« Stevenson and the Fleeming Jenkins by James Alfred Ewing ジェームズ・アルフレッド・ユーイング「スティーヴンスンとフレミング・ジェンキン家の人々」 | Main | Conte de Noél by Guy de Maupassant モーパッサン「クリスマス物語」 »

Friday, 09 January 2009

Gabriel-Ernest by Saki (2) サキ 「狼少年」「おおかみ男」「ガブリエル-アーネスト」「ゲイブリエル-アーネスト」 (2)

« 1 Gabriel-Ernest »
« 1 ガブリエル-アーネスト »

■表紙画像 Cover photos

ko Ko_saki_9788955615913 ja Ja_saki_9784336025579 tr Tr_saki_9757501298009

de De_saki_die_verschwiegenheit_der_la it It_saki_9788821602221 es Es_9788485876525_la_reticencia_de_l

S. Sakis_short_stories

↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑

■はじめに Introduction

この短篇小説の題名を「おおかみ男」や「オオカミ少年」と訳してしまっては、種明かしをするようなものです。原題そのままに「ゲイブリエル-アーネスト」としたほうが、良いように思います。まあ、ともかくそういうお話です。一見、無垢で純真に見えた少年の正体は、じきに明らかになります。

ただ、数ある平凡なホラーの域にとどまらず、この作者らしい味が出ているのは、少年愛や同性愛的な雰囲気が漂っている点でしょう。そして、ちょっといじけたような意地悪さも見える。サキは、へそまがりや天の邪鬼の人向きの作家です。
 
 
■日本語訳 Translations into Japanese
 
(J1) tomoki y. 2009
「(……)不意に気がつきました。はだかの男の子がいるのです。近くの池で水遊びでもしていたのかな、と思いました。木や草のはえていない丘の斜面に立って、この子も日が沈むのを見ていました。その姿態が、まるでローマ神話に出てくる半人半獣の牧神ファウヌスそっくりなのです。すぐさま思いました。この子をモデルとして使いたいなあ。次の瞬間には、この子に声をかけなければと思いました。ところが、まさにそのとき、日が沈んで(……)男の子も姿を消してしまったのです!」
 
   サキ=著 Tomoki Yamabayashi=訳 「ゲイブリエル-アーネスト」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる 2009/01/09
 
 
(J2) 和田 1999
「(……)すると、そのときだった。素っ裸の少年がいるのに気づいた。どうやら近くの池で泳いでいたらしい。見晴らしのいい丘の中腹で、彼もまた落日をながめていた。彼のポーズには、ローマ神話のファウヌス〔人間の胴体と山羊の下半身をもつ牧神の神〕を彷佛とさせるものがあった。画家の僕としては、即座に、彼をモデルに雇おうと思ったくらいだ。彼に声をかけようとしたやさき、太陽が地平線に沈んで(……)少年が消えた!」
 
   サキ=著 和田唯(わだ・ただし)=訳 「ゲイブリエル-アーネスト」
   O・ワイルド〔ほか〕=著 大橋洋一=監訳
   『ゲイ短編小説集』 平凡社ライブラリー 1999/12
 
 
(J3) 倉阪 1998
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki-y.]
 
   サキ=著 倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)=訳 南條武則=解説
   「ガブリエル・アーネスト」  
   『小説すばる』 集英社 1998年2号
 
 
(J4) 木村 1985
「(……)とつぜんおれは、はだかの少年に気がついた。近くの池でおよいでいたんだろうな。そいつもむきだしの丘の中腹で、夕焼けをみながらたっていたんだ。そいつのようすが、異教の神話にでてくる牧神にムードがぴったりだったから、おれはたちまち、絵のモデルになってもらおうときめた。もうちょっとで、声をかけるところだった。そのときちょうど太陽が山のむこうにしずんで(……)少年まで消えてしまったんだ!」
 
