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July 2013

Friday, 19 July 2013

Books: A Living History by Martyn Lyons マーティン・ライアンズ 『ビジュアル版 本の歴史文化図鑑―5000年の書物の力』

■はじめに Introduction

古代シュメールの粘土板から二十一世紀の電子書籍にいたるまで。本の歴史を包括的に論じた本。図版多数。


 Image gallery 
表紙画像 Cover photos

ja Ja__9784903530598 de De_das_buch_eine_illustrierte_gesch pt Pt_livro_uma_historia_viva_97885396

es Es_librosdosmilanosdehistoriailustr fr Fr_le_livre_une_histoire_vivante_97 en En_usa_9781606060834

en En_books_a_living_history_978050025


■日本語訳 Translation into Japanese

本それ自体を定義することは、危険な作業である。筆者としてはさまざまな定義を排除するより、むしろ取り込む方を選び、したがって定義も厳密なものにはしないことにする。[略]それゆえ本書では、「ブック」という語を、広く多様な素材を使い、過ぎ去った社会に適応した文字による情報伝達の多様な形を象徴する略語として用いることにする。


■英語原文 The original text in English

Defining the book itself is a risky operation. I prefer to be inclusive rather than exclusive, and so I offer a very loose definition. [...] The term ‘book’, then, is a kind of shorthand that stands for many forms of written textual communication adopted in past societies, using a wide variety of materials.


■うっかり誤訳? A minor mistranslation?

揚げ足を取るつもりはありません。が、上掲日本語訳と英語原文を読みくらべて気づいた点がひとつ。邦訳の「それゆえ本書では」で始まる最後の文について。たぶん訳者は原文の adopted という語を adapted と読み違えてしまったのだと思います。わたしなりに訳すと次のとおり。

  • [拙訳] それゆえ本書では、「本」という語を、これまでの社会で採用されてきた、さまざまな素材を用いた数多くの文書コミュニーケーション方式を表わす、一種の略語として用いることにする。


 Illustrations 
Typesetters
Image source: Brain Pickings

  • [邦訳] 文選用ステッキと2頁組版を担当する植字工、印刷工、さらに製本工たちが仕事をしているさまを描いた、アマンの木版画。
  • [原文] Amman woodcuts showing a compositor with his composing stick and two-page forme, and printers and bookbinders at work.

■外部リンク External links


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Tuesday, 16 July 2013

黒柳徹子 『窓ぎわのトットちゃん』 Totto-Chan: The Little Girl at the Window by Tetsuko Kuroyanagi

■はじめに Introduction

黒柳徹子さんの著書『窓ぎわのトットちゃん』は1981年(昭和56年)に出版されて、戦後の出版史に残る大ベストセラーとなった。下に見るとおり、世界のたくさんの言語にも翻訳されている。近年になっても版を重ねたり、新しい言語の版が付け加わるなどして、読まれ続けている。

下に英語と日本語で引用するのは、黒柳さんが通っていたトモエ学園の校長小林宗作氏が語った言葉。


 Image gallery 1  表紙画像

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

en En_kodansha_9784770020673 it It_tottochan_la_bambina_alla_finest bg Bg_2026342419_tottochan

ml Tottochan ms Ms_tottochansi_gadis_kecil_di_tepi_ id Id_tottochan_9789792202342

lo Lo_tottchan vi Vi_tottochan_ben_cua_so zh Zh_simp_s2356368

zh Zh_trad__9789861672144 ja Ja_madogiwa_no_tottochan


 Image gallery 2 

fr Fr_tottochan_9782266166058 fa Fa_9789641852575_tottochan_ th Th_55112409ttj
zh Zh_simp__9787544250580
 ko Ko___9788991503007


 Image gallery 3  表紙画像

nl Nl_tottochan_en_de_gelukkige_klas_9 de De_tottochan_so_wunderbar_kann_schu sr Sr_mala_toto_9788681567388

ru Ru___ ar Ar_totto_chan_199637 or Or_tottochan_9788123716978

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■英訳 Translation into English

Having eyes, but not seeing beauty; having ears, but not hearing music; having minds, but not perceiving truth; having hearts that are never moved and therefore never set on fire. These are the things to fear, said the headmaster.


