Kanehara Mizuhito 金原瑞人

Saturday, 19 July 2014

Heart of a Samurai by Margi Preus マーギー・プロイス 『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』

■はじめに Introduction

『ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』は、アメリカ人の児童文学作家マーギー・プロイスが英語で書いたジョン万次郎についての物語。史実にフィクションを交えて語られる。2011年に出版され、この年のニューベリー賞オナーの一つに選ばれた。同オナーはコールデコット賞とならんで米国でもっとも権威ある児童文学賞であるニューベリー賞の佳作に相当する。


 Images 
表紙画像 Cover photos

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en 9780810989818


 Video 1 
Heart of a Samurai book trailer

Uploaded to YouTube by lautenbg on 16 Jan 2012.


 Video 2 
ジョン万次郎 1

Uploaded to YouTube by 竹内隆 on 8 Nov 2013.


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) tomoki y. 2014
 「故郷(くに)のことを考えてたのかい?」五右衛門が言った。
 万次郎は、うなずいた。
 「サムライになるという夢も、かなわなかったな。ええ、万次郎?」
 「そうかい?」 万次郎は問い返した。
 「たとえ故郷(くに)に帰れたとしても、なれっこないのは、わかってるだろ。サムライの家に生まれなけりゃ、サムライにはなれない。おまえは漁師の息子として生まれた。だから、漁師になる。もしおまえに息子ができたら、そいつも漁師になる。そういうもんだ。これまで、ずっとそうだった。これからも、ずっとそうさ」
 万次郎はため息をついた。そういう理屈だ。今までずっと、そういう理屈だった。これからもずっとそういう理屈がなりたつんだろうか。

  • マーギー・プロイス=著 Tomoki Yamabayashi=部分訳 『ジョン万次郎 サムライ魂』 tomokilog 2014-07-19
  • 金原氏の下の邦訳を、あえて見ずに作った拙訳です。おそまつさま。

(J2) 金原 2012
 「故郷(くに)のことを考えてるのか?」五右衛門がきいた。
 万次郎はうなずいた。
 「侍にはどうやったってなれないよなぁ、万次郎」
 「どうして?」
 「故郷(くに)に帰れたとしても、なれっこない。わかってるくせに。おまえは侍の家に生まれたんじゃないから。漁師の息子に生まれたもんは、漁師になる。おまえの息子だって、やっぱり漁師になる。そういうもんだ。これまでずっとそうだったし、これからもずっ とそうさ」
 万次郎はため息をついた。そういうもんだからこそため息が出る。これまでずっとそうだったし、これからもずっとそうだろう。


■英語原文 The original text in English

   "Thinking about home?" Goemon said.
   Manjiro nodded.
   "I guess you'll never become a samurai now, huh, Manjiro-chan?"
   "Why not?" Manjiro asked.
   "Even if we should get home, you know very well you can't be. You weren't born into a samurai family. You were born a fisherman's son and you will be a fisherman, and any sons you have, they also will be fishermen. That is the way it is; that is the way it has always been; that is the way it will always be."
   Manjiro sighed. That was always the reason; that had always been the reason; and, he supposed, that would always be the reason.


 eBook Sample  Chapter 1


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Thursday, 12 December 2013

Eighty Days: Nellie Bly and Elizabeth Bisland’s History-Making Race Around the World by Matthew Goodman マシュー・グッドマン 「ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む―4万5千キロを競ったふたりの女性記者」

■はじめに Introduction

1873年に出版されたジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』。この小説に描かれているような大旅行を実際に行ない、しかも八十日よりも短い期間で達成する——そんな冒険に1889年アメリカの二人の女性ジャーナリストが同時に挑んだ。ひとりは東回りで、もうひとりは西回りで。

ネリー・ブライとエリザベス・ビスランド。ふたりは生い立ちも人柄も対照的だったが、時代の先を行く女性であるという点では共通していた。

アメリカのノンフィクション作家マシュー・グッドマンの著書「ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む―4万5千キロを競ったふたりの女性記者」は、背景にある時代や社会、当時の女性の地位などを描きこんだ、たのしい読み物。


 Video 
ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む - 出版社からの広告
Eighty Days - Promotional video from the publisher

Uploaded to YouTube by rhpubgroup on 20 Feb 2013.


■日本語訳 Translation into Japanese

 ネリーはかつてエラズマス・ウィルソンに、自分には人生の目標が四つあると語っていた。ニューヨークの新聞社で働くこと。世界をよりよくすること。恋をすること。億万長者と結婚すること。少なくとも、最初のひとつはすぐに叶えられそうだった。四月のある日、ネリーは会社に現れなかった。どこにいるのかはだれにもわからなかった。やがて、だれかがウィルソンに宛てた書き置きをみつけた。「Q・Oへ」とネリーは書いていた。
「ニューヨークへいきます。わたしを忘れないで。ブライより」


■ドイツ語訳 Translation into German

  Nellie Bly hatte Erasmus Wilson einmal erklärt, sie habe vier Ziele im Leben: für eine New Yorker Zeitung zu arbeiten, die Welt zu verbessern, sich zu verlieben und einen Millionär zu heiraten. Zumindest das erste schien nicht mehr fern zu sein. Eines Tages im April tauchte sie einfach nicht zur Arbeit auf; niemand in der Redaktion wusste, wo sie war, bis jemand die Nachricht fand, die sie Wilson hinterlassen hatte.
  Lieber S.B., hatte sie geschrieben, bin unterwegs nach New York. Behalten Sie mich im Auge. BLY.


■英語原文 The original Text in English

  Nellie Bly had once told Erasmus Wilson that she had four goals in life: to work for a New York newspaper, to reform the world, to fall in love, and to marry a millionaire. The first, at least, seemed immediately attainable. One day in April she simply did not show up for work; no one in the office knew where she was, until someone found the note she had left for Wilson. Dear Q.O., she had written,
  I am off to New York. Look out for me.
                   BLY.


  TV  
NHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリア」

Nhk_historia

Image source: NHK

ネリーとエリザベスの世界一周競争の話題は、NHK総合テレビの番組「歴史秘話ヒストリア」で、去る2016年11月4日と11日の2回にわたって、とりあげられていた。


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016-11-12 NHK総合テレビの番組「歴史秘話」について記述しました。
  • 2014-01-29 荒俣宏氏による書評へのリンクを追加しました。

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Monday, 20 June 2011

Running the Books: The Adventures of an Accidental Prison Librarian by Avi Steinberg アヴィ・スタインバーグ 『刑務所図書館の人びと—ハーバードを出て司書になった男の日記』

■はじめに Introduction

副題のとおり。ハーバード大学を卒業して、ひょんなことから刑務所内にある図書館の司書になった男がつづったルポルタージュ風読み物。下に引用するのは、その冒頭部分。

原書版の表紙がおもしろい。日本語版にも、このデザインを採用できたらよかったのに。クリックして拡大画像をご覧ください。


■表紙画像と肖像写真 Cover photos and a portrait

↓ Click to enlarge ↓

ja Ja_avi_steinberg_running_the_books en En_runningthebooks_cover AS Avisteinberg_portrait_large


[ja] 日本語
タイトル: 刑務所図書館の人びと—ハーバードを出て司書になった男の日記
著者:アヴィ スタインバーグ 
単行本 柏書房
発売日:2011-04
ISBN-10 : 476013980X
ISBN-13 : 9784760139804
版元によるこの本の紹介


[en] English
タイトル: Running the Books: The Adventures of an Accidental Prison Librarian
著者: Avi Steinberg 
ハードカバー
出版社:Nan A. Talese
発売日:2010-10-19
ISBN-10 : 0385529090
ISBN-13 : 9780385529099
Publisher's page for this book


AS
Avi Steinberg. Image source: AviSteinberg.com Photo © Debbi Cooper Photography


■日本語訳 Translation into Japanese

受刑者の中で、いちばん司書に向いているのが風俗の男(ピンプ)。逆にまったく向いていないのがサイコキラーと詐欺師。ギャング、銃器密輸人、銀行強盗は群衆整理がうまく、小人数の協力者と手を組んで、慎重に練った計画を抑え気味のテンションで実行するのが得意。ということは、司書の基本的技能に長けているといっていい。ダフ屋や高利貸しも悪くない。しかしピンプには、ほかのどんな連中にも備わっていない名状しがたい資質がある。それを当のピンプたちは「愛」と呼ぶ。

   第一部 届かなかったもの 第一章 マジな話
   アヴィ・スタインバーグ=著
   金原瑞人(かねはら・みずひと)+野沢佳織(のざわ・かおり)=訳
   『刑務所図書館の人びと—ハーバードを出て司書になった男の日記
   柏書房 2011-05-10


■英語原文 The original text in English

Pimps make the best librarians. Psycho killers, the worst. Ditto con men. Gangsters, gunrunners, bank robbers - adept at crowd control, at collaborating with a small staff, at planning with deliberation and executing with contained fury - all possess the librarian's basic skill set. Scalpers and loan sharks certainly have a role to play. But even they lack that something, the je ne sais quoi, the elusive it. What would a pimp call it? Yes: the love.

