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Wednesday, 18 May 2011

老舍 《骆驼祥子》 (3) 老舎 『駱駝祥子』『ルオトゥオシヤンズ』『らくだのシアンツ』『駱駝のシャンヅ』 (3) Rickshaw Boy / Camel Xiangzi by Lao She (3)

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■はじめに Introduction

小説『駱駝祥子』の主人公・祥子は、「しょうこ」さんでも「さちこ」さんでもない。祥子(シャンズ)は男だ。田舎から北京に出てきた下層階級の素朴な青年だ。食べるために、人力車を引っぱっている。1920年代のお話だ。

彼の妻は、あだ名を「虎娘」という。中国語では「虎妞(フーニウ)」。阪神ファンではない。人力車屋をいとなむ彼女の父が、まるで虎みたいに、どう猛な男なのだ。その娘だから「虎娘」。じつは、父以上に男まさりの積極的な女性だ。人を罵倒するのが大の得意で、こわもてのタイプ。

虎娘は祥子を誘惑し、だまして彼と結婚した。妊娠「偽装」という反則技を使って「できちゃった婚」に持ち込んだのだ。虎娘の「やり手」ぶりをうかがうために、まず会話部分を下に抜き出し、そのあとで小説の原文を引用する。


■国内外における老舎 Lao She in and outside China

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a. Lao_she_mao_zedong

b. Laosheuc_berkeley_1946_06

c. Lao_she_university_of_london_soas d. Lao_she_18991966

  • 1960年、毛沢東と握手する老舎。この6年後、老舎は毛沢東の指導する文化大革命という名の権力闘争が引き起こした混乱のなかで、紅衛兵たちによって吊し上げに遭い、命を落とした。 Image source: 中国经济网 (www.ce.cn)
  • 1946年6月、カリフォルニア大学バークリー校を訪れたときの老舎(いちばん右)。彼は1946年、米国国務省に招かれて渡米し、1949年まで米国に滞在した。 Image source: 中国经济网 (www.ce.cn)
  • 1924〜29年、ロンドン大学東洋学院(現・ロンドン大学東洋アフリカ学院)で中国語講師を務めていたころの老舎。 Image source: 中国经济网 (www.ce.cn)
  • 老舎 (1899-1966)。撮影年・撮影場所は未確認。 Image source: 商都网 (Shangdu.com)

■Artwork
 《骆驼祥子》(七帧选六) 镜心 黑白插图原稿

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Photo_2
Image source: 搜艺搜 (FindArt)


■Books and VCDs

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a. Luotuo_xiangzi_9787020057283_china_ b. Drama_luotuo_xiangzi_act1 c. Beijinig_renyi_vcd


■Drama
 [ja] 『駱駝祥子』 北京人民芸術劇院 脚色・演出: 梅阡
 [zh] 《骆驼祥子》 [八大中国经典话剧] 北京人民艺术剧院 导演: 梅阡
 [en] Luotuo Xiangzi, a production by Beijing People's Art Theatre

50:20 あたりからの会話に相当する部分を、下の Dialogue の項に、原作から抜粋して引用する。


■Cinema
 [ja] 駱駝の祥子 (1982)
 [zh] 骆驼祥子 (1982)
 [en] Rickshaw Boy (1982)

0:35:30 あたりからの会話に相当する部分を、下の Dialogue の項に、原作から抜粋して引用する。


■Dialogue
上の舞台と映画の台詞は、下の原作の箇所を脚色したもの。

[zh] 简体中文
高 妈: 祥子!门口有位小姐找你;我正从街上回来,她跟我直打听你。
高 妈: 她象个大黑塔!怪怕人的!
虎 妞: 你可倒好!肉包子打狗,一去不回头啊!
祥 子: 别嚷!
虎 妞: 哼!我才怕呢!
虎 妞: 怨不得你躲着我呢,敢情这儿有个小妖精似的小老妈儿;
      我早就知道你不是玩艺,别看傻大黑粗的,鞑子拔烟袋,
      不傻假充傻!
祥 子: 别嚷!
祥 子: 别嚷!这边来!
虎 妞: 上哪边我也不怕呀,我就是这么大嗓儿!
祥 子: 你干吗来了?
虎 妞: 我?哼,事儿可多了!
虎 妞: 祥子!我找你有事,要紧的事!
祥 子: 什么事?
虎 妞: 祥子!
虎 妞: 我有啦!
祥 子: 有了什么?
虎 妞: 这个! [她指了指肚子] 你打主意吧!

