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December 2008

Wednesday, 31 December 2008

Mon très cher petit Lou by Guillaume Apollinaire アポリネール「とてもいとおしい僕のルウよ」

■ギヨーム・アポリネール Guillaume Apollinaire


Apollinaire filmé le 1er août 1914 avec son ami André Rouveyre.
Apollinaire filmed 1 August 1914 with his friend André Rouveyre.
アポリネール(左)と、その友人アンドレ・ルーヴェイル。1914年8月1日撮影。


■はじめに Introduction

ギヨーム・アポリネールといえば、画家マリー・ローランサンにふられたあとに書いたとされる詩「ミラボー橋」で有名だ(この詩に後からメロディを付けたのが、上のビデオのバックグラウンドに流れる歌)。また、イギリス女性アニー・プレイデンへの片思いと失恋のあとに書いたとされる「ふられ男の唄」でも知られる。

しかし、アポリネールは、第一次大戦従軍中、彼女らのほか、もう二人の女性に宛てて多数のラブレターを書き送っていた。大量の手紙は、それぞれ一冊の本にまとめられている。二人のうち一人は、ルイーズ・ド・コリニー=シャティヨンという。愛称ルー。フランス屈指の名門貴族の末裔だ。

ルー宛ての220通の書簡は、『ルーへの手紙』と題して1969年に出版された。この本は、詩人と相手の女性双方の血統が絶えてしまったため、私信としては例外的に、ほぼ無削除同然のかたちで公刊された。その意味で、文学史上にも例を見ないものとなっている。

以上は、宇佐美斉氏の著書『作家の恋文』(筑摩書房 2004)からの受け売り。以下に引用するのは、1915年3月末、ルーから二人の関係の終りを告げられたアポリネールが、前線を志願し、4月4日、部隊に配属され、激戦地シャンパーニュ地方に出発した、その4日後の日付が記された書簡詩。日本語訳は宇佐美氏の上掲書に拠る。


■日本語訳 Translation into Japanese

とてもいとおしい僕のルウよ お前が好きだ

いとおしく可愛い煌く星よ お前が好きだ

うっとりするほど柔らかな肉体よ お前が好きだ

胡桃割りのように締めつける陰門よ お前が好きだ

あんなにも薔薇色の並はずれた左の乳房よ お前が好きだ

あんなにも柔らかな薄赤色の右の乳房よ お前が好きだ

泡立たないシャンパンの色をした右の乳首よ お前が好きだ

生後まもない子牛の額の瘤さながらの左の乳首よ お前が好きだ

お前の頻繁な愛撫によって異常肥大した小陰唇よ お前たちが好きだ

えも言われぬ軽快さ 跳びさがる様(さま)もものの見事な両の尻 お前たちが好きだ

(以下、臍、毛並み、腋の下、肩の線、腿、耳たち、髪の毛、足、腰、ウェスト、背、口、眼ざし、手、鼻、歩き方、そして「可愛いルウ」について、同様に17行つづく)

   ギヨ-ム・アポリネールによる書簡詩。1915年4月8日付け。
   『ルーへの手紙』(1969年刊)より。
   宇佐美斉(うさみ・ひとし)=著『作家の恋文』筑摩書房 2004/01 所収


■フランス語原文 The original text in French

Mon très cher petit Lou je t’aime

Ma chère petite étoile palpitante je t’aime

Corps délicieusement élastique je t’aime

Vulve qui serre comme un casse-noisette je t’aime

Sein gauche si rose et si insolent je t’aime

Sein droit si tendrement rosé je t’aime

Mamelon droit couleur de champagne non champagnisé je t’aime

Mamelon gauche semblable à une bosse du front d’un petit veau qui vient de naître je t’aime

Nymphes hypertrophiées par tes attouchements fréquents je vous aime

Fesses exquisément agiles qui se rejettent bien en arrière je vous aime

[Omission]

   Guillaume Apollinaire - Mon très cher petit Lou je t’aime
   E-text at:
   * Agonia.Net
   * Poèsies érotiques
   * Poëzieweb - Poetryweb
   * Un espace… de solitude !
   . . . and many others.


■外部リンク External links

   * Guillaume Apollinaire site officiel
   * Guillaume Apollinaire - Wikipedia (1880–1918)
   * ギヨーム・アポリネール - Wikipedia (1880–1918)


■更新履歴 Change log


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Travel (from A Child's Garden of Verses) by Robert Louis Stevenson スティーヴンスン / スティーヴンソン (『子どもの詩の園』から)「旅に出る」「旅」「旅行」

■表紙画像 Cover photos

  1.  A Child's Garden of Verses: The Facsimile Edition. Illustration by Charles Robinson. Mainstream Publishing Company (1991). This edition contains illustrations and the original advertisements from the 1896 edition.
  2.  A Child's Garden of Verses: A Classic Illustrated Edition. Chronicle Books (1989). The illustrations for this volume have been selected from the work of 20 illustrators published between 1896 (Charles Robinson) and 1940 (Ruth Mary Hallock).
  3.  A Child's Garden of Verses. Illustration by Myrtle Sheldon. Published by M. A. Donohue & Co., Chicago (1916), Image source: Project Gutenberg

↓ Click to enlarge ↓

1. 1851583912 2. 0877016089 3. Stevenson_a_childs_garden_of_verses


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) まさき 2010
立ちあがって出かけたい、
金のりんごのなる国をめざして。
青空の下、オウム島には、
ひとりぼっちのクルーソーがいる。
オウムとヤギに見守られながら、
ひとりで舟を、こしらえている。
日射しがまぶしいアジアの都
見わたすかぎり、モスクに尖塔(せんとう)が立ちならび、
砂ぼこり舞う庭がある。
バザールにあるのは、近くや遠くのすばらしいもの
みな売りもので、吊(つ)るされて、風にゆらゆらゆれている。
万里の長城めぐらした、シナの国にも出かけたい
壁の外側では、砂漠の風が、
内側では、鈴と太鼓と人声が、
うなりをあげてる町がある。
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作 まさき・るりこ=訳
   イーヴ・ガーネット=絵 「旅に出る」
   『ある子どもの詩の庭で』 瑞雲舎 2010/09/09 所収


(2) よしだ 2000
ボクは今 勇気をだして旅に出たい
遠い空の下 金色のりんごが実る
オウム島に錨(いかり)をおろし
山羊(やぎ)とオウムに見守られ
孤独な(ロビンソン)クルーソーが船をつくっているところへ
太陽の光が 東洋の街々に輝き
何マイルにもわたる 砂の庭に
寺院(モスク)と光塔(ミナレット)が 立ち並んでいる
市場(バザール)にはあちこちから集められた豊かな品物が
所狭しとつるされて 売られている
中国のまわりを取り囲む 万里の長城の
外側では 砂漠の砂が舞い上り
内側では 鐘や太鼓や人々の
ざわめきに溢(あふ)れた
にぎやかな街がある
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンスン=作 よしだみどり=訳・絵 「旅」
   『子どもの詩の園』 白石書店 2000/10 所収
   ルビを一部省略しました。


(3) 和田 1991
ぼくは行きたい 今すぐに
金(きん)のりんごの実る国
どこかの空の下あたり
オウムの島がよこたわり
インコと山羊とクルーソー
ボート作りで忙がしそう
ぎらぎら太陽 影おとし
そこは東の古い都市
回教寺院のまわりには
そびえる塔や砂の庭
市場で売ってる物はみな
遠い町から届く品
中国めぐる長い城
外は砂漠の風の色
中は太鼓や鐘や琴
いつもにぎわう町の音
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作 和田誠=訳・絵
   『』 イメージの森 ほるぷ出版 1991/07 所収
   ルビを一部省略しました。


(4) しばさき 1973
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.

   R. L. Stevenson=作 ホセ・しばさき=訳註 「旅」
   『童心詩苑1』 泰文堂 1973/12 所収


(5) 葛原 1970
ぼくは立って行きたいな
黄金(きん)のりんごのなる国に
おうむの島が錨をおろし
おうむや山羊に見守られ
クルーソーがボートを作ってた
遠いお空のあの国に
太陽の下に はるばると
東の町まち 広がるところ
回教寺院や尖塔が
砂のお庭に囲まれて
遠くや近くの商品が
市場にいっぱいあるところ
万里の長城めぐらして
むこう側では砂漠に風吹き
こちら側には 太鼓の音や
ベルや人声 にぎやかな町
[以下略]

   R. L. スティーブンソン=作 葛原滋(くずはら・しげる)=訳 「旅行」
   岡倉由三郎=原序 福原麟太郎+葛原滋+高村規子=共訳
   Eve Garnett=表紙絵 高村洋子=カット
   『童心詩集』 英光社 1970/07 所収


(6) 左右田 1949
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.

   ロバート・ルイス・スティイヴンソン=著 左右田実(そうだ・みのる)=訳
   『幼年詩園』 研究社英文訳註叢書 研究社出版 10版 1949 所収


(7) 福原+葛原 1922
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.

   ステイブンスン=著 福原麟太郎+葛原〓(くずはら・しげる)=訳
   『子供の詩』 東光閣書店 1922(大正11) 所収


(8) 三上 1922
金の林檎のなるくにへ
僕は行くにきまつてる。

離れて遠い空の下
鸚鵡の島に錨をなげて
インコや山羊にかこまれて
ひとり淋しくクルソーが
ひとり淋しく舟つくる――

日のさす遠い東の町は
マホメツト敎の圓い塔
砂原の中の高い塔
あちこちから寶物
市にあつめて賣つてゐる――

支那は大きな城壁に
彼方は砂漠の風が吹く
鉦や太鼓や聲々に
街はどうどう大騒ぎ――
[以下略]

   スチブンソン=著 三上節造(みかみ・せつぞう)=譯 「旅行
   『見知らぬ国 : 童謡』 目黒書店 1922/06/30(大正11)
   遠・節・造の旧字は新字で置き換えました。


(9) 西條 1921, 1995
僕は行つて見たい
黄金色(きんいろ)の林檎が実(な)つてゐる国へ。――
ちがつた空の下に鸚鵡の棲(す)む島々(しまじま)が居ならび、
そして冠鳥(かんむりどり)や山羊(やぎ)などに見物されて
淋しいクルウソオが舟(ふね)をこしらへてゐる国(くに)へ。――
照り渡る日光の中に
大きな東方(ひがし)の町々(まちまち)があり、
その砂(すな)ぶかい庭々(にはには)の間(あひだ)に
回回教(まほめつとけう)のお寺や塔が聳え
遠く近くからの立派な品物が
市で陳(なら)べて売られる国へ。――
また万里の長城が支那を繞(めぐ)り、
その一方(ぱう)は砂漠で風が吹き、
その片方は町で
鐘や、人声や、太鼓の音がざわめく国へ。――
[以下略]

   ロバート・ルイス・ステイーヴンスン=作 西條八十=訳 「旅」
   a. 西條八十=著 『西條八十全集5 訳詩』 国書刊行会 1995/10 所収
   b. 「とんぼ」 1921年6月号(大正10) 収載
   初出誌は b。引用は a. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Me gustaría partir hacia
Donde crecen las manzanas de oro;
Allí donde bajo otro cielo
Se extienden islas llenas de papagayos,
Y, observados por cabras y cacatúas,
Solitarios Robinsones construyen su barca;
Donde fundidas con los rayos del sol,
Orientales ciudades lejanísimas
Levantan sus mezquitas y alminares
Sobre desérticos jardines,
Y ricas mercancías de todos los confines
Se muestran a la venta en el bazar;
Donde la Gran Muralla rodea China
Con el viento del desierto a un lado
Y las campanas y las voces y la música
De las ciudades, al otro.
[Omission]

   Viaje by Robert Louis Stevenson
   E-text at sèrieAlfa


■英語原文 The original text in English

I should like to rise and go
Where the golden apples grow;--
Where below another sky
Parrot islands anchored lie,
And, watched by cockatoos and goats,
Lonely Crusoes building boats;--
Where in sunshine reaching out
Eastern cities, miles about,
Are with mosque and minaret
Among sandy gardens set,
And the rich goods from near and far
Hang for sale in the bazaar;--
Where the Great Wall round China goes,
And on one side the desert blows,
And with the voice and bell and drum,
Cities on the other hum;--
[Omission]

   Travel
   from A Child's Garden of Verses by Robert Louis Stevenson
   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title in Japanese

   「旅」……………しばさき 1973
   「旅」……………よしだ 2000
   「旅」……………西條 1921, 1995
   「旅」……………和田 1991
   「旅に出る」……まさき 2010
   「旅行」…………葛原 1970
   「旅行」…………三上 1922
   未確認…………左右田 1949
   未確認…………福原+葛原 1922


■外部リンク External links


■tomoki y. のコメント tomoki y's comments

原文の雰囲気をつたえるために、ちゃんと脚韻を踏むように訳してある和田誠訳はお見事。同氏による絵とあいまって、楽しめる仕上がりの絵本になっている。


■更新履歴 Change log

  • 2012/08/29 スペイン語訳を追加しました。
  • 2010/11/09 まさき・るりこ=訳 2010/09/09 を追加しました。また、「邦題の異同」の項を新設しました。
  • 2009/02/13 葛原滋=訳 1970/07 を追加しました。

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Tuesday, 30 December 2008

Planet Google, HAL 9000, and 2001: A Space Odyssey 『プラネット・グーグル』,HAL,『2001年宇宙の旅』

■はじめに Introduction

グーグル社がめざしているもの。そして、スタンリー・キューブリックが映画化し、アーサー・C・クラークが小説化した、サイエンス・フィクションの世界。両者は、HAL 9000という架空のコンピュータを通じて、ひとつにつながっている。


■日本語訳 Translation into Japanese

シュミットは2007年5月のロンドン滞在中に、五年後にグーグルはどうなっているかと尋ねられた。彼はグーグルの保有する情報量は「まだまだ」だと答えた。収集する情報の幅を広げてさらに深いものにすれば、各ユーザーに合わせた検索結果を提示できると言う。グーグルのアルゴリズムに十分な量の個人情報を処理させ、「わたしは明日どうすべきか」「わたしはどのような職に就くべきか」といった質問を受けるとユーザーごとに異なる回答を提示できるようにすることが最終目標だそうだ。

こうした質問に答えられるコンピュータを思い描くのはそれほど難しくない。その全知全能ぶりで最も記憶に残っているキャラクターといえば、アーサー・C・クラークのアイデアを基に製作され1968年に初公開された映画『2001年宇宙の旅』に登場するHAL9000だ。サーゲイ・ブリンは2001年にあるインタビューの中で、収集した全情報を一つにまとめたうえに、ブリンの言葉を借りれば「合理化する」能力に関して、HALこそが「われわれの目標だ」と答えている。さらに「HALが宇宙船の乗組員を殺してしまったようなバグはなくせるはずだ」とも述べている。

   ランダル・ストロス=著 吉田晋治(よしだ・しんじ)=訳
   『プラネット・グーグル』日本放送出版教会(NHK出版) 2008/09


■英語原文 The original text in English

During a visit to London in May 2007, Eric Schmidt was asked what Google might look like five years hence. He said that the total amount of information that Google possessed was still at an "early" stage. By broadening and deepening its information collections, he explained, Google will be able to provide search results better tailored to a particular user. He said the ultimate goal was to provide Google's software with enough personal detail about each of its visitors that it could provide a customized answer to the questions "What shall I do tomorrow?" and "What job shall I take?"

