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Saturday, 14 August 2010

Podolo by L.P. Hartley L・P・ハートリー / レスリー・P・ハートリー / L・P・ハートリイ 「ポドロ島」「ポドロ」

■はじめに Introduction

猫の登場する話。こわい話。食べ物についての話でもある。

ヴェネツィアの近くにある「ポドロ島」にピクニックに出かけたアンジェラと「わたし」は、島で飢えた猫を見つける。ところが、猫をあわれむアンジェラがとる行動は、はたして心優しいのか残酷なのか……?


 Gallery 1  表紙画像 Cover photos

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a. Ja_hachigatsu_no_atsusa b. Ja_kawade_podolotou c. Ja_kaiki_shosetsu_kessakushu

d. Ja_wagaya_no_shokutaku e. Ja_hakusuisha_neko_monogatari f. Ja_kaiki_shosetsu_kessakushu2

g. Ja_sekai_dairoman_zenshu38


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 金原 2010
 アンジェラが(運よく)手袋をはめた手で、猫の足をひとつつかんで持ち上げたときのことは決して忘れられないと思う。猫は必死にもがいて暴れ、小さな体に似合わず、すごい力で逆らったので、アンジェラは強風にあおられた小枝のように震えた。猫は異様な鳴き声をあげた。ぼくは今までに一度も、あんなすさまじい不気味な声はきいたことがない。

   L・P・ハートリー=著 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳 「ポドロ島」
   金原瑞人=編訳 『八月の暑さのなかで―ホラー短編集
   岩波少年文庫 2010-07-14


(2) 今本 2008
 アンジェラの手(さいわい手袋をしていた)に掴まれてぶら下がった猫の姿を、僕はこの先も決して忘れることはないだろう。猫は体をひねり、のたくって、必死にもがく。小さな体に似合わない暴れっぷりに、アンジェラも嵐にあおられた小枝のように震えていた。そのあいだじゅうずっと、猫は尋常ならざるうなり声を発し続けている。あれほど怒りをむき出しにした、悪意にあふれた鳴き声は聴いたことがない。

   L・P・ハートリー=著 今本渉(いまもと・わたる)=訳
   『ポドロ島』 Kawade Mystery
   河出書房新社 2008-06-30


(3) 高橋 1992, 1998
 その猫がアンジェラの(幸運にも)手袋をはめた手からぶら下がっている光景をわたしは決して忘れないだろう。それは身をよじってもがいて逃げようとした。そしてとても小さいにもかかわらず激しく暴れるので、アンジェラは大嵐の中の小枝のように揺れた。そして猫はそのあいだずっとこの世のものとも思えない声をあげていた。

   レスリー・P・ハートリー=著 高橋和久(たかはし・かずひさ)=訳 「ポドロ」
   富士川義之(ふじかわ・よしゆき)=編訳
   a.猫物語』 白水社 新装版 1998-11-10
   b.猫物語』 白水社 1992-03
   引用は a. に拠りました。


(4) 宇野 1958, 1969, etc.
 アンジェラの——幸いにも手袋をした指のさきで、猫がもがいているすがたは、おそらくぼくの、一生忘れることのできぬ光景であろう。咬(か)みつき、ひっかき、そして悲鳴をあげている。小さいくせに、見ていて怖くなるほどあばれぬいて、アンジェラのからだを、あらしのなかの小枝のように震えさせる。そのあいだも、ギャアギャア鳴きつづける。ぼくが耳にした、どれよりも不気味な、うらみをこめた叫びだった。

   L・P・ハートリイ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳 「ポドロ島」
   a.怪奇小説傑作集2 英米編2』 創元推理文庫 新版 2006-03-17
   b.わが家の食卓にようこそ』 ホラーセレクション7 ポプラ社 2006-03
   c.怪奇小説傑作集2』 創元推理文庫 東京創元社 1969-03-05
   d.世界大ロマン全集38』 怪奇小説傑作集2 東京創元社 1958
   引用は a. に拠りました。


■英語原文 The original text in English

I shall never forget seeing it dangle from Angela's (fortunately) gloved hand. It wiggled and squirmed and fought, and in spite of its tiny size, the violence of its struggles made Angela quiver like a twig in a gale. And all the while it made the most extraordinary noise, the angriest, wickedest sound I ever heard.

   Podolo
   in The Travelling Grave and Other Stories by L.P. Hartley
   Arkham House, 1948.


 Gallery 2  表紙画像 Cover photos

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a. The_collected_macabre_stories_of_lp b. Night_fears_and_other_supernatural_

c. Hartley_complete_short_stories_2 d. Travelling_grave

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