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Sunday, 12 February 2012

Mon oncle Jules / My Uncle Jules by Guy de Maupassant モーパッサン 「ジュールおじさん」「ジュールおじ」「ジュール伯父さん」「ジュール伯父」「ジュール叔父さん」「ジュール叔父」

■はじめに Introduction

一家の厄介者だったジュールおじさんは、フランスを追い出されるようにして、アメリカへ渡った。数年後、詳しい事情はわからないが、おじさんはどうやら新天地で一旗あげたらしい。うってかわって、一家はおじさんが故郷へ錦を飾るのを待ちわびるようになる。

「ジュールおじさん」の初出は1883年8月7日(火曜日)の「ゴーロワ」紙 (Mon oncle Jules a paru dans le Gaulois du mardi 7 août 1883)。翌1884年、短篇集『ミス・ハリエット』に収録された。


■中国語訳(簡体字) Translations into simplified Chinese

(Zh1) 赵少侯
  果然,十年之内于勒叔叔没有再来过信,可是我父亲的希望却在与日俱增;我的母亲也常常这样说:
  “只要这个好心的于勒一回来,我们的境况就不同了。他可真算得一个有办法的人!”
  于是每个星期日,一看见大轮船向上空喷着蜿蜒如蛇的黑烟,从天边驶过来的时候,我父亲总是重复说他那句永不变更的话:
  “唉!如果于勒就在这条船上,那会多么叫人惊喜呀!”

  1. 〈我的叔叔于勒〉 莫泊桑 赵少侯译 E-text at 大西北网
  2. 〈我的叔叔于勒〉 莫泊桑 赵少侯译 E-text at 人一生要读的60篇现代小说

(Zh2)
  在十年当中,事实上,于勒叔再也没有消息回来了,不过时间越久,我父亲的希望就越大,后来我母亲也时常说:“将来好心眼儿的于勒回来之后,我们的情况自然不同了。那是一个很能干的人!”
  每逢星期日,瞧着那些向天空吐出蛇一样的煤烟的黑壳子大轮船从水平线上走过来,我父亲就重述着他那句永不变动的话:
  “哈!倘若于勒就在那里面,那是何等惊人的喜事啊!”

  1. 〈我的叔叔于勒〉 莫泊桑 E-text at 中法对照:法语学习网
  2. 〈我的茹尔叔〉 莫泊桑 E-text at 天涯在线书库
  3. 〈我的茹尔叔〉 莫泊桑 E-text at 雨枫书屋|雨枫轩

■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

  在十年當中,事實上,茹爾叔再也沒有消息回來了,不過時間越久,我父親的希望就越大,後來我母親也時常說:「將來好心眼兒的茹爾回來之後,我們的景況自然不同了。那是一個很能幹的人!」
  每逢星期日,瞧著那些向天空吐出蛇一樣的煤煙的黑殼子大輪船從水平線上走過來,我父親就重述着他那句永不變動的話:
  「哈!倘若茹爾就在那裡面,那是何等驚人的喜事啊!」

  1. 〈我的茹爾叔〉 莫泊桑 E-text at 翰林院
  2. 〈我的茹爾叔〉 莫泊桑 E-text at ZhuYin Library
  3. 〈我的茹爾叔〉 莫泊桑 E-text at 大紀元 文化網

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2011
 実際、それから10年もの間ジュールおじからは何の音沙汰もなかった。にもかかわらず、時がたつほどにおやじの期待は膨らむ一方だった。おふくろまでがよくこう言ったものだ。
 「あのジュールさんが帰ってきたら、私たちの暮らし向きも変わるでしょうよ。何しろ逆境を切り抜けた方ですからね!」
 こうして日曜日が来るたび、空にもくもくと煙を吐き出す巨大な黒い蒸気船が水平線の彼方からやってくるのを見ながら、おやじはお決まりのせりふを繰り返すのだった。
 「どうだい、もしあの船にジュールが乗っていたら…たまげるだろうな!」

