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March 2009

Monday, 30 March 2009

Virginibus Puerisque by Robert Louis Stevenson スティーヴンソン/スティーヴンスン/スチィーヴンソン/スティヴンスン「青年男女へ」「若い人々のために」「若き人々のために」「若き人々の爲に」

■本の表紙と切手 Book covers and a stamp

[ja] 若い人々のために 他十一篇 岩波文庫 (1955)
[de] Virginibus Puerisque. Und andere Schriften Achilla Presse (2000) ドイツ語版
[it] Virginibus puerisque. Robin (2004) ISBN: 8873710522 イタリア語版
[es] Virginibus Puerisque y Otros Ensayos Alianza Editorial Sa (2005) スペイン語版
[fr] Virginibus Puerisque Allia (2003) フランス語版
[en] Virginibus Puerisque Tutis Digital Pub (2008)

** A stamp from 1939 with Robert Louis Stevenson marking the 25th anniversary of New Zealand's control of the mandated territory of Western Samoa. Image source: Polynesian Graphics

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■はじめに Introduction

1876年、病弱なスコットランド人青年が、静養先のフランスで、夫と子のある11歳年上のアメリカ人女性に出会い、熱烈な恋におちた。

青年はいったんイギリスに帰国したが、この女性のことを忘れられなかった。1877年、「恋愛について」と題するエッセーを執筆し、「コーンヒル・マガジン」に発表した。27歳だった。

1978年、青年は母国へ去った女性を追ってアメリカへ渡った。1979年、女性と不実な夫との間に離婚が成立した。1980年、青年はようやく晴れて女性と結婚した。

アメリカ人女性との出会いと相前後して、青年はほかに三つのエッセイを書いていた。「恋愛について」とあわせて四つのエッセーは、一冊にまとめて1881年に出版された。『若い人々のために』と題されている。青年の名はロバート・ルイス・スティーヴンスン。女性の名はファニー・ヴァンデグリフト・オズボーン。


■Virginibus Puerisque の日本語訳を収録した本・サイトの一覧
  List of books and website that contain a Japanese translation of
  Virginibus Puerisque

  ★=下に訳文の抜粋を掲載したもの。

  ★ 1. tomoki y. tomokilog - うただひかるまだがすかる -- 2009.05.15
     2. 酒井 スティーヴンソン作品集 R.L.スティーヴンソン 文泉堂出版 1999.3
     3. 酒井 ちくま哲学の森. 1 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1989.11
     4. 橋本 世界教養選集. 6 / 茅誠司,中野好夫. -- 平凡社, 1975.3
  ★ 5. 橋本 世界教養全集. 4. -- 平凡社, 1973
     6. 橋本 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 改訂版.
          -- 角川書店, 1968. -- (角川文庫)
     7. 橋本 世界の人生論. 第11. -- 角川書店, 1968
  ★ 8. 守屋 若い人々のために / スティーヴンソン[他]. -- 旺文社, 1966.
          -- (旺文社文庫)
  ★ 9. 酒井 世界人生論全集. 第6 / 河盛好蔵. -- 筑摩書房, 1963.7
    10. 橋本 世界教養全集. 第4. -- 平凡社, 1963.3
    11. 岩田 若い人々のために 他十一篇 / スティーヴンスン[他].
          -- 岩波書店, 1955 7刷. -- (岩波文庫)
  ★12. 吉田 若い人々のために / スチィーヴンソン[他]. -- 池田書店, 1954.
          -- (人生叢書 ; 第7)
  ★13. 緑川 若い人々のために / スティヴンスン[他]. -- 開文社, 1953.9
          -- (英米文学訳註叢書 ; 第34)
  ★14. 谷島 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 春秋社, 1951.12
  ★15. 寺沢 若き人々のために / ロバート・L.スティーヴンソン[他].
          -- 岡倉書房, 1951. -- (20世紀ライブラリ ; 第3)
    16. 橋本 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 南北書園, 1948
  ★17. 岩田 若い人々のために 其他 / スティーヴンスン[他].
          -- 岩波書店, 1937(昭和12). -- (岩波文庫 ; 1512-1513)
  ★18. 谷島+藤野 若き人々の爲に / ステイーブンスン[他].
          -- 春秋社, 1933(昭和8). -- (春秋文庫 ; 第1部 第58)
    19. 谷島+藤野 若き人々の爲に / スティーヴンスン[他]. -- 再版.
          -- 春秋社, 1927(昭和2)


■日本語訳 Translations into Japanese

(a) tomoki y. 2009
恋におちるというのは、理窟に合わない危険な賭けだ。超自然現象とさえ呼びたくなるほどの事件、まったく異例の冒険だ――陳腐で常識的なこの世にあっては。恋の原因と恋の結果は、ぜんぜんバランスが取れていない。

   スティーヴンスン=著 Tomoki Yamabayashi=部分訳
   『青年男女へ』 3. 恋におちるということ
  ★ 1. tomokilog - うただひかるまだがすかる -- 2009.05.15


(b) 守屋 1966
恋をするということは、私たちの住むありふれた合理的な世界では、超自然的なものと考えたくなる、非論理的な冒険なのです。その原因と結果は、あまりにもかけはなれすぎています。

   スティーヴンソン=著 守屋陽一(もりや・よういち)=訳
   『若い人々のために―恋愛と結婚について』 三、恋愛について
  ★ 8. 若い人々のために / スティーヴンソン[他]. -- 旺文社, 1966.
      -- (旺文社文庫)


(c) 酒井 1963, 1989, etc.
恋に陥ることは一つの不合理で、予期しないことである、私達の陳腐な合理的な世界においては超自然的だと考えたくなる一事である。その結果は原因と全く釣り合わない。

   スティーヴンソン/スティヴンソン=著 酒井善孝(さかい・よしたか)=訳
   「若い人々のために」 三 恋愛について
     2. スティーヴンソン作品集. 1 / R.L.スティーヴンソン. -- 文泉堂出版, 1999.3
     3. ちくま哲学の森. 1 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1989.11
  ★ 9. 世界人生論全集. 第6 / 河盛好蔵. -- 筑摩書房, 1963.7
   引用は9.に拠りました。


(d) 吉田 1954
恋をするということはおよそ不合理な事件であって、この陳腐で常識的な現世にあっては、なにか奇々怪々とも考えたくなるような事柄である。いつでも瓢箪から駒がとびだす。

   スチィーヴンソン=著 吉田健一(よしだ・けんいち)=訳
   『若い人々のために』 3. 恋愛することについて
  ★12. 若い人々のために / スチィーヴンソン[他]. -- 池田書店, 1954.9
      -- (人生叢書 ; 第7)


(e) 緑川 1953
恋をすると云う事は、平凡で道理ずくめの此の世の中に於ける唯一の不合理な事件で、超自然と考えたくなる唯一の事である。その結果が、原因と全く釣合がとれないのである。

   スティヴンスン=著 緑川傳作(みどりかわ・でんさく)=訳註
   『若い人々のために』 3. 恋することについて
  ★13. 若い人々のために / スティヴンスン[他]. -- 開文社, 1953.9
      -- (英米文学訳註叢書 ; 第34)


(f) 谷島 1951
戀することは、理窟では押されぬ一大事件であって、平凡極まる理屈詰のこの世では全く人力以上のものに思われる。そして、この一大事件の結果は、その原因に比して、とても釣合が取れない。

   スティーヴンスン=著 谷島彦三郎(やじま・ひこさぶろう)=訳
   『若き人々のために』 三 戀することについて
  ★14. 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 春秋社, 1951.12


(g) 寺沢 1951
戀におちるということは、一つの不合理な冒険で、われわれの珍らしくもない、合理的な世の中では、超自然的なものと考えたくなる一つの事柄である。その結果と原因とは、全然釣合が取れていないのだ。

   ロバート・L.スティーヴンソン=著 寺沢芳隆(てらざわ・よしたか)=訳
   『若き人々のために』 3. 戀におちること
  ★15. 若き人々のために / ロバート・L.スティーヴンソン[他].
      -- 岡倉書房, 1951.4 -- (20世紀ライブラリ ; 第3)


(h) 橋本 1948, 1963, etc.
恋におちるということは一つの非論理的な冒険、われわれのありふれた合理的な日常世界では超自然的だと考えたくなるような冒険である。その結果と原因とがまるで釣合いがとれていない。

   R. L. スティーヴンスン=著 橋本福夫(はしもと・ふくお)=訳
   「若き人々のために」
     4. 世界教養選集. 6 / 茅誠司,中野好夫. -- 平凡社, 1975.3
  ★ 5. 世界教養全集. 4. -- 平凡社, 1973
     6. 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 改訂版.
      -- 角川書店, 1968. -- (角川文庫)
     7. 世界の人生論. 第11. -- 角川書店, 1968
    10. 世界教養全集. 第4. -- 平凡社, 1963.3
    16. 若き人々のために / スティーヴンスン[他]. -- 南北書園, 1948
   引用は5.に拠りました。


(i) 岩田 1937, 1955
戀することは平凡で合理的な私達の世界におけるたゞ一つの不合理な事件、私達がそれを奇蹟と考へたくなるたゞ一つのことである。それは結果が全く原因と釣合はない。

   スティーヴンスン=著 岩田良吉(いわた・りょうきち)=訳
   「若い人々のために」 三 戀
    11. 若い人々のために 他十一篇 / スティーヴンスン[他].
      -- 岩波書店, 1955 7刷. -- (岩波文庫)
  ★17. 若い人々のために 其他 / スティーヴンスン[他].
      -- 岩波書店, 1937(昭和12). -- (岩波文庫 ; 1512-1513)
   上の引用箇所を含め、11.と17,の本文はまったく同じ。ただ、表紙・裏表紙・背・
   扉・奥付などの表記に、わずかな違いが見られる。すなわち、17.ではこれらの
   箇所の漢字が旧字であるのに対して、11.では新字に改められている。また、
   表紙・裏表紙・扉・奥付などにおける横書きが、17.では右→左であるのに対して
   11.では左→右に改められている。


(j) 谷島+藤野 1927, 1933
戀することは理窟では押されぬ一大事件であつて、この一大事件が、平凡極まる理屈詰のこの世に於ては全く人力以上のものに思はれる。そしてこの一大事件の結果はその原因に比してとても釣合が取れない。

   スティーブンスン=著
   谷島彦三郎(やじま・ひこさぶろう)+藤野滋(ふじの・しげる)=譯
   『若き人々の爲に』 三 戀することについて
  ★18. 若き人々の爲に / ステイーブンスン[他]. -- 春秋社, 1933(昭和8).
      -- (春秋文庫 ; 第1部 第58)
    19. 若き人々の爲に / スティーヴンスン[他]. -- 再版. -- 春秋社, 1927(昭和2)
   引用は18.に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Enamorarse es la única experiencia ilógica, la única cosa de la que estamos tentados a pensar como sobrenatural en nuestro trillado y razonable mundo. El efecto no guarda ninguna proporción con la causa.

