Chekhov, Anton

Thursday, 09 June 2011

Антон Павлович Чехов - Предложение A Marriage Proposal by Anton Chekhov チェーホフ/チェホフ/チエホフ/チエエホフ 「プロポーズ」「犬」「申込」「申込み」「結婚の申しこみ」「結婚申しこみ」「結婚申込」「結婚申込み」

        目次 Contents

   ■はじめに Introduction
    Video 1  [zh] 中国語(簡体字) 安东契科夫 - 求婚
   ■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
    Video 2  [ja] 日本語 チェーホフ生誕150年「下北沢チェーホフ祭」
   ■日本語訳 Translations into Japanese
    (J1) 浦 2012
    (J2) 牧原+福田 2006
    (J3) 松下 1988, 1994, etc.
    (J4) 牧原 1969
    (J5) 原 1960, 1976
    (J6) 野崎 1960
    (J7) 中村 1935, 1952, etc.
    (J8) 文芸社編輯部 1929
    (J9) 高倉 1929
    (J10) 花井 1928
    (J11) 米川 1923, 1926, etc.
    (J12) 仲木 1915
    (J13) 小山内 1910, 1913, etc.
    Video 3  [tr] トルコ語 Anton Çehov - Bir Evlenme Teklifi
    Video 4  [en] 英語 Anton Chekhov - The Proposal
    Video 5  [en] 英語 Anton Chekhov - The Proposal
     Audio    [en] 英語 Anton Chekhov - The Proposal J・ウェスト英訳の朗読
   ■ジュリアス・ウェストによる英訳本 (1916) の複写画像
    Scanned page from an English translation (1916) by Julius West
   ■英訳 Translation into English
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
    Video 6  [fr] フランス語 Anton Tchekhov - Une demande en mariage
   ■フランス語訳 Translations into French
    (F1) Chaboseau, 1922
    (F2)
    (F3)
    Video 7  [de] ドイツ語 Anton Tschechov - Der Heiratsantrag
   ■ドイツ語訳 Translation into German
   ■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
    Video 8  [ru] ロシア語 Антон Чехов - Предложение
   ■ロシア語原文 The original text in Russian
   ■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
    邦訳リストA  「プロポーズ Предложение」 訳者別新旧順
    邦訳リストB  「プロポーズ Предложение」 刊行年新旧順
   ■書誌情報——本とウェブサイト Bibliography: Books & Websites
   ■筒井康隆とチェーホフ「結婚申込」ほか
   ■チェーホフと太宰治・正宗白鳥・小山内薫など
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

隣家の娘にプロポーズをしに行った男が、両家の境界にある、取るに足らない土地の帰属をめぐって、その求婚相手と口論になり、意地の張り合いになってしまう。

男にしてみれば、本題のプロポーズにくらべたら土地の問題などどうでもいいのに、所有権の主張は譲れない。娘のほうも、結婚にはまったく異論がないくせに、言い分を引っ込めることができない。口論がようやく収まったかと思うと、つぎは飼い犬自慢をめぐって争いが始まる。ばかばかしいのが取りえの、一幕物喜劇。1888〜1889年発表。

下のさまざまなビデオを見ると、チェーホフがいかに国と文化と言葉の壁を越えて世界的人気を博しているかがわかる。


 Video 1  中国語(簡体字)
[zh] 安东契科夫 - 求婚 2 of 3

下に引用する台詞は1:15あたりから。The lines quoted below start around 1:15.


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

洛莫夫: 我请你听我说!我已经告诉了你,你父亲祖父的农人,替我伯母的祖母烧过砖,我伯母的祖母对他们有过好处……

娜妲丽亚: 祖父;祖母,伯母…… 我一点也不明白!那草地是我们的,说来说去是我们的!

洛莫夫: 是我的!

娜妲丽亚: 是我们的!就让你再争论两天,就让你再穿十五件燕尾服,可是那草地还是我们的,我们的,我们的![以下略]

   《求婚》 〔俄〕契诃夫 著
   Excerpt at:
   * 天涯社区
   * 百度知道


 Video 2  日本語
[ja] チェーホフ生誕150年「下北沢チェーホフ祭」〜チェーホフがいてくれた〜

2010年6/12〜6/20 下北沢、東京ノーヴイ・レパートリーシアター。「熊」「プロポーズ」「ワーニャ伯父さん」「桜の園」「イワーノフ」「三人姉妹」「かもめ」計7作品­を一挙上演。 Produced by Tokyo Novyi Repertory Theater


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 浦 2012
ローモフ まあ、ぼくの話も聞いてください! あなたのお父様のお祖父(じい)さんが抱えていらした農民たちは、すでにあなたに申し上げたとおり、ぼくの伯母の祖母のために煉瓦を焼いてくれました。で、伯母の祖母は、その人たちによかれと思って……。

ナターリヤ お祖父さんだとか、お祖母(ばあ)さんだとか、伯母さんだとか……そんなこと言われたって、あたしには関係ないことよ! 牛ヶ原はうちのものです、それでおしまい。

ローモフ うちのです!

ナターリヤ うちのですっ! あなたが二日かけて意地を張ったって、燕尾服を十五枚も着込んでこようが、あれはうちのだと言ったら、うちのです! ……。[以下略]

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳 「プロポーズ」
   『桜の園/プロポーズ/熊』 光文社古典新訳文庫 2012-11-20
   版元によるこの本の紹介


(J2) 牧原+福田 2006
ローモフ ぼくの話も聞きなっせ、お願いですけん! ああたのお父っつぁまのお祖父さんの作男たちが、これはさっきも申しあげたばって、ぼくの伯母のお祖母さんのために煉瓦ば焼いたつですたい。伯母のお祖母さんは作男になにかしてあぎゅうて思うて……

ナターリヤ お祖父さん、お祖母さん、叔母さん……なんのこっちゃやらうちにはさっぱりわかりませんと! あん雄牛牛原はうちんばい、はい、そいでおしまい。

ローモフ ぼくのですたい!

ナターリヤ うちンですっと! そげんして明日まで言いよりなはってん、フロックば十五着着込(きこ)うで来なはってん、あそこはうちンもん、うちンもん、うちンもん!……。[以下略]

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ =著
   牧原純(まきはら・じゅん)+福田善之(ふくだ・よしゆき)=共訳 「結婚申込」
   『結婚、結婚、結婚 !(一幕戯曲選)』 ロシア名作ライブラリー7
   群像社 2006-12-04 版元によるこの本の紹介
   ロシアの田舎地主の語り口を熊本弁などの九州方言に移し替えた個性的な訳。


(J3) 松下 1988, 1994, etc.
ローモフ まあ、わたしの話もきいてください! いまも申しあげたとおり、あなたのおとうさまのおじいさんの百姓たちが、わたしのおばのおばあさんのために煉瓦(れんが)を焼いてくれたんですよ。そこで、おばのおばあさんが、お礼に何かしてあげたいと……

ナターリア・ステパーノヴナ おじいさんだの、おばあさんだの、おばさんだの……さっぱりわからないわ! あの草場はうちのものです、それだけだわ。

ローモフ うちのでございます!

ナターリア・ステパーノヴナ うちのものですよ! たとえあなたが二日(ふつか)がかりで証明しようとしたって、モーニングを十五着着こんでこられたって、あそこはうちのです、うちのです、うちのです!……。[以下略]

   チェーホフ=作 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「結婚申しこみ」
   『チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988-06-25
   版元によるこの本の紹介


(J4) 牧原 1969
ロモーフ ぼくの話もきいてくださいよ、お願いします! あなたのお父さまのお祖父さんの作男たちが、これはさっきも申しあげましたけど、わたしの伯母のお祖母さんのために煉瓦を焼いたのです。伯母のお祖母さんは作男たちになにかしてあげようと思って……

ナターリヤ お祖父さん、お祖母さん、伯母さん……なんのことやらわたしにはさっぱりわからないわ! あの雄牛原はうちのです、はい、それでおしまい。

ロモーフ ぼくのですとも!

ナターリヤ うちのですってば! そうやって明日(あす)まで言いはってらしたって、フロックを十五着もきてらしたって、あそこはうちのよ、うちのよ、うちのよ!……。[以下略]

   チェーホフ=作 牧原純(まきはら・じゅん)=訳 「結婚の申し込み」
   『デュエット版 世界文学全集 第43 三人姉妹・桜の園 他
   綜合社=編 集英社 1969-06-10


(J5) 原 1960, 1976
ロモフ お願いですから、まあ、わたしの話もきいて下さい! 今も申し上げた通り、あなたのお父さまのお祖父さんのやとってらした作男たちが、うちの叔母の祖母のために、煉瓦を焼いてくれたんですよ。そこで、叔母の祖母が、何かお礼をしてさし上げたいと思って……

ナターリア お祖父さんだの、お祖母さんだの、叔母さんだのって……何が何だかさっぱりわかりませんわ! とにかく、あの草場はうちの地所です、それだけの話じゃありませんか。

ロモフ うちのですよ!

ナターリア うちのですわ! たとい、あなたが二日がかりで言い張ったり、燕尾服を十五着も着ていらしたりしたって、あの地所がうちのであることに変りはありませんのよ、あそこはうちの地所です、うちのですとも![以下略]

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「プロポーズ」
   『チェーホフ全集11』 中央公論社 1960-03


(J6) 野崎 1960
ローモフ どうかわたしのいうことを聞いてください。おねがいです! さきほども申しあげましたとおり、あなたのお父さんのおじいさんの百姓たちが、わたしの叔母のおばあさんのために煉瓦を焼いてくれたのです。叔母のおばあさんが、そのお礼になにかいいことをしてあげたいばかりに……

ナターリヤ おじいさんだの、おばあさんだの、叔母さんだのって……なにがなんだかちっともわかりませんわ! ともかくあの原はうちのものです、それだけですわ。

ローモフ わたしどものです!

ナターリヤ うちのです! たとえあなたが二日がかりで証明なさろうと、燕尾服を十五着着ていらっしゃろうと、あれはうちのものです、うちのものです、うちのものです!‥‥[以下略]

   チェーホフ=作 野崎韶夫(のざき・よしお)=訳註 「結婚申込み」
   『結婚申込み・熊』 大学書林 大学書林語学文庫 1960-01-15
   この本は露日対訳版です。


(J7) 中村 1935, 1952, etc.
ロモーフ 併し、わたしの言ふこともお聞き下さい、お願ひです! あなたのお父さんのおぢいさんの百姓達が、今も申上げました通り、わたしの叔母さんのおばあさんの爲めに煉瓦を燒いてくれたのです。叔母さんのおばあさんはそのお禮に何かいゝことをしようとして……

ナターリヤ・ステパーノヴナ おぢいさんだの、おばあさんだの、叔母さんだのつて……何が何だかわたしちつともわかりませんわ! 兎に角、原はわたし達のものです、それでおしまひですよ。

ロモーフ わたくしどものです!

ナターリヤ・ステパーノヴナ わたしどものです! あなたが二日かゝつて證明なすつても、燕尾服を十五着着ていらしても、あれはわたしどものです、わたしどものです、わたしどものです!‥‥[以下略]

   チェーホフ=著 中村白葉=譯 「結婚申込み」
   『三人姉妹・結婚申込み』 新潮社 新潮文庫 1952-09-15
   達・通の旧字は新字で置き換えました。


(J8) 文芸社編輯部 1929
[訳文は未見]

   チエホフ=著 文芸社編輯部=訳編 「犬(原題結婚申込)」
   『熊と犬』 文芸社 世界文芸叢書11 1929-10(昭和4)


(J9) 高倉 1929
ローモフ どうか私の言ふ事をお聞き下さい! あなたのお父さんのお祖父(ぢい)さんのお百姓達が、つまりいま申し上げました通り、私の伯母のお祖母(ばあ)さんに煉瓦を燒いて呉れたんです。伯母のお祖母(ばあ)さんは、その人達を喜ばせる積りで……

ナターリヤ・ステパーノウナ お祖父(ぢい)さんだの、お祖母(ばあ)さんだの、伯母さんだの……私そんな事は分かりません。原は私共のです。それだけです。

ローモフ いいえ。私のです。

ナターリア・ステパーノウナ いえ。私共のです。あなたが二日證明なさいましても、燕尾服を十五着着てお出でになつても、あれは私共のです、私共のです。私共のです……[以下略]

   チェーホフ=作 高倉輝=譯 「結婚申込」
   『近代劇全集28 露西亞篇』 第一書房 1929-01-10(昭和4)
   達・通の旧字は新字で置き換えました。


(J10) 花井 1928
[訳文は未見]

   アントン・チエホフ=著 花井修三郎=譯 「犬」
   『チエホフ集』 中央出版社 袖珍世界文学叢書5 1928-03(昭和3)


(J11) 米川 1923, 1926, etc.
ロモーフ どうぞわたしの言うこともきいて下さい、お願いです! 先程も申しましたとおり、あなたのお父さんの祖父さんの百姓たちが、わたしの伯母さんの祖母さんに煉瓦を焼いてくれたので、伯母さんの祖母さんが、その人たちに対するお礼心地で……

ナタリア 祖父さんだの、祖母さんだのって……わたしちっともわかりませんわ! とにかく原は宅のものです。それだけのことですわ。

ロモーフ 家のです!

ナタリア 宅のです! あなたがたとえ二日かかって口を酸っぱくなすったって、燕尾服を十五も着ていらしったって、あの地所はやっぱり宅のものです。宅のものです!……宅のものです![以下略]

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「結婚申込み」
   『ちくま文学の森 5 おかしい話』 筑摩書房 1988-04


(J12) 仲木 1915
ロモフ ま、何卒、終ひまで聞いて下さい! で、その貴女の叔父さんの祖父さんの小作人達は、先程も申す通り、私の叔母さんの祖母さんに煉瓦を燒いてくれました。其所で、叔母さんの祖母さんは、小作人達に何か禮をしやうと思つて……

ナタリア 祖父さんだの、祖母さんだの、叔母さんだのつて……妾には何が何だか、さつぱり解りません! あの牧場は宅(うち)の所有物に相違ないのですよ。最うそれ外には何も申す事はありません。

ロモフ 否え。私の所有物です!

ナタリア 宅(うち)のですよ! 貴方が二日間かゝつて證明しても、十五着燕尾服を來ていらしつたつてあの地面は矢張り宅(うち)のですとも、えゝ、宅のです。宅のです。宅のです!‥‥[以下略]

   チェホフ=作 仲木貞一=譯 結婚申込〔戯曲〕
   早稲田文学 1915-02(大正4)
   終・達・通の旧字は、それぞれ新字で置き換えました。


(J13) 小山内 1910, 1913, etc.
客。 まあ、どうかしまひまで聞いて下さい。先程から申し上げる通り、あなたのおとうさんのおぢいさんの小作人が、わたしの伯母さんのおばあさんに煉瓦を燒いて呉れました。そこで伯母さんのおばあさんは、なにかお禮をしようと思つて。

娘。 おぢいさんだの、おばあさんだのと……何だかさつぱり分かりませんわ。あの牧場は宅のでございます、それ以上何も申す所はございません。

客。 いいえ、内のです!

娘。 宅のですよ。二日議論を爲通(しどほ)しにして入らつしても、十五着燕尾服を着換えて入らしつても、やつぱりあそこは内のです、内のです、内のです……[以下略]

   アントン・チエエホフ=作 小山内薫=譯 「犬」
   『近代劇五曲』 大日本図書 1913-02-05(大正2)
   通の旧字は新字で置き換えました。


 Video 3  トルコ語
[tr] Anton Çehov - Bir Evlenme Teklifi. 1/4

Ankara Sanat Tiyatrosu (AST) 2001 yılı Gümrük Müsteşarlığı Tiyatrosu (Gümrük Vakfı Tiyatrosu) Oyuncular: Tatiana Zigalov - Mücella A. İvan Vasilyeviç - Burak Fuat KEYLAN Natalya Nazarovna - Gülseren A. Rejisör: Erman ATAR


 Video 4  英語
[en] Anton Chekhov - The Proposal. Part 1
The_proposal_2
著作権者の要望により動画の埋め込みは禁じられています。ビデオをご覧になりたいかたは ここ をクリックしてください。下に引用する台詞は8:08あたりから。 Uploaded by A1Collection1Of1Arts on 2011-01-01. Embedding disabled by request. To view the video, please click here. The lines quoted below start around 8:08. Produced by the Greenville Little Theater. Directed by Peter Lupu. Richard Beverage (Father), Jason Underwood (Young Suiter), Courtney Campbell (Daughter).


 Video 5  英語
[en] Anton Chekhov - The Proposal

Uploaded by JAMESLAKEacting on 2008-08-23.


 Audio  英語 ジュリアス・ウェストによる英訳の朗読(音声のみ)
[en] Anton Chekhov - The Proposal. an public domain audiobook by LibriVox

This public domain audiobook is narrated and recorded by John Eddings (Stepan Stepanovich Chubukov), Ruth Golding (Natalya Stepanovna), Simon Larois (Ivan Vassilevitch Lomov), and Philippa. The book is translated from Russian into English by Julius West.


■ジュリアス・ウェストによる英訳本 (1916) の複写画像
 Scanned page from an English translation (1916) by Julius West

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Proposal_page_46
Image source: HathiTrust Digital Library - Plays : second series / by Anton Tchekoff ; translated with an introduction by Julius West. New York: Charles Scribner's Sons, 1916.


■英訳 Translation into English

LOMOV. Hear me out, I implore you! The peasants of your father's grandfather, as I have already had the honour of explaining to you, used to bake bricks for my aunt's grandmother. Now my aunt's grandmother, wishing to make them a pleasant...

NATALYA STEPANOVNA. I can't make head or tail of all this about aunts and grandfathers and grandmothers! The Meadows are ours, and that's all.