   サキ〔ほか〕=作 木村由利子=文
   『おおかみ男』 怪奇シリーズ ポプラ社文庫 1985/08
   ルビは省略しました。
 
 
(J5) 山主 1984
「(……)ふっと気がつくと、近くの池からあがってきたらしいはだかの少年が、一本も木のはえていない丘の斜面に立って、やっぱり夕焼けを見ていたのだ。そのすがたはまるで、ローマ神話にある半人半羊(はんじんはんよう)の林野(りんや)の神のようだった。ぼくはすぐにその少年をモデルにして絵をかきたいと思って声をかけようとした。その時、太陽が沈んでしまって(……)少年が消えちまったのさ!」
 
   サキ=作 山主敏子=訳 「オオカミ少年」
   ブラックウッド〔ほか〕=原作
   『世界こわい話ふしぎな話傑作集3 イギリス編
   金の星社 1984/01
   原文は総ルビですが、ここではその一部を省略しました。
 
 
(J6) 中西 1982, 1988, etc.
「(……)ふと気がつくとまる裸の男の子が一人、近所の池から上って来たんだろうと思ったが、それが立木の一本もない丘の斜面に立ったまま、やはり夕焼を見ているんだ。その姿勢がギリシャ・ローマ神話の半人半獣の神ファウヌスそっくりだ。すぐさま、ひとつあれをモデルに頼もうと思いついて、今にも声をかけようとした。ところがその瞬間、夕日がスーッと沈んで(……)その子供が消えてなくなったんだ」
 
   サキ=著 中西秀男=訳
   6a. 「ガブリエル-アーネスト」
     電子書籍 『ザ・ベスト・オブ・サキ1』 2004/09/17
     ただし、提供サイト Timebook Town は2009/02/28 サービスを終了しました。
   6b. 「ガブリエル-アーネスト」
     『ザ・ベスト・オブ・サキ1』 ちくま文庫 1988/05
   6c. 「ゲイブリエル-ア-ネスト」
     『無口になったアン夫人』 バベルの図書館 国書刊行会 1988/02
   6d. 「ガブリエル-アーネスト」
     『ザ・ベスト・オブ・サキ2』 サンリオSF文庫 1982/08
   6a. の底本は 6b.6b.6d. および『ザ・ベスト・オブ・サキ1
   サンリオSF文庫 1978/11 を、サキの発表順に再編集し、新訳4篇を
   加えたもの。引用は 6b. に拠りました。
 
 
(J7) 河田 1981
「(……)ふと気がつくと、近くの池で泳いで来たらしいすっ裸の少年が一人、木のない丘の中腹に立って、やはり夕焼けをながめているじゃないか。そのポーズを見て、ぼくはローマ神話の半人半獣の神を連想し、すぐモデルにやといたくなって、早速声をかけようとした。ところが、そのとたん、太陽が沈んで(……)少年が消えてしまったんだよ」
 
   サキ=著 河田智雄(かわだ・ともお)=訳 「狼少年」
   『サキ傑作集』 岩波文庫 1981/11
 
 
(J8) 田内 1979, 2001
「(……)そのとき、丘の斜面の草の上に立って、裸の少年が夕日を見ているのが、不意に目についたんだ。近くの沼ででも泳いで来たんだろうとぼくは思ったんだよ。その格好が、ギリシャ神話の半人獣にあまりにも似てたので、ぼくはすぐにでもモデルを頼みたいと思ったんだよ。そのままだったら次の刹那(せつな)、きっと声をかけてたにちがいないのだが、丁度その時、夕日が沈んでしまったんだ。(……)少年の姿が、消えてしまったんだよ」
 
   サキ=著 田内初義(たうち・はつよし)=訳 「狼少年」
   8a. 電子書籍 『サキ短編集』 グーテンベルク21 2001/12
     電子書店パピレスでも販売。  TXT版XMDF版無料サンプル
   8b.サキ短編集』 講談社文庫 1979/06
   8a. の底本は 8b.。引用は 8b. に拠りました。
 
 
(J9) 三田村 1967
「(……)ふと見ると、沼のそばの岩の上に、まっぱだかの男の子が立っているんだよ。わしは、声をかけようと思った。すると、きゅうにあたりが暗くなって、男の子のすがたが見えなくなった。(……)」
 