  1. 「ジュールおじさん」 モーパッサン=原著 佐藤若菜(さとう・わかな)=著 『フランス語で読むモーパッサン 対訳 ジュールおじさん・首飾り・シモンのパパ』 NHK出版 2011-12-15

(J2) 山田 2009
 実際、十年もの間ジュール伯父はもう手紙をよこさなかった。だが父の希望は、歳月とともにふくらんでゆき、母もよくこう言うのだった。
「あの善良なジュールが港に帰ってきたら、わたしらの暮らしむきも変わるでしょうよ。ジュールは難局を切りぬけた人なんだから」
 そうして毎日曜日、空に向かってもくもくと煙をはきだしている黒い蒸気船が水平線に姿を見せるたびに、その船を見ながら、父は永遠に変わらぬあのせりふをくりかえすのだった。
「どうだい! もしジュールがあの船に乗っていたら、驚きだぞ!」

  1. 「ジュールおじさん」 山田登世子(やまだ・とよこ)=訳 山田登世子=編訳 『モーパッサン短篇集』 ちくま文庫 2009-10-10

(J3) 高山 2002
 十年間ばかりものあいだ、ジュール伯父は便りをよこさなかった。しかし、時間がたてばたつほど、おやじの期待は大きくふくらむばかりだった。おふくろもよくこんなことを言った。
 「ジュールさんが帰って来たら、あたしらの暮らしむきもすっかり変わるよ。立派に立ち直った人というのはああいう人のことだねえ」
 日曜日ごと、水平線の彼方から、もくもくと煙を噴き上げながら近づいてくる黒い船を目にすると、おやじは相変らず例の言葉を口にするのだった。
 「なあ。ジュールがあの船に乗ってりゃあ、こいつはちょっとした驚きだね」

  1. 「ジュール伯父さん」 高山鉄男(たかやま・てつお)=訳 高山鉄男=編訳 『モーパッサン短篇選』 岩波文庫 2002-08-20

(J4) 山崎 1975
 事実、十年間というもの、ジュールおじさんは手紙をよこさなかった。しかし、父のいだく希望(きぼう)は、時がたつにつれてふくらんでいった。母もよくこんなふうにいったものだった。
『あのジュールさんがもどってきたら、この暮(く)らしむきも変わるはずですよ。なにしろ苦しいところを切りぬけてきたかたなんですからね!』
 そして、日曜日になると、空に向かってヘビのようにうねうねと煙(けむり)を吐(は)きだしながら、黒い大きな汽船が水平線(すいへいせん)に姿(すがた)を現(あら)わすのを見ると、父はあいからわず例のことばをくり返すのだった。
『ごらんよ、もしあの船にジュールが乗っていたら、どんなにすばらしいだろう!』

  1. 「ジュールおじさん」 モーパッサン=作 山崎庸一郎(やまざき・よういちろう)=訳 『ジュニア版世界の文学 23』 集英社 1975-08

(J5) 青柳 1972, 1976, etc.
 じっさい、二年のあいだ、ジュール叔父は手紙をよこさなかった。それだのに、親父の希望は、時のたつにつれ、ますます大きなものになっていった。そして、おふくろまでがよくこんなことを言ったものだ。
『あのジュールさんが帰ってきたら、わたしたちの暮し向きも変ることでしょうよ。なんせ、あのかたったら、逆境をきりぬけた人なんですものね!』
 そして、日曜日ごとに、水平線の上にあらわれた大きな黒い船が、大空に向けてもくもくと煙(けむり)を吐(は)くのをながめながら、親父は彼の永遠のきまり文句をくり返すのだった。
『どうだい、あんなかにジュールがいたとしたら、どんなもんだろう!』

  1. 「ジュール叔父」 青柳瑞穂=訳 『ちくま文学の森 9』 筑摩書房 1989-03-29
  2. 「ジュール叔父」 青柳瑞穂=訳 『二人の友・頚かざり』 新学社文庫 1976
  3. 「ジュール叔父」 青柳瑞穂=訳 『モーパッサン短編集 1』 新潮文庫 1972
  4. 青柳瑞穂(あおやぎ・みずほ)=訳。1. の底本は新潮文庫版。引用は 1. ちくま文学の森 1989-03-29 に拠りました。


