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March 2018

Friday, 30 March 2018

А. П. Чехов. Смерть чиновника The Death of a Government Clerk by Anton Chekhov チェーホフ 「役人の死」「小役人の死」「官吏の死」

◾️はじめに Introduction

  • 「役人の死」はチェーホフの初期の短篇のうちの一つ。1883年発表。筒井康隆の先祖が書いたかと思われるような作品。

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  1. 沼野 2010
    • 「口をききたくもないってことか。そんなつもりはまったくありませんでした、これは自然の法則なんです、と説明しないと……。そうじゃないと、わざと唾をかけたと思うだろう。いまは思わなくても、きっと後でそう思うに違いない!……」
  2. 浦 2010
    • 《口をきくのもいやなんだ。その気がなかったことを説明しなければ……。自然の摂理だと説明しなければならん。さもないと、わざとつばをかけたと思われかねない。今はそう思っていないかもしれないが、きっとあとになったらそう思うにちがいない!》
  3. 松下 1994
    • 「口もききたくないんだな。釈明せにゃならんだろうて、そんなつもりはちっともなかったって……これはごく自然な要求なんだって。でなきゃ、わざと唾をはきかけたと思うかもしれん。いま思わなくたって、あとで思うかもしれん!……
      • 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「官吏の死」 チェーホフ全集 1 ちくま文庫 1994
  4. 東郷 1964
    • 『口もきくのも嫌なんだ。彼に説明せにゃなるまいて、自分は決してやるつもりはなかったのだ……これはごく自然の法則なんだと。さもないとぼくが唾をはきかけようと思ってたなんて考えるかもしれん。今は考えなくても、あとで考えるかもしれん!……』
  5. 池田 1960
    • 『いや、口もきくのもいやなんだ。こいつはどうあっても、僕がそんなつもりじゃなかったことを……あれは自然の法則だということを、説明しなくちゃなるまい。さもないと、ぼくが唾をかけようと思ったと思うだろうからな。今はそう思わなくても、あとでそう思うにきまっている!……』
  6. 中村 1933
    • 《それで口を利くこともいやがつてるんだ。こいつあどうしても、自分は決してそんなつもりではなかつた、これは自然の法則だといふことを説明してやらなければならぬ…… でないと、おれがわざと唾をかけたと思ふかも知れぬ。今は思つてないにしろ、あとではきつと思ふに違ひない……》
      • 中村白葉(なかむら・はくよう)=訳 「官吏の死」 チェーホフ全集 1 金星堂 1933(昭和8)
  7. 瀬沼 1908, 2000
    • 而して何だか話をするのも厭になつた。『自分が故意にしたのではない……そして又是は最も自然な事なのであると、奈何うしても、云譯をしなけりやならん さうしなければ、故意に唾を吐き掛けたものと思はれる。今さう考へないでも、後に屹度さう考へるだらう!……』

◾️イタリア語訳 Translation into Italian

  • Translator to be confirmed
    • «Non  vuol  nemmeno  parlare.  Bisognerebbe  spiegargli 
      che non desideravo affatto... che questa è una legge di natura,
      se no penserà ch'io volessi sputare. Se non lo penserà adesso, lo penserà poi!...».

◾️英訳 Translation into Englis

  • Garnett
    • "And he doesn't want to talk. I ought to explain to him . . . that I really didn't intend . . . that it is the law of nature or else he will think I meant to spit on him. He doesn't think so now, but he will think so later!"
      • The Death of a Government Clerk by Anton Chekhov. Translated by Constance Garnett
      • E-text at Wikisource

◾️ドイツ語訳 Translation into German

  • Czumikow
    • – Nicht einmal sprechen will er mit einem. Man müßte ihm auseinandersetzen, daß ich es ja gar nicht gewollt habe ... daß das ein Naturgesetz ist ... Sonst denkt er noch, daß ich auf ihn spucken wollte ... Wenn er es auch jetzt nicht denkt, so kann es ihm doch später in den Sinn kommen! ... –

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    • -- И говорить не хочет. Надо бы ему объяснить, что я вовсе не желал... что это закон природы, а то подумает, что я плюнуть хотел. Теперь не подумает, так после подумает!.."
      • Антон Павлович Чехов. Смерть чиновника
      • E-text at Lib.ru

◾️関連音声・動画 Audio & Video

  • 英語版オーディオブック Audiobook in English

    上の引用箇所の朗読は 2:34 から始まります。 Reading of the excerpt above starts at 2:34.
     
  • ウクライナのアニメ作品 Ukrainian animation

    上の引用箇所に相当する部分は 4:47 から始まります。 The scene corresponding to the excerpt above starts at 4:47.
     
  • Смерть чиновника

    上の引用箇所に相当する部分は 3:13 から始まります。 The scene corresponding to the excerpt above starts at 3:13.

◾️外部リンク External links

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Thursday, 22 March 2018

А. П. Чехов. Устрицы Oysters by Anton Chekhov チェーホフ 「牡蠣」「かき」

◾️はじめに Introduction

  • 通りで父親とふたり、物乞いを始めたばかりの子どもが、意地悪な大人にレストランへ連れていかれて、食べたことのない、食べたくもない高級シーフードを無理やり食べさせられてトラウマになる……という悪い冗談のような話。
  • チェーホフならではの、おもしろ悲しい短篇。いまから130年以上まえの1884年に発表された作品だが、国と時代を超えてアピールする。チャップリンやウディ・アレンの思想的先祖ともいえそうだ。