   Chapter 1: The up & up and low low
   Running the Books: The Adventures of an Accidental Prison Librarian
   by Avi Steinberg
   Nan A. Talese, 2010-10-19
   Excerpt at:
   * NPR : National Public Radio
   * Avi Steinberg - Facebook
   * Vaughan Public Libraries
   * The New York Times
   * Random House
   * Amazon.co.jp


■外部リンク External links

 [en] English
   * AviSteinberg.com
   * Avi Steinberg’s Prison Library Tales in ‘Running the Books’
     NYTimes.com 2010-10-19
   * Profile of former prison librarian Avi Steinberg
     Harvard Magazine Jan-Feb 2011

 [ja] 日本語
   * 書評 中日新聞 2011-06-12 評者: 中根憲一 (元国立国会図書館員)
   * 書評 日経新聞 2011-06-19 評者: 鴻巣友季子 (翻訳家)


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Sunday, 17 January 2010

Franz Kafka's testament カフカの「遺言」または「遺書」

■Max Brod: Paradies (words written by Franz Kafka)

Max Brod: Paradies - Encyclopedia.com
映し出されるスケッチはカフカ自身が描いたもの。マックス・ブロートがその友カフカの「遺言」にそむき、いわばカフカを裏切ったために、わたしたちは現在こうして目にすることができる。だが、カフカの真意はどうだったか?


■はじめに Introduction

死が近いことを予感していた病身のフランツ・カフカは、自分の既刊・未刊の著作について、どのようにしてほしいと思っていたか? 友人マックス・ブロート宛てに書き残した2枚の紙片が、カフカの死後、彼の机のなかから見つかった。1枚はペン書きで、もう1枚は鉛筆書き。このうち、ペン書きの紙片のほうから下に引用する。


■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information

[zh] 中国語(簡体字)
タイトル: 城堡 (名著译林) 第1版
著者: 作者: (奥地利)弗朗茨·卡夫卡  译者:米尚志
平装
出版社: 译林出版社
出版年: 2009-01
ISBN-10 : 7544708802
ISBN-13 : 9787544708807
目次


[ja] 日本語
タイトル: ロストブックス—未刊の世界文学案内
著者:スチュアート・ケリー 
単行本
出版社: 晶文社
出版年: 2009-08-22
ISBN-10 : 4794967454
ISBN-13 : 9784794967459
出版社による この本の紹介


[ja] 日本語
タイトル: カフカ『断食芸人』〈わたし〉のこと (理想の教室)
著者:三原 弟平 
単行本
出版社: みすず書房
出版年: 2005-12
ISBN-10 : 4622083159
ISBN-13 : 9784622083153
出版社による この本の紹介


[fr] フランス語
タイトル: Franz Kafka ou le cauchemar de la raison
著者: Ernst Pawel 
Mass Market Paperback
出版社: Seuil
出版年: 1998-01-01
ISBN-10 : 2020257327
ISBN-13 : 9782020257329


[en] 英語
タイトル:The Basic Kafka
著者: Franz Kafka 
マスマーケット
出版社: Pocket
出版年: 1984-06-03
ISBN-10 : 067153145X
ISBN-13 : 9780671531454
目次


[de] ドイツ語
タイトル: Eine Freundschaft. II. Briefwechsel
著者: Max Brod Franz Kafka 
ハードカバー
出版社: Fischer S. Verlag
出版年: 1989-03
ISBN-10 : 3100083067
ISBN-13 : 9783100083067


■表紙画像 Cover photos

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zh Zh_kafka_castle_3 ja Ja_lost_books ja Ja_mihara_kafka_danjiki

fr Fr_le_cauchemar_de_la_raison en En_the_basic_kafka de De_eine_freundschaft_briefwechsel


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 金原+野沢+築地 2009
親愛なるマックス、最後のお願いだ。ぼくが残したもの(つまり、自宅と仕事場の本棚、整理ダンス、机のなか、その他どこにせよ、きみがみつけたもの)はすべて、ノート、原稿、手紙(ぼくが書いたものも、ぼく宛のものも)、スケッチ等、どんなものであれ、一ページも読まずに燃やしてほしい。また、ぼくの書いた原稿やメモなどで、きみが持っているものはもちろん、他の人々が持っているものもぼくに代わってもらい受け、燃やしてほしい。[以下略]

   第22章 フランツ・カフカ
   スチュアート・ケリー=著
   金原瑞人(かねはら・みずひと)+野沢佳織(のざわ・かおり)
   +築地誠子(つきじ・せいこ)=訳
   『ロストブックス—未刊の世界文学案内
   晶文社 2009-08-25 【目次


(J2) 三原 2005
ぼくの遺品中に日記、原稿、自他を問わず手紙類、素描画(スケッチ)などが見つかったら、残らず、読まずに、焼いてしまってくれ。また、君やほかの人(彼らにはぼくの名で君からたのんでくれ)が持っているすべての書きものや素描画(スケッチ)類も同様だ

   第2回 〈わたし〉の寓話
   三原弟平(みはら・おとひら)=著
   『カフカ『断食芸人』〈わたし〉のこと』 理想の教室
   みすず書房 2005-12-10


(J3) 明星 2002
親愛なるマックス、最後のお願いだ。僕の遺品中に(つまり、本棚、戸棚、自宅と事務所の机、その他どこでも何かがしまわれているところ、君の気づいたところで)、日記、原稿、自他を問わず手紙、スケッチなどがみつかったら、残らず、読まずに焼いてくれ。また、君やほかの人がもっている原稿やスケッチも——ほかの人の分は僕の名で君から頼んで手に入れて——同様に焼いてほしい。[以下略]

   第一章 カフカの「遺書」
   明星聖子(みょうじょう・きよこ)=著
   『新しいカフカ——「編集」が変えるテクスト
   慶應義塾大学出版会 2002-02-15


(J4) 辻 1966
親愛なマックス、私の最後の頼みだ。私の遺品のなかに(つまり本箱や、下着のたんすや、家と事務所の机のなかや、あるいはそのほかどこなりと、なにかを入れ忘れてあって、君が思いつくようなところすべてだが)、日記、原稿、人から来たのと私が人にあてて書いた手紙、 絵に描いたもの等々で見つかるものは、一つも残らず読まないで焼きすててくれたまえ。僕の書いたもの描いたもので、君が持っていたり、ほかの人の手中にあるものについても、おなじことだ。ほかの人たちには僕の名前で君から頼んでほしい。[以下略]

   「あとがき」(訳者による)
   カフカ=作 辻瑆(つじ・ひかる)=訳
   『審判』 岩波文庫 1966-09-10


(J5) 中野 1981, 1992
愛するマックス、最後の頼みだ。ぼくの遺品中に(つまり、本箱、戸棚、自宅と事務所の机、その他どこでも何かがしまわれているところ、きみの気づいたところで)、日記、原稿、自他を問わず手紙、スケッチ、等々が見つかったら、残らず、読まずに焼いてしまってくれ。またきみやほかの人が(彼らにはぼくの名できみから頼んでください)持っている手紙やスケッチも同様に焼いてくれたまえ。[以下略]

