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Sunday, 08 February 2009

The Diary of Umeko Tsuda 津田梅子日記

■津田梅子と彼女の日記について On Umeko Tsuda and her diary

津田むめ(後に改名して梅子)。1864-1929(元治元年~昭和4年)。元祖「帰国子女」。津田塾の創設者。1871(明治4)年、8歳でアメリカへ留学。父親は1866(慶応2)年に、福沢諭吉らと共に渡米し、6か月滞在した。いわば、知米派日本人の草分け的存在。当時としては異例なほど熱心な教育パパでもあった。

梅子は滞米11年の後、帰国。完璧な英語を操った。むしろ驚くべきなのは、彼女が日本語を忘れなかったことのほうである。帰国から7年後、再び渡米したときには、東部のブリン・マー大学で生物学を専攻した。聖公会(アングリカン/英国教会系)に属する、熱心なキリスト教徒でもあった。

日記は英語でつけていた。そのほうが当人にとっては日本語で書くより楽だったらしい。したがって、下に引用する彼女の日記は、英語のほうが原文であって、日本語のほうは、それを後で他の人が翻訳したものである。


■ドナルド・キーン『続 百代の過客』について
 On Modern Japanese Diaries by Donald Keene

数々の日本人の書いた日記について、ドナルド・キーン氏はかつて2冊の本を著した。

  1. Travelers of a Hundred Ages: The Japanese as Revealed Through 1,000 Years of Diaries.
    邦訳 『百代の過客―日記にみる日本人』
  2. Modern Japanese Diaries: The Japanese at Home and Abroad as Revealed Through Their Diaries.
    邦訳 『続 百代の過客―日記にみる日本人』

このうち、1. は平安時代から幕末までに書かれた日記を(原書目次)、2. は黒船来航期以後、昭和までの日記を(原書目次)、それぞれ扱っている。津田梅子の日記は、2. で取りあげられている。

日本語が達者なキーン先生だが、原文は英語でお書きになった。それを1986年10月から朝日新聞に連載していた当時、金関寿夫氏が毎日、日本語に訳していた。両氏の連携プレイの詳細は存じあげない。けれども、津田梅子日記の稿は、異例だったはずだ。なぜならここでは、日本人が英語で書いた日記を題材にして、アメリカ人が英語で書いた原稿を、日本人の翻訳家が日本語に訳したものを、日本の日本語の新聞が掲載していたのだ。

まさか津田梅子の英語を、キーン氏がわざわざ日本語に訳す理由や必要があったとは思えない。だから彼女の日記は、おそらく金関氏が原文から直に和訳したのだろう。


 Video 1 
ブリン・マー大学 Bryn Mawr College

Uploaded to YouTube by BrynMawrCollege on 19 Jun 2014

津田梅子が1889年からの二度めのアメリカ留学の際に学んだ大学。ペンシルベニア州のフィラデルフィア郊外にある、全米有数の少人数制の私立女子大学。米国で女性に対して修士号や博士号を授与した最初の大学でもある。

著名な元教官には、第28代合衆国大統領ウッドロウ・ウィルソン、卒業生にはアカデミー賞を4回受賞した俳優のキャサリン・ヘップバーンなどがいる。

アメリカの映画やTVドラマや小説には、「ブリン・マー在学」あるいは「ブリン・マー卒」という設定の女性が、ときどき出てくる。この大学名が、人々の脳裏でいわゆる名門の「お嬢さま大学」的イメージと結びついている、ひとつの証左といえるかと思う。もっとも、日本の平均的お嬢さま大学よりは、骨太でたくましい感じだが。

わたくしは男だけれども、ある外部機関が運営する研修のため、この大学で、ひと夏すごした。キャンパスは英国のオックスフォードを忠実に模倣した感じで、とても美しかった。


■日本語訳 Translation into Japanese

今私は、あともう十年、あるいは十五年の余命を願っても、決して欲ばりとは言えないであろう。しかし戦場に行く若者たち、まことにこの国の花である、気高く、聡明な若者たちのこと、彼らがそれに向かって直進して行く恐ろしい苦しみと死のことを思い、その残酷さと無益さとに思いを致す時、私自身の人生が、いくら一見利己的で、無益な目的のためではなかったからといって、一体どうしてこの私に、もっと長い余生を期待し、願い、祈ることなぞ出来るだろうか?

  • 「津田梅子日記」 ドナルド・キーン=著 金関寿夫=訳 『続 百代の過客―日記にみる日本人』
    1. 百代の過客. 続 下 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 2003.6. -- (朝日選書 ; 347)
    2. 百代の過客. 続 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 1988.12
    3. 百代の過客. 続 下 / ドナルド・キーン[他]. -- 朝日新聞社, 1988.2. -- (朝日選書 ; 347) 内容詳細は ここ
    1. と 3. の朝日選書版はそれぞれ上・下2分冊。2. は全1巻の愛蔵版。引用は 2. に拠りました。
  • 原書: Modern Japanese Diaries: The Japanese at Home and Abroad as Revealed Through Their Diaries by Donald Keene

■英語原文 The original text in English

One might easily have expected and asked for ten or fifteen years more of life, but when one thinks of the young men going to war, noble, brilliant young men, the flower of their country, and of the awful suffering and death to which they go, and it seems so cruel and useless, then why, because to me, my own life has not seemed to be for selfish or useless purposes, should I expect, ask or pray for long life?

  • 5. Journals, (3) Other Diary Entries [2] A the Onset of Illness The Writings of Umeko Tsuda Edited by Yoshiko Furuki, Akiko Ueda, Mary E. Althaus. Tokyo: Tsuda College. Revised edition, 1984. First edition, 1980.
  • 津田梅子=著 編集委員:古木宜志子,上田明子,Mary E. Althaus 『津田梅子文書(つだ うめこ もんじょ)』
    1. 津田梅子文書 改訂版 / 津田塾大学. -- 津田塾大学, 1984.10
    2. 津田梅子文書 / 津田塾大学. -- 津田塾大学, 1980.10
    引用は 1. 1984年版に拠りました。

 TV 1 
NHK Eテレ「知恵泉」 津田梅子
Uploaded to YouTube by 知恵泉 歴史秘話ヒストリア 大河ドラマ 真田丸 龍馬伝 先人たちの底力知恵泉 井上二郎 上杉謙信 本田宗一郎 真田... on 2 Apr 2016


 TV 2 
NHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリア」 結婚の話なんてしないで! 
Nhk_historia_tsuda_umeko_2


■更新履歴 Change log

  • 2016-10-22 NHK Eテレ 「知恵泉」の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012-12-12 NHK 歴史秘話ヒストリアへのリンクを追加しました。

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■洋書 Books in non-Japanese languages
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