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February 2009

Tuesday, 24 February 2009

From a Railway Carriage (from A Child's Garden of Verses) by Robert Louis Stevenson スティーヴンスン / スティヴンソン / スティーブンソン (『子どもの詩の園』から)「鉄道の客車から」「汽車の窓から」

           目次 Table of Contents

   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) ないとう 2014
     (J2) まさき 2010
     (J3) よしだ 2000
     (J4) 沢崎 2000
     (J5) しばさき 1973
     (J6) 高村 1970
     (J7) 栗原 1951
     (J8) 左右田 1949
     (J9) 福原+葛原 1922
   ■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
    Audio  英語原詩の朗読 Audiobook in English
   ■英語原文 The original text in English
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) ないとう 2014
妖精よりもはやく、魔女よりもはやく、
橋が、家が、生けがきが、水路が 飛んでいく。
戦場の 軍隊のとつげきのように、
まきばのなかを 馬や牛が 飛んでいく。
丘や 野原のけしきが、みんな
しのつく雨のように 去ってった。
汽笛ひとつ鳴って、またたくまに、
はでな色の駅が すぎてった!
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンスン=作 ないとうりえこ(内藤里永子)=訳
   「汽車の窓から」
   ターシャ・テューダー=絵 『子どもの詩の園』 
   株式会社 Kadokawa=発行 メディアファクトリー=編集 2014/06/06


(J2) まさき 2010
妖精よりも、魔女よりも、もっともっとはやく、とんでいく。
橋に家並(やなみ)に、垣根にみぞが…
敵をけちらす軍隊さながら、
草原つっきり、馬や牛のあいだをとおり、
野こえ、丘こえとんでいく。
まるで、とおり雨さながらに。
まばたきする間もないうちに、
色あざやかに塗られた駅を、警笛を鳴らしてすぎてゆく。
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンソン=作 まさき・るりこ=訳
   イーヴ・ガーネット=絵 「汽車の窓から」
   『ある子どもの詩の庭で』 瑞雲舎 2010/09/09 所収


(J3) よしだ 2000
妖精より速く、魔女より速く
橋や家々、垣根や水路をあとに
戦のなかで騎兵隊が突撃するかのように
牧場の馬や牛をあとにして
ふりしきる雨が、窓辺を激しく叩く速さで
飛ぶように走る――そして時おり
色鮮やかに塗られた駅を
警笛を鳴らして、またたくまに通り過ぎる
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティーヴンスン=作 よしだみどり=訳・絵
   「鉄道の客車から」
   『子どもの詩の園』 白石書店 2000/10 所収
   ルビは省略しました。


(J4) 沢崎 2000
妖精より速い、魔女より速い
橋や家屋、生け垣や水路。
戦場の軍隊みたいに牧場を
牛や馬が突進していく。
丘や野原のなにもかもが
横なぐりの雨のように飛ぶ。
そしてときどき一瞬のうち
ペンキ塗りの駅舎が過ぎる。
[以下略]

   ロバート・ルイス・スティヴンソン=作
   沢崎順之助(さわざき・じゅんのすけ)=訳 「汽車の窓から」
   小池滋=編 『英国鉄道文学傑作選』 ちくま文庫 2000/05 所収


(J5) しばさき 1973
妖精たちや 魔女より速く
橋もお家も 垣根も堀も
牧場の馬(うま)や 家畜まで
突撃(とつげき)してゆく 軍隊のように
丘や平野の 景色もみんな
嵐みたいに 飛んで行く
そしてまたまた またたくうちに
ペンキの駅も 汽笛で通過
[以下略]

   R. L. Stevenson=作 ホセ・しばさき=訳註 「汽車の窓から」
   『童心詩苑1』 泰文堂 1973/12 所収


(J6) 高村 1970
橋と家とが 垣根とみぞが
妖精たちや 魔女より早い
牧場を通れば馬や牛
軍隊のように 突進(とっしん)だ
丘や平野の景色もみんな
ひっきりなしに飛んで行く
そしてまたまた またたくうちに
ペンキの駅もピーッと過ぎる
[以下略]

   R. L. スティーブンソン=作 高村規子(たかむら・のりこ)=訳
   「鉄道の客車から」
   岡倉由三郎=原序 福原麟太郎+葛原滋+高村規子=共訳
   Eve Garnett=表紙絵 高村洋子=カット
   『童心詩集』 英光社 1970/07 所収


(J7) 栗原 1951
幽靈よりも速に、魔女よりも速に、
橋梁や、家や、籬や、小溝や、
牧場、馬、家畜等の群を突破して
宛ら戰場の軍隊の如く襲撃を續けつゝ行く。
小山や平原のあらゆる景色は、
押寄する急雨の如く定かならず飛び交ふ。
かくて瞬きする間に幾度か
汽笛を鳴らして、粉壁鮮なる停車場を過去る。
[以下略]

   ロバアト・ルヰス・スティヴンスン=作
   栗原古城(くりはら・こじょう)=訳 「汽車に乘りて」
   日夏耿之介(ひなつ・こうのすけ)=編 『名詩名譯』 創元選書
   東京創元社 1951/11/30 所収
   速・急・平・隊・過の旧字はそれぞれ新字で置き換えました。


(J8) 左右田 1949
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   ロバート・ルイス・スティイヴンソン=著 左右田実(そうだ・みのる)=訳
   『幼年詩園』 研究社英文訳註叢書 研究社出版 10版 1949 所収


(J9) 福原+葛原 1922
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   ステイブンスン=著 福原麟太郎+葛原〓(くずはら・しげる)=訳
   『子供の詩』 東光閣書店 1922(大正11) 所収


■邦題の異同
 Variations of the title "A Child's Garden of Verses" translated into Japanese

  • 『ある子どもの詩の庭で』……まさき 2010
  • 『子どもの詩の園』……………ないとう 2014
  • 『子どもの詩の園』……………よしだ 2000
  • 『子供の詩』……………………福原+葛原 1922
  • 『幼年詩園』……………………左右田 1949
  • 『童心詩苑1』…………………しばさき 1973
  • 『童心詩集』……………………福原+葛原+高村 1970

■スペイン語訳 Translation into Spanish

Más rápido que las hadas, más rápido que las brujas,
puentes y casas, cercas y riachuelos.
Como tropas que se mueven en un campo de batalla,
los caballos y el ganado cruzan las praderas.
La escena de colinas y llanos
desparece como envuelta en lluvia.
Y de nuevo en un abrir y cerrar de ojos
coloreadas estaciones pitan a nuestro paso.

Allí hay un niño encaramándose
por una enredadera;
aquí un vagabundo descansa y nos contempla;
allí todo está cubierto de margaritas;
aquí una carreta se añeja por el camino
pesadamente con su carga y su campesino;
aquí hay un molino y allí está el río:
¡Todos son como destellos y para siempre desaparecen!

   Desde un vagón de ferrocarril
   in Un niño de Jardín de Versos by Robert Louis Stevenson
   E-text at Yahoo! Argentina Respuestas


 Audio 
英語原詩の朗読 Audiobook in English

Uploaded to YouTube by Audio Productions on 15 May 2008. Audio created by Robert Nichol Audio Productions London. All rights reserved.


■英語原文 The original text in English

Faster than fairies, faster than witches,
Bridges and houses, hedges and ditches;
And charging along like troops in a battle
All through the meadows the horses and cattle:
All of the sights of the hill and the plain
Fly as thick as driving rain;
And ever again, in the wink of an eye,
Painted stations whistle by.

Here is a child who clambers and scrambles,
All by himself and gathering brambles;
Here is a tramp who stands and gazes;
And there is the green for stringing the daisies!
Here is a cart runaway in the road
Lumping along with man and load;
And here is a mill, and there is a river:
Each a glimpse and gone forever!


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/07/22 ないとうりえこ(内藤里永子)=訳 2014/06/06 を追加しました。
  • 2014/02/14 目次を追加しました。
  • 2014/01/13 栗原古城=訳 1951/11/30 を追加しました。
  • 2012/08/29 スペイン語訳を追加しました。
  • 2010/11/09 まさき・るりこ=訳 2010/09/09 を追加しました。また、「邦題の異同」の項を新設しました。

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Monday, 23 February 2009

Zen in the Art of Writing by Ray Bradbury レイ・ブラッドベリ 『ブラッドベリがやってくる―小説の愉快』

■はじめに Introduction

『ブラッドベリがやってくる―小説の愉快』は、原題を『小説作法における禅 (Zen in the Art of Writing)』といって、1961年から1986年のあいだに、雑誌むけの記事や自作への序文として書かれた九つのエッセイを集め、さらに八つの詩を加えたものである。(「訳者あとがき」より)


■表紙画像 Cover photos

a.ブラッドベリがやってくる―小説の愉快』晶文社 (1996)
b. Lo zen e l’arte della scrittura DeriveApprodi (2000)  ISBN: 88-87423-34-2 More details here. Table of contents here.  Image source: traspi.net  イタリア語版
c. Zen en el arte de escribir Minotauro (1997) スペイン語版
d. Zen in der Kunst des Schreibens Autorenhaus Verlag (2003) ドイツ語版
e. Zen in the Art of Writing: Essays on Creativity, Expanded Joshua Odell Editions (1994)

↓ Click to enlarge ↓

a. Bradbury_ga_yattekuru  b. Lo_zen_e_larte_della_scrittura c. Zen_en_el_arte_de_escribir

d. Zen_in_der_kunst_des_schreibens  e. Bradbury_zen_art_of_writing


■では、書いていて何がわかるのか。
 And what, you ask, does writing teach us?

[ja] 日本語訳 Translation into Japanese

 では――と言われるかもしれない――書いていて何がわかるのか。
 まずは第一に、われわれは生きているということがわかる。そして、生きているのは特別にあたえられた状態なのであって、もとからの権利なのではないともわかる。ひとたび生命なるものを授与されたなら、今度は生命を保つべく働かなければならない。(……)
 第二に、書くことはサバイバルである。いかなる芸術も、良質の芸術であるならば、すべてそうである。
 かなりの人間にとって、書かないということは死につながる。
 一日たりとも、武器をとらない日があってはならない。完勝までは望めないとわかっているかもしれないが、でも戦いは避けられない。たとえ、ささやかな小競りあいでも、かならず戦っておく。(……)あるピアニストが言ったではないか――一日練習をさぼると自分でわかり(……)
 作家の場合には(……)にしても、やはり似たようなことは言える。
 作家がどうなるかというと、世界に追いつかれて心が病みそうになる。書くことを一日さぼれば、そういう病毒が身体にたまって死にかける。ないしは、発狂したようになる。ないしは、その両方である。
 つまり、書くことに酔っていないといけない。それでもって現実に滅ぼされずにすむ。
 書いていることによって、真理、生命、現実の正しい味わい方ができる。料理法さえ正しければ、食べて飲んで消化しても、はあはあ息苦しくなってベッドでのたうちまわり、死んだ魚のようにならなくてすむ。

      レイ・ブラッドベリ「序文」


[en] 英語原文 The original text in English

  And what, you ask, does writing teach us?
  First and foremost, it reminds us that we are alive and that it is a gift and a privilege, not a right.  We must earn life once it has been awarded us....
  Secondly, writing is survival.  Any art, any good work, of course, is that.
  Not to write, for many of us, is to die.
  We must take arms each and every day, perhaps knowing that the battle cannot be entirely won, but fight we must, if only a gentle bout.....Remember the pianist who said that if he did not practice every day he would know....  A variation of this is true for writers.
  What would happen [if you did not write every day] is that the world would catch up with and try to sicken you...the poisons would accumulate and you would begin to die, or act crazy, or both.
  You must stay drunk on writing so reality cannot destroy you.
  For writing allows just the proper recipes of truth, life, reality as you are able to eat, drink, and digest without hyperventilating and flopping like a dead fish in your bed.

      "Preface" by Ray Bradbury


■やる気、その気、愛情、おもしろがる精神、などというものがないくせに……
 If you are writing without zest, without gusto, without love, without fun. . .

[ja] 日本語
やる気、その気、愛情、おもしろがる精神、などというものがないくせに書いているとしたらならば、とうてい作家になりきってはいない。
      レイ・ブラッドベリ「書くことの喜び」

[en] English
If you are writing without zest, without gusto, without love, without fun, you are only half a writer.
      "The Joy of Writing" by Ray Bradbury


■サイエンス・フィクションは、未来を見ているふりをして、じつは……
 Science fiction pretends at futures in order to. . .

[ja] 日本語
サイエンス・フィクションは、未来を見ているふりをして、じつは今日の路傍に倒れる病んだ犬を癒そうというのである。遠まわし表現こそ命。メタファーが薬。
      レイ・ブラッドベリ「ロボット博物館の黄昏」

[en] English
Science fiction pretends at futures in order to cure sick dogs lying in today's road.  Indirection is everything.  Metaphor is the medicine.
      "On the Shoulders of Giants" by Ray Bradbury


■出典 Sources

[ja] 日本語訳 Translation into Japanese
   レイ・ブラッドベリ=著 小川高義(おがわ・たかよし)=訳
   『ブラッドベリがやってくる―小説の愉快
   晶文社 1996/06

[en] 英語原文 The original text in English
   Zen in the Art of Writing by Ray Bradbury
   * Hardcover Santa Barbara, CA: Capra Press, 1990
   * Paperback Bantam Books, 1992/04
   * Expanded edition paperback Joshua Odell Editions, 1994/04
   * E-text at RayBradbury.ru
   * Excerpt at Steven Mills - Quotes


■外部リンク External links

[en] English
   * Ray Bradbury official site
   * Ray Bradbury - Wikipedia (1920-2012)

[ja] 日本語
   * レイ・ブラッドベリ - Wikipedia (1920-2012)
   * レイ・ブラッドベリ - 翻訳作品集成


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Saturday, 21 February 2009

I See You Never by Ray Bradbury (2) レイ・ブラッドベリ / レイ・ブラッドベリー / レイ・ブラッドベリイ 「もう会えない」「二度と見えない」「わかれ」 (2)

« 1 I See You Never »
« 1 二度と見えない »

 Video 
Remembering Ray Bradbury and His 'Cautionary Tales'

レイ・ブラッドベリは2012年6月5日、米国カリフォルニアで亡くなりました。 Published on 6 Jun 2012 by PBSNewsHour


 Images 
ホワイトハウスとニューヨーカー誌
The White House and the New Yorker magazine

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Ray_bradbury_in_white_house_4 b. New_yorker_nov_1947

  • President George W. Bush and Laura Bush present the National Medal of Arts award to Ray Bradbury. White House photo by Susan Sterner. Image source: National Endowment for the Arts (NEA) News Room, 2004 National Medal of Arts
    ジョージ・W・ブッシュ米大統領、ローラ・ブッシュ夫妻から2004年度のアメリカ国民芸術勲章を授与されたレイ・ブラッドベリ。
  • The New Yorker, November 8, 1947. Ray Bradbury's story, "I See You Never," was originally published in this issue. Image source: The New Yorker
    ブラッドベリ氏の短篇「二度と見えない」が最初に掲載されたニューヨーカー誌1947年11月8日号の表紙。『ブラッドベリ、自作を語る』 (晶文社 2012年) によれば、原稿料は300ドル。氏いわく、「『ニューヨーカー』に売れたのは、あれが最初で最後だ。以後三十年、ことごとく不採用になってる」。

■はじめに Introduction

メキシコからカリフォルニアに渡ってきたラミレスさん。ビザの有効期限が切れたあとも米国に不法滞在して働いていたため逮捕された。本国へ強制送還されることになったラミレスさんは警官に伴われて、大家さんのもとを訪れる。お世話になった奥さんに、別れを告げにやってきたのだ。つたない英語だからこそ、つたわる何か……?