   マックス・ブロート=筆 中野孝次(なかの・こうじ)=訳 「最初の版のあとがき」
     マックス・ブロート=編 フランツ・カフカ=著 中野孝次=訳
   a.決定版 カフカ全集5 審判』(全12冊セット)
     新潮社 1992-10-10
   b.決定版 カフカ全集5 審判
     新潮社 1981-01 【詳細
   引用は a. に拠りました。


(J6) 大山 1954
マックス君、ぼくの最後のねがいだ。ぼくの遺稿の全部(というのは、本棚や整理ダンスや机のなか、家のなかと事務所のなかを問わず、およそ何かがどこかに持つてゆかれ、それが君の眼にとまるかぎり)日記、原稿、自他の手紙、覺え書の類(たぐい)は、一つのこらず、中味を讀まずに、焼却してくれたまえ。ぼくが書いたもの、ぼくがメモしたもので、君の手もとにあるものはもちろん、君以外の人間の持つているものを、いつさい焼き棄ててほしいのだ。他人の手にあるものは、君がぼくに代つて請求してよろしい。[以下略]

   大山定一=筆 「解説」
   『現代世界文學全集7 審判・變身・流刑地にて
   新潮社 1954-07-20


(J7) 原田+渡邊+石中 1954
最も親愛なマックス、僕の最後の賴みだ。私の遺品中に、(つまり、本箱、下着戸棚、家や事務所の机、そういつたものの中、或いはそのほかの何かを入れてありそうなところとか君の氣についた場所とかで)日記、原稿、他人のでも僕のでも手紙類、 描いたもの、その他あるものはなんでも、殘らず、讀まないで、焼いてくれたまえ。同樣に、君や、君が僕の名の下に賴んでくれるようお願いするが、ほかの人々が持つている書き物やスケッチ類は、すべて焼いてくれたまえ。[以下略]

   マックス・ブロート=筆 原田義人(はらだ・よしと)
   +渡邊格司(わたなべ・かくじ)+石中象治(いしなか・しょうじ)=譯
   「初版の跋文」
   マックス・ブロート=編 カフカ=著 原田+渡邊+石中=譯
   『カフカ全集2 審判・アメリカ
   新潮社 1953-04-30
   一人称が「僕」だったり「私」だったり不統一だが原文のまま。

■フランス語訳 Translation into French

(F1) Pawel, 1988
Mon cher Max Brod, voici mon dernier souhait : tout ce qui peut se trouver dans les papiers que je laisse (dans l'armoire à livres, les placards à linge, les tiroirs de la table de travail à la maison et au bureau, et tout ce qui aurait pu s'égarer ailleurs et que tu pourrais remarquer), journaux, manuscrits, lettres écrites, ou revues, dessins etc..., je te prie de les brûler, sans rien en laisser et sans le lire, comme aussi tous mes écrits ou dessins qui peuvent se trouver chez toi ou chez d'autres auxquels je te demande de les réclamer en mon nom.

   Franz Kafka ou le cauchemar de la raison by Ernst Pawel
   Points Ed. du Seuil, 1988
   E-text at Jacqueline Sudaka-Bénazéraf [PDF]
   Excerpt at Vers une affaire Kafka? - NouvelObs.com


(F2)
Mon très cher Max, ma dernière volonté: tout ce qui se trouve dans ce que je laisse derrière moi (donc dans la bibliothèque, l'armoire à linge, la table de travail, chez moi et au bureau ou bien dans quelque lieu où cela aurait été transporté et tomberait sous tes yeux), tout, qu'il s'agisse de journaux intimes, de manuscrits, de lettres (écrites par moi ou par d'autres), de dessins, etc., doit être totalement brûlé sans être lu, de même tous les textes et tous les dessins que toi ou toute autre personne à qui tu devras les demander en mon nom pouvez détenir.

   Premier testament
   E-text at Kafka: testaments - Minotaure


■英訳 Translation into English

Dearest Max, My last request: Everything I leave behind me (in my bookcase, linen-cupboard, and my desk both at home and in the office, or anywhere else where anything may have got to and meets your eye), in the way of diaries, manuscripts, letters (my own and others'), sketches, and so on, [is] to be burned unread; also all writings and sketches which you or others may possess; and ask those others for them in my name. [Omission}

   Publisher's Note
   The Castle by Franz Kafka, translated by Mark Harman
   Schocken Books, 1998-12-31
   E-text at:  Nabokov's Attempted Murder - Vladimir Nabokov Forum
   Excerpt at:
   * Wikipedia > Book burning > In literature and film
   * Scribd


■ドイツ語原文 The original text in German

Liebster Max, meine letzte Bitte: alles was sich in meinem Nachlass (also im Bücherkasten, Wäscheschrank, Schreibtisch zuhause und im Bureau, oder wohin sonst irgendetwas vertragen worden sein sollte und Dir auffällt) an Tagebüchern, Manuscripten, Briefen, fremden und eigenen, Gezeichnetem u.s.w. findet restlos und ungelesen zu verbrennen, ebenso alles Geschriebene oder Gezeichnete, das Du oder andere, die Du in meinem Namen darum bitten sollst, haben. [Omission]

   Kafkas Testamente
   Max Brod und Franz Kafka : Eine Freundschaft. II. Briefwechsel
   Hrsg. von Malcolm Pasley,
   Frankfurt am Main : S. Fischer, 1989-03-01
   上掲 明星氏著書の日本語表記によれば、
   1989年に出版されたマルコム・ペィスリー編集の手紙集
   『マックス・ブロートとフランツ・カフカ、友情の記録、第二巻、手紙篇』
   E-text at Franz Kafka (www.franzkafka.de)
   Excerpt at Wikipedia


■外部リンク External links

 [de] Deutsch
   * Franz Kafka - Wikipedia (1883-1924)

 [en] English
   * Franz Kafka - Wikipedia (1883-1924)
   * The Complete Stories of Franz Kafka - Wikipedia
   * Joseph K.'s Franz Kafka Homepage
   * Piotr Dumala - AWN Famous Animator Gallery Series

 [ja] 日本語
   * フランツ・カフカ - Wikipedia (1883-1924)
   * フランツ・カフカ - 青空文庫


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Saturday, 27 December 2008

The Riddle by Walter de la Mare (2) ウォルター・デ・ラ・メア 「不思議な話」「謎」「なぞ」「なぞなぞ」(2)

« 1 The Riddle »
« 1 なぞ »

■表紙画像と肖像写真 Cover photos and a portrait

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

a. De_la_mare_collected_stories_for_ch b. The_riddle_and_other_stories c. 123690045820c803


■はじめに Introduction

おばあさんの家に越して来た7人の幼い兄弟姉妹たちは、ひとり、またひとりと姿を消していく。物語の謎めいた結末。


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 金原 2012
しかし遠くはみえなかった。目が悪いし、日の光も弱い。秋の枯葉(かれは)のようなかすかな香(かおり)にも気がつかなかった。しかし頭の中では思い出がもつれてからまっていて……笑い声や涙(なみだ)、昔の子どもたち、友人との出会いと別れ。おばあさんはいきなり、わけのわからないことをつぶやいたかと思うと、階段(かいだん)を下りて窓際(まどぎわ)の椅子(いす)のところにもどっていった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
   「不思議な話」 金原瑞人=編訳 『南から来た男 ホラー短編集 2
   岩波少年文庫 2012/07/18 所収


(2) 柴田 2009
でも視力が弱っていたし、日の光も弱まっていたから、遠くは見えなかった。それに、秋の落葉のような、かぐわしいかすかな香りも彼女には感じとれなかった。けれど、心のうちでは、いろんな記憶が、こんがらがった糸のようにもつれあっていた。笑いと涙、もうずっと昔に時代遅れになった姿の子供たち、友人の到来、最後の別れ。そして、自分を相手に、切れ切れの、言葉もはっきりしない噂話を交わしながら、お祖母さんは階段を降りて、張り出し窓の前に戻っていった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 柴田元幸=訳 「謎」
   『昨日のように遠い日―少女少年小説選』 文藝春秋 2009/03/25 所収