   Excerpted from 老舍 《骆驼祥子》 第8章-第9章
   E-text at 梦远书城(第8章 第9章


[ja] 日本語
高 媽: 祥子。外で娘さんが待ってるよ。買物から帰ってきたところを
      つかまってさ、あんたのことを根掘り葉掘りきかれたよ。
高 媽: 色がまっ黒な、白塔(パイター)(北海公園にあるラマ塔)
      みたいにお腹がふくらんだ人だよ。あたしゃゾーッとしたよ!
虎 妞: おまえもいい気なもんだよ。でてったきり、知らんぷりとはねえ!
祥 子: 静かにしてくだせえ!
虎 妞: ふん、知ったことかい!
虎 妞: 変だ変だと思ったら、あんな化けものみたいな年増(としま)に
      うつつをぬかしてたんだね。あたしゃちゃんと知ってたよ。
      おまえはうすらばかみたいにしているけど、ほんとはとんだ
      くわせ者だってことをね。なにさ、とぼけやがって!
祥 子: 静かにしてくだせえ!
祥 子: 静かに! むこうへ行きやしょう。
虎 妞: どこへだって行ってやるさ。この声は生まれつきなんだからね!
祥 子: で、なにかご用で?
虎 妞: ご用? ふん。山ほどあるさ!
虎 妞: 祥子! どうしても話しておきたいことがあったんだよ
祥 子: いったいなんで?
虎 妞: 祥子!
虎 妞: できたんだよ!
祥 子: えっ、なにが?
虎 妞: これよ! [彼女は自分の腹を指さした] どうするのよ!

   八〜九からの抜粋
   老舎=著 立間祥介(たつま・しょうすけ)=訳
   『駱駝祥子 らくだのシアンツ』 岩波文庫 1980-12-16


[en] English
Kao Ma:   Hsiang Tzu! There's a young lady at the door looking
        for you. I just came home and she wanted me to
        tell her all about you.
Kao Ma:   She's like a big black pagoda. What a fright!
Hu Niu:   You can still come back even though you're like a
        dog who's been beat with a package of meat and
        not looking back beats a retreat!
Hsiang Tzu: Don't make a fuss!
Hu Niu:   Humph! What do I care!
Hu Niu:   I don't blame you for avoiding me. It's no wonder,
        not with a seductive vixen like her here. I knew you
        were no fool a long time ago so don't stand there
        looking like a clod. 'A Mongol may throw away a
        tobacco pouch but he's no fool even though he
        pretends to be.'
Hsiang Tzu: Don't fuss!
Hsiang Tzu: Don't fuss! Come over here!
Hu Niu:   I don't care where we go. I'm not afraid. I have a
        loud voice."
Hsiang Tzu: What have you come for?
Hu Niu:   Me? Lots of reasons!
Hu Niu:   Hsiang Tzu, there was a reason for me to look
        for you. A very important reason.
Hsiang Tzu: What's up?
Hu Niu:   Hsiang Tzu! I have something!
Hsiang Tzu: What do you have?
Hu Niu:   This! [She pointed at her belly.] So decide what
        to do.