■I See You Never の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and magazines that contain a Japanese translation of
 I See You Never

   1. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 2006.2.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   2. 村上   Sudden Fiction / R.シャパード,J.トーマス[他]. -- 文芸春秋, 1994.1.
           -- (文春文庫)
   3. 稲葉   世界ショートショート傑作選. 1 / 各務三郎. -- 講談社, 1978.11.
           -- (講談社文庫)
   4. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1976.1.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   5. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1962.
           -- (ハヤカワ・SF・シリーズ)
   6. 久慈   別冊宝石 -- 1961/7/15 No.107
   7. 久慈   別冊宝石 -- 1960/1/15 No.95


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 村上 1994
「ああ、奥さん!」と言って、彼は急に泣きだした。瞼の奥から涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。彼は両手を差し出して、感きわまったように彼女の手を取った。そしてそれを振り、絞りあげ、ぎゅっと握りしめた。「オブライエンさん、二度と会いません、二度と会いません!」
 警官たちはこれを聞いて微笑んだ。でもミスタ・ラミレスはそれに気づかなかったので、彼らはすぐに笑みをひっこめた。
「さよなら、オブライエンさん。あなたは良い方でした。さよなら、オブライエンさん、もうお会いしません!」

  • レイ・ブラッドベリー=著 村上春樹(むらかみ・はるき)=訳 「もう会えない」 ロバート・シャパード+ジェームズ・トーマス=編 『Sudden Fiction―超短編小説70』 文春文庫 1994.1
  • 原書: Sudden Fiction (1986) Edited by Robert Shapard & James Thomas

(J2) 稲葉 1978
「おくさん!」
 彼はだしぬけに叫んだ。涙の粒がまぶたを転がりおちた。両手をのばすと、夫人の手を熱っぽくにぎりしめ、ふり動かし、すがりついた。
「オブライエンのおくさん、もうお会いできません、おわかれです!」
 警官たちは微笑をふくんで見まもっていたが、ラミレス氏は気にもとめなかった。警官たちの微笑はすぐにきえた。
「さようなら、おくさん。とてもご親切にしていただきました。さようなら、おくさん。もうお会いできません!」


(J3) 小笠原 1962, 1976, etc.
「オブライアンさん!」と、ラミレス氏はとつぜん叫び、涙がまぶたからころがり出た。手をのばしたラミレス氏は、夫人の手を熱烈に握りしめ、何度も振り、まるですがりつくようなしぐさをした。「オブライアンさん、わたし、あなたと、二度と見えない、二度と見えない!」
 このことばを聞いて、警官たちは笑ったが、ラミレス氏はそれに気づかず、警官たちの笑いもすぐにとまった。
「さよなら、オブライアンさん。あなた、親切でした。さよなら、オブライアンさん。あなたと、二度と見えない!」


(J4) 久慈 1960, 1961
「おくさん!」
 かれはだしぬけにさけんだ。涙の粒がまぶたをころがり落ちた。両手をのばすと、夫人の手を熱っぽくにぎりしめ、ふり動かし、すがりついた。
「オブライエンのおくさん、もうお会いできません、おわかれです!」
 警官たちは微笑をふくんで見まもっていたが、ラミレス氏は気にもとめなかった。警官たちの微笑はすぐにきえた。
「さようなら、おくさん。とてもご親切にしていただきました。さようなら、おくさん。もうお会いできません!」

  • レイ・ブラッドベリー=著 久慈波之介(くじ・なみのすけ)=訳 「わかれ」
    引用は b. 1960年版に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

— Миссис О'Брайен! — вдруг крикнул он, и по щекам его покатились слезы. Он протянул вперед обе руки, пылко схватил ее руку и тряс ее, сжимал, цеплялся за нее. — Миссис О'Брайен, я никогда вас не увижу больше, никогда не увижу!..

Полицейские улыбнулись, но мистер Рамирес не видел их улыбок, и они перестали улыбаться.

— Прощайте, миссис О'Брайен. Вы были очень добры ко мне. Прощайте! Я никогда вас не увижу больше!

  • Рэй Бредбери. Я никогда вас не увижу. Translated by Л. Жданов
  • E-text at Вокруг Света

■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

- Sra. O'Brian! - ele gritou subitamente, com lágrimas correndo de sob suas pálpebras. Estendeu a mão e tomou a dela febrilmente, apertando-a, torcendo-a, agarrando-se a ela. - Sra. O'Brian, até nunca mais ver, até nunca mais ver!

Os policiais sorriram, mas o Sr. Ramirez não percebeu, e logo eles pararam de sorrir.

Adeus, Sra. O'Brian. A senhora foi boa para mim. Adeus, Sra. O'Brian. Até nunca mais ver!


■スペイン語訳 Translation into Spanish

— Señora O’Brian -gritó el señor Ramírez de pronto, con lágrimas en los ojos.

Extendió las manos y apretó fervientemente la mano de la mujer, sacudiéndosela, retorciéndosela, acercándola a él-. ¡Señora O’Brian, nunca más la veo, nunca más la veo!

Los policías sonrieron, pero el señor Ramírez no lo notó, y las sonrisas murieron pronto.

— Adiós, señora O’Brian. Ha sido muy buena conmigo. Oh, adiós, señora O’Brian. Nunca más la veo.


■英語原文 The original text in English

"Mrs. O'Brian!" he cried suddenly, tears rolling out from under his eyelids. He reached out his hands and took her hand fervently, shaking it, wringing it, holding to it. "Mrs. O'Brian, I see you never, I see you never!"

The policemen smiled at this, but Mr. Ramirez did not notice it, and they stopped smiling very soon.

"Goodbye, Mrs. O'Brian. You have been good to me. Oh, goodbye, Mrs. O'Brian. I see you never"


■元ネタは実話 The story was inspired by a true incident

上述の『ブラッドベリ、自作を語る』 (晶文社 2012年) によれば、この短篇の素材は、ブラッドベリ自身が目撃した実話だそうだ。以下、同書からの抜粋:

[引用はじめ]
一九四○年代の初めから中頃だったが、僕の友人でグラント・ビーチという男の母親が、ロサンゼルスのダウンタウンに貸しアパートのビルを持っていた。フィゲロア通りとテンプル通りの交差点あたり。いまは消えてしまったのが残念至極だが、二十代の僕が住みついたも同然に出入りしたビルだ。
[略]
アパートの隣の家に、グラント・ビーチとその母親が住んでいた。ある日、そっちの家へ行って、軽いランチで卵サンドイッチを食べさせてもらってたら、ドアにノックの音がした。ビーチの母親がドアを開けると、男がいて、のぞき込むように「あのう、今度メキシコへ帰ることになって」と言う。誰かと思えば、ビーチの母親にとっては部屋を貸してる店子だ。ところが保安官もいる。不法移民をつかまえに来たんだな。これから国境まで連行して、メキシコ側へ放り出すらしい。また男が口を開いて、「ビーチさん、二度と見えない」と言った。ああいうことがあるんだな。そのセリフをメモしておいて、その日のうちに書き上げた。
[引用おわり]


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2012/09/22 久慈波之介=訳 1960/01/15 の訳文を挿入しました。
  • 2012/07/03 ロシア語訳を追加しました。また、「元ネタは実話」の項を新設しました。
  • 2012/06/07 Remembering Ray Bradbury and His 'Cautionary Tales' の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012/05/22 ポルトガル語訳とスペイン語訳を追加しました。

 

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Tickets, Please by D. H. Lawrence (2) D・H・ロレンス 「切符拝見」「乗車券を拝見」「切符をお切りします!」「乗車券を、どうぞ」(2)

<< Tickets, Please (1)
<< 「乗車券を拝見」(1)

■D.H. Lawrence family photos

Left D.H. Lawrence and his family. Image source: ‘ahems and ahahs’ 2008/08/02
Right D.H. Lawrence and his wife Frieda. Image source: Erin's Poetry Palace

↓ Click to enlarge ↓

Dh_lawrence_family_2   D_h_lawrence__frieda_3


■はじめに Introduction

市電の主任検査官ジョン・トマスは女たらし。彼にこれまで、もてあそばれた女車掌たちが一致団結して、復讐を図る。


■Tickets, Please の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books containing a Japanese translation of Tickets, Please

   1. 岩田 D.H.ロレンス短篇全集. 第2巻 / D.H.ロレンス[他].
         -- 大阪教育図書, 2003.11
   2. 上田 ロレンス短編集 / D.H.ロレンス[他]. -- 新版. -- 新潮社, 2000.9.
   3. 上田 英国鉄道文学傑作選 / 小池滋. -- 筑摩書房, 2000.5. -- (ちくま文庫)
   4. 河野 新・ちくま文学の森. 7 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.3
   5. 河野 ロレンス短篇集 / 河野一郎. -- 岩波書店, 1986.1. -- (岩波文庫)
   6. 上田 世界短篇文学全集. 第1 / 奥野信太郎. -- 集英社, 1963.5


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 岩田 2003
(……)娘たちは、もうすっかり頭に血がのぼっていた。いまやジョン・トマスは娘たちのおもちゃだった。この男に、仕返しをしてやるつもりだった。奇妙な野性の獣となった娘たちは、彼にしがみつき、押さえつけようと襲いかかっていった。上衣はすっぱり背中を引き裂かれ、ノーラは襟首をつかんで、本当に首を締めつけていた。運よく、ボタンがちぎれてしまった。彼は、憤激に加えて、恐怖、ほとんど気違いじみた恐怖のあまり、ひどく逆上し、もがいた。上衣はすっかり背中から引きはがされ、ワイシャツの袖もちぎれ、両腕が剥き出しになった。娘たちは彼に跳びかかり、拳で突き、引っぱった。あるいはまた、襲いかかっていって押したり、力まかせに頭突きを喰らわせたりした。あるいはまた、狂ったように殴りかかりもした。彼は首を縮め、すくみ上がり、横向きに突き当たった。娘たちはさらに興奮してきた。

   D.H.ロレンス=著 岩田昇(いわた・のぼる)=訳「切符拝見」
   西村孝次, 鉄村春生, 上村哲彦, 戸田仁=監訳
   『D.H.ロレンス短篇全集2』大阪教育図書 2003.11 所収


(2) 上田 2000.9
(……)娘たちはいまや興奮の極にあった。彼はもはやそのなぶりものにすぎなかった。彼女たちは、彼に、すっぱりと、仕返しをしてやるつもりだった。奇妙な、野獣のようになった娘たちは、彼にしがみつき、とびかかって押さえつけようとした。上着は背中まで引き裂かれた。ノーラは襟くびをつかんで、本気で彼を締め上げていた。運よくボタンがちぎれた。彼は怒りと恐怖から、ほとんど狂わんばかりの恐怖から、激しく逆上して身をもがいた。上着はすっ かり背中からひっぱがされ、シャツの袖(そで)はちぎれて、両腕がむき出しになった。娘たちは彼に襲いかかり、手に手に彼をひっつかんで、引っぱった。かと思うと、彼に襲いかかり、押したり、あらんかぎりの力で頭突きをくらわした。あるいは、激しくぶちのめした。彼はくびを縮め、体をすくませて、横へ逃れようとし た。娘たちはますますたけり狂ってきた。

   D.H.ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳「乗車券を拝見」
   『新版 ロレンス短編集』新潮文庫 2000.9 所収


(3) 上田 2000.5
(……)彼女たちはいまやまさに興奮の極にあった。かれはもはやそのおもちゃにすぎなかった。彼女たちは、かれをぬきにして、いまこそ自分たちの性根をみせてやるつもりだった。奇妙な、野獣のようになった彼女たちは、かれにしがみつき、とびかかり、抑えつけようとした。上着は背中の真上までひきさけた。ノーラはえりの後ろをつかんで、本気でかれをしめあげていた。さいわいにもボタンがちぎれた。かれは怒りと恐怖――もう狂ったような恐怖とから、すっかり逆上して身をもがいた。上着は、わけなくひっぱがされ、シャツの袖はちぎれて、両腕がむき出しになった。娘たちはかれに襲いかかり、手に手にかれをひっつかみ、ひっぱった。か と思うと、かれに襲いかかり、押し立て、あらんかぎりの力で突きとばした。あるいは、はげしくぶちのめした。かれは頭をかがめ、ちぢこまり、わきへのがれようとした。彼女たちはますますたけり狂ってきた。

   D・H・ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳「乗車券を拝見」
   小池滋=編『英国鉄道文学傑作選』ちくま文庫 2000.5. 所収

   巻末の小池滋氏の「解説」によれば、この訳は、下掲 集英社版 上田 1963 を
   転載したものだとされる。だが、まず邦題が異なるし、本文の細部にも随所に
   異同が見られる。結果として、このちくま文庫版 上田 2000.5 は、集英社版
   上田 1963 および上掲 新潮文庫版 上田 2000.9 の、どちらとも、微妙に異なる
   訳となっている。


(4) 河野 1986, 1995
(……)娘たちはもうすっかり腹をたてていた。ジョン・トマスは娘たちの餌食(えじき)だった。この男に、思う存分腹いせをしてやるつもりだった。奇妙な野性の獣となった娘たちは、彼にしがみつき、押さえつけようと飛びかかっていった。上衣はざっくり背中を引き裂かれ、襟首(えりくび)をつかんだノーラは、本気で首をしめ上げにかかっていた。さいわい、ボタンがちぎれてしまった。彼は怒りと怖れに駆られ、ほとんど狂気に近い恐怖に逆上し、けんめいにもがいた。上衣はもうすっかり背中から引っぺがされ、ワイシャツの袖もちぎれ、両腕がむき出しになった。娘たちは彼に襲いかかり、小突(こづ)き、引っぱった。か と思うと、つっかかって行き、力まかせに押したり頭突きをくらわせたりした。猛然と殴りかかりもした。彼は首をちぢめ、すくみ上がり、横へ逃れようとした。娘たちの攻撃はいっそう激烈になった。