One need not squint hard to picture a computer being able to answer such questions: it's the HAL 9000, whose omniscience made it the most disturbing and memorable character in 2001: A Space Odyssey, the 1968 film adaptation of Arthur C. Clarke's saga. Sergey Brin told an interviewer in 2002 that HAL was "what we're striving for," with its ability to stitch together all of the information it was fed and, in Brin's words, "rationalize it." He said, "Hopefully, it would never have a bug like HAL did where he killed the occupants of the space ship."

   Planet Google (2008) by Randall Stross
   * Hardcover: Free Press, 2008/09
   * Paperback: Free Press, 2008/09

■2分1秒宇宙の旅 2001: A Space Odyssey in 2 min. and 01 sec.


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) tomoki y. 2008
 六番目の乗組員は、これらのことには無頓着だった。なぜなら、この乗組員は人間ではなかったから。その名をHAL9000コンピュータ。ハルは高度に発達したコンピュータであり、宇宙船の頭脳と神経を構成していた。
 ハル(ずばり「発見的プログラム手法によってプログラミングされたアルゴリズム的コンピュータ Heuristically programmed ALgorithmic computer」の短縮形)は、第三のコンピュータ・ブレークスルーが造り出した傑作であった。[略]
 どういう仕組みにしろ、最終的に産み出されたのは、一種の機械知能だった。この機械知能は、人間の脳の活動の大部分を、人間の脳より、はるかに優れたスピードと信頼度で再現することができた(ただし「再現」よりも「模倣」という表現のほうが、一部の理論家たちのあいだでは依然人気があったが)。[略]
 ハルは本当に思考しているのかどうか? この疑問は、すでに1940年代、イギリスの数学者アラン・チューリングによって解決済みだった。

   第16章 ハル
   アーサー・C・クラーク=著 Tomoki Yamabayashi=訳『2001年宇宙の旅』
   tomokilog - うただひかるまだがすかる 2008/12/30


(J2) 伊藤 1968, 1977, etc.
 船の六番目のクルーは人間ではないので、こうしたことには無関心だった。名前はHAL9000――船の頭脳と神経系をなす高度に進歩したコンピュータである。
 ハル(と人間っぽく呼んでも、「発見的プログラミングをされたアルゴリズム的コンピュータ Heuristically programmed ALgorithmic computer」を略しただけなのだが)は、第三次コンピュータ革命がもたらした傑作であった。[略]
 仕組みがどうあれ、最終的な産物は、人脳の活動のおおかたを、人脳をはるかに越える速さと信頼度で再現する――哲学者のなかには、まだ〝模倣する〟という語を好んで使う者もいた――機械の知性であった。[略]
 さて、ハルがほんとうに物を考えているかどうかだが、それはすでに1940年代、イギリスの数学者アラン・チューリングが決着をつけていた。

   16 ハル
   アーサー・C・クラーク=著 伊藤典夫(いとう・のりお)=訳
   2a.2001年宇宙の旅 決定版』ハヤカワ文庫SF 1993/02
     出版社サイトのページは ここ
   2b.2001年宇宙の旅』ハヤカワ文庫SF 1977/05
   2c.宇宙のオデッセイ2001』ハヤカワ・ノヴェルズ 1968
   引用は 2a. に拠りました。


■英語原文 The original text in English

The sixth member of the crew cared for none of these things, for it was not human. It was the highly advanced HAL 9000 computer, the brain and nervous system of the ship.

HAL (for Heuristically programmed ALgorithmic computer, no less) was a masterwork of the third computer breakthrough. [Omission]

Whatever way it worked, the final result was a machine intelligence that could reproduce--some philosophers still preferred to use the word "mimic"--most of the activities of the human brain, and with far great speed and reliability. [Omission]

Whether Hal could actually think was a question which had been settled by the British mathematician Alan Turing back in the 1940s.

   Chapter 16: Hal
   2001: A Space Odyssey (1968) by Arthur C. Clarke
   Based on a screenplay by Stanley Kubrick and Arthur C. Clarke
   Recent paperback editions include:
   * 2001: A Space Odyssey (Penguin Longman Penguin Readers)
    Penguin, 2008-05-29
   * 2001: A Space Odyssey Roc, 2005-07-31
   * 2001: A Space Odyssey Roc, 2000-09-12
   Ebook at: Scribd
   Excerpt at:
   * Technovelgy.com
   * Welcome to the monkey house

■外部リンク External links

 [en] English
   * 2001: A Space Odyssey - Wikipedia
   * 2001: A Space Odyssey (film) - Wikipedia
   * 2001: A Space Odyssey (1968) - Filmsite.org
   * Arthur C. Clarke - Wikipedia (1917-2008)
   * The Underview

 [ja] 日本語
   * 2001年宇宙の旅 - Wikipedia
   * アーサー・C・クラーク - Wikipedia (1917-2008)
   * アーサー・C・クラーク - 翻訳作品集成
   * Hal's Eye's Web Site
   * 「2001年宇宙の旅」の真相

 

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Sunday, 28 December 2008

Markheim by Robert Louis Stevenson (5) スティーヴンソン 「マーカイム」「マークハイム」 (5)

« 1 2 3 4 Markheim »
« 1 2 3 4 マーカイム »

■はじめに Introduction

謎の男との会話は、骨董屋の主人を殺したマーカイムの心のなかに、ある変化をもたらした。
この短篇の最後の2行を引用します。


 Photo gallery 
スティーヴンソンの生と死 The life and death of Robert Louis Stevenson

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Stevensons_notebook b. Robert_louis_stevensons_tomb_2008_2

c. Robert_louis_stevenson_shortly_befo d. Robert_louis_stevensons_tomb_in_w_2

  • University notebook page from his civil engineering lectures at Edinburgh University in 1869. 学生時代のノートブック。1869年、エディンバラ大学で土木学の講義を受けていたときのもの。 Image source: National Library of Scotland
  • Robert Louis Stevenson's tomb 2008-02-18. サモア独立国(旧西サモア)、ヴァエア山の山頂にあるスティーヴンソンの墓。2008年2月18日撮影。Image source: Andy's photostream - Samoa 2008 on Flickr
  • Stevenson shortly before his death 死ぬすこし前のスティーヴンソン。Image source: National Library of Scotland
  • Stevenson's tomb スティーヴンソンの墓。 Image source: National Library of Scotland

 Map 
R・L・スティーヴンソン博物館(サモア諸島ウポル島アピア市)
Robert Louis Stevenson Museum, Apia, Samoa

View Larger Map


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2008
 彼は玄関でメイドと対峙した。顔に微笑のようなものを浮かべながら。
 「警察を呼んだほうがいい」彼は言った。「おたくの店の主(あるじ)を殺してしまった」

(2) 高松+高松 1989, 1994
 彼は微笑のようなものを浮かべながら、戸口で女中と向いあった。
 「警察を呼んできたまえ」と彼は言った。「ぼくはご主人を殺したのだ」

(3) 池 1988
 マークハイムは微(かす)かに頬(ほお)をほころばせて小間使いの娘を戸口に迎えた。
 「警察を呼びなさい」彼は言った。「私はおたくの御主人を殺した」

(4) 河田 1975, 1988
 彼はかすかにほほえみながら戸口で女中に向かい合った。
 「警察を呼びに行った方がいいよ」と彼は言った。「きみのご主人を殺したんだ」

(5) 高見 1961
 彼は微笑のようなものをうかべながら、戸口で女中と顔をつきあわせた。
 「警察を呼んできなさい」と彼は言った。「ぼくはあんたの主人を殺したんだ」

(6) 龍口 1961, 1977
彼はかすかに微笑みを浮かべ、戸口のところでお手伝いと顔を合わせた。
「あんたは警官を呼びに行ったほうがよさそうだね」と彼はいった。「ぼくはきみの主人を殺したんだよ」

(7) 守屋 1958, 1961, etc.
 彼は、微笑のようなものを顔にうかべ、戸口のところで女中と顔をあわせた。
「あなたは警察に行ったほうがいい」彼はいった。「私は、あなたの主人を殺したのだ」

(8) 伊藤 1955, 1999
 閾の上に立った女中に、彼は微笑のようなものを浮かべて、向きあった。
 彼は言った、「警察に行ってくるがいい、ぼくは君の主人を殺したんだ」

(9) 和田 1953
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

(10) 大橋 1952
 彼は閾口に立つて女中と顏を合せたが、その様子には何処か頬笑んでいるのが見られた。
 「警察へ行つた方がいゝですよ」彼は云つた。「私はこちらの御主人を殺したのですから。」

(11) 武井 1933, 1952, etc.
 彼は微笑ともつかぬ笑いを浮べて敷居の上で女中と顏をつき合せた。
 「あなたは警察へ行った方が宜しい、私はあなたのご主人を殺したんだから」と彼はいった。

(12) 谷崎 1929
 彼は戸口で微笑に近いものを顏に浮べながら女中に對した。
 「あなたは警察へ行くがいゝです。私はあなたのご主人を殺しました。」

(13) 谷口 1926
 かれは何か微笑に似たものを顏にうかべながら、下女と部屋の入口のところで對面した。
 『君は警察へかけつけた方がいゝよ。』とかれは言つた。『僕は君の御主人を殺したのだよ。』


■英語原文 The original text in English

He confronted the maid upon the threshold with something like a smile.
‘You had better go for the police,’ said he: ‘I have killed your master.’

   Markheim (1885) by Robert Louis Stevenson
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「マーカイム」…………………………tomoki y. 2008
  「マーカイム」…………………………高松+高松 1989, 1994, 2011
  「マーカイム」…………………………池 1988
  「マーカイム」…………………………河田 1975, 1988
  「マーカイム」…………………………伊藤 1955, 1999
  「マークハイム」………………………龍口 1961, 1977
  「マークハイム」………………………高見 1961
  「マークハイム」………………………守屋 1958, 1961, 1996
  「マークハイム」………………………和田 1953
  「マークハイム」………………………武井 1933, 1952, 1978
  「マークハイム」………………………谷崎 1929
  「マークハイム」(道具屋殺し)……大橋 1952


■著者名の日本語表記の異同
 Transliteration variations of the author's name in Japanese

  スティーヴンスン……池 1988
  スティーヴンスン……高見 1961
  スティーヴンスン……守屋 1961(目次)
  スティーヴンソン……tomoki y. 2008
  スティーヴンソン……高松+高松 1989, 1994, 2011
  スティーヴンソン……河田 1975, 1988
  スティーヴンソン……龍口 1961, 1977
  スティーヴンソン……守屋 1958, 1961(本文・作者小伝), 1996
  スティーヴンソン……伊藤 1955, 1999
  スティーヴンソン……武井 1933, 1952, 1978
   スティヴンスン……大橋 1952
   スティヴンスン……和田 1953
   スティヴンスン……谷崎 1929


■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

(1) tomoki y. 2008
   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著 Tomoki Yamabayashi=訳 「マーカイム」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/25

(2) 高松+高松 1989, 1994
   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作
   高松雄一+高松禎子(たかまつ・ていこ)=訳 「マーカイム」
   1. 新・ちくま文学の森. 4 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1994.12
   2. 声たちの島 / ロバート・ルイス・スティーヴンソン[他]. -- 国書刊行会, 1989.10.
     -- (バベルの図書館 ; 17)
   引用は 2. に拠りました。

(3) 池 1988
   ロバート・L.スティーヴンスン=著
   池央耿(いけ・ひろあき)=訳 「マークハイム」
   クリスマス13の戦慄 / I.アシモフ[他]. -- 新潮社, 1988.11. -- (新潮文庫)
   原書:
   The Twelve Frights of Christmas.
   Edited by Isaac Asimov, Carol-Lyn Waugh and Martin Greenberg
   Avon Books, 1986-12

(4) 河田 1975, 1988
   スティーヴンソン=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳 「マーカイム」
   1. スティーヴンソン怪奇短篇集 / 河田智雄. -- 福武書店, 1988.7. -- (福武文庫)
   2. ねじけジャネット. スティーヴンソン短篇集 / スティーヴンソン[他].
     -- 創土社, 1975. -- (ブックスメタモルファス)
   引用は 1. に拠りました。

(5) 高見 1961
   スティーヴンスン=著 高見幸郎(たかみ・ゆきお)=訳 「マークハイム」
   イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961

