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Wednesday, 28 April 2010

The Voyage of the Beagle by Charles Darwin ダーウィン 『ビーグル号航海記』

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
 Images   表紙画像 Cover photos
■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information
 Video 1  映画 『クリエーション』 (2009) Creation (2009), a film directed by Jon Amiel
 Video 2  The Young Charles Darwin DVD clip
■日本語訳 Translations into Japanese
  (1) 荒俣 2013
  (2) 荒俣 1995
  (3) 柴 1990
  (4) 三谷 1979
  (5) 才野 1962, 1974
  (6) 島地 1960, 1975
  (7) 荒川 1958, 1975, etc.
  (8) 内山 1938, 1941, etc.
  (9) 小岩井 1912
  Image   『ダーヰン氏世界一週 學術探檢實記』 (1912) の扉
  Title page of Daawin-shi Sekai Isshuu Gakujutsu Tanken Jikki (1912)
■ロシア語訳 Translation into Russian
■イタリア語訳 Translation into Italian
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translation into French
  Audio  
英語原書のオーディオブック(朗読) Audiobook - Chapter 10
■英語原文 The original text in English
■カワウソかラッコか? What? Otters?
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

南米大陸最南端の、さらに南に浮かぶ群島ティエラ・デル・フエゴ。西側はチリ、東側はアルゼンチンに属する。人類が定住している最南端の土地だ。——え? 南極の基地にも人は住んでるって? うむ、たしかに。でも、あそこは「越冬」する場所ではあっても、「定住」する場所ではないでしょ。たぶん。

1831年12月、イギリス海軍の帆船ビーグルは、南アメリカ沿岸を測量するため2回目の航海に出発した。この船に、船長の話し相手を務めるジェントルマン兼無報酬のナチュラリスト(博物学者)として乗り込んだのがチャールズ・ダーウィン。ケンブリッジを卒業したばかりで22歳だった。

ゆくゆくは牧師になるはずだったダーウィン。だが、彼の真の関心は地質や動植物などにあった。のちに出版される『ビーグル号航海記』は、航海そのものの記録ではなく、上陸先各地の地質や動植物・昆虫などを調査・採集した記録、ならびに現地の人々を観察した記録だった。

ダーウィンはめぐまれていた。裕福な親、理解ある伯父(冒険に反対する父を説き伏せてくれた)、そして一生に一度の大航海のチャンスをもたらしてくれた恩師(乗船の口について紹介と推薦をしてくれた)。

さて、イギリスを出発して丸一年。南米の最果ての地に上陸したダーウィンは何を見たか? どう書き残したか?


 Images  表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

J1 Ja_annies_box J2 Ja_what_mr_darwin_saw J3 Ja_darwin_sensei_3

E1 En_annies_box E2 En_what_mr_darwin_saw E3 En_the_voyage_of_the_beagle


■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information

J1 日本語
タイトル: ダーウィンと家族の絆—長女アニーとその早すぎる死が進化論を生んだ
著者: ランドル・ケインズ=著 渡辺政隆+松下展子=訳
単行本
出版社: 白日社
出版年: 2003-12
ISBN-10 : 4891731109
ISBN-13 : 9784891731106
版元による この本の紹介
上に紹介した映画 『クリエーション』 (2009) の原作である下記 E1 を邦訳したもの。


J2 日本語
タイトル: ビーグル号世界周航記——ダーウィンは何をみたか (講談社学術文庫)
著者: チャールズ・ダーウィン=著 荒川秀俊=訳
文庫
出版社: 講談社
出版年: 2010-02-10
ISBN-10 : 4062919818
ISBN-13 : 9784062919814
版元による この本の紹介


J3 日本語
タイトル: ダーウィン先生地球航海記〈3〉地球最悪の岬をぬけるの巻(全5巻)
著者: チャールズ・ダーウィン=著 荒俣宏=訳 内田春菊=イラスト
単行本
出版社: 平凡社
出版年: 1995-11-20
ISBN-10 : 458254133X
ISBN-13 : 9784582541335
版元による この本の紹介

この5巻本セットの刊行に先立って、雑誌 『太陽』(平凡社) 1992年1月号〜93年12月号に、荒俣氏による同航海記の翻訳が連載された由(新妻昭夫『種の起原をもとめて—ウォーレスの「マレー諸島」探検』 朝日新聞社 1997-05-05 第1章 注5 に拠る)。