   ロレンス=著 河野一郎(こうの・いちろう)=訳「切符をお切りします!」
   4a. 鶴見俊輔〔ほか〕=編 『新・ちくま文学の森. 7』筑摩書房 1995.3 所収
   4b. 河野一郎=編訳『ロレンス短篇集』岩波文庫 1986.1 所収
   4a. の底本は 4b.。引用は 4b. に拠りました。


(5) 上田 1963
(……)彼女たちはいまやまさに興奮の極にあった。かれはもはやそのおもちゃにすぎなかった。彼女たちは、かれをぬきにしても、いまこそ自分たちの性根をみせてやるつもりだった。一種奇妙な、野獣のようになった彼女たちは、かれの体にしがみつき、ぶつかって抑えつけようとした。シャツは背中の上まで真一文字にひきさけた。 ノーラはえりの後ろをつかんで、本気でかれをしめあげた。さいわいにもボタンがちぎれた。かれは怒りと恐怖――もう狂ったような恐怖とから、すっかり逆上して身をもがいた。シャツは、わけなくひっぱがされ、袖はちぎれて、両腕がむき出しになった。娘たちはかれに襲いかかり、手に手にかれをひっつかみ、ひっぱった。かと思うと、かれに襲いかかり、押し立て、あらんかぎりの力で突きとばした。あるいは、はげしくぶちのめした。かれは頭をかがめ、ひざを折り、わきへのがれようとした。彼女たちはますますたけり狂ってきた。

   ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳「乗車券を、どうぞ」
   中野好夫(なかの・よしお)=編
   『世界短篇文学全集. 第1 イギリス文学 19・20世紀
   集英社 1963.5 所収


■英語原文 The original text in English

(1) The 1922 edition
Their blood was now thoroughly up. He was their sport now. They were going to have their own back, out of him. Strange, wild creatures, they hung on him and rushed at him to bear him down. His tunic was torn right up the back, Nora had hold at the back of his collar, and was actually strangling him. Luckily the button burst. He struggled in a wild frenzy of fury and terror, almost mad terror. His tunic was simply torn off his back, his shirt-sleeves were torn away, his arms were naked. The girls rushed at him, clenched their hands on him and pulled at him: or they rushed at him and pushed him, butted him with all their might: or they struck him wild blows. He ducked and cringed and struck sideways. They became more intense.

   Tickets, Please by D. H. Lawrence
   from England, My England and Other Stories (1922)
   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * Literature.org
   * 42opus.com
 
 
(2) The 1919 edition
Their blood was now up. He was their sport now. They were going to have their own back, out of him. Strange, wild creatures, they hung on him and rushed at him to bear him down. His tunic was torn right up the back. Nora had hold at the back of his collar, and was actually strangling him. Luckily the button-hole burst. He struggled in a wild frenzy of fury and terror, almost mad terror. His tunic was torn off his back as they dragged him, his shirt-sleeves were torn away, one arm was naked. The girls simply rushed at him, clenched their hands and pulled at him; or they rushed at him and pushed him, butted him with all their might.

   'Tickets, Please!' (1919) by D. H. Lawrence
   The story was first published in the April 1919 issue of the Strand Magazine.
   E-text at pseudopodium.org
 
 
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「乗車券を、どうぞ」…………上田 1963
   「乗車券を拝見」 ……………上田 2000.5, 2000.9
   「切符をお切りします!」……河野 1986, 1995
   「切符拝見」…………………岩田 2003


■外部リンク External links

 [en] English
   * Tickets, Please - eNotes.com
   * D. H. Lawrence - Wikipedia (1885-1930)
   * "ITV Play of the Week" Stories of D.H. Lawrence #5: Tickets Please

 [ja] 日本語
   * 翻訳作品集成|D・H・ロレンス
   * 翻訳アンソロジー/雑誌リスト|D・H・ローレンス
   * D.H.ロレンスとは - はてなキーワード
   * D・H・ロレンス事典 鷹書房弓プレス 2002.4
   * 日本ロレンス協会


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Sunday, 15 February 2009

To Build a Fire by Jack London (2) ジャック・ロンドン 「火を熾す」「火を起こす」「焚き火」「焚火」「火を焚きつける」 (2)

           目次 Table of Contents

     Video   Jack London's To Build A Fire
   ■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
   ■日本語訳のリスト List of Japanese translations
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (1) 柴田 2013
     (2) 柴田 2007, 2008
     (3) 枯葉 2001
     (4) 辻井 1996, 2005, etc.
     (5) 滝川 1961, 1996
     (6) 西崎 1958
     (7) 尾上 1957, 1964
     (8) 瀧川 1956
     (9) 木村 1926
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
   ■フランス語訳 Translation into French
    Audio 1  To Build a Fire - Audiobook
    Audio 2  To Build a Fire - Audiobook
    Video 3  To Build a Fire - Audiobook read by Bratschman
   ■英語原文 The original text in English
     Map   クロンダイクの当時の交通路 Klondike Gold Rush Routes Map
   ■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


  Video  
Jack London's To Build A Fire


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

这是他最后一次惊慌了。他调整了一下呼吸,慢慢平静下来。他意识到自己就要死了,但死亡这个概念并不是这样单纯地出现在他的脑海中,而是构成了一副可笑的画面,他想象着自己就像是一只砍掉头的鸡,没命地奔跑。好吧,就这样了,他决定像个男人那样接受一切。睡着死去,也不错,就像是吃了麻醉药一样,冻死并不像人们想象得那么糟糕,世界上还有很多比这更糟糕的死亡方式。

   杰克·伦敦:生火
   E-text at 我爱看书 (read.wakbook.com)


■To Build a Fire の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and a magazine that contain a Japanese translation of
 To Build a Fire

   1. 柴田 アメリカン・マスターピース 古典篇 -- スイッチ・パブリッシング, 2013.10
   2. 柴田 火を熾す / ジャック・ロンドン. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.10
   3. 柴田 Coyote (コヨーテ) No.16. -- スイッチ・パブリッシング, 2007.3
   4. 辻井 ジャック・ロンドン選集. 6 / ジャック・ロンドン[他]. -- 本の友社, 2006.4
   5. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 改訂. -- 新樹社, 2005.6
   6. 枯葉 火を起こす / ジャック・ロンドン.
          -- プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト. 2001.05
   7. 滝川 世界100物語. 3 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.12
   8. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 新樹社, 1996.7
   9. 西崎 現代アメリカ文学選集. 第6. -- 荒地出版社, 1968.2
  10. 尾上 世界短篇文学全集. 第13 / 奥野信太郎. -- 集英社, 1964.1
  11. 滝川 世界文学100選. 第2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961
  12. 尾上 荒野の呼び声 / ロンドン[他]. -- 研究社出版, 1957.9
          -- (アメリカ文学選集)
  13. 瀧川 小麦相場・たき火. -- 英宝社, 1956.8 -- (英米名作ライブラリー)
  14. 木村 世界短篇小説大系. 亜米利加篇 / 近代社. -- 近代社, 1926.5


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 柴田 2013
(……)それが最後のパニックだった。呼吸と自制心を取り戻すと、体を起こして、威厳をもって死を迎えるという観念を頭に抱いた。といっても、観念はそのような言葉で訪れたのではなかった。俺は馬鹿な真似をやった、首を切り落とされた鶏みたいに駆け回って――浮かんだのはそんな比喩だった。まあどのみち凍え死んでしまうのだから、どうせなら潔く受け容れようじゃないか。こうして新たに得た心の平静とともに、最初のかすかな眠気が訪れた。いい考えだ、 眠ったまま死んでいくのは、そう思った。麻酔をかけるようなものだ。凍え死ぬっていうのは案外悪くない。もっとひどい死に方はいくらでもある。

   ジャック・ロンドン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 「火を熾す」
   『アメリカン・マスターピース 古典篇』 柴田元幸翻訳叢書
   スイッチ・パブリッシング 2013/10/19


(2) 柴田 2007, 2008
(……)それが最後のパニックだった。呼吸と自制心を取り戻すと、体を起こして、威厳をもって死を迎えるという観念を頭のなかに抱いた。といっても、観念はそのような言葉で訪れたのではなかった。俺は馬鹿な真似をやった、首を切り落とされた鶏みたいに駆け回って――浮かんだのはそんな比喩だった。まあどのみち凍えてしまうのだから、どうせなら潔く受け容れようじゃないか。こうして新たに到達した心の平静とともに、最初のかすかな眠気が訪れた。いい考えだ、眠ったまま死んでいくのは、そう思った。麻酔をかけるようなものだ。凍えるっていうのは案外悪くない。もっとひどい死に方はいくらでもある。

   ジャック・ロンドン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 「火を熾す」
   a.火を熾す(ひをおこす)』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2008/10
   b. Coyote (コヨーテ) 16号  スイッチ・パブリッシング 2007/03
   初出誌は b.a.b. に加筆・訂正したもの。引用は a. に拠りました。


(3) 枯葉 2001
(……)それが最後のパニックだった。息を整え自制心を取りもどすと、座りなおし、心楽しませることで尊厳ある死を構想しようとした。といっても、自分の死が尊厳あるものとは思えなかった。自分の行動を省みると、自分がまるで道化師のように思えた。首を切られたまま走りまわる鶏――そういうたとえが頭に浮かぶ。さあ、とにかくおれは凍死するときまった。だったらそれを素直に受けいれたほうがいい。この新たな安らぎを見出すとともに眠気が襲ってきた。グッドアイデアだ、と思った。眠りながら死ぬのは。麻酔をかけられたようだった。凍死は人が思っているほど悪くない。もっとひどい死に方は山ほどある。

   ジャック・ロンドン=著 枯葉=訳 「火を起こす
   プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト
   2001/05/10公開 2001/08/07修正
   枯葉氏のEメールアドレスは domasa@db3.so-net.ne.jp


(4) 辻井 1996, 2005, etc.
(……)それが、男の最後のうろたえ(パニック)であった。呼吸と落ち着きを回復すると、起きなおって、品位をもって死と向かいあおうとの思いを抱いた。けれども、そうした思いは、そうした言葉で思い浮かんだのではない。どんな思いかというと、自分は馬鹿なまねをして物笑いになるようなことをしてきた、首を切り落とされた鶏みたいに走りまわってな――というのが、男の頭に浮かんだ直喩だった。まあ、どっちみち凍死するに決まっているんだから、それなら、しかるべく死を受けいれたっていいだろう。こうしてあらたに心の平和を見いだすとともに、最初のかすかな眠気が訪れてきた。いい考えだよ、眠りながら死ぬというのは、と男は思う。まるで麻酔薬にかかってるみたいだ。凍死というのは、人が考えるほど悪いもんじゃないな。はるかにひどい死に方だってあるんだから。

   ジャック・ロンドン=著 辻井栄滋(つじい・えいじ)=訳 「焚き火」
   a.決定版 ジャック・ロンドン選集6』 本の友社 2006/04
   b.極北の地にて』 改訂版 新樹社 2005/06
   c.極北の地にて』 新樹社 1996/07
   引用は a. に拠りました。


(5) 滝川 1961, 1996
(……)それが最後の狂おしいあがきだった。息をつき、落ちつきを取りもどすと、男は起きなおった。そして、堂々と死を迎えようと思った。しかし、それはそんなふうないかめしい言葉で胸にうかんできたのではない。それはまるで首を切られた鶏のように、じたばた走りまわって――それが心にうかんだ喩えであったのだが――今の今まで、もの笑いの種になるような馬鹿な真似をしてきたんじゃないかと、そう思えたのだった。そうさ、どっちみち、凍死ってことになるんだ。それなら悪あがきをせずに、そいつを迎えようじゃないか。心に宿ったこの新たな平和とともに、ほのかな眠気の最初のほのめきが訪れてきた。いい考えだ。眠りながら死んでゆける。麻酔剤をかけるようなものだ。人の思うほど、凍死ってものは悪いもんじゃない。もっと嫌な死にかたがうんとあるんだから。

   ジャック・ロンドン=著 滝川元男(たきがわ・もとお)=訳 「焚火」
   a.サマセット・モーム編 世界100物語3 巧みな語り』 河出書房新社 1996/12
   b.サマセット・モーム編 世界文学100選2』(全5巻) 河出書房新社 1961

   原書:
   Tellers of Tales: 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany
   Selected and with an introduction by W. Somerset Maugham
   Doubleday, Doran & Company, Inc. 1939


(6) 西崎 1958
(……)息をつぎ、平静さが戻ったとき、彼は起き直り、堂々たる態度で死を迎えようと考えた。しかし、文字通りそう考えたのではなかった。頭に浮んだのは、俺は笑いものになるようなことをしていたんだ、鶏が首をチョン切られたまま走っているみたいに、ということだった。そういう比喩が浮んだのだった。まあ、とにかく凍え死ぬにきまってるんだから、見苦しくない死に方をしてもいいじゃないか。こういう心の平和を見出したと同時に、おぼろげながら眠気がやってきた。面白い考えだな、眠ったまま死ぬというのも、と彼は思った。麻酔にかかるようなもんだ。凍死ってのは人が考えるほど悪くはないな。もっとひどい死に方だって沢山あるんだからな。

   ジャック・ロンドン=著 西崎一郎=訳 「焚火」
   『現代アメリカ文学選集6 ヘンリー・ジェイムズ、ジャック・ロンドン、
   トマス・ウルフ』
   荒地出版社 1958


(7) 尾上 1957, 1964
(……)これが男の最後のあがきであった。息をつぎ平静さが戻ってくると、彼は起き直って、堂々とした態度で死を迎えようと思い始めた。しかし、その考えは文字通りこのままで、浮んできたのではなかった。彼の考えたのは、「俺は実に馬鹿なことをやったもんだ、首をチョン切られた鶏みたい走りまわったりして」――こういうのが彼の心に浮んだ直喩だったのである。とにかく、どうせ凍え死ぬのにきまっているんだ、だから正々堂々と受けて出たってかまわんじゃないか。この新しく生れて来た心の落着きとともに、眠気の最初のきざしが訪れて来た。眠ったまま死ぬというのも面白いことだ、と男は考えた。麻酔にかかるみたいなもんだ。凍死というやつも、人が考えている程悪いもんじゃないな。もっとひどい死に方だっていくらもある。

   ジャック・ロンドン=著 尾上政次(おのえ・まさじ)=訳 「焚火」
   a. 奥野信太郎〔ほか〕=編
     『世界短篇文学全集13 アメリカ文学 19世紀』 集英社 1964/01
   b.荒野の呼び声』 アメリカ文学選集 研究社出版 1957/09
   引用は a. に拠りました。