(J6) 辻 1971
 ほんとうに、それから十年間というもの、ジュールおじは、一本も手紙をくれなかった。だが、おやじののぞみは、月日(つきひ)がたてばたつほど、大きくなっていった。おふくろもまた、たびたびこんなことをいった。
『ジュールさんが帰(かえ)ってきたら、わたしたちの暮(く)らしも変(か)わるでしょうよ。あんな苦(くる)しいところをのりきれたなんて、なんてりっぱな人なんでしょう!』
 そして、日曜日(にちようび)になると、黒(くろ)い大きな汽船(きせん)が、もくもくと大空に煙(けむり)をはきながら、水平線(すいへいせん)のむこうからやってくるのをながめて、おやじは、いつものもんくを、くりかえすのだった。
『どうだい! ひょっとして、あの船(ふね)にジュールおじが乗(の)っていたら、さぞびっくりするだろうな!』

  1. 「ジュールおじさん」 辻昶(つじ・とおる)=訳 『ジュールおじさん・首かざり』 少年少女名作選 22 偕成社 1971

(J7) 平野 1967, 1968
 はたして、そのとおり、十年間というものジュールおじさんからは、一通の手紙(たより)もこなかった。が、時がたつにつれて、おやじの希望(ゆめ)はますます大きくなっていった。また、母も、しょっちゅう、こんなことを言っていた。
 「あのジュールさんさえ帰っておいでになったら、うちの暮らしも変わるでしょうね。なにしろ、ひどい逆境をりっぱにのり切ったほどの人なんだものね」
 こうして、日曜ごとに、大きな汽船が、黒々と、蛇(へび)のような煙を空に吐(は)きながら、はるか水平線のかなたからやってくるのをながめながら、おやじはいつものきまり文句をくりかえすのであった。
 「え! どうだい……ひょっとしてジュールがあの汽船にのっていたら、びっくりものだな!」

  1. ジュールおじさん』 平野威馬雄(ひらの・いまお)=訳 旺文社文庫 特製版 1968
  2. ジュールおじさん』 平野威馬雄=訳 旺文社文庫 1967-10-20

    引用は 2. に拠りました。

(J8) 石川 1958, 1966, etc.
 事実、十年間も、ジュールおじさんはなんともいってこなかった。けれども、父の希望は、ときがたつにつれて大きくなっていった。そして、母もよくこういうのだった。
「あのジュールさんが帰ってくれば、わたしたちのくらしもかわるでしょうよ。困難(こんなん)をきりぬけることのできた人なんだからねえ」
 そこで、日曜日ごとに、大きな黒い汽船が、空にへびのようなけむりをはいて、水平線のむこうからやってくるのを見ながら、父は、きまりもんくをくりかえすのだった。
「なあ、もしジュールがあの中にいたら、びっくりするだろうなあ」

  1. 「ジュールおじさん」 石川湧=訳 『家族』 Little Selections あなたのための小さな物語 17 ポプラ社 2003-04
  2. 「ジュールおじさん」 石川湧=訳 『ああ無情・三銃士 ほか』 少年少女世界名作文学全集 11 講談社 1966
  3. 「ジュールおじさん」 石川湧=訳 『少年少女世界文学全集 26 フランス編 2』 講談社 1958
  4. 石川湧(いしかわ・ゆう)=訳。1 の底本は 2。引用は 1. ポプラ社 2003-04 に拠りました。


(J9) 望月 1963
 事実十年のあいだ、ジュール叔父さんはなんの手紙もよこしませんでした。だが月日がたつにつれ、父の希望は大きくなり、母もまたよくこんなことを云いました。
「ほんとにあの善良なジュールがあらわれれば、私たちの境遇は変わりますのにね。あの人こそ、困難を切りぬけられる人ですよ!」
 日曜日ごとに、水平線から、空に蛇のような煙を吐きながら近づいてくる黒い大きな船を見ると、父はいつも同じ言葉をつぶやくのでした。
「ああ! ジュールがあの船に乗っていたら、どんなにびっくりするだろう!」