E1 英語
タイトル: Annie's Box: Charles Darwin, His Daughter and Human Evolution
著者: Randal Keynes 
ペーパーバック
出版社: Fourth Estate
出版年: 2002-06-05
ISBN-10 : 1841150614
ISBN-13 : 9781841150611
上に紹介した映画 『クリエーション』 (2009) の原作。上記 J1 の原書。


E2 英語
タイトル: What Mr Darwin Saw
著者: Mick Manning Brita Granstrom 
ペーパーバック
出版社: Frances Lincoln Childrens Books
出版年: 2010-04-01
ISBN-10 : 1847801072
ISBN-13 : 9781847801074
版元による この本の紹介


E3 英語
タイトル: The Voyage of the Beagle: Charles Darwin's Journal of Researches (Penguin Classics)
著者: Charles Darwin 
ペーパーバック
出版社: Penguin Classics
出版年: 1989-11-07
ISBN-10 : 014043268X
ISBN-13 : 9780140432688
版元による この本の紹介


 Video 1 
映画 『クリエーション』 (2009) 監督: ジョン・アミエル 主演: ポール・ベタニー
Creation (2009), a UK film. Directed by Jon Amiel, Starring Paul Bettany.

公式予告篇を観るには ここ をクリック。To watch the official trailer click here.
Paul_bettany_creation_3
東京国際映画祭 | クリエイション  ダーウィンの幻想 (2009年10月17日〜25日)
クリエーション (2009年の映画) - Wikipedia
日本の一般劇場での公開予定は未確認。
Creation (2009 film) - Wikipedia
Creation (2009) - IMDb
Creation Official Site


 Video 2 
The Young Charles Darwin DVD clip

The Young Charles Darwin, a DVD from Cam 3 Media, Film Production Services and Studios in Shrewsbury, Shropshire, North West England.


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 荒俣 2013
戦争になると人肉を食ったりする種族もいる。ロウ氏に雇われた少年とジェミー・ボタンから、それぞれ別ものだが内容の一致する証拠を提供されたうえで考えると、次の事実は間違いなくほんとうである。すなわち冬季に飢えた人びとは、犬を殺すよりも先に老女を殺して食べるのだ。なぜそういうことがおこなわれるのかとロウ氏が少年に質(ただ)したところ、答えはこうだった——「犬はカワウソを捕まえる。おばばは捕まえない」と。この少年は老女がとり押さえられ煙にかざされ、窒息死するまでのプロセスを説明した。かれはたわむれに、悲鳴の真似をしてみせ、人肉のどこがいちばんうまいかも教えてくれた。


(2) 荒俣 1995
戦争になると人肉を食ったりする部族もいる。ロウ氏にやとわれた少年とジェミー・ボタンと、それぞれべつの子だがよく一致する証拠からかんがえても、つぎの事実はまちがいなくほんとうである。すなわち冬季に飢えた人びとは、犬をころすよりもさきに老いた女性をころしてたべるのだ。なぜそういうことがおこなわれるのか、とロウ氏が少年にただしたところ、答えはこうだった——「犬はカワウソをつかまえる。おばばはつかまえない」。この少年は、老いた女性がとりおさえられてけむりでくゆられ、窒息死するまでのプロセスを説明した。かれはたわむれに、女のひとがあげた悲鳴のまねをしてみせ、人肉のどこがいちばんうまいかもおしえてくれた。

  • 第10章 フエゴ島に上陸する——フォークランド諸島からフエゴ島へ
    チャールズ・ダーウィン=著 荒俣宏(あらまた・ひろし)=訳 内田春菊=イラストレーション 『ダーウィン先生地球航海記 第3巻 地球最悪の岬をぬけるの巻』 全5巻 平凡社 1995-11-20
  • 原文にあるルビはすべて省略しました。
  • 原書: 1913年にロンドンで発行された『ビーグル号航海記』。ごく一部を省略しただけの、ほぼ全訳。(「凡例」による)