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  1. 沼野 2010
    • 「父ちゃん、カキって精進料理、なまぐさ料理?」と、おれは聞く。
      「生きたまま食べるのさ……」おやじは言う。「亀みたいに、殻をかぶっていてな……でも、殻は二枚あるんだ」
       そのとたん、美味しそうな匂いは体をくすぐるのをやめ、幻が消えうせた……。なんだ、そういうことか!
      「キモい!」おれはつぶやく。「キモいぜ!」
  2. 浦 2010
    • 「父ちゃん、かきって精進料理? それとも肉料理?」
      「生きたまま食べるんだ……」と父は言った。「そいつは亀のようにかたい殻のなかに入っているのさ。もっとも殻は二枚だがな」
       ぼくの体をくすぐっていたかぐわしい匂いは、この言葉を聞いてぴたりと止んだ……。これですっかりわかった。
      「ああ、気味わるい」ぼくはつぶやいた。「気色わるい」
  3. 松下 1994
    • 「とうちゃん、かきって、精進料理なの、それともふだんの料理なの?」と僕はたずねる。
      「生のまま食べるんだよ……」と父が言う。「殻をかぶってるんだ、亀のように、でも……二枚の殻だがね」
       うまそうな匂いはとたんにぼくの体をくすぐるのをやめ、まぼろしは消えてしまう……。これで正体つかめたぞ!
      「なんていやらしいんだ!」と、僕はつぶやく。「なんていやらしいんだ!」
      • 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「牡蠣」 チェーホフ全集 2 ちくま文庫 2009
      • ルビは省略しました。
  4. 神西 2002
    •  「とうちゃん、かきって、精進料理なの、それとも、なまぐさ料理なの?」と、ぼくはたずねる。
       「生きたままま食べるんのさ。……」と、父が言う。「かめのように、かたいからをかぶっているんだよ。もっとも……二枚のからだがね。」
       おいしいにおいは、とたんに、ぼくのからだをくすぐるのをやめ、まぼろしは消えうせる。……なんだ、そうなのか!
       「おお、いやだ!」と、ぼくはつぶやく。「おお、いやだ!」
  5. 東郷 1951
    •   「おとうちゃん、牡蠣って精進料理に使うの、それともなまぐさ料理に使うの?」と、ぼくは訊ねる。
        「それはなまで食うんだよ……」と、父がいう。「それは龜のこみたいに殻に入ってる、でも……二枚貝になってるのさ」
       おいしそうな匂いは一瞬にしてぼくの肉體をくすぐることをやめ、幻想は消えうせる……これでみんなわかった!
        「なんてげがらわしいもんだ」と、ぼくは囁く。「なんてげがらわしいもんだ!」
      • 東郷正延(とうごう・まさのぶ)=訳 「牡蠣」 喜び・仮面 岩波文庫 1951
  6. 中村 1934
    •  『パパ、かきは精進ものか、それともなまぐさかい?』とわたしは訊く。
       『それはね、生きたまゝで食べるんだよ……』と父は言ふ。『それは殻の中に入つてゐるのだ、龜のやうにな、併し……殻は半分のが二枚重なつてゐる。』
       おいしいにほひが忽ちわたしの身體を擽るのを止めて、幻影は消える……今こそわたしはすべてを了解する!
       『何ていやなんだらう。』とわたしは囁く——『何ていやなんだらう!』
      • 中村白葉(なかむら・はくよう)=訳 「牡蠣」 チェーホフ全集 1 金星堂 1934(昭和9)
  7. 廣津 1919
    • 『父ちゃん、斷食日でも牡蠣食べていゝのかい?』と私は訊いた。
      『生きたまゝ食べるんだよ……』と父は答へた。『貝殻に這入いつてゐてね……まるで龜の子のやうなのさ、唯殻が二重になつてゐるけれども』
       そそるやうな香ひは急に私の鼻の孔を擽らなくなつた、幻影は消えて了つた。今は私は了解したのである!
      『あゝ、恐い!』と私は叫んだ。『怖(おつ)かないなァ!』
      • 廣津和郎(ひろつ・かずお)=訳 「牡蠣」 チエホフ全集 2 新潮社 1919(大正8)
  8. 長塚 1912, 2000
    •  「お父つさん、牡蠣は精進日にでも食べられるの?」
       「今度、生きたまゝでお食べ」と父が返事をした 「殻の中に居るものだ……龜を見た樣にナ、只殻が兩蓋に成つて居る。」
       私の鼻を擽ぐつてゐた、そヽる樣な臭は忽ち止んで、空想は消えた。漸く分つて來た。
       「オー厭だ! オヽ氣味が惡い」
  9. 馬場 1909, 2000
    • 『父樣(とうさん)。斷食日(だんじきび)でも、牡蠣(かき)は食(く)つて宜(い)いの』斯(か)う問(き)くと、
      『生(い)きてるのを食(く)うんだ……殻(から)のなかに入(は)いつて居(ゐ)る……龜(かめ)の子(こ)のやうに、けども、殻(から)が二枚(まい)ある』
       甘(うま)さうな香氣(にほひ)が、パッタリ、鼻孔(はなのあな)を擽(くす)ぐら無(な)くなつた 幻象(まぼろし)は消(き)えた。……あゝ、解(わ)かつた。
      『あゝ、恐(こわ)い。厭(いや)だ、厭(いや)だ』

◾️フランス語訳 Translation into French

  • Roche, 1928
       – Papa, les huîtres, demandé-je, est-ce un plat maigre ou gras?
       – On les mange vivantes... dit mon père. Elles ont, comme les tortues, une carapace, une coquille... mais composée de deux parties...
       La succulente odeur cesse instantanément de me chatouiller, et l’illusion disparaît... Je comprends tout maintenant!
       – Quelle saleté, murmuré-je, quelle saleté!
    • Les Huîtres by Anton Tchekhov. Translated by Denis Roche. Paris, Librairie Plon, 1928
    • E-text at ebooksgratuits [PDF]

◾️英訳 Translation into English

  1. Garnett, 1922
    • "Papa, are oysters a Lenten dish?" I asked.
       
      "They are eaten alive . . ." said my father. "They are in shells like tortoises, but . . . in two halves."
       
      The delicious smell instantly left off affecting me, and the illusion vanished. . . . Now I understood it all!
       
      "How nasty," I whispered, "how nasty!"
      • Oysters. Translated by Constance Garnett
      • E-text at Wikisource
  2. Edward & Long, 1908
    • “Father, can you eat oysters on fast days?” I asked.
       
      “You eat them alive . . .” he answered. “They are in shells . . . like tortoises, only in double shells.”
       
      The seductive smell suddenly ceased to tickle my nostrils, and the illusion faded. Now I understood!

      “How horrible !” I exclaimed. “How hideous!”
      • Oysters. Translated by Robert Edward and Crozier Long
      • E-text at Wikisource

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    •    — Папа, устрицы постные или скоромные? — спрашиваю я.
         — Их едят живыми...
         — говорит отец. — Они в раковинах, как черепахи, но... из двух половинок.
         Вкусный запах мгновенно перестает щекотать мое тело, и иллюзия пропадает... Теперь я всё понимаю!
         — Какая гадость, — шепчу я, — какая гадость!

◾️"Какая гадость — какая гадость!" の訳
 Translations of "Какая гадость — какая гадость!"

  • 日本語
    1. 沼野 「キモい!」 「キモいぜ!」
    2. 浦  「ああ、気味わるい」 「気色わるい」
    3. 松下 「なんていやらしいんだ!」 「なんていやらしいんだ!」
    4. 神西 「おお、いやだ!」 「おお、いやだ!」
    5. 東郷 「なんてけがらわしいもんだ」 「なんてけがらわしいもんだ!」
    6. 中村 『何ていやなんだらう。』 『何ていやなんだらう!』
    7. 廣津 『あゝ、恐い!』 『怖かないなァ!』
    8. 長塚 「オー厭だ! オヽ氣味が惡い」
    9. 馬場 『あゝ、恐い。厭だ、厭だ』
  • Français
    • – Quelle saleté, quelle saleté!
  • English
    1. Garnett: "How nasty," "how nasty!"
    2. Edward & Long: “How horrible !” I exclaimed. “How hideous!”