■日本語原文 The original text in Japanese

「[略] 世に恐(おそ)るべきものは、目あれど美を知らず、耳あれども楽を聴かず、心あれども真を解せず、感激せざれば、燃えもせず……の類(たぐい)である」
 などと嘆(なげ)いていた校長先生が[略]


■外部リンク External links


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  • 2014-12-11 ペルシャ語版の表紙画像を追加しました。
  • 2013-08-05 マレー語版の表紙画像を追加しました。
  • 2013-07-17 オランダ語版、オリヤー語版、およびセルビア語版の表紙画像を追加しました。また、外部リンクを補足しました。

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Sunday, 14 July 2013

The Great Quillow by James Thurber (2) ジェームズ・サーバー / ジェイムズ・サーバー 『おもちゃ屋のクィロー』『おもちゃやキロウの巨人退治』『おえらいクイロウさま』『大おとことおもちゃやさん』 (2)

« 1 The Great Quillow »
« 1 おもちゃ屋のクィロー »

■はじめに Introduction

翻訳が原文のおもしろさを伝えにくいというのは、よくあること。以下はその一例。


 Cover photos  表紙画像
ja Ja_omochaya_no_quillow en En_s_kellogg_9780440833901 en En_doris_lee_


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 上條 1996
「わたしの名(な)はクィローで、おはなしのかたり手(て)です」と、おもちゃ屋(や)はいいましたが、ほかの人(ひと)たちのように、大男(おおおとこ)にむかっておじぎをしたりはしませんでした。
「あたまをさげろ!」大男(おおおとこ)はわめきました。
「うわ!! すごい声(こえ)だ!」 クィローがさけびました。

  • ジェームズ・サーバー=作 上條由美子(かみじょう・ゆみこ)=訳 飯野和好(いいの・かずよし)=絵 『おもちゃ屋のクィロー』 世界傑作童話シリーズ 福音館書店 1996-11-20

(J2) 中部日本教育文学会 1991
この本は訳書ではなく注釈書です。つぎのような解説があります。

Wow [wau] 驚ろきなどの強い感情を表わす感嘆詞だが、この場合、'Bow' 「おぎぎしろ」に語呂を合わせて作者の大好きな犬の吠え声 'Bow-wow' にし、巨人を笑わせたのである。また、キロウだけが巨人にペコペコせず、堂どうと対応している姿が、町の有力者たちの卑屈な態度と対照的に描かれている。

  • ジェームズ・サーバー=原著 イギリス児童文学会=編集 岸上眞子(きしがみ・まみこ)+篠三知雄(しの・みちお)=注釈 『おもちゃやキロウの巨人退治』 英米児童文学双書 中部日本教育文化会=発行 1991-03-01

(J3) 松岡 1971
「わたしは、クイロウといいます。話をしにやってきました。」と、おもちゃ屋(や)はこたえた。しかし、ほかの人たちとちがって、頭(あたま)はさげなかった。
「頭(あたま)をさげろ!」と、ハンダーはどなった。
「さげん!」と、クイロウは叫(さけ)んだ。

  • J・サーバー=作 松岡享子(まつおか・きょうこ)=訳 「おえらいクイロウさま」 石井桃子(いしい・ももこ)=責任編集 『子どもの文学——新しい時代の物語』 西欧文化への招待 10 グロリア インターナショナル 1971-01-01

(J4) 那須 1967
「ぼくは、キロー。おはなしをするのが、ぼくのしごとさ。」
と、おもちゃやさんがいいました。
 でも、このおもちゃやさんは、ほかの人(ひと)みたいには、ぺこぺこしません。
「おじぎしろ。」
と、ハンダーがどなりました。
「いやだよ。」  キローは、いいかえしました。


■英語原文 The original text in English

  “I am Quillow, the teller of tales,” said the toymaker, but unlike the others he did not bow to the giant.
  ”Bow!” roared Hunder the Giant.
  “Wow!” shouted Quillow.