   Excerpted from Chapters Eight and Nine
   Rickshaw: The Novel Lo-t'o Hsiang Tzu by Lao She
   Translated by Jean M. James
   University of Hawaii Press, 1979
   Excerpt at Google Books


■英訳 Translations into English

(E1) Goldblatt, 2010
  Huniu wore a puzzling expression. Her eyes revealed a bit of longing for him, but her mouth was twisted into a smirk and the wrinkles on her nose hinted at contempt and anxiety. Her arched brows and outlandishly powdered face gave a seductive yet domineering appearance. [Omission]  With a gulp, she managed to get her confused feelings and emotions under control. Taking up the social mannerisms she'd learned from her father, a mixture of displeasure and mirth, she displayed her insouciance at seeing Xiangzi with a lighthearted tease:
  "Well, aren't you something! Throwing a meaty bun at a dog ensures it'll never return."

   Chapter Nine
   Rickshaw Boy: A Novel by Lao She
   Translated by Howard Goldblatt
   Harper Perennial Modern Chinese Classics
   Harper Collins, 2010
   Excerpt at Amazon.com


(E2) Shi, 2005
  The expression on Tigress' face was mixed. Her eyes betrayed a certain longing to see him, yet her lips were parted in a faint sneer while the wrinkling of her nose suggested both disdain and anxiety. Her arched eyebrows and grotesquely powdered face were at once seductive and grimly overbearing. [Omission] She gulped, as if to control her involved emotions. With a hint of her father's society manner, half teasing and half blustering, as if she couldn't care less, she cracked a joke.
  "Well you certainly are a guy! A dog given a bone who doesn't come back for more!"

   Chapter 9
   Camel Xiangzi by Lao She
   Translated by Shi Xiaojing (施曉菁)
   with an introduction by Kwok-kan Tam (譚國根)
   Chinese-English Bilingual Edition (中英對照), Chinese University Press, 2005
   Preview at Google Books


(E3) James, 1979
  The expression on Hu Niu's face was mixed. In her eyes there was a glimmer of earnest longing to see him, but her lips were stretched in a bit of a cold smile. There were lines across her nose, which was wrinkled up to show her disdain and anxiety. Her eyebrows were arched; in the peculiar way she had powdered her face they looked both seductive and tyrannical. [Omission]  She gulped, as if suppressing various emotions. Mustering a little of the savoir-faire she got from old Liu, she chuckled in a half angry and half laughing way, pretending to be nonchalant about it all.
  "You can still come back even though you're like a dog who's been beat with a package of meat and not looking back beats a retreat!"

   Chapter Nine
   Rickshaw: The Novel Lo-t'o Hsiang Tzu by Lao She
   Translated by Jean M. James
   University of Hawaii Press, 1979
   Preview at Google Books


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中山 1991
 ひのえ午嬢には、実に複雑な表情が浮かんでいた。目には祥子に会いたい一心という表情が読み取られたが、かすかに開いた口もとには冷笑の影が宿っていた。鼻先には軽いしわができ、取り合わないという表情と、我慢できないという感情が重なり合っていた。眉はきりりと逆立っており、顔全体に塗り回された白粉を通して、怪しげなるなまめかしさと強情さがありありと表われていたのだった。[略] 彼女はごくんと唾(つば)を飲み込んでこれらの複雑な表情と感情とを無理矢理に押さえつけ、劉四爺譲りのよそ行き仁義を取り出して笑いと怒りを五分五分に、その実、努めて自分はそんなにむきになっているんではないというような格好をして鷹揚(おうよう)に笑ってみせた。
 「いい気なもんだね。〝肉包子(ロウパオズ)〟(肉まん)を犬にぶっつけたように、まるで帰ってこないじゃないかね」

   九
   中山時子=監修 老舎=著 中山高志(なかやま・たかし)=訳
   『駱駝祥子(ルオトゥオシヤンズ)』 白帝社 1991-03
   底本は人間書屋の初版だと推定される。


(J2) 立間 1970, 1974, etc.
 彼女の顔つきは複雑きわまるものだった。目は彼を待ちかねるふうにキラキラ輝いていた。そのくせ、口はせせら笑うように薄くひらいていた。鼻の縦じわには、さげすみといらだちがたたみこまれ、つりあがった眉は、塗りたくった顔に一種異様ななまめかしさと押しの強さをただよわせていた。[略] 彼女はごくりと生唾(なまつば)をのみこんで、複雑な感情と微妙な感情をねじ伏せ、親譲りの強面(こわもて)でにやりと笑うと、なにもなかったような顔で冗談めかして言った。
 「おまえもいい気なもんだよ。でてったきり、知らんぷりとはねえ!」