◾️関連音声・動画 Audio & Video

  • Audiobook in English

    Reading of the excerpt above starts at 5:56
     
  • Radio drama in English

    The scene corresponding to the excerpt above starts at 4:42
     
  • ロシア語原文オーディオブック Audiobook in Russian

    Reading of the excerpt above starts at 5:54
     
  • Антракт в Литературном музее. На основе рассказа А. Чехова «Устрицы»

     
  • Chekhov Museum in Moscow

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Wednesday, 21 March 2018

А. П. Чехов - Ванька Vanka by Anton Chekhov チェーホフ 「ワーニカ」「てがみ」「ワンカ」

◾️はじめに Introduction

  • 「ワーニカ」はチェーホフが1886年に発表した短編小説。表題のワーニカは9歳の男の子。この子が世界一おもしろくて世界一かなしい手紙をつづる。
  • 両親をなくし、田舎からモスクワへ丁稚(でっち)に出されたワーニカは、奉公先で虐待される毎日を送る。クリスマス・イブの晩、皆が出かけたすきに、ワーニカはSOSの手紙を書く。「お願い、ぼくを助け出して」。宛先は、たった一人の肉親である田舎のおじいちゃんだ。
  • ワーニカの文面は、たどたどしい。それが、おかしく悲しい。ワーニカは郵便の宛名の書き方を知らない。「村のじいちゃんへ」では、手紙は届かないだろう。かりに奇跡的に届いたとしても、じいちゃんは文盲で読めないにちがいない。
  • この短編が、どれほど面白悲しいか。理解するには、ロシアの人名についての基礎知識が必要だ。本名・愛称・父称・卑小形など。沼野充義氏の新訳 チェーホフ短篇集を読むのがベストだと思う。
  • ワーニカの手紙の結びちかくから抜粋して引用する。

◾️日本語訳

  1. 児島 2012
    • 〈いつまでもずっとあなたさまのマゴのイワン・ジューコフ、大すきなおじいちゃん、とんできて〉
       ワーニカは[略]ふと考えて、ペンをインクにひたして、宛先を書きました。
         村のボクのおじいちゃんへ
       それから、ちょっと頭を掻いて、少うし考えて、つけ足しました。〈コンスタンチン・マカールィチへ〉と。
      • 児島宏子(こじま・ひろこ)=訳 ワーニカ チェーホフ・コレクション 未知谷 2012
      • ルビを省略しました。
  2. 沼野 2010
    • 「いつまでもあなたの孫のイワン・ジューコフおねがいだからじいちゃん早くきて」
       ワーニカは[略]ちょっと考えてから、ペンをインクに浸して、宛先を書いた。
       
        村のじいちゃんへ
       
       それから頭をかいてまたちょっと考え、「祖父のコンスタンチンどの」と書き足した。
  3. 浦 2010
    • 「ぼくはいつまでもおじいちゃんのまごです。大好きなおじいちゃん、どうか助けに来てください」
       ワーニカは[略]しばらく思案したのち、ペンをインクに浸して、こう宛先を書いた。
       
         村のおじいちゃんへ
       
       それから頭をかいて考えて、「コンスタンチン・マカールイチさま」と書き足した。
  4. 松下 2009
    • 「まごのイワン・ジェーコフの敬具。ぼくのおじいちゃん、ここへ来てください」
       ワーニカは[略]ちょっと考えてから、ペンをインクにつけて、宛名を書いた。
       「村のおじいちゃんへ」 
       それから頭を掻(か)き掻き、ちょっと考えて、「コンスタンチン・マカールイチさま」と書き添えた。
  5. 鈴木 1975
    • 「さやうなら。ユウコフより。ほんとうに、だんなさま、きつとですよ。」
       [略]ユウコフは[略]しばらく考へてから、あて名をかきました。
      「ゐなかの、
      コンスタンチン・マカリッチの、だんなさま。」
  6. 原 1960
    • 『孫のイワン・ジューコフより。おじいちゃん、早く来てください。』
       [略]ちょっと考えてから、少年はペンにインクをたっぷりつけて、宛名を書いた。
         村のおじいちゃんへ 
       そのあと頭をかきながら少し考えて、『コンスタンチン・マカールイチさま』と書き足した。
  7. 中村 1934
    • 『いつまでもお前の孫のイワン・ジューコフ、かしいお祖父よ、早く來ておくれ。』
       [略]ちよつと考へてから、彼はペンをインクに浸して、宛名を書いた——
       『村のお祖父へ。』
       それから、ちよつと頭を掻いて、考へて、書き足した——『コンスタンチン・マカールイチ樣。』
      • 中村白葉(なかむら・はくよう)=訳 「ワーニカ」 チェーホフ全集 4 金星堂 1934(昭和9)
  8. 廣津 1919
    • 『[略]
                          あなたの孫なる、
                                     イワン・ジュウコフ
          お祖父樣、どうぞ御いで下さいまし』
       
       [略]彼は一寸考へてから、ペンをインクにひたして、そして宛名を書いた。
       
           『村のお祖父樣(ぢいさま)に』
       
       それから頭を引つ掻いて、一寸の間(ま)思案して、そしてかう附加へた。
           『コンスタンチン・マカリッチ』
      • 廣津和郎(ひろつ・かずお)=訳 「ワンカ」 チエホフ全集 2 新潮社 1919(大正8)

◾️英訳 Translation into English

  • Garnett
    • "I remain, your grandson, Ivan Zhukov, dear Grandpapa, do come."
         [Omission] He thought a little, dipped the pen into the ink, and wrote the address:"The village, to my grandfather." He then scratched his head, thought again, and added: "Konstantin Makarych."
      • Vanka by Anton P. Chekhov. Translated by Contance Garnett
      • E-text at Wikisource

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    • "Остаюсь твой внук Иван Жуков, милый дедушка приезжай".
         [Omission] ... Подумав немного, он умокнул перо и написал адрес:
         
         На деревню дедушке.
         