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Sunday, 07 July 2013

谷川俊太郎 「おとこたち」 (『日々の地図』から) Men (from Map of Days) by Shuntarō Tanikawa

おとこたちはみなぺにすをもっていた——谷川俊太郎


 Cover photos  表紙画像

a. Map_of_days_tanikawa_shuntaro_978_2 b. Hibi_no_chizu_tanikawa_shuntaro_4_2


■英訳 Translation into English

All men possess penises.
Something they should remember for life,
they forget the next day.
Flick one switch and beautiful music
comes drifting in from beyond death,
and in that direction men
twist themselves up again and again.

"Even when cut off from all hope,
we can't learn to live without hope."
Seeing a grain of rice on the floor
sprouting in some distant mud is what men dread.
So to pass their times of torment
they read of worse torment in their tales.
All men possess penises.

  • Men in Map of Days by Tanikawa Shuntarô. Translated by Harold Wright. Asian Poetry in Translation: Japan #19. Published by New Mexico: Katydid Books, 1996. Snippet view at Google Books.

■ローマ字表記された日本語 Romanized text in Japanese

Otoko-tachi wa mina penisu o motte ita
Isshô wasurerarenai to omou dekigoto o
akuru hi ni wa wasureta
Suitchi hitotsu de utsukushii ongaku ga
shi no mukô kara nagaredete
sono hôgaku e to otoko-tachi wa
jibun o ikue ni mo oritatamu

<Nozomi o tatarete mo
nozomanu koto ni wa kesshite nareru koto wa nai>
Yuka no ue no hito-tsubu no kome ga
tôi nukarumi de me o fuku koto o osorete
kurushimi no toki o sugosu tame ni
sara-ni hidoi kurushimi no monogatari o yomu
Otoko-tachi wa mina penisu o motte ita

  • Otoko-tachi in Map of Days by Tanikawa Shuntarô. Asian Poetry in Translation: Japan #19. Published by New Mexico: Katydid Books, 1996. Snippet view at Google Books.

■日本語原文 The original text in Japanese

おとこたちはみなぺにすをもっていた
いっしょうわすれられないとおもうできごとを
あくるひにはわすれた
すいっちひとつでうつくしいおんがくが
死のむこうからながれでて
そのほうがくへとおとこたちは
じぶんをいくえにもおりたたむ

〈のぞみをたたれても
のぞまぬことにはけっしてなれることはない〉
ゆかのうえのひとつぶのこめが
とおいぬかるみでめをふくことをおそれて
くるしみのときをすごすために
さらにひどいくるしみのものがたりをよむ
おとこたちはみなぺにすをもっていた

   谷川俊太郎=作 「おとこたち」

  • 単行本 『日々の地図』 谷川俊太郎=著 創美社=編集 集英社=発行 1982-11-15
  • 雑誌 『小説新潮』 1980-07

   初出は b. 小説新潮誌上。


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■DVD

市川崑監督のドキュメンタリー映画 東京オリンピック(1965年、英題 Tokyo Olympiad)の脚本は市川崑、和田夏十、白坂依志夫、谷川俊太郎の4氏の共同執筆による。

■CD

■和書 Books in Japanese

  

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Saturday, 06 July 2013

The Great Quillow by James Thurber (1) ジェームズ・サーバー / ジェイムズ・サーバー 『おもちゃ屋のクィロー』『おもちゃやキロウの巨人退治』『おえらいクイロウさま』『大おとことおもちゃやさん』 (1)

« The Great Quillow 2 »
« おもちゃ屋のクィロー 2 »

■はじめに Introduction

童話によく見られる繰り返しのおもしろさ。意味とリズムの両方を、じょうずに翻訳して伝えるのは、なかなか難しい。その一例を下に引用します。ジェイムズ・サーバー (1894-1961) 作『おもちゃ屋のクィロー』から。