LOMOV. Mine.

NATALYA STEPANOVNA. Ours! You can go on proving it for two days on end, you can go and put on fifteen dress-jackets, but I tell you they're ours, ours, ours! [Omission]

   The Proposal
   from Plays by Chekhov, Second Series, by Anton Chekhov
   Translated by Julius West. New York: Charles Scribner's Sons, 1916.
   Scanned book at Hathi Trust Digital Library
   E-text at:
   * One-Act-Plays.com
   * Project Gutenberg


■スペイン語訳 Translation into Spanish

LOMOV.- ¡Le suplico que me escuche!.... Los campesinos del abuelo de su padre, como ya tuve el honor de decirle, cocían ladrillos para la abuela de mi tía… La abuela de mi tía, deseando complacerles…

NATALIA.- ¡El abuelo…, la abuela…, la tía!... ¡No comprendo absolutamente nada! ¡El pastizal de los bueyes es nuestro y punto concluido!

LOMOV.- ¡Es mío!

NATALIA.- ¡Es nuestro!... ¡Aunque se pasara usted dos días intentando demostrarlo, y aunque se vistiera usted con quince fracs, le digo que es nuestro, nuestro y nuestro!

   Pedido de mano by Antón Chejov
   E-text at Scribd


 Video 6  フランス語
[fr] Anton Tchekhov - Une demande en mariage

下に引用する台詞は5:43あたりから。The lines quoted below start around 5:43.


■フランス語訳 Translations into French

(F1) Chaboseau, 1922
LOMOF: Écoutez-moi, je vous en supplie. Les paysans du grand-père de votre père, comme j’ai déjà eu l’honneur de vous l’expliquer, confectionnaient des matelas pour la grand’mère de ma tante. Cette grand’mère, dans son désir de leur rendre service…

NATALIA: Grand-père, tante, grand’mère, c’est à n’y rien comprendre…, sinon que ce pré est à nous, et voilà tout.

LOMOF: À moi.

NATALIA: À nous. Vous pourriez passer là deux jours encore à tâcher de me le démontrer, vous pourriez endosser dix fracs, et ce pré n’en serait pas moins à nous, à nous, à nous, na !

   Une demande en mariage by Anton Tchekhov
   Translated by Augustin Chaboseau
   Paris : Stock, 1922
   E-text at Wikisource


(F2)
Lomov :   Mais écoutez-moi, je vous en supplie ! Les paysans du grand-père de votre père fabriquaient des briques pour la grand-mère de ma tante...

Nathalia Stepanovna - Grand-père, grand-mère, tante ... je n'y comprends rien! Le pré est à nous, voilà tout.

Lomov :  A moi !

Nathalia Stepanovna - A nous ! Vous passeriez deux jours à me démontrer le contraire, vous endosseriez quinze habits, que ce pré resterait à nous, à nous, à nous ! [Omission]

   La demande en mariage by A. P. Tchékhov (adaptation)
   E-text at l’Université Paris-Sorbonne (Paris IV)


(F3)
LOMOV. – Excusez-moi, je vous en supplie ! Les paysans du grand-père de votre père, comme j’ai déjà eu l’honneur de vous le dire, firent des briques pour la grand-mère de ma tante. La grand-mère de ma tante, voulant leur être agréable…

NATALIA STEPANOVNA. – Grand-père, grand-mère, tante… je n’y comprends rien… Les Petits-Prés sont à nous, voilà tout.

LOMOV. – Ils sont à moi, mademoiselle.

NATALIA STEPANOVNA. – A nous ! Quand vous essaieriez de le prouver pendant deux jours, quand vous mettriez quinze habits, ils sont à nous, à nous, à nous !…[Omission]

   Une demande en mariage
   by Anton Pavlovitch Tchekhov
   E-text at labo-BERGAHAMMOU


 Video 7  ドイツ語
[de] Anton Tschechov - Der Heiratsantrag

下に引用する台詞は9:26あたりから。The lines quoted below start around 9:26.


■ドイツ語訳 Translation into German

LOMOV: Hören Sie mich zu Ende, ich flehe Sie an! Die Bauern des Großvaters Ihres Herrn Vater haben, wie ich bereits zu sagen die Ehre hatte, für die Großmutter meiner Tante Ziegel gebrannt. Meiner Tante Großmutter hat, im Wunsche, ihnen etwas Gutes zu tun ...

NATALJA STEPANOVNA: Großvater, Großmutter, Tante ... ich verstehe überhaupt nichts! Die Wiesen gehören uns, und damit Schluß!

LOMOV: Sie gehören mir!

NATALJA STEPANOVNA: Nein, uns! Und wenn Sie zwei Tage brauchen, um es mir zu beweisen, und wenn Sie zehn, fünfzehn Fräcke anziehen, sie gehören uns, uns, uns! ...[Omission]

   Der Heiratsantrag by Anton Tschechow
   E-text at ODYSSEE Theater [PDF]


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

Л о м о в. Вислухайте мене, благаю вас! Селяни дідуся вашого батенька, як я вже мав честь доповісти вам, випалювали для бабці моєї тітоньки цеглу. Тітоньчина бабця, воліючи зробити їм приємсн6ість…

Н а т а л і я С т е п а н і в н а. Дідусь, бабуся, тітуся… нічого я тут до толку не зберу! Луки наші, і все!

Л о м о в. Мої-с!

Н а т а л і я С т е п а н і в н а. Наші! Хоч і два дні доказуйте, хоч надягніть п’ятнадцять фраків, а вони однаково наші, наші, наші!.. [Omission]

   Антон Чехов  - Пропозиція
   E-text at Lib.ru: "Івано-Франківський театр ляльок"


 Video 8  ロシア語
[ru] Антон Чехов - Предложение Часть 2

モスクワ芸術座による公演。下に引用する台詞は0:00あたりから。 Produced by the Moscow Art Theatre. The lines quoted below start around 0:00. Из спектакля МХАТ им. А.П.Чехова "Чеховские страницы", Реж-ры: И.Мирошниченко, Е.Радомысленский. Гастроли на Сахалине, съемка 1990 г.


■ロシア語原文 The original text in Russian

Л о м о в. Выслушайте меня,  умоляю  вас!  Крестьяне  дедушки  вашего  батюшки,  как я уже имел честь сказать вам,  жгли для бабушки моей тетушки  кирпич. Тетушкина бабушка, желая сделать им приятное...

Н а т а л ь я  С т е п а н о в н а.   Дедушка,   бабушка,  тетушка... ничего я тут не понимаю! Лужки наши, вот и всё.

Л о м о в. Мои-с!

Н а т а л ь я  С т е п а н о в н а.   Наши!   Хоть   вы    два    дня доказывайте,  хоть наденьте пятнадцать фраков,  а они наши,  наши, наши!.. [Omission]

   Антон Павлович Чехов - Предложение
   E-text at:
   * Интернет-библиотека
   * Lib.ru: "Классика"


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

「プロポーズ」
「犬」
「申込」
「申込み」
「結婚の申しこみ」
「結婚申しこみ」
「結婚申込」
「結婚申込み」


 邦訳リストA  「プロポーズ Предложение」 訳者別新旧順
★を付けたのが、上に引用した本

(J1) 浦雅春訳 2012
★2012-11  プロポーズ 光文社古典新訳文庫 『桜の園/プロポーズ/熊

(J2) 牧原純・福田善之訳 2006
★2006-12  結婚申込 群像社 ロシア名作ライブラリー7 『結婚、結婚、結婚 !(一幕戯曲選)

(J3) 松下裕訳 1988, 1994, etc.
  2004-09  結婚申しこみ 水声社 『チェーホフ戯曲選
  1994-05  結婚申しこみ 筑摩書房 ちくま文庫・『チェーホフ全集10
★1988-06  結婚申しこみ 筑摩書房 チェーホフ全集11

(J4) 牧原純訳 1969
★1969-06  結婚の申し込み 集英社 『デュエット版 世界文学全集 第43 三人姉妹・桜の園 他

(J5) 原卓也訳 1960, 1976
  1976     プロポーズ 中央公論社 『チェーホフ全集11』 再訂版
★1960-03  プロポーズ 中央公論社 『チェーホフ全集11

(J6) 野崎韶夫訳註 1960
★1960-01  結婚申込み 大学書林 大学書林語学文庫 『結婚申込み・熊

(J7) 中村白葉訳 1935, 1952, etc.
  1958-05  結婚申込み 修道社 ロシア文学全集21 『チェーホフ2
★1952-09  結婚申込み 新潮社 新潮文庫 『三人姉妹・結婚申込み
  1935-10  申込み 金星堂 『チェーホフ全集12

(J8) 文芸社編輯部訳 1929
  1929-10  犬(原題結婚申込) 文芸社 世界文芸叢書11 『熊と犬

(J9) 高倉輝(タカクラテル)訳 1929, 1953
  1953-08  結婚申込 タカクラテル訳 理論社 タカクラテル名作選 『チェホフ戯曲集
★1929-01  結婚申込 第一書房 近代劇全集28 『露西亜篇

(J10) 花井修三郎訳 1928
  1928-03  犬 中央出版社 袖珍世界文学叢書5 『チエホフ集

(J11) 米川正夫訳 1923, 1926, etc.
  2010-11  結婚申込み 筑摩書房 ちくま文庫・ちくま文学の森4 『おかしい話
★1988-04  結婚申込み 筑摩書房 ちくま文学の森5 『おかしい話
  1957-04  結婚申込み 角川書店 角川文庫 『結婚申込み・他四篇
  1949-12  結婚申込 小山書店 『チェーホフ選集5
  1939-02  結婚申込 岩波書店 岩波文庫 『チェーホフ一幕物全集
  1926-09  申込 岩波書店 『チェーホフ戯曲全集(上)
  1923-08  申込 近代劇大系刊行会 近代劇大系14 『露西亜篇2

(J12) 仲木貞一訳 1915
★1915-02  結婚申込〔戯曲〕 早稲田文学

(J13) 小山内薫訳 1910, 1913, etc.
  2003-03  犬 大空社・ナダ出版センター 明治翻訳文学全集翻訳家編20 『小山内薫集
  1927-12  犬 近代社(世界戯曲全集刊行会) 世界戯曲全集24・露西亜篇2 『露西亜 近代劇集
  1926-12  犬 春陽堂 ラヂオドラマ叢書4 『炭坑の中
★1913-02  犬 大日本図書 『近代劇五曲
  1910-07  犬(脚本) 新小説


 邦訳リストB  「プロポーズ Предложение」 刊行年新旧順
★を付けたのが、上に引用した本

 平成 
★2012-11  プロポーズ 浦雅春訳 光文社古典新訳文庫 『桜の園/プロポーズ/熊
  2010-11  結婚申込み 米川正夫訳 ちくま文庫 『おかしい話
★2006-12  結婚申込 牧原純・福田善之訳 群像社 『結婚、結婚、結婚 !(一幕戯曲選)
  2004-09  結婚申しこみ 松下裕訳 水声社 『チェーホフ戯曲選
  2003-03  犬 小山内薫訳 大空社 明治翻訳文学全集翻訳家編20 『小山内薫集
  1994-05  結婚申しこみ 松下裕訳 ちくま文庫 『チェーホフ全集10

 昭和 
★1988-06  結婚申しこみ 松下裕訳 筑摩書房 『チェーホフ全集11
★1988-04  結婚申込み 米川正夫訳 筑摩書房 『おかしい話
  1976     プロポーズ 原卓也訳 中央公論社 『チェーホフ全集11』 再訂版
★1969-06  結婚の申し込み 牧原純訳 集英社 『世界文学全集 第43 三人姉妹・桜の園 他
★1960-03  プロポーズ 原卓也訳 中央公論社 『チェーホフ全集11
★1960-01  結婚申込み 野崎韶夫訳註 大学書林 『結婚申込み・熊
  1958-05  結婚申込み 中村白葉訳 修道社 『チェーホフ2
  1957-04  結婚申込み 米川正夫訳 角川文庫 『結婚申込み・他四篇
  1953-08  結婚申込 タカクラテル訳 理論社 『チェホフ戯曲集
★1952-09  結婚申込み 中村白葉訳 新潮文庫 『三人姉妹・結婚申込み
  1949-12  結婚申込 米川正夫訳 小山書店 チェーホフ選集5
  1939-02  結婚申込 米川正夫訳 岩波文庫 『チェーホフ一幕物全集
  1935-10  申込み 中村白葉訳 金星堂 『チェーホフ全集12
  1929-10  犬(原題結婚申込) 文芸社編輯部訳 文芸社 『熊と犬
★1929-01  結婚申込 高倉輝訳 第一書房 近代劇全集28 『露西亜篇
  1928-03  犬 花井修三郎訳 中央出版社 『チエホフ集
  1927-12  犬 小山内薫訳 近代社 世界戯曲全集24・露西亜篇2 『露西亜 近代劇集

 大正 
  1926-12  犬 小山内薫訳 春陽堂 ラヂオドラマ叢書4 『炭坑の中
  1926-09  申込 米川正夫訳 岩波書店 『チェーホフ戯曲全集(上)
  1923-08  申込 米川正夫訳 近代劇大系刊行会 『露西亜篇2
★1915-02  結婚申込〔戯曲〕 仲木貞一訳 早稲田文学
★1913-02  犬 小山内薫訳 大日本図書 『近代劇五曲

 明治 
  1910-07  犬(脚本) 小山内薫訳 新小説


■書誌情報——本とウェブサイト Bibliography: Books & Websites

上のリストAとリストBを作成するにあたっては、つぎの各サイト・書籍を参考にさせていただきました:

   * チェーホフ翻訳作品 年表 榊原貴教氏 作成
   * チェーホフ作品カタログ - 日本ロシア語情報図書館
   * アントン・チェーホフ - 翻訳作品集成 Takashi Amemiya氏 作成
   * アントン・チェーホフ - Aga-Search N・M卿 作成
   * アントン・チェホフ - 翻訳アンソロジー/雑誌リスト てつの本棚
   * 国立国会図書館 NDL-OPAC
   * 図説 翻訳文学総合辞典 全5巻 大空社・ナダ出版センター 2009-11


■筒井康隆とチェーホフ「結婚申込」ほか

高校での最後の文化祭でぼくはほとんどの部員に、自分で脚色した漱石の『虞美人草』を演じさせ、ぼく自身は出演者三人だけで手堅くチェーホフの「結婚申込」を演じた。うちにあった近代劇大系『露西亜篇2』に米川正夫訳の戯曲が載っていたし、以前ラジオで文学座の舞台中継を聞いていたから、どう演じるべきかはわかっていた。[以下略]

   結婚申込 [著]チェーホフ [筆者] 筒井康隆(作家)
   朝日新聞 2009-09-13
   電子版: asahi.com 結婚申込 [著]チェーホフ - 漂流 本から本へ - BOOK


■チェーホフと太宰治・正宗白鳥・小山内薫など

チェーホフ作品の翻案や舞台公演などについての随想。

   チェーホフの芝居のことなど 【図書館長のつぶやき】
   筆者: 岩佐壮四郎(いわさ・そうしろう) 関東学院大学図書館館長
   Library talk : 関東学院大学図書館報 2010-11(ウェブ版公開は2011-04-19)


■外部リンク External links

 [ru] Русский
   * Библиография Антона Чехова — Википедия
 [en] English
   * Bibliography of Anton Chekhov - Wikipedia
   * Anton Chekhov Biography (Andreas Teuber Home Page)
 [ja] 日本語
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia (1860-1904)


■更新履歴 Change log

2013-03-01 ウクライナ語訳を追加しました。
2013-01-23 浦雅春=訳 2012-11-20 を追加しました。
2011-07-13 ジュリアス・ウェストによる英訳の朗読の YouTube 画面を
         追加しました。
2011-06-26 牧原純=訳 1969-06-26 の訳文を挿入しました。
2011-06-17 野崎韶夫=訳註 1960-01-15 の訳文を挿入しました。また、
         原卓也=訳と牧原純=訳の書誌情報を補足しました。


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[de] Tschechow

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Tuesday, 09 March 2010

Антон Чехов - Скрипка Ротшильда / Rothschild's Fiddle by Anton P. Chekhov チェーホフ 「ロスチャイルドのバイオリン」「ロスチャイルドのヴァイオリン」「ロスチャイルドのワ゛ヰオリン」「提琴」

■はじめに Introduction

貧しい棺桶屋と彼の持つバイオリンについての短いお話。


■フレーイシュマン+ショスタコーヴィチ 歌劇「ロスチャイルドのヴァイオリン」1/3
 Fleishmann/Shostakovich "Rothschild's Violin" Part 1 of 3

チェーホフの短篇小説にもとづいた一幕物オペラ。夭逝した弟子フレーイシュマンが未完のまま残した作品を師ショスタコーヴィチが完成させた。


■日本語訳 Translation into Japanese

(1) 浦 2010
 その田舎町はちっぽけで、村に比べても見劣りがした。しかも、そこに住んでいるのはほとんど年寄りばかりで、これがまた滅多に死なず、腹立たしくなるくらいだ。病院でも監獄でも棺桶が注文されることはほとんどない。要するに、商売はあがったりなのだ。もしヤコフ・イワーノフが県庁所在地の棺桶屋であったなら、家一軒でんとかまえ、うやうやしくヤコフ・マトヴェーイチさまとでも称されたところだが、この町ではただたんにヤコフと呼び捨てにされ、どういうわけか〈青銅(ブロンザ)〉とあだ名されていた。暮らしぶりは水呑み百姓のように貧しく、一間っきりの小さなあばら屋に暮らし、その一間にヤコフとマルファ、暖炉、二人用の寝台、棺桶、作業台、商売道具の一切が収まっていた。

