authorship, when dull Nothing replies to our anxious invocations. [Omissioni]

Invention, it must be humbly admitted, does not consist in creating out of void, but out of chaos; the materials must, in the first place, be afforded: it can give form to dark, shapeless substances, but cannot bring into being the substance itself.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/12/12 フランス語訳の訳文の一部を挿入しました。
  • 2012/07/26 スペイン語訳を追加しました。
  • 2008/10/18 菅沼慶一=訳 2003/09 を追加しました。
  • 2008/09/13 治村輝夫=訳1981/10 を追加しました。

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