         Потом почесался, подумал и прибавил: "Константину Макарычу".
      • Антон Павлович Чехов - Ванька
      • E-text at Lib.ru

◾️関連音声・動画 Audio & Video

  1. 英語版オーディオブック Audiobook in English

    上に引用した箇所の朗読は 10:14 から始まります。 Reading of the excerpt above starts at 10:14
     
  2. ソビエトウクライナ・アニメ (1981)

    上の引用箇所に相当するシーンは 6:51 から始まります。 The scene corresponding to the excerpt above starts at 6:51
     
  3. ソ連映画

    上の引用箇所に相当するシーンは 26:48 から始まります。 The scene corresponding to the excerpt above starts at 26:48

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Monday, 19 March 2018

The Veldt (The World the Children Made) by Ray Bradbury レイ・ブラッドベリ 「草原」「かべの中のアフリカ」

■はじめに Introduction

  • 「草原」はレイ・ブラッドベリが1950年に発表した短編小説。翌1951年に出版された短編集『刺青の男』に収録されました。バーチャルリアリティを描いたSFの草分けと言われる作品です。その一部を下に引用します。

■日本語訳 Translations into Japanese

  1. 日暮 1995
    • 部屋の中は、しんとしていた。暑い真昼のジャングルにある林間の空き地のように、がらんとしている。三方の壁はまっさらで、凹凸は感じられない。だがジョージとリディアが部屋の中ほどに立つと、壁はゴロゴロと音を立てて後退していった。どこまで動いたのか、やがて壁がまったく見えなくなったかと思うと、そこにはアフリカの草原が現れた。どちらを向いても完全に立体的で、天然の色がつき、小石や藁の一片にいたるまで本物そっくりの草原だ。頭上には抜けるような空が広がり、黄色っぽい太陽がぎらぎら輝いている。
  2. 川本 1978
    • 子ども部屋は静まり返っていた。暑い昼下がりの、ジャングルのあいだの空き地のようにガランとしている。ジョージとリディア・ハドレイのふたりがその部屋のまん中に立つと、四方の壁が音たててうしろに後退し始め、ついには水晶のように透明に、遠くかなたに遠のいたように見えた。そしてアフリカの草原があらわれた。三次元で作られ、どの面も色がついている。小石やワラはほんもののようだ。頭上の天井は深い空に変わり、そこには暑い黄色い太陽が輝いている。
      • 川本三郎(かわもと・さぶろう)=訳 「草原」 万華鏡 サンリオSF文庫 1978/7/25
      • 原書: The Vintage Bradbury 1965
  3. 福島 1970, 1996, etc.
    • そこには、アフリカの草原があった。
      焼けつくようなみどり色の草原。遠くにはジャングルがひろがって、その上の青い空に、黄色くぎらぎらかがやく太陽が照っていた。
  4. 小笠原 1960, 1969, etc.
    • 二人は、子供部屋の草ぶきの床に立っていた。そこは、暑い真昼のジャングルのなかの空地みたいに、がらんとしている。壁はまっしろな平面である。ジョージとリディア・ハードリーが、おもむろに部屋の中央に立つと、壁はごろごろ音を立てて、無限の彼方まで後退するように見えた。まもなく、アフリカの草原が立体的にあらわれた。どこもかしこも、小石や藁屑に至るまで、みごとな天然色である。あたまの上の天井は、黄色い太陽がかがやく深い空に変化した。

■英語原文 The original text in English

  • Bradbury
    • The nursery was silent. It was empty as a jungle glade at hot high noon. The walls were blank and two dimensional. Now, as George and Lydia Hadley stood in the center of the room, the walls began to purr and recede into crystalline distance, it seemed, and presently an African veldt appeared, in three dimensions, on all sides, in color reproduced to the final pebble and bit of straw. The ceiling above them became a deep sky with a hot yellow sun.

◾️関連音声・動画 Audio & Video

  1. 音楽 deadmau5 feat. Chris James - The Veldt

     
  2. オーディオブック(朗読) Audiobook read by Leonard Nimoy

    上の引用箇所の朗読は 1:19 から。 Reading of the excerpt above starts at 1:19
     
  3. テレビドラマ The Veldt (1989) - The Ray Bradbury Theater - S03E11
     
  4. 映画 The Illustrated Man (1969) Trailer

     
  5. ラジオドラマ The Veldt (1951) - Dimension X Episode 43, NBC Radio

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Saturday, 17 March 2018

The End (Now We Are Six) by A. A. Milne A・A・ミルン 「おわりに」「おしまい」「6つになった」「おしまひ」

◾️はじめに Introduction

  • 「おわりに」は『クマのプーさん』の作者として有名な A. A. ミルンが書いた詩。1927年に出版された子供向けの詩集『六つになった』に収録されている。「おわりに」は詩集の最後にある作品なので、このタイトルが付いている。

◾️初版本 First edition
Nowwearesix

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  1. 山田 1981
    • 一つのときは
      はじまりで ホンノ

      二つのときも
      あたらしい マァマァ

      三つのときは
      ぼくになり ヤット

      四つのときも
      かわらない ソレホド

      五つのときは
      生きていた ソレダケ

      だけど こんどは六つです
      そして 大へんおりこうさん
      だから 六つでおりたいな
      イツマデモ イツマデモ
  2. 小田島+小田島 1979, 1997
    • 一つのときぼくは
      まだはじまったばかりだった

      二つのときぼくは
      まだうまれたてのままだった

      三つのときぼくは
      まだまだぼくじゃなかった

      四つのときぼくは
      そうたいしてかわっていなかった

      五つのときぼくは
      ただげんきいっぱいだった

      いまぼくは六つで だれにもまけないおりこうさん
      だからぼくはこのままいつまでも六つでいたい
  3. 周郷 1978
    • 一つの ときは、
      なにもかも はじめてだった。
       
      二つの ときは、
      ぼくは まるっきり しんまいだった。
       
      三つの とき、
      ぼくは やっと ぼくに なった。
       
      四つの とき、
      ぼくは おおきくなりたかった。
       
      五つの ときには、
      なにから なにまで おもしろかった。
       
      いまは 六つで、
      ぼくは ありったけ おりこうです。 
      だから、いつまでも 六つで いたいと
      ぼくは おもいます。
  4. 松原 1940
    • 僕が一歳(ひとつ)だつた時(とき)、
      丁度僕は初まつた。

      僕が二歳(ふたつ)だつた時、
      初めて僕は氣がついた。

      僕が三歳(みつつ)だつた時(とき)、
      やつと僕は僕だつた。

      僕が四歳(よつつ)だつた時、
      まだ僕はそれだけだつた。

      僕が五歳(いつつ)だつた時、
      やつと僕は元氣が出た。

      だが、今は六歳(むつつ)になつて
      僕はとても利口だ。
      だから僕はいつまでも
      いつまでも六歳でゐよう。
      • 松原至大(まつばら・みちとも)=訳 「おしまひ」 幼き日のこと 冨山房 1940-12-25 

◾️フランス語訳 Translation into French

  • Translator unconfirmed
    • Quand j'étais un,
      Je venais juste de commencer.
      Quand j'étais deux,
      J'étais presque nouveau.
      Quand j'avais trois ans
      J'étais à peine moi.
      Quand j'avais quatre ans,
      Je n'étais pas beaucoup plus.
      Quand j'avais cinq ans,
      J'étais juste en vie.
      Mais maintenant je suis Six,
      Je suis aussi intelligent que malin,
      Donc je pense que je serai six maintenant pour toujours et à jamais.
      • Maintenant, nous sommes six by A. A. Milne
      • E-text at Sytyson