   Del enamorarse
   Juegos de niños y otros ensayos by Robert Louis Stevenson
   E-text at GutenScape.com


■英語原文 The original text in English

Falling in love is the one illogical adventure, the one thing of which we are tempted to think as supernatural, in our trite and reasonable world. The effect is out of all proportion with the cause.

   III. — On Falling in Love
   Virginibus Puerisque by Robert Louis Stevenson
   E-text at:
   * Classic Literature Library
   * Project Gutenberg
   * World Wide School
   * eBooks@Adelaide
   * Read book online
   * Wikisource
   E-text with hypertext meanings and commentaries at:
   * Selfknowledge.com
   Excerpts at:
   * Wikiquote


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「若い人々のために」……守屋 1966
  「若い人々のために」……酒井 1963, 1989, 1999
  「若い人々のために」……吉田 1954
  「若い人々のために」……緑川 1953
  「若い人々のために」……岩田 1937, 1955
  「若き人々のために」……谷島 1951
  「若き人々のために」……寺沢 1951
  「若き人々のために」……橋本 1948, 1963, 1968, 1973, 1975
  「若き人々の爲に」………谷島+藤野 1927, 1933
  「青年男女へ」……………tomoki y. 2009


■外部リンク External links

 [en] English
   * Robert Louis Stevenson - Wikipedia (1850-1894)
   * The Robert Louis Stevenson Web Site by Richard Dury
   * Robert Louis Stevenson -  National Library of Scotland

 [ja] 日本語
   * ロバート・ルイス・スティーヴンソン - Wikipedia (1850-1894)
   * ロバート・ルイス・スティーヴンスン - 翻訳作品集成
   * ロバート・ルイス・スティーヴンソン - 翻訳アンソロジー/雑誌リスト


■「恋におちる」ことについて―アインシュタインはなんと言ったか?
 See also what Albert Einstein said about falling in love.


■更新履歴 Change log

  • 2013/02/18 スペイン語訳を追加しました。
  • 2009/05/06 谷島彦三郎=訳 1951.12 を追加しました。
  • 2009/05/15 寺沢芳隆=訳 1951.4 とTomoki Yamabayashi=部分訳 2009.05.15 を追加しました。また、「恋におちる」ことについて―アインシュタインはなんと言ったか?の項を新設しました。
  • 2009/04/02 酒井善孝=訳の書誌情報を補足しました。

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■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese
(1) スティーヴンスン 若い人々のために

(2) スティーヴンソン 若い人々のために

(3) 若き人々のために

(4) 若き人々の為に

  

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Sunday, 29 March 2009

Youth by Joseph Conrad (2) コンラッド 「青春」「靑春」 (2)

■著者の肖像写真 Portraits of the author

Top Photograph: Corbis. Image reproduced from guardian.co.uk (2007-12-05).
Middle Photograph: Hulton Getty. Image reproduced from guardian.co.uk (2007-12-04).
Bottom Photograph: Alvin Langdon Coburn/Getty. Image reproduced from guardian.co.uk (2007-12-01).

Joseph_conrad_corbis_3

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■Youth の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books that contain a Japanese translation of Youth

★=下に訳文の抜粋を掲載したもの。☆=追って掲載する予定のもの。

    1. 橋口 新・ちくま文学の森. 12 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.8
    2. 矢本 青春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1990.10 ( 岩波文庫 )
★ 3. 土岐 コンラッド中短篇小説集. 2. -- 人文書院, 1983.4
    4. 土岐 世界文学全集. 61. -- 集英社, 1981.4
★ 5. 鏡味 青春・無政府主義者 / ジョゼフ・コンラッド[他]. -- 文化書房博文社, 1976
    6. 橋口 筑摩世界文学大系. 50. -- 筑摩書房, 1975
★ 7. 前川 世界青春文学館. 7 / 立風書房編集部. -- 立風書房, 1973.10
★ 8. 田中 世界文学全集. 第43. -- 新潮社,  1971.6
☆ 9. 篠田 世界文学全集. 第42 / 綜合社. -- 集英社, 1970
★10. 橋口 世界文学大系. 第86. -- 筑摩書房, 1967
☆11. 宮西 青春 / コンラッド[他]. -- 角川書店, 1965. -- (角川文庫)
   12. 前川 世界青春文学名作選. 第11-15 / 学習研究社出版局.
         -- 学習研究社, 1964. -- (ガッケン・ブックス)
   13. 田中 世界文学全集. 第45. -- 新潮社, 1964
☆14. 林原/岡本/小倉(?) 対訳コンラッド: 青春・潟 -- 南雲堂, 1957.
         -- (現代作家シリーズ)
   15. 田中 青春 / コンラッド[他]. -- 新潮社, 1951. -- (新潮文庫 ; 第207)
★16. 矢本 靑春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1940.2 ( 岩波文庫 )
★17. 宮島 世界文学全集. 第29巻. -- 新潮社, 1929
   18. 宮島 世界短篇小説大系. 英吉利篇 下 / 近代社. -- 近代社, 1925
   19. 宮島 英米十六文豪集. -- 世界短篇傑作叢書. 2. -- 新潮社出版. 1920


■はじめに Introduction

小説末尾の最終パラグラフ。


■日本語訳 Translations into Japanese

(a) 土岐 1981, 1983
 そこでみんなは彼に相槌を打った。社長も、会計士も、弁護士も、みんなテーブルごしに相槌を打った――みんなの皺の寄った顔を、苦労や惑い、成功や愛の印を刻まれた顔を、人生からいまもなお、つねに変わらず、しきりになにものかを求めている目を、まるで茶色い静かな海原のように映しだしている、よく磨かれたテーブルごしに。そして、そう、そのなにものかは、まだあると思っているうちにもうなくなってしまう――ひと息つく間に、またたく間に、ひっそりと過ぎ去ってしまうものなのだ――青春や、力や、幻影にみちた夢物語やとともどもに。

   J・コンラッド=著 土岐恒二(とき・こうじ)=訳「青春」
  ★ 3. 土岐 コンラッド中短篇小説集. 2. -- 人文書院, 1983.4
    4. 土岐 世界文学全集. 61. -- 集英社, 1981.4
   3.は4.を改訳したもの。引用は3.に拠りました。


(b) 鏡味 1976
 そこで、わたしたちは皆、マーロウに相槌をうった。社長も、計理士も、弁護士も、わたしたち一同は、わたしたちの皺だらけの顔、苦労と、惑いと、成功と、愛のしるしがきざまれた顔の映っている、静かな、茶色の海原のように光沢のあるテーブルごしに彼にに相槌をうった。テーブルには今なお、つねに変らず、熱心に何ものかを追い求めているわたしたちの疲れた目も映っていた。その何ものかは、まだあると期待しているうちに消え失せてしまうもの――ひと息つく間に、またたく間に――青春とともに、活力や、幻想に満ちたロマンスとともに目に見えずうつろい消えゆくものなのだ。

   ジョゼフ・コンラッド=著 鏡味国彦(かがみ・くにひこ)=訳「青春」
  ★ 5. 鏡味 青春・無政府主義者 / ジョゼフ・コンラッド[他].
           -- 文化書房博文社, 1976


(c) 篠田 1970
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

  ☆ 9. 篠田 世界文学全集. 第42 / 綜合社. -- 集英社, 1970


(d) 橋口 1967, 1975, etc.
 私たちは、みんなうなずいた。しわの寄った私たちの顔を動かぬ褐色の海のようにうつしている磨かれたテーブルごしに、実業家も、計理士も、弁護士も、みんなうなずいた。私たちの顔には、苦労と裏切りと成功と愛のあとが刻まれている。待っているうちに消えてしまっているもの、溜め息ひとつ吐くあいだに、またたく間に、姿も見せずに行ってしまうもの、青春といっしょに、力と、幻想のロマンスといっしょに、消えてしまうもの――それを私たちの疲れた眼は、今なお、休むことなく、倦むことなく、人生に探しもとめている。

    1. 橋口 新・ちくま文学の森. 12 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.8
    6. 橋口 筑摩世界文学大系. 50. -- 筑摩書房, 1975
  ★10. 橋口 世界文学大系. 第86. -- 筑摩書房, 1967
   引用は10.に拠りました。


(e) 宮西 1965
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

  ☆11. 宮西 青春 / コンラッド[他]. -- 角川書店, 1965. -- (角川文庫)


(f) 前川 1964, 1973
 そして、われわれはみんな、彼の言うことにうなずいた。会社に勤める男も、会計士も、弁護士も、われわれはみんな、つややかなテーブルごしに、彼にむかってうなずいた。静まり返った褐色の海のようなテーブルに、大小のしわを刻(きざ)んだわれわれの顔が、苦労やごまかしや、成功や恋の烙印(らくいん)を残したままで映(うつ)ってい た。われわれの疲れた目は、いまも、相も変わらず、求めるとみるまに早くも消えてしまい、青春の力や、まぼろしのロマンスとともに、息つく暇もない一瞬に姿を消してしまった人生のなにものかを、必死になってさがし求めているのであった。

   コンラッド=著 前川祐一=訳「青春」
  ★ 7. 前川 世界青春文学館. 7 / 立風書房編集部. -- 立風書房, 1973.10
    12. 前川 世界青春文学名作選. 第11-15 / 学習研究社出版局.
           -- 学習研究社, 1964. -- (ガッケン・ブックス)


(g) 林原/岡本/小倉(?) 1957
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   林原耕三, 岡本謙次郎, 小倉多加志=訳註
  ☆14. 林原/岡本/小倉(?) 対訳コンラッド: 青春・潟. -- 南雲堂, 1957.
           -- (現代作家シリーズ)


(h) 田中 1951, 1964, etc.
 そこで私たちはみな彼に向かってうなずいた。銀行家も、会計士も、弁護士も、私たち一同、静かな一枚の茶色の海のような光沢のあるテーブルごしに、彼にむかってうなずいた。そのテーブルの上に、私たちの皺(しわ)の寄った顔が映っていた。労苦と、ごまかしと、成功と、恋との極印をのこした顔が映っていた。待っているうちに消えてしまうもの――息つく暇に、またたく間に、青春や、活力や、ロマンスのまぼろしやといっしょに、うつろい消えてしまうもの――そうしたあるものを、いまもなお、つねに変わりなく、熱心に人生から得ようと求めている私たちの疲れた目が、そこに映っていた。

   コンラッド=著 田中西二郎=訳「青春」
  ★ 8. 田中 世界文学全集. 第43. -- 新潮社,  1971.6
    14. 田中 世界文学全集. 第45. -- 新潮社, 1964
    15. 田中 青春 / コンラッド[他]. -- 新潮社, 1951. -- (新潮文庫 ; 第207)
   引用は8.に拠りました。