   アントン・チェーホフ=著 浦雅春(うら・まさはる)=編訳
   「ロスチャイルドのヴァイオリン」
   『馬のような名字—チェーホフ傑作選
   河出文庫 2010-03-20 版元による この本の紹介


(2) 沼野 2009, 2010
 ちっぽけな町で、村にもひけをとるくらいだった。住んでいるのも年寄りばかり、しかもなかなか死なないので、いまいましくなるくらいだ。病院からも、監獄からも、棺桶の注文はめったになかった。これじゃあ、商売あがったりだ。もしもヤーコフ・イワノフが県庁所在地の都会で棺桶屋をやっていたら、立派な家を構え、イワノフ様なんて呼ばれていたことだろう。でもこのしけた町では、おい、ヤーコフ、と呼びすてにされ、なぜか「青銅(ブロンザ)」というあだ名まで付けられていた。暮らしは貧しく、一部屋しかない古い小屋に、しがない農民のように住んでいた。その部屋には彼のほか、マルファと、暖炉と、二人用の寝台と、いくつもの棺桶と、作業台と、所帯道具の一切合財が詰め込まれていたのだ。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=著
   沼野充義(ぬまの・みつよし)=訳 「ロスチャイルドのバイオリン」
   a.新訳 チェーホフ短篇集』 集英社 2010-09-30
     版元による この本の紹介
   b.すばる』 集英社 2009年6月号
   初出誌は b.。引用は a. に拠りました。傍点を下線で置き換えました。


(3) 児島 2005
 その町はいかにも小さかった。
 暮らし向きは寒村よりさらにひどく、住んでいる人はといえばほとんどが老人だった。
 そして、この人たちが亡くなるのは腹立たしいほど稀(まれ)なこと。つまり、棺桶(かんおけ)なるものは病院でも牢屋(ろうや)でもまずは必要とされない。
 かいつまんで言うと、棺桶づくりの仕事は繁盛(はんじょう)とは、まず関係がなかった。
 ヤーコフ・イワーノフが、もし県都の棺桶屋だったら、きっと持家の一軒も建てて、ふつうにヤーコフ・マトヴェーヴィチと呼ばれたことだろう。
 だも彼はこの町で単にヤーコフと呼ばれ、巷(ちまた)ではなぜか綽名(あだな)の〈青銅(ブロンザ)〉で通っていた。
 暮らし向きは良くなく、大かたの農民と同じように、一部屋きりの古い小さな農家に、妻のマルファと暮らしていた。
 家には暖炉(ペチカ)、二人用の寝台、いくつかの棺桶、作業台、家事や仕事に必要な小道具類などが、手狭な場所にさらにすきなく置かれていた。

   アントン・P・チェーホフ=作 イリーナ・ザトゥロフスカヤ=絵
   児島宏子(こじま・ひろこ)=訳
   『ロスチャイルドのバイオリン』 チェーホフ・コレクション
   未知谷 2005-02-25 版元によるこの本の紹介


(4) 松下 1986
 このいなか町はちっぽけで、村にも劣り、ほとんど老人ばかりが住んでいたが、その老人たちがまた腹立たしいほどめったに死ななかった。病院だろうと監獄だろうと、棺桶(かんおけ)のいることなどそれこそめずらしかった。ひと口(くち)に言って商売はあがったりだった。もしもヤーコフ・イワーノフが県庁所在地の棺桶屋だったら、きっと自分の家も持ち、ちゃんとヤーコフ・マトヴェーイチと呼ばれたにちがいなかった。こんないなか町のこととて、ただヤーコフと呼びすてにされるだけで、通り名をなぜかブロンザ(青銅)と言い、たったひと間(ま)きりの小さな古ぼけた小屋に、水呑(みずのみ)百姓同然のしがない暮しをしていた。このひと間に、彼とマールファ、暖炉、ふたり用の寝台、棺桶、かんな台、そして世帯道具いっさいが同居しているのだった。

   チェーホフ=作 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   「ロスチャイルドのヴァイオリン」
   『幸福 谷間』 麥秋社 1986-11-25


(5) 池田 1960, 1976, etc.
 その田舎町は村よりちっぽけで、ほとんど老人ばかりが住んでいたが、その老人たちがいまいましくなるぐらい、めったに死ななかった。病院でも監獄でも、だから、棺桶が必要になるのはごく稀だった。ひと口に言えば、商売あがったりである。もしヤーコフ・イワーノフが県庁所在地の棺桶屋だったら、たぶん自分の家の一つも持って、まっとうにヤーコフ・マトヴェーイチと呼ばれただろうが、この田舎町ではただ素気なくヤーコフと呼ばれるだけで、なぜか通り名を「青銅(ブロンザ)」と言い、ひと間(ま)きりの小さい古い百姓小屋に、水呑み百姓も同じ貧乏暮らしを送っていた。このたったひと間に、彼とマルファと、暖炉と、二人用の寝台と、棺桶と、かんな台と、世帯道具いっさいが詰め込まれていたのである。

   チェーホフ=作 池田健太郎(いけだ・けんたろう)=訳
   「ロスチャイルドのバイオリン」
   a.チェーホフ 短篇と手紙』 みすず書房 2002-01-07
   b.チェーホフ全集9』 中央公論社 1976
   c.チェーホフ全集9』 中央公論社 1960
   引用は a. に拠りました。


(6) 中村 1936
 村よりひどい位のちつぽけな田舎町で、そこには殆ど老人ばかりが住んでゐたが、それがまた死なないことゝと言つたら、忌々しい位であつた。それで、病院でも、監獄でも、棺の需要は非常に少なかつた。一口に言ふと、商売が甚だ面白くなかつたのである。若しヤーコフ・イワーノフがこれで縣廳所在市の棺屋だつたら、彼は今頃はきつと自分の家の一つも持つて、人からもヤーコフ・マトヴェーイチと呼ばれて、幾らか立てられる身分にもなつてゐたであらうが、この町ではたゞマトヴェイと呼ばれるだけで、町での綽名は何故かブロンザ(青銅の意)と言ふのだつた、そしてまるで水呑百姓のやうに、一間きりの小さな古い家に貧乏暮らしをしてゐて、その一間に、彼と、マールファと、暖炉と、二人寝の寝台と、幾つもの棺と、仕事台と、一切の家財道具とがあるのだつた。

   チェーホフ=作 中村白葉(なかむら・はくよう)=譯
   「ロスチャイルドのワ゛ヰオリン」
   『チェーホフ全集9 黑衣の僧』 金星堂 1936-02-20(昭和11)


(7) 楠田 1910
[ルビを取り除いたテキスト]
町と云つても殆んど名ばかりで村と變らない。——住んで居る人々は多く老人のみだが、死亡と云ふ事は滅多に無い。是は彼に取つて明かに苦痛である。病院でも監獄でさへも棺の必要は餘り無い。言換れば商賣が繁昌しないのである。若しヤコブ・イバノフが市の棺造人であつたならば、彼は普通の家も有つて、ヤコブ・マヴイエッチと稱へて居たのであらう。然れども實際はヤコブと云ふ名で知られて居つて、其の理由は解らないがブロンザと云ふ綽名を有つて居る。唯一間しか無い昔の茅屋に住んで居つて、水呑百姓として貧しく暮して居つた。茅屋の内には妻のマーファも居れば、暖爐や、二人寢の寢臺、棺桶、指物師用の腰掛、其の他の器具もある。

[原文——ルビ付き]
町(まち)と云(い)つても殆(ほと)んど名(な)ばかりで村(むら)と變(かは)らない。——住(す)んで居(ゐ)る人々(ひと/゛\)は多(おほ)く老人(らうじん)のみだが、死亡(しぼう)と云(い)ふ事(こと)は滅多(めつた)に無(な)い。是(これ)は彼(かれ)に取(と)つて明(あきら)かに苦痛(くつう)である。病院(びやうゐん)でも監獄(かんごく)でさへも棺(くわん)の必要(ひつよう)は餘(あま)り無(な)い。言換(いひかへ)れば商賣(しやうばい)が繁昌(はんじやう)しないのである。若(も)しヤコブ・イバノフが市(し)の棺造人(くわんつくりにん)であつたならば、彼(かれ)は普通(ふつう)の家(うち)も有(も)つて、ヤコブ・マヴイエッチと稱(とな)へて居(ゐ)たのであらう。然(け)れども實際(じつさい)はヤコブと云(い)ふ名(な)で知(し)られて居(を)つて、其(そ)の理由(りいう)は解(わか)らないがブロンザと云(い)ふ綽名(あだな)を有(も)つて居(ゐ)る。唯(たゞ)一間(ひとま)しか無(な)い昔(むかし)の茅屋(こや)に住(す)んで居(を)つて、水呑(みづのみ)百姓(しやう)として貧(まづ)しく暮(くら)して居(を)つた。茅屋(こや)の内(うち)には妻(つま)のマーファも居(を)れば、暖爐(ストーブ)や、二人寢(ふたりね)の寢臺(ねだい)、棺桶(くわんをけ)、指物師用(さしものしよう)の腰掛(こしかけ)、其(そ)の他(た)の器具(きぐ)もある。

   チエーホフ=著 「提琴」
   表紙表示: 楠田麥圃(くすだ・ばくほ)=譯
   奥付表示: 楠田斧三郎(くすだ・おのさぶろう)=譯
   a.チエーホフ短篇集』 国立国会図書館 近代デジタルライブラリー
   b.チエーホフ短篇集』 内外出版協會 1910-02(明治43)
   亡・要・若の旧字は新字で置き換えました。


■イタリア語訳 Translation into Italian

La cittadina era piccola, peggio di un villaggio, e vi vivevano quasi soltanto dei vecchi, i quali morivano così raramente che era addirittura un dispetto. All'ospedale e alla prigione, di bare ne richiedevan pochissime. In una parola, gli affari erano cattivi. Se Jakov Ivànov fosse stato fabbricante di bare nella città principale del governatorato, certamente avrebbe avuta una casa propria e l'avrebbero chiamato Jakov Matvèi£c£; qui in questa cittaduzza lo chiamavano semplicemente Jakov, e per di più i ragazzi di strada gli avevano dato, chissà perché, il soprannome di Bronza; ed egli viveva poveramente, come un semplice contadino, in una piccola casupola vecchia, nella quale c'era soltanto una camera, e in questa camera avevano posto lui, Marfa, la stufa, un letto matrimoniale, le bare, il banco da lavoro e tutto quel che occorre alla vita quotidiana.

   Il violino di Rotschild by Anton Cechov
   E-text at Uto Ughi Fan Club - Letteratura


■スペイン語訳 Translation into Spanish

El pueblecito era pequeño, peor que una aldea; vivían en él casi nada más que viejos, los cuales morían tan de tarde en tarde que incluso fastidiaba. En el hospital y en los calabozos de la cárcel había poca necesidad de ataúdes. En una palabra, las cosas iban mal. Si Yakov Ivanov hubiera sido fabricante de ataúdes en una ciudad de provincia, seguramente tendría casa propia y le llamarían Yakov Matvéich, pero aquí en el pueblecilio le llamaban simplemente Yakov. Su apodo callejero era, no se sabe por que, Bronce, y vivía pobremente, como un simple campesino, en una pequeña y vieja isba, en la cual había una sola habitación, y en esa habitación tenían cabida él, Marfa, la estufa, la cama de matrimonio, el banco de trabajo y todos sus utensilios.

   El violín de Rothschild by Anton Chejov
   Quoted in La historia comienza: ensayos sobre literatura by Amos Oz
   Siruela, 2007


■フランス語訳 Translation into French

La ville était une petite, pire qu'un village, et il a été habité par à peine en mais vieux peuple qui sont morts avec une rareté qui ennuyé vraiment. Dans l'hôpital et dans la forteresse de prison très peu de cercueils ont été eus besoin. En fait l'affaire était mauvaise. Si Yakov Ivanov avait été entrepreneur des pompes funèbres dans la ville principale de la province il aurait eu certainement une maison de son propre, et les gens auraient l'adressé comme Yakov Matveyitch;  ici dans ce misérable peu les gens de ville l'ont appelé simplement Yakov;  son surnom dans la rue était pour quelque Bronze de la raison, et il habitait dans un chemin pauvre comme un humble paysan, dans un peu vieille hutte dans lequel il y avait seulement une pièce, et dans cette pièce lui et Marfa, le poêle, un double lit, les cercueils, son banc, et toutes leurs affaires ont été entassées ensemble.

   Le violon de Rothschild by Anton Pavlovich Chekhov
   E-text at Le douzième projet


■英訳 Translation into English

The town was a little one, worse than a village, and it was inhabited by scarcely any but old people who died with an infrequency that was really annoying. In the hospital and in the prison fortress very few coffins were needed. In fact business was bad. If Yakov Ivanov had been an undertaker in the chief town of the province he would certainly have had a house of his own, and people would have addressed him as Yakov Matveyitch; here in this wretched little town people called him simply Yakov; his nickname in the street was for some reason Bronze, and he lived in a poor way like a humble peasant, in a little old hut in which there was only one room, and in this room he and Marfa, the stove, a double bed, the coffins, his bench, and all their belongings were crowded together.

   Rothschild's Fiddle by Anton P. Chekhov
   from The Chorus Girl and Other Stories (1920)
   Translated by Constance Garnett
   E-text at The Literature Network


■ロシア語原文 The original text in Russian

Городок был маленький, хуже деревни, и жили в нем почти одни только старики, которые умирали так редко, что даже досадно. В больницу же и в тюремный замок гробов требовалось очень мало. Одним словом, дела были скверные. Если бы Яков Иванов был гробовщиком в губернском городе, то, наверное, он имел бы собственный дом и звали бы его Яковом Матвеичем; здесь же в городишке звали его просто Яковом, уличное прозвище у него было почему-то Бронза, а жил он бедно, как простой мужик, в небольшом старой избе, где была одна только комната, и в этой комнате помещались он, Марфа, печь, двухспальная кровать, гробы, верстак и всё хозяйство.

   Антон Чехов
   Скрипка Ротшильда
   E-text at Интернет-библиотека


■外部リンク External links

 書評 Book reviews
   * 『ロスチャイルドのバイオリン』 書評:児島宏子の奄美日記
   * 朝の書評:『チェーホフ 短篇と手紙』

 著者について On the author
   [zh] 安東·帕夫洛維奇·契訶夫 - 維基百科 (1860-1904)
   [ja] アントン・チェーホフ - Wikipedia (1860-1904)
   [fr] Anton Tchekhov - Wikipédia (1860-1904)
   [en] Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   [de] Anton Pawlowitsch Tschechow – Wikipedia (1860-1904)
   [ru] Чехов, Антон Павлович — Википедия (1860-1904)


■更新履歴 Change log

2012-02-03 楠田斧三郎=譯 1910-02 を追加しました。
2012-02-02 イタリア語訳とスペイン語訳を追加しました。
2010-09-30 沼野充義=訳 2010-09-30 を追加しました。
2010-03-12 浦雅春=編訳 2010-03-20 を追加しました。


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Friday, 08 August 2008

Антон Чехов - Чайка (4) The Seagull by Anton Pavlovich Chekhov (4) チェーホフ『かもめ』 (4)

« 1 2 3 The Seagull »
« 1 2 3 かもめ »


■はじめに Introduction

『かもめ 四幕の喜劇』の第四幕のセリフから下に引用する。


■表紙画像 Cover photos

Leftかもめ』 新読書社 (2006)
Centre かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー 群像社 (2002)
Right かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 (1967)

↓ Click to enlarge ↓

4788070588 192370 31462006

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2011
トレープレフ:(……)月夜の描写は長くて気取ってばかりだ・・・トリゴーリンなら使う手が決まってるから楽なもんだ・・・月夜だろ、土手の上に空き瓶の破片がきらきらしている。水車が影を落としている。それでできあがりだ。

   アントン・チェーホフ=作 佐藤康(さとう・やすし)=訳
   「かもめ」(マルコヴィッチ&モルヴァンによるフランス語版から)
   その9(最終回)
   四幕の喜劇 1895年オリジナル版
   とんぼのメガネ 2011/01/10


(J2) 浦 2010
トレープレフ:(……)月明かりの夜の描写は長ったらしいし、もったいぶっている。トリゴーリンなら彼一流のやり方があって、こんなもの造作もないんだ……。やつなら、堤防の上に割れたボトルの口がきらりと光り、水車の影が黒ずんでいたとか書けば、月夜の描写は一丁上がりだ。

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳
   『かもめ』 岩波文庫 2010/01/15


(J3) 沼野 2008
トレープレフ:(……)月夜の描写は長たらしくて、凝りすぎだ。トリゴーリンは自分の手法を編み出したから、彼にはお手のものだけれど……。あの男なら、割れたガラス瓶のくびが土手できらめき、水車の車輪が黒い影を投げている——それでもう月夜のいっちょ上がり。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 沼野充義=訳
   「かもめ—四幕のコメディ」 『すばる』 集英社 2008年7月号収載
   この翻訳を使用した舞台「かもめ」(演出:栗山民也、出演:藤原竜也、
   鹿賀丈史ほか)は、東京・大阪・広島・名古屋を巡業中。公演「かもめ」
   公式サイト(ホリプロ)は こちら。公式ブログは こちら


(J4) 中本 2006
トレープレフ:(……)月夜の描写は長たらしく、凝りすぎだ。トリゴーリンは、手法がきまっているから、楽なもんだ…… あいつなら、土手の上にこわれた瓶(びん)の首がきらきら光って、水車の影が黒く見える—それでもう月夜はできあがり。