◾️英語原詩 The original poem in English

  • Milne
    • When I was one,
      I had just begun.
      When I was two,
      I was nearly new.
      When I was three,
      I was hardly me.
      When I was four,
      I was not much more.
      When I was five,
      I was just alive.
      But now I am six,
      I'm as clever as clever.
      So I think I'll be six now
      for ever and ever.
      • The End (Now We Are Six) by A. A. Milne
      • E-text at Wikiquote

◾️関連動画 Video

  • Now We Are Six

    上に引用した詩の朗読は0:19から始まります。Reading of the poem quoted above starts at 0:19

◾️更新履歴 Change log

  • 2018-03-19 フランス語訳を追加しました。

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Friday, 16 March 2018

А. П. Чехов. Шуточка The Little Trick by Anton Chekhov チェーホフ 「いたずら」「悪ふざけ」「たわむれ」「たはむれ」

◾️はじめに Introduction

  • 「いたずら」はチェーホフの短編小説。はじめユーモア雑誌『こおろぎ』 1886年第10号に掲載され、その後、マルクス社版チェーホフ著作集第2巻(1900年)に再録するにあたり、1899年にチェーホフ自身が大幅な書き換えを行なった。こんにち決定稿として、ロシアで出る著作集に収録されているのも、海外での翻訳の底本とされるのも、改訂版のほうである(以上、沼野氏訳書による)。
  • わたしが下に引用するのも、改訂版のほうだ。もともと日本語訳の揺れを見るつもりで、いろいろな訳者によるテキストを読み比べてみた。ところが、痛感したのは、訳のバラツキよりも、過去100年の日本語表現の激変ぶりのほうだった。語彙じたいも様変わりしているが、漢字・かな表記の変化も大きい。1世紀まえの日本語は、いまでは非常に読みづらい。

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  1. 小宮山 2017
    • 「ちょっと、いいかしら?」と、ぼくを見ずに言う。

      「何かな?」

      「もう一回……滑ってみない?」

       ぼくらは階段を上って、またスロープのてっぺんへ。真っ青になって震えるナージャを再度そりに乗せ、再度危険なクレバスへ飛びこむ。再度風が唸り、そりのエッジがシャーッと氷を切る。そりのスピードと騒音のボリュームが最高点に達したとき、ぼくは再度ささやく。
      「ア・イ・シ・テ・ル!」
  2. 沼野 2010
    • 「あのね」と、彼女はぼくを見ないで言う。
      「何でしょう?」と、ぼくが聞き返す。
      「もう一度、その……橇に乗ってみましょうか」
       ぼくたちは階段をよじのぼって丘の上にもどる。もう一度、ぼくは青ざめて震えるナッちゃんを橇に乗せ、もう一度、ぼくたちは恐ろしい深淵に飛び込み、もう一度、風がうなり滑り木がきしみ、もう一度、飛ぶような橇の勢いが一番強くなり、そのざわめきが一番激しくなったとき、ぼくは声をひそめて言う。
      「す・き・だ・よ、ナッちゃん!」
  3. 浦 2010
    • 「ねーえ」ぼくのほうには目もくれないでナージャは言う。
      「なんです?」とぼくは問い返す。
      「もう一度……すべってみません?」
       ぼくたちは階段をのぼって丘に上がる。またぼくは青い顔をして打ちふるえているナージャを橇に乗せ、またしてもぼくたちはおそろしい奈落に飛び出していく。またしても風がうなり、滑り木がきしむ。そしてふたたびけたたましい音を立てる橇のスピードが最高潮に達すると、ぼくは小声でささやく。
      「ナージャ、あなたのことが好きです!」
  4. 松下 2009
    • 「あのねえ」と彼女はこちらを見ないで言う。
      「なあに」とわたし。
      「もう一ぺん……滑りましょうよ」
       わたしたちは階段づたいに丘を登って行く。またもや、真っ青になって震えているナージェニカを橇に乗せて、またもや恐ろしい深淵へと飛びこんで行く。ふたたび風が吼(ほ)え、滑り木が軋(きし)って、またしても橇の勢いとざわめきとが最も激しくなったときを狙(ねら)いすまして、小声でささやく。
      「好きだよ、ナージェニカ!」
  5. 児島 2006
    •  「あのね」
       彼女はわたしを見ないで言う。
       「なんですか」
       わたしがたずねると
       「も一度……滑りましょうよ」
       わたしたちは階段を登って丘の頂(いただき)にたどり着いた。わたしは青ざめ慄(おのの)いているナージェンカをまたソリに乗せた。そして再び恐ろしい断崖(だんがい)めがけて出発する。風はうなり、ソリがぎしぎし軋(きし)む。勢いと騒音(そうおん)が頂点に達したとき、わたしは小声でささやく。
       「わたしは あなたを 愛しています ナージェンカ!」
      • 児島宏子(こじま・ひろこ)=訳 たわむれ チェーホフ・コレクション 未知谷 2006 
  6. 木村 1976
    • 「あのねえ」ぼくの顔は見ずに彼女は言う。
      「なに?」ぼくはきく。
      「もう一度……すべりましょうよ」
       ぼくたちは階段を上って丘の上へゆく。またもやぼくはあおい顔をしてふるえているナーデンカをソリに乗せ、またもやふたりはおそろしい深淵をめがけて飛ぶ。またもや風がほえたけり、すべり木がきしむ。ソリがいちばん勢いよく、いちばん大きな音を立てて滑走する瞬間をねらって、またもやぼくは小さな声で言う。
      「ナーデンカ、ぼくは、あなたが、好きだ!」
  7. 原 1960
    • 「あの……」彼女はわたしを見ずに言う。
      「何ですか?」わたしはたずねる。
      「あの、もう一度、滑りません?」
       わたしたちは階段づたいに丘にのぼる。わたしは、顔色をなくしてふるえているナージェニカを、また橇にのせる。二人はまた恐ろしい深淵の底をさして滑りおりる。またしても風が唸り、滑り木が軋む。橇の滑降がもっとも勢いよく、もっとも騒がしくなった折りをみはからって、わたしはまた小さな声で言う。
      「僕 あなたを 愛してます ナージェニカ!」
  8. 中村 1934
    •  『あのねえ?』彼女はわたしの方は見ないで言ふ。
       『何ですか?』とわたしは問ひ返す。
       『ねえ、もう一度……滑りませうよ。』
       わたし達は階段傳ひに、山へよぢ上る。再びわたしは、眞蒼になつて顫へてゐるナーデニカを橇に乘せる。わたし達は再び恐ろしい深淵へ滑り下りる。再び風が唸り、滑走臺が軋む、そしてまたしても、橇の疾走の最も激しく騒然たる只中に、わたしは小聲で次ぎのやうに言ふ——
       『僕、あなたを愛します、ナーデニカ!』
      • 中村白葉(なかむら・はくよう)=訳 「たはむれ」 チェーホフ全集 3 金星堂 1934(昭和9)
  9. 瀬沼 1908, 2000
    • 『あのね、貴方(あなた)!』彼女は余が顏を見ないで云ふてゐる。
      『何です』と余は問ふた。
      『もう一度爲(し)ませうか……辷(すべ)りませんか』
      余等は階段(かいだん)を踏(ふ)んで氷山(こほりやま)の上に上る。
      余は再びくなつて、顫へてゐるナアデンカを橇に乘せ、舊(もと)の如く先の恐ろしい奈落(ならく)の底に辷り下りる。又も風は嘯ぶき、橇は呻吟(うな)り、何とも譬へやうのない恐(おそ)しさの加はり行く眞中、余は小聲で又言ふた。
      『ナアデンカ私は貴方(あなた)を愛します』
      • 瀬沼夏葉(せぬま・かよう)=訳 「たはむれ」
        1. 明治翻訳文学全集 新聞雑誌編 43 チェーホフ集 2 大空社 ナダ出版センター 2000
        2. 心の花 1908-01(明治41)
      • 1は2のスキャン画像を収録したもの。わたし (tomoki y.) が閲読したのは、1のほうです。