(8) 瀧川 1956
(……)それが最後の狂おしいあがきだった。息をつき、落ち着きを取り戻すと、男は坐りそして堂々と死を迎えよう、との思いを胸にいだいた。しかし、それはそうした言葉で男の胸に浮んで来たのではない。それは、まるで首を切られた鶏のように、じたばた走りまわって――それが男の心に浮んだ喩えであったが、今の今まで、もの笑いの種になるような馬鹿な真似をして来たんじゃないか、との思いであった。そうさ、どっちみち、凍死ってことになるんだ。それなら悪あがきをせずに、そいつを迎えようじゃないか。心に宿ったこの新たなる平和とともに、ほのかな眠気の最初のほのめきが訪れてきた。いい考えだ、と思う、眠りながら死んでゆくのは。麻酔剤をかけるようなもんだ。人の思うほど、凍死ってやつは悪いもんじゃない。もっと嫌な死に方がうんとあるんだからな。

   ジャック・ロンドン=著 滝川元男(たきがわ・もとお)=訳 「たき火」
   『小麥相場・たき火』英米名作ライブラリー 英宝社 1956/08
   上の書名『小麥相場・たき火』、訳者名「滝川元男」の表記は表紙に拠る。
   扉・奥付の表示はそれぞれ、『小麦相場・たき火』、「瀧川元男」。


(9) 木村 1926
(……)これが彼の最後の恐怖であつた。息を入れて自制心を取り戻した時には、彼は坐つて、端然として死に臨むといふ思念を心の中で弄んでゐた。が、さうした思念は、そんな言葉で彼の心に浮んだのではなかつた。彼の考へは、彼は莫迦げた事をしてゐた、首を斬られた雛(ひな)つ子のやうに駆け廻つてゐたのだ、といふのであつたが――それが彼の思ひ浮べた直喩であつた。よし、何うせ凍死する運命だといふなら、出來るだけ泰然として死にたいものだ。この新らしく見出した心の平和と偕(とも)に、睡氣の最初の兆(きざし)がやつて來た。睡つたまま死んでしまふなんて、結構この上なしだ、と、彼は考へた。まるで麻醉藥を飮むやうなものである。凍死は世間の人が考へるほどいやなものではない。まだ/\いやな死に方が外に澤山あるではないか。

   ジャック・ロンドン=作 木村信兒(きむら・しんじ)=譯 「火を焚きつける」
   a. 国立国会図書館マイクロフィッシュ YD5-H-520-45
   b. 世界短篇小説大系 亞米利加篇
     近代社(非賣品)1926/05(大正15)所収 この本の内容詳細は ここ
   引用は b. に拠りました。かなり傷んだ状態であるにもかかわらず、
   寛大にも、この本を貸し出してくださった、K県立図書館の皆さん、ならびに、
   いつもながら、取り寄せの労をとってくださった府立図書館の皆さんに
   お礼申し上げます。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Это  был  его  последний  приступ  страха.  Отдышавшись и придя в себя, он сел на снег и стал готовиться к тому, чтобы встретить смерть с достоинством. Впрочем, он думал об этом не в  таких  выражениях.  Он  говорил себе, что нет ничего глупее, чем бегать, как  курица  с  отрезанной  головой, - почему-то именно это сравнение пришло ему на ум.  Ну  что  же,  раз  все  равно суждено замерзнуть, то лучше уж  держать  себя  пристойно.  Вместе  с  внезапно обретенным покоем пришли первые предвестники сонливости. Неплохо,  подумал  он, заснуть насмерть. Точно под наркозом. Замерзнуть  вовсе  не  так  страшно,  как думают. Бывает смерть куда хуже.

   Джек Лондон. Костер
   Из сборника Потерянный лик
   E-text at:
   * Гостиная Лукьяна Поворотова
   * девушка vs кризи
   * Скиталец 
   Bilingual (English/Russian) text at getParallelTranslations.com


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Aquella fue la última vez que sintió el pánico. Cuando recuperó el aliento y se dominó, comenzó a pensar en recibir la muerte con dignidad. La idea, sin embargo, no se le presentó de entrada en estos términos. Pensó primero que había perdido el tiempo al correr como corre la gallina con la cabeza cortada (aquel fue el símil que primero se le ocurrió). Si tenía que morir de frío, al menos lo haría con cierta decencia. Y con esa paz recién estrenada llegaron los primeros síntomas de sopor. ¡Qué buena idea, pensó, morir durante el sueño! Como si le hubieran dado anestesia. El frío no era tan terrible como la gente creía. Había peores formas de morir.

   Encender una hoguera by Jack London
   E-text at Ciudad Seva


■フランス語訳 Translation into French

Ce fut d’abord une stupeur. Puis, dès qu’il eut repris le contrôle de lui-même, il s’assit, et la conception lui vint qu’il devait mourir avec dignité. Il se dit qu’il avait agi en insensé. Il se compara à un poulet qui, la tête coupée, continue à remuer les pattes. Oui, il fit cette comparaison ! Puisqu’il était condamné à geler, et que c’était irrévocable, il pouvait aussi bien accepter décemment l’épreuve. Une grande paix résulta pour lui de cette résolution, cependant qu’il sentait une somnolence le gagner et sa tête vaciller. C’est, après tout, songea-t-il, une sensation délicieuse de s’endormir dans la mort. C’est comme si l’on avait absorbé un anesthésique. La mort par congélation n’est pas aussi affreuse qu’on le disait. Il y avait d’autres façons bien pires, de mourir.

   Construire un feu by Jack London
   Translated by Louis Postif and Paul Gruyer
   E-text at:


 Audio 1 
To Build a Fire - Audiobook

下に引用する箇所は 36:00 から始まります。 Uploaded to YouTube by SkogKniv on 11 Sep 2012. The excerpt below starts at 36:00.


 Audio 2 
To Build a Fire - Audiobook

下に引用する箇所は 38:07 から始まります。 Uploaded to YouTube by Mike Vendetti on 24 Mar 2012. The excerpt below starts at 38:07.


 Video 3 
To Build a Fire - Audiobook read by Bratschman

下に引用する箇所は 39:39 から始まります。 Uploaded to YouTube by Bratschman on 11 Feb 2012. The excerpt below starts at 39:39.


■英語原文 The original text in English

( . . . ) It was his last panic. When he had recovered his breath and control, he sat up and entertained in his mind the conception of meeting death with dignity. However, the conception did not come to him in such terms. His idea of it was that he had been making a fool of himself, running around like a chicken with its head cut off—such was the simile that occurred to him. Well, he was bound to freeze anyway, and he might as well take it decently. With this new-found peace of mind came the first glimmerings of drowsiness. A good idea, he thought, to sleep off to death. It was like taking an anaesthetic. Freezing was not so bad as people thought. There were lots worse ways to die.

   To Build A Fire (1908) by Jack London
   Originally published in the August 1908 issue of The Century Magazine.
   E-text at:


  Map  
クロンダイク・ゴールドラッシュ当時の交通路マップ Klondike Gold Rush Routes Map

ズーム可能なクロンダイク交通路マップ (PDF) のダウンロードは、ここ
To download the zoomable Klondike Routes Map (in PDF format) click here. Klondike_gold_rush_routes_map
Original source of the image: Klondike Gold Rush National Historical Park
National Park Service, U.S. Department of the Interior


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「たき火」………………瀧川 1956
  「火を起こす」…………枯葉 2001
  「火を焚きつける」……木村 1926
  「火を熾す」……………柴田 2007, 2008, 2013
  「焚き火」………………辻井 1996, 2005, 2006
  「焚火」…………………西崎 1968
  「焚火」…………………滝川 1961, 1996
  「焚火」…………………尾上 1957, 1964


■外部リンク External links

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  • 2013/09/08 もう1種類の英語原文のオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/03/30 中国語訳(簡体字)、フランス語訳、および英語原文のオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2009/09/14 瀧川元男=訳 1956.8 を追加しました。
  • 2009/04/16 枯葉=訳 2001-05-10公開 2001-08-07修正 を追加しました。
  • 2009/03/12 木村信兒=譯 1926/05 を追加しました。また、「邦題の異同」の項とクロンダイク交通路マップ (PDF) の項を新設しました。

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To Build a Fire by Jack London (1) ジャック・ロンドン 「火を熾す」「火を起こす」「焚き火」「焚火」「火を焚きつける」 (1)

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
  Map   ユーコン川流域の地図 Map of Yukon River
 Cover photos  表紙画像
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■日本語訳のリスト List of Japanese translations
■日本語訳 Translations into Japanese
  (1) 柴田 2007, 2008, etc.
  (2) 枯葉 2001
  (3) 辻井 1996, 2005, etc.
  (4) 西崎 1968
  (5) 尾上 1957, 1964
  (6) 滝川 1956, 1961, etc.
  (7) 木村 1926
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
■ポーランド語訳 Translation into Polish
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translation into French
 Audio 1  To Build A Fire - Audiobook
 Audio 2  To Build A Fire - Audiobook
 Audio 3  To Build A Fire - Audiobook read by Bratschman
■英語原文 The original text in English
 Illustration  初出誌の挿絵 Illustration from the original magazine
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■外部リンク External links
■柴田元幸訳についての書評 Reviews on Motoyuki Shibata's 2008 translation
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

アラスカに近い、カナダのユーコン準州。おそろしく寒い。気温:華氏マイナス75度、摂氏マイナス59.4度。仲間たちは採鉱地へ向かっている。男は春にユーコン川の島々から丸太が採れる可能性を探ろうと、ひとりだけ別ルートをとった。連れはエスキモー犬1匹。晩には仲間たちと合流するつもりなのだが……。


  Map   ユーコン川流域の地図 Map of Yukon River

ユーコン川は北アメリカ大陸北西部の大河。カナダのブリティッシュ・コロンビア州を源とし、カナダ・ユーコン準州と米国アラスカ州を流れて、ベーリング海に注ぐ。1896~1903年のクロンダイク・ゴールドラッシュの時には、主要交通路のひとつとしての役割を果たした。

ズームや移動のできる地図 (MSN Encarta Atlas) は こちら
Navigatable map (by MSN Encarta Atlas) is here.
Map_of_yukon_river


 Cover photos  表紙画像

↓ Click to enlarge ↓

a. London_shibata_hi_o_okosu b. Jack_london_encender_un_fuego c. Construire_un_feu_2

■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

天气又阴又冷,他离开了育空河主道,爬上了高高的河堤,看见一条模糊的、人迹罕至的小径穿过茂密的云杉森林,延伸至东部地区。河堤陡峭,他爬到顶部停下来喘了口气,顺便看了下手表。现在是早晨9点钟,尽管天空中没有一片云彩,连一点点太阳的影子都没有。

   杰克·伦敦:生火
   E-text at 我爱看书 (read.wakbook.com)


■To Build a Fire の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and a magazine that contain a Japanese translation of
 To Build a Fire

   1. 柴田 アメリカン・マスターピース 古典篇 -- スイッチ・パブリッシング, 2013.10
   2. 柴田 火を熾す / ジャック・ロンドン. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.10
   3. 柴田 Coyote (コヨーテ) No.16. -- スイッチ・パブリッシング, 2007.3
   4. 辻井 ジャック・ロンドン選集. 6 / ジャック・ロンドン[他]. -- 本の友社, 2006.4
   5. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 改訂. -- 新樹社, 2005.6
   6. 枯葉 火を起こす / ジャック・ロンドン.
          -- プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト. 2001.05
   7. 滝川 世界100物語. 3 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1996.12
   8. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 新樹社, 1996.7
   9. 西崎 現代アメリカ文学選集. 第6. -- 荒地出版社, 1968.2
  10. 尾上 世界短篇文学全集. 第13 / 奥野信太郎. -- 集英社, 1964.1
  11. 滝川 世界文学100選. 第2 / サマセット・モーム. -- 河出書房新社, 1961
  12. 尾上 荒野の呼び声 / ロンドン[他]. -- 研究社出版, 1957.9
          -- (アメリカ文学選集)
  13. 滝川 小麦相場・たき火. -- 英宝社, 1956.8 -- (英米名作ライブラリー)
  14. 木村 世界短篇小説大系. 亜米利加篇 / 近代社. -- 近代社, 1926.5


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 柴田 2007, 2008, etc.
 明けた朝は寒く灰色だった。おそろしく寒い、灰色の日。男はユーコン川ぞいの本道から外れて、高く盛り上がった土手をのぼった。道筋もはっきりしない、人もほとんど通らない道がそこから東へのびていて、太いエゾマツの並ぶ林を抜けている。土手は険しく、男は上までのぼりつめると、時計を見るのを口実に立ちどまって一息ついた。九時。

   ジャック・ロンドン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳
   「火を熾す(ひをおこす)」
   a.アメリカン・マスターピース 古典篇』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2013/10/19
   b.火を熾す(ひをおこす)』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2008/10
   c. Coyote (コヨーテ) 16号. スイッチ・パブリッシング 2007/03
   初出誌は c.b.c. に加筆・訂正したもの。引用は b. に拠りました。


(2) 枯葉 2001
夜が明けた。風は冷たく空は暗い。きわめて冷たくきわめて暗い。男はユーコンの本道を外れ、高い土手を登っていた。その道はいかにも頼りないものだったが、東へ、トウヒの森の向こうに通じているはずだった。急峻な土手を登りつめ、息を整える。それをごまかそうと懐中時計をとりだす。9時。

   ジャック・ロンドン=著 枯葉=訳 「火を起こす
   プロジェクト杉田玄白正式参加テキスト
   2001/05/10公開 2001/08/07修正
   枯葉氏のEメールアドレスは domasa@db3.so-net.ne.jp


(3) 辻井 1996, 2005, etc.
 男がユーコン川づたいの本道からそれて、高い土手を登り、ほとんど人が通ることのない間道が、生い茂ったえぞ松の森林地帯を抜けて東のほうへと続くあたりまで来た頃には、寒くてどんよりとした、それも、ことのほか寒くてどんよりとした朝が明けていた。勾配の急な土手を上まで登りきると、男は時計を見るのにかこつけて、立ち止まってひと息ついた。九時であった。

   ジャック・ロンドン=著 辻井栄滋(つじい・えいじ)=訳 「焚き火」
   a.決定版 ジャック・ロンドン選集6』 本の友社 2006/04
   b.極北の地にて』 改訂版 新樹社 2005/06
   c.極北の地にて』 新樹社 1996/07
   引用は a. に拠りました。


(4) 西崎 1968
 その男がユーコン河沿いの本道からそれて、肥えたエゾ松の森林地帯を抜けて東の方へと続く、殆ど人の通わぬうっすらとした道のある高い土手を登ったとき、朝は寒々と灰色に、実に寒々と灰色に明けはなれていた。急な土手だった。彼は頂上で一息つくために立止まったが、立止まった自分に言い訳をするかのように時計を眺めた。九時だった。