(i) 矢本 1940, 1990
 我々は皆マアロウの言ふことに點頭いた。重役も計理士も辯護士も皆、深い皺の寄つた銘々の顏を靜かな褐色の水面のやうに映してゐるテーブル越しに、マアロウの言ふことに點頭いた。テーブルに映つた我々の顏には苦勞の印が刻まれ、人生の夢に欺かれたり、手柄をたてたり、戀をしたりした痕が殘つて居り、我々の疲れた眼は、もう來るかと待つてゐる間に行つて了ふ――息をつく隙に忽ち人知れず過ぎ去つて了ふ――靑春や力やロマンチックな幻と共に過ぎ去つて了ふものをこの人生から求めようと、今でも相變らず熱心に待ち望んでゐるやうに見えるのであつた。

   コンラッド=作 谷本貞幹=訳「青春」
    2. 矢本 青春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1990.10 ( 岩波文庫 )
  ★16. 矢本 靑春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1940.2 ( 岩波文庫 )
   引用は16.に拠りました。


(j) 宮島 1920, 1925, etc.
 自分達はマアロウに向つて點頭(うなづ)いた。財政家も、會計掛も、辯護士も、みんなテーブル越しにマアロウに向つて點頭(うなづ)いた。磨(みが)きのかゝつたテーブルは、褐色の靜かな水面のやうに、皺だらけになつた自分達の顏を映(うつ)してゐた。苦勞と魅惑と成功と戀を語つてゐる自分達の顏を映(うつ)してゐた。自分達が待つてゐる中にもう消えてしまふやうな ――息つく暇に、瞬(またゝ)く間(ひま)に、靑春や元氣や、ロマンチックな幻影と共に人目にかゝらず消えてしまふやうなある物を今も猶、始終、頻りに人生から求めてゐる、疲れ果てた自分達の眼を映(うつ)してゐた。

   ジョオゼフ・コンラッド=作 宮島新三郎=譯「靑春」
  ★17. 宮島 世界文学全集. 第29巻. -- 新潮社, 1929
    18. 宮島 世界短篇小説大系. 英吉利篇下 / 近代社. -- 近代社, 1925
    19. 宮島 英米十六文豪集. -- 世界短篇傑作叢書. 2. -- 新潮社出版. 1920
   引用は17.に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

И  все  мы кивнули  ему  --  финансист, бухгалтер,  адвокат, --  все мы кивнули  ему  через  стол, который, словно  неподвижная полоса  темной воды, отражал наши лица, изборожденные морщинами,  лица, отмеченные печатью труда, разочарований,  успеха,  любви;  отражал  наши  усталые  глаза;  они  глядят пристально, они  глядят тревожно, они  всматриваются во  что-то за пределами жизни  --  в то,  что прошло, и чего  все еще ждешь, -- прошло невидимое, во вздохе, вспышке -- вместе с юностью, силой, романтикой грез...

   Джозеф Конрад. Юность
   Translated by А.В. Кривцова
   Джозеф  Конрад  Избранное,  т.1. М.,  1959,
   Государственное издательство художественной литературы, С.51-86.
   E-text at Lib.Ru


■英語原文 The original text in English

And we all nodded at him: the man of finance, the man of accounts, the man of law, we all nodded at him over the polished table that like a still sheet of brown water reflected our faces, lined, wrinkled; our faces marked by toil, by deceptions, by success, by love; our weary eyes looking still, looking always, looking anxiously for something out of life, that while it is expected is already gone--has passed unseen, in a sigh, in a flash--together with the youth, with the strength, with the romance of illusions.

   Youth (1898) by Joseph Conrad.
   E-text at:
   * Project Gutenberg
   * Electronic Text Center, University of Virginia Library
   Internet Archive
   * Youth, a narrative; and two other stories (1923)
   * Youth : and two other stories (1914)
   * Youth : and two other stories (1903)
   Audiobook at:
   * LibriVox


■外部リンク External links

   * Joseph Conrad - Wikipedia (1857-1924)
   * ジョゼフ・コンラッド - Wikipedia (1857-1924)
   * ジョゼフ・コンラッド - 翻訳作品集成
   * ジョゼフ・コンラッド - 翻訳アンソロジー/雑誌リスト
   * 英吉利近代傑作集 - Index to Anthologies
   * 英米十六文豪集 - Index to Anthologies


■更新履歴 Change log

2012/07/07 ロシア語訳を追加しました。
2009/05/09 前川祐一=訳 1973.10 を追加しました。
2009/04/09 田中西二郎=訳 1971.6 を追加しました。


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Saturday, 28 March 2009

Youth by Joseph Conrad (1) コンラッド 「青春」「靑春」 (1)

■はじめに Introduction

コンラッドの小説 『青春』。その冒頭の第一パラグラフを下に引用します。


 Video 
コンラッドの生涯 Joseph Conrad biography

Uploaded to YouTube by David Noller on 27 Mar 2009.


 Images 
肖像写真と表紙画像 A portrait and a cover photo

クリックして拡大 Click to enlarge

a. Joseph_conrad_portraits_5_2 b. John_stape_the_several_lives_of_j_2

  • Photograph by Alvin Landon Coburn (from March 1916). This is one of several portraits included, along with other photos, in John Stape's biography of the author Joseph Conrad. Image reproduced from The Seattle Times (2008-03-14).
  • The Several Lives of Joseph Conrad by John Stape (Pantheon, 2008-03-11).

■Youth の日本語訳を収録した本の一覧
 List of books that contain a Japanese translation of Youth

★=下に訳文の抜粋を掲載したもの。☆=追って掲載する予定のもの。

    1. 橋口 新・ちくま文学の森. 12 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.8
    2. 矢本 青春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1990.10 ( 岩波文庫 )
★ 3. 土岐 コンラッド中短篇小説集. 2. -- 人文書院, 1983.4
    4. 土岐 世界文学全集. 61. -- 集英社, 1981.4
★ 5. 鏡味 青春・無政府主義者 / ジョゼフ・コンラッド[他]. -- 文化書房博文社, 1976
    6. 橋口 筑摩世界文学大系. 50. -- 筑摩書房, 1975
★ 7. 前川 世界青春文学館. 7 / 立風書房編集部. -- 立風書房, 1973.10
★ 8. 田中 世界文学全集. 第43. -- 新潮社,  1971.6
☆ 9. 篠田 世界文学全集. 第42 / 綜合社. -- 集英社, 1970
   10. 橋口 世界文学大系. 第73. -- 筑摩書房, 1969.9
★11. 橋口 世界文学大系. 第86. -- 筑摩書房, 1967
☆12. 宮西 青春 / コンラッド[他]. -- 角川書店, 1965. -- (角川文庫)
   13. 前川 世界青春文学名作選. 第11-15 / 学習研究社出版局.
         -- 学習研究社, 1964. -- (ガッケン・ブックス)
   14. 田中 世界文学全集. 第45. -- 新潮社, 1964
☆15. 林原/岡本/小倉(?) 対訳コンラッド: 青春・潟 -- 南雲堂, 1957.
         -- (現代作家シリーズ)
   16. 田中 青春 / コンラッド[他]. -- 新潮社, 1951. -- (新潮文庫 ; 第207)
★17. 矢本 靑春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1940.2 ( 岩波文庫 )
★18. 宮島 世界文学全集. 第29巻. -- 新潮社, 1929
   19. 宮島 世界短篇小説大系. 英吉利篇 下 / 近代社. -- 近代社, 1925.7
   20. 宮島 英米十六文豪集. -- 世界短篇傑作叢書. 2. -- 新潮社出版. 1920


■日本語訳 Translations into Japanese

(a) 土岐 1981, 1983
 こんなことは、イギリスのように男たちと海とがいわば相互に浸透しあっている国――海がたいていの男の生活にはいりこんでいるいっぽう、男たちは海について、遊びや旅行、あるいは口すぎの仕事で、多少とも、あるいはなんでも知っているような国――そんな国ならでは起こりえなかったことであろう。

   J・コンラッド=著 土岐恒二(とき・こうじ)=訳「青春」
  ★ 3. 土岐 コンラッド中短篇小説集. 2. -- 人文書院, 1983.4
    4. 土岐 世界文学全集. 61. -- 集英社, 1981.4
   3.は4.を改訳したもの。引用は3.に拠りました。


(b) 鏡味 1976
 こんなことは、言わば、人間と海とが浸透し合っているイギリス以外では起りそうもないことだったろう。この国では海がたいていの人々の生活に入り込んでおり、人々は娯楽としてか、旅行でか、あるいは生計をたてる道としてか、海の幾分か、あるいはすべてを知っている。

   ジョゼフ・コンラッド=著 鏡味国彦(かがみ・くにひこ)=訳「青春」
  ★ 5. 鏡味 青春・無政府主義者 / ジョゼフ・コンラッド[他].
           -- 文化書房博文社, 1976


(c) 篠田 1970
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   コンラッド=著 篠田一士(しのだ・はじめ)=訳 「青春」
  ☆ 9. 篠田 世界文学全集. 第42 / 綜合社. -- 集英社, 1970


(d) 橋口 1967, 1969, etc.
 イギリスでは、人間と海がいわば浸透しあっている。つまり、海がたいていの人の生活にはいりこんでおり、人々は海について、遊びによってか、旅によってか、あるいは生計の手段とすることによって、何かを、あるいはすべてを知っている。そういうイギリスでなくては、まずこれは見られない光景であったろう。

   コンラッド=著 橋口稔(はしぐち・みのる)=訳「青春」
    1. 橋口 新・ちくま文学の森. 12 / 鶴見俊輔. -- 筑摩書房, 1995.8
    6. 橋口 筑摩世界文学大系. 50. -- 筑摩書房, 1975
    10. 橋口 世界文学大系. 第73. -- 筑摩書房, 1969.9
  ★11. 橋口 世界文学大系. 第86. -- 筑摩書房, 1967
   引用は11.に拠りました。


(e) 宮西 1965
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   コンラッド=著 宮西豊逸(みやにし・ほういつ)=訳「青春」
  ☆12. 宮西 青春 / コンラッド[他]. -- 角川書店, 1965. -- (角川文庫)


(f) 前川 1964, 1973
 イギリスのように、人間と海とが、いわばお互いに入りくんで、海がほとんどの人間の生活にはいりこみ、人間も、娯楽や旅行や家業をとおして、海のことを多少とも、あるいはなにからなにまで承知している、そういう土地でなければ、こんなことは起こらなかったであろう。

   コンラッド=著 前川祐一(まえかわ・ゆういち)=訳「青春」
  ★ 7. 前川 世界青春文学館. 7 / 立風書房編集部. -- 立風書房, 1973.10
    13. 前川 世界青春文学名作選. 第11-15 / 学習研究社出版局.
           -- 学習研究社, 1964. -- (ガッケン・ブックス)


(g) 林原/岡本/小倉(?) 1957
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   林原耕三, 岡本謙次郎, 小倉多加志=訳註
  ☆15. 林原/岡本/小倉(?) 対訳コンラッド: 青春・潟. -- 南雲堂, 1957.
           -- (現代作家シリーズ)