   アントン・チェーホフ=作 中本信幸=訳
   『かもめ』 新読書社 2006/07


(J5) 堀江 2002
コースチャ:(……)月夜のシーンは長いし、凝り過ぎだ。トリゴーリンは自分の手法を身に付けているから、簡単でいい。彼の場合、土手の上の割れたガラス瓶が光って、水車の影が暗く見える——これで月夜ができあがり。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 堀江新二=訳
   『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー4 群像社 2002/11


(J6) 堀内 2000-2005
トレープレフ:(……)月夜の描写も長ったらしいし、クドい。トリゴーリンだったらきっと、例の小技でやっつけちまうでしょう。「土手にきらめく割れた瓶と、水車の黒い影」……これで月夜ができちまう。

   アントン・チェーホフ=作 堀内仁=訳
   「かもめ現代演劇翻訳テキスト集
   Copyright (c) LABO! & Horiuchi Jin, 2000-2005
   LABO! の公演用に訳出されたもの。以下のような注記があります:

   なにより「面白い」上演のためのテキストたらんことを望みました。
   そのため、原書に対しては必ずしも忠実ではありません。
   また、アカデミックな研究には寄与するものではないことをご了解ください。


(J7) 小田島 1998
トレープレフ:(……)月夜の描写がまた——長すぎるし、凝りすぎてる。トリゴーリンは独特の小技(こわざ)を身につけてきたから——苦労しないですむんだ……貯水池の土手に割れた壜の首がキラキラ光り、そのかたわらに水車の影が黒々と落ちている——これでもう月夜ができてしまう。

   アントン・チェーホフ=作 小田島雄志=訳
   『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス126 1998/12
   マイケル・フレインの英訳(The Seagull, translation by Michael Frayn, 
   Translation copyright (c) 1988, 1991)からの重訳


(J8) 松下 1988, 1993, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描写が長たらしくて、しゃれすぎてるんだ。トリゴーリンなら手が決まってるから楽なもんだ……。あいつなら、土手に割れた瓶(びん)のくびがきらきらしてて、水車の影が黒く見える——それでもう月夜ができるんだ。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   a. チェーホフ戯曲選』 水声社 2004/09 所収
   b.チェーホフ全集11 三人姉妹・桜の園』 ちくま文庫 1993/10 所収
   c.チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988/06 所収
   引用は c. に拠りました。


(J9) 木村(浩) 1979
トレープレフ:(……)月夜の描写なんて、長ったらしくて、凝りすぎている。でも、トリゴーリンなんかは手法が決ってるから、楽なもんだ。奴さんなら、土手の上に割れたびんの首がキラキラ光っていて、水車の黒い影がみえる——まあ、こんなところで月夜の描写は片がつくわけだが(……)

   チェーホフ=作 木村浩=訳 「かもめ」
   『世界文学全集39 チェーホフ』 学習研究社(学研) 1979/09/01 所収
   傍点は下線で置き換えました。


(J10) 原 1978, 1991
トレープレフ:(……)月夜の描写も長たらしくて、気取りすぎてるな。トリゴーリンなら、自分の手法を作りだしてるから、たやすいもんだ……あの男なら、土手の上に割れた壜(びん)の首が光っていて、水車の影が黒く落ちていれば、それでもう月夜は出来上がりだからな。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「かもめ」
   a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   b.集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
     1978/04 所収
   引用は a. に拠りました。


(J11) 木村(彰) 1976
トレープレフ:(……)月夜の描写は長ったらしいし、それに凝りすぎている。トリゴーリンは完成された自分の手法があるから、仕事は楽なもんだ……あの男なら、こわれたびんの口がきらきら土手の上に光っていて、水車の影が黒く落ちていると書けば、もう月夜ができあがっちまう。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「かもめ」
   『豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収


(J12) 石山+飯田 1960
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   チェーホフ=作
   石山正三(いしやま・しょうぞう)+飯田規和(いいだ・のりかず)=訳
   「かもめ」
   『ポータブル・チェーホフ』 ポータブル・ライブラリィ
   パトリア・ブックス22 パトリア書店 1960/05 所収


(J13) 中村 1959
トレープレフ:(……)月夜の描写は長すぎるばかりか、こりすぎだ。トリゴーリンにはもうちゃんと型ができているから楽なもんだ……あの男の手にかかると、土手の上にこわれた罎の口がきらきら光って、水車の影が黒くなっている——これでもう立派に月夜ができあがるのだ。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「かもめ」
   『新版世界文学全集20 桜の園・三人姉妹
   新潮社 1959/01 所収


(J14) 倉橋 1956
トレープレフ:(……)月夜の描写は長ったらしい上に、凝りすぎている。トリゴーリンは自分の手法をちゃんと作ってしまっているからな、楽なもんだ……あの男なら、土手の上に毀れた壜の口がきらきら光って、水車の影が黒く映つている——これでもう月夜が出来あがってしまう。

   チェーホフ=作 倉橋健(くらはし・たけし)=訳 「かもめ」
   『チェーホフ名作集』 白水社 1956/09/20 所収


(J15) 神西 1954, 1967, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描写が長たらしく、凝りすぎている。トリゴーリンは、ちゃんと手法がきまっているから、楽なもんだ。……あいつなら、土手の上に割れた瓶(びん)のくびがきらきらして、水車の影が黒く落ちている——それでもう月夜ができあがってしまう。

   チェーホフ=作 神西清=訳「かもめ」
   a. 青空文庫 電子テキスト作成作業中
   b. 新潮世界文学23 チェーホフ』 新潮社 1969/07 所収
   c.チェーホフ全集12 戯曲2』 中央公論社 1968/10 所収
   d.かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 1967/09 所収
   e.世界文学全集 第1期 第12』 河出書房 1954 所収

   神西訳は、以上のほか多数の版に収められています。その詳細なリストは、
   たとえば 『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』 岩波文庫(改版)
   2004/09 の巻末にある「神西清訳のチェーホフ作品」で見ることができます。
   a. の底本は d.。引用は d. に拠りました。


(J16) 湯浅 1952, 1976
トレープレフ:(……)月の晩の描写は長くて凝りすぎている。トリゴーリンは自分の手法を作ってしまっているからな、あの男は楽なんだ……あの男の場合は、堤(どて)の上に毀れた壜の口が光っていて、水車の車輪の影が黒ずんでいる——ほら、これで月夜はちゃんとできている。

   チェーホフ=作 湯浅芳子=訳
   a. かもめ』 岩波文庫(改版)1976/05
   b. 『かもめ』 岩波文庫(初版)1952/05
   引用は a. に拠りました。


(J17) 中村 1935
トレープレフ:(……)月夜の描冩は長過ぎるばかりか、綺麗すぎる。トリゴーリンにはもうちやんと立派に型が出來てゐるから樂なもんだ……あの男の手にかゝると、土手の上に、毀れた罎の口がきら/\光つて、水車の影が黒くなつてゐる——これでもう立派に月夜が出來上るのだ。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯
   『チェーホフ全集13 かもめ』 金星堂 1935/07(昭和10)


(J18) 米川 1923, 1964, etc.
トレープレフ:(……)月夜の描冩は長つたらしくて、苦しさうだ。トリゴーリンは手法がちやんと決つて了つてるから樂なもんだ……あの男に書かせれば、土手の上に破れた壜の口がきら/\光つて、水車の影が黒く映つてゐる——これでもう月夜が出來上つて了ふのだ。

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「かもめ」
   a. 中村白葉〔ほか〕=訳
     『決定版ロシア文学全集15 チェーホフ1』(全35巻)
     日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   b. 中村白葉、原久一郎〔ほか〕=訳
     『ロシア・ソビエト文学全集22 チェーホフ1』(全35巻)
     可愛い女 ヴァーニャ伯父さん 三人姉妹 かもめ
     六号室 犬をつれた奥さん 他
     平凡社 1964/05 所収
   c. 近代劇大系 第14卷 露西亞篇2
     近代劇大系刊行會 非賣品 1923/08(大正12)所収
   引用は c. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

TREPLEV.- ( . . . ) La descripción del anochecer bañado por la luz de la luna, es larga y rebuscada... Trigorin ha dado ya con un estilo, y le resulta más fácil. . . ¡Con decir que el cuellecito roto de la botella brilla en la presa, y que negrea la sombra de la rueda del molino, tiene ya hecha la descripción de la noche de luna ( . . . )

   La gaviota by Anton Pavlovich Chejov
   Translated by E. Podgursky
   E-text at
   * World Public Library
   * Biblioteca Digital de Estudios Sociales (DOC)
   * Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes


■ソ連映画 『チェーホフのかもめ』 監督: ユーリー・カラーシク Part 10
 Chayka / The Seagull (1970) directed by Yuli Karasik - Part 10

チェホフのかもめ (1971) - allcinema 下に引用する台詞が現れるのは1:10あたりから。 The lines quoted below appear around 1:10.


■英訳 Translations into English

(E1) Deemer, 2004
TREPLEV: ( . . . ) My description of a moonlit night is too long and precious. Trigorin has it all worked out, writing is easy for him: a broken piece of bottle, glittering on the dam; a mill wheel casts a dark shadow - and there's his moonlit night. ( . . . )

   The Seagull Hyperdrama
   A play with simultaneous action
   based on Chekhov's The Seagull
   Charles Deemer
   Sextant Books, 2004
   Paperback: Three Moons Media, 2004

   E-text at
   * Ibiblio Deemer Literary Archive
   * The Seagull Hyperdrama (PDF)


(E2) Calderon, 1912
TREPLIEFF. ( . . . ) This description of a moonlight night is long and stilted. Trigorin has worked out a process of his own, and descriptions are easy for him. He writes that the neck of a broken bottle lying on the bank glittered in the moonlight, and that the shadows lay black under the mill-wheel. There you have a moonlight night before your eyes ( . . . )

   The Sea-Gull, A Play in Four Acts
   by Anton Checkov
   Translated by George Calderon

   First published in:
   Two Plays by Tchekhof: The Seagull, The Cherry orchard
   Grant Richards: London, 1912.
   Scanned images of this edition at Internet Archive
   
   E-text at
   * Project Gutenberg
   * vtheatre.net
   * Landscapes in Russian Literature and Art (PDF)
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■ロシア語原文 The original text in Russian

Треплев:  Описание лунного вечера длинно и изысканно. Тригорин выработал себе приемы, ему легко... У него на плотине блестит горлышко разбитой бутылки и чернеет тень от мельничного колеса — вот и лунная ночь готова ( . . . )

   Антон Павлович Чехов - Чайка
   E-text at
   * ilibrary.ru
   * Landscapes in Russian Literature and Art
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■Bibliography on translations into English

   * Anton Chekhov Biography
    (Andreas Teuber Home Page)


■外部リンク External links

   * The Seagull - Wikipedia
   * Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   * Anton Chekhov - drama21c.net
   * The Seagull - Mahalo
   * かもめ (チェーホフ) - Wikipedia
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2012/04/09 木村浩=訳 1979/09/01 の訳文を挿入しました。
2012/03/03 佐藤康=訳 2011/01/10 を追加しました。
2011/05/13 「はじめに」の項と、ソ連映画 『チェーホフのかもめ』の YouTube
         動画を追加しました。
2010/04/07 浦雅春=訳 2010/01/15 を追加しました。
2010/01/06 倉橋健=訳 1956/09/20 を追加しました。
2009/08/28 木村浩=訳 1979/09 の書誌情報を追加しました。訳文は
         追って挿入するつもりです。
2008/08/20 木村彰一=訳 1976/10、中村白葉=訳 1959/01、
         中村白葉=譯 1935/07、および米川正夫=訳 1923/08 を
         追加しました。また、神西清=訳の書誌情報を補足しました。


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Sunday, 25 May 2008

Антон Чехов - О любви (O lyubvi) (3) About Love / Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov (3) チェーホフ「恋について」(3)

« 1 2 About Love
« 1 2 恋について

■表紙画像 Cover photos

Leftチェーホフ・ユモレスカ2』 新潮社 (2007)
Centre 牧原純著 『北ホテル48号室—チェーホフと女性たち』 未知谷 (2006)
Right リジヤ・アヴィーロワ著 『私のなかのチェーホフ』 群像社 (2005)

↓ Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中村(喜) 2009
こんなことわざがあります——《苦労が消えると、女は自分で苦労をしょい込む》。ルガノーヴィチ夫妻には心配ごとがありませんでした。そこで私と親しい付き合いがはじまったのでした。

   アントン・P・チェーホフ=作 イリーナ・ザトゥロフスカヤ=絵
   中村喜和(なかむら・よしかず)=訳
   『恋について』 チェーホフ・コレクション 未知谷 2009/02/01
   版元による この本の紹介


(J2) 松下 1987, 1993, etc.
ことわざにあるでしょう——『女が余計な仕事をしょいこんであたふたする』って。ルガノーヴィチ夫妻もわたしに親切にして余計な心配をしたのですよ。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「恋について」
   2a. 北村薫=編 『謎のギャラリー—愛の部屋』 新潮文庫 2002/03 所収
   2b.チェーホフ全集8』 ちくま文庫 1993/05 所収
   2c.チェーホフ全集9 百姓たち・恋について』 筑摩書房 1987/09 所収
   2a. の底本は 2b.。引用は 2c. に拠りました。


(J3) 原 1978, 1988, etc.
百姓女は苦労がなくなると子豚を買う、という諺(ことわざ)があるでしょう。ルガノーウィチ夫妻は苦労がなかったので、わたしとあんなに親しくしてくれたんです。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「恋について」
   3a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   3b.チェーホフ短篇集』 福武文庫 1988/11 所収
   3c. 集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
      1978/04 所収
   引用は 3a. に拠りました。


(J4) 木村 1971, 1975, etc.
《女は苦労がないと、豚の子を買う》という諺(ことわざ)がありますね。ルガノーヴィチ夫婦もなにひとつ苦労がなかったので、わたしと親しく交わるようになったのです。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「恋について」
   4a.豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収
   4b.世界文学全集60 チェーホフ』 講談社 1975/05 所収
   4c.筑摩世界文學大系51 チェーホフ』 筑摩書房 1971/11 所収
   引用は 4a. に拠りました。


(J5) 中村(白) 1964, 1970
女が苦労がないと、子豚を買う——こういう諺がありますね。ルガノーヴィッチ夫婦は苦労がなかったので、わたしと友誼を結んだのですよ。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「恋について」
   5a.決定版 ロシア文学全集15 チェーホフ 可愛い女ほか
      日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   5b.ロシア・ソビエト文学全集22 三人姉妹・桜の園ほか
      平凡社 1964/05 所収
   引用は 5b. に拠りました。


(J6) 池田 1960
《女は苦労がないと豚の子を買う》という諺があります。ルガノーヴィチ夫妻も何ひとつ苦労の種がなかったので、それでわたしと親身な付合いをはじめた。

   チェーホフ=作 池田健太郎=訳 「恋について」
   『チェーホフ全集11 小説 (1897-1903) 戯曲1
   中央公論社 1960/03 所収


(J7) 中村(白) 1939
女は苦勞がないと、仔豚を買ふ——かう言ふ諺がありますね。ルガノーヸッチ夫婦は苦勞がなかつたので、わたしと友誼を結んだのですよ。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯 「戀に就いて」
   『チェーホフ小説選集7 風刺小説篇 公爵夫人
   金星堂 1939/05(昭和14)所収


■フランス語訳 Translation into French

Une femme qui n'avait pas de soucis, dit un proverbe, s'acheta un porc. Les Louganôvitch, qui n'avaient pas de soucis, lièlent amitié avec moi.

   D'amour by Anton Pavlovitch Tchekhov
   in L'homme à létui, 1883-1902 Paris, Plon, 1929
   Translation by Denis Roche
   E-text at:
   * ibiblio.org (pdf)
   * Scribd.com
   Free scanned book at Ebooks Libres et Gratuits (pdf) 


■英訳 Translations into English

(E1) Hingley, 2000
It was a bit like the farmer's wife in the story, the one who had no troubles -- not, that is, until she went and bought herself a pig! The Luganoviches had no troubles -- so they went and chummed up with me!

   Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov 
   Translated by Ronald Hingley
   in The Russian Master and Other Stories (Oxford World's Classics)
   Oxford University Press, 2000/03
   Scanned book at Google Book Search


(E2) Garnett, 1918
There is a proverb that if a peasant woman has no troubles she will buy a pig. The Luganovitchs had no troubles, so they made friends with me.

   About Love
   in The Wife and Other Stories by Anton Chekhov
   Translated by Constance Garnett
   The Chatto & Windus edition of
   The Tales of Chekhov, Volume 5 (1918)

   E-text at:
   * Classic Reader
   * Project Gutenberg
   * 201 Stories by Anton Chekhov
   * eBooks@Adelaide, The University of Adelaide Library


■ロシア語原文 The original text in Russian

Есть пословица: не было у бабы хлопот, так купила порося. Не было у Лугановичей хлопот, так подружились они со мной.

   Антон Чехов - О любви (O lyubvi)
   Concerning Love / About Love (1898) by Anton Pavlovich Chekhov
   E-text at ilibrary.ru


■ロシアのことわざ——その意味は?
 The Russian proverb: What does it mean anyway?

こんなことわざがあります——《苦労が消えると、女は自分で苦労をしょい込む》。中村(喜) 2009

ことわざにあるでしょう——『女が余計な仕事をしょいこんであたふたする』って。松下 1987, 1993, etc.

百姓女は苦労がなくなると子豚を買う、という諺があるでしょう。原 1978, 1988, etc.

《女は苦労がないと、豚の子を買う》という諺がありますね。木村 1971, 1975, etc.

