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Thursday, 25 December 2008

Markheim by Robert Louis Stevenson (3) スティーヴンソン 「マーカイム」「マークハイム」 (3)

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■ロバート・ルイス・スティーヴンソン Robert Louis Stevenson

1850年11月13日、スコットランド・エディンバラ生れ。1894年12月3日、サモア・ヴァイリマ没。


■はじめに Introduction

マーカイムは、カネ目当てでクリスマスの日に骨董屋の主人を殺した。カネを見つけて逃げようと思っているうちに、謎の男が現われた。この男は、なぜかマーカイムのことをよく知っていると言う。そして、なぜかマーカイムに親切なのだ。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2008
「(……)女中はぐずぐずしています。行き交う連中の顔をながめたり、広告板の絵に見入ったりしながら。とはいえ、確実にこっちへ近づいています。いいですか、まるで絞首台があなたのほうへ、のし歩いて来るようなものですよ、クリスマスでにぎわうこの街を通ってね! お手伝いしましょうか――万事を心得た、このわたくしが? どこを探したらおカネが出てくるか、お教えしましょうか?」
「見返りに、なにを?」マーカイムは訊いた。
「クリスマスの無料ギフトとして、お教えするのですよ」相手は答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著 Tomoki Yamabayashi=訳「マーカイム」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/25


(2) 高松+高松 1989, 1994
「(……)女中は人々の顔をながめたり、板囲いに貼ってある絵を見たりして手間どってはいるけれど、とにかくこっちに歩き続けている。いいのかい、絞首台がクリスマスで賑わう通りをこっちへやって来るようなものだぜ! 助けてあげようか、なんでも知っているこのぼくがさ。金がどこにあるか教えてあげようか?」
「何と引換えにだい?」とマーカイムが聞いた。
「これはクリスマスの贈物だよ、無料サービスさ」と相手が答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作
   高松雄一+高松禎子(たかまつ・ていこ)=訳「マーカイム」
   1. 新・ちくま文学の森. 4 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1994.12
   2. 声たちの島 / ロバート・ルイス・スティーヴンソン[他]. -- 国書刊行会, 1989.10.
     -- (バベルの図書館 ; 17)
   引用は 2. に拠りました。


(3) 池 1988
「(……)小間使いの娘は通りの人出を眺(なが)めたり、広告塔の絵に見入ったりして道草を食ってはいるが、確実にこっちへ向っている。いいか、絞首台そのものがクリスマスの街の賑(にぎわ)いの中をお前に向ってやって来るのと変りないのだぞ。どうだ、俺が手を貸してやろうか?俺は何でも知っている。金のありかを教えてやろうか?」
「代りに俺に何をさせる気だ?」マーカイムは尋ねた。
「これは俺からお前に、クリスマスのこころざしと思ってもらいたい」

   ロバート・L.スティーヴンスン=著
   池央耿(いけ・ひろあき)=訳「マークハイム」
   クリスマス13の戦慄 / I.アシモフ[他]. -- 新潮社, 1988.11. -- (新潮文庫)
   原書:
   The Twelve Frights of Christmas.
   Edited by Isaac Asimov, Carol-Lyn Waugh and Martin Greenberg
   Avon Books, 1986-12


(4) 河田 1975, 1988
「(……)女中は道草を食って、人ごみの中できょろきょろしたり、広告掲示板の絵をながめたりしているが、一歩一歩ここに近づいてます。いいですか、それは絞首台がクリスマスでにぎわう往来を通ってあなたの方へ歩いて来るようなもんなんですよ! お力になりましょうか? わたしは何でも知ってるんです。金のありかをお教えしましょうか?」
「いくらで教えてくれるんですか?」とマーカイムはたずねた。
「クリスマスの贈り物として、ただでお教えしましょう」と訪問者は答えた。

   スティーヴンソン=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン怪奇短篇集 / 河田智雄. -- 福武書店, 1988.7. -- (福武文庫)
   2. ねじけジャネット. スティーヴンソン短篇集 / スティーヴンソン[他].
     -- 創土社, 1975. -- (ブックスメタモルファス)
   引用は 1. に拠りました。


(5) 高見 1961
 「(……)あの女中は、人ごみの中で他人の顔をながめたり、広告板の絵を見たりしてぐずぐずしているけれど、刻一刻こちらへ近づいてきてるのです。いいですか、いわば絞首台がクリスマスの街を、あなたのところへ大またに歩いてきてるのです。あなたを助けてあげましょう、すべてを知っているこの私が。お金がどこにあるか教えてあげましょう、どうです?」
 「かわりに何が欲しいというんだ?」マーカイムはきいた。
 「ただでお手伝いするだけですよ、クリスマスの贈物として」ただでお教えしましょう」相手はこたえた。