   ジャック・ロンドン=著 西崎一郎=訳 「焚火」
   『現代アメリカ文学選集6 ヘンリー・ジェイムズ、ジャック・ロンドン、
   トマス・ウルフ』
   荒地出版社 1968/02


(5) 尾上 1957, 1964
 男がユーコン河の本道からそれて、かすかな殆ど人の通わぬ道が、よく肥えたえぞ松の森林地帯の中へと東の方さして続いている高い土手に登った頃には、夜は既に、寒々と灰色に、物凄く寒々と灰色に、明けはなれていた。そこは急な土手で男はその頂上で一息入れるために立ちどまたが、そのてれかくしにちょっと時計を出してながめた。九時であった。

   ジャック・ロンドン=著 尾上政次(おのえ・まさじ)=訳 「焚火」
   a. 奥野信太郎〔ほか〕=編
     『世界短篇文学全集13 アメリカ文学 19世紀』 集英社 1964/01
   b.荒野の呼び声』 アメリカ文学選集 研究社出版 1957/09
   引用は a. に拠りました。


(6) 滝川 1956, 1961, etc.
 ユーコン川の本道をそれて、高い土手を登り、繁ったえぞまつの森林地帯を東へむかう、細いほとんど人の通わぬ路にたどりついたころは、寒々と灰色の夜が明けはなれていた。ひどく寒く暗い。土手はけわしく、男は登りつめると、時計を見るのにかこつけて立ちどまり、ほっと息をついた。九時。

   ジャック・ロンドン=著 滝川元男(たきがわ・もとお)=訳 「焚火」
   a.サマセット・モーム編 世界100物語3 巧みな語り』 河出書房新社 1996/12
   b.サマセット・モーム編 世界文学100選2』(全5巻) 河出書房新社 1961
   c.小麦相場・たき火』 英米名作ライブラリー 英宝社 1956/08
   a.b. を再編集したもの。引用は a. に拠りました。

   原書:
   Tellers of Tales: 100 Short Stories from the United States, England,
   France, Russia and Germany
   Selected and with an introduction by W. Somerset Maugham
   Doubleday, Doran & Company, Inc. 1939


(7) 木村 1926
 一人の男が、ユーコン河の本道から折れて、鬱蒼たる蝦夷(えぞ)松の森林を拔けて、微かな、人通りの尠い小路が東方へ走つてゐる、高い河岸へ攀ぢ登つた時には、寒くて薄暗い、殊の外寒くて薄暗い朝になつてゐた。その男は、登りつめた、嶮しい河岸の頂きで、息を入れるために立ち止まつたが、彼はかうした行爲を自分に向つて辯解するために、時計を出して眺めた。その時は九時であつた。

   ジャック・ロンドン=作 木村信兒(きむら・しんじ)=譯 「火を焚きつける」
   a. 国立国会図書館マイクロフィッシュ YD5-H-520-45
   b.世界短篇小説大系 亞米利加篇
     近代社(非賣品) 1926/05(大正15)所収 この本の内容詳細は ここ
   引用は b. に拠りました。かなり傷んだ状態であるにもかかわらず、
   寛大にも、この本を貸し出してくださった、K県立図書館の皆さん、ならびに、
   いつもながら、取り寄せの労をとってくださった府立図書館の皆さんに
   お礼申し上げます。


■ロシア語訳 Translation into Russian

День едва занимался, холодный и  серый - очень  холодный  и  серый, - когда человек свернул с тропы, проложенной по замерзшему Юкону, и стал подыматься  на высокий берег, где едва заметная тропинка вела на восток сквозь густой  ельник. Подъем был крутой, и, взобравшись наверх, он остановился перевести дух, а чтобы скрыть от самого  себя  эту  слабость,  деловито  посмотрел  на  часы.  Стрелки показывали девять.

   Джек Лондон. Костер
   Из сборника Потерянный лик
   E-text at:
   * Гостиная Лукьяна Поворотова
   * девушка vs кризи
   * Скиталец 
   Bilingual (English/Russian) text at getParallelTranslations.com
   Excerpt at Just English Stories


■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

Денят бе започнал студен и сив, необичайно студен и сив, когато човекът свърна встрани от главната юконска пъртина и изкачи стръмния бряг, където друга, едва забележима и почти затрупана пъртина водеше на изток през гъста смърчова гора. Брегът беше стръмен и когато стигна върха, човекът се спря да си отдъхне. Той се опита да оправдае това действие пред себе си, като погледна часовника си. Беше девет часът.

   Джек Лондон. Да накладеш огън
   Translated by Борис Дамянов , 1963 ( Пълни авторски права )
   E-text at Моята библиотека (chitanka.info)


■ポーランド語訳 Translation into Polish

Dzień wstawał zimny i szary - niezwyczajnie zimny i szary - kiedy człowiek porzucił główny szlak Yukonu, aby wspiąć się na wysoki brzeg rzeki, skąd mało widoczna, od dawna nie uczęszczana ścieżka wiodła ku wschodowi przez pyszne świerkowe lasy. Skarpa była stroma, więc u jej szczytu człowiek przystanął, by chwycić oddech, usprawiedliwiając się spojrzeniem na zegarek. Dochodziła dziewiąta.

   Rozniecić ogień by Jack London
   E-text at Śmietnik internetowy


■イタリア語訳 Translation into Italian

Fredda e grigia, spaventosamente fredda e grigia si preannunciava la giornata in cui l'uomo abbandonò la pista principale dello Yukon per arrampicarsi sull'alto argine di terra, dove una pista appena segnata e poco battuta portava verso Est, attraverso la folta boscaglia di abeti. Era un argine ripido, e arrivato in cima egli si fermò a riprendere fiato, con la scusa, di fronte a se stesso, di guardare l'ora. Erano le nove.

   Farsi un fuoco by Jack London
   E-text at Jack London Altre storie di cani [PDF]


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

O dia tinha já rompido frio e cinzento, extremamente frio e cinzento, quando o homem deixou o trilho principal do Yukon e subiu pela alta margem de terra, onde um trilho muito leve, pouco usado, se dirigia para Leste por entre uma floresta de grossos abetos. A margem era íngreme e ele parou para tomar fôlego, olhando o relógio para justificar aquela paragem perante si próprio. Não havia sol, nem vestígios dele, embora não houvesse uma só nuvem no céu.

   Fazer uma Fogueira (a.k.a. Preparando Uma Fogueira) by Jack London
   Translated by Luís Varela Pinto
   E-text at:
   * A Garganta da Serpente
   * Luís A. P. Varela Pinto
   Excerpt at Virtual Books Online


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Acababa de amanecer un día gris y frío, enormemente gris y frío, cuando el hombre abandonó la ruta principal del Yukón y trepó el alto terraplén por donde un sendero apenas visible y escasamente transitado se abría hacia el este entre bosques de gruesos abetos. La ladera era muy pronunciada, y al llegar a la cumbre el hombre se detuvo a cobrar aliento, disculpándose a sí mismo el descanso con el pretexto de mirar su reloj. Eran las nueve en punto.

   Encender una hoguera by Jack London
   E-text at Ciudad Seva


■フランス語訳 Translation into French

L’aube, ce jour-là, était froide et grise, très grise et très froide, lorsque l’homme quittant le large tracé que dessinait le Yukon gelé, gravit le haut coteau qui s’élevait sur une des rives du fleuve et où se dessinait confusément une piste étroite, qui s’en allait vers l’est, à travers l’épaisseur des sapins. Le coteau était à pic. Une fois arrivé au sommet, l’homme fit une pause, pour reprendre haleine ; puis, machinalement, il regarda sa montre. Elle marquait neuf heures.

   Construire un feu by Jack London
   Translated by Louis Postif and Paul Gruyer
   E-text at:


 Audio 1 
To Build a Fire - Audiobook

Uploaded to YouTube by SkogKniv on 11 Sep 2012.


 Audio 2 
To Build a Fire - Audiobook

Uploaded to YouTube by Mike Vendetti on 24 Mar 2012.


 Video 3 
To Build a Fire - Audiobook read by Bratschman

Uploaded to YouTube by Bratschman on 11 Feb 2012.


■英語原文 The original text in English

Day had broken cold and gray, exceedingly cold and gray, when the man turned aside from the main Yukon trail and climbed the high earth-bank, where a dim and little-travelled trail led eastward through the fat spruce timberland. It was a steep bank, and he paused for breath at the top, excusing the act to himself by looking at his watch. It was nine o'clock.

   To Build A Fire (1908) by Jack London
   Originally published in the August 1908 issue of The Century Magazine.
   E-text at:


 Illustration  初出誌の挿絵 Illustration from the original magazine

Tobuildafire1_2
"As he looked apathetically about him, his eyes chanced on the dog"
何の感慨もなく周りを見回すと、男の目が犬の上にとまった。
Image source: Carl Bell's Web Page

■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「たき火」………………滝川 1956
  「火を起こす」…………枯葉 2001
  「火を焚きつける」……木村 1926
  「火を熾す」……………柴田 2007, 2008, 2013
  「焚き火」………………辻井 1996, 2005, 2006
  「焚火」…………………西崎 1968
  「焚火」…………………滝川 1961, 1996
  「焚火」…………………尾上 1957, 1964


■外部リンク External links

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 [ja] 日本語


■柴田元幸訳 2008.10 についての各新聞・雑誌・サイト書評
 Book reviews on Motoyuki Shibata's translation (2008/10)


■更新履歴 Change log

  • 2014/11/08 ブルガリア語訳を追加しました。
  • 2014/10/28 ポーランド語訳とイタリア語訳を追加しました。
  • 2013/11/28 柴田元幸=訳の書誌情報を補足しました。
  • 2013/09/08 目次を新設し、ロシア語訳とオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/03/30 中国語訳(簡体字)を追加しました。
  • 2011/02/05 ポルトガル語訳とフランス語訳を追加しました。
  • 2009/04/16 枯葉=訳 2001-05-10公開 2001-08-07修正 を追加しました。
  • 2009/03/12 ユーコン川流域の地図 (MSN Encarta Atlas) を追加しました。
  • 2009/03/08 木村信兒=譯 1926/05 を追加し、「邦題の異同」の項を新設しました。
  • 2009/02/16 柴田元幸訳についての書誌情報を補足し、「柴田元幸訳 2008.10 についての各新聞・雑誌・サイト書評」の項を新設しました。

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Friday, 13 February 2009

I See You Never by Ray Bradbury (1) レイ・ブラッドベリ / レイ・ブラッドベリー / レイ・ブラッドベリイ 「二度と見えない」「もう会えない」「わかれ」 (1)

« I See You Never 2 »
« 二度と見えない 2 »

        目次 Table of Contents

 Video 1  追悼——レイ・ブラッドベリ In Memoriam: Ray Bradbury, 1920–2012
■上の詩 "If Only We Had Taller Been" のテキストを載せている本とブログ
 Books and blogs that contain the text of "If Only We Had Taller Been"
 Images   表紙画像 Cover photos
■はじめに Introduction
■日本語訳のリスト List of translations into Japanese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J0) tomoki y. 2009
  (J1) 村上 1994
  (J2) 稲葉 1978
  (J3) 小笠原 1962, 1976, etc.
  (J4) 久慈 1960, 1961
■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian
■ギリシャ語訳 Translation into Greek (fragment)
■ロシア語訳 Translation into Russian
■スウェーデン語訳 Translation into Swedish
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■英語原文 The original text in English
 Video 2  しぶとく書き続けることの大切さ Ray Bradbury on Writing Persistently
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


 Video 1 
追悼——レイ・ブラッドベリ 1920年8月22日〜2012年6月5日
In Memoriam: Ray Bradbury, August 22, 1920 – June 5, 2012

Uploaded to YouTube by JPLnews on Jun 6, 2012. Through the years, Ray Bradbury attended several major space mission events at NASA Jet Propulsion Laboratory and California Institute of Technology.

On Nov. 12, 1971, on the eve of Mariner 9 going into orbit at Mars, Bradbury took part in a symposium at Caltech with Arthur C. Clarke, journalist Walter Sullivan, and scientists Carl Sagan and Bruce Murray. In this excerpt, Bradbury reads his poem, "If Only We Had Taller Been."


■上の詩 "If Only We Had Taller Been" のテキストを載せている本とブログ
 Books and blogs that contain the text of "If Only We Had Taller Been"

上のビデオでブラッドベリが朗読している詩のうち、"O, Thomas, will a Race one day stand really tall..." 以下の部分は戯曲版の『火星年代記』に収録されています。詩の全文は下の本やブログに掲載されています。

The final part of the poem appears in ‪the drama version of The Martian Chronicles (Dramatic Publishing, 1986)‬. The text of the complete poem can be found in the following books and blogs:


 Images 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Murakami_ogawa_sudden_fiction b. Sudden_fiction_2 c. Kagami_shortshort_kodansha_2


■はじめに Introduction

メキシコからカリフォルニアに移り住んだミスター・ラミレスは、ヴィザの有効期限が過ぎても米国に滞在しつづけたため、逮捕された。本国へ強制送還されるまえに、ミスター・ラミレスは大家(おおや)であるミセス・オブライアンに別れを告げる。


■I See You Never の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and magazines that contain a Japanese translation of
 I See You Never

   1. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 2006.2.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   2. 村上   Sudden Fiction / R.シャパード,J.トーマス[他]. -- 文芸春秋, 1994.1.
           -- (文春文庫)
   3. 稲葉   世界ショートショート傑作選. 1 / 各務三郎. -- 講談社, 1978.11.
           -- (講談社文庫)
   4. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1976.1.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   5. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1962.
           -- (ハヤカワ・SF・シリーズ)
   6. 久慈   別冊宝石 -- 1961/7/15 No.107
   7. 久慈   別冊宝石 -- 1960/1/15 No.95


■日本語訳 Translations into Japanese

(J0) tomoki y. 2009
 そっとノックする音が聞こえた。台所のドアだ。オブライアン夫人が行って戸を開けると、そこにいたのは、彼女の間借り人のうち最も善良な人、ラミレス氏だった。警察官が二人、両側に立っている。二人に包囲された形で、ラミレス氏は、ちぢこまっていた。
 「あら、ラミレスさん!」と、オブライエン夫人は言った。
 ラミレス氏は打ちひしがれていた。どう弁解したらいいか、言葉が見つからないという様子だった。


(J1) 村上 1994
 台所のドアが小さくノックされた。ミセス・オブライエンがドアを開けると、バック・ポーチには彼女の最良の間借り人であるミスタ・ラミレスがいた。警官が二人、その両わきに立っていた。ミスタ・ラミレスは二人の間に挟み込まれるように、からだを小さくしていた。
 「まあ、ラミレスさん!」とミセス・オブライエンは言った。
 ミスタ・ラミレスはがっくりと落ち込んでいた。いったいどう切り出せばいいのか、言葉に窮しているようだった。