女が苦労がないと、子豚を買う——こういう諺がありますね。中村(白) 1964, 1970

《女は苦労がないと豚の子を買う》という諺があります。池田 1960

女は苦勞がないと、仔豚を買ふ——かう言ふ諺がありますね。中村(白) 1939

Une femme qui n'avait pas de soucis, dit un proverbe, s'acheta un porc. - Roche, 1929
 
It was a bit like the farmer's wife in the story, the one who had no troubles--not, that is, until she went and bought herself a pig! - Hingley, 2000

There is a proverb that if a peasant woman has no troubles she will buy a pig. - Garnett, 1918

どなたかこのロシアのことわざの意味を説明していただけませんか?
Can anyone explain the meaning of this Russian proverb?


■Bibliography on translations into English

   * Anton Chekhov Biography
    (Andreas Teuber Home Page)


■外部リンク External links

   * Bibliography of Anton Chekhov - Wikipedia (Short stories)
   * Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2011/04/25 原卓也=訳の書誌情報を補足しました。
2010/03/26 中村喜和=訳 2009/02/01 を追加しました。


« 1 2 About Love
« 1 2 恋について

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Monday, 12 May 2008

Антон Чехов - О любви (O lyubvi) (2) About Love / Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov (2) チェーホフ「恋について」(2)

« 1 About Love 3 »
« 1 恋について 3 »

■表紙画像 Cover photos

Left昭和初期世界名作翻訳全集106 犬を連れた奥さん 外九篇』 ゆまに書房 オンデマンド版 (2007)
Centre結婚、結婚、結婚!—熊・結婚申込・結婚披露宴』 群像社 (2006)
Right リディア・アヴィーロワ作 『チェーホフとの恋』 未知谷 (2005)

↓ Click to enlarge ↓

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■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中村(喜) 2009
恋愛について今まで語られた言葉の中で反論のしようのないものはただ一つ——《そは大いなる神秘なり》[*訳註 新約聖書「エフェソの信徒への手紙」]という言葉だけです。それ以外に恋愛について書かれたり語られたりしたことは、すべて問題提起で、解決はついていません。

   アントン・P・チェーホフ=作 イリーナ・ザトゥロフスカヤ=絵
   中村喜和(なかむら・よしかず)=訳
   『恋について』 チェーホフ・コレクション 未知谷 2009/02/01
   版元による この本の紹介


(J2) 松下 1987, 1993, etc.
これまで恋について言われたことで文句なしに真実なのはただ一つ、『そは大なる不可思議(ふかしぎ)なり』ということだけで、そのほかの恋について言ったり書いたりされたことはみな答えではなくて、いまだにわからないことの問題提起にすぎませんよ。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「恋について」
   2a. 北村薫=編 『謎のギャラリー—愛の部屋』 新潮文庫 2002/03 所収
   2b. チェーホフ全集8』 ちくま文庫 1993/05 所収
   2c.チェーホフ全集9 百姓たち・恋について』 筑摩書房 1987/09 所収
   2a. の底本は 2b.。引用は 2a. に拠りました。


(J3) 原 1978, 1988, etc.
これまで恋について語られた争う余地のない真理はただ一つだけです。つまり、『そは偉大なる神秘なり』というやつだけで、それ以外の、恋について書かれたり語られたりしてきたことはすべて、問題の解決ではなく、結局は未解決のままで残された問題提起にすぎないんですよ。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「恋について」
   3a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   3b.チェーホフ短篇集』 福武文庫 1988/11 所収
   3c.集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
      1978/04 所収
   引用は 3a. に拠りました。


(J4) 木村 1975, 1976
いままでに、恋について言われた争いがたい真理はたったひとつしかありませんよ。《こは偉大なる神秘なり》というのがそれです。これ以外に、人が恋について言ったり書いたりしてきたことは、どれもこれも、問題を解決したのではなくて、たんに提起したにすぎない。だから問題そのものは、いぜんとして未解決のまま残っているわけです。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳「恋について」
   4a. 豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収
   4b.世界文学全集60 チェーホフ』 講談社 1975/05 所収
   引用は 4a. に拠りました。


(J5) 木村 1971
今までに、恋について言われた争いがたい真理はたったひとつしかありませんよ。《こは偉大なる神秘なり》というのがそれです。これ以外に、ひとが恋について言ったり書いたりしてきたことは、どれもこれも、問題を解決したのではなくて、単に提起したにすぎない。だから問題そのものは、依然として未解決のまま残っているわけです。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「恋について」
   『筑摩世界文學大系51 チェーホフ』 筑摩書房 1971/11 所収
   [用字の違いを除けば (J4) と同文です - tomoki y.]


(J6) 中村(白) 1964, 1970
今日まで、恋については、ただ一つ争いがたい真理が語られていました、即ち「これは大きな神秘である。」というので、恋について書かれたり語られたりしたこれ以外のことは、いずれもみな解決ではなくて、依然として未解決のままに残された問題の設定にすぎません。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「恋について」
   6a.決定版 ロシア文学全集15 チェーホフ 可愛い女ほか
      日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   6b.ロシア・ソビエト文学全集22 三人姉妹・桜の園ほか
      平凡社 1964/05 所収
   引用は 6b. に拠りました。


(J7) 池田 1960
今まで恋について言われたことで文句なしに真実なのはただ一つ、《こは大いなる神秘なり》という言葉だけで、その他の、恋について書かれたり言われたりしたことはすべて、問題の解決ではなくて、今だに解決のつかない問題の単なる提起にすぎません。

   チェーホフ=作 池田健太郎=訳 「恋について」
   『チェーホフ全集11 小説 (1897-1903) 戯曲1
   中央公論社 1960/03 所収


(J8) 中村(白) 1939
今日まで戀に就いては、たゞ一つ爭ひ難い眞理が語られてゐました、即ち「これは大きな神秘である。」と言ふので、戀に就いて書かれたり語られたりしたこれ以外のことは、何れも皆解決ではなくて、依然として未解決のまゝに殘された問題の組立てに過ぎない。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯 「戀に就いて」
   『チェーホフ小説選集7 風刺小説篇 公爵夫人
   金星堂 1939/05(昭和14)所収


■フランス語訳 Translation into French

Il n’a été dit jusqu’à présent sur l’amour qu’une seule vérité indiscutable : à savoir que « ce mystère est grand ». Tout le reste, que l’on ait dit et écrit, n’est pas une solution, mais le simple énoncé de problèmes non encore résolus.

   De l'amour by Anton Pavlovitch Tchekhov
   in L'Homme à l'étui, 1883 – 1902 Paris, Plon, 1929
   Translation by Denis Roche
   E-text at Scribd.com
   Free scanned book at Ebooks Libres et Gratuits (pdf)


■英訳 Translations into English

(E1) Hingley, 2000
So far we've only heard one incontrovertible truth about love: the biblical "this is a great mystery." Everything else written and spoken about love has offered no solution, but has just posed questions which have simply remained unanswered.

   Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov 
   Translated by Ronald Hingley
   in The Russian Master and Other Stories (Oxford World's Classics)
   Oxford University Press, 2000/03
   Scanned book at Google Book Search


(E2) Garnett, 1918
So far only one incontestable truth has been uttered about love: 'This is a great mystery.' Everything else that has been written or said about love is not a conclusion, but only a statement of questions which have remained unanswered.

   About Love
   in The Wife and Other Stories by Anton Chekhov
   Translated by Constance Garnett
   The Chatto & Windus edition of
   The Tales of Chekhov, Volume 5 (1918)

   E-text at:
   * eBooks@Adelaide, The University of Adelaide Library
   * 201 Stories by Anton Chekhov
   * Project Gutenberg
   * Classic Reader


■ロシア語原文 The original text in Russian

До сих пор о любви была сказана только одна неоспоримая правда, а именно, что «тайна сия велика есть», всё же остальное, что писали и говорили о любви, было не решением, а только постановкой вопросов, которые так и оставались неразрешенными.

   А. П. Чехов. О любви
   Concerning Love / About Love (1898)
   by Anton Pavlovich Chekhov
   E-text at ilibrary.ru


■「偉大なる神秘なり」 "This is a great mystery."

   こは偉大なる神秘なり………木村 1971, 1975, etc.
   こは大いなる神秘なり………池田 1960
   これは大きな神秘である。 …中村(白) 1939, 1964, etc.
   そは偉大なる神秘なり………原  1978, 1988, etc.
   そは大いなる神秘なり………中村(喜) 2009
   そは大なる不可思議なり……松下 1987, 1993, etc.
   This is a great mystery.  ……Garnett, 1918
   This is a great mystery.  ……Hingley, 2000

わたしは聖書のことをよく知りません。が、上掲中村喜和訳の訳註にもあるように、これらの文言は、新約聖書の一節に由来するようです。日本の翻訳家諸氏は、それぞれ特定の日本語訳聖書に拠っているのか? それとも、既存の日本語訳にはとらわれずに、自由に訳しているのか? そのへんのところは存じません。どなたかご教示くだされば幸いです。

2種類の英訳については、両方とも、いわゆる欽定英訳聖書の字句とぴったり一致するので、これに拠るのだろうと推測します。まちがっていたら、ご指摘ください。

◎この神秘は偉大です。わたしは、キリストと教会について述べているのです。
   エフェソの信徒への手紙 5章32節 新共同訳

◎この奥義は偉大です.私は,キリストと教会とをさして言っているのです.
   エペソ人への手紙 5章32節 新改訳

◎この奥義は大きい。それは、キリストと教会とをさしている。
   エペソ人への手紙 5章32節 口語訳

◎ This is a great mystery: but I speak concerning Christ and the church.
   Ephesians 5:32
   King James Version


■Bibliography on translations into English

   * Anton Chekhov Biography
    (Andreas Teuber Home Page)


■外部リンク External links

   * Bibliography of Anton Chekhov - Wikipedia (Short stories)
   * Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2011/04/25 原卓也=訳の書誌情報を補足しました。
2010/03/26 中村喜和=訳 2009/02/01 を追加しました。

 

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Friday, 09 May 2008

Антон Чехов - О любви (O lyubvi) (1) About Love / Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov (1) チェーホフ 「恋について」 (1)

About Love 2 3 »
恋について 2 3 »

 Images 
表紙と扉 Book covers and a title page

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. 31btcjqshsl b. Tchekhov_french c. 516y866ja9l


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 中村(喜) 2009
明くる日の朝食には、とてもおいしいピロシキとエビガニと羊のカツレツが出た。食事しているあいだに、コックのニカノールが二階へ上がってきて、お客さんたちの昼食は何にしましょうか、と尋ねた。

   アントン・P・チェーホフ=作 イリーナ・ザトゥロフスカヤ=絵
   中村喜和(なかむら・よしかず)=訳
   『恋について』 チェーホフ・コレクション 未知谷 2009/02/01
   版元による この本の紹介


(J2) 松下 1987, 1993, etc.
あくる日の朝食には、とてもおいしいピロシキとえびと羊のカツレツが出た。それを食べていると、料理番のニカノールが二階へあがって来て、お客さまは午餐に何をご所望ですかとたずねた。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳 「恋について」
   2a. 北村薫=編 『謎のギャラリー—愛の部屋』 新潮文庫 2002/03 所収
   2b.チェーホフ全集8』 ちくま文庫 1993/05 所収
   2c.チェーホフ全集9 百姓たち・恋について』 筑摩書房 1987/09 所収
   2a. の底本は 2b.。引用は 2a. に拠りました。


(J3) 原 1978, 1988, etc.
翌日の朝食には大そうおいしいピロシキと、ざりがにと羊のハンバーグがでた。食事をしている間に、コックのニカノールが、お客さまは昼食に何をご希望ですかとたずねに上がってきた。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「恋について」
   3a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   3b.チェーホフ短篇集』 福武文庫 1988/11 所収
   3c.集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
     1978/04 所収
   引用は 3a. に拠りました。


(J4) 木村 1975, 1976
翌日の朝食には、とびきりうまいピロシキ、それにエビと、羊のカツレツが出た。彼らがそれを食べていると、コックのニカノールが午餐(ディナー)になにが所望かを客たちにたずねるために二階へあがってきた。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「恋について」
   4a. 豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収
   4b.世界文学全集60 チェーホフ』 講談社 1975/05 所収
   引用は 4a. に拠りました。


(J5) 木村 1971
翌日の朝食には、とびきりうまいピローグ、それにエビや、羊のカツレツなどが出た。彼らがそれを食べていると、コックのニカノールが午餐(ごさん)になにが所望かを客たちにたずねるために二階へあがってきた。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「恋について」
   『筑摩世界文學大系51 チェーホフ』 筑摩書房 1971/11 所収


(J6) 中村(白) 1964, 1970
翌日のランチには、とてもうまいパイや、蝦や、羊のカツレツが出された。彼らがそれをやっているあいだに、コックのニカノールが階上へ、お客さまは晩餐に何をお望みかと尋ねに来た。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「恋について」
   6a.決定版 ロシア文学全集15 チェーホフ 可愛い女ほか
     日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   6b.ロシア・ソビエト文学全集22 三人姉妹・桜の園ほか
     平凡社 1964/05 所収
   引用は 6b. に拠りました。


(J7) 池田 1960
あくる日の朝食には、とてもおいしいピロシキとえびと羊のカツレツが出た。それを食べていると、料理番のニカノールが二階へあがって来て、お客さまは午餐に何をご所望ですかとたずねた。

   チェーホフ=作 池田健太郎=訳 「恋について」
   『チェーホフ全集11 小説 (1897-1903) 戯曲1
   中央公論社 1960/03 所収


(J8) 中村(白) 1939
翌日のランチには、とてもうまいパイや、蝦や、羊のカツレツが出された。彼等がそれをやつてゐる間に、コックのニカノールが階上へ、お客樣は晩餐に何をお望みかと訊ねに來た。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯 「戀に就いて」
   『チェーホフ小説選集7 風刺小説篇 公爵夫人
   金星堂 1939/05(昭和14)所収


 

■スペイン語訳 Translation into Spanish

En el desayuno del día siguiente sirvieron unas tortitas deliciosas, cangrejos de río y chuletas de carnero, y mientras desayunábamos subió Nikanor, el cocinero, a preguntar qué deseaban los visitantes para la comida.

   Sobre el amor by Antón Chéjov
   E-text at AlbaLearning

■フランス語訳 Translation into French

Le lendemain, au déjeuner, on servit d’excellents pâtés, des écrevisses et des côtelettes de mouton, et, tandis que l’on mangeait, le cuisinier vint s’informer de ce que l’on désirait pour le dîner.

   De l’amour by Anton Tchekhov
   in L'homme à l'étui, 1883-1902 Paris, Plon, 1929
   Translated from Russian by Denis Roche
   E-text at Scribd.com
   Free scanned book at Ebooks Libres et Gratuits (pdf)


■英訳 Translations into English

(E1) Hingley, 2000
For lunch next day delicious pasties, crayfish and mutton rissoles were served. During the meal Nikanor the cook came upstairs to ask what the guests wanted for dinner.

   Concerning Love by Anton Pavlovich Chekhov 
   Translated by Ronald Hingley
   in The Russian Master and Other Stories (Oxford World's Classics)
   Oxford University Press, 2000/03
   Scanned book at Google Book Search


(E2) Garnett, 1918
At lunch next day there were very nice pies, crayfish, and mutton cutlets; and while we were eating, Nikanor, the cook, came up to ask what the visitors would like for dinner.

   About Love
   in The Wife and Other Stories by Anton Chekhov
   Translated by Constance Garnett
   The Chatto & Windus edition of
   The Tales of Chekhov, Volume 5 (1918)

   E-text at:
   * eBooks@Adelaide, The University of Adelaide Library
   * 201 Stories by Anton Chekhov
   * Project Gutenberg
   * Classic Reader


■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

На другия ден поднесоха за закуска много вкусни пирожки, раци и овнешки кюфтета; и докато ядяха, готвачът Никанор дойде горе да се осведоми какво желаят гостите за обед.

   Антон Павлович Чехов - За любовта
   E-text at Моята библиотека (chitanka.info)


 Audio 
ロシア語原文のオーディオブック(朗読) Audiobook in Russian

Uploaded to YouTube by Георгий Дирюгин on 15 Oct 2013


■ロシア語原文 The original text in Russian

На другой день к завтраку подавали очень вкусные пирожки, раков и бараньи котлеты; и пока ели, приходил наверх повар Никанор справиться, что гости желают к обеду.

   Антон Чехов - О любви (1898)
   Concerning Love / About Love (1898) by Anton Pavlovich Chekhov
   E-text at ilibrary.ru


■この連中はいったい何を食っておるのか? What are these guys eating anyway?

  • 朝食, ランチ or lunch?
  • ピロシキ, ピローグ, パイ, pasties or pies?
  • エビガニ、えび, ざりがに, エビ, 蝦 or crayfish?(表記のちがいはともかく)
  • 羊のカツレツ, 羊のハンバーグ, mutton rissoles or mutton cutlets?
  • ニカノールがリクエストを取りに来たのは、
    • 午餐, 昼食, 午餐(ディナー), 午餐(ごさん), 晩餐 or dinner?