(3) tomoki y. 2008
ところが、おばあさんには遠くが見えませんでした。目が悪かったし、日の光も弱かったからです。秋の木の葉のような、かすかな香りがただよっているのにも、気がつきませんでした。けれども、その心のなかには、いろいろな思い出がからまりあっていました。笑ったこと、泣いたこと、遠いむかしに子どもだった者たちが年老いてしまったこと、友だちとの出会い、そして永久(とわ)の別れ。ぶつぶつと独りごとを言いながら、おばあさんは窓際の椅子にもどって行きました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 Tomoki Yamabayashi=訳 「なぞ」
   tomokilog - うただひかるまだがすかる, 2008/12/27


(4) 柿崎 2008
けれどおばあさまは眼がよく見えなかったし、日の光も弱かったので、遠くのほうを見ることはできませんでした。秋の木の葉のような、かすかな良い匂いさえ感じとることができなかったのです。それでもおばあさまの心のなかでは沢山の思い出、笑い声や涙、そしてずっと昔のこととなった子供たち、友達との出会いや、最後の別れなどがもつれあい、からみあっていたのです。そうして老婦人は、思い出したように何言かつぶやくと、窓際の椅子のところへ再び降りていきました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 柿崎亮=訳 「謎」
   『デ・ラ・メア幻想短篇集』 国書刊行会 2008/05 所収


(5) マクワガ 1997
でも、眼(め)はかすんでいたし、もう日の光も弱くて、あまり遠くは見えませんでした。ほのかに、秋の葉のにおいがただよっているのにも気がつきませんでした。けれど頭の中には、もつれた糸のような、さまざまな記憶(きおく)がひしめきあっていました——わらい声や涙(なみだ)、いまはもう、むかしふうになってしまったあのころの子どもたち、それから、新しくきたおおぜいの友だち、そして何度もかわした別れの数々——。それからおばあさまはぶつぶつと、意味のとれないことばをつぶやきながら、ご自分の窓辺(まどべ)の椅子(いす)へともどっていきました。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 マクワガ葉子=訳
   津田真帆(つだ・まほ)=絵 「なぞなぞ」
   『デ・ラ・メア物語集2』 大日本図書 1997/04 所収


(6) 紀田 1979, 2002, etc.
 でもお婆さんの眼はとてもわるく、遠くのほうはなにも見えないのでした。窓のあかりも、もう暗すぎました。だから、秋の木の葉にも似た、かすかな香りにも気づかなかったのです。
 とはいえ、彼女の胸の中には、さまざまな思い出がたくさんしまわれてあるのでした。喜びも悲しみも、そしていまは老いた身の幼かりしころの思い出、やがてお友だちができたが、いつか、それとも永(なが)のおわかれをしてしまったこと……。
 このような思い出を、とぎれがちな回らぬ舌で、ぶつぶつひとりごとに出しながら、お婆さんはもう一度、あの窓ぎわのいすへともどっていくのでありました。

   W・デ・ラ・メア=作 紀田順一郎=訳 「なぞ」

   引用は b. 光文社 2002/11 に拠りました。


(7) 井村 1977
だがもはや遠くは見えず、視力はぼんやりとして、陽(ひ)の光さえかすかに見えるだけであった。それに秋の木の葉のようなかすかな匂いは、最早や嗅ぎ分けることすら出来ないのであった。だが心の中には、いろいろな思い出が、糸のように絡み合っていた——かずかずの笑いと涙、それにもう、今となっては昔のことになってしまった子供たちのこと、また友達との出会いや、永久(とわ)の別れのことなど、さまざまな思い出が——。そして、ぶつぶつと聞き分けにくい声でなにかをつぶやきながら、階下に降りてゆき、また再び、もとの出窓の席へと戻って行くのだった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 井村君江=訳 「謎」
   『幽霊奇譚』 牧神社 1977/12 所収
   この本は、主要オンライン書店の目録や国立国会図書館 NDL-OPAC には
   掲載されていないようです。書誌情報の詳細を知るには、つぎの各サイトが
   たいへん参考になります:


(8) 河野 1977
ですが、遠くまでは見えませんでした——もう目がかすんでいましたし、日の光も弱かったからです。秋の木(こ)の葉のような、あのかすかな匂いにも気づきませんでした。しかしおばあさんの心のなかでは、笑いや涙、今はもう古い思い出になってしまった小さな子どもたちや、友だちとの出会(であ)い、そして長い別れなど、思い出の糸がもつれ、からみ合っていました。そして自分(じぶん)を相手に、はっきり聞きとれないことをきれぎれにつぶやきながら、おばあさんはまた階段をおりて、出窓のところへもどりました。

   デ・ラ・メア=作 河野一郎(こうの・いちろう)=訳 「なぞ」
   『魔法のジャケット』 旺文社ジュニア図書館 1977/07 所収


(9) 脇 1976
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   ウォルター・デ・ラ・メア=著 脇明子=訳 橋本治=絵 「謎」
   『アリスの教母さま』 ウォルター・デ・ラ・メア作品集 1
   牧神社 1976/08 所収


(10) 鈴木 1975, 1980
だが、たいして遠くまで見えはしないのだ。おばあちゃまの目はすっかりかすんでいたし、昼間の陽の光りすら弱すぎるのだった。そればかりか、秋の落ち葉のようなかすかな香りなどかぎわけられなくなっていた。だが、彼女の心のなかには、思い出という一かせのもつれた糸がのこっていた。——笑いさざめいたときや涙にくれたとき、そしていまでは時代おくれの服を着こんだこどもたちの姿、友人たちの訪ないと長い別れ。とぎれがちに、もぐもぐとひとりごとをつぶやきながら、おばあちゃまはふたたび出窓の椅子へともどっていったのだった。

   ウォルター・デ・ラ・メア=作 鈴木説子=訳 「謎」

  • 中田耕治=編 『恐怖の1ダース』 講談社文庫 1980/08 所収
  • レイモンド・チャンドラー[ほか]=著 中田耕治=編 『恐怖の1ダース』 発行:出帆社 発売:路書房 1975/09 所収

   引用は b. 路書房 1975/09 に拠りました。


(11) 野上 1956
しかしおばあさんは、遠くのほうは見えなかった。目がすっかりかすんでしまい、今では昼間(ひるま)の光りでも弱(よわ)すぎるほどだったから。それに、あの秋草の葉(は)のようなほのかなかおりもかぐことはできなかった。だが、その心には、かずかずの思い出がもつれあっていた。笑(わら)い声や涙(なみだ)や、今はもう流行(りゅうこう)おくれの衣装(いしょう)をつけた子どもたちや、友だちとのめぐりあいや長いわかれの、さまざまな思い出……
 やがておばあさんは、いきなりもぐもぐとひとりごとを言いながら、またいつものはりだし窓のところへ、そろそろとおりて行った。

   デ・ラ・メア=作 野上彰(のがみ・あきら)=訳 「なぞ」
   『世界少年少女文学全集34 イギリス編6』 創元社 1956/08 所収


(12) 柳田 1925
だがお祖母さまは遠くまでは見透すことが出來なかつた、何故ならお祖母さまの眼はぼんやりして、日の光が弱かつたからであつた。それにあの秋の木葉のやうなかすかな香ひを嗅ぎつけることも出來なかつた。だがお祖母さまの心には追憶の入り亂れた こがらかり があつた――笑ひと涙、今は爺さま婆さまになつた小さな子供たち、それから友達の到來、長い告別があつた。發作にかゝつたやうに、何かぼそぼそと獨りでお饒舌しながら、この年寄りの貴女は、また階下の張出し窓のところに下りて行くのであつた。

   ウオールタア・デ・ラ・メエア=作 柳田泉=譯 「謎」
   『英吉利近代傑作集 世界短篇小説大系 英吉利篇(下)
   近代社 1925/07(大正14)所収 この本の内容詳細は ここ
   太字箇所「こがらかり」は原文では太字ではなく傍点。


■英語原文 The original text in English

But she could not see far, because her sight was dim and the light of day feeble. Nor could she detect the faint fragrance as of autumnal leaves. But in her mind was a tangled skein of memories—laughter and tears, and children long ago become old-fashioned, and the advent of friends, and last farewells. And gossiping fitfully, inarticulately, with herself, the old lady went down again to her window-seat.