   九
   老舎=著 立間祥介(たつま・しょうすけ)=訳 「駱駝祥子」
   引用は下の a. に拠りました。


(J3) 市川+杉本 1969, 1970, etc.
 虎娘の顔には複雑な感情が表われていた。目には恋しさが表われているが、口には冷笑が浮かんでいる。鼻のあたりには縦じわが寄り、早く祥子に会いたいという気持と祥子なんか何だいという気持が、入りまじって表われている。眉はつりあがって、白粉をぬりたくった顔に妖気と残忍さを漂わせている。[略] そこでまず唾をのみこんで、自分の感情を抑えつけ、さすがに親ゆずりの伝法肌、何とか笑顔をつくるや、弱みは見せぬとばかり、カラカラと笑った。
「元気そうじゃないか。どうしたんだい、糸の切れた凧みたいに」

   九
   市川宏+杉本達夫=訳 「駱駝祥子(らくだシアンツ)」
   引用は下の a. に拠りました。底本は人民文学出版社本 1955-01。


(J4) 飯塚 1960, 1961
 虎娘の表情は複雑だった。眼の中には彼を見たいという輝きが見えたが、口はいくらか開いて、冷笑のようなものがあらわれていた。鼻には縦皺(たてじわ)がよって、不快と焦燥(しょうそう)の念がたたみこまれている。眉(まゆ)はきつくあがって、おそろしく化粧をほどこした顔には、妖(あや)しげな色気と荒々しさがただよっていた。[略] 彼女は唾をのみこみ、複雑な表情と感情とをおし鎮めようとして、劉四爺(リウスーイエ)ゆずりの伝法(でんぽう)なところをちょっと見せ、うらんでいるのか、笑っているのかちょっとわからない表情のあとで、そしらぬふりをしてハッハッハと笑った。
 「おまえさん、元気だったんだね! 肉まんじゅうで犬を打(ぶ)ったみたいに(戻りっこないという意)、出ていったきり知らん顔じゃないか!」

   九
   老舎(ろうしゃ)=著 飯塚朗(いいづか・あきら)=訳
   引用は下の a. に拠りました。a. の底本は人民文学出版社本 1955-01。


(J5) 岡本 1955
 虎娘の浮かべている表情は、まことに複雑だった。眼には、かれに会えることを渇望する光のようなものがただよっていたが、唇はしかし少し開かれていて、いくらか冷笑の色を見せていた。鼻に縦皺を寄せ、そのなかに不屈と焦躁の色がたたみこまれていた。眉は冷やかに寄せられ、顔面にただよう怪しげな化粧からは、妖しく媚びながらも、横暴なさまがありありとうかがわれた。
 [略]彼女はぐっと唾をのみこみ、複雑な表情と気分をおし静めようとでもするように、ちょっぴり劉四爺ゆずりの鉄火肌を装い、ひきつったような表情で、わざとさりげない風をみせながら、ハッハッと笑ってみせた。
「お前さんは元気だったのね。肉饅頭を犬に呉れたみたいに(戾りっこない意)、出て行ったきり戾らなかったわねえ。」

   老舍(ろうしゃ)=著 岡本隆三(おかもと・りゅうぞう)=譯
   「駱駝の祥子(シアンズ)」
   『老舍作品集』 新中國文學選集 靑木文庫 靑木書店 1955-07-15
   「断魂の槍」、「新月」、「駱駝の祥子」の三作を収録。
   底本は開明書店版『老舎選集』収録のダイジェスト本 1951-08。
   章番号は付いていない。


