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Sunday, 16 January 2011

Résumé by Dorothy Parker ドロシー・パーカー 「レジュメ」「履歴書」「要約」

■はじめに Prologue

アメリカの短篇作家・詩人・劇作家・批評家ドロシー・パーカー。1893年(明治26年)ニュージャージー州生まれ。毒舌と皮肉とウィットで知られた。下に引用する短い詩 Resume は、彼女の作品のうち、たぶん最も有名なものの一つ。


 Video 1 
映画 『ミセス・パーカー/ジャズエイジの華(1994)』 「レジュメ」をそらんじるシーン
Mrs. Parker and the Vicious Circle (1994): Résumé

監督: アラン・ルドルフ 出演: ジェニファー・ジェイソン・リー
Directed by Alan Rudolph. Starring Jennifer Jason Leigh.


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) tomoki y. 2011
刃物だと いたいし、
河だと ヘアがみだれちゃう。
硫酸だと あとがヒサンだし、
麻薬だと ピクピクしちゃう。
銃だと 違法、
ロープだと すっぽ抜ける。
ガスだと におう。
そう思えば まだ生きてける。

   ドロシー・パーカー=作 Tomoki Yamabayashi=訳 「レジュメ」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる 2011-01-17


(2) 西原 2010
剃刀(かみそり)は痛い。
川だと濡(ぬ)れてしまう。
硫酸は痣(あざ)になる。
薬物は痙攣(けいれん)をおこす。
銃は法律で禁じられている。
縄は首に負担がかかる。
ガスだと鼻につく。
それならいっそ生きたほうがまし。

   ドロシー・パーカー=作 西原克政(にしはら・かつまさ)=訳 「履歴書」
   西原克政=著 『アメリカのライト・ヴァース』 港の人 2010-02-22


(3) 池澤 2007
カミソリは痛いし
川に入るとびしょびしょ
酸を飲むのは跡が醜い
クスリは痙攣(けいれん)するし
銃は非合法
紐の輪はほどける
ガスは臭いがひどいの
しかたないから生きてるわ

   ドロシー・パーカー=作 池澤夏樹=訳 訳題なし
   『叡智の断片』 集英社インターナショナル 2007-12-19
   この本は 『月刊PLAYBOY』 2005年1月号〜2007年11月号に連載
   された記事に加筆・訂正をほどこしたもの。


(4) 陰陽師 2006
カミソリは痛い
川は湿気る
酸は変色する
薬は痙攣する。
銃は違法
縄は解ける
ガスは臭い
生きている方がマシ

   ドロシー・パーカー=作 陰陽師=訳 「要約」
   ghostbuster's book web.
   初出: 2006年5月8日〜10日 改訂: 2006年5月12日


■英語原文 The original text in English

Razors pain you;
Rivers are damp;
Acids stain you;
And drugs cause cramp.
Guns aren't lawful;
Nooses give;
Gas smells awful;
You might as well live.

   Résumé by Dorothy Parker
   Enough Rope: Poems by Dorothy Parker
   New York: Boni and Liveright, 1926
   First printed in New York World, 1925-08-16
   E-text at:
   * Representative Poetry Online
   * Out of the Box Coaching (by Mary R. Bast)
   * Poetry X Archive
   * PoemHunter.com
   * Wikiquote


 Video 2 
詩人本人による「レジュメ」の朗読 Résumé read by the poetess herself

1960年代、作者晩年の録音。 Recorded in the 60s shortly before her death.


■おわりに Epilogue

ドロシー・パーカーは、じしん、自殺未遂を起こしたことがある。また、二番めの夫を自殺で失った。だが彼女の最後は心臓発作による死だった。1967年、73歳。名声を得たのが早かったことを思うと、長い晩年だったかもしれない。


■外部リンク External links

 [en] English
   * The Dorothy Parker Society
   * Dorothy Parker - Wikipedia (1893-1967)

 [ja] 日本語
   * ドロシー・パーカー - 翻訳アンソロジー/雑誌リスト
   * ドロシー・パーカー - 翻訳作品集成
   * ドロシー・パーカー - 翻訳作品紹介 (ghostbuster's book web.)


■更新履歴 Change log

2012-05-22 西原克政=訳 2010-02-22 を追加しました。
2011-01-18 外部リンクを補足しました。
2011-01-17 tomoki y. 訳の第2行をつぎのとおり修正しました。
         旧: 河だと びしょびしょになっちゃう。
         新: 河だと ヘアがみだれちゃう。


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Comments

いつかは挑戦したいと思っていました。
上記の中では池澤訳が最も好きなのですが女性口調にはしたくないと思いました。

1.簡潔に
2.韻に代わる和訳
3.主語のYouを生かす

剃刀は痛いし
川は湿っぽいし
酸は蝕むし
クスリは痙攣を起こすし
銃は違法だし
紐は解けるし
ガスは嫌な臭いだし
生きてる方がいいかもだよ

Posted by: 伊藤龍樹 | Wednesday, 17 August 2011 at 08:41 PM

伊藤龍樹さん

コメントありがとうございます。お返事が遅れてすみません。

たしかに、この英詩の場合、訳は簡潔なほうが原文に合っているでしょうね。

ところで、"Rivers are damp" の意味を、mixi つながりの友達が教えてくれました。「濡れる」という意味ではなくて、むしろ「湿気」のせいでヘアやメイクなどが、バッチリきまらないことを指すのだそうです。この友達は英語圏で十代を過ごした、いわゆる帰国子女で、いまは字幕翻訳をなさっている女性です。

だとすると、訳文がすこし女性口調になっても構わないのではないか、という気もします。

Posted by: tomoki y. | Thursday, 25 August 2011 at 08:03 AM

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