■Bibliography on translations into English


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014/11/05 スペイン語訳とブルガリア語訳の訳文、ならびにロシア語原文のオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2011/04/25 原卓也=訳の書誌情報を補足しました。
  • 2010/03/26 中村喜和=訳 2009/02/01 の訳文を挿入しました。
  • 2010/03/09 中村喜和=訳 2009/02/01 の書誌情報を追加しました。訳文は追って挿入するつもりです。
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恋について 2 3 »

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Tuesday, 22 April 2008

Антон Чехов - Чайка (3) The Seagull by Anton Pavlovich Chekhov (3) チェーホフ『かもめ』 (3)

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■はじめに Introduction

下に引用するセリフは、『かもめ 四幕の喜劇』の第四幕から。


■日本語訳——表紙画像コレクション
 Japanese translations: Cover photo collection

a. 浦 雅春 訳 『かもめ』 岩波文庫 (2010)
  カバー折り返しのキャプションによると、このカバー写真は「モスクワ芸術座
  の俳優たちと『かもめ』を読むチェーホフ(中央、1899年5月)」だそうです。
b. 中本信幸訳 『かもめ』 新読書社 (2006)
c. 松下 裕 訳 『チェーホフ戯曲選』 水声社 (2004)
d. 堀江新二訳 『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー 群像社 (2002)
e. 小田島雄志訳 『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス (1998)
f. 原 卓也 訳 「かもめ」 『集英社ギャラリー ロシア1』 集英社 (1991)
g. 湯浅芳子訳 『かもめ』 岩波文庫 (1976)
h. 神西 清 訳 『かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 (1967)

↓ Click to enlarge ↓

a. Ja_ura_iwanami_bunko_2010_2 b. Ja_2004_nakamoto_shindokushosha c. Ja_2004_matsushita_suiseisha

d. Ja_2002_horie_guzosha e. Ja_1998_odashima_hakusuisha f. Ja_1991_shueisha_gallery_russia

g. Ja_yuasa_iwanami_bunko_1976 h. Ja_1967_jinzai_shincho_bunko


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2011
トレープレフ:(悲しげに)君は自分の道を見つけたんだね。進むべき方向を見つけたんだ。けれどもぼくはいつまでたっても夢とイメージのカオスのなかをさまよい歩くばかりだ。誰のために書いているのか、誰から必要とされているのかも分からないままだ。ぼくには信念がない。自分の使命も何なのか分からない。

   アントン・チェーホフ=作 佐藤康(さとう・やすし)=訳
   「かもめ」(マルコヴィッチ&モルヴァンによるフランス語版から)
   その9(最終回)
   四幕の喜劇 1895年オリジナル版
   とんぼのメガネ 2011/01/10


(J2) 浦 2010
トレープレフ:(打ち沈んで)君は自分の道を見つけて、自分がどこに向かっているのかが分かっている。ところが、ぼくときたら、相も変わらず混沌とした夢とイメージの世界を右往左往するばかりで、なんのために誰のためにこんなことをしているのか、それが分からないでいるんだ。ぼくには信じられるものがないし、何がぼくの天職であるかも分からない。

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳
   『かもめ』 岩波文庫 2010/01/15


(J3) 沼野 2008
トレープレフ:(悲しげに)きみは自分の道を見つけ、自分がどこに行こうとしているか知っている。でもぼくは相変わらず、混沌とした空想とイメージの中を駆け回っていて、それが何のために、誰に必要なことかもわからない。ぼくは信じることができないし、自分の天職が何なのかもわからない。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 沼野充義=訳
   「かもめ—四幕のコメディ」 『すばる』 集英社 2008年7月号収載
   この翻訳を使用した舞台「かもめ」(演出:栗山民也、出演:藤原竜也、
   鹿賀丈史ほか)は、東京・大阪・広島・名古屋を巡業中。公演「かもめ」
   公式サイト(ホリプロ)は こちら。公式ブログは こちら


(J4) 中本 2006
トレープレフ:(悲しそうに)あなたは自分の道を見つけた、どこへ進んでいるか知っている。だがぼくは相変わらず、幻覚と幻影の混沌のなかをさまよい、いったいだれに、なんのためにそれが必要なのかも知らない。ぼくには信仰心がない、自分の天職がなにかも、わかっていない。

   アントン・チェーホフ=作 中本信幸=訳
   『かもめ』 新読書社 2006/07


(J5) 堀江 2002
ドラマリーディング/チェーホフ「かもめ」第4幕/表現よみオーの会

チェーホフ生誕150年を記念したドラマリーディング「かもめ」。第4幕のコースチャとニーナの対話の場面。表現よみオーの会10周年公演 2010-10-30 から。コースチャ(渡辺知明)、ニーナ(松岡未央)、『かもめ』 群像社刊、翻訳・堀江新二、脚色・渡辺知明、撮影・宇野和宏。下に引用するコースチャの台詞は 8:00 あたりから。

コースチャ:(悲しげに)君は自分の道を見出したし、どこに向かって進むべきか知っている。ところが、僕ときたら、相変らず、夢とイメージの混沌とする中で、それがだれに、何のために必要なのかも分からず、ただ走り回っている。僕には信念もないし、自分の使命が何なのかも分かっていないんだ。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 堀江新二=訳
   『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー4 群像社 2002/11


(J6) 堀内 2000-2005
トレープレフ:(悲しい)君は……、君の道を見つけたんだね。どうやって進めばいいのかもわかってるんだ。でも僕は、まだ夢と幻想の渾沌とした世界で、それがなんのためなのかもわからない。信じられない。これが人生だなんて、信じられない。

   アントン・チェーホフ=作 堀内仁=訳
   「かもめ」 現代演劇翻訳テキスト集
   Copyright (c) LABO! & Horiuchi Jin, 2000-2005
   LABO! の公演用に訳出されたもの。以下のような注記があります:

   なにより「面白い」上演のためのテキストたらんことを望みました。
   そのため、原書に対しては必ずしも忠実ではありません。
   また、アカデミックな研究には寄与するものではないことをご了解ください。


(J7) 小田島 1998
トレープレフ:(悲しげに)きみは自分の道を見つけたんだね——どこへ行くのかもわかってるんだ。ぼくのほうはまだ、夢と幻影のカオスの世界をさまよい、それがだれのために、なんのために必要なのかもわからないままだ。信念はもってないし、自分の天職がなんであるかもいまだにわからないでいる。

   アントン・チェーホフ=作 小田島雄志=訳
   『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス126 1998/12
   マイケル・フレインの英訳(The Seagull, translation by Michael Frayn, 
   Translation copyright (c) 1988, 1991)からの重訳


(J8) 松下 1988, 1993, etc.
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を見いだして、行くべきところを知っている。ところが僕はあいかわらず、幻想と想像のカオスのなかを駆けていて、なんのために、だれにそんなことが必要なのかがわからないんだ。僕は信じられないし、自分の使命がどこにあるのかもわからない。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   a.チェーホフ戯曲選』 水声社 2004/09 所収
   b.チェーホフ全集11 三人姉妹・桜の園』 ちくま文庫 1993/10 所収
   c.チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988/06 所収
   引用は c. に拠りました。


(J9) 木村(浩) 1979
トレープレフ:(悲しげに)君は自分のいく道を見つけて、それがどこへいくのか、ちゃんと知っている。ところが、このぼくは相変わらず妄想と幻影のどろ沼のなかをふらつきながら、それが誰に、なんのために必要なのかもわからずにいる。ぼくは何も信じることができず、自分の使命が何であるかも、わからずにいるのだ。

   チェーホフ=作 木村浩=訳 「かもめ」
   『世界文学全集39 チェーホフ』 学習研究社(学研) 1979/09 所収


(J10) 原 1978, 1991
トレープレフ:(悲しそうに)あなたは自分の道を見いだして、自分の進んでゆく先を知っているのに、僕は相変わらず幻想とイメージのカオスの中をさまよいながら、そんなことがだれにとって何のために必要なのかも、わからずにいる始末なんだ。僕は信じていないし、何が自分の使命かもわからないんです。

   チェーホフ=作 原卓也=訳「かもめ」
   a.集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収
   b.集英社版 世界文学全集59』 綜合社=編集 集英社=発行
      1978/04 所収
   引用は b. に拠りました。


(J11) 木村(彰) 1976
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を発見しましたね。自分がどこを目指しているかもあなたはちゃんとご存じだ。ところがぼくはいつまでたっても幻想とイメージの混沌の中をさまよい歩くだけで、それがだれに、なんのために必要なのかもわからずにいる。ぼくには信ずるものがない。自分の使命がどこにあるかもわからないんです。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「かもめ」
   『豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収


(J12) 石山+飯田 1960
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   チェーホフ=作
   石山正三(いしやま・しょうぞう)+飯田規和(いいだ・のりかず)=訳
   「かもめ」
   『ポータブル・チェーホフ』 ポータブル・ライブラリィ
   パトリア・ブックス22 パトリア書店 1960/05 所収


(J13) 中村 1959
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を発見されました、自分がどこへ進んでいるかを知っていらっしゃる。ところが、僕はいぜんとして、それが誰に、またなんのために必要なのかも知らないで、夢想と幻影の混沌裡を彷徨しているのです。僕は信仰をもちませんし、自分の使命がどこにあるのやら、それすら知らない有様です。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「かもめ」
   『新版世界文学全集20 桜の園・三人姉妹
   新潮社 1959/01 所収


(J14) 倉橋 1956
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を見つけた、自分がどこへ進んでいるか知っている。ところが、僕はいまだにまだ、夢と幻影の混沌とした世界をさまよい歩いていて、それが誰に、またなんのために必要なのかも知らない。僕には信じるものがなく、そして自分の使命が何であるかもわかっていない。

   チェーホフ=作 倉橋健(くらはし・たけし)=訳 「かもめ」
   『チェーホフ名作集』 白水社 1956/09/20 所収


(J15) 神西 1954, 1967, etc.
トレープレフ:(悲しそうに)君は自分の道を発見して、ちゃんと行く先を知っている。だが僕は相変らず、妄想(もうそう)と幻影の混沌(こんとん)のなかをふらついて、一体それが誰に、なんのために必要なのかわからずにいる。僕は信念がもてず、何が自分の使命かということも、知らずにいるのだ。

   チェーホフ=作 神西清=訳 「かもめ」
   a. 青空文庫 電子テキスト作成作業中
   b.新潮世界文学23 チェーホフ』 新潮社 1969/07 所収
   c.かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 1967/09 所収
   14d.世界文学全集 第1期 第12』 河出書房 1954 所収

   神西訳は、以上のほか多数の版に収められています。その詳細なリストは、
   たとえば『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』岩波文庫(改版)
   2004/09 の巻末にある「神西清訳のチェーホフ作品」で見ることができます。
   a. の底本は c.。引用は c. に拠りました。


(J16) 湯浅 1952, 1976
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を発見された、あなたはどこへ行くかを知っていられる。だがぼくはいまだにまだ、夢想と形象の混沌のなかに漂っていて、なんのために、また誰に、それが必要なのか、知らないのです。僕は信じていず、知りません、ぼくの使命は何にあるのか。

   チェーホフ=作 湯浅芳子=訳
   a.かもめ』 岩波文庫(改版)1976/05
   b. 『かもめ』 岩波文庫(初版)1952/05
   引用は a. に拠りました。


(J17) 中村 1935
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を發見なすつた、あなたは自分が何處へ進んでゐるかを知つていらつしやる。が、僕は依然として、それが誰に、何のために必要なのかも知らないで、夢想と幻像の混沌裡に漂泊してゐるのです。僕は信仰を持ちませんし、自分の使命が何處にあるのやら、それすら知らない有樣です。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯
   『チェーホフ全集13 かもめ』 金星堂 1935/07(昭和10)


(J18) 米川 1923, 1964, etc.
トレープレフ:(悲しげに)あなたは自分の道を發見なすつた。あなたは自分がどこへ進んでゐるか御存知です。ところが僕は依然として空想と幻像の混沌世界を彷徨して、それが何のために、誰に必要なのか知らないのです。僕には信仰がありません。そして何處に僕の使命があるのか、それさへ知らないんです。

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「かもめ」
   a. 中村白葉〔ほか〕=訳
     『決定版ロシア文学全集15 チェーホフ1』(全35巻)
     日本ブック・クラブ 1970/09 所収
   b. 中村白葉、原久一郎〔ほか〕=訳
     『ロシア・ソビエト文学全集22 チェーホフ1』(全35巻)
     可愛い女 ヴァーニャ伯父さん 三人姉妹 かもめ
     六号室 犬をつれた奥さん 他
     平凡社 1964/05 所収
   c.近代劇大系 第14卷 露西亞篇2
       近代劇大系刊行會 非賣品 1923/08(大正12)所収
   引用は c. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

TREPLEV.- (Tristemente.) ¡Porque ha encontrado su camino! ¡Conoce dónde va!... ¡Yo, en cambio, floto en un caos de sueños e imágenes, sin saber para qué ni para quién esto es necesario! ¡No creo, y no sé cuál es mi vocación!

   La gaviota by Anton Pavlovich Chejov
   Translated by E. Podgursky
   E-text at:
   * Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes
   * Biblioteca Digital de Estudios Sociales [doc]
   * World Public Library


■ソ連映画 『チェーホフのかもめ』 監督: ユーリー・カラーシク Part 11
 Chayka / The Seagull (1970) directed by Yuli Karasik - Part 11

チェホフのかもめ (1971) - allcinema 下に引用する台詞が現れるのは7:35あたりから。 The lines quoted below appear around 7:35.


■英訳 Translations into English

(E1) Deemer, 2004
TREPLEV: You've found your bearings, Nina. I still wander around in a haze of dreams and images. I can't make sense of them, I don't know why I write. I have no faith. I don't even know if I have a calling.

   The Seagull Hyperdrama
   A play with simultaneous action
   based on Chekhov's The Seagull
   Charles Deemer
   Sextant Books, 2004
   Paperback: Three Moons Media, 2004

   E-text at
   * Ibiblio Deemer Literary Archive
   * The Seagull Hyperdrama (PDF)


(E2) Calderon, 1912
TREPLIEFF. [Sadly] You have found your way, you know where you are going, but I am still groping in a chaos of phantoms and dreams, not knowing whom and what end I am serving by it all. I do not believe in anything, and I do not know what my calling is.

   The Sea-Gull, A Play in Four Acts
   by Anton Checkov
   Translated by George Calderon

   First published in:
   Two Plays by Tchekhof: The Seagull, The Cherry orchard
   Grant Richards: London, 1912.
   Scanned images of this edition at Internet Archive
   
   E-text at
   * Project Gutenberg
   * Project Gutenberg
   * Landscapes in Russian Literature and Art (PDF)
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■ロシア語原文 The original text in Russian

Треплев (печально). Вы нашли свою дорогу, вы знаете, куда идете, а я все еще ношусь в хаосе грез и образов, не зная, для чего и кому это нужно. Я не верую и не знаю, в чем мое призвание.

   Антон Павлович Чехов - Чайка
   E-text at
   * ilibrary.ru
   * Landscapes in Russian Literature and Art
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■Bibliography on translations into English

   * Anton Chekhov Biography
    (Andreas Teuber Home Page)


■外部リンク External links

   * The Seagull - Wikipedia
   * Anton Chekhov - Wikipedia (1860-1904)
   * Anton Chekhov - drama21c.net
   * The Seagull - Mahalo
   * かもめ (チェーホフ) - Wikipedia
   * アントン・チェーホフ - Wikipedia


■更新履歴 Change log

2012/03/03 佐藤康=訳 2011/01/10 を追加しました。
2011/05/15 「はじめに」の項と、ソ連映画 『チェーホフのかもめ』の YouTube
         動画を追加しました。
2011/05/13 ドラマリーディング/チェーホフ「かもめ」第4幕/表現よみオーの会の
         YouTube 動画を追加しました。
2010/02/25 浦雅春=訳 2010/01/15 を追加しました。
2010/01/06 倉橋健=訳 1956/09/20 を追加しました。
2009/08/28 木村浩=訳 1979/09 を追加しました。
2008/07/14 沼野充義=訳 2008/07 を追加しました。
2008/05/28 中村白葉=訳 1959/01 を追加しました。
2008/05/06 松下裕=訳 1988/06 と木村彰一=訳 1976/10 を追加しました。

 

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Sunday, 20 January 2008

Антон Чехов - Кто виноват? / Who Was To Blame? by Anton Chekhov チェーホフ 「臆病なのは誰のせい?」「だれの罪か」

           目次 Table of Contents

   ■はじめに Introduction
    Images  DVDのジャケット DVD covers
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 青木 2003
     (J2) 原 1960, 1976
   ■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese
     (Pt1) Castro, 2007
     (Pt2)
   ■フランス語訳 Translation into French
   ■英訳 Translation into English
   ■ロシア語原文 The original text in Russian
   ■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

チェーホフの短編から抜粋して引用します。猫にまつわるアンソロジーによく収められている作品です。


 Images 
DVDのジャケット DVD covers

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. B0002gls6w_chekhovian_motifs b. B00005uq7y_seagull_broadway c. B000o17102_chekhov_dvd


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 青木 2003
 子猫は、叔父の方をびっくりして見上げてから、肘掛け椅子の方を見て、面食らった顔でネズミ取りのにおいをかいだ。すると——まぶしいランプのあかりとみんながじっと見ているのに、きっとびっくりしたのだろう——怖がって、戸口に向かって逃げ出した。
 「止まれ!」叔父は、子猫のしっぽをつかまえて叫んだ。
 「止まるんだ! このくそ猫め! 猫がネズミを怖がってどうする、この馬鹿が! いいか、こいつはネズミなんだ。ほら、よく見ろ! いいか? 見るんだ、わかったな!」
 ピョートル・デミヤニッチは、子猫のえり首をつかんで持ち上げ、鼻先をネズミ取りに押しつけた。

   アントン・チェーホフ=作 青木榮一=訳 「臆病なのは誰のせい?」
   クリーヴランド・エイモリー=編 ロビン・アップワード〔ほか〕=写真
   『お気に入りの猫物語—世界の猫文学10選
   ディーエイチシー (DHC) 1995/12 所収
   原文の傍点を下線で置き換えました。

   原書:
   Cat Tales: Classic Stories from Favorite Writers,
   edited by Cleveland Amory, photographed by Robin Upward et al.
   * Paperback: Studio (1993)
   * Hardcover: Viking Press (1989)


(J2) 原 1960, 1976
 仔猫はびっくりして伯父や肘掛椅子を眺め、いぶかしそうにネズミ捕りの匂いをかいでいたが、やがて、明るいランプの光や、自分に注がれている注意などにおびえきったと見え、身をひるがえすなり、恐怖にかられて戸口の方に逃げかけた。
「待てィ。」伯父が仔猫の尻尾をつかんで叫んだ。「待て、何という卑怯者だ! ネズミをこわがるなんて、バカ者! よく見ろ、これはネズミだぞ! ほら、見てみろ! ええ? 見ろと言ったら見るんだ!」
 ピョートル・デミヤーヌイチは仔猫の頸根っ子をつかまえて、その鼻面をネズミ捕りにこすりつけた。

   チェーホフ=作 原卓也=訳 「だれの罪か」
   神西清, 池田健太郎, 原卓也=訳
   2a.チェーホフ全集6 小説(1886-87)』 中央公論社 1976/06 所収
   2b.チェーホフ全集6 小説(1886-87)』 中央公論社 1960/08 所収


■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese

(Pt1) Castro, 2007
O gatinho, surpreso, olhava para o titio, para a poltrona, farejou a ratoeira com ar perplexo, depois, na certa assustado com a luz clara da lâmpada e com as atenções dirigidas a ele, teve um sobressalto e correu apavorado na direção da porta.

