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Wednesday, 18 November 2009

Eine Kreuzung by Franz Kafka カフカ 「羊猫」「雑種」「変種」「岐路」

■カフカ的な Kafkaesque

英語やフランス語で名詞、とりわけ人名○○のあとに、-esque という接尾辞を付けて「○○的な」「○○風の」という形容詞を作る方法がある。arab → arabesque,  picture → picturesque, Roman → Romanesque,  Chaplin → Chaplinesque,  Fellini → Felliniesque, etc., etc.

でも、人名+-esque の代表格は、なんといっても Kafka → Kafkaesque だ。たくさんの辞書が -esque の例として挙げている。「カフカ的な」といえば、すなわち「不条理で悪夢のような」という意味。

不思議な人、奇妙な人、謎の人、カフカ。


 Image gallery 
表紙画像 Cover photos

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a. Ja_taguchi_kafka_no_ehon b. Ja_kafka_selection_3 c. Ja_kafka_tampenshu_iwanami

d. En_the_complete_stories_1995 e. Fr_borges_le_livre_des_etres_imag_2 f. De_kafka_die_erzhlungen

g. Grab_von_franz_kafka_4


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

我有一只奇特的动物,一半像小猫,一半像羊羔。它是我从父亲的财产中继承来的一件遗物,不过它到我手里之后才发育长大。以前它羊羔相多而小猫相少,但现在两者基本相等,猫头猫爪,羊羔个头,羊羔体型,眼睛与两者都像,闪闪发亮,充满野性。毛很柔软,紧贴在身上。动起来不但会连蹦带跳,还会潜伏而行。
  “我无力抵抗,”我说,

   《一只杂种》 卡夫卡 著 周新建 译
   E-text at 语文备课大师


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

我有一只奇特的動物,一半像小貓,一半像羊羔。它是我從父親的財產中繼承來的一件遺物,不過它到我手里之后才發育長大。以前它羊羔相多而小貓相少,但現在兩者基本相等,貓頭貓爪,羊羔個頭,羊羔体型,眼睛与兩者都像,閃閃發亮,充滿野性。毛很柔軟,緊貼在身上。動起來不但會連蹦帶跳,還會潛伏而行。

   《一只雜种》 作者:卡夫卡 周新建 譯
   E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)


■「羊猫」「雑種」「変種」「岐路」を収録している本の一覧
 List of books incorporating a Japanese translation of EineKreuzung

竹峰  1. ポケットマスターピース 01 カフカ -- 集英社, 2015.10
たぐち 2. カフカの絵本 / フランツ・カフカ[他]. -- 小学館, 2009.3
浅井  3. カフカ・セレクション. 3 / フランツ・カフカ[他]. -- 筑摩書房, 2008.11.
       -- (ちくま文庫)
池内  4. 万里の長城 / フランツ・カフカ[他]. -- 白水社, 2006.9.
       -- (白水Uブックス ; 158) 【詳細
前田  5. カフカ全集. 2 / マックス・ブロート. -- 新潮社, 1992.10
池内  6. ちくま文学の森. 12 / 安野光雅. -- 筑摩書房, 1989.1 【詳細
池内  7. 禿鷹 / フランツ・カフカ[他]. -- 国書刊行会, 1988.4.
       -- (バベルの図書館 ; 4) 【詳細
長谷川 8. カフカ傑作短篇集 / 長谷川四郎. -- 福武書店, 1988.3.
       -- (福武文庫) 【詳細
池内  9. カフカ短篇集 / 池内紀. -- 岩波書店, 1987.1. -- (岩波文庫) 【詳細
前田  10. カフカ全集. 2 / マックス・ブロート. -- 新潮社, 1981.6 【詳細
江野  11. カフカ全集. 3  / フランツ・カフカ. -- 新潮社, 1953.