(6) 龍口 1961, 1977
   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著
   龍口直太郎(たつのくち・なおたろう)=訳 「マークハイム」
   1. 犯罪文学傑作選 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1977.5.
     -- (創元推理文庫)
   2. 文芸推理小説26人集. 第2 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1961
   引用は 1. に拠りました。

(7) 守屋 1958, 1961, etc.
   スティーヴンソン(2. では、スティーヴンスン表記も)=著
   守屋陽一(もりや・よういち)=訳 「マークハイム」
   1. 世界100物語. 2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.11
   2. 世界文学100選. 第1 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961.4
   3. 水車小屋のウイル / スティーヴンソン[他]. -- 角川書店, 1958. -- (角川文庫)
   引用は 2. に拠りました。
   2. の原書:
   Tellers of Tales : 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany. Selected by W. Somerset Maugham.
   New York : Doubleday, Doran. 1939

(8) 伊藤 1955, 1999
   R.L.スティーヴンソン=著 伊藤整=訳 「マーカイム」
   1. スティーヴンソン作品集. 5 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
   2. 世界大衆小説全集. 第1期 第10巻 / 大仏次郎. -- 生活百科刊行会, 1955

   印字のかすれ具合などから見て、1. は新たに活字を組んで出版した本では
   なく、ファクシミリ版、つまり、先行する何かほかの本を複写して製本した、
   複製版だと思われます。さて、2. は未見ですが、国立国会図書館 NDL-OPAC で
   2. の収録作品のラインナップや訳者、ページ数などを 1. のそれと照合すると、
   ぴったり一致します。なので、おそらく 1. は 2. を複製したものなのでしょう。
   ただ、不審なことに、1. の巻末や奥付にその旨の表示はありません。引用は
   1. に拠りました。

(9) 和田 1953
   スティヴンスン=著 和田聖嗣=訳註 「マークハイム」
   一夜の宿・マレトロア邸の入口の戸・マークハイム / スティヴンスン[他].
    -- 開文社, 1953. -- (英米文学訳註叢書 ; 第32)

(10) 大橋 1952
   スティヴンスン=著 大橋榮三(おおはし・えいぞう)=譯註
   「マークハイム」(道具屋殺し)
   壺の怪鬼・マークハイム / R. L. Stevenson[他]. -- 南雲堂, 1952.
    -- (フイニツクス・ライブラリー英和対訳)

(11) 武井 1933, 1952, etc.
   スティーヴンソン (R.L.Stevenson)=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註
   「マークハイム」
   1. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1978
     -- (研究社新訳註叢書)
   2. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1952.12
     -- (研究社新訳註叢書 ; 第27)
   3. 研究社英文訳註叢書. 第37 マークハイム・水車小屋のウイル / 研究社.
     -- 研究社, 1933(昭和8)
   引用は 2. に拠りました。

(12) 谷崎 1929
   スティヴンスン=作 谷崎精二=譯 「マークハイム」
   世界文学全集. 第36巻. 近代短篇小説集. -- 新潮社, 1929.7(昭和4)

(13) 谷口 1926
   ステイヴンスン=著 谷口武=訳 「マアクハイム」
   世界短篇小説大系. 英吉利篇 上 英吉利歴代名作集. / 近代社.
    -- 近代社, 1926.1(大正15) この本の内容詳細は ここ


■外部リンク External links

 [en] English


 [ja] 日本語


■更新履歴 Change log

  • 2013/06/14 大橋榮三=譯註 1952 の訳文を挿入し、書誌情報を修正しました。
  • 2010/11/14 谷口武=訳 1926.1 の訳文を挿入しました。
  • 2009/02/07 谷口武=訳 1926.1 の書誌情報を追加しました。訳文は追って挿入するつもりです。
  • 2009/02/07 伊藤整=訳 1999.3 を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳注 1933, 1952, etc. を追加しました。

 

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Saturday, 27 December 2008

The Riddle by Walter de la Mare (2) ウォルター・デ・ラ・メア 「不思議な話」「謎」「なぞ」「なぞなぞ」(2)

« 1 The Riddle »
« 1 なぞ »

■表紙画像と肖像写真 Cover photos and a portrait

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. De_la_mare_collected_stories_for_ch b. The_riddle_and_other_stories c. 123690045820c803


■はじめに Introduction

おばあさんの家に越して来た7人の幼い兄弟姉妹たちは、ひとり、またひとりと姿を消していく。物語の謎めいた結末。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 金原 2012
しかし遠くはみえなかった。目が悪いし、日の光も弱い。秋の枯葉(かれは)のようなかすかな香(かおり)にも気がつかなかった。しかし頭の中では思い出がもつれてからまっていて……笑い声や涙(なみだ)、昔の子どもたち、友人との出会いと別れ。おばあさんはいきなり、わけのわからないことをつぶやいたかと思うと、階段(かいだん)を下りて窓際(まどぎわ)の椅子(いす)のところにもどっていった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
   「不思議な話」 金原瑞人=編訳 『南から来た男 ホラー短編集 2
   岩波少年文庫 2012/07/18 所収


(2) 柴田 2009
でも視力が弱っていたし、日の光も弱まっていたから、遠くは見えなかった。それに、秋の落葉のような、かぐわしいかすかな香りも彼女には感じとれなかった。けれど、心のうちでは、いろんな記憶が、こんがらがった糸のようにもつれあっていた。笑いと涙、もうずっと昔に時代遅れになった姿の子供たち、友人の到来、最後の別れ。そして、自分を相手に、切れ切れの、言葉もはっきりしない噂話を交わしながら、お祖母さんは階段を降りて、張り出し窓の前に戻っていった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 柴田元幸=訳 「謎」
   『昨日のように遠い日―少女少年小説選』 文藝春秋 2009/03/25 所収


(3) tomoki y. 2008
ところが、おばあさんには遠くが見えませんでした。目が悪かったし、日の光も弱かったからです。秋の木の葉のような、かすかな香りがただよっているのにも、気がつきませんでした。けれども、その心のなかには、いろいろな思い出がからまりあっていました。笑ったこと、泣いたこと、遠いむかしに子どもだった者たちが年老いてしまったこと、友だちとの出会い、そして永久(とわ)の別れ。ぶつぶつと独りごとを言いながら、おばあさんは窓際の椅子にもどって行きました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 Tomoki Yamabayashi=訳 「なぞ」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/27


(4) 柿崎 2008
けれどおばあさまは眼がよく見えなかったし、日の光も弱かったので、遠くのほうを見ることはできませんでした。秋の木の葉のような、かすかな良い匂いさえ感じとることができなかったのです。それでもおばあさまの心のなかでは沢山の思い出、笑い声や涙、そしてずっと昔のこととなった子供たち、友達との出会いや、最後の別れなどがもつれあい、からみあっていたのです。そうして老婦人は、思い出したように何言かつぶやくと、窓際の椅子のところへ再び降りていきました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 柿崎亮=訳 「謎」
   『デ・ラ・メア幻想短篇集』 国書刊行会 2008/05 所収


(5) マクワガ 1997
でも、眼(め)はかすんでいたし、もう日の光も弱くて、あまり遠くは見えませんでした。ほのかに、秋の葉のにおいがただよっているのにも気がつきませんでした。けれど頭の中には、もつれた糸のような、さまざまな記憶(きおく)がひしめきあっていました——わらい声や涙(なみだ)、いまはもう、むかしふうになってしまったあのころの子どもたち、それから、新しくきたおおぜいの友だち、そして何度もかわした別れの数々——。それからおばあさまはぶつぶつと、意味のとれないことばをつぶやきながら、ご自分の窓辺(まどべ)の椅子(いす)へともどっていきました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 マクワガ葉子=訳
   津田真帆(つだ・まほ)=絵 「なぞなぞ」
   『デ・ラ・メア物語集2』 大日本図書 1997/04 所収


(6) 紀田 1979, 2002, etc.
 でもお婆さんの眼はとてもわるく、遠くのほうはなにも見えないのでした。窓のあかりも、もう暗すぎました。だから、秋の木の葉にも似た、かすかな香りにも気づかなかったのです。
 とはいえ、彼女の胸の中には、さまざまな思い出がたくさんしまわれてあるのでした。喜びも悲しみも、そしていまは老いた身の幼かりしころの思い出、やがてお友だちができたが、いつか、それとも永(なが)のおわかれをしてしまったこと……。
 このような思い出を、とぎれがちな回らぬ舌で、ぶつぶつひとりごとに出しながら、お婆さんはもう一度、あの窓ぎわのいすへともどっていくのでありました。

   W・デ・ラ・メア=作 紀田順一郎=訳 「なぞ」

   引用は b. 光文社 2002/11 に拠りました。


(7) 井村 1977
だがもはや遠くは見えず、視力はぼんやりとして、陽(ひ)の光さえかすかに見えるだけであった。それに秋の木の葉のようなかすかな匂いは、最早や嗅ぎ分けることすら出来ないのであった。だが心の中には、いろいろな思い出が、糸のように絡み合っていた——かずかずの笑いと涙、それにもう、今となっては昔のことになってしまった子供たちのこと、また友達との出会いや、永久(とわ)の別れのことなど、さまざまな思い出が——。そして、ぶつぶつと聞き分けにくい声でなにかをつぶやきながら、階下に降りてゆき、また再び、もとの出窓の席へと戻って行くのだった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 井村君江=訳 「謎」
   『幽霊奇譚』 牧神社 1977/12 所収
   この本は、主要オンライン書店の目録や国立国会図書館 NDL-OPAC には
   掲載されていないようです。書誌情報の詳細を知るには、つぎの各サイトが
   たいへん参考になります:


(8) 河野 1977
ですが、遠くまでは見えませんでした——もう目がかすんでいましたし、日の光も弱かったからです。秋の木(こ)の葉のような、あのかすかな匂いにも気づきませんでした。しかしおばあさんの心のなかでは、笑いや涙、今はもう古い思い出になってしまった小さな子どもたちや、友だちとの出会(であ)い、そして長い別れなど、思い出の糸がもつれ、からみ合っていました。そして自分(じぶん)を相手に、はっきり聞きとれないことをきれぎれにつぶやきながら、おばあさんはまた階段をおりて、出窓のところへもどりました。

   デ・ラ・メア=作 河野一郎(こうの・いちろう)=訳 「なぞ」
   『魔法のジャケット』 旺文社ジュニア図書館 1977/07 所収


(9) 脇 1976
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   ウォルター・デ・ラ・メア=著 脇明子=訳 橋本治=絵 「謎」
   『アリスの教母さま』 ウォルター・デ・ラ・メア作品集 1
   牧神社 1976/08 所収


(10) 鈴木 1975, 1980
だが、たいして遠くまで見えはしないのだ。おばあちゃまの目はすっかりかすんでいたし、昼間の陽の光りすら弱すぎるのだった。そればかりか、秋の落ち葉のようなかすかな香りなどかぎわけられなくなっていた。だが、彼女の心のなかには、思い出という一かせのもつれた糸がのこっていた。——笑いさざめいたときや涙にくれたとき、そしていまでは時代おくれの服を着こんだこどもたちの姿、友人たちの訪ないと長い別れ。とぎれがちに、もぐもぐとひとりごとをつぶやきながら、おばあちゃまはふたたび出窓の椅子へともどっていったのだった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 鈴木説子=訳 「謎」

  • 中田耕治=編 『恐怖の1ダース』 講談社文庫 1980/08 所収
  • レイモンド・チャンドラー[ほか]=著 中田耕治=編 『恐怖の1ダース』 発行:出帆社 発売:路書房 1975/09 所収

   引用は b. 路書房 1975/09 に拠りました。


(11) 野上 1956
しかしおばあさんは、遠くのほうは見えなかった。目がすっかりかすんでしまい、今では昼間(ひるま)の光りでも弱(よわ)すぎるほどだったから。それに、あの秋草の葉(は)のようなほのかなかおりもかぐことはできなかった。だが、その心には、かずかずの思い出がもつれあっていた。笑(わら)い声や涙(なみだ)や、今はもう流行(りゅうこう)おくれの衣装(いしょう)をつけた子どもたちや、友だちとのめぐりあいや長いわかれの、さまざまな思い出……
 やがておばあさんは、いきなりもぐもぐとひとりごとを言いながら、またいつものはりだし窓のところへ、そろそろとおりて行った。

   デ・ラ・メア=作 野上彰(のがみ・あきら)=訳 「なぞ」
   『世界少年少女文学全集34 イギリス編6』 創元社 1956/08 所収


(12) 柳田 1925
だがお祖母さまは遠くまでは見透すことが出來なかつた、何故ならお祖母さまの眼はぼんやりして、日の光が弱かつたからであつた。それにあの秋の木葉のやうなかすかな香ひを嗅ぎつけることも出來なかつた。だがお祖母さまの心には追憶の入り亂れた こがらかり があつた――笑ひと涙、今は爺さま婆さまになつた小さな子供たち、それから友達の到來、長い告別があつた。發作にかゝつたやうに、何かぼそぼそと獨りでお饒舌しながら、この年寄りの貴女は、また階下の張出し窓のところに下りて行くのであつた。

   ウオールタア・デ・ラ・メエア=作 柳田泉=譯 「謎」
   『英吉利近代傑作集 世界短篇小説大系 英吉利篇(下)
   近代社 1925/07(大正14)所収 この本の内容詳細は ここ
   太字箇所「こがらかり」は原文では太字ではなく傍点。


■英語原文 The original text in English

But she could not see far, because her sight was dim and the light of day feeble. Nor could she detect the faint fragrance as of autumnal leaves. But in her mind was a tangled skein of memories—laughter and tears, and children long ago become old-fashioned, and the advent of friends, and last farewells. And gossiping fitfully, inarticulately, with herself, the old lady went down again to her window-seat.

