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Tuesday, 14 July 2009

Unbeaten Tracks in Japan by Isabella L. Bird (4) イザベラ・バード/イサベラ・バード 『日本奥地紀行』『イザベラ・バードの日本紀行』 (4)

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■表紙画像 Cover photos

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a. Isabella_bird_nihon_kikou_yushodo b. De_bird_unbetretene_pfade_in_japan c. Isabella_bird_unbeaten_tracks_book_

■はじめに Introduction

 なぜ彼女は日本へ来たか?
 なにを期待してやってきたのか? 結果はどうだったか? なにに惹かれ、なににがっかりしたか?
 幕末から明治期のイギリス人女性旅行家・紀行作家イザベラ・バード (1831-1904) は、1878年(明治11年)に来日した理由について、その著書『日本奥地紀行』の「まえがき」で下のように語る。引用したのは第一パラグラフの全文。彼女の筆致には遠慮がない。なにが気に入り、なにが気に入らなかったか? 冒頭からズケズケと書き始める。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 金坂 2012
 はしがき
 母国を離れて、以前に効果的だった方法で健康を回復するよう勧められた私は、一八七八年[明治一一年]四月、日本を訪れることにした。気候がすばらしいという評判に惹かれたというよりは、日本には目新しいことや興味をひくものが特別に多くあり、これらが健康になりたいと思う孤独な旅人に大きな楽しみと元気を与えてくれると確信したからである。気候には失望したが、この国が私を有頂天にさせるというより、調査研究の対象になる国であることがわかった。その興味深さには予測をはるかに超えるものがあった。

   イザベラ・バード=著 金坂清則=訳注
   『完訳 日本奥地紀行 1——横浜—日光—会津—越後
   東洋文庫 平凡社 2012


(J2) 時岡 2008
 まえがき
 一八七八年四月、わたしは母国を離れて前にも効果のあった方法で健康を回復するよう勧められ、日本を訪れることにした。気候のすばらしさよりも、日本には新奇なものがとびきり多くあり、興味がつきないはずだという確信に惹かれてのことである。ひとりぼっちで療養する身にはこれがとても本質的なところで、楽しさと健康の回復をもたらしてくれるのである。気候にはがっかりした。とはいえ、日本はうっとりと見とれる国ではなく研究の対象となってしまったものの、興味は予想をはるかに超えた。

   イザベラ・バード=著 時岡敬子=訳
   『イザベラ・バードの日本紀行(上)』 (全2冊)
   講談社学術文庫 2008


(J3) 楠家+橋本+宮崎 2002
 まえがき
 母国を離れて外国に旅行するよう勧められたのは、一八七八(明治十一)年四月のことである。以前にも効果があった健康回復の手段としてであった。私が日本を訪れる決意を固めたのは、気候がすばらしいという評判に魅力を感じたからではない。それよりも、新奇で珍しく、いつまでも関心を引くものが日本にはかなりあるはずだ、と思ったからだ。そのことが健康を求める孤独な旅行者の心を喜ばせ、体をいやすのに役立つのである。日本の気候には失望を禁じえなかった。日本という国は、喜びで有頂天になる場所ではなく、あくまでも研究の対象であると悟った。それでも私のこの国に対する関心は来日以前の期待以上のものだった。

   I・L・バード=著
   楠家重敏+橋本かほる+宮崎路子=訳
   『バード 日本紀行』 雄松堂出版 2002


(J4) 高梨 1973, 2000, etc.
 はしがき
 一八七八年(明治十一年)四月に、以前にも健康回復の手段として効き目のあった外国旅行をすることを勧められたので、私は日本を訪れてみようと思った。それは、日本の気候がすばらしく良いという評判に魅かれたからではなく、日本には新奇な興味をいつまでも感じさせるものが特に多くて、健康になりたいと願う孤独な旅人の心を慰め、身体をいやすのに役立つものがきっとあるだろうと考えたからである。日本に行って、その気候には失望したが、しかし私は、日本の国土が、夢のように美しいものではなく、ただ研究調査に値するものであることを悟ったものの、日本に対する興味は私の期待を大きく上まわるものであった。