  1. 「ジュール叔父さん」 望月芳郎(もちづき・よしろう)=訳 鈴木信太郎+渡辺一夫=編 『世界短篇文学全集6 フランス文学/19世紀』 集英社 1963-01-19

(J10) 村上 1955, 1970, etc.
 実際、それから十年間、ジュールおじは便りを寄(よ)こさなかった。しかし、ぼくのおやじの希望は、時日がたつにつれて大きくなっていった。母親のほうもたびたびこう言うのだった。
『あのジュールさんが帰ってくれば、あたしたちの境遇(きょうぐう)は一変するんだよ。ちゃんと難場(なんば)を切りぬけることのできた人だからね!』
 こうしていつも日曜日になると、おやじは大きな黒い汽船がけむりをむくむくと空にはいて水平線の方からやってくるのをながめながら、例の決まり文句(もんく)をくりかえすのだった。
『どうだね! ジュールがあの中に乗ってるとしたら、どんなにわれわれはびっくりすることだろう!』

  1. 「ジュールおじ」 村上菊一郎=訳 木暮正夫(こぐれ・まさお)+岡信子(おか・のぶこ)=選 『10分で読める名作 六年生』 学習研究社 2007-11-19
  2. 「ジュールおじ」 村上菊一郎=訳 『中学生の本棚 19』 学研 1970
  3. 「ジュール叔父」 村上菊一郎=訳 『モーパッサン全集 5』 春陽堂書店 1955
  4. 村上菊一郎(むらかみ・きくいちろう)=訳。1 の底本は 2。引用は 1. 学習研究社 2007-11-19 に拠りました。


(J11) 河盛 1940, 1950, etc.
 十年間ばかりものあいだ、ジュール叔父は便りをよこさなかった。しかし、時間がたてばたつほど、おやじの期待は大きくふくらむばかりだった。おふくろもよくこんなことを言った。
 「ジュールさんが帰って来たら、あたしらの暮らしむきもすっかり変わるよ。立派に立ち直った人というのはああいう人のことだねえ」
 日曜日ごと、水平線の彼方から、もくもくと煙を噴き上げながら近づいてくる黒い船を目にすると、おやじは相変らず例の言葉を口にするのだった。
 「なあ。ジュールがあの船に乗ってりゃあ、こいつはちょっとした驚きだね」

  1. 「ジュール伯父」 河盛好蔵=訳 『メゾン テリエ 他三篇』 岩波文庫 改版 1976-07-16
  2. 「ジュール伯父」 河盛好蔵=訳 『母と子の世界の文豪童話シリーズ 14』 研秀出版 1969
  3. 「ジュール伯父」 河盛好蔵=訳 『モーパッサン短篇集 第5』 新潮文庫 1956
  4. 「ジュール伯父」 河盛好蔵=訳 『モーパッサン文庫 3』 小山書店 1950
  5. 「ジュール叔父」 河盛好蔵=訳 『メゾン テリエ 他三篇』 岩波文庫 1940-10-25
  6. 河盛好蔵(かわもり・よしぞう)=訳。引用は1976年版に拠りました。タイトルは1940年版では「ジュール叔父」、1950年版、1956年版、1969年版、および1976年版では「ジュール伯父」となっています。


(J12) 杉 1938, 1947, etc.
 事実、その後十年のあいだ、ジュール叔父は便りをよこさなかった。しかし父の希望は、時がたつにつれてますます大きくなっていった。母もたびたびこんなことを言った。
「あのジュールさんさえ帰ってくれたら、わたしたちの暮らしも変わりますわ。なんといっても難場を切りぬけることのできた人ですからね!」
 こうして、毎日曜日、大きな黒い汽船がへびのような煙を空に吐きながら水平線のほうからやってくるのをながめて、父は例のきまり文句をくりかえすのだ。
「え、どうだい、ひょっとしてジュールがあのなかに乗っていたら、すばらしいね!」