   三田村信行=再話 「オオカミ少年」(サキ=作「狼少年」より)
   山中恒+佐野美津男=編 現代子どもセンター=監修
   『母と子のお話図書館1 とってもおもしろい話 ちょっとこわい話
   三一書房 1967/02
 
 
(J0) 中村 1958, 1969
「(……)突然、一人の素裸の少年がいるのに気がついた、近くの沼で泳いでいたのだろうと思ったがね、樹のない丘の中腹に立って、やっぱり落日を眺めているのだ。そのポーズが、いかにも異教の神話の半人半羊神を彷佛たらしめるので、すぐにモデルに雇いたいと思い、そのままだったら、声をかけただろうと思う。ところが、その瞬間、太陽が地平線から沈んで(……)その少年の姿も一緒に消えたのだよ。」
 
   サキ(ヘクター・ヒュー・マンロウ)=著
   中村能三(なかむら・よしみ)=訳 「狼少年」
   10a.サキ選集』 創土社 1969/10
   10b.サキ短篇集』 新潮文庫 1958/03
   引用は 10b. に拠りました。
 
 
■スペイン語訳 Translation into Spanish
 
-( . . . ) De pronto me di cuenta de la presencia de un muchacho desnudo; pensé que fuera un muchacho que se había estado bañando en algún pozo cercano, y que se había quedado en la falda de la colina también mirando el atardecer. Su actitud sugería de tal modo la de un fauno silvestre de la mitología pagana que inmediatamente se me ocurrió contratarlo como modelo, y lo hubiera llamado un momento después. Pero justo en ese momento el sol dejó de verse, y ( . . . ) el muchacho también desapareció!
 
   Gabriel-Ernesto by Saki
   E-text at Ciudad Seva
 
 
■Gabriel-Ernest, read by Richard Mitchley

Produced by Robert Nichol. Copyright Vox Audio.


■英語原文 The original text in English

"( . . . ) Suddenly I became aware of a naked boy, a bather from some neighbouring pool, I took him to be, who was standing out on the bare hillside also watching the sunset.  His pose was so suggestive of some wild faun of Pagan myth that I instantly wanted to engage him as a model, and in another moment I think I should have hailed him.  But just then the sun dipped out of view, and ( . . . ) the boy vanished too!"

 
 
■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2010/09/29 Richard Mitchley による朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/01/31 田内初義=訳 1979/06 を追加しました。

 

« 1 Gabriel-Ernest »
« 1 ガブリエル-アーネスト » 

にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村 英語ブログへにほんブログ村 外国語ブログへブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 本ブログ 洋書へにほんブログ村 英語ブログ 通訳・翻訳へにほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ翻訳ブログ人気ランキング参加中

↓ 以下の本・CD・DVDのタイトルはブラウザ画面を更新すると入れ替わます。
↓ Refresh the window to display alternate titles of books, CDs and DVDs.
 
■洋書 Books in non-Japanese languages


 
■和書 Books in Japanese


  

|

« Stevenson and the Fleeming Jenkins by James Alfred Ewing ジェームズ・アルフレッド・ユーイング「スティーヴンスンとフレミング・ジェンキン家の人々」 | Main | Conte de Noél by Guy de Maupassant モーパッサン「クリスマス物語」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Gabriel-Ernest by Saki (2) サキ 「狼少年」「おおかみ男」「ガブリエル-アーネスト」「ゲイブリエル-アーネスト」 (2):

» はじめて彼女出来たぉ(^ω^) [火鳥炎]
始めはお金と卒業目的だったけど、年齢=彼女いない暦の俺に、生まれて初めて彼女ができました!! http://tomoki.tea-nifty.com/tomokilog/2009/01/gabriel-ernest-.html 彼女できてから服とかも選んでもらってるから、なんか自分自信にも自信が出来てきたぉ 勢いで登録してわかったけど、キッカケ作りって大事だよな... [Read More]

Tracked on Friday, 09 January 2009 08:15 am

« Stevenson and the Fleeming Jenkins by James Alfred Ewing ジェームズ・アルフレッド・ユーイング「スティーヴンスンとフレミング・ジェンキン家の人々」 | Main | Conte de Noél by Guy de Maupassant モーパッサン「クリスマス物語」 »