   イサベラ・バード=著 高梨健吉=訳
   『日本奥地紀行』 平凡社 1973, 2000, 2006


■英語原文(二巻本1880年初版に拠る)
 The original text in English (based on the 1880 first edition in two volumes)

PREFACE
Having been recommended to leave home, in April 1878, in order to recruit my health by means which had proved serviceable before, I decided to visit Japan, attracted less by the reputed excellence of its climate, than by the certainty that it possessed in an especial degree those sources of novel and sustained interest, which conduce so essentially to the enjoyment and restoration of a solitary health-seeker. The climate disappointed me, but though I found the country a study rather than a rapture, its interest exceeded my largest expectations.


■日本語訳についての詳しい書誌情報
 Detailed bibliography on Japanese translations

(J1) 金坂 2012
   イザベラ・バード=著 金坂清則(かなさか・きよのり)=訳注
   『完訳 日本奥地紀行 1——横浜—日光—会津—越後』 (全4巻)
   東洋文庫 平凡社 2012-03-21

(J2) 時岡 2008
   イザベラ・バード=著 時岡敬子(ときおか・けいこ)=訳
   『イザベラ・バードの日本紀行(上)』 (全2冊)
   講談社学術文庫 2008-04-10

(J3) 楠家+橋本+宮崎 2002
   I・L・バード=著
   楠家重敏(くすや・しげとし)+橋本かほる+宮崎路子=訳
   『バード 日本紀行』 新異国叢書 第3輯 3
   雄松堂出版 2002-08-20 この本の詳細は ここ

(J4) 高梨 1973, 2000, etc.
   a. イサベラ・バード=著 高梨健吉(たかなし・けんきち)=訳
     『日本奥地紀行』 オンデマンド ワイド版東洋文庫 平凡社 2006-11
   b. イザベラ・バード=著 高梨健吉=訳
     『日本奥地紀行』 平凡社ライブラリー 平凡社 2000-02
   c. イサベラ・バード=著 高梨健吉=訳
     『日本奥地紀行』 東洋文庫 平凡社 1973-01
   a.c. では著者のファーストネームを濁らないで「イサベラ」と
   表記してある。引用は c. 東洋文庫版に拠りました。


■2種類の英語原書について On the two editions of the English text

(E1) 1880年刊二巻本初版 1880 edition in two volumes
   Unbeaten Tracks in Japan: An Account of Travels in the Interior,
   Including Visits to the Aborigines of Yezo and the Shrines of Nikkô and Isé
   First edition in two volumes
   by Isabella L. Bird
   London : John Murray, 1880.

(E2) 1885年刊一巻本「普及版」 1885 'Popular edition' in one volume
   Unbeaten Tracks in Japan
   Abridged popular edition in one volume
   by Isabella L. Bird
   London : John Murray, 1885.


■4つの邦訳版の底本の違いについて
 On the differences of the source text of the four Japanese editions

バード著 Unbeaten Tracks in Japan の原著は、上記 (E1) のとおり、1880年に初版が二巻本で出版された。その後、上記 (E2) のとおり、1885年に一巻本の Popular Edition 「普及版」が出た。すなわち短縮版ないし簡略本である。

引用した4種類の邦訳のうち、(J4) 高梨訳は (E2) 「普及版」の全訳。(J3) 楠家+橋本+宮崎訳は (E1) 初版二巻本のうち (J4) に収録されている部分を除いた抄訳。(J2) 時岡訳は (E1) 初版を原書と同様2分冊にして全訳したもの。(J1) 金坂訳は (E1) 初版の2巻をそれぞれ2分割して全4巻とし、さらに (J2) 時岡訳などで省かれていた部分などを補った文字どおりの「完訳」を期したものである。詳しくは平凡社ブログをご覧ねがいたい。


■原書の書誌情報 Bibliography on the original text in English


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013-09-21 金坂清則=訳注 2012-03-21 を追加しました。また、これまで1911年普及版に拠っていた英語原文を二巻本1880年初版のテキストに改めました。


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Gina ROCKS... http://lex-insurance.info

Posted by: firearms insurance | Friday, 10 December 2010 at 03:55 PM

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