  • レイ・ブラッドベリー=著 村上春樹(むらかみ・はるき)=訳 「もう会えない」
    ロバート・シャパード+ジェームズ・トーマス=編
    Sudden Fiction―超短編小説70』 文春文庫 1994.1
  • 原書: Sudden Fiction (1986) Edited by Robert Shapard & James Thomas

(J2) 稲葉 1978
 台所のドアに、やわらかなノックがきこえた。
 オブライエン夫人がドアを開けると、裏のポーチに、彼女のまたとかけがえのない間借り人であるラミレス氏が立っていた。左右両側から二人の警官にはさまれて、ラミレス氏は小さくなっているようだった。
「まあ、ラミレスさん!」と、オブライエン夫人は口にだしていった。
 ラミレス氏はうちひしがれたようすに見えた。説明の言葉もみあたらないようだ。


(J3) 小笠原 1962, 1976, etc.
 キッチンのドアを軽く叩く音がきこえ、オブライアン夫人がドアをあけると、裏のポーチには、おとなしい下宿人ラミレス氏と、それを両側から挟むように二人の警官が立っていた。ラミレス氏は、警官の間で小さくなっている。
 「あら、ラミレスさん!」と、オブライアン夫人は言った。
 ラミレス氏は恥ずかしそうだった。弁解のことばもないといった風情である。


(J4) 久慈 1960, 1961
 台所のドアにやわらかなノックがきこえた。
 オブライエン夫人がそれを開けると、裏のポーチに、彼女の二人とかけがえのない間借り人であるラミレス氏がたっていた。左右両側から二人の警官にはさまれて、ラミレス氏は小さくなっているようだった。
「まあ、ラミレスさん!」
 と、オブライエン夫人は口にだした。
 ラミレス氏はうちひしがれたようすに見えた。説明の言葉もみあたらないようだ。

  • レイ・ブラッドベリー=著 久慈波之介(くじ・なみのすけ)=訳 「わかれ」
      a. 別冊宝石 -- 1961/07/15 No.107 この雑誌の詳細
      b. 別冊宝石 -- 1960/01/15 No.95 この雑誌の詳細
    引用は b. に拠りました。

■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

A konyhaajtón halk kopogás hallatszott, és amikor Mrs. O'Brian kinyitotta, a verandán ott állt a legjobb bérlője, Mr. Ramirez. Nem egyedül jött, két rendőrtiszt kísérte.

- De miért, Mr. Ramirez? - kérdezte megrőkönyödve Mrs. O'Brian.

Mr. Ramirez nagyon zaklatottnak látszott. Hiába próbált megszólalni, egy hang sem jött ki a torkán.

  • Már nem látom többé by Ray Bradbury
  • E-text at Zak Nyafija

■ギリシャ語訳(部分) Translation into Greek (fragment)

Το σιγανό χτύπημα ακούστηκε στην πόρτα της κουζίνας, και όταν την άνοιξε η κυρία Ο’Μπράιαν, στην πίσω βεράντα ήταν ο καλύτερος νοικάρης της, ο κύριος Ραμίρεζ, και δύο αστυνομικοί, ένας από κάθε μεριά του. Ο κύριος Ραμίρεζ στεκόταν εκεί, περιστοιχισμένος και μικρός. [Omission]


■ロシア語訳 Translation into Russian

Послышался тихий стук в кухонную дверь, и когда миссис О'Брайен отворила, то увидела на крыльце своего лучшего жильца мистера Рамнреса и двух полицейских, по одному с каждой стороны. Зажатый между ними, мистер Рамирес казался таким маленьким.

— Мистер Рамирес! — озадаченно воскликнула миссис О'Брайен.

Мистер Рамирес был совершенно уничтожен. Он явно не мог найти слов, чтобы объясниться.

  • Рэй Бредбери. Я никогда вас не увижу
    Translated by Л. Жданов
  • E-text at Вокруг Света

■スウェーデン語訳 Translation into Swedish

En lätt knackning hördes på köksdörren och när Mrs. O'Brian öppnade, stod hennes bäste hyresgäst, Mr. Ramirez, där på trappan med en polis på vardera sidan. Mr. Ramirez bara stod där, inklämd och liten.

"Vad har hänt, Mr. Ramirez?" sa Mrs. O'Brian.

Mr. Ramirez var alldeles ifrån sig. Han tycktes inte kunna finna ord.

  • Jag får aldrig se er by Ray Bradbury
  • E-text at www4.gu.se [PDF]

■イタリア語訳 Translation into Italian

Vi fu un lieve colpo alla porta della cucina, e quando la signora O’Brian l’aprì, là,sul portico, c’era il suo migliore inquilino, il signor Ramirez, e due agenti di polizia,uno da ogni parte. Il signor Ramirez stava là ritto, chiuso fra i due e minuscolo.

— Come, signor Ramirez! — disse allora la signora O’Brian.

Il signor Ramirez era sopraffatto. Sembrava non avere parole per spiegare.

  • Non ci vedremo più by Ray Bradbury. Translated by Roberta Rambelli. © 1964 Casa Editrice La Tribuna. Apparso in appendice a Giallissimo n. 37 (1° gennaio 1965), La Tribuna.
  • E-text at Scribd
  • Excerpt at Wikiquote

■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Bateram de leve na porta da cozinha, e quando a Sra. O'Brian a abriu, encontrou na soleira seu melhor pensionista, o Sr. Ramirez, ladeado por dois policiais. O Sr. Ramirez não fez menção de entrar nem de falar, acuado e pequenino.

- Mas o senhor, Sr.   Ramirez! - disse a Sra. O'Brian.

O Sr. Ramirez estava arrasado. Não parecia sequer poder explicar o que estava acontecendo.


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Alguien golpeó suavemente la puerta de la cocina, y cuando la señora O’Brian abrió, allí estaba su mejor inquilino, el señor Ramírez, entre dos oficiales de policía. El señor Ramírez se quedó en el porche, inmóvil, pequeño.

— ¡Señor Ramírez! -dijo la señora O’Brian.

El señor Ramírez parecía agobiado, como si no encontrara palabras para explicar la situación.


■英語原文 The original text in English

The soft knock came at the kitchen door, and when Mrs. O'Brian opened it, there on the back porch were her best tenant, Mr. Ramirez, and two police officers, one on each side of him. Mr. Ramirez just stood there, walled in and small.

"Why, Mr. Ramirez!" said Mrs. O'Brian.

Mr. Ramirez was overcome. He did not seem to have words to explain.


 Video 2 
レイ・ブラッドベリは語る——しぶとく書き続けることの大切さ
Ray Bradbury on Writing Persistently


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「二度と見えない」……tomoki y. 2009
   「二度と見えない」……小笠原 1962, 1976, etc.
   「わかれ」  ……………稲葉 1978
   「わかれ」  ……………久慈 1960, 1961
   「もう会えない」 ………村上 1994


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/01/17 ハンガリー語訳とギリシャ語訳(部分)を追加しました。
  • 2013/06/26 目次を新設しました。
  • 2012/09/22 久慈波之介=訳 1960/01/15 の訳文を挿入しました。
  • 2012/07/04 スウェーデン語訳とイタリア語訳を追加しました。
  • 2012/07/03 ロシア語訳を追加しました。
  • 2012/06/22 詩「If Only We Had Taller Been」のテキストを掲せている本とブログの項を追加しました。
  • 2012/06/07 「追悼: レイ・ブラッドベリ」の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012/05/22 ポルトガル語訳とスペイン語訳を追加しました。
  • 2010/04/19 Ray Bradbury on Writing Persistently の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/02/16 稲葉明雄=訳 1978.11 を追加しました。

 

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Thursday, 12 February 2009

Tickets, Please by D. H. Lawrence (1) D・H・ロレンス 「切符拝見」「乗車券を拝見」「切符をお切りします!」「乗車券を、どうぞ」(1)

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■表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Lady_chatterleys_lover b. Covershorterfictionlawrence c. England_my_england


■はじめに Introduction

短篇の冒頭。長い長い1文。ただし、邦訳では2文に分けているものが多い。電車が一本の路線を、ひたすら一方向に走り抜けていくのを見せられているような感じ。


■Tickets, Please の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books containing a Japanese translation of Tickets, Please

   1. 岩田 D.H.ロレンス短篇全集. 第2巻 / D.H.ロレンス[他].
         -- 大阪教育図書, 2003.11
   2. 上田 ロレンス短編集 / D.H.ロレンス[他]. -- 新版. -- 新潮社, 2000.9.
   3. 上田 英国鉄道文学傑作選 / 小池滋. -- 筑摩書房, 2000.5. -- (ちくま文庫)
   4. 河野 新・ちくま文学の森. 7 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.3
   5. 河野 ロレンス短篇集 / 河野一郎. -- 岩波書店, 1986.1. -- (岩波文庫)
   6. 上田 世界短篇文学全集. 第1 / 奥野信太郎. -- 集英社, 1963.5


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 岩田 2003
 イングランド中部地方を、単線の路面電車が走っている。大胆に州都を出ると、すぐさま黒々とした工業地帯へ飛び込み、丘を登り谷を下り、労働者の家が長々と立ち並ぶ醜悪な村々を抜け、運河や鉄道を越え、煤煙と暗がりの上に気高くそびえる教会を過ぎ、荒れ果て煤け寒々とした小さな市場を通り、映画館や商店街を大慌てで突き抜け、炭鉱のある谷間へ降り、再び丘を登り、小さな田舎の教会を通り過ぎ、トネリコの林の下をくぐってどっとばかりに終着駅――工業地帯の最後の小さな醜悪な所、彼方の荒れ果てた陰気な田園の端っこで寒々と震える小さな町――へと突き進む。

   D.H.ロレンス=著 岩田昇(いわた・のぼる)=訳 「切符拝見」
   西村孝次, 鉄村春生, 上村哲彦, 戸田仁=監訳
   『D.H.ロレンス短篇全集2』 大阪教育図書 2003.11 所収


(J2) 上田 2000.9
 中部イングランド地方をはしる単線の電鉄網がある。それは大胆にも州都を離れて田園の黒い工業地帯へ飛びこむと、丘にのぼり谷をくだり、労働者の家並みがながながとつづく、醜い村々を駆けぬけ、運河や鉄道をこえ、煤煙(ばいえん)と暗がりの上に高く壮麗にそびえ立つ教会を過ぎ、殺風景な、汚ない、寒ざむとした小さな市場を走りぬけ、映画館や商店街をいっきに突っきって炭鉱のある盆地へ駆けおり、それからまた駆けのぼり、小さな村の教会をはしり過ぎ、秦皮(とねりこ)の林の下をくぐり抜けて、いっきに終着駅へと、工業地帯の最後の小さな醜い拠点、荒涼たる、陰気な田園がひろがるはずれに震えている寒ざむとした小さな町へと、まっしぐらに突き進む。

   D.H.ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳 「乗車券を拝見」
   『新版 ロレンス短編集』 新潮文庫 2000.9 所収


(J3) 上田 2000.5
 中部イングランドをはしる単線の電鉄がある。それは大胆にも州都を出てまっしぐらに田園の黒い工業地帯へと突きすすむ。丘にのぼり谷をくだり、長屋の立ちならぶ、ごみごみした村々を馳せぬけ、運河と鉄道を越え、煤煙とものかげの上にひときわ高くそびえ立つ教会を過ぎ、がらんとした小さな汚ない市場を貫いて、映画館や商店街から一挙に炭鉱のある盆地へ駆けおり、それからまた駆けのぼり、小さな村の教会をはしり過ぎ、とねりこ の林をくぐって、終着駅へと――汚ならしい工業地のはずれ、荒涼たる陰うつな田園の縁(へり)に震えている寒むざむとした小さな町へと驀進する。

   D・H・ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳 「乗車券を拝見」
   小池滋=編 『英国鉄道文学傑作選』 ちくま文庫 2000.5. 所収
   文中の太字箇所は原文では太字でなく傍点。

   巻末の小池滋氏の「解説」によれば、この訳は、下掲 集英社版 上田 1963 を
   転載したものだとされる。だが、まず邦題が異なるし、本文の細部にも随所に
   異同が見られる。結果として、このちくま文庫版 上田 2000.5 は、集英社版
   上田 1963 および上掲 新潮文庫版 上田 2000.9 の、どちらとも、微妙に異なる
   訳となっている。


(J4) 河野 1986, 1995
 イングランド中部地方に、単線の電車路線がある。州の首都を大胆に出たあと、たちまち工業地帯へ飛びこみ、丘をのぼり谷を下り、労働者の家々が立ち並び長々とつづく醜い村々を抜け、運河や鉄道を越え、煤煙と暗がりの上にすっくとそびえる教会をすぎ、うらぶれ煤(すす)けさむざむとした小さな市場を抜け、映画館や商店街を全速力でつっ走り、炭鉱のある谷間へ降り、ふたたび丘をのぼり、小さな田舎の教会を後にし、トネリコの林の下を、一挙に終着駅へと――工業地帯の最後の小さな汚らしい地点、荒涼たる陰気な田舎のはずれにふるえる、さむざむしい小さな町へとつき進む。

   ロレンス=著 河野一郎(こうの・いちろう)=訳 「切符をお切りします!」
   4a. 鶴見俊輔〔ほか〕=編 『新・ちくま文学の森. 7』 筑摩書房 1995.3 所収
   4b. 河野一郎=編訳 『ロレンス短篇集』 岩波文庫 1986.1 所収
   4a. の底本は 4b.。引用は 4b. に拠りました。


(J5) 上田 1963
 中部イングランドをはしる単線の電鉄がある。それは、州都を出てまっしぐらに炭鉱・工業地帯へと突きすすむ。丘にのぼり、谷を下り、長屋の立ちならぶごみごみした村々を馳せぬけ、運河を越え、鉄道を越え、煤煙とものかげのかなたにひときわ高くそびえ立つ教会を過ぎ、がらんとした小さな広場を貫ぬいて、映画館や商店街から一挙に炭鉱のある盆地へ馳けおり、それからまた馳けのぼり、小さな村の教会をはしり過ぎ、とねりこの林をくぐって、終着駅へと――汚ならしい工業地のはずれ、荒涼たる向こうの州と接するところに震えている小さな町へと驀進する。

   ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳 「乗車券を、どうぞ」
   中野好夫(なかの・よしお)=編
   『世界短篇文学全集. 第1 イギリス文学 19・20世紀
   集英社 1963.5 所収


■英語原文 The original text in English

(E1) The 1922 edition
There is in the Midlands a single-line tramway system which boldly leaves the county town and plunges off into the black, industrial countryside, up hill and down dale, through the long ugly villages of workmen's houses, over canals and railways, past churches perched high and nobly over the smoke and shadows, through stark, grimy cold little market-places, tilting away in a rush past cinemas and shops down to the hollow where the collieries are, then up again, past a little rural church, under the ash trees, on in a rush to the terminus, the last little ugly place of industry, the cold little town that shivers on the edge of the wild, gloomy country beyond.