(3) 柴 1990
「ここの人たち、おそろしいです、ジョージさん」とジェミーが言った。
「注意しなさい。あなた、食べますよ」
 ぼくはジェミーの言うことが信じられなかった。
「ほんと、ジョージさん。時どき、食べ物がなくなる。彼らは犬を食べる。でも、まず最初に食べるのは、おばあさん」
「きみは、彼らが人食い人種だというのかい、ジェミー?」ぼくはおどろいてたずねた。
「そうです、ジョージさん。食べ物がなくなると、おばあさんは森ににげます。男たちが後を追いかけ、殺します。食べます。おばあさんがいなくなったら、犬を食べます」
 それにしても、いったいなぜ、犬より先におばあさんを食べたりなんかするのか、ぼくには理解できなかった。
「犬はよいのです。動物をつかまえる。かわうそを殺す。その毛皮は着物の材料になります」とジェミーは説明した。 「時どき、部族同士が戦います。そしておたがい食べあうのです、ほんとに」

  • ジェミー・ボタン 火の国に帰る
    ピーター・ワード=作 柴鉄也(しば・てつや)=訳 伊東寛(いとう・ひろし)=絵 『ダーウィンのぼうけん』 (The excellent series of foreign literature books) ほるぷ出版 1990-04-20
  • 児童書。原文にあるルビはすべて省略しました。底本はダーウィンの原著ではなくて、次の再話本です。
  • 原書:

(4) 三谷 1979
 冬など、いよいよたべるものがなくなると、土人たちは犬をころすまえに、老婆(ろうば)をころしてたべるという。ある土人は、なぜそんなことをするのかとたずねられて、
「犬はカワウソをつかまえる。ばあさんはつかまえない」
と、こたえた。この土人は、老婆(ろうば)がけむりでいぶしころされるありさまを説明(せつめい)し、じょうだんのつもりか、そのときのひめいのまねをし、どこがいちばんうまいかといったようなことを、つけくわえた。

  • フェゴ島のフェゴ人
    ダーウィン=著 三谷貞一郎(みたに・ていいちろう)=訳・編 『世界偉人自伝全集14 ダーウィン』 偉人みずからが語る感動の生涯 小峰書店 1979-02-05

(5) 才野 1962, 1974
彼らは異民族と戦うときには人肉を食べる食人種になる。また冬になって食物が欠乏すると、彼らはイヌを殺す前に、老婆を殺して食べるといわれているが、これは事実である。この驚くべき事実は、アザラシ業者であるローが土人の少年から聞いた話と、ジェミー・バトンが語った話とが、べつべつの話であるのに内容が一致しているのでまさしく真実である。その少年は、ローになぜそんな残酷なことをするのかと尋ねられて、「イヌはカワウソを捕えるが婆さんにはできない」と答えたという。またその少年は老婆が押えつけられ、煙で窒息して殺されるようすを話し、冗談(じょうだん)半分に老婆の悲鳴をまねてから、いちばんおいしいからだの部分を説明した。

  • 第一○章 ティエルラ・デル・フェゴ
    C・R・ダーウィン=著 才野重雄(さいの・しげお)=訳 「ビーグル号航海記」
  • a. b. とも抄訳。引用は b. に拠りました。

(6) 島地 1960, 1975
異部族が戦う時は食人種となる。冬期に饑えて窮迫すると、彼らはいぬを屠殺する前に、老婆を殺して食うことは確実である。このことはロー氏が少年から聞いたものと、ジェミー バトンが話したことと、いずれも別々の証拠によるものだったが、全く一致していた。その少年は、ロー氏になぜそんなことをすると尋ねられた時に、「いぬかわうそをつかまえる。婆さんにはつかまらない」と答えたという。この少年は、女が煙の立つ上に押さえつけられて、窒息して殺される状況を叙述し、冗談にその悲鳴を模倣し、また最も美味とされている体の部分を説明した。

  • 第一○章 ティエルラ デル フェゴ
    チャールズ・ダーウィン=著 島地威雄(しまじ・たけお)=訳
  • 原文の傍点は下線に置き換えました。引用は a. に拠りました。
  • 原書: Darwin's Naturalist's Voyage in the Beagle, 1st edition, 1906. Everyman's Library, J. M. Dent & Sons Ltd., London. (Journal of Researches into the Geology and Natural History of the Various Countries visited during the Voyage of H.M.S. Beagle round the World by Charles Darwin)

(7) 荒川 1958, 1975, etc.
戦争のときは異種族の人間は食べてしまう。冬のあいだ、飢えにせまられると、彼らが犬を殺す前に老婆を殺してその肉を食べることは、どうやらほんとうのようである。ロー氏が彼らに、なんでこんなことをしたかと問いただしたら、ある少年は「犬っころはラッコを捕まえるが、老婆はなにもしない」と答えたそうである。