(J6) 竹中 1943, 1952
 虎娘の表情は誠に複雑だった。眼(め)には秋波(ながしめ)に似たものが漂っているかと思うと、微(かす)かに開いた口許(くちもと)には冷笑を浮かべ、鼻には縦皺(たてじわ)を寄せ、眉(まゆ)は八の字形に顰(しか)めて、顔一面に塗った奇怪な厚化粧は一種の妖気(ようき)を発散し、どことなく負けじ魂がありありと現れているように思われた。[略]
 彼女はグッと唾(つば)を飲み、努めて動揺する感情を押し鎮めようとするもののように、劉四爺(リウスーイエ)譲りの親分気取りを発揮して態(わざ)と大きな笑い声をあげて、胸の悩みを胡麻化(ごまか)そうとするかのように「アハハハハ。」と笑ってから、
 「暫(しばら)くだったわねえ祥子! お前さんはまるで鉄砲玉みたように車廠(みせ)を飛び出したっきりさっぱり顔を見せないのねえ!」

   九
   老舎(ろうしゃ)=著 竹中伸(たけなか・しん)=訳
   底本は原書「初版本」(下の「原書の版の異同について」の項を参照)
   引用は下の a. に拠りました。


■中國語原文(繁體字) The original text in traditional Chinese

  虎妞臉上的神情很復雜:眼中帶出些渴望看到他的光兒;嘴可是張著點,露出點兒冷笑;鼻子縱起些紋縷,摺疊著些不屑與急切;眉稜稜著,在一臉的怪粉上顯出妖媚而霸道。[略] 她嚥了口吐沫,把複雜的神氣與情感似乎鎮壓下去,拿出點由劉四爺得來的外場勁兒,半惱半笑,假裝不甚在乎的樣子打了句哈哈:
  「你可倒好!肉包子打狗,一去不回頭啊!」

   老舍 《駱駝祥子》 第九章
   E-text at Kam-Leung So's Homepage


■中国語原文(簡体字) Translation into simplified Chinese

  虎妞脸上的神情很复杂:眼中带出些渴望看到他的光儿;嘴可是张着点,露出点儿冷笑;鼻子纵起些纹缕,折叠着些不屑与急切;眉棱棱着,在一脸的怪粉上显出妖媚而霸道。[略] 她咽了口吐沫,把复杂的神气与情感似乎镇压下去,拿出点由刘四爷得来的外场劲儿,半恼半笑,假装不甚在乎的样子打了句哈哈:
  "你可倒好!肉包子打狗,一去不回头啊!"

   老舍 《骆驼祥子》 第9章
   E-text at:
   * 日照社区教育读书网
   * 梦远书城


■"你可倒好!肉包子打狗,一去不回头啊!" 中国式の皮肉の言い方
 "Throwing a meaty bun at a dog": Sarcasm in Chinese style

 [en] English

  • "Well, aren't you something! Throwing a meaty bun at a dog ensures it'll never return."--Goldblatt, 2010
  • "Well you certainly are a guy! A dog given a bone who doesn't come back for more!"--Shi, 2005
  • "You can still come back even though you're like a dog who's been beat with a package of meat and not looking back beats a retreat!"--James, 1979

 [ja] 日本語

  • 「いい気なもんだね。〝肉包子〟を犬にぶっつけたように、まるで帰ってこないじゃないかね」 — 中山 1991
  • 「おまえもいい気なもんだよ。でてったきり、知らんぷりとはねえ!」 — 立間 1970, 1974, etc.
  • 「元気そうじゃないか。どうしたんだい、糸の切れた凧みたいに」 — 市川+杉本 1969, 1970, etc.
  • 「おまえさん、元気だったんだね! 肉まんじゅうで犬を打ったみたいに、出ていったきり知らん顔じゃないか!」 — 飯塚 1960, 1961
  • 「お前さんは元気だったのね。肉饅頭を犬に呉れたみたいに、出て行ったきり戾らなかったわねえ。」 — 岡本 1955
  • 「暫くだったわねえ祥子! お前さんはまるで鉄砲玉みたように車廠を飛び出したっきりさっぱり顔を見せないのねえ!」 — 竹中 1943, 1952