  1. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『河出世界文学大系 35』 河出書房新社 1980-11
  2. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『近代世界文学 19』 筑摩書房 1977
  3. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『筑摩世界文学大系 47』 筑摩書房 1976
  4. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『世界文学全集 16』 河出書房新社 1960-01-25
  5. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『世界文学大系 第44』 筑摩書房 1958
  6. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『頸飾り 他十三篇』 角川文庫 1954-06
  7. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『女の一生・短篇集』 世界文学豪華選 河出書房 1952
  8. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『世界文学全集 19世紀篇7 モーパツサン集』 河出書房 1949-09-15
  9. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『モーパッサン短篇傑作選集 第1』 酣灯社(かんとうしゃ) 1948
  10. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『ペルル孃 小説集』 齋藤書店 1947-06-10
  11. 「ジュール叔父」 杉捷夫=訳 『ノルマンヂ物語 モーパッサン短篇小説』 白水社 1938(昭和13)
  12. 杉捷夫(すぎ・としお)=訳。引用は河出書房新社 1960-01-25 に拠りました。


(J13) 河盛 1935
 實際、二年の間、ジュール伯父は一切手紙を寄越さなかつた。しかし、けれどおやぢの希望は、時が經つにつれて愈々大きくなるのだつた。お袋もまた屡々云つたものである。
 ——あのジュールさんが歸つて來たら、あたし達の暮し向きもすつかり變るんだよ。何しろあの人は逆境を切り拔けた方なんだからね。
 さうして日曜日ごとに、水平線の上に現れた大きな黑い船が、大空に向けてもくもくと煙を吐いてゐるのを眺めながら、おやぢは彼の永遠のきまり文句を繰り返すのだつた。
 ——どうだい。ひよつとしてあの中にジュールが乘つてゐたら。たまげることだらうな。

  1. 河盛好藏=譯 「ジュール伯父」 『モーパッサン傑作短篇集 4 田園小說集・動物小說集・鐵道小說集』 河出書房 1935-12-12(昭和10)
  2. 望・屡・達・逆・平・遠の旧字は、それぞれ新字で置き換えました。


■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

  És csakugyan, tíz éven át nem érkezett semmi hír Jules bácsitól, atyám reménykedése azonban együtt nőtt az idővel, s anyám is gyakran mondogatta:
- Majd ha az a derék Jules megjön, minden másképpen lesz. Ő aztán jól ki tudta húzni magát a csávából.
  S vasárnaponként, miközben néztük a láthatár felől közeledő gőzöst, mely vastag füstkígyókat köpködött az égre, atyám egyre ismételgette az örök mondást:
- Tyű! Ha Jules is köztük csücsülne, az volna csak a meglepetés!

  1. Jules bácsi by Guy de Maupassant. E-text at MEK (Magyar Elektronikus Könyvtár)

■ロシア語訳 Translation into Russian

  Действительно, в течение десяти лет от дяди Жюля не было никаких известий. Но надежды моего отца все крепли с годами, да и мать часто говаривала:
  — Когда вернется наш дорогой Жюль, все пойдет по-иному. Вот кто сумел выбиться в люди!
  И каждое воскресенье при виде исполинских черных пароходов, которые приближались к гавани, изрыгая в небо клубы дыма, отец неизменно повторял:
  — А вдруг на этом пароходе едет Жюль! Вот был бы сюрприз!

  1. Ги де Мопассан. Мой дядя Жюль. Ги де Мопассан. Собрание сочинений в 10 тт. Том 3. МП "Аурика", 1994. Перевод А. Кулишер E-text at Библиотека OCR Longsoft (ocr.krossw.ru)

■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

  И наистина чичо Жюл не се обади цели десет години; но надеждите на баща ми растяха с всеки изминат ден. И майка ми често казваше:
  — Когато нашият добър Жюл се върне, положението ни ще се промени. Ето един човек, който съумя да се справи с живота!
  И всяка неделя, като виждаше на хоризонта големите черни параходи, които идваха към нас, бълвайки към небето змиеобразен дим, баща ми повтаряше вечната си фраза:
  — Представете си, че Жюл е в някой от тези кораби. Каква изненада, а?