- Pare! – gritou o tio, agarrando-o pelo rabo. – Pare seu canalha! O palerma assustou-se com o rato! Veja: isso é um rato! Olhe bem! E então? Olhe, estou mandando!

Piotr Demiánitch segurou o gatinho pelo cangote e esfregou o seu focinho na ratoeira.

   Quem é o culpado? by Anton Pavlovitch Tchekhov
   Translated by Tanira Castro
   in Os Melhores contos de cães e gatos
   by Flávio Moreira da Costa, Celina Portocarrero
   Ediouro Publicações, 2007
   Preview at Google Books
   E-text at Quem é o culpado? [PDF]


(Pt2)
Chekhov_portuguese
    E-text at Livros classicos


■フランス語訳 Translation into French

Chekhov_french
    E-text at voselivres.org


■英訳 Translation into English

The kitten looked wonderingly at my uncle, at his arm-chair, sniffed the mouse-trap in bewilderment, then, frightened probably by the glaring lamplight and the attention directed to him, made a dash and ran in terror to the door.

"Stop!" shouted my uncle, seizing him by the tail, "stop, you rascal! He's afraid of a mouse, the idiot! Look! It's a mouse! Look! Well? Look, I tell you!"

Pyotr Demyanitch took the kitten by the scruff of the neck and pushed him with his nose against the mouse-trap.

   Who Was To Blame?
   from The Cook's Wedding and Other Stories (1922) by Anton Chekhov
   Translated by Constance Garnett
   E-text at:
   * Project Gutenberg
   * Read Easily
   * Classiq.net
   * Read Print


■ロシア語原文 The original text in Russian

Котенок удивленно поглядел на дядю, на кресла, с недоумением  понюхал  мышеловку,  потом,  испугавшись,  вероятно,  яркого  лампового   света   и  внимания, на него направленного, рванулся и в ужасе побежал к двери.

- Стой! - крикнул дядя, хватая его за хвост. - Стой,  подлец  этакий!  Мыши, дурак, испугался!  Гляди:  это  мышь!  Гляди  же!  Ну?  Гляди,  тебе говорят!

Петр Демьяныч взял котенка за шею и потыкал его мордой в мышеловку.

   Антон Павлович Чехов - Кто виноват?
   E-text at Lib.Ru


■更新履歴 Change log

2013-09-21 目次を新設しました。


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Tuesday, 15 January 2008

Антон Чехов - Чайка (2) The Seagull by Anton Pavlovich Chekhov (2) チェーホフ 『かもめ』 (2)

« 1 The Seagull 3 4 »
« 1 かもめ 3 4 »

■はじめに Introduction

チェーホフの戯曲『かもめ 四幕の喜劇』。その第一幕冒頭のセリフを、さまざまな言語のさまざまな訳者による訳文、およびロシア語原文で、下に引用する。


 Images 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

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en Seagull_english de 41hb9ndhpal_2 ru 1000269031


■中國語譯(繁體字) Translations into traditional Chinese

梅德威丹科: 你為什麼老是穿黑色的衣服?
瑪莎: 我在為我的生活服喪,我不快樂。

   契訶夫  《海鷗》
   Quoted in 寫作戲劇化教學 林怡沁 (Yiqin Lin) 秀威資訊, 2013/01/01
   Preview at Google Books


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2010
メドヴェジェンコ: どうしてなんです? いつも黒を着てらして。
マーシャ: 自分の人生の喪に服しているんです。幸せだったことがありませんから。

   アントン・チェーホフ=作 佐藤康(さとう・やすし)=訳
   かもめ(マルコヴィッチ&モルヴァンによるフランス語版から)その1
   四幕の喜劇 1895年オリジナル版
   とんぼのメガネ 2010/12/24


(J2) 浦 2010
メドヴェジェンコ: あなたはいつも黒い服をお召しですが、どうしてです?
マーシャ: これはあたしの人生の喪服なの。あたし不幸なんですもの。

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳
   『かもめ』 岩波文庫 2010/01/15


(J3) 沼野 2008
メドヴェジェンコ: どうしていつも黒い服を?
マーシャ: 人生の喪服なの。不幸だから。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 沼野充義=訳
   「かもめ—四幕のコメディ」 『すばる』 集英社 2008年7月号収載
   この翻訳を使用した舞台「かもめ」(演出:栗山民也、出演:藤原竜也、
   鹿賀丈史ほか)は、東京・大阪・広島・名古屋を巡業中。公演「かもめ」
   公式サイト(ホリプロ)は こちら。公式ブログは こちら


(J4) 中本 2006
メドヴェジェーンコ: どうしてあなたは、いつも黒い服なんです?
マーシャ: これ、あたしの人生の喪服なの。あたし、不幸な女です。

   アントン・チェーホフ=作 中本信幸=訳
   『かもめ』 新読書社 2006/07


(J5) 堀江 2002
メドヴェジェーンコ: どうしていつも黒い服なんです?
マーシャ: これ、人生の喪服。私、幸せじゃないから。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 堀江新二=訳
   『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー4 群像社 2002/11


(J6) 堀内 2000-2005
メドヴェジェンコ: どうして? ねえ、どうしていつも黒い服なわけ?
マーシャ: 人生お先真っ暗で、幸せなんかどこにもないからでしょ。

   アントン・チェーホフ=作 堀内仁=訳
   「かもめ」 現代演劇翻訳テキスト集
   Copyright (c) LABO! & Horiuchi Jin, 2000-2005
   LABO! の公演用に訳出されたもの。以下のような注記があります。

   なにより「面白い」上演のためのテキストたらんことを望みました。
   そのため、原書に対しては必ずしも忠実ではありません。
   また、アカデミックな研究には寄与するものではないことをご了解ください。


(J7) 小田島 1998
メドヴェジェンコ: どうしてあなた、いつも黒い服を?
マーシャ: これは人生を弔う喪服なの。私、ふしあわせな女だから。

   アントン・チェーホフ=作 小田島雄志=訳
   『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス126 1998/12
   マイケル・フレインの英訳(The Seagull, translation by Michael Frayn, 
   Translation copyright (c) 1988, 1991)からの重訳


(J8) 原 1991
メドヴェージェンコ: どうして、いつも黒い服を着てらっしゃるんです?
マーシャ: これはあたしの人生の喪服なの。あたし、不幸な女ですもの。

   アントン・П・チェーホフ=作 原卓也=訳
   「かもめ——四幕の喜劇」 チェーホフ戯曲集
   『集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシア1』 集英社 1991/03 所収


(J9) 松下 1988, 1993, etc.
メドヴェジェーンコ: どうしてあなたはいつも黒い服を着てるんですか。
マーシャ: これはわたしの人生の喪服(もふく)なの。わたしは不幸な女なの。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   a.チェーホフ戯曲選』 水声社 2004/09 所収
   b. チェーホフ全集11 三人姉妹・桜の園』 ちくま文庫 1993/10 所収
   c.チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988/06 所収
   引用は c. に拠りました。


(J10) 木村(浩) 1979
メドヴェジェンコ: なんだってあなたはいつも黒い服ばかり着ているんです?
マーシャ: これは喪服なのよ、あたしの人生の。だって、あたし不幸せな女ですもの。

   チェーホフ=作 木村浩=訳 「かもめ」
   『世界文学全集39 チェーホフ』 学習研究社(学研) 1979/09 所収


(J11) 木村(彰) 1976
メドヴェーデンコ: どうしてあなたは、いつも黒い服ばかり着てらっしゃるんです?
マーシャ: これはわたしの人生の喪服よ。わたしは不幸な女なの。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「かもめ」
   『豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収


(J12) 石山+飯田 1960
メドヴェヂェンコ: あなたはなぜいつも黒い服を着ていらっしやるのでか[ママ]?
マーシャ: これは私の生活をとむらう喪服ですわ。私不幸なんです。

   チェーホフ=作
   石山正三(いしやま・しょうぞう)+飯田規和(いいだ・のりかず)=訳
   「かもめ」
   『ポータブル・チェーホフ』 ポータブル・ライブラリィ
   パトリア・ブックス22 パトリア書店 1960/05 所収


(J13) 中村 1959
メドヴェヂェンコ: どうしてあなたは、いつも黒い服ばかり着てらっしゃるんです?
マーシャ: 喪服ですわこれは——わたしの人生に対する。わたしは不幸な女なんですもの。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「かもめ」
   『新版世界文学全集20 桜の園・三人姉妹
   新潮社 1959/01 所収


(J14) 倉橋 1956
メドヴェーヂェンコ: どうしてあなたはいつも黒い服を着ていらっしゃるんです?
マーシャ: これ、あたしの人生の喪服なの。あたしは、不幸なんです。

   チェーホフ=作 倉橋健(くらはし・たけし)=訳 「かもめ」
   『チェーホフ名作集
   白水社 1956/09/20 所収


(J15) 神西 1954, 1967, etc.
メドヴェージェンコ: あなたは、いつ見ても黒い服ですね。どういうわけです?
マーシャ: わが人生の喪服なの。あたし、不幸せな女ですもの。

   チェーホフ=作 神西清=訳 「かもめ」
   a. 青空文庫 電子テキスト作成作業中
   b.新潮世界文学23 チェーホフ』 新潮社 1969/07 所収
   c.カラー版 世界文学全集22 チェーホフ/イプセン
     河出書房新社 1969/01 所収
   d.かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 1967/09 所収
   e.世界文学全集 第1期 第12』 河出書房 1954 所収

   神西訳は、以上のほか多数の版に収められています。その詳細なリストは、
   たとえば『可愛い女・犬を連れた奥さん 他一篇』岩波文庫(改版)2004/09
   の巻末にある「神西清訳のチェーホフ作品」で見ることができます。
   a. の底本は d.。引用は d. に拠りました。


(J16) 湯浅 1952, 1976
メドヴェーデンコ: どうしてあなたはいつも黒い服をきていらっしゃるんです?
マーシャ: これはわたしの人生の喪服よ。わたしはふしあわせなの。

   チェーホフ=作 湯浅芳子=訳
   a.かもめ』 岩波文庫(改版)1976/05
   b. 『かもめ』 岩波文庫(初版)1952/05
   引用は a. に拠りました。


(J17) 中村 1935
メドヹヂェンコ: どうしてあなたはいつも黒い服ばかり着ていらつしやるんですか?
マーシャ: これはわたしの生に對する喪服ですわ。わたしは不幸な女なんですもの。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯
   『チェーホフ全集13 かもめ』 金星堂 1935/07(昭和10)


(J18) 米川 1923, 1964, etc.
メドヴェジェンコ: なぜあなたはいつも黒い着物をきてらっしゃるんです?
マーシャ: これ、わたしの生に対する喪服ですの。わたしは不仕合せな女ですからねえ。

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「かもめ」
   a. 中村白葉、原久一郎〔ほか〕=訳
     『ロシア・ソビエト文学全集22 チェーホフ1』 (全35巻)
     可愛い女 ヴァーニャ伯父さん 三人姉妹 かもめ
     六号室 犬をつれた奥さん 他
     平凡社 1964/05 所収
   b.近代劇大系14』 近代劇大系刊行會 非賣品 1923/08(大正12)所収
   引用は a. に拠りました。


■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

MEDVEGYENKO Miért jár mindig feketében?
MÁSA Az életemet gyászolom. Boldogtalan vagyok.

  • Anton Pavlovics Csehov - Sirály. Színjáték négy felvonásban. Translated by Makai Imre
  • E-text at ontologia.hu

 Video 1 
イタリア製テレビ映画 Il gabbiano (1969 TV Movie)

Uploaded to YouTube by giuliagenito on 16 Apr 2012. Directed by Orazio Costa Giovangigli.


■イタリア語訳 Translation into Italian

MEDVEDENKO : Perché sei sempre vestita di nero?
MAŠA : E’il lutto per la mia vita. Sono infelice.

  • Il Gabbiano di Anton Cechov. Translated by Fausto Malcovati
  • E-text at provincia.bz.it [PDF]

■スペイン語訳 Translation into Spanish

MEDVEDENKO.- ¿Por qué va usted siempre vestida de negro?
MASCHA.- Llevo luto por mi vida. Soy desgraciada.


■フランス語訳 Translations into French

(F1)
Medvédenko – D’où vient que vous soyez toujours en noir ?
Macha – Je suis en deuil de ma vie. Je ne connais pas le bonheur.


(F2)
Medvédenko – Pourquoi portez-vous toujours le noir ?
Macha – Je suis en deuil de ma vie. Je suis malheureuse.

   La Mouette by Anton Tchékhov
   Excerpt at Theatre de L'Odeon (PDF)


 Video 2 
イギリス・アメリカ合作映画 The Sea Gull (1968)

Uploaded to YouTube by ronnola on 7 Sep 2011. Directed by Sidney Lumet.


■英訳 Translations into English

(E1) Deemer, 2004
MED: Masha, tell me - why do you always wear black?
MASHA: Because I'm in mourning and miserable.


(E2) Heim, 2003
MEDVEDENKO: Why do you wear black all the time?
MASHA: I'm in mourning for my life, I'm unhappy.

  • Act One, The Seagull, from Chekhov: The Essential Plays. Written by Anton Chekhov. Translated by Michael Henry Heim. Published by Modern Library

(E3) Calderon, 1912
MEDVIEDENKO. Why do you always wear mourning?
MASHA. I dress in black to match my life. I am unhappy.


■ドイツ語訳 Translation into German

Medwedenko: Warum gehen Sie eigentlich immer in Schwarz?
Mascha: Aus Trauer um mein Leben. Ich bin unglücklich.

   Die Möwe by Anton Tschechow
   Excerpt at Zeit Online


 Video 3 
ソ連映画 『チェーホフのかもめ』 監督: ユーリー・カラーシク Part 1
Chayka / The Seagull (1970) directed by Yuli Karasik - Part 1

下に引用する冒頭の台詞は1:36あたりから。 Uploaded to YouTube by Guy Sands on 19 Nov 2009. The opening lines quoted below start around 1:36.
チェーホフのかもめ (1971) - キネマ旬報映画データベース
チェホフのかもめ (1971) - allcinema
Chayka (1970) - IMDb


■ロシア語原文 The original text in Russian

Медведенко. Отчего вы всегда ходите в черном?
Маша. Это траур по моей жизни. Я несчастна.


■Bibliography on translations into English


■Latin to Cyrillic to Latin alphabet online converter


■ローマ字→キリル文字変換プログラム

上のオンライン・コンバーターは、高等すぎてわたしには、じゅうぶん使いこなせません。でも、もっと易しそうなサイトもあります。

たとえば、ロシアおもしろ情報サイト「ロシアンぴろしき」のなかに、gonza さんというかたによる ローマ字キリル文字変換 というページがあります。これを使えば、キリル文字なんてこわくない。ほら。

   Anton Pavlovich Chekhov → Антон Павлович Чехов

もちろん、Google 言語ツール などの、英語<->ロシア語翻訳サイトを利用する手もありますが。


■外部リンク External links

 
 
■更新履歴 Change log

  • 2014/11/05 イタリア語訳とハンガリー語訳の訳文、および2本のテレビ・映画の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012/03/03 佐藤康=訳 2010/12/24 を追加しました。
  • 2011/05/13 「はじめに」の項を新設しました。
  • 2010/02/25 浦雅春=訳 2010-01-15 を追加しました。
  • 2010/01/06 倉橋健=訳 1956/09/20 を追加しました。
  • 2009/08/28 木村浩=訳 1979/09 を追加しました。
  • 2008/07/14 沼野充義=訳 2008/07 を追加しました。
  • 2008/05/28 松下裕=訳 1988/06 を追加しました。
  • 2008/04/18 神西清=訳についての書誌情報を修正補足しました。また、リンク誤りが数か所あったのを訂正しました。
  • 2008/04/13 石山正三+飯田規和=訳 1960/05 を追加しました。
  • 2008/03/10 外部リンクの項に、ロシア映画社ホームページへのリンクを追加しました。
  • 2008/01/31 米川正夫=訳 1964/05 を追加しました。
  • 2008/01/23 中村白葉=訳 1959/01 と中村白葉=譯 1935/07 を追加しました。
  • 2008/01/21 木村彰一=訳 1976/10 を追加しました。
  • 2008/01/18 原卓也=訳 1991/03 を追加しました。
  • 2008/01/16 英訳 Charles Deemer, 2004 を追加しました。

 

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Tuesday, 18 July 2006

Антон Чехов - Чайка (1) The Seagull by Anton Pavlovich Chekhov (1) チェーホフ『かもめ』 (1)

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■はじめに Introduction

『かもめ 四幕の喜劇』から第二幕の台詞を下に引用する。


■ソ連映画 『チェーホフのかもめ』 監督: ユーリー・カラーシク Part 5
 Chayka / The Seagull (1970) directed by Yuli Karasik - Part 5

チェホフのかもめ (1971) - allcinema 下に引用する台詞は、このビデオでは省略されている。だが、もし省かれていなかったとすれば、それが現れるべき箇所は6:30あたりである。 The lines quoted below are omitted from this video but, if there were not omitted, they are supposed to be around 6:30.