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    •    — Знаете что? — говорит она, не глядя на меня.
         — Что? — спрашиваю я.
         — Давайте еще раз... прокатим.
         Мы взбираемся по лестнице на гору. Опять я сажаю бледную, дрожащую Наденьку в санки, опять мы летим в страшную пропасть, опять ревет ветер и жужжат полозья, и опять при самом сильном и шумном разлете санок я говорю вполголоса.
         — Я люблю вас, Наденька!
      • Антон Павлович Чехов - Шуточка
      • E-text at:

◾️関連音声・映像

  • ロシア語原文オーディオブック Audiobook in Russian

    上に引用した箇所の朗読は 3:29 から。Reading of the excerpt above starts at 3:29
  • ソ連のテレビ映画 Шуточка (Shutochka) 1966

    上に引用した箇所に相当するシーンは 5:08 から。The scene corresponding to the excerpt above starts at 5:08

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Thursday, 15 March 2018

А. П. Чехов - Женщина без предрассудков A Woman Without Prejudice by Anton Chekhov チェーホフ 「偏見のない女」「偏見を持たぬ女」「偏見を持たぬ婦人」「氣位の高くない女」

◾️はじめに Introduction

  • 「偏見のない女」はチェーホフが1883年に発表した短編小説。
  • 快男児マクシム(マクシーニカ)は、美女エレーナ(リョーリャ)のハートをつかんで、みごと結婚にこぎつける。ところが、彼は自分に恥ずべき過去があると信じ込んでいて、それを彼女に隠し続けている。良心の呵責にくるしむマクシムは、とうとうその過去を打ち明ける。すると、エレーナの反応は……。

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  • 松下 2006
    • 「あなたが……ピエロを?」
       そしてリョーリャは、ソファからころげ落ちると……跳び起きて、駆け出した……。
       どうしたというのだろう。彼女は腹を抱えた……。寝室いっぱいにヒステリーじみた笑いが駆けめぐり振りまかれた……。
      「ハハハ……。あなたがピエロを? あなたが? マクシーニカ……。かわいい人ねえ! なにかやってみせて! あなたがピエロだった証拠を見せてちょうだい! ハハハ! かわいい人!」
  • 池田 1960
    • 「あなたが……曲芸師を?」
       そしてリョーリャは、寝椅子からころげ落ちると……飛び起きて、走り出した。……
       どうしたのか? 彼女は腹を抱えた。……寝室いっぱいに、ヒステリイじみた笑いが振りまかれた。……
      「アハハハ!…… あなたが曲芸師を? あなたが? マクシンカ……可愛い人! 何かやって見せて! あなたが曲芸師だった証拠を見せて! アハハハ! まあ可愛い人!」
  • 中村 1936
    •  『あなたが!? 道化?』
       そしてリョーリャは、寢椅子からころげおりると……跳ね起きて、驅け出した……
       どうしたと言ふのだらう? 腹を抱えて……寢室一ぱいに、ヒステリイじみた笑ひが、飛び廻り、振りまかれた……
       『ハハハハ…… あなたが道化だつた? あなたが? マクシーニカ…… 可愛いゝ人! どうぞ何かやつて見せて頂戴! あなたがほんとに道化だつたと言ふ證據を見せて頂戴! ハ、ハハ! 可愛いゝ人!』
  • 池谷 1931
    • 「あなた……あんたが道化者だつたんですつて?」
       イエレーナは長椅子の上へ踊り上つた。それから又下へ飛び下りて、今度は部屋中跳ね歩いた。
       一點どうしたと言ふのだらう。彼女は手で自分の身體を抱き締めた……寢は大きな笑ひ聲滿たされた。それは段々高くなつて行つた……まるでヒステリーの作のやうな騒ぎだつた……
      「オホ、まあ! ……道化者だつたんですつて? あんたが? 私の大好きなマキシム! ……ねえあんた、後生だから何か演つて見せてよ。ほんとにさうだつたつて言ふ證據を見せて、ね? ホヽ、ねえ、あんた、ようつてつたらよう。」
      • 池谷信三郎=訳 「氣位の高くない女」 世界大衆文学全集 74 改造社 1931
      • 「ドクトル・レエルの獨譯に依つた——譯者」とある。つまりロシア語原文からの直訳ではなく、ドイツ語訳からの重訳だということ。
      • ルビを省略しました。また、傍点を下線で置き換えました。

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    • - Ты... клоуном?

      И Леля повалилась с кушетки... вскочила, забегала...

      Что с ней? Ухватилась за живот... По спальне понесся и посыпался смех, похожий на истерический...

      - Ха-ха-ха... Ты был клоуном? Ты? Максинька... Голубчик! Представь что-нибудь! Докажи, что ты был им! Ха-ха-ха! Голубчик!