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 竹峰 2015
私は一匹の奇妙な動物を飼っている。なかば小猫で、なかば小羊なのである。父が所有していたものの相続品なのだが、こんな風に成長したのは私の代になってからのことであって、以前は小猫よりも小羊にずっと近かったものの、いまではだいたい同じくらいの割合である。頭と爪は猫から、大きさと姿かたちは小羊から、せわしなく動く優しい眼、やわらかくてぴちっと密着しているような毛並み、跳びまわるようでも身をひきずるようでもある動きは双方から受け継いでいる。[以下略]

  • 竹峰義和(たけみね・よしかず)=訳 「雑種」 多和田葉子(たわだ・ようこ)=編 『ポケットマスターピース 01 カフカ』 集英社文庫ヘリテージシリーズ 2015-10-25

(2) たぐち 2009
僕は 半分猫で半分羊という へんてこな動物を飼っている。父から譲られたのだけれど 僕のところに来てから おかしくなってしまった。最初は 猫というより羊のようだった。それが 今ではどちらともいえない姿をしている。頭と爪は猫で 体の大きさや形は羊である。ギラギラと輝く 野生的な目をしているのに 毛は フラフワと柔らかくて ふっくらとしている。飛び跳ねているかと思うと 腹ばいになっているという具合だ。[以下略]

  • 「羊猫」 フランツ・カフカ=原作 たぐち みちこ=文 田口智子=絵 『カフカの絵本』 小学館 2009-03-02
  • 原文に複数ある改行や1行空きを省略しました。

(3) 浅井 2008
私は変てこな動物を飼っている。半ばは小猫で、半ばは小羊なのだ。父が所有していたものを相続したのだが、ただし、成長してこうなったのは私の手に移ってからのことで、以前は小猫というよりもずっと小羊だった。でもいまでは、ほぼ半分半分である。頭と鉤爪は猫のもの、身体の大きさと形姿は小羊のもので、ちらちら動く優しげな目や、柔らかでぴったり張りついたような毛並みや、跳びはねるようでもあり忍び歩くようでもある身ごなしには、双方の特徴が現われている。[以下略]

  • 浅井健二郎(あさい・けんじろう)=訳 「雑種」 フランツ・カフカ=著 平野嘉彦(ひらの・よしひこ)=編 『カフカ・セレクション3 異形/寓意』 筑摩書房 2008-11-10 ちくま文庫

(4) 長谷川 1988
私は奇妙な動物を所有している、半分猫で、半分羊である。これは私が父から受けついだ遺産である。しかし、それは私の代になって初めて成育したもので、以前は猫よりも遙かに羊だった。だが現在では、両者等分である。猫からは頭と爪、羊からは大きさと形を貰(もら)っており、両方から受けているのは、ぴかぴかと光って野性的な眼と、柔らかく体にぴったりと密生している毛と、とび跳(は)ねると同時に忍び歩きでもあるような、その動作である。[以下略]

  • カフカ=著 長谷川四郎(はせがわ・しろう)=訳 「変種」 『カフカ傑作短篇集』 福武書店 1988-03-15 福武文庫 【詳細

(5) 池内 1987, 1988, etc.
半分は猫、半分は羊という変なやつである。父からゆずられた。妙な具合になりだしたのは、ゆずり受けてからのことであって、以前は猫というよりも羊だった。今はちょうど半分半分といったところで、頭と爪は猫、胴と大きさは羊である。両方の特徴を受けついで、目はたけだけしく光っている。毛なみはしなやかだし、やわらかい。忍び歩きも跳びはねるのもお手のもの。[以下略]


(6) 前田 1980, 1992
ぼくは、奇妙きてれつな動物を飼っている。なかば小猫、なかば小羊という代物である。じつは、父からゆずられたものだが、こいつがこんな妙ちくりんな発育をしはじめたのは、ぼくの代になってからであって、以前は猫というよりはむしろ小羊であった。いまは、両方半分ずつというところであろうか。頭とけづめは猫であり、大きさと恰好は小羊である。きらきらと光る獰猛な眼、やわらかくて、ぴったりとからだにくっついている毛なみ、とびはねると同時にしのび足で歩く動作などは、両方から受けついだものである。[以下略]