   The Riddle by Walter de la Mare
   E-text at:


■更新履歴 Change log

  • 2013/06/18 金原瑞人=訳 2012/07/18 を追加しました。
  • 2009/08/07 柴田元幸=訳 2009/03 を追加しました。
  • 2009/03/22 柳田泉=訳 1925/07 を追加しました。
  • 2009/01/30 脇明子=訳 1976/08 の書誌情報を追加しました。訳文は追って挿入するつもりです。
  • 2009/01/11 井村君江=訳 1977/12 を追加しました。

« 1 The Riddle »
« 1 なぞ »

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Monday, 21 July 2008

The Time Machine by H. G. Wells (4) H・G・ウェルズ 『タイム・マシン』『タイムマシン』 (4)

« 1 2 3 The Time Machine »
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[SF小説] ブログ村キーワード

■表紙写真など Cover photos, etc.

[ja] タイムマシン 偕成社文庫 (1998)
[tr] Zaman Makinesi İthaki Yayınları (2000) トルコ語版
[es] La máquina del tiempo Ancora (1986) スペイン語版
[fr] La Machine à explorer le temps Gallimard (1997) フランス語版
[de] Die Zeitmaschine 4 Audio-CDs, Hörbuchproduktionen (2000) ドイツ語版オーディオブック
DC The time machine, a computer graphics image by Danny Cardle. Image source: The Time Machine Project

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ja Ja_time_machine tr Tr_zaman_makinesi es Es_la_maquina_del_tiempo_2

fr Fr_la_machine_a_explorer de De_die_zeitmaschine DC Time_machine
 
 
■はじめに Introduction
 
物語の最終章。ウェルズの文明観が、色濃くにじみ出ている。この小説が世に出てから、すでに1世紀以上が経つ。いま、わたしたちは未来をどう見るべきだろうか。
 
 
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

我知道[略]他对人类的进步持悲观态度,并且把越积越高的文明看作是愚蠢的堆积,认为它最终必将倒下来压住它的创造者,把他们彻底毁灭。如果真是这样,我们还得若无其事地活下去。但对我来说,未来仍然是黑越越的,苍茫的,是一个巨大的未知数,只有偶然的几处被他那难忘故事所照亮。

   《时间机器》 赫伯特·乔治·威尔斯 著
   E-text at 语文备课大师


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 池 2012
タイム・トラヴェラーは常々、人類の進歩にあくまでも悲観的だった。(……)肥大する文明の蓄積は、必ずや逆転して、ついには生みの親である人類を滅ぼす愚かしい増殖でしかないというのが持論だった。だとしたら、われわれはせめてのことに、そうはならないように祈るしかない。しかしながら、私にとって未来は今なお遠見のきかない不案内な領域である。タイム・トラヴェラーの土産話の記憶が極く稀に微かな光を点すばかりの大いなる暗闇である。

 

(2) tomoki y. 2008
彼は人類の進歩について悲観的だった――文明の築いた城など、たんなるバカの山。いつかは、それを造った当人たちの上に崩れ落ちてきて、彼らを滅ぼしてしまう。どうあがいたとしても。だとすると、人類の生きる道は、ただひとつ。崩れ落ちなどしないと自分たちをだましていくしかないのさ――と。しかし、わたしから見れば、未来はあいかわらず暗くて空っぽ。茫漠たる無知蒙昧(もうまい)だ。わずかに数か所だけ、気まぐれに照らし出されている。その明かりをともすのは追憶だ。彼のかたった物語の追憶が、照らし出しているのである。

 

(3) 山形 2003
かれは、人類の進歩についてきわめて暗い考えを持っていたことをわたしは知っている(……)。そしてかれは、山積する文明の中に、いずれ結局はその創造者たちの上に崩れ落ち、破壊することになってしまう、愚かしい山しか見ていなかった。もしそうであるなら、われわれとしては自分がそうした存在ではないかのごとくに生き続けることができるだけだ。だがわたしにとって、未来は未だに暗く白紙のままだ――広大な無知の領域であり、かれの物語の記憶によって、ほんの数カ所あちこちが照らされているだけだ。

 

(4) 金原 2000
TTは、人類の進歩については明るい見通しを持っていなかった。おそらく文明は進み、どんどん蓄積されていくだろうが、結局それは、その作り手である人間の上にくずれ落ちてきて、すべてを押しつぶしてしまうだろうと考えていた。もしそうなら、われわれは知らん顔をして生きていくだけだ。しかしわたしにとって、未来はまだ空白のままでなにもみえない。いってみれば未知の宇宙であり、TTの話が照らし出してくれたのは、そのうちのほんの一部にすぎない。

 

(5) 雨沢 1998
タイムトラベラーは人類が進歩するとは思っていなかった。文明が発達すれば、人間のおろかさもつみかさなっていく。そうなれば、かならず反動がおこり、文明のつくり手をほろぼすことになる。もしも、そのとおりになるならば、わたしたちは、そんなことはあるはずがないとごまかしながら生きるしかない。でも、わたしにいわせれば、未来はやはり黒くてからっぽの世界なのだ――彼の話でわずかに光がさしたものの、はてしない空白がひろがっているような気がする。

 

(6) 眉村 1997
彼は、人類の進歩を、悲観的にしか見ていなかった。文明が進むというのはばかげたことにすぎず、やがてはそれを作った者たちの上にくずれ落ち、作った者たちを押しつぶす――というのが、彼の考えだったのだ。もしもそうだとすれば、私たちはそのことに気づかぬふりをして生きていくしかないだろう。ま、彼にとってはそうでも、私にとっては未来は、まだ、闇であり空白であり、広大な未知の世界なのである。そのほんの二、三か所は、彼の話の記憶で照らされているけれども……それ以外はすべて未知、としなければならない。

 

(7) 橋本 1991
彼に言わせれば、人類の進歩 などはたいしたものではなかった。文明の増大は愚かさの増大にすぎず、やがて反動的に人類を破滅させるだろうと彼は言うのだ。そうだとすれば、私たちは そうでない ふりをして生きて行くしかない。だが私にとって未来はあいかわらず暗黒であり空白である――つまり彼の話の記憶によって、断片的に照らしだされているだけの、広大無辺の未知の世界である。

 

(8) 瀬尾 1976
タイム・トラベラーが、『人類の進歩』などということについては極めて悲観的で、文明の増大は、愚かさの増大にすぎず、やがてははね返って来て、人類を破滅させるだろう、と考えていたことは私もよく承知している(……)。そのように、文明というものがやがては破滅するのなら、われわれは、あたかもそうでないかのように生きてゆくより仕方がない。しかし、私にとっては、未来は暗闇であり、空白だ――つまり、タイム・トラベラーの話の記憶の光で、二、三箇所が照し出されているにすぎない、巨大な未知の世界なのだ。

 

(9) 塩谷 1972, 1979, etc.
かれは人類の進歩については、悲観的な見方をしていた。文明がすすむということは、ばかげたことで、それはいまにくずれおちて、それをつくった者たちを押しつぶしてしまうだろうと考えていたのだ。たといそうだとしても、わたしたちは、そんなことはないようなふりをして、生きていくよりしかたがない。わたしにとって、未来は黒い未知の世界である。かれの話から、ほんのすこしわかっただけの、広大な未知の世界なのだ。

 

(10) 石川 1966, 2002
彼は人類の進歩を悲観的にしか考えていなかった。そして、文明の蓄積は、愚かな建造物にすぎず、いつかは崩壊して、その建造者を退廃せしめずにはおかないものだと言っていた。もしそうなら、僕らは、それに気づかないふりをして生きていくより他はない。だが、僕はそうは考えない、人類の未来はまだまだ暗黒であり、空白だと思う――つまり、広大な未知の世界だと思う。タイム・トラヴェラーの思い出話が僕らに教える点はほんの二、三の思いつきの面にしかすぎない。

 