      • А.П. Чехов - Женщина без предрассудков
      • E-text at dugward.ru

◾️関連動画・音声 Audio & Video

  • ロシア語原文オーディオブック Audiobook in Russian

  • 一人芝居

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Wednesday, 14 March 2018

А. П. Чехов. Егерь The Huntsman by Anton Chekhov チェーホフ 「おかかえ猟師」「お抱え猟師」「獵人」「獵師」

◾️はじめに Introduction

  • 「おかかえ猟師」はチェーホフがロシア語で書いた短編小説。A. チェホンテの署名で『ペテルブルグ新聞』 1885年7月18日号に発表された。結婚して12年になるというのに、ほとんど一緒に過ごしたことがないという男エゴールと、女ペラゲーヤの話。その終わり近くの一節を引用します。

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  • 松下 1988
    • 黙ってはいるが、その顔つきやそびやかした肩から、なにやら言いたそうにしているのがペラゲーヤにわかる。彼女はおずおずと近づいて祈るような眼つきで彼を見る。
      「取りな!」と彼は言いながら、顔をそむける。彼はぼろぼろの一ルーブル札(さつ)を手わたして、足ばやに離れていこうとする。
      「さようなら! エゴール・ヴラースイチ」と言いながら、彼女は無意識に一ルーブル札を受けとる。
      • 「おかかえ猟師」 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 チェーホフ全集 1 筑摩書房 1988-02-25
  • 池田 1960
    • 黙ってはいるが、その顔や肩のそびやかし方から、ペラゲーヤは彼が何か言いたそうにしているのがわかる。彼女はおずおずと彼に近づいて、祈るような眼で彼を眺める。
      「お前にやろう!」と彼は、そっぽを向きながら言う。
       彼は彼女にぼろぼろの一ルーブリ札を手渡して、足早に立ち去る。
      「さようなら、エゴール・ヴラースィチ!」と彼女は、機械的に一ルーブリ札を受取って言う。
      • 「お抱え猟師」 池田健太郎(いけだ・けんたろう)=訳 チェーホフ全集 4 中央公論社 1960-10-15
  • 中村 1934
    • 彼は默つてゐるが、その顏附と、搖り上げられた肩とで、ペラゲーヤには、彼が何か言ひたげにしてゐるのが讀める。彼女はおづ/\と彼の傍へ寄つて、祈るやうな眼で彼を眺める。
       『さあよ。』と彼は、くるりと外方を向きながら言ふ。
       彼は彼女に古ぼけた一ルーブリ紙幣を與へると、足早に步き出す。
       『あばよ、エゴール・ヴラースイチ!』と彼女は機械的に、ルーブリ札を受取ながら言ふ。
  • 秋庭 1923
    • 彼は何にも口はきかなかつたが、その顏附や、搖すり上げる肩付から察して、彼女は彼が何か云ひたがつてゐる容子を見て取つた。彼女はおづ/\と彼に近づいて行つて、哀願するやうな眼付で彼を見詰めた。
      『これを持つてくが好い。』と彼は眼をそらしながら云つた。
       彼は揉みくちやになつた留紙幣を彼女に與へた。そして急いで其處を離れた。
      『左樣なら、イエゴール・ウラーシツチ!』と彼女は我れともなく紙幣を受取りながら云つた。

◾️英訳 Translation into English

  • Garnett
    • He, as though he felt that gaze, stopped and looked round.... He did not speak, but from his face, from his shrugged shoulders, Pelagea could see that he wanted to say something to her. She went up to him timidly and looked at him with imploring eyes.
             “Take it,” he said, turning round.
             He gave her a crumpled rouble note and walked quickly away.   
             “Good-bye, Yegor Vlassitch,” she said, mechanically taking the rouble.

◾️ドイツ語訳 Translation into German

  • Czumikow
    • Er schweigt, aber in seinem Gesicht und den gehobenen Schultern erkennt Pelageja, daß er ihr etwas sagen will. Sie tritt schüchtern an ihn heran und blickt ihn mit flehenden Augen an.
             »Da hast du, nimm ...« sagt er, sich abwendend.
             Er gibt ihr einen zerfetzten Rubelschein und geht schnell von dannen.
             »Leben Sie wohl, Jegor Wlassitsch!« sagt sie, den Rubel mechanisch annehmend.

◾️ロシア語原文 The original text in Russian

  • Чехов
    • Он, словно чувствуя этот взгляд, останавливается и оглядывается... Молчит он, но по его лицу, по приподнятым плечам Пелагее видно, что он хочет ей сказать что-то. Она робко подходит к нему и глядит на него умоляющими глазами.
             -- На тебе! -- говорит он, отворачиваясь.
             Он подает ей истрепанный рубль и быстро отходит.
             -- Прощайте, Егор Власыч! -- говорит она, машинально принимая рубль.

◾️関連映像 Videos

  • 英語版オーディオブック Audiobook in English
  • ソ連映画 Егерь (1959)

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Sunday, 11 March 2018

The Wonderful Wizard of Oz by L. Frank Baum ライマン・フランク・ボーム 『オズの魔法使い』『オズのふしぎな魔法使い』

◾️はじめに Introduction

  • 童話『オズの魔法使い』のなかから、主人公ドロシーのいちばん有名なセリフを含む一節を翻訳と原文で引用します。邦訳は多数ありますが、おもに近年のものを取り上げます。

◾️中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

  • 林鬱 2009
    • 「只要是有血有肉的人,都會想要住在自己的國家。別的國家再美,也比不上自己的家鄉美。」
      • 第四章 森林中的黃磚道 綠野仙蹤  作者: 拉曼.法蘭克.鮑姆 L. Frank Baum 譯者: 林鬱 元麓書社出版 紫宸社文化代理 2009
      • Preview on Google Books