   Tickets, Please by D. H. Lawrence
   from England, My England and Other Stories (1922)
   E-text at:

 
 
(E2) The 1919 edition
There is in the North a single-line system of tramcars which boldly leaves the county town and plunges off into the black, industrial countryside, up hill and down dale, through the long, ugly villages of workmen's houses, over canals and railways, past churches perched high and nobly over the smoke and shadows, through dark, grimy, cold little market-places, tilting away in a rush past cinemas and shops down to the hollow where the collieries are, then up again, past a little rural church under the ash-trees, on in a bolt to the terminus, the last little ugly place of industry, the cold little town that shivers on the edge of the wild, gloomy country beyond.

   'Tickets, Please!' (1919) by D. H. Lawrence
   The story was first published in the April 1919 issue of the Strand Magazine.
   E-text at pseudopodium.org
 
 
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   「乗車券を、どうぞ」…………上田 1963
   「乗車券を拝見」 ……………上田 2000.5, 2000.9
   「切符をお切りします!」……河野 1986, 1995
   「切符拝見」…………………岩田 2003


■外部リンク External links

 [en] English

 [ja] 日本語


■更新履歴 Change log

2009/02/20 岩田昇=訳 2003.11を追加しました。


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Sunday, 08 February 2009

The Diary of Umeko Tsuda 津田梅子日記

■津田梅子と彼女の日記について On Umeko Tsuda and her diary

津田むめ(後に改名して梅子)。1864-1929(元治元年~昭和4年)。元祖「帰国子女」。津田塾の創設者。1871(明治4)年、8歳でアメリカへ留学。父親は1866(慶応2)年に、福沢諭吉らと共に渡米し、6か月滞在した。いわば、知米派日本人の草分け的存在。当時としては異例なほど熱心な教育パパでもあった。

梅子は滞米11年の後、帰国。完璧な英語を操った。むしろ驚くべきなのは、彼女が日本語を忘れなかったことのほうである。帰国から7年後、再び渡米したときには、東部のブリン・マー大学で生物学を専攻した。聖公会(アングリカン/英国教会系)に属する、熱心なキリスト教徒でもあった。

日記は英語でつけていた。そのほうが当人にとっては日本語で書くより楽だったらしい。したがって、下に引用する彼女の日記は、英語のほうが原文であって、日本語のほうは、それを後で他の人が翻訳したものである。


■ドナルド・キーン『続 百代の過客』について
 On Modern Japanese Diaries by Donald Keene

数々の日本人の書いた日記について、ドナルド・キーン氏はかつて2冊の本を著した。

  1. Travelers of a Hundred Ages: The Japanese as Revealed Through 1,000 Years of Diaries.
    邦訳 『百代の過客―日記にみる日本人』
  2. Modern Japanese Diaries: The Japanese at Home and Abroad as Revealed Through Their Diaries.
    邦訳 『続 百代の過客―日記にみる日本人』

このうち、1. は平安時代から幕末までに書かれた日記を(原書目次)、2. は黒船来航期以後、昭和までの日記を(原書目次)、それぞれ扱っている。津田梅子の日記は、2. で取りあげられている。

日本語が達者なキーン先生だが、原文は英語でお書きになった。それを1986年10月から朝日新聞に連載していた当時、金関寿夫氏が毎日、日本語に訳していた。両氏の連携プレイの詳細は存じあげない。けれども、津田梅子日記の稿は、異例だったはずだ。なぜならここでは、日本人が英語で書いた日記を題材にして、アメリカ人が英語で書いた原稿を、日本人の翻訳家が日本語に訳したものを、日本の日本語の新聞が掲載していたのだ。

まさか津田梅子の英語を、キーン氏がわざわざ日本語に訳す理由や必要があったとは思えない。だから彼女の日記は、おそらく金関氏が原文から直に和訳したのだろう。


 Video 1 
ブリン・マー大学 Bryn Mawr College

Uploaded to YouTube by BrynMawrCollege on 19 Jun 2014

津田梅子が1889年からの二度めのアメリカ留学の際に学んだ大学。ペンシルベニア州のフィラデルフィア郊外にある、全米有数の少人数制の私立女子大学。米国で女性に対して修士号や博士号を授与した最初の大学でもある。

著名な元教官には、第28代合衆国大統領ウッドロウ・ウィルソン、卒業生にはアカデミー賞を4回受賞した俳優のキャサリン・ヘップバーンなどがいる。

アメリカの映画やTVドラマや小説には、「ブリン・マー在学」あるいは「ブリン・マー卒」という設定の女性が、ときどき出てくる。この大学名が、人々の脳裏でいわゆる名門の「お嬢さま大学」的イメージと結びついている、ひとつの証左といえるかと思う。もっとも、日本の平均的お嬢さま大学よりは、骨太でたくましい感じだが。

わたくしは男だけれども、ある外部機関が運営する研修のため、この大学で、ひと夏すごした。キャンパスは英国のオックスフォードを忠実に模倣した感じで、とても美しかった。


■日本語訳 Translation into Japanese

今私は、あともう十年、あるいは十五年の余命を願っても、決して欲ばりとは言えないであろう。しかし戦場に行く若者たち、まことにこの国の花である、気高く、聡明な若者たちのこと、彼らがそれに向かって直進して行く恐ろしい苦しみと死のことを思い、その残酷さと無益さとに思いを致す時、私自身の人生が、いくら一見利己的で、無益な目的のためではなかったからといって、一体どうしてこの私に、もっと長い余生を期待し、願い、祈ることなぞ出来るだろうか?

  • 「津田梅子日記」 ドナルド・キーン=著 金関寿夫=訳 『続 百代の過客―日記にみる日本人』
    1. 百代の過客. 続 下 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 2003.6. -- (朝日選書 ; 347)
    2. 百代の過客. 続 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 1988.12
    3. 百代の過客. 続 下 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 1988.2. -- (朝日選書 ; 347) 内容詳細は ここ
    1. と 3. の朝日選書版はそれぞれ上・下2分冊。2. は全1巻の愛蔵版。引用は 2. に拠りました。
  • 原書: Modern Japanese Diaries: The Japanese at Home and Abroad as Revealed Through Their Diaries by Donald Keene

■英語原文 The original text in English

One might easily have expected and asked for ten or fifteen years more of life, but when one thinks of the young men going to war, noble, brilliant young men, the flower of their country, and of the awful suffering and death to which they go, and it seems so cruel and useless, then why, because to me, my own life has not seemed to be for selfish or useless purposes, should I expect, ask or pray for long life?

  • 5. Journals, (3) Other Diary Entries [2] A the Onset of Illness The Writings of Umeko Tsuda Edited by Yoshiko Furuki, Akiko Ueda, Mary E. Althaus. Tokyo: Tsuda College. Revised edition, 1984. First edition, 1980.
  • 津田梅子=著 編集委員:古木宜志子,上田明子,Mary E. Althaus 『津田梅子文書(つだ うめこ もんじょ)』
    1. 津田梅子文書 改訂版 / 津田塾大学. -- 津田塾大学, 1984.10
    2. 津田梅子文書 / 津田塾大学. -- 津田塾大学, 1980.10
    引用は 1. 1984年版に拠りました。

 TV 1 
NHK Eテレ「知恵泉」 津田梅子
Uploaded to YouTube by 知恵泉 歴史秘話ヒストリア 大河ドラマ 真田丸 龍馬伝 先人たちの底力知恵泉 井上二郎 上杉謙信 本田宗一郎 真田... on 2 Apr 2016


 TV 2 
NHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリア」 結婚の話なんてしないで! 
Nhk_historia_tsuda_umeko_2


■更新履歴 Change log

  • 2016-10-22 NHK Eテレ 「知恵泉」の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012-12-12 NHK 歴史秘話ヒストリアへのリンクを追加しました。

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Invisible Boy by Ray Bradbury レイ・ブラッドベリ/レイ・ブラッドベリー「見えない少年」「目に見えぬ少年」

■表紙画像 Cover photos

Left太陽の黄金の林檎』ハヤカワ文庫 NV (2006)
Centre魔法使いになる14の方法』創元推理文庫 (2003)
Right Wizard's Den: Spellbinding Tales of Magic and Magicians. Souvenir Press Ltd (2003)

↓ Click to enlarge ↓

Taiyou_no_kin_no_ringo  Mahoutsukai_ni_naru_14  Wizards_den


■はじめに Introduction

魔法使いのお婆さんは、いろんなことを知っている。安く買ったものを高く売る方法、鉄砲で撃たれても傷つかない方法、血の流れを止める方法、動物を金縛りにかける方法、盲目の馬の目を治す方法、身体の腫れた牛を治す方法、ヤギにかけた魔法を解く方法。それはともかくとして……。


■Invisible Boy の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books that contain a Japanese translation of Invisible Boy

   1. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 2006.2.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   2. 大友   魔法使いになる14の方法 / ダイアナ・ウィン・ジョーンズ[他].
           -- 東京創元社, 2003.9. -- (創元推理文庫)
   3. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1976.1.
           -- (ハヤカワ文庫 ; NV)
   4. 永井   マドモアゼル傑作集 / 常盤新平. -- 角川書店, 1970.8.
           -- (角川文庫)
   5. 小笠原 太陽の黄金の林檎 / レイ・ブラッドベリ[他]. -- 早川書房, 1962.
           -- (ハヤカワ・SF・シリーズ)


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 大友 2003
 女は大きな鉄の匙(さじ)と、ひからびたカエルを手に取ると、カエルを思いきりたたいてこなごなに砕き、その粉に話しかけながら、ごつごつしたにぎりこぶしの中ですばやくすりつぶした。鳥のような小さくぎらぎらした灰色の目が、ちらっと小屋に向けられた。見るたびに、猟銃をぶっ放しでもしたみたいに、小さな細い窓の奥で、頭がひょいと引っ込む。

「チャーリー!」老婆は大きな声で呼んだ。「出といで! トカゲの魔法をかけて、そのさびついた戸の錠を開けちまうよ! いま出てくりゃ、地震を起こしも、森を燃やしも、まっ昼間に太陽を沈めもしやしないから!」

   レイ・ブラッドベリ=著 大友香奈子(おおとも・かなこ)=訳「見えない少年」
   ダイアナ・ウィン・ジョーンズ〔ほか〕=著
   ピーター・ヘイニング=編『魔法使いになる14の方法
   創元推理文庫 2003.9

   原書:
   Wizard's Den: Spellbinding Tales of Magic and Magicians (2001)
   Written by Diana Wynne Jones, et al.
   Edited by Peter Haining


(2) 小笠原 1962, 1976, etc.
 老婆は、大きな鉄の匙(さじ)を取り上げ、カエルの干物をすりつぶして、それを硬いてのひらで握りしめ、こなごなになったカエルに話しかけた。だが鳥のような灰色の細い目は、ときどきちらりと小屋の様子をうかがった。そのたびごとに、小さな窓の奥に見える頭は、拳銃でも撃ちこまれたようにヒョコリと消えるのだった。

「チャーリー!」と、老婆はさけんだ。「そこから出ておいで! ヤモリの呪(まじな)いをすれば、そんな銹(さび)ついたドアをあけるくらい、わけないんだよ! 今すぐ出てくれば、地震もおこさないし、樹木を燃やしもしないし、まっぴるまに太陽を沈めたりもしないからさ!」

   レイ・ブラッドベリ=著 小笠原豊樹(おがさわら・とよき)=訳
   「目に見えぬ少年」
   a. 『太陽の黄金の林檎』ハヤカワ文庫 NV 2006.2
   b. 『太陽の黄金の林檎』ハヤカワ文庫 NV 1976.1
   c. 『太陽の黄金の林檎』ハヤカワ・SF・シリーズ 1962
   a. は b. の新装版。引用は a. に拠りました。

   原書:
   The Golden Apples of the Sun (1953) by Ray Bradbury


(3) 永井 1970
 老婆は大きな鉄のスプーンと乾干しにした蛙(かえる)を手にとって、一撃のもとに粉々に打ち砕いた。そして、そのかけらを石のような両の掌ですばやくすり砕きながら、手の中にむかってなにやらくちずさんだ。鳥のように小粒な目が小屋のほうを向いてまばたきをした。老婆がのぞき込むたびに、みずぼらしい小窓のところに見えている頭が、まるで鉄砲玉でもよけるようなぐあいにひょいと引っこんだ。

 「チャーリー!」と老婆は叫んだ。「そこから出ておいで! わたしゃその錆(さ)びついた戸の錠をはずすためにとかげのまじないをかけてるんだよ! おまえがすぐに出て来たら、地震をおこすのも、立木を燃え上がらせるのも、お午どきにお天道様さまを沈めるのも、みんなやめてやるよ」

   レイ・ブラッドベリー=著 永井淳=訳「見えない少年」
   常盤新平=編 『マドモアゼル傑作集』角川文庫 1970.8

   原書:
   常盤氏の「あとがき」によれば、上の角川文庫版は1960年に出た、
   シリリー・エーベルズ+マーガリタ・G・スミス=編
   Best Stories from Mademoiselle 1935-1960 を「ネタ本」として、
   ジェローム・ワイドマンの1篇を加えて編んだものだとのこと。エーベルズは
   「マドモアゼル」誌編集長、スミスは同誌の小説担当の編集者だそうです。

   このネタ本とは、たぶん次の本を指すのではないかと思われます。
   40 Best Stories from Mademoiselle, 1935-1960
   Edited by Cyrilly Abels & Margarita G. Smith. Harper & Brothers (1960)
   ただし、このネタ本がタイトルの示すとおり40篇を収めているのに対し、
   常盤氏の言及するタイトルには "40" の字がなく、氏の編んだ
   角川文庫版には19篇しか収録されていないなど、不審な点があります。


■英語原文 The original text in English

She took the great iron spoon and the mummified frog and gave it a bash and made dust of it, and talked to the dust while she ground it in her stony fists quickly. Her beady gray bird-eyes nickered at the cabin. Each time she looked, a head in the small thin window ducked as if she'd fired off a shotgun.

"Charlie!" cried Old Lady. "You come outa there! I'm fixing a lizard magic to unlock that rusty door! You come out now and I won't make the earth shake or the trees go up in fire or the sun set at high noon!"