  1. Ги дьо Мопасан. Чичо ми Жюл. Translated by Донка Меламед E-text at Моята библиотека (http://chitanka.info)

■ドイツ語訳 Translation into German

  Tatsächlich blieben von Onkel Jules zehn Jahre lang alle Nachrichten aus. Aber die Hoffnung meines Vaters wurde mit den Jahren immer zuversichtlicher, und auch die Mutter sagte häufig: ›Wenn unser guter Jules erst da ist, dann wird alles anders. Das ist ein Mann, der verstanden hat, eine Scharte auszuwetzen!‹
  Und jeden Sonntag, wenn der Vater die großen, schwarzen Dampfer vom Horizont heraufkommen und ihre dicken Rauchfahnen über den Himmel hinziehen sah, wiederholte er unverändert dieselben Worte: ›He! Wenn Jules darauf wäre, das gab eine Überraschung!‹

  1. Onkel Jules by Guy de Maupassant. E-text at Projekt Gutenberg-DE - SPIEGEL ONLINE

■英訳 Translation into English

  "For ten years nothing was heard from Uncle Jules; but as time went on my father's hope grew, and my mother, also, often said:
  "'When that good Jules is here, our position will be different. There is one who knew how to get along!'
  "And every Sunday, while watching the big steamers approaching from the horizon, pouring out a stream of smoke, my father would repeat his eternal question:
  "'What a surprise it would be if Jules were on that one! Eh?'

  1. My Uncle Jules by Guy de Maupassant. Complete Original Short Stories of Guy De Maupassant. Translated by Albert M. C. McMaster, A. E. Henderson, Mme. Quesada and Others. E-text at Project Gutenberg

■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

  De fato, durante dez anos o tio Júlio não deu mais notícias; mas a esperança de meu pai aumentava à medida que o tempo andava; e também minha mãe dizia freqüentemente:
  - Quando este abençoado Júlio chegar, nossa vida vai melhorar. Aí está um que soube se virar!
  E todo domingo, vendo chegar do horizonte os enormes vapores negros vomitando do céu serpentes de fumaça, meu pai repetia sua eterna frase:
  - E se Júlio estivesse lá dentro, que surpresa, hein?

  1. Meu Tio Júlio by Guy de Maupassant. E-text at UFRGS

■スペイン語訳 Translation into Spanish

  Durante diez años, en efecto, el tío Jules no volvió a dar noticias; pero la esperanza de mi padre crecía a medida que avanzaba el tiempo; y también mi madre decía a menudo:
  «Cuando el bueno de Jules esté aquí, nuestra situación cambiará. ¡Ese sí que ha sabido salir adelante!»
  Y cada domingo al ver llegar desde el horizonte los grandes vapores negros que vomitaban hacia el cielo serpientes de humo, mi padre repetía su eterna frase:
  « ¡Ah! ¡Qué sorpresa, si Jules llegara en unos de ésos!»

  1. Mi tio Jules by Guy de Maupassant. E-text at I.E.S. A Xunqueira

■フランス語原文 The original text in French

  Pendant dix ans en effet, l’oncle Jules ne donna plus de nouvelles ; mais l’espoir de mon père grandissait à mesure que le temps marchait ; et ma mère disait souvent :
  – Quand ce bon Jules sera là, notre situation changera. En voilà un qui a su se tirer d’affaire !
  Et chaque dimanche, en regardant venir de l’horizon les gros vapeurs noirs vomissant sur le ciel des serpents de fumée, mon père répétait sa phrase éternelle :
  – Hein ! si Jules était là-dedans, quelle surprise !