 [zh] 中文

  • 「你可倒好!肉包子打狗,一去不回頭啊!」 — 繁體中文
  • "你可倒好!肉包子打狗,一去不回头啊!" — 簡体中文

■原書の版の異同について On variations of the editions in Chinese

河出世界文学全集21 魯迅・老舎』 (1989) の市川・杉本両氏による「解説」、岩波文庫 『駱駝祥子』 (1980) の立間氏による「解説」、および中山高志氏訳 『駱駝祥子』 (1991) の中山時子氏による「監修を終えて」の三つの文献、ならびに中国語で書かれたいくつかのウェブサイトを読み比べると、細部にいくつか食い違いが見られる。だが全部を総合すると、『駱駝祥子』各版の刊行の経緯と内容の異同は、だいたい以下のとおりらしい。

  1. 初出は、林語堂が編集していた中国の小品雑誌『宇宙風』第25号(1936-09-16)。この号に第1章が掲載され、そのあと第48号(1937-09-01)まで全24章が連載された。
  2. 1939年  3月 人間書屋(上海)から単行本の初版が発行された。
  3. 1940年     「満州国」版 発行
  4. 1941年11月 文化生活出版社(重慶)版 発行
  5. 1950年  5月 晨光出版公司 初 版 発行
  6. 1951年  2月 晨光出版公司 第二版 発行
  7. 1951年  7月 晨光出版公司 第三版 発行
  8. 1951年  8月 開明書店版『老舎選集』収録のダイジェスト本が発行された。
  9. 1955年  1月 人民文学出版社(北京)版 発行

上記 (6) までの版(かりに旧版と呼ぶ)と、(7) 以降の版(かりに新版と呼ぶ)とのあいだには、注目すべき違いがある。

まず、新版のうち (7) 晨光第三版は、旧版第24章の大部分を削除している。つぎに、(8) ダイジェスト本は旧版全体の約三分の一を削除した短縮版である。とくに、旧版の第23章後半と第24章全部を削除している。さらに、(9) 人民文学出版社版は (8) ダイジェスト本の大削除を踏襲しつつ、なおも (7) 晨光第三版に手直しを加えた「新中国の決定版といえるもの」(立間氏)である。


■邦訳各版の底本について On the source text of Japanese translations

竹中訳は旧版に、岡本訳は (8) ダイジェスト本に、立間 1974 は (7) 晨光第三版および (6) 晨光第二版に、 飯塚訳および市川・杉本訳は (7) 晨光第三版に、それぞれ拠っている。また、立間 1980 は (1) 初出誌および上記 (6) 晨光第二版に拠りながら、立間 1974 の削除箇所を補い、かつ訳文に改訂を加えたものである。中山訳は (2) 人間書屋の初版に拠ったと思われる。


■外部リンク External links

 [zh] 簡体中文
  骆驼祥子
   * 关于《骆驼祥子》手稿本 - 老舍学专题网站
   * 骆驼祥子 - 百度百科 (Baidu)
   * 骆驼祥子 - 互动百科 (Hudong)
   * 骆驼祥子 - 维基百科 (Wikipedia)
  老舎
   * 老舎 - 百度百科 (1899-1966) (Baidu)
   * 老舎 - 互动百科 (1899-1966) (Hudong)
   * 老舎 - 维基百科 (1899-1966) (Wikipedia)
   * 老舍文集 - 中国百科网 (www.chinabaike.com)
   * 老舍纪念网 (laoshe.netor.com)
   * 百年老舍(老舍诞辰一百周年纪念活动)

 [ja] 日本語
   * 老舎作品における思想 - 佐藤勝
     茨城大学人文学部人文学科 1999年度卒業論文
   * 老舎 - Wikipedia (1899-1966)

 [en] English
   * Rickshaw Boy - Wikipedia
   * Lao She - Wikipedia (1899-1966)
   * Lao She - Britannica Online Encyclopedia


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