   Invisible Boy (1945)
   later incorporated into The Golden Apples of the Sun (1953) by Ray Bradbury
   E-text at:
   * Scary For Kids
   * RayBradbury.ru (html)
   * RayBradbury.ru (txt)

 
 

■外部リンク External links

 [en] English
   * Ray Bradbury official site
   * The Golden Apples of the Sun - Wikipedia
   * Ray Bradbury - Wikipedia (1920-2012)

 [ja] 日本語
   * レイ・ブラッドベリ - Wikipedia (1920-2012)
   * レイ・ブラッドベリ - 翻訳作品集成


■更新履歴 Change log

2009/02/14 永井淳=訳 1970.8 を収めた角川文庫版の原書に関する
         コメントを追加しました。
2009/02/11 永井淳=訳 1970.8 を追加しました。


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Wednesday, 04 February 2009

A Bit of Luck for Mabel by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス/ピー・ジー・ウォドハゥス/ウオドハウス「メイベル危機一髪」「メイベルの小さな幸運」「彼女の幸運」

■Jeeves & Wooster - Minnie the Moocher

Jeeves & Wooster, a British TV series (1990-1993) adapted from P.G. Wodehouse's Jeeves stories, It starred Stephen Fry as Jeeves and Hugh Laurie as Bertie Wooster. More information at the following websites:

   * Jeeves and Wooster (1990) - IMDb
   * Jeeves and Wooster - Wikipedia
   * Minnie the Moocher - Wikipedia


■Minnie the Moocher lyrics 「ミニ・ザ・ムーチャ」歌詞

- Cab Calloway Lyrics


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 岩永+小山 2008
「なあ、相棒。人生って妙なもんだな」
 それまでソファにじっと横になっていたユークリッジが、天井を向いたまま言った。こっちは、てっきり眠り込んだと思っていた。柄になく静かだったのは、睡眠中でなく思索中だったわけだ。
「まったく、奇妙奇天烈(きてれつ)だ」
 ユークリッジは上半身を起こして窓から外を見た。僕が借りている田舎コテージの居間からは、遠くの木立まで広がる芝生が見える。世界が目を覚ましつつある気配が、窓を通して忍び込んできた。ひんやりとした微風は、夏の夜明けが間近い証拠だ。
「うへっ!」腕時計を見て僕が叫んだ。「きみの長話で、とうとう徹夜じゃないか」
 ユークリッジは答えなかった。(……)

   P・G・ウッドハウス=著
   岩永正勝(いわなが・まさかつ)+小山太一(こやま・たいち)=訳
   「メイベル危機一髪」
   『ユークリッジの商売道』P・G・ウッドハウス選集4
   文藝春秋 2008/12


(2) 森村 2008
「人生ってのはさ、なあ」ユークリッジが言った。「とっても変だな」
 奴はしばらく黙ったまま、顔を天井に向けてソファに仰向けに寝そべっていた。だから僕は奴は眠っているんだと思っていた。だが今や、奴には稀(まれ)な沈黙をもたらしたのは、眠りではなく思考であったことがわかった。
「とても、とっても変だ」
 奴は身体を起こすと、窓の外を眺(なが)めやった。僕が田舎に借りているこのコテージの居間の窓は、雑木林(ぞうきばやし)に囲まれた芝生の広がりを見下ろしている。そして今、この窓を抜け、目覚めつつある外界から、夏の日の夜明けを告げる涼風が吹き入ってきた。
「なんてこった!」時計を見て僕は言った。「お前、僕を一晩しゃべらせて起こしてたってことがわかってるのか?」
 ユークリッジは答えなかった。(……)

   P・G・ウッドハウス=著 森村たまき=訳「メイベルの小さな幸運」
   『エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏』ウッドハウス・スペシャル
   国書刊行会 2008/04


(3) 梶原 1926, 1927, etc.
『人生なんて妙なものだなァ。』とアクリッジが言つた。
 それまでソファに凭れ込んで天井を向いたままおとなしくしてゐたので、てつきり居眠りしてゐるものと思つてゐたのだが、してみるとめづらしくひつそりしてゐたのは敢て居眠りをしてゐたわけではなく、何か瞑想に耽つてゐたものとみえる。
『實に實に妙なものだ。』
 アクリッジは立ち上つて窓の外を見た。私の借りてゐる田舎家の窓からは廣い芝生のその向ふにちよつとした林が見えるのだ。ところでその窓から、夏の夜明けを告げる涼しい風がスーとながれ込んできた。
『冗談ぢやない! 一晩僕を寢せない氣かい?』と、私は懐中時計を見ながら言つてやつた。
 アクリッジは返事をしなかつた。(……)

[原文は次のとおり総ルビ]
『人生(じんせい)なんて妙(めう)なものだなァ。』とアクリッジが言(い)つた。
 それまでソファに凭(もた)れ込(こ)んで天井(てんじやう)を向(む)いたままおとなしくしてゐたので、てつきり居眠(ゐねむ)りしてゐるものと思(おも)つてゐたのだが、してみるとめづらしくひつそりしてゐたのは敢(あへ)て居眠(ゐねむ)りをしてゐたわけではなく、何(なに)か瞑想(めいさう)に耽(ふけ)つてゐたものとみえる。
『實(じつ)に實(じつ)に妙(めう)なものだ。』
 アクリッジは立(た)ち上(あが)つて窓(まど)の外(そと)を見(み)た。私(わたし)の借(か)りてゐる田舎家(ゐなかや)の窓(まど)からは廣(ひろ)い芝生(しばふ)のその向(むか)ふにちよつとした林(はやし)が見(み)えるのだ。ところでその窓(まど)から、夏(なつ)の夜明(よあ)けを告(つ)げる涼(すゞ)しい風(かぜ)がスーとながれ込(こ)んできた。
『冗談(じようだん)ぢやない! 一晩(ばん)僕(ぼく)を寢(ねか)せない氣(き)かい?』と、私(わたし)は懐中時計(くわいちうどけい)を見(み)ながら言(い)つてやつた。
 アクリッジは返事(へんじ)をしなかつた。(……)

   ピー・ジー・ウォドハゥス=著 梶原信一郎(かじわら・しんいちろう)=譯
   「彼女の幸運(かのぢよのかううん)」
   3a.「新青年」復刻版 大正15年 第7巻 合本5 第9号・第10号
     第3期第1回配本(大正15年分)本の友社 1998/09
   3b. ウツドハウス=著 梶原信一郎=訳
     『どもり綺譚』 博文館〈新青年叢書〉1929(昭和4)
   3c. 欧米名作家=著 森下雨村=編
     『怪奇探偵 探偵名玉集』探偵傑作叢書 第50編
     博文館 1927(昭和2)
   3d. 「新青年」1926(大正15)第10号(夏期増刊号) この号の詳細目次は ここ

   初出は 3d.。「ピー・ジー・ウォドハゥス」という著者名は 3a. の本文ページの表記
   に拠るもの。おなじ 3a. の目次では、イニシャルなしで「ウオドハウス」とだけ表示
   されています。引用は 3a. に拠りました。


■英語原文 The original text in English

"LIFE, LADDIE," said Ukridge, "is very rum."
  He had been lying for some time silent on the sofa, his face towards the ceiling; and I had supposed that he was asleep. But now it appeared that it was thought, not slumber, that had caused his unwonted quietude.
  "Very, very rum," said Ukridge.
  He heaved himself up and stared out of the window. The sitting-room window of the cottage which I had taken in the country looked upon a stretch of lawn, backed by a little spinney ; and now there stole in through it from the waking world outside that first cool breeze which heralds the dawning of a summer day.
  "Great Scott! " I said, looking at my watch. "Do you realize you've kept me up talking all night?" Ukridge did not answer. [Omission]

   A Bit of Luck for Mabel by P.G. Wodehouse
   This story first appeared in:
   UK: January 1926 Strand
   US: 26 December 1925 Saturday Evening Post

   It was later included in:
   Eggs, Beans and Crumpets by P.G. Wodehouse
   First published in:
   UK: 26 April 1940 by Herbert Jenkins, London
   US: 10 May 1940 by Doubleday, Doran, New York


■外部リンク External links

 [en] English
   * www.PGWodehouseBooks.com
   * A Bit of Luck for Mabel - Wikipedia
   * Eggs, Beans and Crumpets - Wikipedia
   * Eggs, Beans, and Crumpets - The Russian Wodehouse Society

 [ja] 日本語
   * P・G・ウッドハウス「彼女の幸運」- 文芸誌ムセイオン
   * ミステリー・推理小説データベース Aga-Search
   * 乱歩の世界|新青年の世界
   * ウッドハウス邦訳書誌
 
 
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2010/12/19 英語原文のテキストを挿入しました。


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Monday, 02 February 2009

Two Blue Birds by D. H. Lawrence D・H・ロレンス/D・H・ローレンス「二羽の青い鳥」

■ペーパーバック表紙画像 Paperback cover photos

Left The Woman Who Rode Away and Other Stories. The Cambridge Edition of the Works of D. H. Lawrence (2002)
Centre The Woman Who Rode Away and Other Stories. Fredonia Books (2002)
Right The Woman Who Rode Away and Other Stories. Penguin Twentieth-Century Classics (1997)

↓ Click to enlarge ↓

Cambridge_woman_who_rode   Fredonia_woman_who_rode   Penguin_woman_who_rode_2


■はじめに Introduction

愛しあい、理解しあっている妻と夫。だが二人は遠く離れて別居生活を続けている……。


■Two Blue Birds の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books containing a Japanese translation of Two Blue Birds

    1. 石川 D.H.ロレンス短篇全集. 第4巻 / D.H.ロレンス[他]. -- 大阪教育図書, 2005.2
    2. 上田 ロレンス短編集 / D.H.ロレンス[他]. -- 新版. -- 新潮社, 2000.9.
    -- (新潮文庫)
    3. 水嶋 ローレンス短篇集 / 上村哲彦. -- 太陽社, 1975.9 -- (太陽選書)
    4. 名原 二羽の青い鳥 / D.H.ロレンス[他]. -- 三笠書房, 1955. -- (三笠新書)
    5. 木下 処女とジプシー / D.H.ロレンス[他]. -- 角川書店, 1952.
    -- (角川文庫 ; 第517)


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 石川 2005
 一人の女がいた。彼女は夫を愛していたが、夫と一緒に暮らすことはできなかった。夫の側も妻を真剣に愛していたが、彼女と暮らすことはできなかった。夫婦と もに四十歳に満たず、どちらも美男美女で魅力的だった。彼らは心の底から互いにほかのだれよりも相手のことがよくわかっていたし、ほかのだれにもまして相手に自分をわかってもらっているように感じていた。
 しかし、一緒に暮らすことはできなかった。彼らはたいてい、地理的に千マイルも離れていた。妻は南国の太陽の下で情事にふけっていたが、それでも夫にたいして忠実で貞節であろうとする不思議な欲求を持っていた。夫は灰色の英国にいるときも、ある種の厳格な貞操観から、心の底でこのことに気づいていた。妻は(……)

   D.H.ロレンス=著 石川慎一郎(いしかわ・しんいちろう)=訳「二羽の青い鳥」
   西村孝次, 鉄村春生, 上村哲彦, 戸田仁=監訳
   『D.H.ロレンス短篇全集4』大阪教育図書 2005.2


(2) 上田 2000
 夫を愛してはいるが、いっしょに暮らせない女がいた。夫のほうも、心から妻に愛情を抱いていたが、それでいていっしょに暮らそうとはしなかった。二人とも四十前で、どちらも顔立ちがよく、どちらも魅力的だった。たがいに心から尊敬し合っていて、何となく奇妙なことに、自分たちが永遠にかたく結ばれているように感じていた。かれらはたがいに相手を他のだれよりも深く理解し、たがいに相手に他のどんな人間よりも理解されていると感じていた。
 しかしそれでもかれらはいっしょに暮らす気になれなかった。いつも、地理的に、千マイルも離れて住んでいた。しかし、夫はイングランドの灰色の中でじっとしているときでも、心の奥で、ある厳しい貞操観から、自分の妻が、遠い南国の、太陽のもとで情事にふけりながら、ふしぎに貞節で忠実でありたいと願っていることを意識していた。そして妻のほうは(……)

   D.H.ロレンス=著 上田和夫(うえだ・かずお)=訳「二羽の青い鳥」
   『新版 ロレンス短編集』新潮文庫 2000.9


(3) 水嶋 1975
 夫を愛しているのに、いっしょに暮らせない女がいた。夫のほうも心から妻に気持を寄せているのに、いっしょに暮らせなかった。美男美女の夫婦で、どちらも魅力的で、たがいに尊敬し、たがいに奇しくも永遠に結ばれた仲という気があり、たがいに誰よりも親しく知っているし、誰よりもよく知ってもらっているという気持であった。
 それなのに、いっしょに暮らすことができないでいた。それで、いつも、地理的には一千マイル離れて別居していた。灰色の英国で夫は、心の片隅に、陰気で誠実な気持をもって坐り、妻は今頃、はるか南国の太陽の光のなかで、夫に誠実でありたいという変な憧れをいだきながら情事にふけっているのだ、と考えていた。妻のほうは(……)

   ローレンス=著 水嶋正路(みずしま・まさみち)=訳「二羽の青い鳥」
   上村哲彦(かみむら・てつひこ)〔ほか〕訳 『ローレンス短篇集
   太陽選書 太陽社 1975


(4) 名原 1955
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   D.H.ロレンス=著 名原広三郎(なばら・ひろさぶろう)=訳
   『二羽の青い鳥』三笠新書 三笠書房 1955


(5) 木下 1952
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   D.H.ロレンス=著 木下常太郎(きのした・つねたろう)=訳
   「二羽の青い鳥」
   『処女とジプシー 他三篇』角川文庫 1952


■英語原文 The original text in English

There was a woman who loved her husband, but she could not live with him. The husband, on his side, was sincerely attached to his wife, yet he could not live with her. They were both under forty, both handsome and both attractive. They had the most sincere regard for one another, and felt, in some odd way, eternally married to one another. They knew one another more intimately than they knew anybody else, they felt more known to one another than to any other person.

Yet they could not live together. Usually, they kept a thousand miles apart, geographically. But when he sat in the greyness of England, at the back of his mind, with a certain grim fidelity, he was aware of his wife, her strange yearning to be loyal and faithful, having her gallant affairs away in the sun, in the south. And she ( . . . )

   Two Blue Birds
   from The Woman Who Rode Away and other stories (1928) by D. H. Lawrence
   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * Short Story Classics
   * Internet Archive
   * Literature.org


■外部リンク External links

 [en] English
   * Two Blue Birds Summary - D. H. Lawrence - eNotes.com
   * D. H. Lawrence - Wikipedia (1885-1930)
   * D.H. Lawrence: A Reference Companion by Paul Poplawski, John Worthen

 [ja] 日本語
   * 翻訳作品集成|D・H・ロレンス
   * 翻訳アンソロジー/雑誌リスト|D・H・ローレンス
   * D.H.ロレンスとは - はてなキーワード
   * D・H・ロレンス事典 鷹書房弓プレス 2002.4
   * 日本ロレンス協会


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