◾️日本語訳 Translations into Japanese

  • 柴田 2013
    • 「どんなにわびしくて灰色でも、あたしたち血と肉でできた人間は、自分の家に住みたいと思うものなのよ。よその国がどれほどきれいでもね。わが家にまさるところなし、よ」
      • 4 森を抜けて オズの魔法使い 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 角川文庫 2013
  • 江國 2013
    • 「たとえどんなに荒涼とした灰色の土地でも、そこにお家があるなら、ちゃんと血のかよった私たち人間は、そこに住みたいと思うものなの。どんなに美しい土地に住むよりもね。お家みたいな場所は、ほかにないんだもの」
      • 4 森をぬける道 オズの魔法使い 江國香織(えくに・かおり)=訳 小学館 2013
  • 河野 2012
    • 「血と肉でできたわたしたち人間は、そこがどれほど退屈で灰色でも、自分の故郷で暮したいものなの。ほかのどんなに美しい場所よりもね。わが家にまさるところはないのよ」
      • 4 森の道 オズの魔法使い 河野万里子(こうの・まりこ)=訳 新潮文庫 2012
  • 宮坂 2011
    • 「どんなに灰色でさびれていても、わたしたち生身の人間は、どこよりもふるさとに住みたいって思うものなの。ほかにどんなにきれいな場所があってもね。つまり、わが家がいちばんってこと」
      • 4 森のなかの道 完訳 オズの魔法使い 宮坂宏美(みやさか・ひろみ)=訳 復刊ドットコム 2011
      • ルビを省略しました。
  • 松村 2008
    • 「血のかよった人間なら、どんなに美しいところだって、やはりよその国に住んだりしたくはないのよ。どんな、はい色の、わびしい家でも、やはりじぶんのおうちにくらしたくなるものなのよ。じぶんのおうちほどよいところは、どこにもないものなのよ。」
      • 4 森の中の道 オズの魔法使い 松村達雄(まつむら・たつお)=訳 講談社青い鳥文庫 2008
      • ルビを省略しました。
  • 宮本 2003
    • 「そこがどんなにわびしくて、灰色にくすんでいても、血の通った人間ならどんなに美しい国よりも、自分の故郷に住みたいと思うわ。何といってもおうちがいちばん」
      • 第四章 森を抜ける道 オズのふしぎな魔法使い アメリカ古典大衆小説コレクション 2 宮本菜穂子(みやもと・なおこ)=訳 松柏社 2003
  • 幾島 2003
    • 「どんなに灰色で殺風景なところでも、わが家はわが家よ。わたしたちなまみの人間は、ほかの国がどんなにきれいでも、やっぱりわが家に住みたいと思うものなの。わが家ほどいいところはないのよ。」
      • 4 森の中の道 オズの魔法使い 幾島幸子(いくしま・さちこ)=訳 岩波少年文庫 2003
      • ルビを省略しました。
  • 渡辺 1990
    • 「自分の家が、どんなにみじめで灰色でも、生身のからだをもったわたしたち人間は、ほかのどんな国よりも、自分の家に住みたがるものなのよ。たとえ、ほかの国が、どんなに美しいところでも、ほんとにわが家にまさるところはなしよ。」
      • 第4章 森の中の道 オズの魔法使い 渡辺茂男(わたなべ・しげお)=訳 福音館古典童話シリーズ 1990
      • ルビを省略しました。

◾️ロシア語訳 Translation into Russian

  • Белов
    • -- Мы,  люди из плоти и крови, любим жить  у себя  на  родине, даже если есть страны и покрасивее. Нет места лучше, чем родной дом.
      • С. Белов, перевод Удивительный Волшебник из Страны Оз", 1997
      • E-text at Lib.Ru

◾️ドイツ語訳 Translation into German

  • Unkonwn translator
    • „Es ist mir völlig gleich, wie grau und trocken es in Kansas ist. Kansas ist meine Heimat, dort leben die Menschen, die ich liebe. Es kann anderswo so schön sein, wie es will - am besten ist es doch zu Hause.“
      • Die Strasse durch den Wald. Der Zauberer von Oz
      • E-text at Labbé

◾️スペイン語訳 Translation into Spanish

  • Unknown translator
    • Por  más  triste  y  gris  que  sea nuestro  hogar,  la  gente  de  carne  y  hueso  prefiere vivir en él y no en otro sitio, aunque ese otro sitio sea muy hermoso. No hay nada como el hogar.

◾️フランス語訳 Translation into French

  • Unknown translator
    • Peu importe si, chez nous, c’est gris et lugubre,  nous  qui  sommes  faits  de  chair  et  de  sang  préférons  ce  séjour  à  toute autre contrée, fût-elle la plus belle. Il n’y a rien de tel que son pays.
      • Chapitre 4 À travers la forêt. Le Magicien d’Oz
      • E-text at recrealire.com [PDF]

◾️英語原文 The original text in English

◾️挿絵入り1900年版 1900 illustrated copy

 

◾️関連映像 Videos

  1. ウィキッド(ミュージカル)公演 Wicked The Musical Official Trailer
  2. オズ はじまりの戦い (2013) Oz the Great and Powerful (2013)
  3. スペース・オズの冒険 (1992) The Wonderful Galaxy of Oz (1992)
  4. WAX/蜜蜂テレビの発見 (1991) Wax, or the Discovery of Television Among the Bees (1991)
  5. ウィズ (1978) The Wiz (1978)
  6. オズの魔法使 (1939) The Wizard of Oz (1939)
  7. The Wonderful Wizard of Oz (1910)

◾️更新履歴 Change log

  • 2018-03-13 繁体字中国語訳、ロシア語訳、およびドイツ語訳を追加しました。

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Thursday, 08 March 2018

Faith and Despondency by Emily Brontë エミリ・ブロンテ 「信念と失意」

■はじめに Introduction

「信念と失意」は『嵐が丘』で名高いエミリ・ブロンテが書いた詩。姉のシャーロット、妹のアンといっしょに自費出版した『カラー、エリス、アクトン・ベル詩集』(1846年)に収録されています。その詩の冒頭部分を下に引用します。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 田代 2016
「冬の風はうるさくてはげしいね
 こっちへおいで いとしいわが娘(こ)
 本もひとりあそびもやめて
 夜が薄やみを深めていくあいだお話をして
 ものうげなときをやりすごすとしようよ——[以下略]

  • エミリ・ブロンテ=作 田代尚路(たしろ・なおみち)=訳 「信念と失意」 エミリ・ブロンテ詩選集 桜庭一樹(さくらば・かずき)=編 『ブロンテ姉妹 ポケットマスターピース 12』 集英社文庫ヘリテージシリーズ 2016-11-25

(J2) 川股 1996
『冬の風は 声高(こわだか)く 荒々しい、
わたしのそばに来なさい、愛(いと)しい子よ。
あなたの本を置き 相手のない遊びを 止(や)めなさい、
夜が 夕闇を 閉じてゆくあいだ、
わたしたちは話をし 憂いに沈んだ時間(とき)を過ごそう——[以下略]

  • エミリ・ブロンテ=作 川股陽太郎(かわまた・ようたろう)=訳 「一七七 I・M I・Gによせて」 川股陽太郎+橋本清一(はしもと・せいいち)=訳 『詩集 2 ブロンテ全集 10』 みすず書房 1996-10-18

(J3) 中岡 1991
「冬の風は音高く 荒々しい
わたしのそばにおいで 愛しいわが子よ!
おまえの本を置き 相手のない遊びをお止(や)め
灰色に夜が 迫ってくる間
お話をして もの悲しい時間を過ごそう――[以下略]

  • エミリ・ジェイン・ブロンテ=作 中岡洋(なかおか・ひろし)=訳 「一七七 I・M I・Gによせて」 中岡洋=訳 『エミリ・ジェイン・ブロンテ全詩集』 国文社 1991-09-24

■英語原詩 The original poem in English

“The winter wind is loud and wild,
Come close to me, my darling child;
Forsake thy books, and mateless play;
And, while the night is gathering grey,
We'll talk its pensive hours away;— [Omission]


 Audio 
英語原詩のオーディオブック 朗読: エリザベス・クレット
Audiobook in English read by Elizabeth Klett

引用箇所の朗読は 0:24 から始まります。 Reading of the excerpt above starts at 0:24.


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