(h) 田中 1951, 1964, etc.
 イギリスのように、いわば人間と海とが、たがいに隅々(すみずみ)まで浸(し)みこんでいる国――海が大多数の人間の生活のなかに入りこんでいて、人間のほうも、娯楽でか、旅行でか、それとも生計の道としてか、海について多少とも、あるいはなにからなにまで、知っている――そういう国でないと、こんな景色は、まあ見られないだろう。

   コンラッド=著 田中西二郎(たなか・せいじろう)=訳「青春」
  ★ 8. 田中 世界文学全集. 第43. -- 新潮社,  1971.6
    14. 田中 世界文学全集. 第45. -- 新潮社, 1964
    15. 田中 青春 / コンラッド[他]. -- 新潮社, 1951. -- (新潮文庫 ; 第207)
   引用は8.に拠りました。


(i) 矢本 1940, 1990
 かういふ事件は、海が大抵の人々の生活に入り込み、人々は遊樂とか旅行とか稼業とかのために、海に就いては、多かれ少なかれ、それぞれ知識を持つてゐる――言はば、海と人間とが互ひに入り組み合つてゐるイギリスでなければ、何處にも起らなかつたであらう。

   コンラッド=作 谷本貞幹=訳「青春」
    2. 矢本 青春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1990.10 ( 岩波文庫 )
  ★17. 矢本 靑春 : 他一篇 / コンラッド∥作 / 岩波書店 , 1940.2 ( 岩波文庫 )
   引用は17.に拠りました。


(j) 宮島 1920, 1925, etc.
 こんなことは、人間と海とが、いはゞ寄木(よせき)細工のやうになつてゐる英國――海が大抵の人間の生活に浸(し)み込んでゐて、多くの人が、娯樂とか、旅行とか、稼業とかのお蔭で多少とも海の知識を持つてゐるこの英國を除いては、何處にもありはしなかつた。

   ジョオゼフ・コンラッド=作 宮島新三郎(みやじま・しんざぶろう)=譯「靑春」
  ★18. 宮島 世界文学全集. 第29巻. -- 新潮社, 1929
    19. 宮島 世界短篇小説大系. 英吉利篇 下 / 近代社. -- 近代社, 1925.7
    20. 宮島 英米十六文豪集. -- 世界短篇傑作叢書. 2. -- 新潮社出版. 1920
   引用は18.に拠りました。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Это могло случиться только в Англии, где люди и море  -- если можно так выразиться  -- соприкасаются: море вторгается  в  жизнь большинства людей, а люди   познают  о  море  кое-что  или   все,  развлекаясь,  путешествуя  или зарабатывая себе на кусок хлеба.

  • Джозеф Конрад. Юность. Translated by А.В. Кривцова Джозеф  Конрад  Избранное,  т.1. М.,  1959, Государственное издательство художественной литературы, С.51-86.
  • E-text at Lib.Ru

 Audio 
英語原文オーディオブック 朗読: グレッグ・ワグランド
Audiobook in English read by Greg Wagland

Uploaded to YouTube by MagpieAudio on 17 Oct 2014.


■英語原文 The original text in English

This could have occurred nowhere but in England, where men and sea interpenetrate, so to speak--the sea entering into the life of most men, and the men knowing something or everything about the sea, in the way of amusement, of travel, or of bread-winning.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2012/07/07 ロシア語訳を追加しました。
  • 2009/05/08 前川祐一=訳 1973.10 を追加しました。
  • 2009/04/26 橋口稔=訳 の書誌情報を補足しました。
  • 2009/04/09 田中西二郎=訳 1971.6 を追加しました。

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Gone Wrong by P.G. Wodehouse P・G・ウッドハウス「堕落」「身の程知らずもほどほどに」

■はじめに Introduction

ビバリーヒルズですっかりスポイルされてしまった犬についての短いお話。語り手は犬。その名はスティッフィーもしくはスティフィ。聞き手は人間。オレもしくは私。


■表紙画像 Cover photos

Left犬と作家の素敵な24の物語』 バベルプレス (2006)
Centre犬のいい話―ヤツラのいない生活なんて』 心交社 (1992)
Right Best Dog Stories. Outlet (1991)

↓ Click to enlarge ↓

Inu_to__sakka_no_24_no_monogatari  Inu_no_ii_hanashi  Omara_best_dog_stories

■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 山岡 2007
「そうさ、クラリーと一緒に映画に出ているんだ」
「クラリー?」
「クララ・スヴェルトさ。なかなかいい娘(こ)だぜ。彼女以上の相手役はいないだろうな。あのガルボっていう娘が評判ほどでなかったら、次回作でもクラリーと組まない理由はないんだがね。ガルボが使えるかどうか、目下観察中さ。あのスウェーデン語なまりはちょっといただけないが、それでもオレは使えると思うね。さて、相棒、そろそろ時間だろう? しゃべりすぎはのどに良くないんでね。それにもうすぐ使いの車が来て、スタジオまで送ってもうらんだ。それじゃあ、会えて楽しかったぜ」

   P.G.ウッドハウス=著 山岡由美子=訳 「堕落」
   アナトール・フランス〔ほか〕=著 岡本千晶=監訳 石家佳代子〔ほか〕=訳
   『犬と作家の素敵な24の物語』 バベルプレス 2007.1 所収

   この本の内容詳細はつぎの各サイト:
   * e翻訳堂
   * 羽島市立図書館
   * 翻訳アンソロジー/雑誌リスト


(2) 芦 1992
 「ああ。クラリーと映画を撮ってる」
 「ク、クラリー?」
 「クララ・スヴェルト。可愛い子ちゃんだぜ。いいよ、あの娘は。次の作品でもつかおうと思ってる……例のグレタ・ガルボとかって娘が評判ほどでなかったら、の話だけどね。今度グレタと一本撮ろうかと思ってね、目下検討中。スウェーデン語なまりの英語はいただけないけど、まあ、なんとかいけるだろう。さてと、そろそろ失礼するよ。のどを休ませてやらないと。それに、おっつけ迎えの車もくるんだ。いや、君に会えて楽しかったよ」

   P・G・ウッドハウス=著 芦真璃子=訳 「身の程知らずもほどほどに」
   レスリー・オマラ=編 堀たほ子〔ほか〕=訳
   『犬のいい話―ヤツラのいない生活なんて』 心交社 1992.10 所収

   この本の内容詳細はつぎの各サイト:
   * 翻訳アンソロジー/雑誌リスト
   * 日の出町立図書館

   原書:
   Best Dog Stories
   Introduction by Gerald Durrell ; edited by Lesley O'Mara.
   Wing Books, New York 1991.


■英語原文 The original text in English

  'Yes,' he said. 'Doing a picture with Clarry.'
  'Clarry?'
  'Clara Svelte. A nice little thing. I could wish no better support. I see no reason why I should not use her in my next, unless this girl Garbo is as good as they say. I am having Greta watched closely, with a view to taking her on. That Swedish accent is a bit of a drawback, of course, but I could carry her. And now, my dear fellow,' said Stiffy, T know you will excuse me. I have to save my voice. And my man will be along in a moment wih the car to take me to the lot. So glad to have seen you.'

   Gone Wrong by P.G. Wodehouse
   in Best Dog Stories
   Introduction by Gerald Durrell ; edited by Lesley O'Mara.
   * ISBN: 1854790811. London : O’Mara, 1990-09-20.
   * ISBN: 0517064987.
    New York : Wings Books, Distributed by Outlet Book Co., 1991-08-27.
   * ISBN: 0330317350, Pan Books, 1991-11-08.

   More details at:
   * Internet Book List
   * Great River Regional Library
   * Missouri River Regional Library


■外部リンク External links

 [en] English
   * P. G. Wodehouse - Wikipedia (1881-1975)
   * P. G. Wodehouse - Every Author

 [ja] 日本語
   * 「身の程知らずもほどほどに(Gone Wrong)」(1932)
     - 文芸誌ムセイオン P・G・ウッドハウスを読む
   * ウッドハウス邦訳書誌


■更新履歴 Change log

2010/11/20 英語原文のテキストを挿入しました。


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(1) Dog stories

(2) P.G. Wodehouse

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Wednesday, 25 March 2009

Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain by Maryanne Wolf メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?』

■表紙画像 Cover photos

a. プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
著者:メアリアン・ウルフ
ハードカバー
出版社:インターシフト
発売日:2008-10-15
ISBN-10 : 4772695133

b. Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain
著者: Maryanne Wolf
ペーパーバック
出版社:Icon Books Ltd
発売日:2008-11-06
ISBN-10 : 1848310307

c. The Psychology and Pedagogy of Reading - Special Edition
著者: Edmund Burke Huey
Available from the International Reading Association (IRA).
発売日:2009
ISBN-13 : 978-0-87207-696-9
Table of contents is here.

This book by Sir Edmund Huey was originally published in 1908 by MacMillan, and reprinted in 1968 by MIT Press. For other editions, click here.
上のサー・エドモンド・ヒュ-イの著書は読字/読書に関わる古典的研究。メアリアン・ウルフは『プルーストとイカ』の「はじめに」など多くの場所でヒューイを引用している。

↓ Click to enlarge ↓

a. Puruusuto_to_ika b. Maryanne_wolf_proust_and_the_squid c. Edmund_huey_psychology_pedagogy_rea

■はじめに Introduction

字を読む。言葉を読む。本を読む。

「読む」という行為は、特殊で複雑で美しい。およそ自明というには程遠いプロセスだ――と、メアリアン・ウルフは言う。彼女は米国の大学で小児発達学・認知神経科学を教え、ディスレクシア(読字障害)の研究を専門とする。彼女の2人の子供のうち1人はこの症状を有する。

ウルフは、読むという、この奥深く創造的な行為を、脳との関わりにおいて解き明かしてゆく。


■日本語訳 Translation into Japanese

私の人生は言葉とともにある。脳の入り組んだ溝に潜んでいる言葉を探し出し、その幾重にも重なった意味と形状を研究し、言葉の秘密を子どもたちに教える日々である。
   ――はじめに

文字を読む脳の発達と進化のこの二つの次元、つまり、個人的・知的次元と生物学的次元が併せて語られることはまれだが、そうすることで発見できるきわめて重要で素晴らしい手本がある。本書では、読字のまったく異なる二つの側面を説明するため、メタファーとしては有名なフランスの作家マルセル・プルーストを、また、研究例としては非常に過小評価されているイカを取り上げてみる。プルーストは読書を、人間が本来ならば遭遇することも理解することもなく終わってしまう幾千もの現実に触れることのできる、一種の知的〝聖域〟と考えていた。これらの初めて触れた現実は、どれも読者がアームチェアにくつろいだままで、その知的生活を一変させる力を秘めているというのである。
   ――第1章 プルーストとイカに学ぶ

   メアリアン・ウルフ=著 小松淳子(こまつ・じゅんこ)=訳
   『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
   インターシフト 2008-10-15


■英語原文 The original text in English

I have lived my life in the service of words: finding where they hide in the convoluted recesses of the brain, studying their layers of meaning and form, and teaching their secrets to the young.
   -- Preface

These two dimensions of the reading brain's development and evolution—the personal-intellectual and the biological—are rarely described together, but there are critical and wonderful lessons to be discovered in doing just that. In this book I use the celebrated French novelist Marcel Proust as metaphor and the largely underappreciated squid as analogy for two very different aspects of reading. Proust saw reading as a kind of intellectual "sanctuary," where human beings have access to thousands of different realities they might never encounter or understand otherwise. Each of these new realities is capable of transforming readers' intellectual lives without ever requiring them to leave the comfort of their armchairs.
   -- Chapter One: Reading Lessons From Proust and the Squid

   Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain
   by Maryanne Wolf
   New York : HarperCollins, 2007

   Excerpt at:
   * Barnes & Noble
   * HarperCollins
   * Amazon.co.jp
   * Keenzo.com

   Audiobook excerpt of Preface
   * HighBridge Audio (in MP3 format)
   * Wisconsin Public Library Consortium (in WMA format)
   * Daniel Boone Regional Library (WMA)
   * State Library of Kansas (WMA)


■外部リンク External links

 [en] English
   * Proust and the Squid.com
   * Maryanne Wolf - Faculty Profiles Tufts University
   * Proust and the Squid - LibraryThing
   * Is Google Making Us Stupid? by Nicholas Carr
      An article in July/August 2008 issue of The Atlantic magazine.
      Technology writer Nicholas G. Carr is highly critical of the
      Internet's effect on cognition. Carr cites Maryanne Wolf in
      this article.