(11) 阿部 1965
彼は人類の進歩を悲観的にしか考えていなかった。人類の文化の蓄積はばかげた建築物にすぎず、ついにはその建築者たち自身に崩れかかって、彼らを破壊してしまうことは避けられないというのだ。もし人類がそういう運命にあるなら、われわれとしては、それに気づかないふりをして生きていくしかないわけだ。だが、わたしにとって未来はまだ暗黒であり空白である――つまり、広大無辺な未知の世界であり、ほんの二、三個所が彼の話の記憶で照らされているにすぎない。

 

(12) 宇野 1962, 1978
彼は人類の前途に、暗澹たるものを見ていた。文明の進歩とは愚かさの集積であり、不可避的に崩壊し、いずれはその創造者を滅ぼさずにはおかぬという。もしそれが事実とすれば、ぼくたちの生きる道は、そうでないような顔をしてすごすだけである。しかし、ぼくは未来を、空白の世界とみる――それは広大な未知の世界。時間航行家(タイム・トラベラー)の物語の記憶も、わずかにそのところどころを照らし出しているだけで、なんら決定的な資料とはならなかった。

 

■ロシア語訳 Translation into Russian

Развивающаяся цивилизация представлялась ему в виде беспорядочного нагромождения материала, который в конце концов должен обрушиться и задавить строителей. Но если это и так, все же нам ничего не остается, как продолжать жить. Для меня будущее неведомо, полно загадок и только кое-где освещено его удивительным рассказом.

   Герберт Уэллс. Машина времени
   E-text at Lib.Ru


■英語原文の朗読 Videobook presented by CCProse

下に引用する箇所は 13:43 あたりから始まります。 Excerpt below starts around 13:43.


■英語原文 The original text in English

He, I know ( . . . ) thought but cheerlessly of the Advancement of Mankind, and saw in the growing pile of civilization only a foolish heaping that must inevitably fall back upon and destroy its makers in the end. If that is so, it remains for us to live as though it were not so. But to me the future is still black and blank--is a vast ignorance, lit at a few casual places by the memory of his story.

   The Time Machine (1895) by H. G. Wells

   Recent editions include:
   * The Time Machine, Phoenix Pick, 2008/06
   * The Time Machine, Penguin Classics, 2006/08
   * The Time Machine, Signet Classics, 2002/10

   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * PublicLiterature.Org
   * Project Gutenberg
   * eBooks@Adelaide
   * 4Literature.net
   * Fourmilab.ch
 
 
■訳語の異同 Variations of translation

 A) the growing pile of civilization only a foolish heaping
   肥大する文明の蓄積は(……)愚かしい増殖 池 2012
   山積する文明の中に(……)愚かしい山   山形 2003
   人類の文化の蓄積はばかげた建築物     阿部 1970
   文明がすすむということは、ばかげたこと  塩谷 1972, 1979, etc.
   文明が進むというのはばかげたこと     眉村 1997
   文明が発達すれば、人間のおろかさもつみかさなって 雨沢 1998
   文明の進歩とは愚かさの集積        宇野 1962, 1978
   文明の増大は、愚かさの増大        瀬尾 1976
   文明の増大は愚かさの増大         橋本 1991
   文明の築いた城など、たんなるバカの山   tomoki y. 2008
   文明の蓄積は、愚かな建造物        石川 1966, 2002
   文明は進み、どんどん蓄積され       金原 2000

 
 B) a vast ignorance
   はてしない空白     雨沢 1998
   不案内な領域      池 2012
   巨大な未知の世界    瀬尾 1976
   広大な未知の世界    眉村 1997
      〃        塩谷 1972, 1979, etc.
      〃        石川 1966, 2002
      〃        宇野 1962, 1978
   広大な無知の領域    山形 2003
   広大無辺な未知の世界  阿部 1965
   広大無辺の未知の世界  橋本 1991
   未知の宇宙       金原 2000
   茫漠たる無知蒙昧    tomoki y. 2008

 
 
■外部リンク External links

 [en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * The Time Machine - Wikipedia
   * Time Machine Project by Don & Mary Coleman
    1960年版映画『タイムマシン/80万年後の世界へ』のためのトリビュート・
    サイト。画像満載。
   * The Time Machine - Wikiquote
   * The H.G. Wells Society

 [ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成
   * H・G・ウェルズ - MISDAS ミスダス
   * H・G・ウェルズ - PIPITTO (BiblioStyle)
 
 
■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

(1) 池 2012
   ウェルズ=作 池央耿(いけ・ひろあき)=訳
   『タイムマシン』 光文社古典新訳文庫 2012/04/20
 
(2) tomoki y. 2008
   H・G・ウェルズ=作 Tomoki Yamabayashi=訳
   tomokilog - うただひかるまだがすかる 2008/07/21
   このブログ記事のために訳した拙訳。部分訳。
 
(3) 山形 2003
   ハーバート・ジョージ・ウェルズ 著 山形浩生(やまがた・ひろお)=訳
   『タイムマシン』 プロジェクト杉田玄白 正式参加作品 2003
 
(4) 金原 2000
   H・G・ウェルズ=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
   『タイムマシン』 岩波少年文庫 2000/11
   上掲引用文中では、ルビを省略しました。
 
(5) 雨沢 1998
   H・G・ウェルズ=作 雨沢泰(あめざわ・やすし)=訳
   『タイムマシン』 偕成社文庫 1998/07
   上掲引用文中では、ルビを省略しました。
 
(6) 眉村 1997
   H・G・ウェルズ=原作 眉村卓(まゆむら・たく)=文(再話)
   『タイムマシン』 痛快 世界の冒険文学2 講談社 1997/11 
   原文は総ルビですが、上掲引用文中では、これを省略しました。
 
(7) 橋本 1991
   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   『タイム・マシン 他九篇』 岩波文庫 1991/05
   引用文中の太字箇所は、原文では太字でなく傍点です。
   原書:
   The Short Stories of H. G. Wells. London, Ernest Benn, 1952.
 
(8) 瀬尾 1976
   H・G・ウエルズ=著 瀬尾裕(せお・ゆたか)=訳
   「タイム・マシーン」
   木村彰一〔ほか〕=編集委員
   『世界文学全集84 ウエルズ, ハックスリー』 講談社 1976/03 所収
 
(9) 塩谷 1972, 1979, etc.
   H・G・ウェルズ=著 塩谷太郎(しおや・たろう)=訳
   a. タイムマシン』 今井修司=さし絵 SF名作コレクション2 岩崎書店 2005/10
   b.タイムマシン』 SFロマン文庫 岩崎書店 1986/01
   c.タイムマシン』 岩淵慶造(いわぶち・けいぞう)=画 フォア文庫
     岩崎書店 1979/10
   d.タイム・マシン』 岩淵慶造=絵 SF少年文庫21 岩崎書店 1972
   a. の底本は d.。引用は a. に拠りました。
 
(10) 石川 1966, 2002
   H・G・ウェルズ=著 石川年(いしかわ・ねん)=訳
   a.タイムマシン』 角川文庫 2002/06
   b.タイム・マシン 他六篇』 角川文庫 1966/12
   a.b. を一部改題し、再文庫化したもの。引用は a. に拠りました。
 
(11) 阿部 1965
   H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳
   『ウェルズSF傑作集1 タイム・マシン』創元SF文庫 1965/12
   詳細は ここ
 
(12) 宇野 1962, 1978
   a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
     『H・G・ウエルズ傑作集2 タイム・マシン
     ハヤカワ文庫SF 1978/01 著者名の表記は「ウエルズ」
   b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳
     早川書房編集部=編 『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
     ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962/05 著者名の表記は「ウェルズ」
   引用は a. に拠りました。
 
 
■更新履歴 Change log

2012/07/07 池央耿=訳 2012/04/20 を追加しました。
2011/11/21 英語原文の朗読の YouTube 動画を追加しました。
2011/04/01 中国語訳(簡体字)を追加しました。
2011/02/14 ロシア語訳を追加しました。
2008/12/04 山形浩生=訳 2003 を追加しました。
2008/11/09 塩谷太郎=訳 2005/10 を追加しました。