雑誌ニューヨーカーを中心に活躍した作家・漫画家サーバーは、生涯にたくさんの本を出しました。しかし、子ども向けの本は5冊しか書いていません。1944年に初版が出た『おもちゃ屋のクィロー』はそのうちの1冊。『たくさんのお月さま』と並んでこんにちに至るまで読み継がれています。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 上條 1996
「おまえは、一晩(ひとばん)じゅう、かかりっきりで、おもちゃをつくっていたんだってな」と、かじ屋(や)はこわい顔(かお)をしていいました。
「おもちゃをつくりながら」と、クィローはたのしそうにいいました。
「大男(おおおとこ)のハンダーが、よろこびそうなはなしを考(かんが)えてたのさ」
 かじ屋(や)は、はなを鳴(な)らしました。
「一晩(ひとばん)じゅう、くろうして、おはなしとやらをたたきだしたっていうんだろう」
「それから、それをよりあわせてさ」と、かぎ屋(や)がいいました。
「それから、それをなめらかにしてさ」と、大工(だいく)がいいました。
「それから、それをころがしてさ」と、パン屋(や)がいいました。
「それから、それにぬいとりしてな」と、仕立屋(したてや)がいいました。
「それから、それをひとつにぬいあわせてな」と、くつ屋(や)がいいました。
「それから、それにはなしの糸(いと)をとおしてさ」と、ろうそく屋(や)がいいました。
「それから、それにあじつけをして」と、肉屋(にくや)がいいました。
「あますぎもせず、にがすぎもしないようにしてね」と、アメ屋(や)がいいました。

  • ジェームズ・サーバー=作 上條由美子(かみじょう・ゆみこ)=訳 飯野和好(いいの・かずよし)=絵 『おもちゃ屋のクィロー』 世界傑作童話シリーズ 福音館書店 1996-11-20

(J2) 岸上+篠=注釈 1991
この本は訳書ではなく注釈書です。つぎのような解説があります。

a hard night you must have spent hammering out your tale 「話を金槌でたたき出し、きっと骨のおれる夜を過したことだろうよ」以下、おのおのが自分の仕事に応じて文句をいってるが、それぞれ面白い。
 錠前屋は「ひねり出して」 'twisting it'
 大工は「たいらに削り出して」 'leveling it'
 パン屋は「ころがし出して」 'rolling it out'
 仕立屋は「縫いあげて」 'stitching it up'
 靴屋は「はりつけ合わせて」 'fitting it together'
 ろうそく屋は「中央の糸のまわりに築きあげて」 'building it around a central thread'
 肉屋は「調理しあげて」 'dressing it up'
 菓子屋は「から過ぎも甘過ぎもせずに作りあげて」 'making it not too bitter and not too sweet'
以上を見ると、これらはきちんと小説や物語の製作過程の手順らしくなっている。サーバーらしい配列の妙である。

  • ジェームズ・サーバー=原著 イギリス児童文学会=編集 岸上眞子(きしがみ・まみこ)+篠三知雄(しの・みちお)=注釈 『おもちゃやキロウの巨人退治』 英米児童文学双書 中部日本教育文化会=発行 1991-03-01

(J3) 松岡 1971
[略]鍛冶屋(かじや)は顔(かお)をしかめて、クイロウを見た。
「点灯役(てんとうやく)の話じゃ、おまえは、夜どおし、おもちゃを作っていたそうだな。」 「おもちゃをつくったり、」と、クイロウは快活(かいかつ)にこたえた。「それから、大男ハンダーにきかせる話を考えたりしていました。」
 鍛冶屋(かじや)は、ふんと鼻(はな)をならしていった。
「話をたたきだすのは、さぞつらかっただろうな。」
「ねじまげるのもな。」と、かぎ屋(や)がいった。
「かんなをかけるのもな。」と、大工(だいく)がいった。
「のばすのもな。」と、パン屋(や)がいった。
「ぬいあわせるのもな。」と、仕立屋(したてや)がいった。
「つなぎあわすのもな。」と、くつ屋(や)がいった。
「芯糸(しんいと)のまわりにつみあげていくのもな。」と、ろうそく屋(や)がいった。
「料理(りょうり)するのもな。」と、肉屋(にくや)がいった。
「苦(にが)すぎもせず、甘(あま)すぎもせぬように作るのもな。」と、菓子屋(かしや)がいった。