(8) 内山 1938, 1941, etc.
異う部族が戦争を始めると食人をやる。ロー氏のつれていた少年とジェミー・バトンの一致した、だがまったく別々の証言によると、冬、饑饉に迫られると、彼らが犬を殺す前に老婆を殺してその肉を喰うのは確かに真実なのだ。少年はなぜそういうことをするのか訊かれると「犬は獺をつかまえるけど、お婆さんはつかまえないもの」と答えた。この少年は、老婆たちが煙の上にわたされて抑えつけられており、こうして窒息させられて殺される有様を語った。彼は冗談にその悲鳴の真似をし、食べていちばんうまいと教えられている彼らの体の部分を述べた。


(9) 小岩井 1912
蠻人が冬季饑饉に遭遇した場合には、往々犬を殺して食ふことがある。このやうな場合には、犬を食ふ前に先づ老婦を殺して食ふのが常である。其理由とする所は、犬は水獺(かはをそ)を捕へる働があるけれども、老婦は何の働もなし得ないといふのである。而して老婦を殺す場合には、畑の中に燻(くす)べて窒息せしめるのであるが、殺される事を聞き知つた老婦は、直ぐ山間に隱れるが、忽ち捕(とらは)れて、爐邊に伴れて來られるのだ。聞くも酸鼻の極みである。

  • 第十章 テラ、デル、フェゴ島
    チャールス、ダーヰン氏原著 小岩井兼輝(こいわい・かねてる)=譯述 『ダーヰン氏世界一週 學術探檢實記』 同文館 定價金八十錢 1912-03-15(明治45)
  • この本の全ページの複写画像: 国立国会図書館 近代デジタルライブラリー
  • 食と婦の旧字は、それぞれ新字で置き換えました。なお、下の画像でおわかりのとおり、この本のには、なぜか「米國 チャールス、ダーヰン氏原著」とあります。ダーウィンがアメリカ人だと誤認する理由がなにかあったのでしょうか。不思議です。

  Image  
『ダーヰン氏世界一週 學術探檢實記』 同文館 1912 (明治45)の扉
Title page of Daawin-shi Sekai Isshuu Gakujutsu Tanken Jikki (1912)

1912_koiwai_darwin_beagle_3
Image source: 国立国会図書館 近代デジタルライブラリー

■ロシア語訳 Translation into Russian

Различные племена, воюя между собой, становятся людоедами. На основании совпада­ющих, но совершенно независимых показаний мальчика, нанятого м-ром Лоу, и Джемми Баттона можно считать совершенно несомнен­ным, что зимой, побуждаемые голодом, огнеземельцы убивают и поедают своих старых женщин раньше, чем собак; когда м-р Лоу спросил мальчика, почему они так поступают, тот отвечал: «Собачки ловят выдр, а старухи нет». Мальчик описывал, как умерщвляют старух, держа их над дымом до тех пор, пока они не задохнутся; он в шутку передразнивал их вопли и показывал, какие части их тела считаются особенно вкусными.


■イタリア語訳 Translation into Italian

Le differenti tribù quando fanno guerra sono cannibali. Secondo concorrente testimonianza del fanciullo preso dal signor Low e di Jemmy Bulton, è certamente vero che quando in inverno sono stretti dalla fame, uccidono e divorano le loro vecchie donne prima di uccidere i loro cani; il fanciullo al quale il signor Low domandò perchè facessero, questo rispose: « i cani prendono le lontre; le vecchie noi » Questo fanciullo descriveva il modo in cui sono uccise, essendo tenute sopra il fumo ed in tal modo soffocate; egli imitava per scherzo le loro grida, e descriveva le parti del loro corpo che son considerate migliori da mangiare.


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Las diferentes tribus cuando guerrean entre sí, son caníbales. De dos testimonios concordes del todo, pero enteramente independientes, el de un muchacho que lo refirió a Mr. Low, y el de Jemmy Button, resulta probado con toda certeza que cuando en invierno apreta el hambre matan y devoran a las ancianas de la tribu, antes que a sus perros. Cuando el Sr. Low le preguntó al muchacho la razón de esto, respondió: "Los perros cogen nutrias, y las viejas no". El chicuelo describió el modo que tienen de matarlas, reteniéndolas sujetas sobre el humo, hasta que se asfixian; imitaba como por juego los gritos de las víctimas, e indicaba las partes de sus cuerpos que se consideraban más apetitosas.