 [ja] 日本語
   * プルーストとイカ - インターシフト
      出版社による、この本の詳しい紹介。立ち読み (PDF) もできる。
      識者や主要メディア各社による多数の書評へのリンクも張られている。


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Monday, 16 March 2009

The Friends of the Friends (original title: The Way It Came) by Henry James ヘンリー・ジェイムズ/ヘンリイ・ジェームス「友だちの友だち」(初出時の題:「顛末」または「いかに来たか」)

■はじめに Introduction

下に引用するのは、作家ヘンリー・ジェイムズが1896年に発表した短篇小説の冒頭部分。このうえなく、くだくだしい書き出しだ。小説の初出時の題は、「顛末」ないし「いかに来たか」と訳されるものだった。のちの版に収録されるとき、「友だちの友だち」と改題された。


■ヘンリー・ジェイムズ Henry James

ヘンリー・ジェイムズ (1843-1916)は、ニューヨーク生まれ。パリ、ロンドン、ジュネーブ、ローマでコスモポリタンな教育を受け、1862年ごろハーヴァードで法律を学び始めた。その後また渡欧し、以後ずっとヨーロッパにとどまった。1915年、米国の市民権を放棄しイギリスに帰化し、翌年ロンドンで死んだ。偉大な心理学者・哲学者ウィリアムの弟でもある。


 Image gallery 1 
ヘンリー・ジェイムズ―ブロンズ像・肖像画・肖像写真
Henry James: A sculpture, a drawing, a painting and photographs

  • Henry James, a sculpture by Michael de Lisio, 1969, Bronze cast, edition 5, from Art and Literature: Three Exhibitions--Artists and Writers: Sculpture by Michael de Lisio; The Boydell Shakespeare Gallery; Irish Delftware, June 23 to September 20, 1998. Image source: The McMullen Museum of Art at Boston College
  • Henry James by F. Hilaire D'Arcis. Platinum print, 1913. 198 mm x 156 mm. Image source: National Portrait Gallery, London.
  • Henry James by F. Hilaire D'Arcis. Platinum print, 1913. 187 mm x 138 mm. Image source: National Portrait Gallery, London.
  • Portrait of Henry James, charcoal drawing by John Singer Sargent, 1912. Image source: Wikipedia
  • Henry James by Alvin Langdon Coburn. Photogravure, 12 June 1906. Image source: National Portrait Gallery, London.
  • Henry James wearing a top hat, 1900s. Photograph by Pictorial Parade/Getty Images. Reproduced from Jamd.
  • Henry James by Elliott & Fry. Albumen cabinet card, November 1884. 143 mm x 103 mm.  Image source: National Portrait Gallery, London.
  • Photograph of Henry James in 1890. Image source: Wikipedia. Taken from the frontispiece of Short Story Classics (American) Volume Three, edited by William Patten, copyright 1905, printed by P.F. Collier & Son. Photographer unknown. Scanned by English Wikipedian, MakeRocketGoNow. Original upload date: 2005-10-27
  • The line drawing of Henry James from the article "Henry James, Jr." by William Dean Howells in the November, 1882 edition of Century Magazine. Image source: Casey Abell's Modest Little Home Page
↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. A_henry_james_bronze_cast b. B_henry_james_mw57222 c. C_henry_james_mw57238

d. D_portrait_of_henry_james_1913 e. E_henry_james_mw14863 f. F_henry_james

g. G_henry_james_mw80534 h. H_451pxhenryjamesphotograph i. I_henry_james_drawing_century_magaz


 Image gallery 2 
画家サージェント John Singer Sargent

Portrait of Henry James by John Singer Sargent. Oil on canvas, 1913.

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. 1_henry_james_jss_gallery b. 2_henry_james_npg_london c. 3_henry_james_by_jss_cornell

上の3枚は、いずれも同じ油彩画を撮影したもの。画家 ジョン・シンガー・サージェント (1856-1925) が描いたヘンリー・ジェイムズの肖像。サージェントはジェイムズと同様、アメリカ人なのにヨーロッパ暮らしが長かった。フィレンツェで生まれ、パリで美術を学んだ。アメリカ国籍を保ち、たびたび母国で仕事もしたが、おもにロンドンやパリで暮らした。ジェイムズと同じくロンドンで没した。

3枚のうち、どの画像が原画の明度や色調をもっとも忠実に再現しているのか? ロンドンの National Portrait Gallery を訪れたら、たぶん確かめられるだろう。トラファルガー広場に面した ナショナル・ギャラリーの北隣 に、その陰に隠れるように立っている。


■ナショナル・ポートレート・ギャラリーの日本語名称と中国語名称
 The Japanese and Chinese names for the National Portrait Gallery

National Portrait Gallery (NPG) の日本語での呼び方にはバラツキが見られる。

  • 国立肖像画美術館
  • 国立肖像美術館
  • 国立肖像画館
  • 国立ポートレートギャラリー
  • ナショナル・ポートレート・ギャラリー

このうち、いちばんよく使われるのは a. 「国立肖像画美術館」だろう。辞書(例: 研究社『リーダーズ英和辞典』)や、ニュース記事(例: 「シェークスピアの生前唯一の肖像画、ロンドンで初公開」(AFP, 2009-03-10) で見かける。

b. のように、「肖像画」美術館の「画」を省いて「肖像」美術館とする例もある。収蔵品が絵画だけでなく写真も多数含むせいだろうか。また、c. のように「美術館」の「美術」を省いて「館」と呼ぶ例もある。これは英語名の Gallery を Museum と訳し分ける意図によるものか。

NPGの公式サイトを見ると、日本語版ページは2009年3月時点では d. 「国立ポートレートギャラリー」だった。ところが、2013年4月現在は e. 「ナショナル・ポートレート・ギャラリー」とすべてカタカナ書きだ。

中国語名称はどうか。北京語版(簡体字)は、2009年3月時点では「国立肖像美术馆」だったが、2013年4月現在は「国家肖像画廊」となっている。広東語版(繁體字)は、2009年3月時点では「國立肖像美術館」だったのが、2013年4月現在は「國家肖像藝廊」と修正されている。ちなみにウィキペディアでは2013年4月現在、簡体字版が「国家肖像馆」、繁體字版が「國家肖像館」となっている。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 林 1983, 1989, etc.
 君が予言した通りぼくは興味深い多くの事を発見した。だがあの微妙な問題――出版の可能性という問題を解決してくれるような点はあまり見つからなかった。彼女の日記はぼくが思ったほど整然としたものではない。彼女はただ記録し物語るというめでたい習慣を持っていただけだ。要約し、たくわえている。実際彼女は面白い話が羽ばたいて飛び去ろうとするところを捕えずにやり過してしまうことなどめったになかったように思われる。勿論ぼくは聞き書きの話よりも彼女が見て感じた話のことを主に言っているのだ。彼女は時に自分の事を、時に他人の事を、時に両方の事を書いている。その筆が通常もっとも生き生きとしているのはこの最後の場合なのだ。だが君には分ってもらえるだろうが、彼女の筆がもっとも生き生きしている部分が常にもっとも出版に向いた部分ではないのだ。実を言うと彼女の日記は恐ろしく慎重さを欠いている、と言おうか少なくと もこの ぼくが 恐ろしく慎重さを欠いていると言われるようになるあらゆる材料を含んでいるのだ。一つの例として君が便利なようにいくつかの短い章に分けてお送りするこの断章を取ってみてくれ給え。

   ヘンリー・ジェイムズ=著 林節雄(はやし・せつお)=訳 「友だちの友だち」

   引用文中の太字箇所「ぼくが」は原文では太字ではなく傍点。
   引用は b. バベルの図書館14 に拠りました。


(2) 片上 1926
 君の豫言した通り仲々面白いところはあるが、きわどい疑問――出版しても、いいかどうかは頗る覺束なく思ふ。あの女の日記は思つたほど秩序立つてゐない。あの女は仕合せと書きとめたり、述べたりする習慣をもつてゐたまでだ。約めたり省いたりしてある。それでも面白い話の こつ を掴まへないで遣り過してしまつたやうなところは餘りないらしい、勿論それはあの女の聞いた側のことよりも寧ろ見たり感じたりした側のことに就いて言ふのである。自分のことを書き、他のことを書き、またどうかすると兩方一緒にして書いてある。總體一番きびきびしてゐるのはこの兩方一緒に書いたところである。しかし、一番きび/\したところが、必ずしも一番出版していゝところだといふ譯ではないのだからね。實を言ふと、あの女は恐ろしく不謹愼で、少なくともこゝで私まで不謹愼にしてしまふだけのことはある。君の便利のため幾章かに小分けをしてこゝに送る斷片を一例として見たまへ。

  • ヘンリイ・ジェームス=作 片上伸=譯 「顛末」 『世界短篇小説大系 亞米利加篇』 近代社 1926/06(大正15)所収 この本の内容詳細は ここ
  • 目次の著者名表記は「ジェエームス」。引用文中の太字箇所「こつ」は原文では太字ではなく傍点。「掴」は原文では右側のつくりが「国」ではなく「國」。

 Video 
TV Die Freunde der Freunde (2002) Trailer

ドイツのテレビ番組。原作: ヘンリー・ジェイムズ 監督: ドミニク・グラフ 出演: マティアス・シュヴァイクホファー Uploaded to YouTube by prinzessinmafalda on 9 Jul 2008. Directed by Dominik Graf. Starring Matthias Schweighöfer.