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Monday, 14 July 2008

The Time Machine by H. G. Wells (3) H・G・ウェルズ 『タイム・マシン』『タイムマシン』『タイム・マシーン』 (3)

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[SF小説] ブログ村キーワード

■Cover photos

[pt] A Máquina do tempo. Nova Alexandria (1994).  ポルトガル語版
[es] La Máquina del Tiempo. Alianza Editorial (2007).
  Image source: tienda.cyberdark.net スペイン語版
[fr] La Machine à explorer le temps. Gallimard (1975) フランス語版
[de] Die Zeitmaschine. Distribooks (2002) ドイツ語版
[nl] De Tijdmachine. Het Spectrum (1993) オランダ語版
[en] The Time Machine. Penguin Longman Penguin Readers (2008)

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■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

恐怕我无法表达时间旅行中的种种奇怪感受。那是极其令人难受的,就像人们在环滑车上——只得听天由命,一直朝前冲!我也有那种自己马上就要粉身碎骨的预感。

   《时间机器》 赫伯特·乔治·威尔斯 著
   E-text at 语文备课大师


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 山形 2003
時間旅行の奇妙な感覚は、どうもお伝えしようがありません。とんでもなく不快なものです。スイッチバックの鉄道にのった時とまさに同じ感覚があります―― どうしようもない真っ逆さまな移動の感覚です! やがて衝突するという、同じ恐ろしい予想も感じました。


(2) 金原 2000
時間旅行の、あの独特の感覚をどう表現したらいいんだろう。とにかく気持ちが悪くてしょうがないんだ。すさまじい速さでまっさかさまに落ちていくような感じ、すぐにも地面に衝突しそうな恐怖感があった。


(3) 雨沢 1998
時間旅行の、あのなんともいえない気持ち悪さは、とにかくひどいものだった。ジェットコースターにのって、まっさかさまに下(くだ)っていくときのようだよ! なにかにぶつかって、こなごなになるんじゃないかと、おそろしくてたまらなかった。


(4) 眉村 1997
この、時間旅行における奇妙な感じを、ことばにするのはむずかしい。それはひどくいやなものだ。ローラーコースターに乗って、全速で頭からつっこんでいく感覚——とでもいえばいいのだろうか。同時に、つぎの瞬間にはなにかに衝突してくだけ散るのではないか、との恐怖もあった。


(5) 橋本 1991
時間飛行の際の独特な不快感を説明するのはむずかしい。ローラー・コースターにのって猛烈なスピードで突進するときのような気分だった。同時に衝突するのではないかという恐ろしい不安感がつきまとった。


(6) 新庄 1978, etc.
残念ながら、時間旅行の独特な感覚を充分にお伝えできないと思う。すこぶる不愉快なものだね。ちょうどローラーコースターに乗ったときのような——頭から真っ逆さまに落ち込んでいくような、どうしようもない脱力感だ! それと同時に、いまにも墜落してしまうのじゃないかという恐怖感に襲われた。


(7) 瀬尾 1976
残念ながら、時間航行の奇妙な感じはうまくお伝えすることはできない。非常に不愉快な感じです。猛烈な突進を前後にくり返す時のような感じです。また同じように、今にも物に衝突するんではないかという不安も感じました。


(8) 塩谷 1972, 1979, etc.
時間旅行をするときのあのみょうな感じをうまくいいあらわすことはできない。ひどくいやな感じだ。ジェット・コースターにのって、頭からつっこんでいくときの感じにそっくりだ。ぼくはいまにもなにかにしょうとつして、こっぱみじんになるんじゃないかと、はらはらしっぱなしだった。


(9) 石川 1966, 2002
残念ながら、時間航行の奇妙な感覚はとうてい言葉では伝えられない。きわめて不愉快な感覚だ。まさに、ジェット・コースターに乗ったような感じ——手も足も出せないで、まっしぐらにとんでいく、あれだ。いまにも何かに衝突して、粉々になるのではないかという、恐ろしい予感もした。


(10) 阿部 1965
残念ながら、時間航行の奇妙な感覚は、言葉で表現できない。はなはだ不愉快なものだ。ちょうどスイッチバック(遊園地などにある子供の遊び道具で、波形にうねったレールの上を、惰性で上ったり下ったりしていくもの)に乗ったような感じだ——手も足も出ないで、まっしぐらにすっとんでいくのだ! いまにも何かにぶつかって、粉々になるのではないかというような恐ろしさもあった。


(11) 宇野 1962, 1978
時間航行の異様な感覚を説明するには、遺憾ながら適当な言葉を知らない。とにかくそれは、最高に不愉快なものだった。むりにいえば、ジェット・コースターに乗った感じ——まっさかさまに急降下していく気持。ぼくはそれとおなじ不安を味わった。はてしない暗黒な穴に、いつ粉微塵に粉砕するかわからぬままに、墜落して行く恐怖であった。


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Receio não me ser possível exprimir em palavras as singulares sensações de uma viagem pelo Tempo. Posso garantir que são extremamente desagradáveis. É como se estivéssemos numa montanha-russa, caindo desamparadamente de cabeça para baixo! Experimentava, também, a mesma horrível sensação antecipada de um choque iminente, esmagador.

   A Máquina do Tempo by H. G. Wells
   E-text at Scribd


■英語原文 The original text in English

I am afraid I cannot convey the peculiar sensations of time travelling. They are excessively unpleasant. There is a feeling exactly like that one has upon a switchback-- of a helpless headlong motion! I felt the same horrible anticipation, too, of an imminent smash.

   The Time Machine (1895) by H. G. Wells

   Recent editions include:
   * The Time Machine, Phoenix Pick, 2008/06
   * The Time Machine, Penguin Classics, 2006/08
   * The Time Machine, Signet Classics, 2002/10

   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * PublicLiterature.Org
   * Project Gutenberg
   * eBooks@Adelaide
   * 4Literature.net
   * Fourmilab.ch


■訳語の異同 Variations of translation

 A) time travelling
   時間航行  瀬尾 1976
    〃    石川 1966, 2002
    〃    阿部 1965
    〃    宇野 1962, 1978
   時間飛行  橋本 1980, 1990, etc.
   時間旅行  山形 2003
    〃    金原 2000
    〃    雨沢 1998
    〃    眉村 1997
    〃    新庄 1978, etc.
    〃    塩谷 1972, 1979, etc.


 B) a feeling exactly like that one has upon a switchback--
 of a helpless headlong motion
   すさまじい速さでまっさかさまに落ちていくような     金原 2000
   ジェットコースターにのって、まっさかさまに(……)   雨沢 1998
   ジェット・コースターにのって、頭からつっこんで(……) 塩谷 1972, 1979, etc.
   ジェット・コースターに乗ったような           石川 1966, 2002
   ジェット・コースターに乗った感じ            宇野 1962, 1978
   スイッチバックに乗ったような              阿部 1965
   スイッチバックの鉄道にのった時とまさに同じ感覚     山形 2003
   ローラーコースターに乗ったときのような——頭から(……)新庄 1978, etc.
   ローラーコースターに乗って、全速で頭から(……)    眉村 1997
   ローラー・コースターにのって猛烈なスピードで(……)  橋本 1991
   猛烈な突進を前後にくり返す時のような          瀬尾 1976


■外部リンク External links

 [en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * The Time Machine - Wikipedia
   * Spacetime - Wikipedia
   * The Time Machine - Wikiquote
   * The H.G. Wells Society

 [ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成
   * H・G・ウェルズ - MISDAS ミスダス
   * H・G・ウェルズ - PIPITTO (BiblioStyle)


■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

(1) 山形 2003
   ハーバート・ジョージ・ウェルズ 著 山形浩生(やまがた・ひろお)=訳
   『タイムマシン』プロジェクト杉田玄白 正式参加作品 2003

(2) 金原 2000
   H・G・ウェルズ=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
   『タイムマシン』岩波少年文庫 2000/11
   上掲引用文中では、ルビを省略しました。

(3) 雨沢 1998
   H・G・ウェルズ=作 雨沢泰(あめざわ・やすし)=訳
   『タイムマシン』偕成社文庫 1998/07
   上掲引用文中では、ルビの一部を省略しました。

(4) 眉村 1997
   H・G・ウェルズ=原作 眉村卓(まゆむら・たく)=文(再話)
   『タイムマシン』痛快 世界の冒険文学2 講談社 1997/11 
   原文は総ルビですが、上掲引用文中では、これを省略しました。

(5) 橋本 1991
   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   『タイム・マシン 他九篇』岩波文庫 1991/05
   原書:
   The Short Stories of H. G. Wells. London, Ernest Benn, 1952.