■フランス語訳 Translation into French

Quand les différentes tribus se font la guerre, elles deviennent cannibales. S’il faut en croire le témoignage indépendant d'un jeune garçon interrogé par M. Low et celui de Jemmy Button, il est certainement vrai que, lorsqu'ils sont vivement pressés par la faim en hiver, ils mangent les vieilles femmes avant de manger leurs chiens ; quand M. Low demanda au jeune garçon pourquoi cette préférence, il répondit : « Les chiens attrapent les loutres, et les vieilles femmes ne les attrapent pas. » Ce jeune garçon raconta ensuite comment on s'y prend pour les tuer : on les tient au-dessus de la fumée jusqu'à ce qu'elles soient étouffées, et, toul en décrivant ce supplice, il imitait en riant les cris des victimes et indiquait les parties du corps que l'on considère comme les meilleures.


  Audio  
英語原書全巻のオーディオブック(朗読)
The Voyage of the Beagle - Full Audiobook. Chapter 10 read by Rob Whelan

下に引用する箇所の朗読は 9:27:55から。 Uploaded to YouTube by GreenAudioBooks on 21 Jan 2013. Audio courtesy of LibriVox. Reading of the excerpt below starts at 9:27:55.


■英語原文 The original text in English

The different tribes when at war are cannibals. From the concurrent, but quite independent evidence of the boy taken by Mr. Low, and of Jemmy Button, it is certainly true, that when pressed in winter by hunger they kill and devour their old women before they kill their dogs: the boy, being asked by Mr. Low why they did this, answered, "Doggies catch otters, old women no." This boy described the manner in which they are killed by being held over smoke and thus choked; he imitated their screams as a joke, and described the parts of their bodies which are considered best to eat.


■カワウソかラッコか? What? Otters?

   "Doggies catch otters, old women no."
   「犬っころはラッコを捕まえるが、老婆はなにもしない」……荒川 1958, etc.
   「犬はカワウソをつかまえる。おばばはつかまえない」………荒俣 1995
   「犬はカワウソを捕まえる。おばばは捕まえない」……………荒俣 2013
   「いぬはかわうそをつかまえる。婆さんにはつかまらない」 …島地 1960, etc.
   「犬はカワウソをつかまえる。ばあさんはつかまえない」 ……三谷 1979
   「犬は獺をつかまえるけど、お婆さんはつかまえないもの」内山 1938, etc.
   「イヌはカワウソを捕えるが婆さんにはできない」…………才野 1962, etc.
   「犬は水獺を捕へる働があるけれども、老婦は何の働もなし得ない」
                                      ……小岩井 1912
   「犬はよいのです。動物をつかまえる。かわうそを殺す」 ……柴 1990

英語原文の "otters" の正しい和訳は、カワウソ/かわうそ/獺か? それともラッコか? ウィキペディアには、こうある。

   カワウソはネコ目(食肉目)イタチ科カワウソ亜科に属する哺乳動物の
   総称。カワウソ亜科にはニホンカワウソやラッコなどが属している。

   ラッコは、食肉目(ネコ目)- イヌ亜目- クマ下目 (en)- イタチ科-
   カワウソ亜科- ラッコ属に分類される、中型の海棲哺乳類(1種)。
   本種のみでラッコ属を形成する。

つまり、ラッコは広義のカワウソに含まれる。カワウソの方がラッコよりも上位のカテゴリーであるらしい。ラッコは英語ではふつう sea otter と sea を付けて呼ぶようだ。


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2013-10-02 荒俣宏=訳 2013-06-25 とオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2013-07-05 目次を新設しました。
  • 2010-08-07 イタリア語訳、スペイン語訳、フランス語訳、およびロシア語訳を追加しました。
  • 2010-07-25 「はじめに」の字句を一部修正しました。
  • 2010-07-13 三谷貞一郎=訳・編 1979-02-05 を追加しました。
  • 2010-05-09 小岩井兼輝=譯述 1912-03-15(明治45)、および『ダーヰン氏世界一週 學術探檢實記』 の扉画像を追加しました。
  • 2010-05-08 柴鉄也=訳 1990-04-20 を追加しました。
  • 2010-04-29 「カワウソかラッコか?」の項を新設しました。