■ドイツ語訳 Translations into German

   Die Freunde der Freunde by Henry James


■イタリア語訳 Translations into Italian

   Gli amici degli amici by Henry James


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Descubro, como você tinha previsto, muita coisa que é interessante, mas pouca coisa que ajude a responder à delicada questão — a possibilidade de publicação. Os diários dessa mulher são menos sistemáticos do que eu esperava; ela apenas tinha o hábito consagrado de anotar e narrar. Resumia, arquivava; parece poucas vezes ter deixado passar uma boa história sem agarrá-la pelo braço. Refiro-me, é claro, não tanto a coisas que ela ouviu como a coisas que ouviu e sentiu. Escreve algumas vezes sobre ela mesma, algumas vezes sobre outros, algumas vezes sobre combinação de ambos. É nesta última rubrica que ela se torna, o mais das vezes,mais vivida. Mas, você vai entender, não é sempre que ela é mais vivida que ela se torna mais publicável. Para dizer a verdade, ela é assustadoramente indiscreta; ou pelo menos tem todo o material para me fazer sentir indiscreto. Veja por exemplo o fragmento que lhe envio, depois de dividi-lo, para sua conveniência, em vários capítulos pequenos.


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Encuentro, como profetizaste, mucho de interesante, pero poco de utilidad para la cuestión delicada -la posibilidad de publicación-. Los diarios de esta mujer son menos sistemáticos de lo que yo esperaba; no tenía más que la bendita costumbre de anotar y narrar. Resumía, guardaba; parece como si pocas veces dejara pasar una buena historia sin atraparla al vuelo. Me refiero, claro está, más que a las cosas que oía, a las que veía y sentía. Unas veces escribe sobre sí misma, otras sobre otros, otras sobre la combinación. Lo incluido bajo esta última rúbrica es lo que suele ser más gráfico. Pero, como comprenderás, no siempre lo más gráfico es lo más publicable. La verdad es que es tremendamente indiscreta, o por lo menos tiene todos los materiales que harían falta para que yo lo fuera. Observa como ejemplo este fragmento que te mando después de dividirlo, para tu comodidad, en varios capítulos cortos.


■フランス語訳 Translation into French

   Les Amis des amis by Henry James

  • Les Amis des amis (La Bibliothèque de Babel) Jorge Luis Borges, Henry James. Editions du Panama, 2006-10-02
  • Les Amis des amis (La Bibliothèque de Babel) Henry James. Franco Maria Ricci, 1980

■英語原文 The original text in English

I find, as you prophesied, much that's interesting, but little that helps the delicate question--the possibility of publication. Her diaries are less systematic than I hoped; she only had a blessed habit of noting and narrating. She summarised, she saved; she appears seldom indeed to have let a good story pass without catching it on the wing. I allude of course not so much to things she heard as to things she saw and felt. She writes sometimes of herself, sometimes of others, sometimes of the combination. It's under this last rubric that she's usually most vivid. But it's not, you will understand, when she's most vivid that she's always most publish-able. To tell the truth she's fearfully indiscreet, or has at least all the material for making me so. Take as an instance the fragment I send you, after dividing it for your convenience into several small chapters.

  • The Friends of the Friends, originally published in 1896 as The Way It Came, by Henry James.
  • The above excerpt is based on Project Gutenberg

.

■電子テキスト E-text

  Under the title "The Way It Came"

  Under the title "The Friends of the Friends"


■書誌情報詳細その他 Detailed bibliography and others

  • The Henry James scholar's guide to web sites A brilliant site by Richard D. Hathaway. Extremely informative. Highly recommended.
    ヘンリー・ジェイムズの人と作品その他に関する、きわめて包括的なリンク集。ジェームズのほぼ全作品の電子テキストのほか、ジェイムズ作品にもとづく映画や未公刊の書簡、さらにジェームズの同時代人たちによる彼の作品に対する批評などについて、情報やリンクを掲載。おすすめ。

 Image gallery 3 
表紙画像 Cover photos

ja Ja_9784336025692 tr Tr_dostlarmzn_dostlar_978975298083x de De_9783940111111

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■映画/テレビ/DVD情報 Film, Television & DVD

 [en] English

 [ja] 日本語


■その他の外部リンク Other external links

 [en] English

 [ja] 日本語


■更新履歴 Change log

  • 2013-04-03 「はじめに」の項を新設し、Die Freunde der Freunde (2002) 予告編の YouTube 動画を追加しました。また、ナショナル・ポートレート・ギャラリーの日本語名称と中国語名称に関して加筆修正しました。さらに、イタリア語訳とドイツ語訳の書誌情報を追加しました。
  • 2012-08-08 ポルトガル語訳とスペイン語訳を追加しました。

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Thursday, 12 March 2009

The Law of Life by Jack London ジャック・ロンドン 「生の掟」「生命の法則」「生命の掟」

■はじめに Introduction

下に引用するのは、ジャック・ロンドンの短篇小説 The Law of Life の最終パラグラフの後半部分。この作品の題名となっているフレーズが、最後の最後に現われる。

極北のある地方での話。主人公は、まえの首長/族長/酋長であったクスクーシュ老人。年老いて部族のお荷物になったため、現在の首長/族長/酋長である息子によって、ひとり野ざらしの場所に置き去りにされる――あたかも日本の姥捨て伝説や『楢山節考』のように。

やがて、身動きの取れない老人を、獣の輪が取り囲む。


■The Law of Life の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and a magazine that contain a Japanese translation of
 The Law of Life

   1. 柴田 火を熾す / ジャック・ロンドン. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.10
   2. 柴田 Coyote (コヨーテ) No.20. -- スイッチ・パブリッシング, 2007.7
   3. 辻井 ジャック・ロンドン選集. 6 / ジャック・ロンドン[他]. -- 本の友社, 2006.4
   4. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 改訂. -- 新樹社, 2005.6
   5. 大津 20世紀アメリカ短篇選. 上 / 大津栄一郎. -- 岩波書店, 1999.3.
          -- (岩波文庫)
   6. 辻井 極北の地にて / ジャック・ロンドン[他]. -- 新樹社, 1996.7
   7. 井上 別れのとき / 文芸春秋. -- 文芸春秋, 1993.3. -- (文春文庫 ; 7)
   8. 井上 死の同心円 / ジャック・ロンドン[他]. -- 国書刊行会, 1988.5.
          -- (バベルの図書館 ; 5)


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 柴田 2007, 2008
命にしがみついて何になる? そう老人は胸のうちで思い、燃えさかる棒を雪のなかに投げ捨てた。じゅうっと音を立てて火が消えた。輪は不安げなうなり声を上げたが、その場から動きはしなかった。そしていま一度、老いた雄ヘラジカの最後の抵抗をクスクーシュは見た。疲れた頭を、老人は膝の上に垂らした。しょせんどうだというのだ? これが生の掟ではないか?

   ジャック・ロンドン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 「生の掟」
   a.火を熾す(ひをおこす)』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2008.10
   b. Coyote (コヨーテ) 20号 スイッチ・パブリッシング 2007.7
   初出誌は b.a.b. に加筆・訂正したもの。引用は a. に拠りました。


(2) 大津 1999
なんで生命にしがみつかなきゃいけないんだ、と彼は言った。そして燃えている木を雪の上に落とした。火はじゅっという音を立てて消えた。狼の群れは不安そうにうなり声をあげたが、動かなかった。年をとった雄のムースの最後の光景がまた瞼の裏に見えた。コスクーシュは疲れて頭をぐったりと膝の上に落とした。つまるところ、こんなことがなんだと言うんだ。これが生命の法則ではないか。

   ジャック・ロンドン=著 大津栄一郎=訳 「生命の法則」
   大津栄一郎=編訳 『20世紀アメリカ短篇選(上)』 岩波文庫 1999.3


(3) 辻井 1996, 2005, etc.
どうしてわしは、必死に生きようとしなくちゃならないんだろう?と、彼は自問する。そして、燃えている薪を雪の中に落とした。それは、ジューンと音を立てて消えた。狼の輪は、けげんそうにうなった。が、その場を動きはしない。もう一度老人は、あの老いた大鹿の最後の踏んばりを思った。それから、疲れたように膝の上に頭を落とした。結局それがどうしたっていうのだ? それが、生の掟というものではないのか?

   ジャック・ロンドン=著 辻井栄滋(つじい・えいじ)=訳 「生の掟」
   a.決定版 ジャック・ロンドン選集6 短篇集』 本の友社 2006.4
   b.極北の地にて』 改訂版 新樹社 2005.6
   c.極北の地にて』 新樹社 1996.7
   引用は a. に拠りました。


(4) 井上 1988, 1993
なぜおれは命にしがみついているのか? と彼はたずね、燃える薪を雪の中に落した。薪はジュッと音を立てて消えた。獣の輪はおびえたように鼻をならしたが、後へ引かなかった。またしても、年老いた雄のヘラジカの最後の抵抗が瞼に浮かんだ。コスクーシュは疲れたように頭を膝の上に落した。けっきょく、どうでもいいことではないか。これが生命の掟ではないのか?

   ジャック・ロンドン=著 井上謙治(いのうえ・けんじ)=訳 「生命の掟」
   a.アンソロジー人間の情景7 別れのとき』 文春文庫 1993.3
   b.死の同心円』 バベルの図書館 5 国書刊行会 1988.5
   引用は b. に拠りました。


■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

Hát miért is csüggne annyira az életen? - kérdezte Koszkus, s a lángoló rőzsenyalábot a hóba ejtette. A fa sisteregve kialudt. A kör kelletlenül morgott, és nem tágított. Utoljára villant föl benne a vén szarvasbika küzdelme, és fáradtan térdére ejtette fejét. Utóvégre nem mindegy? Vagy nem ez az élet törvénye?

   Az élet törvénye by Jack London
   Translated by Határ Győző
   E-text at MEK (Magyar Elektronikus Könyvtár)


■ロシア語訳 Translation into Russian

Зачем цепляться за жизнь? - спросил Коскуш самого себя и уронил пылающую головню на снег. Она зашипела и потухла. Волки тревожно зарычали, но не  двигались с места. Снова Коскуш увидел последнюю битву старого лося и тяжело опустил голову на колени. В конце концов не все ли равно?  Разве  не  таков  закон жизни?

   Джек Лондон. Закон жизни
   E-text at Lib.Ru


■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

„Защо трябва да се вкопчвам за живота?“ — запита се той и пусна пламтящата главня в снега. Тя засъска и угасна. Кръгът започна да ръмжи неспокойно, но не се помръдна. Отново пред очите му се мярна последното сражение на стария елен. Тогава Коскуш отпусна уморено глава на коленете си. Какво значение имаше в края на краищата всичко това? Нима това не е законът на живота?

   Джек Лондон. Законът на живота
   Translated by Борис Дамянов, 1963
   E-text at Моята библиотека (chitanka.info)


■チェコ語訳 Translation into Czech

"Proč tak lpět na životě?" tázal se stařec a odhodil oharek do sněhu. Oharek zasyčel a uhasl. Kruh příšerně zavrčel, avšak neustoupil. A Koskoosh opět spatřil tu poslední zastávku starého sobího býka a znaven sklonil hlavu ke kolenům. K čemu to vše? Není to snad zákon života?