  1. Mon oncle Jules by Guy de Maupassant. E-text at Wikisource

■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

 「ジュールおじ」…………村上 1970, 2007
 「ジュールおじさん」……佐藤 2011
 「ジュールおじさん」……山田 2009
 「ジュールおじさん」……山崎 1975
 「ジュールおじさん」……辻 1971
 「ジュールおじさん」……平野 1967, 1968
 「ジュールおじさん」……石川 1958, 1966, 2003
 「ジュール伯父」…………河盛 1935, 1950, 1956, 1969, 1976
 「ジュール伯父さん」……高山 2002
 「ジュール叔父」…………青柳 1972, 1976, 1989
 「ジュール叔父」…………村上 1955
 「ジュール叔父」…………河盛 1940
 「ジュール叔父」…………杉 1938, 1947, 1948, 1949, 1952, etc.
 「ジュール叔父さん」……望月 1963


■ジュールおじさんは「伯父」か「叔父」か?
 Is Uncle Jules an elder brother or younger brother of the narrator's father?

1976年版岩波文庫巻末の「改版にあたって」のなかで、河盛好蔵氏は、こう書いています。

フランス語には伯父と叔父の区別がないので、内容によって判断しなくてはならない。私はジュールを親爺の兄にしようか、弟にしようかといろいろ迷い、これまで伯父にしたり、叔父にしたりしていたが、やっぱり伯父にするのが妥当だという結論に達したのである。

どんな「内容」を基にして「やっぱり」なのか? あいにく河盛氏はかんじんの具体的理由を示していません。なので、氏の判断の当否はわかりません。しかし、ジュールおじさんは〈やんちゃな弟〉だという印象をわたしは抱きます。むしろ「叔父」ではないかという気がするのです。でも、せっかく日本語には仮名があるのですから、強いてどちらかに決めつけず「おじさん」とするのが穏当でしょう。

なお、上掲のとおり、中国語訳はいずれも「叔叔」「茹爾叔」などと表記しており、「叔父」と解釈しています。「伯父」説を採っている例は、わたしが探したかぎりでは見あたりませんでした。韓国語訳では "아저씨" や "쥘르 삼촌"。伯父か叔父か、まだ確かめていません。


■更新履歴 Change log

  • 2013-09-02 ハンガリー語訳を追加しました。
  • 2013-03-05 ロシア語訳、ブルガリア語訳、およびドイツ語訳を追加しました。また、平野威馬雄=訳 1967-10-20 の訳文を挿入しました。
  • 2012-06-09 山崎庸一郎=訳 1975-08 を追加しました。
  • 2012-03-28 辻昶=訳 1971 の訳文を挿入しました。

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■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese

  

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Comments

아저씨:父方の伯父・叔父
삼촌:母方の伯父・叔父
쥘르:ジュール

伯父か叔父はこれだけでは判断できません。

Posted by: 伊藤龍樹 | Tuesday, 13 March 2012 12:37 am

失礼しました。どうもこういうことらしい。

아저씨:小父さん・(実兄や特に親しい間柄を除く)「お兄さん」
삼촌:親しみを込めた「小父さん」、「お兄さん」の呼称。または、若い叔父。

외삼촌:母方の伯父・叔父
큰 아버지:父方の伯父(敬称の意味を含む)
작은 아버지:父方の叔父(敬称の意味を含む)

Posted by: 伊藤龍樹 | Tuesday, 13 March 2012 01:07 am

伊藤龍樹さん

いつも書き込みありがとうございます。そして、韓国語についてのご教示ありがとうございます。すると、韓国語版では「伯父」と解釈しているのか「叔父」と解釈しているのか、どちらなのでしょうね?

Posted by: tomoki y. | Thursday, 05 April 2012 09:03 pm

「伯父」か「叔父」かということであれば、아저씨、삼촌ともに「叔父」である可能性の方が高いのだと思います。ただ、「伯父」か「叔父」かを訳者が判断したというよりも、「よくわからないおかしなおじさん」に対して敬語表現をしないと韓国語として不自然となるような設定を避けた、気軽に話せる間柄にしておきたかった、という可能性が拭えず、「伯父」か「叔父」かという話とは次元の違う訳としての工夫の要素も含んでいるかもしれません。

Posted by: 伊藤龍樹 | Saturday, 07 April 2012 05:27 am

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