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Comments

1)冬の飢えと戦争との対比。→同位かどうか読者に任せる。
2)independent, certainly の訳の確認。→一般的な訳でよい。
3)their の訳。→本来は「彼女らの」であろう。ここは「人が人を食す」ことを一般的に示したい。男女の区別なくもしたいが、おじいさんは食べないかもしれないので跳躍は避ける。

戦争にあって異なる部族同士は食人種である。Low氏とJemmy Buttonから得られた、全く独立した証拠から、冬の飢えに逼迫すると、彼らが飼い犬を殺す前に、老婆を殺して、むさぼることは、確かに真実だ。「小犬は、かわうそを捕えるけどおばあさんはそうじゃない」と、男児は、人々がなぜそうするのかとLow氏に訊かれ、答えた。この男児は、彼女らが煙の上に抱かれて、窒息することによって死ぬ方法を解説した。彼は冗談として彼女らの悲鳴を模倣して、最も食に適した人間の体の部分を解説した。

--------------------------------------------

戦争は、最後の手段で攻撃する場合もあれば、富んでいて今なら勝ち目があるといって攻撃する場合もあると思いますが。

Posted by: 伊藤 龍樹 | Friday, 30 April 2010 at 12:54 AM

伊藤 龍樹さん

コメントありがとうございます。訳語についての考察と独自の訳についてお礼申し上げます。

「男児は、人々がなぜそうするのかとLow氏に訊かれ」の箇所は、原文と同様、「 」内の引用句よりもまえに置いたほうが理解しやすいかと思います。

また、「死ぬ」方法も、原文により忠実な「殺す/殺される」のほうが良いと思います。

戦争が起きる状況は、おっしゃるとおり、ひととおりではないでしょうね。ダーウィンは、そのことについては触れていませんが。

Posted by: tomoki y. | Monday, 03 May 2010 at 05:21 PM

ご指摘ありがとうございます。

一応、書き直しておきます。

戦争にあって異なる部族同士は食人種である。Low氏とJemmy Buttonから得られた、全く独立した証拠から、冬の飢えに逼迫すると、彼らが飼い犬を殺す前に、老婆を殺して、むさぼることは、確かに真実だ。男児は、人々がなぜそうするのかとLow氏に訊かれ、「小犬は、かわうそを捕えるけどおばあさんはそうじゃない」と、答えた。この男児は、彼女らが煙の上に抱かれて、窒息することによって殺される方法を解説した。彼は冗談として彼女らの悲鳴を模倣して、最も食に適した人間の体の部分を解説した。

えーっと、これを書きたかったのではなくて、、、

ダーウィンが"The different tribes when at war are cannibals."なんてことを書いていたことに非常に興味をもちまして。と申しますのは、部族同士が戦うこと、どんな(思想、組織、社会構造)部族が生存に有利なのかを考えれば「国の起源」も見えてくるのではないかと思ったからです。この発想は「想像の共同体」にまでつながります。communionしていたのは他部族のcannibalだったのかもしれません。

Posted by: 伊藤 龍樹 | Monday, 03 May 2010 at 06:40 PM

伊藤 龍樹さん

> どんな(思想、組織、社会構造)部族が生存に有利なのかを
> 考えれば「国の起源」も見えてくるのではないか

おお、壮大な構想ですね。具体的な発見や実証が得られれば、人間についての考察が深まるでしょう。

ところで、communion の意味が、まだよく分かりません。ひらたく言うと、どういうものでしょうか? どういう文献を見たら、参考になりますか?

Posted by: tomoki y. | Monday, 03 May 2010 at 09:09 PM

聖餐式はイエス自身が最後の晩餐で定めた儀式で、パンはキリストの体、葡萄酒はキリストの血として記念して食すものです。カトリックでは式においてパンとブドウ液の実体が聖体に変わる秘蹟であるとされ、プロテスタントでは信仰によってキリストの体と意味的に等しくなるとされています。それはさておき、communionとcommuneが同時に見事に描かれた聖書箇所がありますので紹介したいと思います。

信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである。(新共同訳:使徒言行録2:44-47)

Posted by: 伊藤 龍樹 | Monday, 03 May 2010 at 10:20 PM

伊藤 龍樹さん

コミュニオンについて、さっそく親切にご教示くださりありがとうございます。『想像の共同体』も、まだ充分に理解していません。聖書やキリスト教について、もっと知らなければ。

Posted by: tomoki y. | Tuesday, 04 May 2010 at 08:38 PM

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