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 佐藤 2011
トリゴーリン:(……)駆け出しの頃はチャンスに恵まれないと、自分を愚鈍で不器用で浅はかだと思ったもんさ。神経ばっかりピリピリさせて、美術やら文学の関係者の周りをうろつき回っていたもんだ。無名で誰にも注目されず、有り金を残らずすっちまった博打狂いのように、真正面から物を見ることが怖かった。

   アントン・チェーホフ=作 佐藤康(さとう・やすし)=訳
   「かもめ」(マルコヴィッチ&モルヴァンによるフランス語版から)
   その5 (第二幕の終わりまで)
   四幕の喜劇 1895年オリジナル版
   とんぼのメガネ 2011/01/01


(J2) 浦 2010
トリゴーリン:(……)うだつの上がらない群小作家は、えてして自分のことをなんだかぎくしゃくした、居心地のわるい余計者だと考えがちで、神経は張りつめ、いつ何時ぷつりと切れないともかぎらない。物欲しそうに、文学や芸術関係者のまわりをうろつき回るんですが、まだ認められない者の悲しさ、一顧だにされないものだから、相手の目すらまともに見ることもできない。一文なしの、向こう見ずな博打(ばくち)打ちさながらですよ。

   チェーホフ=作 浦雅春(うら・まさはる)=訳
   『かもめ』 岩波文庫 2010/01/15


(J3) 沼野 2008
トリゴーリン:(……)ちっぽけな作家というものは、とくにうまく行かないとき、自分がぶざまで不器用な余計者のような気がするものです。神経がぴりぴり、いらいらして、文学や芸術に関わっている人たちの周りをひたすらぶらついているのに認めてもらえず、誰の目にもとまらない。お金がないくせに賭け事に熱中している男みたいに、人の目をまともに覗きこむことも恐くてできない。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 沼野充義=訳
   「かもめ—四幕のコメディ」 『すばる』 集英社 2008年7月号収載
   この翻訳を使用した舞台「かもめ」(演出:栗山民也、出演:藤原竜也、
   鹿賀丈史ほか)は、東京・大阪・広島・名古屋を巡業中。公演「かもめ」
   公式サイト(ホリプロ)は こちら。公式ブログは こちら


(J4) 中本 2006
トリゴーリン:(……)かけ出しの作家というものは、とくに不遇な時代ときたら、われながら場違いの不細工な余計者みたいな気のするものでしてね、神経ばかり緊張していらいらしているのです。ただもう文学や芸術関係者たちのまわりをやたらにうろつき回る。認めてもらえず、だれの目にもとまらず、しかもこっちから相手の目を、まともに大胆に見る勇気もない、まあ、一文なしのばくち気違いといったところです。

   アントン・チェーホフ=作 中本信幸=訳
   『かもめ』 新読書社 2006/07


(J5) 堀江 2002
トリゴーリン:(……)駆け出しの作家は、上手(うま)く行かないときはことさら、自分がへぼで、不器用で、余計者だって感じるものなんです。神経は張り詰め、ずたずたになる。そして、文学や芸術関係者のまわりを、誰からも気づかれず、認められず、人の目をまともに見ることもできずに、文無しの熱狂的な賭博者よろしく、やたらとふらふら歩き回るのです。

   アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ=作 堀江新二=訳
   『かもめ—四幕の喜劇』 ロシア名作ライブラリー4 群像社 2002/11


(J6) 堀内 2000-2005
トリゴーリン:……まださほど忙しくもない、かけ出しの新人だった頃も、そう、書くのは苦痛だったなあ。とにかく売れてないってだけで、自分が半端に思えてね。文学関係者のまわりをうろついては、相手にもされず、認められず、マトモに誰も見返せない。

   アントン・チェーホフ=作 堀内仁=訳
   「かもめ現代演劇翻訳テキスト集
   Copyright (c) LABO! & Horiuchi Jin, 2000-2005
   (LABO! の公演用に訳出されたもの。なにより「面白い」上演のためのテキス
    トたらんことを望んだ。原書には必ずしも忠実ではない。アカデミックな研究
    に寄与するものでもない——旨の注記がある)


(J7) 小田島 1998
トリゴーリン:(……)若い作家は——特に不遇の時代には——自分が半端もんで余計もんで役立たずみたいな気がするものなんだ。神経ばかりがいら立って、文学・美術の関係者のまわりをただうろうろするんだな、どれにも認められず、相手にもされず、一文なしのばくち打ちみたいに相手の顔をまともに見る勇気もないくせに。

   アントン・チェーホフ=作 小田島雄志=訳
   『かもめ』 ベスト・オブ・チェーホフ 白水Uブックス126 1998/12
   マイケル・フレインの英訳(The Seagull, translation by Michael Frayn, 
   Translation copyright (c) 1988, 1991)からの重訳


(J8) 原 1991
トリゴーリン:(……)二流、三流の作家なんて、特に不遇な時にはなおさらのこと、自分でも不器用な、ぶざまな余計者のような気がするもんだし、神経は張りつめて、ぴりぴりしていますしね。それでも文学や芸術にかかわりのある人たちのまわりをうろつかずにはいられないで、だれにも認められず、心にもとめてもらえずに、まるで一文なしの博打(ばくち)好きみたいに、相手の目を大胆に正視することさえ恐れる始末なんですから。

   アントン・П・チェーホフ=作 原卓也=訳 「かもめ」 チェーホフ戯曲集
   『集英社ギャラリー [世界の文学]13 ロシアI』 集英社 1991/03 所収


(J9) 松下 1988, 1993, etc.
トリゴーリン:(……)駆けだしの作家というものは、とりわけうだつのあがらない時代には、われながらぎこちない、へたくそな、余計者(よけいもの)のような気がするもので、むやみに神経質になって、いらいらしてる。文学者や芸術家のまわりをうろうろせずにはいられないが、ちっとも評判にならず、だれからも認めてもらえない。相手の目をまともに、ひたと見つめることもはばかって、まるで文(もん)なしの賭博狂(とばくきょう)みたいだ。

   アントン・チェーホフ=著 松下裕(まつした・ゆたか)=訳
   a.チェーホフ戯曲選』 水声社 2004/09 所収
   b.チェーホフ全集11 三人姉妹・桜の園』 ちくま文庫 1993/10 所収
   c.チェーホフ全集11 白鳥の歌・かもめ』 筑摩書房 1988/06 所収
   引用は c. に拠りました。


(J10) 木村(浩) 1979
トリゴーリン:(……)駆けだしの作家というものは、特にその不遇時代には、自分が手に負えない余計者みたいな気がするものでしてね。神経ばかりやたらにいらだって、ただやみくもに文学や美術をやってる人びとのまわりをうろつきまわるんです。誰からも相手にされず、認めてももらえずに、まるで一文なしの賭博者みたいに、相手の眼をまともに見る勇気もないんですよ。

   チェーホフ=作 木村浩=訳 「かもめ」
   『世界文学全集39 チェーホフ』 学習研究社(学研) 1979/09 所収


(J11) 木村(彰) 1976
トリゴーリン:(……)かけ出しの作家というものは、ことに運がむいてこない時にはそうですが、われながら間のぬけた、ぶきっちょな、よけいな人間みたいな気がして、たえず神経をとがらせて、いらいらしているものです。しかも文学や芸術にたずさわる人たちのまわりを、ただもううろうろと歩きまわらずにいられない。存在をみとめてもらえず、だれの目にもつかず、人さまの目を思いきってまっすぐに見る勇気もない。まあ、金のないばくち気ちがいみたいなもんです。

   チェーホフ=作 木村彰一=訳 「かもめ」
   『豪華版 世界文学全集22 チェーホフ』 講談社 1976/10 所収


(J12) 米川 1964
トリゴーリン:(……)若い文士、しかも余り世評華々しくない若い文士は、自分で自分がみっともない、無器用な、余計な人間みたいに思われましてね、神経が過敏になって、引っ掻きむしられたようになります。そして文学や美術に携わっている人達の周囲を、誰にも認められず、誰の目にも入らないくせに、しかもある強い力に引かれて、相手の顔を真直に大胆に見る勇気さえなく、うろうろ物欲しそうに歩き廻っている。それはちょうど、金を持たないカルタ気ちがい宜しくの有様です。

   チェーホフ=作 米川正夫=訳 「かもめ」
   中村白葉、原久一郎〔ほか〕=訳
   『ロシア・ソビエト文学全集22 チェーホフ1』(全35巻)
   可愛い女 ヴァーニャ伯父さん 三人姉妹 かもめ
   六号室 犬をつれた奥さん 他
   平凡社 1964/05 所収


(J13) 石山+飯田 1960
トリゴーリン:(……)ちっぽけな作家というものは、とりわけ運のない時は、自分でも不器用な、間の抜けた、余計な人間だと思うんです。神経ははりつめかきむしられてます。彼は、文学や芸術に縁のある人々のまわりを、ひきよせられるようにさまよう、無名で、誰にも認められず、直接大胆に人の眼をみるのもこわい、ちょうど賭博狂が文なしでいるようなもんです。

   チェーホフ=作
   石山正三(いしやま・しょうぞう)+飯田規和(いいだ・のりかず)=訳
   「かもめ」
   『ポータブル・チェーホフ』 ポータブル・ライブラリィ
   パトリア・ブックス22 パトリア書店 1960/05 所収


(J14) 中村 1959
トリゴーリン:(……)駆け出しの文士は、ことに世評の芳ばしくない時には、自分で自分が無細工な、無器用な、余計なもののように思われて、神経が過敏になり、掻きむしられたようになるものですよ。そして文学や美術に関係のある人達の周囲を、誰にも認められず注意もされずに、まるで金のないカルタ気違いのように、相手の眼をまっすぐ大胆に見る勇気さえなく、しかもどう自ら抑えようもなくて、ただうろうろと歩きまわっている。

   チェーホフ=作 中村白葉=訳 「かもめ」
   『新版世界文学全集20 桜の園・三人姉妹
   新潮社 1959/01 所収


(J15) 倉橋 1956
トリゴーリン:(……)駈け出しの作家は、殊にうだつがあがらない時には、自分で自分がみっともない、ぶきっちょな、余計な人間のように思われましてね、神経が過敏になって、掻きむしられたようになるのですよ。そして文学や美術に携っている人たちの周囲(まわり)を、認めて貰えず、誰からも相手にされず、人の眼を思いきって真直ぐ見ることもよう出来ずに、まるで金を持たない賭博狂のように、うろうろ歩き廻らずにはいられないのです。

   チェーホフ=作 倉橋健(くらはし・たけし)=訳 「かもめ」
   『チェーホフ名作集』 白水社 1956/09/20 所収


(J16) 神西 1954, 1967, etc.
トリゴーリン:(……)駆けだしの文士というものは、殊(こと)に不遇な時代がそうですが、われながら間の抜けた、不細工な余計者みたいな気がするものでしてね、神経ばかりやたらに尖(とが)らせて、ただもう文学や美術にたずさわっている人たちのまわりを、ふらふらうろつき回らずにはいられない。認めてももらえず、誰の目にもはいらず、しかもこっちから相手の眼を、まともにぐいと見る勇気もなく——まあ言ってみれば、一文なしのバクチきちがいといったざまです。

   チェーホフ=作 神西清=訳 「かもめ」
   a. 青空文庫 電子テキスト作成作業中
   b.新潮世界文学23 チェーホフ』 新潮社 1969/07 所収
   c.カラー版 世界文学全集22 チェーホフ/イプセン
     河出書房新社 1969/01 所収
   d.かもめ・ワーニャ伯父さん』 新潮文庫 1967/09 所収
   e.世界文学全集 第1期 第12』 河出書房 1954 所収
   a. の底本は d.。引用は d. に拠りました。


(J17) 湯浅 1952, 1976
トリゴーリン:(……)小作家というものは、ことに運の向かないときには、われながら下手くそな、ぶきっちょな、余計なもののような気がして、神経がはりきってピリピリしています。認めてもらえず、誰にも気づいてもらえない身は、まっすぐ思いきって相手の眼を見ることも恐れながら、まるで金を持たない賭博狂のように、文学や、芸術に携(たずさ)わっている人々のまわりをうろつかずにはいられないものです。

   チェーホフ=作 湯浅芳子=訳
   a.かもめ』 岩波文庫(改版)1976/05
   b.かもめ』 岩波文庫(初版)1952/05
   引用は a. に拠りました。


(J18) 中村 1935, 1953
トリゴーリン:(……)驅け出しの文士は、殊に世評の芳ばしくない時には、自分で自分が無細工な、無器用な、餘計なものゝやうに思はれて、神經が過敏になつて、掻きむしられたやうになるものですよ。そして文學や美術に關係のある人達の周圍を、誰にも認められず注意もされずに、まるで金のないカルタ氣ちがひのやうに、相手の眼を眞直ぐ大膽に見る勇氣さへなく、しかも、どう自ら抑へやうもなくて、たゞうろ/\と歩き廻つてゐる。

   チェーホフ=作 中村白葉=譯
   a.かもめ』 角川文庫 1953/12/30
   b.チェーホフ全集13 かもめ』 金星堂 1935/07(昭和10)
   引用は b. に拠りました。


■スペイン語訳 Translation into Spanish

TRIGORIN.- ( . . . ) El escritor de segunda fila, sobre todo cuando la suerte no le acompaña, se antoja a sí mismo inepto..., se considera «de sobra». Sus nervios desgastados se mantienen en constante tensión, y se pasa el tiempo vagando por los círculos literarios sin ser aceptado ni advertido por nadie. Teme mirar a los ojos de los demás, franca y valerosamente, como el jugador apasionado cuando no tiene dinero...

   La gaviota (Chaika), Comedia en cuatro actos
   by Anton Pavlovich Chejov
   Translated by E. Podgursky
   E-text at:
   * World Public Library
   * Biblioteca Digital de Estudios Sociales (DOC)
   * Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes


■英訳 Translation into English

TRIGORIN. ( . . . ) A young author, especially if at first he does not make a success, feels clumsy, ill-at-ease, and superfluous in the world. His nerves are all on edge and stretched to the point of breaking; he is irresistibly attracted to literary and artistic people, and hovers about them unknown and unnoticed, fearing to look them bravely in the eye, like a man with a passion for gambling, whose money is all gone.

   Act 2
   The Sea-Gull, A Play in Four Acts, by Anton Checkov
   Translated by George Calderon

   First published in:
   Two Plays by Tchekhof: The Seagull, The Cherry orchard
   Grant Richards: London, 1912.
   Scanned images of this edition at Internet Archive
   
   E-text at
   * Project Gutenberg
   * Landscapes in Russian Literature and Art (PDF)
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■ロシア語原文 The original text in Russian

Тригорин. ( . . . ) Маленький писатель, особенно когда ему не везет, кажется себе неуклюжим, неловким, лишним, нервы у него напряжены, издерганы; неудержимо бродит он около людей, причастных к литературе и к искусству, непризнанный, никем не замечаемый, боясь прямо и смело глядеть в глаза, точно страстный игрок, у которого нет денег.

   Антон Павлович Чехов - Чайка
   Комедия в четырех действиях (1896)
   E-text at
   * ilibrary.ru
   * Landscapes in Russian Literature and Art
    by Prof. Gerald Pirog, Rutgers University


■チェーホフの肖像画 Portrait of Chekhov
Chekhov_1898_by_osip_braz
Image: Chekhov 1898 by Osip Braz


■更新履歴 Change log

2012/03/03 佐藤康=訳 2011/01/01 を追加しました。
2011/05/13 「はじめに」の項を新設しました。また、ソ連映画 『チェーホフの
         かもめ』の YouTube 動画を追加しました。
2010/02/25 浦雅春=訳 2010-01-15 を追加しました。
2010/01/06 倉橋健=訳 1956/09/20 を追加しました。
2009/11/05 中村白葉=譯 1953/12/30 の書誌情報を補足しました。
2009/08/28 木村浩=訳 1979/09 の訳文を追加しました。
2009/08/20 木村浩=訳 1979/09 の書誌情報を追加しました。訳文は
         追って挿入するつもりです。
2008/07/14 沼野充義=訳 2008/07 を追加しました。
2008/05/28 松下裕=訳 1988/06 と中村白葉=訳 1959/01 を追加しました。
2008/04/18 中村白葉=譯 1935/07 を追加し、神西清=訳についての書誌
         情報を、さらに修正補足しました。また、リンク誤りが数か所あった
         のを訂正しました。
2008/01/16 スペイン語訳を追加し、神西清=訳と英訳についての書誌情報を
         修正補足しました。また、全角文字表示で見づらく、改行に誤り
         などがあったロシア語原文を、より正確なテキストに改めました。
         さらに、ロシア語原文の電子テキストへのリンクを補足しました。
2008/01/15 湯浅芳子=訳 岩波文庫(改版)の刊行年を誤記していたので
         訂正しました。
2007/08/10 神西清=訳に関する書誌情報に、1969/07 新潮版についての
         情報を追加しました。
2007/07/13 石山正三+飯田規和=訳 1960/05 を追加しました。
2007/06/26 米川正夫=訳 1964/05 を追加しました。
2006/09/10 木村彰一=訳 1976/10 を追加しました。


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