  • J・サーバー=作 松岡享子(まつおか・きょうこ)=訳 「おえらいクイロウさま」 石井桃子(いしい・ももこ)=責任編集 『子どもの文学——新しい時代の物語』 西欧文化への招待 10 グロリア インターナショナル 1971-01-01

(J4) 那須 1967
[略]かじやさんは、キローをにらみつけました。
「おまえさんは、のんびりと、にんぎょうをつくってたというじゃないか。火(ひ)ともしやさんが、そういってたよ。」
「ええ、そうですとも。おもちゃをつくってましたよ。それからね、大(おお)おとこのハンダーがおもしろがるような、おはなしを、かんがえていたんです。」
 キローは、たのしそうでした。
「そうかい、ゆうべは、さぞ、いっしょうけんめいだったのだろうな。なにしろ、おはなしを、たたきだすんだもの。」
「それから、そいつをおりまげるんだもの。」
と、かぎやさんがからかいました。
「それから、そいつをたいらにするんだからね。」
と、だいくさんもいいました。
「それから、また、のばすんだもの。」
と、パンやさんもいいました。
「のばしたものを、はりで、ぬってさ。」
と、ふくやさんもいいました。
「それを、きちっと、ぬいあわせるんですからね。」
と、くつやさんもいいました。
「それから、はなしのしんをいれて。」
と、ろうそくやさんもいいました。
「あじをつけて。」
と、にくやさんもいいました。
「あまり、にがくないように、それから、あますぎないように、するんだものね。」
と、おかしやさんもいいました。


 Cover photos  表紙画像

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■英語原文 The original text in English

He scowled at Quillow. “The lamplighter tells us you spent the night making toys.”
  “Making toys,” said Quillow cheerily, “and thinking up a tale to amuse the giant Hunder.”
The blacksmith snorted. “And a hard night you must have spent hammering out your tale.”
  “And twisting it,” said the locksmith.
  “And leveling it,” said the carpenter.
  “And rolling it out,” said the baker.
  “And stitching it up,” said the tailor.
  “And fitting it together,” said the cobbler,
  “And building it around a central thread,” said the candlemaker.
  “And dressing it up,” said the butcher.
  “And making it not too bitter and not too sweet,” said the candymaker.


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L'Identité / Identity by Milan Kundera ミラン・クンデラ 『ほんとうの私』

■はじめに Introduction

愛し合うふたり。カップルだけで完結し自足していられれば人生はバラ色だろう。けれど、ふたりは〈世の中〉というものを必要とする。ふたりは〈世間〉が存在しなければ、おたがい話題にさえ事欠く事態に陥ってしまうのだ——。

そう話すのは、ミラン・クンデラの小説『ほんとうの私』に登場する男ジャン=マルク。第26章で、彼は恋人シャンタルとレストランへ行きます。すると、隣のテーブルに延々と黙りこくったカップルがいる。これを見て、ジャン=マルクがシャンタルに言います。その台詞をパラフレーズしたのが、冒頭の段落です。元の言葉どおりの台詞を、世界諸言語による翻訳とフランス語原文とで下に引用します。

引用の原文は3つの文から成るのですが、なぜか最初の1文だけがネット上などでよく紹介されています。「世の中から孤立し、ふたりだけで愛し合っているふたりの人間、それはとても美しい」。でも……。


 Book cover gallery 

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zh Zh_simp__9787532730155 zh Zh_trad__9789573316046 ko Ko_kundera_9788937484094