   Zákon života by Jack London
   E-text at Knihy na netu


■ドイツ語訳 Translation into German

Warum sich ans Leben klammern? fragte er sich und ließ das flammende Scheit in den Schnee fallen. Es zischte und erlosch. Der Kreis knurrte unruhig, blieb aber liegen. Wieder sah er den letzten Kampf des alten Elchbullen, und Koskoosh ließ das Haupt müde auf die Knie sinken. Was tat es schließlich? War es nicht das Gesetz des Lebens?

   Das Gesetz des Lebens by Jack London
   Translated by Határ Győző
   E-text at Sternchenland.com


■イタリア語訳 Translation into Italian

“Perché avrebbe dovuto aggrapparsi alla vita?” si chiese, e lasciò cadere sulla neve il tizzone fiammeggiante, che sfrigolò e si spense. Il branco ringhiò inquieto, ma mantenne le posizioni. Di nuovo Koskoosh vide l’ultima difesa del vecchio alce maschio, poi lasciò cadere stancamente la testa sulle ginocchia. Cosa importava dopo tutto? Non era forse quella la legge della vita?

   La legge della vita by Jack London
   Excerpt at Riccardo Caldara's blog


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Por que é que ele se havia de agarrar à vida? perguntou, e deixou cair o tição na neve. Este crepitou e apagou-se. O círculo rosnou inquieto, mas manteve-se firme. E Koskoosh viu de novo o velho alce-boi na sua última paragem; deixou pender a cabeça gasta sobre os joelhos. Que importava? Não era aquilo, afinal, a lei da vida?

   A Lei da Vida by Jack London
   Translated by Luís Varela Pinto
   E-text at luisvpinto.no.sapo.pt


■スペイン語訳 Translation into Spanish

-¿Por qué me aferro a la vida? - se preguntó.
Y arrojó el tizón a la nieve. La ardiente rama se apagó con crepitante chisporroteo. Los lobos lanzaron gruñidos de inquietud, pero el círculo no se deshizo. Koskoosh volvió a ver el final de la lucha del viejo alce y, desfallecido, inclinó la cabeza sobre las rodillas. ¿Qué importaba la muerte? Había que acatar la ley de la vida.

   La ley de la vida by Jack London
   E-text at Ciudad Seva


 Audio 
The Law of Life (2/2) narrated by Shep O'Neal

下に引用する箇所の朗読は 2:37 から。パート1は ここ。 Uploaded to YouTube by InterestingThingsESL on 5 Dec 2006. Reading of the excerpt below starts at 2:37. Part one is here.


■英語原文 The original text in English

Why should he cling to life? he asked, and dropped the blazing stick into the snow. It sizzled and went out. The circle grunted uneasily, but held its own. Again he saw the last stand of the old bull moose, and Koskoosh dropped his head wearily upon his knees. What did it matter after all? Was it not the law of life?

   The Law of Life by Jack London
   First published in McClure's Magazine Vol. 16, March, 1901.
   Later incorporated into the book: Children of the Frost, 1902.
   E-text at:
   * The World of Jack London
   * Project Gutenberg
   * Wikisource


■カナダ・ユーコン準州の地図 Map of Yukon Territory, Canada by Google Maps


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■外部リンク External links

 [en] English

 [ja] 日本語


■更新履歴 Change log

  • 2013-02-15 ハンガリー語訳、ロシア語訳、ブルガリア語訳、チェコ語訳、ドイツ語訳、イタリア語訳、およびポルトガル語訳を追加しました。

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Monday, 09 March 2009

Little Blue and Little Yellow by Leo Lionni レオ・レオーニ 『あおくんときいろちゃん』

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
■レオ・レオーニ (1910-1999)
 Image gallery  表紙画像 Cover photos
■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information
■日本語訳の抜粋 Excerpt from the translation into Japanese
 Video 1  スライドショー: ドイツ語版 Slide show of the German edition
 Video 2  スライドショー: オランダ語版 Slide show of the Dutch edition
 Video 3  スライドショー: ポルトガル語版 Slide show of the Portuguese edition
 Video 4  スライドショー: ガリシア語版 Slide show of the Galician edition
 Video 5  アニメーション: フランス語版 Animation in French translation
■英語原文の抜粋 Excerpt from the original text in English
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

なかよしの二人、リトル・ブルー(あおくん)とリトル・イエロー(きいろちゃん)。抱きあって抱きあって、グリーンになる。そのあとには、拒絶される悲しみと、涙と、再生と、再会の物語が展開する。わずか32ページのなかに。

このすてきな本を紹介してくれたAちゃん、ありがとう。


■レオ・レオーニ (1910-1999)

作者レオ・レオーニ(レオ・レオニ)はオランダ生まれ。画家・作家・絵本作家・イラストレーター・広告ディレクターとして、おもにイタリアとアメリカで活躍した。『あおくんときいろちゃん』は彼の絵本作家としてのデビュー作。1959年に原書 Little Blue and Little Yellow の初版が出て以来、世界的ロングセラーとなっている。

2009年はレオーニにとって節目の年にあたるともいえる。没後10年。そして、Little Blue and Little Yellow の出版50周年。


 Image gallery 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

zh Zh_little_blue_and_little_yellow zh Zh_trad_9789576323522 ko Ko_little_blue_and_little_yellow

ja Leo_lionni_aokun_to_kiiro_chan he He_47948 et Et_9789985020579

cs Cs_maly_modry_a_maly_zluty no No_lille_bl_og_lille_gul sv Se_lilla_bla_och_lilla_gul

de Leo_lionni_das_kleine_blau nl Nl_666793516 it Leo_lionni_piccolo_blu_e_piccolo_gi

pt Pt_pequeno_azul_e_pequeno_amarelo gl Gl_pequeno_azul_e_pequeno_amarelo_9 eu Eu_urdintxikietahoritxiki

es Leo_lionni_pequeno_azul_y_pequeno_a ca Ca_elpetitblauielpetitgroc fr Leo_lionni_petitbleu_et_petitjaune

en Leo_lionni_little_blue_and_little_2


■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information

[zh] 小蓝和小黄 少年儿童出版社 (2007) 簡体字中国語
[zh] 小藍和小黃 台灣英文雜誌社 (1997) 繁體字中國語
[ko] 파랑이와 노랑이 (2003) 韓国語
[ja] あおくんときいろちゃん 至光社国際版 (2006) 日本語
[he] (1971) קטכחל קטצהב  הוצאת הקבוץ המאוחד  ヘブライ語
[et] Väike Sinine ja väike Kollane Koolibri (2007) エストニア語
[cs] Malý modrý a malý žlutý Dokořán (2015) チェコ語
[no] Lille Blå og Lille Gul Fabula (1995) ノルウェー語
[sv] Lilla blå och lilla gul Rabén & Sjögren (1967) スウェーデン語
[de] Das kleine Blau und das kleine Gelb Oetinger Friedrich GmbH (1962) ドイツ語
[nl] Blauwtje en geeltje Ankh-Hermes B.V. (1991) オランダ語
[it] Piccolo blu e piccolo giallo Babalibri (1999). More details at: Babalibr.it, little-linguist.co.uk, AIFO (Associazione Italiana Amici di Raoul Follereau) イタリア語
[pt] Pequeno Azul e Pequeno Amarelo Berlendis e Vertecch (2005) ポルトガル語
[gl] Pequeno Azul e Pequeno Amarelo Kalandraka (2005) ガリシア語
[eu] Urdin Txiki eta Hori Txiki Kalandraka (2005) バスク語
[es] Pequeño Azul y Pequeño Amarillo Kalandraka (2005) Image source: El último libro ... スペイン語
[ca] El petit Blau i el petit Groc Kalandraka (2005) カタルーニャ語
[fr] Petit-Bleu et Petit-Jaune L'Ecole des loisirs (2000) フランス語
[en] Little Blue and Little Yellow Alfred A. Knopf. 50th Anniversary Edition (2009) 50周年記念版 英語


■日本語訳の抜粋 Excerpt from the translation into Japanese

あおくんと きいろちゃんは うれしくて
もう うれしくて うれしくて
とうとう みどりに なりました

   レオ・レオーニ=作 藤田圭雄(ふじた・たまお)=訳
   a.あおくんときいろちゃん』 国際版絵本 至光社 2006
   b.あおくんときいろちゃん』 至光社 1981
   c.あおくんときいろちゃん』 至光社 1967
   引用は a. に拠りました。


 Video 1 
ドイツ語版のスライドショー
Das kleine Blau und das kleine Gelb: Slide show of the German edition

Uploaded to YouTube by werbefilmmacher on 10 Mar 2011.

Sie lachten und umarmten sich.
Da wurden sie durch diesen Spaß
bei der Umarmung grün wie Gras.

   Das kleine Blau und das kleine Gelb by Leo Lionni
   Transcribed from the video above.


 Video 2 
オランダ語版のスライドショー
Blauwtje en geeltje: Slide show of the Dutch edition

Uploaded to YouTube by harma hommad on 13 Feb 2010.

blij omarmden ze elkaar
en nog eens en nog eens
tot . . . ze groen waren.

   Blauwtje en geeltje by Leo Lionni
   Transcribed from the video above.


 Video 3 
ポルトガル語版のスライドショー
Pequeno Azul e Pequeno Amarelo: Slide show of the Portuguese edition

Muito contentes, deram um abraço.
Um abraco tao forte…
… que se tornaram verdes.

   Pequeno Azul e Pequeno Amarelo by Leo Lionni
   Translated by Isabelle Buratti and Miguel Mouro
   Kalandraka Editora, S.L. 2006
   Transcribed from the YouTube clip above


 Video 4 
ガリシア語版のスライドショー
Pequeno Azul e Pequeno Amarelo: Slide show of the Galician edition

Open publication - Free publishing

Cheos de ledicia abrazáronse,
abrazáronse moi forte... 
...tan forte que se volveron verdes

   Pequeno Azul e Pequeno Amarelo by Leo Lionni
   Translated by Chema Heras and Pilar Martínez
   Kalandraka Editora, S.L. 2005
   E-text at Andelvirtual.com


 Video 5 
フランス語版のアニメーション
Petit-bleu et Petit-Jaune: Animated edition of the French translation

Uploaded to YouTube by Sylvia Duckworth on 18 Sep 2012.

Tout heureux, ils s'embrassent
Et s'embrassent si fort…
Qu'ils deviennent verts!

   Petit-Bleu et Petit-Jaune by Lio Leonni
   Transcribed from the YouTube clip above


■英語原文の抜粋 Excerpt from the original text in English

Happily they hugged each other
and hugged each other
until they were green.