   The Riddle by Walter de la Mare
   E-text at:


■更新履歴 Change log

  • 2013/06/18 金原瑞人=訳 2012/07/18 を追加しました。
  • 2009/08/07 柴田元幸=訳 2009/03 を追加しました。
  • 2009/03/22 柳田泉=訳 1925/07 を追加しました。
  • 2009/01/30 脇明子=訳 1976/08 の書誌情報を追加しました。訳文は追って挿入するつもりです。
  • 2009/01/11 井村君江=訳 1977/12 を追加しました。

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Markheim by Robert Louis Stevenson (4) スティーヴンソン 「マーカイム」「マークハイム」 (4)

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■スティーヴンソン博物館(サモア) Robert Louis Stevenson Museum, Samoa



■はじめに Introduction

殺人犯マーカイムと謎の男との会話。問答を聞くかぎり、マーカイムは人を殺したとはいえ、良心を完全に失ってしまったわけではないらしい。だが、謎の男は、そんなことには興味がないという。この男は悪魔か?


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2008
 「(……)この殺人という罪は、善の泉じたいをカラカラにするほど、バチ当たりな罪ですか?」
 「殺人はわたくしにとっては、なにも特別ではありません」と相手は答えた。「あらゆる罪は殺人です、あらゆる生が戦争であるように。わたくしから見ると、あなたがた人間は、筏(いかだ)に乗った、飢え死にしかけた船乗りの一団のようなものです。飢える仲間の手から、パンのかけらをもぎ取り、共食いをしながら生きている。わたくしは犯罪を、犯行の瞬間だけでなく、その後についても追跡します。すべての場合において、最後に目撃する結末は死なのです。(……)」

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著 Tomoki Yamabayashi=訳「マーカイム」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/25


(2) 高松+高松 1989, 1994
「(……)この殺人の罪ってのは、善の泉そのものを干上がらせるほど忌まわしい罪なのか?」
「ぼくにとっては、殺人はべつに特別な罪じゃない」と相手が答えた。「あらゆる罪が殺人だよ、あらゆる人生が戦いであるようにね。ぼくが見るところ、きみら人間というやつは、筏(いかだ)の上の餓死しかけた水夫らみたいなものさ。飢えに苦しむ者たちからパン屑をひったくり、たがいの命を食らいあって生きている。ぼくは罪の行為が生じる瞬間だけでなく、その先まで見とどけているんだ。どれを見ても、最後にゆきつくのは死だ。(……)」

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作
   高松雄一+高松禎子(たかまつ・ていこ)=訳「マーカイム」
   1. 新・ちくま文学の森. 4 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1994.12
   2. 声たちの島 / ロバート・ルイス・スティーヴンソン[他]. -- 国書刊行会, 1989.10.
     -- (バベルの図書館 ; 17)
   引用は 2. に拠りました。


(3) 池 1988
「(……)人殺しの罪とは善の泉を涸(か)らすほど不埒(ふらち)なものだというのか?」
「俺に言わせれば、人殺しは何も特別な罪ではない」悪魔の化身は言った。「人生が戦いであるのと同じで、すべての罪はつまるところ人殺しだ。俺が見るところ、人間どもは筏(いかだ)に乗って漂流する餓(う)えた水夫の一団と変りない。腹を空(す)かした仲間の手からパン屑(くず)を奪い取る。お互いに、他人の命を食いものにする。俺は罪が犯される瞬間よりも、それから後を見届けることにしているのだ。人間、行き着くところは死でしかない。(……)」

   ロバート・L.スティーヴンスン=著
   池央耿(いけ・ひろあき)=訳「マークハイム」
   クリスマス13の戦慄 / I.アシモフ[他]. -- 新潮社, 1988.11. -- (新潮文庫)
   原書:
   The Twelve Frights of Christmas.
   Edited by Isaac Asimov, Carol-Lyn Waugh and Martin Greenberg
   Avon Books, 1986-12


(4) 河田 1975, 1988
「(……)この殺人の罪は、良いことをしようとする元の力を全くなくしてしまうほど、たちの悪いものなんですか?」
「わたしにとって、人殺しは何も特殊な罪悪ではないですよ」と訪問者は言った。「すべての罪悪は人殺しみたいなもんですよ。ちょうど人生が戦争であるようにね。わたしから見れば、あなたたち人間は、いかだに乗って漂流している飢えた水夫たちのようなもんです。水夫たちは飢えた人たちの手からパン屑をひったくり、共食いをしてるんですよ。罪が犯された後どうなるかたどってみると、行きつく先はみんな死ですよ。(……)」

   スティーヴンソン=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン怪奇短篇集 / 河田智雄. -- 福武書店, 1988.7. -- (福武文庫)
   2. ねじけジャネット. スティーヴンソン短篇集 / スティーヴンソン[他].
     -- 創土社, 1975. -- (ブックスメタモルファス)
   引用は 1. に拠りました。


(5) 高見 1961
 「(……)人殺しの罪は、善の泉を渇らしてしまうほど、それほど深い罪なのだろうか」
 「人殺しなど、私にはなんら特殊なものではありません」相手はこたえた。「罪と名のつくものはすべて人殺しです。生きることが争うことであるのと同じです。私はあなたがた人間が、筏の上で飢えかかっている船乗りのように、お腹のすいている仲間の手からパンの皮をひったくり、たがいに他人の生命を食いものにしているのを見ています。私は罪のゆくえを、その行為自体が終ったあとも追って見ているのです。全部が全部、最後に行きつくところは死です。(……)」

   スティーヴンスン=著 高見幸郎(たかみ・ゆきお)=訳「マークハイム」
   イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961


(6) 龍口 1961, 1977
「(……)殺人をおかすということは、善の泉そのものを涸(か)らしてしまうほど、バチあたりのことなのかね?」
「殺人はわたしにとってとくべつの部門ではありません」と相手は答えた。「すべての罪は殺人です。ちょうどすべての生が戦いであるように。あなたがた人間は、いかだの上で飢えている水夫たちのように、飢餓の手からパンくずをうばいあい、たがいに相手の生命を食い合っているようなものだ、と思っております。わたしは罪の行為が終わった瞬間から、そのあとを追って行くのです。そしてすべては死によって結末を告げると見ているのです。(……)」

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著
   龍口直太郎(たつのくち・なおたろう)=訳「マークハイム」
   1. 犯罪文学傑作選 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1977.5.
     -- (創元推理文庫)
   2. 文芸推理小説26人集. 第2 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1961
   引用は 1. に拠りました。


(7) 守屋 1958, 1961, etc.
「(……)この殺人の罪は本当に、善の泉をからしてしまうほど邪悪なものなのか」
「殺人は、私にとっては、別に特殊なものではありません」相手は答えた。「すべての罪は殺人です。ちょうどあらゆる人生が戦いであるように。私は、あなた方人間が、筏の上で飢えている水夫たちのように、飢饉(ききん)の手からパンの皮をうばいあい、お互いの生命を食いあって生きているのをみています。私は罪が犯されたあとになっても、そのあとを追って行きます。そしてすべての場合、その結果は死となって終っているのを見出すのです。(……)」

   スティーヴンソン(2. では、スティーヴンスン表記も)=著
   守屋陽一(もりや・よういち)=訳「マークハイム」
   1. 世界100物語. 2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.11
   2. 世界文学100選. 第1 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961.4
   3. 水車小屋のウイル / スティーヴンソン[他]. -- 角川書店, 1958. -- (角川文庫)
   2, の原書:
   Tellers of Tales : 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany. Selected by W. Somerset Maugham.
   New York : Doubleday, Doran. 1939
   引用は 2. に拠りました。


(8) 伊藤 1955, 1999
 「(……)この殺人という犯罪は、善の源さえも枯らしてしまうほどに邪悪なものなんですか」
 「殺人とて私にとっては特別なカテゴリーには入らん」と相手は答えた、「すべての犯罪は殺人だ、すべての人生が戦いであるように。私はあなた方の種族を、いかだの上の飢えた水夫みたいだと見ておる、飢餓の乗組員からパン切れを奪い取り、お互にお互の生命を食い合って生きているんだ。私は犯罪をその犯行の瞬間の後までつけてゆくんです、とどのつまり最後の結果は死だということがわかる。(……)」

   R.L.スティーヴンソン=著 伊藤整=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン作品集. 5 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
   2. 世界大衆小説全集. 第1期 第10巻 / 大仏次郎. -- 生活百科刊行会, 1955

   印字のかすれ具合などから見て、1. は新たに活字を組んで出版した本では
   なく、ファクシミリ版、つまり、先行する何かほかの本を複写して製本した、
   複製版だと思われます。さて、2. は未見ですが、国立国会図書館 NDL-OPAC で
   2. の収録作品のラインナップや訳者、ページ数などを 1. のそれと照合すると、
   ぴったり一致します。なので、おそらく 1. は 2. を複製したものなのでしょう。
   ただ、不審なことに、1. の巻末や奥付にその旨の表示はありません。引用は
   1. に拠りました。


(9) 和田 1953
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   スティヴンスン=著 和田聖嗣=訳註「マークハイム」
   一夜の宿・マレトロア邸の入口の戸・マークハイム / スティヴンスン[他].
    -- 開文社, 1953. -- (英米文学訳註叢書 ; 第32)


(10) 大橋 1952
「(……)俺の犯した罪は迚も不信心の限りで、善の根源までも涸らして終うと云うのか?」  「殺人は私には別に取り立てゝ云ふ部類に属してはいません」相手は答えた。「凡ての罪は殺人で、凡ての人生が戦争であるのと正に同じです。私が貴方がた人類を見ると、飢餓に迫つた船乘が筏の上に居るのと同様で、飢えた人の手からひからびたパン屑を引つたくつて、お互の生命を喰い合つて居るのです。私はたゞ悪事をする瞬間だけでなく、罪と云う者の跡をつけて行くのですが、凡ての罪は最後の結果は死だと云う事が判かります。(……)」

   スティヴンスン=著 大橋榮三(おおはし・えいぞう)=訳註 「マークハイム」
   壺の怪鬼・マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 南雲堂, 1952.
    -- (フイニツクス・ライブラリー英和対訳)
   終・飢・餓・迫の旧字は新字で置き換えました。


(11) 武井 1933, 1952, etc.
 「(……)この人殺しの罪は本当に善の泉を渇らすほどに邪悪なものだろうか」。とマークハイムはいった。
 「私にとっては人殺しといっても別に異った種類のものではございません。すべての生活が戰爭であるようにすべての罪が人殺しです。私はあなた方の種族が、筏の上の飢えたる船乘りのように、飢饉の手からパンの片を引ったくってお互の生命を食い合っているのを見受けます。私は罪惡が行われる時刻を越えてまで罪惡についてゆくのです。そうして行ってみるとすべて最後の結果は死である事を知ってます。(……)」

   スティーヴンソン (R.L.Stevenson)=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註
   「マークハイム」
   1. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1978
     -- (研究社新訳註叢書)
   2. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1952.12
     -- (研究社新訳註叢書 ; 第27)
   3. 研究社英文訳註叢書. 第37 マークハイム・水車小屋のウイル / 研究社.
     -- 研究社, 1933(昭和8)


(12) 谷崎 1929
 「(……)この殺人の罪は、善の泉を涸(か)らしてしまふ程汚(けが)れた物かね?」
 「殺人は私に執つて何も特別の範疇(はんちう)ぢやない。」と相手は答へた。「凡ての罪惡は殺人だ。凡ての生活が戰爭であるやうにね。私は君たち人間が筏(いかだ)の上で餓死しかゝつた水夫たちのやうに、餓(う)ゑた者の手からパンのかけらを毟*(も)ぎ取り、互ひに他の生命を餌食(ゑじき)にしてゐるのを見る。私は罪惡の行はれた瞬間の先まで跡をつけて行く。そして何(いづ)れも最後の結果は死だ。(……)」

   スティヴンスン=作 谷崎精二=譯「マークハイム」
   世界文学全集. 第36巻. 近代短篇小説集. -- 新潮社, 1929.7(昭和4)
   * 注:原文は「毟」に手偏の付いた別字。


■英語原文 The original text in English

“( . . . ) and is this crime of murder indeed so impious as to dry up the very springs of good?”

“Murder is to me no special category,” replied the other.