   スティーヴンスン=著 高見幸郎(たかみ・ゆきお)=訳「マークハイム」
   イギリス短篇名作集 / 加納秀夫. -- 学生社, 1961


(6) 龍口 1961, 1977
 「(……)お手伝いは雑沓のなかで人びとの顔を眺めたり、広告板の絵を見たりしてぐずぐずしていますが、まちがいなく近づいて来ます。そしてそれは絞首台がクリスマスの雑沓のなかをあなたのほうに向かって近づいて来るのと同じだということを忘れないでください! わたしはなんでも存じておりますから、お助けしましょうか? どこに金があるか教えて上げましょうか?」
 「その代価は何かね?」マークハイムはたずねた。
 「ただクリスマスの贈物としてあなたを助けて上げようとしてるだけですよ」と相手は答えた。

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=著
   龍口直太郎(たつのくち・なおたろう)=訳「マークハイム」
   1. 犯罪文学傑作選 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1977.5.
     -- (創元推理文庫)
   2. 文芸推理小説26人集. 第2 / エラリー・クイーン[他]. -- 東京創元社, 1961
   引用は 1. に拠りました。


(7) 守屋 1958, 1961, etc.
 「(……)女中は、群集の顔をのぞいたり、広告掲示板の絵をみたりして、ぐずぐずしているが、それでもだんだんに近づいています。そして忘れてはいけません。それは絞首台そのものが、クリスマスの通りをあなたのほうへ大またで歩いてくるようです。お助けしましょうか。何もかも知っているこの私が。お金がどこにあるか教えてあげましょうか」
 「報酬には、どんなものが欲しいのです?」マークハイムはたずねた。
 「クリスマスの贈物としてあなたをお助けいたしましょう」相手は答えた。

   スティーヴンソン(2. では、スティーヴンスン表記も)=著
   守屋陽一(もりや・よういち)=訳「マークハイム」
   1. 世界100物語. 2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.11
   2. 世界文学100選. 第1 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961.4
   3. 水車小屋のウイル / スティーヴンソン[他]. -- 角川書店, 1958. -- (角川文庫)
   引用は 2. に拠りました。
   2. の原書:
   Tellers of Tales : 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany. Selected by W. Somerset Maugham.
   New York : Doubleday, Doran. 1939


(8) 伊藤 1955, 1999
「(……)女中はをのぞきこんだり、絵看板に見とれたりしておくれちゃいますが、刻々近づいてはきています。そうして忘れてはいけません。いいですか、ちょうど絞首台そのものがクリスマスの街をあなたの方へ向かってのし歩いてきてるようなもんですぞ。お助けしましょうか、万事承知の私が。どこに金があるかお知らせしましょうか」
「お代はいくらで?」
「クリスマスの贈り物にサービスとして差し上げましょう」
と、相手は答えた。

   R.L.スティーヴンソン=著 伊藤整=訳「マーカイム」
   1. スティーヴンソン作品集. 5 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
   2. 世界大衆小説全集. 第1期 第10巻 / 大仏次郎. -- 生活百科刊行会, 1955

   印字のかすれ具合などから見て、1. は新たに活字を組んで出版した本では
   なく、ファクシミリ版、つまり、先行する何かほかの本を複写して製本した、
   複製版だと思われます。さて、2. は未見ですが、国立国会図書館 NDL-OPAC で
   2. の収録作品のラインナップや訳者、ページ数などを 1. のそれと照合すると、
   ぴったり一致します。なので、おそらく 1. は 2. を複製したものなのでしょう。
   ただ、不審なことに、1. の巻末や奥付にその旨の表示はありません。引用は
   1. に拠りました。


(9) 和田 1953
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.