   Little Blue and Little Yellow (1959) by Leo Lionni
   Alfred A. Knopf. 50th Anniversary edition (2009-10-13)


■外部リンク External links

 [en] English
   * Leo Lionni - Random House
   * Leo Lionni - Wikipedia (1910-1999)

 [ja] 日本語
   * レオ・レオニ - Wikipedia (1910-1999)


■更新履歴 Change log

  • 2016/04/07 チェコ語版の表紙画像を追加しました。
  • 2013/06/24 目次を新設し、本文の項目立てを修正しました。また、ガリシア語版、バスク語版、およびカタルーニャ語版の表紙画像を追加しました。さらに、ドイツ語版スライドショー、オランダ語版スライドショー、ポルトガル語版スライドショー、ガリシア語版スライドショー、およびフランス語版アニメーションの計5本の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012/08/29 繁體字中國語版、ヘブライ語版、およびエストニア語版の表紙画像を追加しました。
  • 2010/08/23 ノルウェー語版、スウェーデン語版、オランダ語版、ポルトガル語版の表紙画像を追加しました。
  • 2010/02/22 簡体字中国語版の表紙画像を追加しました。
  • 2009/10/06 韓国語版の表紙画像を追加しました。
  • 2009/03/10 「レオ・レオニ - Wikipedia」のリンクがまちがっていたので訂正しました。Aちゃん、かさねてありがとう。

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Wednesday, 04 March 2009

Comment parler des livres que l'on n'a pas lus ? by Pierre Bayard ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』

■題辞 Epigraph

私は批評しないといけない本は読まないことにしている。読んだら影響を受けてしまうからだ。 ――オスカー・ワイルド

I never read a book I must review; it prejudices you so. ――Oscar Wilde

Je ne lis jamais un livre dont je dois écrire la critique : on se laisse tellement influencer. ――Oscar Wilde

   ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法
   の巻頭に掲げられた言葉


■著者バイヤール Pierre Bayard, the author

ピエール・バイヤール氏 (1954-  ) はパリ第八大学教授。精神分析家。著書に『アクロイドを殺したのはだれか』など。


■バイヤールはムージルを引用する Bayard quotes Robert Musil

有能な司書になる秘訣は、自分が管理する文献について、書名と目次以外は決して読まないことだ
   ――ムージルの小説『特性のない男』に出てくる図書館司書

The secret of a good librarian is that he never reads anything more of the literature in his charge than the title and the table of contents.
   ――The librarian in The Man Without Qualities by Robert Musil

Le secret de tout bon bibliothécaire est de ne jamais lire, de toute la littérature qui lui est confiée, que les titres et la table des matières.
   ――Le bibliothécaire dans L'Homme sans qualités de Robert Musil


■ポスターと表紙画像 A Poster and book covers

a. ピエール・バイヤール連続セミナー「極限のエクリチュール」 2008年10月14、22、28日に東京大学駒場キャンパスで行なわれたセミナーのポスター
b.読んでいない本について堂々と語る方法』筑摩書房 (2008)
c. Wie man ueber Buecher spricht, die man nicht gelesen hat. Goldmann Wilhelm (2009) ドイツ語版
d. How to Talk about Books You Haven't Read. Granta Books (2009) 英語版
e. Como hablar de los libros que no se han leido. Anagrama (2008) スペイン語版
f. Comment parler des livres que l'on n'a pas lus ? Minuit (2007) フランス語原書

↓ Click to enlarge ↓

a. Pierre_bayard_seminar_univ_of_tokyo  b. Bayard_yonde_inai_hon_ni_tsuite_dou  c. Bayard_wie_man_uber_bucher_spricht

d. Bayard_how_to_talk_about_books_yo_2  e. Comohablardeloslibrosquenosehanleid  f. Bayard_comment_parler_des_livres


■日本語訳 Translation into Japanese

I-1 ぜんぜん読んだことのない本

     大事なのは、しかじかの本を読むことではなく(それは時間の浪費である)、
     すべての書物について、ムージルの作中人物がいう「全体の見晴し」を
     つかんでいることであるという話。

「読まない」にもいろいろある。もっともラディカルなのは、本を一冊も開かないことだろう。ただこの完璧な非読状態というのは、全出版物を対象として考える場合、じつは近似的にはすべての読者が置かれた状態であって、その意味では書物にたいするわれわれの基本的スタンスだといえる。たしかに、どれほど熱心な読書家であっても、存在するすべての書物のほんの一部しか読むことはできない。したがって、話すことも書くことも一切しないというのでないかぎり、つねに読んだことのない本について語らされる可能性があるのである。

   ピエール・バイヤール=著 大浦康介(おおうら・こうすけ)=訳
   『読んでいない本について堂々と語る方法
   筑摩書房 2008.11


■英訳 Translation into English

Chapter One
Books You Don't Know

(in which the reader will see, as demonstrated by a character of Musil's, that reading any particular book is  waste of time compared to keeping our perspective about books overall)

There is more than one way not to read, the most radical of which is not to open book at all. For any given reader, however dedicated he might be, such total abstention necessarily holds true for virtually everything that has been published, and thus in fact this constitutes our primary way of relating to books. We must not forget that even prodigious reader never has access to more than an infinitesimal fraction of the books that exist. As a result, unless he abstains definitively from all conversation and all writing, he will find himself forever obliged to express his thoughts on books he hasn't read.

   How to Talk About Books You Haven't Read by Pierre Bayard
   Translated from French by Jeffrey Mehlman
   Published by Bloomsbury, 2007

   Sample chapters:
   Preface:
   * NPR: National Public Radio
   Chapter One:
   * The New York Times
   * BookBrowse.com
   * Barnes & Noble
   * Amazon.co.uk
   * Amazon.com
   * Amazon.de
   * Amazon.fr

   Downloadable audiobook:
   * Preface narrated by Grover Gardner at ListenNJnw (wma)


■フランス語原文 The original text in French

Il existe plus d'une manière de ne pas lire, dont la plus radicale est de n'ouvrir aucun livre. Cette abstention complète concerne en fait, pour chaque lecteur, aussi assidu soit-il à cet exercice, la quasi-totalité des publications et, à ce titre, constitue notre mode principal de relation à l'écrit. On ne peut en effet oublier que même un grand lecteur n'a jamais accès qu'à une proportion infime des livres existants.

   Comment parler des livres que l'on n'a pas lus ? by Pierre Bayard.
   Les Éditions de Minuit, 2007/01
   Sample chapter recording at Fnac.com
   Excerpts at:
   * Les Éditions de Minuit (pdf)
   * Zagaya's blog
   * Biblioblog.fr
   * Evene.fr


■外部リンク External links

 [ja] 日本語
   * 読んでいない本について堂々と語る方法 - 筑摩書房 邦訳の出版社サイト
   * Sasaki Takanori Online 佐々木貴教氏による読書日記

 [en] English
   * Pierre Bayard - Wikipedia (1954-  )

 [fr] français
   * Pierre Bayard - Wikipédia (1954-  )


■更新履歴 Change log


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Tuesday, 03 March 2009

Virginia Woolf on Arthur Waley's English translation of The Tale of Genji ウェイリー訳『源氏物語』についてのヴァージニア・ウルフの書評

 Video 
The Tale of Genji 1/2 (from the NHK World TV programme BEGIN Japanology)
源氏物語 1/2 (NHKワールドのテレビ番組 BEGIN Japanology から)

Published by KWEEN5PLIFF on Jul 26, 2012


■はじめに Introduction

ウルフは11世紀というイギリスがまだ未開野蛮の粗野な格闘の時代に、紫式部が「大人」の読者に恵まれたことを羨ましく思った。平安朝とはなんという文化の洗練されていた時代なのだろう。(309ページ)

ウェイリーが『源氏物語』に惹きつけられたのは、それがただ単に日本文学の大傑作であるからだけではなく、光源氏の世界の中に自分たちの人生観や芸術観に合致するものを認めたからなのだ。彼らは良かれ悪しかれ戦争や革命の恐怖や惨劇を排除してしまった。粗野や粗暴はとりあげなかった。ウェイリーの『源氏物語』の英訳はそうした時代の好み、とくにブルームズベリー・グループの美学に応じるものだった。だから訳者ウェイリーは西暦千年の作品としてではなく、西暦千九百二十年代の英語芸術作品として Tale of Genji を世に問うたのである。(315ページ)


 Image gallery 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. Hirakawa_sukehiro_arthur_waley   b. John_w_de_gruchy_orienting_arthur_w

c. Arthur_waley_tale_of_genji   d. Wu_cheng_en_arthur_waley_monkey


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 平川 2008
ウェイリー氏のすばらしい望遠鏡を通して私たち西洋人もいまやこの場所にいて世界文学の新星が空に昇り続けるのを確信をもって観察することができる。これは大きな光に満ちた晴朗なる星である。しかしだからといって一等星と呼ぶことはできない。紫式部はトルストイやセルバンテスと肩を並べる大作家とはいえない。……紫式部の東方の世界からは、(西洋の大作家に見られる)恐怖や惨劇の要素が取除かれてしまっている。『源氏物語』の中からはある種の経験は排除されてしまった。そのためにそこでは金は銀の色となり、酒には水が割られてしまったのである。紫式部を西洋の大作家と並べれば、結果ははっきりしている。そのような比較をすれば完成度の高さにかけては紫式部が優り、力という点にかけては西洋の大作家たちが勝つのは自明だからである。

  • ヴァージニア・ウルフ=著 平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)=抜粋訳 ウェイリー訳 The Tale of Genji についての書評(1925年『ヴォーグ』66号収載) 平川祐弘=著 『アーサー・ウェイリー 『源氏物語』の翻訳者』 白水社 2008.11 所収

(J2) 阿部 1952
[略]ウェイリ氏の美しい望遠鏡を通して、いま新しい星がゆるぎない自信をもって昇り、やがて大きく静謐(せいひつ)に輝がやかになりまさるのを見つめるだろう——しかし、さもあらばあれ、それは第一等の巨星ではなかろう。たしかに、紫式部は、トルストイやセルヴァンテスその他の西方世界の大物語作者の仲間内としての自己を呈示しようとしているのでない。[略] 彼女の東方世界では、ある種の恐怖、惨劇、鄙俗性など、何かは人生体験の根源物が取除かれていたのだから、野性は相手にされず粗暴は問題にならなかったのだが、それと共にある種の活力、豊澹さ、人間精神の成熟などが逃げ出してしまったのであり、そこで、黄金は白銀の色にうつろい、酒には水が交った。紫と西方の大作家との比較は、結局は彼女の完璧性と彼等の力強さとを目立たせることになるほかはない。


■英語原文 The original text in English

We can take our station and watch, through Mr. Waley’s beautiful telescope, the new star rise in perfect confidence that it is going to be large and luminous and serene—but not, nevertheless, a star of the first magnitude. No; the lady Murasaki is not going to prove herself the peer of Tolstoi and Cervantes ( . . . ). Some element of horror, of terror, of sordidity, some root of experience has been removed from the eastern world ( . . . ) failing which the gold is silvered and the wine mixed with water. All comparisons between Murasaki and the great Western writers serve but to bring out her perfection and their force.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2012/01/31 阿部知二=訳 1952年1月号 を追加しました。
  • 2012/01/16 The Tale of Genji 1 のYouTube 動画を追加しました。

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