“All sins are murder, even as all life is war. I behold your race, like starving mariners on a raft, plucking crusts out of the hands of famine and feeding on each other’s lives. I follow sins beyond the moment of their acting; I find in all that the last consequence is death ( . . . )”

   Markheim (1885) by Robert Louis Stevenson
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「マーカイム」…………………………tomoki y. 2008
  「マーカイム」…………………………高松+高松 1989, 1994, 2011
  「マーカイム」…………………………池 1988
  「マーカイム」…………………………河田 1975, 1988
  「マーカイム」…………………………伊藤 1955, 1999
  「マークハイム」………………………龍口 1961, 1977
  「マークハイム」………………………高見 1961
  「マークハイム」………………………守屋 1958, 1961, 1996
  「マークハイム」………………………和田 1953
  「マークハイム」………………………武井 1933, 1952, 1978
  「マークハイム」………………………谷崎 1929
  「マークハイム」(道具屋殺し)……大橋 1952


■著者名の日本語表記の異同
 Transliteration variations of the author's name in Japanese

  スティーヴンスン……池 1988
  スティーヴンスン……高見 1961
  スティーヴンスン……守屋 1961(目次)
  スティーヴンソン……tomoki y. 2008
  スティーヴンソン……高松+高松 1989, 1994, 2011
  スティーヴンソン……河田 1975, 1988
  スティーヴンソン……龍口 1961, 1977
  スティーヴンソン……守屋 1958, 1961(本文・作者小伝), 1996
  スティーヴンソン……伊藤 1955, 1999
  スティーヴンソン……武井 1933, 1952, 1978
   スティヴンスン……和田 1953
   スティヴンスン……大橋 1952
   スティヴンスン……谷崎 1929


■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2013/06/14 大橋榮三=訳註 1952 の訳文を挿入し、書誌情報を修正しました。
  • 2009/02/07 伊藤整=訳 1999.3 を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳注 1933, 1952, etc. を追加しました。


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Thursday, 25 December 2008

Markheim by Robert Louis Stevenson (3) スティーヴンソン 「マーカイム」「マークハイム」 (3)

« 1 2 Markheim 4 5 »
« 1 2 マーカイム 4 5 »

■ロバート・ルイス・スティーヴンソン Robert Louis Stevenson

1850年11月13日、スコットランド・エディンバラ生れ。1894年12月3日、サモア・ヴァイリマ没。


■はじめに Introduction

マーカイムは、カネ目当てでクリスマスの日に骨董屋の主人を殺した。カネを見つけて逃げようと思っているうちに、謎の男が現われた。この男は、なぜかマーカイムのことをよく知っていると言う。そして、なぜかマーカイムに親切なのだ。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2008
「(……)女中はぐずぐずしています。行き交う連中の顔をながめたり、広告板の絵に見入ったりしながら。とはいえ、確実にこっちへ近づいています。いいですか、まるで絞首台があなたのほうへ、のし歩いて来るようなものですよ、クリスマスでにぎわうこの街を通ってね! お手伝いしましょうか――万事を心得た、このわたくしが? どこを探したらおカネが出てくるか、お教えしましょうか?」
「見返りに、なにを?」マーカイムは訊いた。
「クリスマスの無料ギフトとして、お教えするのですよ」相手は答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著 Tomoki Yamabayashi=訳「マーカイム」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/25


(2) 高松+高松 1989, 1994
「(……)女中は人々の顔をながめたり、板囲いに貼ってある絵を見たりして手間どってはいるけれど、とにかくこっちに歩き続けている。いいのかい、絞首台がクリスマスで賑わう通りをこっちへやって来るようなものだぜ! 助けてあげようか、なんでも知っているこのぼくがさ。金がどこにあるか教えてあげようか?」
「何と引換えにだい?」とマーカイムが聞いた。
「これはクリスマスの贈物だよ、無料サービスさ」と相手が答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作
   高松雄一+高松禎子(たかまつ・ていこ)=訳「マーカイム」
   1. 新・ちくま文学の森. 4 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1994.12
   2. 声たちの島 / ロバート・ルイス・スティーヴンソン[他]. -- 国書刊行会, 1989.10.
     -- (バベルの図書館 ; 17)
   引用は 2. に拠りました。


(3) 池 1988
「(……)小間使いの娘は通りの人出を眺(なが)めたり、広告塔の絵に見入ったりして道草を食ってはいるが、確実にこっちへ向っている。いいか、絞首台そのものがクリスマスの街の賑(にぎわ)いの中をお前に向ってやって来るのと変りないのだぞ。どうだ、俺が手を貸してやろうか?俺は何でも知っている。金のありかを教えてやろうか?」
「代りに俺に何をさせる気だ?」マーカイムは尋ねた。
「これは俺からお前に、クリスマスのこころざしと思ってもらいたい」

   ロバート・L.スティーヴンスン=著
   池央耿(いけ・ひろあき)=訳「マークハイム」
   クリスマス13の戦慄 / I.アシモフ[他]. -- 新潮社, 1988.11. -- (新潮文庫)
   原書:
   The Twelve Frights of Christmas.
   Edited by Isaac Asimov, Carol-Lyn Waugh and Martin Greenberg
   Avon Books, 1986-12


(4) 河田 1975, 1988
「(……)女中は道草を食って、人ごみの中できょろきょろしたり、広告掲示板の絵をながめたりしているが、一歩一歩ここに近づいてます。いいですか、それは絞首台がクリスマスでにぎわう往来を通ってあなたの方へ歩いて来るようなもんなんですよ! お力になりましょうか? わたしは何でも知ってるんです。金のありかをお教えしましょうか?」
「いくらで教えてくれるんですか?」とマーカイムはたずねた。
「クリスマスの贈り物として、ただでお教えしましょう」と訪問者は答えた。

   スティーヴンソン=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン怪奇短篇集 / 河田智雄. -- 福武書店, 1988.7. -- (福武文庫)
   2. ねじけジャネット. スティーヴンソン短篇集 / スティーヴンソン[他].
     -- 創土社, 1975. -- (ブックスメタモルファス)
   引用は 1. に拠りました。


(5) 高見 1961
 「(……)あの女中は、人ごみの中で他人の顔をながめたり、広告板の絵を見たりしてぐずぐずしているけれど、刻一刻こちらへ近づいてきてるのです。いいですか、いわば絞首台がクリスマスの街を、あなたのところへ大またに歩いてきてるのです。あなたを助けてあげましょう、すべてを知っているこの私が。お金がどこにあるか教えてあげましょう、どうです?」
 「かわりに何が欲しいというんだ?」マーカイムはきいた。
 「ただでお手伝いするだけですよ、クリスマスの贈物として」ただでお教えしましょう」相手はこたえた。

   スティーヴンスン=著 高見幸郎(たかみ・ゆきお)=訳「マークハイム」
   イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961


(6) 龍口 1961, 1977
 「(……)お手伝いは雑沓のなかで人びとの顔を眺めたり、広告板の絵を見たりしてぐずぐずしていますが、まちがいなく近づいて来ます。そしてそれは絞首台がクリスマスの雑沓のなかをあなたのほうに向かって近づいて来るのと同じだということを忘れないでください! わたしはなんでも存じておりますから、お助けしましょうか? どこに金があるか教えて上げましょうか?」
 「その代価は何かね?」マークハイムはたずねた。
 「ただクリスマスの贈物としてあなたを助けて上げようとしてるだけですよ」と相手は答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著
   龍口直太郎(たつのくち・なおたろう)=訳「マークハイム」
   1. 犯罪文学傑作選 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1977.5.
     -- (創元推理文庫)
   2. 文芸推理小説26人集. 第2 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1961
   引用は 1. に拠りました。


(7) 守屋 1958, 1961, etc.
 「(……)女中は、群集の顔をのぞいたり、広告掲示板の絵をみたりして、ぐずぐずしているが、それでもだんだんに近づいています。そして忘れてはいけません。それは絞首台そのものが、クリスマスの通りをあなたのほうへ大またで歩いてくるようです。お助けしましょうか。何もかも知っているこの私が。お金がどこにあるか教えてあげましょうか」
 「報酬には、どんなものが欲しいのです?」マークハイムはたずねた。
 「クリスマスの贈物としてあなたをお助けいたしましょう」相手は答えた。

   スティーヴンソン(2. では、スティーヴンスン表記も)=著
   守屋陽一(もりや・よういち)=訳「マークハイム」
   1. 世界100物語. 2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.11
   2. 世界文学100選. 第1 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961.4
   3. 水車小屋のウイル / スティーヴンソン[他]. -- 角川書店, 1958. -- (角川文庫)
   引用は 2. に拠りました。
   2. の原書:
   Tellers of Tales : 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany. Selected by W. Somerset Maugham.
   New York : Doubleday, Doran. 1939


(8) 伊藤 1955, 1999
「(……)女中はをのぞきこんだり、絵看板に見とれたりしておくれちゃいますが、刻々近づいてはきています。そうして忘れてはいけません。いいですか、ちょうど絞首台そのものがクリスマスの街をあなたの方へ向かってのし歩いてきてるようなもんですぞ。お助けしましょうか、万事承知の私が。どこに金があるかお知らせしましょうか」
「お代はいくらで?」
「クリスマスの贈り物にサービスとして差し上げましょう」
と、相手は答えた。

   R.L.スティーヴンソン=著 伊藤整=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン作品集. 5 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
   2. 世界大衆小説全集. 第1期 第10巻 / 大仏次郎. -- 生活百科刊行会, 1955

   印字のかすれ具合などから見て、1. は新たに活字を組んで出版した本では
   なく、ファクシミリ版、つまり、先行する何かほかの本を複写して製本した、
   複製版だと思われます。さて、2. は未見ですが、国立国会図書館 NDL-OPAC で
   2. の収録作品のラインナップや訳者、ページ数などを 1. のそれと照合すると、
   ぴったり一致します。なので、おそらく 1. は 2. を複製したものなのでしょう。
   ただ、不審なことに、1. の巻末や奥付にその旨の表示はありません。引用は
   1. に拠りました。


(9) 和田 1953
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.

   スティヴンスン=著 和田聖嗣=訳註「マークハイム」
   一夜の宿・マレトロア邸の入口の戸・マークハイム / スティヴンスン[他].
    -- 開文社, 1953. -- (英米文学訳註叢書 ; 第32)


(10) 大橋 1952
 「女中さんは人込みのなかで人の顏を覗いたり、広告の絵看板を眺めたりして遅れては居ますが、しかし刻々近づいて来るのです、そして忘れてはなりませんぞ、それは絞首台その物が大股に步いて来るのと同じですよ! お助けしましようか、何もかも知つて居るこの私が? お金のありかを教えましようか?」  「報酬はいくらなのか?」 マークハイムが訊いた。  「クリスマスの贈物です、たゞで御奉公しましよう。」 相手が答えた。

   スティヴンスン=著 大橋榮三(おおはし・えいぞう)=訳註「マークハイム」
   壺の怪鬼・マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 南雲堂, 1952.
    -- (フイニツクス・ライブラリー英和対訳)


(11) 武井 1933, 1952, etc.
 「(……)女中は群なす人の顏をのぞいたり、廣告板の絵を眺めたりして手間取ってはいるが彼女はだんだんと近づいているのです。そうして忘れてはいけません。それはあたかも絞首台そのものがクリスマスの街を通ってあなたの方へ歩いてくるようなものです。お助けしましうか[ママ]、私が、すべてを知っている私が? どこにお金があるかを敎えてあげましょうか」。
 「いくらの報酬で?」とマークハイムはたずねた。
 「クリスマスの贈物としてあなたのご用をつとめましょう」と相手は答えた。

   スティーヴンソン (R.L.Stevenson)=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註
   「マークハイム」
   1. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1978
     -- (研究社新訳註叢書)
   2. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1952.12
     -- (研究社新訳註叢書 ; 第27)
   3. 研究社英文訳註叢書. 第37 マークハイム・水車小屋のウイル / 研究社.
     -- 研究社, 1933(昭和8)
   引用は 2. に拠りました。


(12) 谷崎 1929
 「(……)この家の女中は往來で人の顏を見たり、廣告板の繪を眺めたりしてぐづ/゛\してゐるが、それでも次第に近づいて來る。それは丁度絞首臺がクリスマスの街(まち)を通つて君の方へ歩いて來るやうなものだと云ふことを忘れてはいけない。手傳ひませうか? 何でも知つてゐる私が、金の在處(ありか)を敎へませうか?」
 「いくらで?」とマークハイムが問うた。
 「クリスマスの贈物として、骨を折らうと云ふのです。」と相手が答へた。

   スティヴンスン=作 谷崎精二=譯「マークハイム」
   世界文学全集. 第36巻. 近代短篇小説集. -- 新潮社, 1929.7(昭和4)


■英語原文 The original text in English

"( . . . ) the servant delays, looking in the faces of the crowd and at the pictures on the hoardings, but still she keeps moving nearer; and remember, it is as if the gallows itself were striding toward you through the Christmas streets! Shall I help you-I, who know all? Shall I tell you where to find the money?"

"For what price?" asked Markheim.

"I offer you the service for a Christmas gift," returned the other.

   Markheim (1885) by Robert Louis Stevenson
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「マーカイム」   tomoki y. 2008
   「マーカイム」   高松+高松 1989, 1994
   「マーカイム」   池 1988
   「マーカイム」   河田 1975, 1988
   「マーカイム」   伊藤 1955, 1999
   「マークハイム」 龍口 1961, 1977
   「マークハイム」 高見 1961
   「マークハイム」 守屋 1958, 1961, etc.
   「マークハイム」 大橋 1952
   「マークハイム」 和田 1953
   「マークハイム」 武井 1933, 1952, etc.
   「マークハイム」 谷崎 1929


■著者名の日本語表記の異同
 Transliteration variations of the author's name in Japanese

   スティーヴンスン 池 1988
   スティーヴンスン 高見 1961
   スティーヴンスン 守屋 1961(目次)
   スティーヴンソン tomoki y. 2008
   スティーヴンソン 高松+高松 1989, 1994
   スティーヴンソン 河田 1975, 1988
   スティーヴンソン 龍口 1961, 1977
   スティーヴンソン 守屋 1958, 1961(本文・作者小伝), 1996
   スティーヴンソン 伊藤 1955, 1999
   スティーヴンソン 武井 1933, 1952, etc.
    スティヴンスン 大橋 1952
    スティヴンスン 和田 1953
    スティヴンスン 谷崎 1929


■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2013/06/12 大橋榮三=訳註 1952 を追加しました。
  • 2009/02/07 伊藤整=訳 1999.3 を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳注 1933, 1952, etc. を追加しました。

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Monday, 22 December 2008

Mr Loveday's Little Outing by Evelyn Waugh イーヴリン・ウォー 「ラヴデイ氏のちょっとした遠出」「ラヴデイ氏の遠足」「ラヴデイ氏の短い休暇」「ラヴディ氏のささやかな外出」「ラヴデイ氏の短い外出」

           目次 Table of Contents

   ■はじめに Introduction
    Video 1  作家イーヴリン・ウォー Evelyn Waugh
   ■邦訳のリスト(新→旧の順) List of Japanese translations
   ■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 高儀 2016
     (J2) 別宮 1978
     (J3) 永井 1973, 2008
     (J4) 吉田 1970, 1976
     (J5) 橋口 1961
   ■英語原文 The original text in English
    Video 2  TV Movie Mr Loveday's Little Outing (2006)
    Video 3  Evelyn Waugh Face To Face BBC Interview (June 1960)
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

毎年、園遊会の日になると、きまって自殺騒ぎを起こしたモーピング卿。精神病院に入院して10年になる。ある日、妻と娘が卿を見舞いに精神病院を訪れる。しかし、モーピング卿は物語の主役ではない。この短篇のほんとうの主人公は、下の引用箇所のあとに登場するラヴデイ氏。その正体は徐々に明らかになる。