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   中 [zh] 身份 上海译文出版社 2004 (简体)
   台 [zh] 身分 皇冠出版社 1999 (繁體)
   韓 [ko] 정체성 민음사 2012
   日 [ja] ほんとうの私 集英社 1997
   泰 [th] ตัวตน สำนักพิมพ์กำมะหยี่ 2012
   インドネシア [id] Identitas Fresh Book, 2006
   ペルシャ [fa] هویت نشر قطره 1998
   アラビア [ar] الهوية المركز الثقافي العربي 2010
   土 [tr] Kimlik Can Yayınları, 1999
   ハンガリー [hu] Azonosság Európa Könyvkiadó, 1999
   エストニア [et] Identiteet Tänapäev, 2007
   フィンランド [fi] Identiteetti WSOY, 1998
   希 [el] Η ταυτότητα Βιβλιοπωλείον της Εστίας, 1998
   露 [ru] Неспешность. Подлинность Азбука, 2013
   ブルガリア [bg] Самоличност Колибри, 2001
   波 [pl] Tożsamość Państwowy Instytut Wydawniczy, 2001
   クロアチア [hr] Identitet Meandar, 2005
   デンマーク [da] Identiteten København, 1998
   独 [de] Die Identität: Roman Fischer Taschenbuch, 2008
   蘭 [nl] Identiteit Ambo, 2004
   米 [en] Identity: A Novel Harper Perennial, 1999
   英 [en] Identity: A Novel Faber and Faber, 1998
   ルーマニア [ro] Identitatea Humanitas, 2008
   伊 [it] L'identità Adelphi, 2001
   葡 [pt] A Identidade Companhia do Bolso, 2009
   西 [es] La identidad Tusquets Editores, 1998
   仏 [fr] L'Identité Gallimard, 1998


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

两个人相爱,愿意只有他们两人,与世隔绝,这是很美的事情。但他们用什么来滋养每天的面对面相见?世界虽然实在让人瞧不起,但他们需要这个世界来进行谈话。

  • 米兰·昆德拉 《身份》 译者: 董强 上海译文出版社 2011
  • Excerpt at WebsiteTitle

■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

兩個相愛的人,單獨相處,脫離這個世界,這很美。可是他們源源不絕的談話內容要從哪裡來?不管這個世界多麼令人厭惡,情侶們還是需要它,才能夠交談。

  • 米蘭·昆德拉 《身分》 譯者:邱瑞鑾 皇冠 1999-02-01
  • Excerpt at WebsiteTitle

■日本語訳 Translation into simplified Japanese

世の中から孤立し、ふたりだけで愛し合っているふたりの人間、それはとても美しいよ。でも彼らは、なんによってそのふたりだけの状態に滋養をあたえるんだろうか? たとえこの世の中がどんなに軽蔑すべきものだとしても、彼らが話し合えるためには、その世の中を必要とするんだよ。

  • ミラン・クンデラ=著 西永良成(にしなが・よしなり)=訳 『ほんとうの私』 集英社 1997-10-24

■チェコ語訳 Translation into Czech

Dva lidé, kteří se milují, samotní, izolovaní od světa, to je velice krásné. Čím by ale živili své důvěrné rozhovory? Jakkoliv opovrženíhodný svět může být, přece ho potřebují, aby spolu mohli mluvit.

  • Totožnost by Milan Kundera.
  • Excerpt at Jzed.wo

■デンマーク語訳 Translation into Danish

To mennesker der elsker hinanden, alene, isolerede fra verden, det er meget smukt. Men hvad skulle de nære deres samtale af ? Hvor foragtelig verden end er, så har de brug for den for at kunne tale sammen.


■英訳 Translation into English

Two people in love, alone, isolated from the world, that's very beautiful. But what would they nourish their intimate talk with? However contemptible the world may be, they still need it to be able to talk together.


■イタリア語訳 Translation into Italian

Due esseri che si amano, soli, isolati dal resto del mondo… è molto bello! Ma di che cosa parlerebbero tutto il tempo? Per quanto spregevole sia il mondo, essi ne hanno bisogno per potersi parlare.


■スペイン語訳(部分) Translation into Spanish (fragment)

Dos personas que se aman, solos aislado del mundo, eso es hermoso.


■フランス語原文 The original text in French

Deux êtres qui s'aiment seuls, isolés du monde, c'est très beau. Mais de quoi nourriraient-ils leur tête-à-tête ? Si méprisable que soit le monde, ils en ont besoin pour pouvoir se parler.


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