   スティヴンスン=著 和田聖嗣=訳註「マークハイム」
   一夜の宿・マレトロア邸の入口の戸・マークハイム / スティヴンスン[他].
    -- 開文社, 1953. -- (英米文学訳註叢書 ; 第32)


(10) 大橋 1952
 「女中さんは人込みのなかで人の顏を覗いたり、広告の絵看板を眺めたりして遅れては居ますが、しかし刻々近づいて来るのです、そして忘れてはなりませんぞ、それは絞首台その物が大股に步いて来るのと同じですよ! お助けしましようか、何もかも知つて居るこの私が? お金のありかを教えましようか?」  「報酬はいくらなのか?」 マークハイムが訊いた。  「クリスマスの贈物です、たゞで御奉公しましよう。」 相手が答えた。

   スティヴンスン=著 大橋榮三(おおはし・えいぞう)=訳註「マークハイム」
   壺の怪鬼・マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 南雲堂, 1952.
    -- (フイニツクス・ライブラリー英和対訳)


(11) 武井 1933, 1952, etc.
 「(……)女中は群なす人の顏をのぞいたり、廣告板の絵を眺めたりして手間取ってはいるが彼女はだんだんと近づいているのです。そうして忘れてはいけません。それはあたかも絞首台そのものがクリスマスの街を通ってあなたの方へ歩いてくるようなものです。お助けしましうか[ママ]、私が、すべてを知っている私が? どこにお金があるかを敎えてあげましょうか」。
 「いくらの報酬で?」とマークハイムはたずねた。
 「クリスマスの贈物としてあなたのご用をつとめましょう」と相手は答えた。

   スティーヴンソン (R.L.Stevenson)=著 武井亮吉(たけい・りょうきち)=訳註
   「マークハイム」
   1. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1978
     -- (研究社新訳註叢書)
   2. マークハイム / R.L.Stevenson[他]. -- 研究社出版, 1952.12
     -- (研究社新訳註叢書 ; 第27)
   3. 研究社英文訳註叢書. 第37 マークハイム・水車小屋のウイル / 研究社.
     -- 研究社, 1933(昭和8)
   引用は 2. に拠りました。


(12) 谷崎 1929
 「(……)この家の女中は往來で人の顏を見たり、廣告板の繪を眺めたりしてぐづ/゛\してゐるが、それでも次第に近づいて來る。それは丁度絞首臺がクリスマスの街(まち)を通つて君の方へ歩いて來るやうなものだと云ふことを忘れてはいけない。手傳ひませうか? 何でも知つてゐる私が、金の在處(ありか)を敎へませうか?」
 「いくらで?」とマークハイムが問うた。
 「クリスマスの贈物として、骨を折らうと云ふのです。」と相手が答へた。

   スティヴンスン=作 谷崎精二=譯「マークハイム」
   世界文学全集. 第36巻. 近代短篇小説集. -- 新潮社, 1929.7(昭和4)


■英語原文 The original text in English

"( . . . ) the servant delays, looking in the faces of the crowd and at the pictures on the hoardings, but still she keeps moving nearer; and remember, it is as if the gallows itself were striding toward you through the Christmas streets! Shall I help you-I, who know all? Shall I tell you where to find the money?"

"For what price?" asked Markheim.

"I offer you the service for a Christmas gift," returned the other.

   Markheim (1885) by Robert Louis Stevenson
   Recent paperback editions include:

   E-text at:


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「マーカイム」   tomoki y. 2008
   「マーカイム」   高松+高松 1989, 1994
   「マーカイム」   池 1988
   「マーカイム」   河田 1975, 1988
   「マーカイム」   伊藤 1955, 1999
   「マークハイム」 龍口 1961, 1977
   「マークハイム」 高見 1961
   「マークハイム」 守屋 1958, 1961, etc.
   「マークハイム」 大橋 1952
   「マークハイム」 和田 1953
   「マークハイム」 武井 1933, 1952, etc.
   「マークハイム」 谷崎 1929


■著者名の日本語表記の異同
 Transliteration variations of the author's name in Japanese

   スティーヴンスン 池 1988
   スティーヴンスン 高見 1961
   スティーヴンスン 守屋 1961(目次)
   スティーヴンソン tomoki y. 2008
   スティーヴンソン 高松+高松 1989, 1994
   スティーヴンソン 河田 1975, 1988
   スティーヴンソン 龍口 1961, 1977
   スティーヴンソン 守屋 1958, 1961(本文・作者小伝), 1996
   スティーヴンソン 伊藤 1955, 1999
   スティーヴンソン 武井 1933, 1952, etc.
    スティヴンスン 大橋 1952
    スティヴンスン 和田 1953
    スティヴンスン 谷崎 1929


■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2013/06/12 大橋榮三=訳註 1952 を追加しました。
  • 2009/02/07 伊藤整=訳 1999.3 を追加しました。
  • 2009/01/25 武井亮吉=訳注 1933, 1952, etc. を追加しました。

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