 Video 1 
作家イーヴリン・ウォー Evelyn Waugh

Uploaded by bigbadpoo on Nov 3, 2008


■「ラヴデイ氏——」の邦訳を収録した本のリスト(新→旧の順)
 Mr Loveday's Little Outing: List of Japanese translations


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  • 「ラヴディ氏のささやかな外出」……吉田 1970, 1976
  • 「ラヴデイ氏のちょっとした遠出」…高儀 2016
  • 「ラヴデイ氏の遠足」………………別宮 1978
  • 「ラヴデイ氏の短い外出」…………橋口 1961
  • 「ラヴデイ氏の短い休暇」…………永井 1973, 2008

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 高儀 2016
 「お父様はそんなにお変わりになってはいないと思うでしょうよ」とレディー・モーピングは、車が州立精神病院の門の中に入って行くと言った。
 「患者用の服を着てらっしゃるのかしら? 」
 「いいえ、お前、もちろん違うの。あの人は至れり尽くせりの世話をしてもらってる」
 それはアンジェラの最初の訪問で、自分で言い出したものだった。
 モーピング卿が病院に連れて行かれた、あの晩夏の俄雨の降った日から十年が経っていた。それは彼女にとっては、混乱しているが苦い思い出の日だった。それはレディー・モーピングの年に一度の園遊会の日で、気紛れな天候のせいで、思い出の中ではいつも混乱し、苦いものになっていた。天候は最初の客が来るまでは晴れていて輝かしく、ずっとそのままもちそうだったが、不意に黒雲が出て疾風が吹き荒れ、雨が激しく降った。客は濡れない場所に向かって慌てて走った。大天幕が引っくり返った。クッションと椅子が遽(あわただ)しく中に運び込まれた。テーブルクロスがチリ松の大枝まで高く飛び、雨の中ではためいた。晴れ間が現われると、客たちはおっかなびっくり、びしょ濡れの芝生に出た。またしても雨が激しく降った。すると、二十分ほど陽が射した。忌まわしい午後で、とどのつまりは、六時頃、アンジェラの父が自殺を図った。[以下略]

  • イーヴリン・ウォー=著 高儀進(たかぎ・すすむ)=訳 「ラヴデイ氏のちょっとした遠出」 イーヴリン・ウォー傑作短篇集 -- 白水社, 2016.7. -- (エクス・リブリス・クラシックス)

(J2) 別宮 1978
「お父さま大して変わっていらっしゃらなくてよ」ハンドルを切って州立精神病院の門をくぐる車の中で、レディ・モーピングは言った。
「患者服を着ていらっしゃるかしら」とアンジェラがたずねた。
「いいええ、とんでもない。最高の看護を受けていらっしゃるのよ」
 これは、アンジェラとしてははじめての見舞で、彼女が自分からしようと言いだしたことだった。
 夏も終わりに近い夕立ちの降る日にロード・モーピングが連れて行かれてから、十年の月日が流れていた。アンジェラには、ごたごたした苦い思い出の日。レディ・モーピングの毎年恒例のガーデン・パーティは、いつもきまって苦さをともなうのだが、特にその日がごたごたしていたというのは、気まぐれな天気のせいで、最初の客が到着するまでは、雲もなく晴れわたって、まず間違いない空模様と見えていたのに、一天にわかにかきくもって夕立ちがやってきたのだった。あわててかげに走りこむと、今度はテントがひっくりかえって、クッションや椅子を持ち出そうと上を下への大騒ぎ。テーブル・クロスが杉の木の枝にひっかかって、雨風にパタパタはためいてい た。と見るうちに、かっと日が照ってきて、ぬれた芝生に客がおっかなびっくり姿を現わす。また一雨。また二十分の日ざし。どうにもやりきれない午後だったが、そのあげくが、六時頃の父親の自殺未遂だった。[以下略]

  • イヴリン・ウォー=著 別宮貞徳=訳 「ラヴデイ氏の遠足」 イヴリン・ウォー作品集 / 別宮貞徳. -- 八潮出版社, 1978.5. -- (八潮版・イギリスの文学 ; 17)

(J3) 永井 1973, 2008
 「お父さまはそれほど変わっておりませんよ」自動車が州立精神病院(カウンティ・アサイラム)の正門を通りすぎたとき、モーピング夫人はいった。
 「患者用の服を着せられているのかしら?」と、娘のアンジェラがたずねた。
 「いえいえ、もちろん違いますとも。ここの人たちはとても気をつかってくれているんですよ」
 今日がアンジェラの初めての病院訪問だった。しかも、これは彼女が自分からいい出したことなのだ。
 夏も終わりに近い大雨の日に、モーピング卿が病院に運び去られてから、すでに十年の歳月が流れ去った。アンジェラにとって、その一日は、混乱した悲しい思い出以外の何物でもなかった。モーピング夫人主催の例年の園遊会、それは最初のお客の到着と同時に、それまでの思わせぶりな上天気がたちまち崩れて、篠つく豪雨に変わるという気まぐれな空模様のために、思い出すだに腹立たしい混乱の一日と化してしまった。人々は雨宿りの場所を求めて右往左往し、大天幕はあお向けにひっくりかえり、大あわてでソファや木の椅子が屋内に運び込まれ、テーブルクロースは風にあおられてチリー松の枝に舞いあがり、はためいていた。しかも、やがて顔をのぞかせた晴れ間を見はからって、人々が恐る恐る濡れた芝生に戻ってくるやいなや、またしても二度目の豪雨が見舞った。
 しかも、この厄日のうんざりするような出来事は、彼女の父親が自殺を企てた夕方の六時に到ってついに最高潮に達した。[以下略]

  

(J4) 吉田 1970, 1976
「おとうさまはそんなにお変わりになっていませんよ」
 車が州立精神病院の門にさしかかると、モーピング夫人はそう言った。
「おとうさまはお仕着せを着てらっしゃるの?」と、アンジェラがたずねた。
「いいえ、とんでもない。最高の待遇を受けてらっしゃるのですよ」
 アンジェラがここを訪問するのはこれが初めてで、それを言いだしたのも彼女だった。
 モーピング卿がここに送りこまれたのは、夏もおわりの、にわか雨があった日のことで、それからすでに十年の歳月がたっていた。彼女にとって、それはあわただしくも忌わしい思い出のまつわる日だった。モーピング夫人主催の恒例の園遊会の日には、きまってなにかいやなことがもちあがるのだったが、その日は気まぐれな天気のせいで混乱が起こったのだった。最初の客が現われるまでは、空は青く澄みわたり、太陽は輝いて、万事うまくゆきそうに思えたのだが、たちまち暗雲が空をおおい、驟雨が襲った。客は雨宿りに走り、天幕は倒れ、クッションや椅子は四散し、テーブル・クロスは吹き飛ばされて大杉の枝にひっかかり、雨のなかではためいた。かと思うと、また陽が射し、客はおずおずと、濡れた芝生に出ていった。と、またしても雨。それからまた二十分ほどの晴間。まさに忌わしい午後だったが、六時ごろモーピング卿が自殺未遂事件を起こし、忌わしさは頂点に達した。[以下略]


(J5) 橋口 1961
 「お父さまはそんなに変ってはいらっしゃらなくてよ。」車が州立精神病院の門を入るところで、モウピング夫人が言った。
 「病院の制服を着てらっしゃるの?」アンジェラはたずねた。
 「あら、いやだ、そんなことなくてよ。とても親切にして頂いてるんですもの」
 アンジェラにとって、これは初めての訪問であった。自分から言いだして連れて来てもらったのだった。
 モウピング卿が病院に連れて行かれたのは、十年前の、驟雨のあった晩夏の日であった。それは、アンジェラにとって、悲しい思い出にかき乱されている日である。年に一度のモウピング夫人の園遊会の日であった。その日は毎年きまって悲しい日であった。しかも、その年にかぎって思い出がかき乱されているのは、気まぐれだった天候のせいである。早い客が着き始める頃までは明るく晴れていた空が、急にまっくらになって、はげしく雨が降りだした。雨を避けて逃げまどう人。風に飛ばされるテント。椅子やクッションがいそがしく運びこまれる。杉の樹の枝に飛ばされたテーブル・クロースが雨の中でぱたぱた鳴る。また陽が照りだしたのを見て、人びとは濡れた芝生の上におずおず姿を現わす。するとまた、はげしい雨。それからまた、廿分ほど日光が輝やく。このいまわしい午後は、六時頃になって、父が自殺をはかるという事件によって、終りを告げたのだった。[以下略]

  • ウォー=著 橋口稔=訳 「ラヴデイ氏の短い外出」 イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961.9

■英語原文 The original text in English

"You will not find your father greatly changed," remarked Lady Moping as the car turned into the gates of the County Asylum.

"Will he be wearing a uniform?" asked Angela.

"No, dear, of course not. He is receiving the very best attention,"

It was Angela's first visit and it was being made at her own suggestion.

Ten years had passed since the showery day in late summer when Lord Moping had been taken away; a day of confused but bitter memories for her; the day of Lady Moping's annual garden party, always bitter, confused that day by the caprice of the weather which, remaining clear and brilliant with promise until the arrival of the first guests had suddenly blackened into а squall.

There had been a scuttle for cover; the marquee had capsized; a frantic carrying of cushions and chairs; a table-cloth lofted to the boughs of the monkey- puzzler, fluttering in the rain; a bright period and the cautious emergence of guests on to the soggy lawns; another squall; another twenty minutes of sunshine. It had been an abominable afternoon, culminating at about six o'clock in her father's attempted suicide. [Omission]


 Video 2 
TV Movie Mr Loveday's Little Outing (2006)

監督: サム・ホブキンソン 出演: プルネラ・スケイルズ、フェネラ・ウールガー、デヴィッド・ワーナー、アンドリュー・サックス Loveday 1 投稿者 englishatcui  Directed by Sam Hobkinson. Starring Prunella Scales (Lady Moping), Fenella Woolgar (Angela Moping), David Warner (Lord Moping), Andrew Sachs (Mr Loveday)                                   


 Video 3 
Evelyn Waugh Face To Face BBC Interview (June 1960)

Published on May 21, 2012 by superbootcamps. Introduced by Joan Bakewell. Interview conducted in June 1960 by John Freeman. A transcript of the full interview can be found at Evelyn Waugh in his own Words: The Face to Face Interview in Full. Information on the Face to Face TV series can be found at Wikipedia.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016/08/06 高儀進訳 2016.7 を追加しました。
  • 2015/02/12 BBC Four によるテレビ映画の YouTube 動画を追加しました。
  • 2013/10/07 目次を新設しました。
  • 2012/07/24 Evelyn Waugh Face To Face BBC Interview の YouTube 動画を追加しました。
  • 2008/12/27 別宮貞徳訳 1978.5 を追加しました。
  • 2008/12/23 「はじめに」を加筆修正しました。また、mixi (ミクシィ) 内の「イーヴリン・ウォー」コミュニティへのリンクを追加しました。

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Christmas on Ganymede by Isaac Asimov アイザック・アシモフ「ガニメデのクリスマス」「ガニメデ星のクリスマス」

■Isaac Asimov - Threats to Humanity Part 1


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 浅倉 1996
鼻歌まじりに、オラフ・ジョンスンは、図書室の隅の堂々たる樅(もみ)の木をしげしげとながめ、夢見るように青磁色の瞳をなごませた。図書室はこのドームの中でも最大の部屋だが、オラフの目からすると、クリスマスを祝うにはこれでもまだせまい。彼はわきにおかれた大きな荷箱の中にいそいそと手をつっこみ、赤と緑の二色を使ったクレープペーパーのロールをひとつとりだした。

いったいどういうおセンチな気分にとつぜんとりつかれて、ガニメデ物産がクリスマス・デコレーションの一式をこのドームに送ってよこしたのか、そのあたりをせんさくする気はなかった。オラフは穏やかな気性なので、自分から買って出たクリスマス飾りつけ主任の仕事にけっこう満足していた。

   アイザック・アシモフ=著 浅倉久志=訳「ガニメデのクリスマス」
   冬川亘(ふゆかわ・わたる)+浅倉久志(あさくら・ひさし)=訳
   『ガニメデのクリスマス―アシモフ初期作品集2』ハヤカワ文庫SF 1996/05 所収
   原書: The Early Asimov (1971)


(J2) 仁賀 1978
オラフ・ジョンスンは鼻歌を歌いながら、青磁色の眼をうっとりさせ、図書室の隅(すみ)にある立派な樅(もみ)の木をためつすがめつ見ていた。図書室はドームのなかでも最大の部屋だったが、オラフはその時それほど広くは感じなかった。夢中になって、彼はそばの大きな木箱に手を突っこむと、赤と緑のクレープ・ペーパーを一巻き取り出した。

いったいどんな風の吹きまわしで、ガニメデ物産がクリスマス用の装飾セットを、このドームに送ってきたのか、すぐにでも訊(き)いてみたかった。オラフは落ち着いた性格で、クリスマスの飾りつけの責任者としての仕事を進んで行ない、それに満足していた。

   アイザック・アジモフ=著 仁賀克雄=訳「ガニメデ星のクリスマス」
   レイ・ブラッドベリ〔他〕=著 長島良三(ながしま・りょうぞう)=編
   『贈り物―クリスマス・ストーリー集1』角川文庫 1978/11 所収


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Olaf Johnson se distraía canturreando con acento nasal y contemplaba el majestuoso abeto del ángulo de la biblioteca con una expresión soñadora en la porcelana azul de sus ojos. Aunque la biblioteca era la habitación más espaciosa de la Cúpula. Olaf no consideraba que le sobrase ni un palmo de terreno en aquella ocasión. Entusiasmado, hundió la mano en la enorme canasta que tenia al lado y sacó el primer rollo de papel rugoso encarnado y verde.