(7) 江野 1953
私は猫ともつかず小羊ともつかぬ妙な動物を飼つている。これも親父から譲られたものだ。だが、私が飼うようになつてからこうなつたもので、それまでは猫というよりもむしろ小羊だつた。今では兩々相半ばしているといえよう。猫らしいのは頭と距(けづめ)で、羊らしいのは大きさと體つきだ。兩方の素質を併せ持つているのは、野性的にきらきら光る眼と、柔くてぴつたりと身についている毛なみと、はねるかと思うと忍び足で歩いたりする身ごなしだ。[以下略]


■ロシア語訳 Translation into Russian

У меня есть своеобразное животное, наполовину кошечка, наполовину барашек. Это часть наследства, завещанного мне отцом. Однако у меня оно заметно развилось, раньше оно было больше барашком, чем кошечкой. Но теперь у него, скорее всего, поровну от обоих. От кошки – голова и когти, от барашка – рост и фигура, дикие горящие глаза – от обоих, так же, как и короткая, туго прилегающая шерсть, и движения, одновременно припрыгивающие и крадущиеся. [Omission]

  • ГИБРИД (Eine Kreuzung) by Franz Kafka. Translated into Russian by Anna Glazova
  • E-text at The Kafka Project by Mauro Nervi

■フランス語訳 Translation into French

J'ai un animal curieux, moitié chaton, moitié agneau. C'est un héritage de mon père. En ma possession il s'est entièrement développé ; avant il était plus agneau que chat. Maintenant il est à moitié-moitié. Du chat il a la tête et les griffes, de l'agneau la taille et la forme ; de tous deux les yeux, qui sont sauvages et pétillants, la peau suave et ajustée au corps, les mouvements ensemble sautillants et furtifs. [Omission]


■英訳 Translation into English

I have a curious animal, half kitten, half lamb. It is a legacy from my father. But it only developed in my time; formerly it was far more lamb than kitten. Now it is both in about equal parts. From the cat it takes its head and claws, from the lamb its size and shape; from both its eyes, which are wild and flickering, its hair, which is soft, lying close to its body, its movements, which partake both of skipping and slinking. [Omission]


■チェコ語訳 Translation into Czech

Mám zvláštní zvíře, napůl kočičku, napůl jehně. Je to dědictví z otcova majetku. Avšak vyvinulo se teprve za mne, dříve to bylo spíš jehně než kočička. Teď však má z obojího asi tak stejně. Z kočky hlavu a drápy, z beránka velikost a postavu; od obou má oči, které plápolají a jsou divoké, srst, která je měkká a přiléhavá, pohyby, v nichž je skotačivost i plíživost. [Omission]


 Audio 
ドイツ語原文のオーディオブック(朗読) Audiobook in German

Uploaded to YouTube by Zeitl0ch on 8 Nov 2012.


■ドイツ語原文 The original text in German

Ich habe ein eigentümliches Tier, halb Kätzchen, halb Lamm. Es ist ein Erbstück aus meines Vaters Besitz. Entwickelt hat es sich aber doch erst in meiner Zeit, früher war es viel mehr Lamm als Kätzchen. Jetzt aber hat es von beiden wohl gleich viel. Von der Katze Kopf und Krallen, vom Lamm Größe und Gestalt; von beiden die Augen, die flackernd und wild sind, das Fellhaar, das weich ist und knapp anliegt, die Bewegungen, die sowohl Hüpfen als Schleichen sind. [Omission]

  • Eine Kreuzung (1931) by Franz Kafka. This story first appeared in Die literarische Welt (The Literary World) 7. Jahrgang, Nr. 13; 1931-03-27. 初出: 雑誌《文学世界》第7巻第13号。1931年3月27日。
  • E-text at:

■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2015-12-30 竹峰義和=訳 2015-10-25 と江野専次郎=訳 1953-07-31 を追加しました。
  • 2013-07-11 ドイツ語原文オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2011-04-01 周新建による中国語訳(簡体字)を追加しました。
  • 2009-12-23 周新建による中國語譯(繁體字)を追加しました。
  • 2009-11-28 長谷川四郎=訳 1988-03-15 を追加しました。

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