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Wednesday, 28 January 2009

Night Train to Babylon by Ray Bradbury レイ・ブラッドベリ「バビロン行きの夜行列車」「夜汽車はバビロンへ」

■表紙画像 Cover photos

a.バビロン行きの夜行列車』角川春樹事務所 (1998)
b.夜汽車はバビロンへ EQMM90年代ベスト・ミステリー』扶桑社ミステリー (2000)
c. Driving Blind. Pocket Books (1998)
d. The Cutting Edge: Best and Brightest Mystery Writers of the 90s from Ellery Queen's Mystery Magazine. Carroll & Graf Publishing (1998)

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a. Babylon_iki_no_yakouressha  b. Yogisha_wa_babylon_e

c. Driving_blind  d. The_cutting_edge_90s


■はじめに Introduction

ベテランの翻訳家による2種類の訳。初出はほとんど同時期。おなじ年で、ほんの数か月ちがい。読みくらべると、たがいに驚くほど似ている箇所と、微妙に異なる箇所、そして意外なまでに違っている箇所とがある。原書が読みこなせるに越したことはないけれど、翻訳ならではの、こうした読みくらべの楽しみというものもある。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 金原+野沢 1998
 ジェームズ・クルーソーを乗せた夜行列車はシカゴを飛び出し、酔っ払いのように大きく左右に揺れながら走っていた。ラウンジカーの通路を、車掌がよろめきながら歩いてくると、バーのほうをちらっとみてからクルーソーに片目をつぶってみせ、通り過ぎていった。クルーソーは聞き耳をたてた。
 どよめきと叫びとどなり声。
 まるで大騒ぎしている羊の群れだ。もうじき毛を刈られて丸裸になってしまうというのに、そうとは知らずに浮かれている羊たち。そうでなきゃ、崖から飛び降りようとしてる翼のないハンググライダーか。

   レイ・ブラッドベリ=著
   金原瑞人(かねはら・みずひと)+野沢佳織(のざわ・かおり)=訳
   「バビロン行きの夜行列車」
   金原瑞人+野沢佳織=訳『バビロン行きの夜行列車
   角川春樹事務所 1998/10 所収

   原書:
   Driving Blind by Ray Bradbury


(2) 深町 1998, 2000
 ジェームズ・クルーソーは、列車のラウンジカーにいた。シカゴを出た夜汽車は、さながら酔いどれのように大きく傾いたり揺れたりしながら、一路驀進(ばくしん)をつづけていた。車掌がよろめきながら近づいてきて、ちらりとバーのほうへ目をやり、クルーソーに片目をつむってみせてから、またよろめきつつ歩み去った。クルーソーはなおも耳をすましていた。
 どっとあがる歓声、叫喚(きょうかん)、わめき声。
 そう、これがその音だ、とクルーソーは思った。狂乱した羊の群れの声――毛を刈られて丸裸になろうとしているのに、なにも知らずに騒いでいる羊たちの。あるいはまた、ハンググライダ-――翼も持たずに断崖(だんがい)のふちからとびだそうとしているハンググライダ-の音。

   レイ・ブラッドベリ=著 深町眞理子(ふかまち・まりこ)=訳「夜汽車はバビロンへ」
   2a. ジャネット・ハッチングズ=編 深町眞理子〔ほか〕=訳
      『夜汽車はバビロンへ EQMM90年代ベスト・ミステリー
     扶桑社ミステリー 2000/09 所収
   2b.EQ』1998年3月号収載
   2a.2b. を改稿したもの。引用は 2a. に拠りました。

   原書:
   The Cutting Edge: The Best and Brightest Mystery Writers of the 90s
   Edited by Janet Hutchings


■英語原文 The original text in English

James Cruesoe was in the club car of a train plummeting out of Chicago, rocking and swaying as if it were drunk, when the conductor, lurching by, glanced at the bar, gave Cruesoe a wink, and lurched on. Cruesoe listened.

Uproars, shouts and cries.

That is the sound, he thought, of sheep in panic, glad to be fleeced, or hang gliders, flung off cliffs with no wings.

   Night Train to Babylon
   from Driving Blind (1997) by Ray Bradbury
   Excerpt at:
   * Powell's Books
   * Amazon.co.jp
   * Amazon.com
   * Amazon.ca
   * Amazon.de
   * Amazon.fr
 
 
■外部リンク External links

 [en] English
   * Ray Bradbury official site
   * Driving Blind - Wikipedia
   * Ray Bradbury - Wikipedia (1920- 2012)

 [ja] 日本語
   * レイ・ブラッドベリ - Wikipedia (1920-2012)
   * レイ・ブラッドベリ - 翻訳作品集成


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