No se había detenido a indagar cuál había sido el impulso sentimental que impulsó a la Compañía Ganimediana a enviar una colección completa de adornos de Navidad a la Cúpula. Olaf era hombre de temperamento plácido; realizaba la tarea que se había impuesto él mismo de decorador navideño en jefe y estaba contento de su suerte.

   Navidad en Ganímedes by Isacc Asimov
   E-text at Lorenzo Servidor


■英語原文 The original text in English

Olaf Johnson hummed nasally to himself and his china-blue eyes were dreamy as he surveyed the stately fir tree in the corner of the library. Though the library was the largest single room in the Dome, Olaf felt it none too spacious for the occasion. Enthusiastically he dipped into the huge crate at his side and took out the first roll of red-and-green crepe paper.

What sudden burst of sentiment had inspired the Ganymedan Products Corporation, Inc. to ship a complete collection of Christmas decorations to the Dome, he did not pause to inquire. Olaf’s was a placid disposition, and in his self-imposed job as chief Christmas decorator, he was content with his lot.

   Christmas on Ganymede (1942) by Isaac Asimov
   E-text at The Early Asimov [pdf]


■外部リンク External links

 [en] English
   * Christmas on Ganymede - Wikipedia
   * The Early Asimov - Wikipedia
   * Isaac Asimov - Wikipedia (c.1920-1992)

 [ja] 日本語
   * アシモフ初期作品集 - Wikipedia
   * アイザック・アシモフ - Wikipedia (c.1920-1992)
   * アイザック・アシモフ - 翻訳作品集成
 
 
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Friday, 19 December 2008

Markheim by Robert Louis Stevenson (2) スティーヴンソン 「マーカイム」「マークハイム」 (2)

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 Video 
映画 ジキル博士とハイド氏 (1912) の一シーン
Dr Jekyll and Mr Hyde (1912) Directed by Lucius Henderson, starring James Cruze. More details at Wikipedia

スティーヴンソン原作の『ジキル博士とハイド氏』 (1886) は、はたしてこれまでに世界中で何度、映像作品化されたか? おそらくだれも正確には知らないでしょう。英語圏における映画情報サイトの定番である IMDb には、映画・テレビ・アニメ・パロディなどのメディア/ジャンルを通じて、タイトルに Jekyll と Hyde の2語を含む作品が、48件 掲載されています。最初の映画化は1908年。上の1912年版は、最古ではありませんが、かなり早い時期の作品の一つであることは確かです。


■はじめに Introduction

主人公マーカイムは、クリスマスの日に骨董屋の主人を殺す。その殺人の瞬間。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2008
「これでしたら、お気に召すでしょう」骨董屋の主人が立ち上がろうとしたその瞬間、マーカイムは後ろから襲いかかった。焼き串のような刀身の長いナイフがキラッと光って落ちた。主人は首を締められたニワトリのようにじたばたして、商品棚に額の横をぶつけ、どさっと床に倒れた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著 Tomoki Yamabayashi=訳 「マーカイム」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/19


(2) 高松+高松 1989, 1994
「これなら気に入るでしょう」と主人が言って立ちあがりかけたとき、マーカイムは後ろから獲物にとびかかった。焼串のような細身の短剣がひらめき、振りおろされた。店の主人は雌鳥(めんどり)のようにもがき、棚にこめかみを打ちつけ、それからどさりと床に崩れおちた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作
   高松雄一+高松禎子(たかまつ・ていこ)=訳 「マーカイム」
   1. 新・ちくま文学の森. 4 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1994.12
   2. 声たちの島 / ロバート・ルイス・スティーヴンソン[他]. -- 国書刊行会, 1989.10.
     -- (バベルの図書館 ; 17)
   引用は 2. に拠りました。


(3) 池 1988
「これでしたら、きっとお気に召しましょう」主人が体を起こそうとする刹那(せつな)、マークハイムは後ろから襲いかかった。焼き串(ぐし)に似た刃渡りの長いナイフが閃(ひら)めいた。店の主人は締められた雌鶏(めんどり)のように身をもがき、陳列棚に顳顬(こめかみ)を打ちつけて床にくずおれた。

   ロバート・L.スティーヴンスン=著
   池央耿(いけ・ひろあき)=訳 「マークハイム」
   クリスマス13の戦慄 / I.アシモフ[他]. -- 新潮社, 1988.11. -- (新潮文庫)
   原書:
   The Twelve Frights of Christmas.
   Edited by Isaac Asimov, Carol-Lyn Waugh and Martin Greenberg
   Avon Books, 1986-12


(4) 河田 1975, 1988
「これなんかよろしいんじゃないでしょうか」と骨董商人が言って、立ち上がりかけた時、マーカイムは後ろからえじきに飛びかかった。細長い、焼きぐしのような短刀がひらめき、振りおろされた。骨董商人はめんどりのようにもがいて、こめかみを棚にぶつけ、それからどっと床の上に倒れた。

   スティーヴンソン=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳 「マーカイム」
   1. スティーヴンソン怪奇短篇集 / 河田智雄. -- 福武書店, 1988.7. -- (福武文庫)
   2. ねじけジャネット. スティーヴンソン短篇集 / スティーヴンソン[他].
     -- 創土社, 1975. -- (ブックスメタモルファス)
   引用は 1. に拠りました。


(5) 高見 1961
「これなら多分いいでしょう」商人は言った。そして彼が起きなおろうとするところを、マークハイムは背後からおどりかかった。ながい、焼串のような短刀がひらめいて、ふりおろされた。商人ははじめめんどりのようにもがいたが、こめかみを棚にぶつけ、ついで床の上にどさりとたおれた。

   スティーヴンスン=著 高見幸郎(たかみ・ゆきお)=訳 「マークハイム」
   イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961


(6) 龍口 1961, 1977
「これならたぶんお気に召すでしょう」商人がそういいながら、ふたたび体をのばしかけた瞬間、マークハイムはその背後から獲物めがけて、飛びかかった。長い焼き串のような短剣がパッとひらめいて落ちた。商人は雌鶏(めんどり)のようにもがきながら、こめかみを棚に打ちつけ、どっと床の上に倒れた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著
   龍口直太郎(たつのくち・なおたろう)=訳 「マークハイム」
   1. 犯罪文学傑作選 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1977.5.
     -- (創元推理文庫)
   2. 文芸推理小説26人集. 第2 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1961
   引用は 1. に拠りました。


(7) 守屋 1958, 1961, etc.
「たぶん、これならお気に召すでしょう」商人はいった。そういいながら、商人が再び身を起こそうとしたとき、マークハイムは、背後からとびかかった。長い焼串のような短刀が、ひらめいて下におちた。商人は、棚にこめかみをぶつけて、雌鳥のようにもがいていたが、やがて床の上に、どっと折り重って倒れた。

   スティーヴンソン(2. では、スティーヴンスン表記も)=著
   守屋陽一(もりや・よういち)=訳 「マークハイム」
   1. 世界100物語. 2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.11
   2. 世界文学100選. 第1 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961.4
   3. 水車小屋のウイル / スティーヴンソン[他]. -- 角川書店, 1958. -- (角川文庫)
   引用は 2. に拠りました。

   2. の原書:
   Tellers of Tales : 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany. Selected by W. Somerset Maugham.
   New York : Doubleday, Doran. 1939


(8) 伊藤 1955, 1999
「これならたぶんお気に召すでしょう」
と、商人は言った。そしてふたたび立ち上がろうとした時、マーカイムはうしろからその犠牲者に飛びついた。長い、焼き串(ぐし)みたいな短刀が閃き、そして落ちた。商人は棚にこめかみをぶっつけ、めんどりみたいに身悶えたが、やがて床の堆積物の間にぶっ倒れた。

   R.L.スティーヴンソン=著 伊藤整=訳 「マーカイム」
   1. スティーヴンソン作品集. 5 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
   2. 世界大衆小説全集. 第1期 第10巻 / 大仏次郎. -- 生活百科刊行会, 1955

   印字のかすれ具合などから見て、1. は新たに活字を組んで出版した本では
   なく、ファクシミリ版、つまり、先行する何かほかの本を複写して製本した、
   複製版だと思われます。さて、2. は未見ですが、国立国会図書館 NDL-OPAC で
   2. の収録作品のラインナップや訳者、ページ数などを 1. のそれと照合すると、
   ぴったり一致します。なので、おそらく 1. は 2. を複製したものなのでしょう。
   ただ、不審なことに、1. の巻末や奥付にその旨の表示はありません。引用は
   1. に拠りました。


(9) 和田 1953
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   スティヴンスン=著 和田聖嗣=訳註 「マークハイム」
   一夜の宿・マレトロア邸の入口の戸・マークハイム / スティヴンスン[他].
    -- 開文社, 1953. -- (英米文学訳註叢書 ; 第32)


(10) 大橋 1952
「これなら多分お気に入るだろう」 道具屋がこう云い乍ら再び立上ろうとすると、その途端にマークハイムは背後から相手の上に躍りかかつた。長い燒串の形をした短刀がぎらつと光つて下におりた。道具屋は鷄のようにもがいた、そしてこめかみを棚に打つけて、その儘ぐつたり床の上に倒れた。

   スティヴンスン=著 大橋榮三(おおはし・えいぞう)=譯註「マークハイム」
   壺の怪鬼・マークハイム / R. L. Stevenson[他]. -- 南雲堂, 1952.
    -- (フイニツクス・ライブラリー英和対訳 ; 第7)


(11) 武井 1933, 1952, etc.
「多分これならお似合になりましょう」と商人はいって体を再び上げようとしたときにマークハイムは後からその男に躍りかかった。長い焼串のような短刀が閃いて落ちた。商人はこめかみを棚に打ちつけて牝鷄のようにもがいた。そうして床にぐずぐずと倒れた。

   スティーヴンソン (R. L. Stevenson)=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註
   「マークハイム」
   1. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1978
     -- (研究社新訳註叢書)
   2. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1952.12
     -- (研究社新訳註叢書 ; 第27)
   3. 研究社英文訳註叢書. 第37 マークハイム・水車小屋のウイル / 研究社.
     -- 研究社, 1933(昭和8)
   引用は 2. に拠りました。


(12) 谷崎 1929
「これがお恰好でせう。」と商人は言つた。そして彼が起き直りかゝつた時、マークハイムは背後からこの生贄(いけにへ)に飛びかゝつた。串(くし)のやうに長い匕首(あひくち)が閃いて下つた。商人は棚に顳顬(こめかみ)をぶつゝけながら鷄のやうにもがいてどうと床に倒れた。

   スティヴンスン=作 谷崎精二=譯 「マークハイム」
   世界文学全集. 第36巻. 近代短篇小説集. -- 新潮社, 1929.7(昭和4)


■英語原文 The original text in English

"This, perhaps, may suit," observed the dealer: and then, as he began to re-arise, Markheim bounded from behind upon his victim. The long, skewer-like dagger flashed and fell. The dealer struggled like a hen, striking his temple on the shelf, and then tumbled on the floor in a heap.

   Markheim (1885) by Robert Louis Stevenson
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■『罪と罰』などとの関連 Relation with Crime and Punishment by Fyodor Dostoevsky

スティーヴンソンの短篇「マーカイム」 (1885) が、ドストエフスキーの長篇『罪と罰』 (1866) に似ていることは、学者や批評家たちによって指摘されています。『罪と罰』で、主人公ラスコーリニコフが大家の老婦人を殺す場面は、まえに tomokilog で取りあげました。

   Crime and Punishment by Fyodor Dostoevsky (2)
   ドストエフスキー『罪と罰』(2)
   tomokilog - うただひかるまだがすかる 2008/01/20

スティーヴンソンはドストエフスキーを尊敬し、その作品に親しんでいたそうです。また、エドガー・アラン・ポーの短篇「ウィリアム・ウィルソン」 (1839) から「マーカイム」への影響を指摘した人もいます。いずれにせよ「マーカイム」は、翌年発表される『ジキル博士とハイド氏』 (1886) の出現を予告する作品であったと言ってもいいでしょう。


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「マーカイム」…………………………tomoki y. 2008
  「マーカイム」…………………………高松+高松 1989, 1994, 2011
  「マーカイム」…………………………池 1988
  「マーカイム」…………………………河田 1975, 1988
  「マーカイム」…………………………伊藤 1955, 1999
  「マークハイム」………………………龍口 1961, 1977
  「マークハイム」………………………高見 1961
  「マークハイム」………………………守屋 1958, 1961, 1996
  「マークハイム」………………………和田 1953
  「マークハイム」………………………武井 1933, 1952, 1978
  「マークハイム」………………………谷崎 1929
  「マークハイム」(道具屋殺し)……大橋 1952


■著者名の日本語表記の異同
 Transliteration variations of the author's name in Japanese

  スティーヴンスン……池 1988
  スティーヴンスン……高見 1961
  スティーヴンスン……守屋 1961(目次)
  スティーヴンソン……tomoki y. 2008
  スティーヴンソン……高松+高松 1989, 1994, 2011
  スティーヴンソン……河田 1975, 1988
  スティーヴンソン……龍口 1961, 1977
  スティーヴンソン……守屋 1958, 1961(本文・作者小伝), 1996
  スティーヴンソン……伊藤 1955, 1999
  スティーヴンソン……武井 1933, 1952, 1978
   スティヴンスン……和田 1953

   スティヴンスン……大橋 1952
   スティヴンスン……谷崎 1929


■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2013/06/12 大橋榮三=譯註 1952 の訳文を挿入しました。
  • 2009/02/06 伊藤整=訳 1999.3 を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳注 1933, 1952, etc. を追加しました。

 

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Monday, 15 December 2008

まど・みちお「やぎさん ゆうびん」 Goat Mail by Mado Michio

■はじめに Introduction

「やぎさん ゆうびん」は詩人まど・みちおの代表作のひとつ。「ぞうさん」とならんで人気が高い。まど・みちおさんは2014年2月28日に亡くなった。


 Video 1 
まど・みちおさんが死去 「ぞうさん」など作詞の童謡詩人

Uploaded to YouTube by KyodoNews on 28 Feb 2014.


 Video 2 
やぎさんゆうびん with マイケル・ハクション
Yagisan Yubin with Michael Jackson, or Maikeru Hakushon, to be more precise

NHK教育テレビ「ハッチポッチステーション」番組中の〈WHAT'S ENTERTAINMENT?〉のコーナー。グッチ裕三 出演の「やぎさんゆうびん」は 4:14 から。グッチさんの扮する「マイケル・ハクション」なる歌手が、童謡「やぎさんゆうびん」とマイケル・ジャクソンのヒット曲「今夜はビート・イット」をリミックスしたパロディ曲を歌い、踊る。


 Images 
表紙画像 Cover photos

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a. Arthur_binard_nihon_no_meishi_eig_2 b. Mado_michio_zenshishu c. Zousan_mado_michio_douyoushu_6


■英訳 Translation into English

The White Goat sent a letter to the Black Goat.
The Black Goat ate it up before he'd read it.
Then, "Hmmm," he thought, "Better write a letter"--
   Dear White Goat,
   What was in that
   letter you wrote?

[Omssion]


■日本語原文 The original text in Japanese

しろやぎさんから おてがみ ついた
くろやぎさんたら よまずに たべた
しかたがないので おてがみ かいた
――さっきの おてがみ
   ごようじ なあに
[以下略]

  • まど・みちお=作 「やぎさん ゆうびん」 初出:「昆虫列車」 1939 まど・みちお=著 伊藤英治(いとう・えいじ)=編 『まど・みちお全詩集』 新訂版 理論社 2001/05

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014-02-28 「はじめに」の項を新設しました。また、まど・みちおさん死去のニュース映像を追加しました。

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↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザの画面を更新すると入れ替ります。
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■和書 Books in Japanese
まど・みちお


アーサー・ビナード

■洋書 Books in non-Japanese languages
Michio Mado


Arthur Binard

 
■CD


■DVD


  

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Friday, 12 December 2008

Last Christmas (the original by Wham! and the cover by Exile)

■訳詞ではなく作詞
日本のヴォーカル&ダンス・ユニットによるカヴァー版の歌詞は見事です。ジョージ・マイケルによるオリジナル版を翻訳した「訳詞」ではなく、新たに創作した「作詞」と呼ぶべきもので、日本語として、とても自然な仕上がりになっています。

私は数か月前に、日本でパフォーマンス・カンパニーを率いている、あるアメリカ人の友達に頼まれて、ミュージカルの歌詞の一部を英語から日本語に翻訳しました。ただ分かりやすく訳せさえすれば良かったのですが、それでも、むずかしかったな。もし、ちゃんと言葉を音符にのせなければならなかったとしたら、私にはお手上げだったでしょう。


Last Christmas by Exile

Last Christmas by Wham!  ワム!「ラスト・クリスマス」

ラスト クリスマス
Last Christmas
い ま  は  ま  だ
I gave you  my  heart
お  も いで に な ん て  で    き な い よ
But the very next day you gave it away
で   も
This year
あ   い    は  も      う
To save me from tears
こ こ に は い な い this year
I'll   give  it  to someone   special

ラスト クリスマス
Last Christmas
ふ た  り  な  ら
I gave you  my  heart
ね  が いは か な う と  し  ん  じ  て た
But the very next day you gave it away
ま   だ
This year
こ   え    ら  れ   な   い
To save me from tears
き み は い ま で も special
I'll   give  it  to someone   special

……
……

■歌詞の全文 The complete lyrics

ワム!版の歌詞の全文は、次の各サイトを含む多数の歌詞サイトに掲載されています。
The complete lyrics of the tune by Wham! can be found at numerous sites such as:
   * The Best Song Lyrics Sites, Ever... EVER
   * Lyrics Search Engine
   * AZLyrics.com
   * Lyrics Planet


■外部リンク External links

 [en] English
   * Last Christmas - Wikipedia
   * Exile (Japanese band) - Wikipedia
 [ja] 日本語
   * LAST CHRISTMAS (EXILEの曲) - Wikipedia 作詞:松尾潔
   * ラスト・クリスマス (ワム!の曲) - Wikipedia
   * ワム! - Wikipedia


  
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Wednesday, 03 December 2008

Banker to the Poor by Muhammad Yunus with Alan Jolis ムハマド・ユヌス+アラン・ジョリ『ムハマド・ユヌス自伝』

■はじめに Introduction

1976年6月。バングラデシュにあるチッタゴン大学の経済学部長だったムハマド・ユヌス氏は、貧しい農民たちの暮らしを良くするために、資金を調達する方法を考える。ユヌス氏は、ジャナタ銀行チッタゴン大学支店の支店長に面会を得て融資を依頼する。ジャナタ銀行は国内最大規模の政府系銀行である。


■表紙画像その他 Cover photos, etc.

Leftムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家』早川書房 1998-9-30
Centre Vers un monde sans pauvreté : L'autobiographie du Muhammad Yunus. Poche. 2007-10-24 フランス語版
Right Banker to the Poor: The Autobiography of Muhammad Yunus, Founder of Grameen Bank. Oxford University Press. 2001-05-24

↓ Click to enlarge ↓

Muhammad_yunus_jiden  Vers_un_monde_sans_pauvrete  Banker_to_the_poor


■日本語訳 Translation into Japanese

「私にはそんなものは無意味に思えますね。最も貧しい人たちというのは、一日に一二時間も働いているんですよ。彼らは食べるために、物を売って金を稼がなければならないんです。次の日も生きていくためには、まずあなたたちに金を返して、それから翌日分の金を再び借りなければならない! そのことこそ、あなたたちにとって一番の保証なんじゃないでしょうか。彼らの生活そのものが保証になりうるんです」

支店長はうなずいた。「あなたは理想主義者ですよ、教授。あなたの言っていることは、書物や理論の中でしか実現しないんです」

「金が戻ってくることがはっきり分かっているなら、担保というのはなんで必要なんですか?」

「銀行の規則だからです」

「つまり、担保のある人だけが金を借りられるっていうことですか?」

「そうです」

「ばかばかしい規則だ。それじゃ、裕福な人しか金を借りられないじゃないですか」

「私が規則を作ったわけじゃありませんからね。銀行が作った規則なんです」

「それなら、規則を変えればいいと思うんですがね」

「とにかく、ここでは金を貸せません」

「できないとおっしゃる?」

「できませんね」

   ムハマド・ユヌス+アラン・ジョリ=著 猪熊弘子(いのくま・ひろこ)=訳
   ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家
   / ムハマド・ユヌス. -- 早川書房, 1998.9


■誤訳 Mistranslation

上の訳で「支店長はうなずいた」とあるのは、正しくは「支店長は首を横にふった」だと思います。つまり、同意ではなく、不賛成の動作。文脈からみても、そう理解しなければ、意味が通じないでしょう。


■英語原文 The original text in English

"To me, it doesn't make sense. The poorest of the poor work twelve hours a day. They need to sell and earn income to eat. They have every reason to pay you back, just to take another loan and live another day! That is the best security you can have their life."

The manager shook his head. "You are an idealist, Professor. You live with books and theories."

"But if you are certain that the money will be repaid, why do you need collateral?"

"That is our bank rule."

"So only those who have collateral can borrow?"

"Yes."

"It's a silly rule. It means only the rich can borrow."

"I don't make the rules, the bank does."

"Well, I think the rules should be changed."

"Anyway, we do not lend out money here."

"You don't?"

"No."

   Banker to the Poor: Micro-Lending and the Battle Against World Poverty
   by Muhammad Yunus with Alan Jolis
   PublicAffairs, 2008

   Excerpt at:
   * Banker to the Poor
   * Powell's Books
   * Scribd (Page 56)
 
 
■他の言語による版 Editions in other languages

この本は、以下のとおり多数の言語によって出版されている。詳細は、ここ

   Banker to the Poor (Chinese Version).
   Banker to the Poor (Dutch Version)
   Banker to the Poor (English Version-South Asian Edition)
   Banker to the Poor (English Version-U.K. Edition)
   Banker to the Poor (English Version-USA Edition)
   Banker to the Poor (French Version)
   Banker to the Poor (German Version)
   Banker to the Poor (Gujarati Version)
   Banker to the Poor (Italian Version)
   Banker to the Poor (Japanese Version)
   Banker to the Poor (Portuguese Version)
   Banker to the Poor (Spanish Version)
   Banker to the Poor (Turkish Version)


■外部リンク External links

   * Muhammad Yunus - Wikipedia (1940-  )
   * MuhammadYunus.org
   * Grameen Bank
   * ムハマド・ユヌス - Wikipedia (1940-  )


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Tuesday, 02 December 2008

Creating a World Without Poverty by Muhammad Yunus ムハマド・ユヌス『貧困のない世界を創る』

■はじめに Introduction

下に引用する日本語訳と英語原文は、ムハマド・ユヌス氏と、フランスの企業ダノン・グループの会長・最高経営責任者フランク・リブー氏とのあいだの会話。ユヌス氏は2006年度のノーベル平和賞を受賞した。


■ムハマド・ユヌス氏、貧困について語る Muhammad Yunus on Poverty

ノーベル財団によるインタビューの抜粋。インタビュー全体を見るにはノーベル財団公式サイト Nobelprize.org をご覧ください。 Excerpt from an interview with the 2006 Nobel Peace Prize Laureate, in which he discusses the unacceptability of allowing people to remain in poverty. See the full interview at Nobelprize.org


■表紙画像その他 Cover photos, etc.

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

zh Zh_trad_ ja Ja_9784152089441_hinkon_no_nai_seka id Id_9789792238402_muhammadyunusmenci

ru Ru_9785961412321_ sv Sv_9789189388413_envarldutanfattigd da Da_9788775141937_enverdenudenfattig

de De_fuer_eine_welt_ohne_armut9783404 nl Nl_9789047701644_naar_een_wereld_zo it It_9788807171482_un_mondo_senza_pov

pt Pt_criar_um_mundo_sem_pobreza es Es_9789561315662_hacia_un_mundo_sin fr Fr_9782253122067_muhammad_yunus_ver

en En_9781586486679_creating_a_world_w

FR Yunus_riboud_3

Flag_of_the_republic_of_chinasvg_2 [zh] ISBN: 9789866614200 打造富足新世界
Flag_of_japan [ja] ISBN: 9784152089441 貧困のない世界を創る
Flag_of_indonesiasvg [id] ISBN: 9789792238402 Menciptakan Dunia Tanpa Kemiskinan
Flag_of_russiasvg [ru] ISBN: 9785961412321 Создавая мир без бедности
Flag_of_swedensvg [sv] ISBN: 9789189388413 En värld utan fattigdom
Flag_of_denmarksvg [da] ISBN: 9788775141937 En verden uden fattigdom
Flag_of_germanysvg [de] ISBN: 9783404285136 Für eine Welt ohne Armut
Flag_of_the_netherlandssvg [nl] ISBN: 9783404285136 Naar een wereld zonder armoede
Flag_of_italysvg [it] ISBN: 9789047701644 Un mondo senza povertà
Flag_of_portugalsvg [pt] ISBN: 9789722909099 Criar Um Mundo Sem Pobreza
Flag_of_spainsvg [es] ISBN: 9789561315662 Hacia un mundo sin pobreza
Flag_of_francesvg [fr] ISBN: 9782253122067 Un monde sans pauvreté
Flag_of_the_united_kingdomsvg [en] ISBN: 9781586486679 Creating a World Without Poverty
FR Muhammad Yunus and Franck Riboud. Image source: La Trappe à Phynances


■日本語訳 Translation into Japanese

「私たちの合弁事業は、〝ソーシャル・ビジネス〟になるでしょう」

このとき彼は、まるですぐに翻訳できないフレーズを聞いたかのように、少し当惑しているようだった。「ソーシャル・ビジネス? 社会的な企業? それはいったいどういうものですか?」

「社会的な目標を達成するために考えられた企業です。この会社の場合、目標はバングラデシュの村で貧しい家族の栄養を改善することにあります。ソーシャル・ビジネスの企業は、配当をまったく支払いません。会社が自己持続できる価格で製品を販売するのです。会社の所有者は、ある一定期間で、会社に費やした投資分を取り戻すことはできます。しかし、配当という形での利益は、投資家にはまったく支払われることはありません。その代わり、利益はすべてその中にとどめておくことができます。つまり融資の拡大や、新たな製品やサービスを生み出すこと、あるいは、世界にとってよりよいことをする、ということです」

   ムハマド・ユヌス=著 猪熊弘子(いのくま・ひろこ)=訳
   貧困のない世界を創る ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義
   早川書房, 2008.10


■英語原文 The original text in English

"Our joint venture will be a social business."

This time he looked a bit puzzled, as though he had heard a phrase that he could not immediately translate. "A social business? What is that?"

"It's a business designed to meet a social goal. In this case, the goal is to improve the nutrition of poor families in the villages of Bangladesh. A social business is a business that pays no dividends. It sells products at prices that make it self-sustaining. The owners of the company can get back the amount they've invested in the company over a period of time, but no profit is paid to investors in the form of dividends. Instead, any profit made stays in the business to finance expansion, to create new products or services, and to do more good for the world."

   Creating a World Without Poverty by Muhammad Yunus
   PublicAffairs, 2008

   Excerpt at:
   * NPR : National Public Radio All Things Considered, January 13, 2008
   * NPR : National Public Radio NPR.org, January 13, 2008
   * NSC: Nonprofit Support Center
   * Global Resonance Network
   * TruthForce


■外部リンク External links

   * Muhammad Yunus - Wikipedia (1940-  )
   * MuhammadYunus.org
   * Grameen Bank
   * ムハマド・ユヌス - Wikipedia (1940-  )


■更新履歴 Change log

2010/11/14 表紙画像を追加しました。
2010/11/14 「ムハマド・ユヌス、貧困について語る」の YouTube 動画を追加しました。


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