(6) 新庄 1978, etc.
   H・G・ウェルズ=著 新庄哲夫=訳「タイム・マシン」
   a.タイム・マシン』グーテンベルク21 電子テキスト
   b. 五木寛之〔ほか〕=編『世界文学全集47 世界SF傑作集
     学習研究社 1978/11/01 所収
   引用は b. に拠りました。

(7) 瀬尾 1976
   H・G・ウエルズ=著 瀬尾裕(せお・ゆたか)=訳
   「タイム・マシーン」
   木村彰一〔ほか〕=編集委員
   『世界文学全集84 ウエルズ, ハックスリー』講談社 1976/03 所収

(8) 塩谷 1972, 1979, etc.
   H・G・ウェルズ=著 塩谷太郎(しおや・たろう)=訳
   a.タイムマシン』今井修司=さし絵 SF名作コレクション2 岩崎書店 2005/10
   b.タイムマシン』SFロマン文庫 岩崎書店 1986/01
   c.タイムマシン』岩淵慶造(いわぶち・けいぞう)=画 フォア文庫
     岩崎書店 1979/10
   d.タイム・マシン』岩淵慶造=絵 SF少年文庫21 岩崎書店 1972
   a. の底本は d.。引用は a. に拠りました。

(9) 石川 1966, 2002
   H・G・ウェルズ=著 石川年(いしかわ・ねん)=訳
   a.タイムマシン』角川文庫 2002/06
   b.タイム・マシン 他六篇』角川文庫 1966/12
   a.b. を一部改題し、再文庫化したもの。引用は a. に拠りました。

(10) 阿部 1965
   H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳
   『ウェルズSF傑作集1 タイム・マシン』創元SF文庫 1965/12
   詳細は ここ

(11) 宇野 1962, 1978
   a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
     『H・G・ウエルズ傑作集2 タイム・マシン
     ハヤカワ文庫SF 1978/01 著者名の表記は「ウエルズ」
   b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳
     早川書房編集部=編『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
     ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962/05 著者名の表記は「ウェルズ」
   引用は a. に拠りました。


■更新履歴 Change log

2012/04/16 新庄哲夫=訳 1978/11/01 を追加しました。
2011/04/01 中国語訳(簡体字)を追加しました。
2011/02/14 ポルトガル語訳を追加しました。
2008/12/04 山形浩生=訳 2003 を追加しました。
2008/11/09 塩谷太郎=訳 2005/10 を追加しました。


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Saturday, 12 July 2008

The Time Machine by H. G. Wells (2) H・G・ウェルズ 『タイム・マシン』『タイムマシン』『タイム・マシーン』 (2)

« 1 The Time Machine 3 4 »
« 1 タイムマシン 3 4 »

[英語翻訳] ブログ村キーワード

■映画『タイムマシン』 (2002) The 2002 film adaptation of the novel

[zh] 時光機器 Image source: Yahoo!奇摩電影 繁體字中國語(香港)
[ko] 타임머신 Image source: Time Warp 韓国語
[ja] タイムマシン 角川文庫 (2002) 映画タイアップ版 日本語
[vi] Cỗ Máy Thời Gian Image source: Xem Phim ベトナム語
[th] เดอะ ไทม์ แมชชิน กระสวยแซงเวลา Image source: SiamVillage タイ語
[tr] Zaman tüneli. Image source: Film indir トルコ語
[he] מכונת הזמן Image source: SubsCenter.org ヘブライ語(イスラエル)
[ru] Машина Времени. Image source: DataCD ロシア語
[bg] Машината на времето. Image source: kino.dir.bg ブルガリア語
[uk] Машина Часу Image source: Машина Часу Гуртом ウクライナ語
[hu] Az időgép. Image source: DIVIDO.hu ハンガリー語
[pl] Wehikuł czasu Image source: Empik.com ポーランド語
[cz] Stroj času. Image source: SMS.cz チェコ語
[sl] Časovni stroj. . Image source: MoviePosterDB.com スロベニア語
[fi] Aikakone Image source: Divari Kangas フィンランド語
[pt] A Máquina do Tempo. Image source: Explosão Filmes ポルトガル語(ブラジル)
[es] La Máquina del Tiempo. Image source: Biblioteca Sedice スペイン語
[fr] La Machine à explorer le temps. Image source: AlloCiné フランス語
[en] The Time Machine 英語

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zh Zh_trad_ ko Ko__the_time_machine ja Ja_time_machine

vi Vi_the_time_machine_co_may_thoi_gia th Th_the_time_machine tr Tr_zaman_tuneli

he He_2987_1298482830_59_the_time_mach ru Ru_time_machine bg Bg___pos161

uk Uk_ hu Hu_az_idogep pl Pl_wehikul_czasu

cz Cz_stroj_casu sl Sl_casovni_stroj fi Fi_aikakone_35442

pt Pt_a_maquina_do_tempo_dvd es Es_maquina_del_tiempo fr Fr_la_machine

en En_2002_the_time_machine


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

但是,时间游客不仅仅是有几分异想天开,而且我们都不相信他。可以让一个不如他聪明的人名声大振的事情到他手里就成了骗人的把戏。事情做得太容易实在是个错误。

   《时间机器》 赫伯特·乔治·威尔斯 著
   E-text at:
   * 兴塔小学 - 数字图书馆
   * 语文备课大师


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 山形 2003
でも時間旅行者の性格は、気まぐれぶりが少々などというものではなかったので、みんなかれを信用しなかった。もっと賢さの劣る人物なら動かぬ証拠に思えることですら、かれの手にかかると小細工に見えた。何かを簡単にやってしまうのはまちがいだ。
 
 
(2) 金原 2000
ところがTTときたら、ずいぶん気まぐれなところがあって、どうも信用ならないという評判が立っていた。頭の悪い人間がやったら拍手喝采ということを、TTがやるとインチキにしかみえない。なんでもたやすくできるということは、損なのかもしれない。
 
 
(3) 雨沢 1998
しかしタイムトラベラーは、あやしげに見えて、信じられなかった。もっと頭のわるい人間がすれば、ほめられるようなことでも、彼の手にかかるとイカサマに見えた。なにごとも、あんまりかんたんにやってのけるのは、よくないのだ。
 
 
(4) 眉村 1997
しかしながらタイムトラベラー相手では、そうはいかなかった。(……)彼ほどには頭の切れない人間がやれば、たちまち評判になり有名になるであろうことでも、彼がやるとトリックに見えてしまうのだ。これは私の感想だが、彼のようになにごとも楽々とやってのけるというのは、むしろマイナスのほうが大きいのではないだろうか。
 
 
(5) 橋本 1991
(……)時間飛行家を信用する者はほとんどいなかった。彼より愚かな人がやったことなら名声の種になることも、彼の場合にはトリックに見える。一般的に、何でも容易にできるというのは損だ。
 
 
(6) 新庄 1978, etc.
ところが、時間旅行家(タイム・トラヴェラー)のなかには単なる気まぐれではすまないものがあったから、私たちは彼が信用しきれなかった。彼ほど頭脳の程度が高くない男だったら世間の評判をかち得たかもしれぬことでも、彼の手にかかるとトリックではないかと疑われてしまう。あまり簡単に物事をやってのけるのは間違いのもとなのだ。
 
 
(7) 瀬尾 1976
しかし、タイム・トラベラーの性格的特徴は気まぐれなのでわれわれは彼に不信感をいだいたのだ。彼ほど賢(かしこ)くない人がやったことなら、その名声の種になるようなことでも、彼がやるとトリックのように思われてしまうのだ。ものごとをあまり簡単にやってしまうのは損だ。
 
 
(8) 塩谷 1972, 1979, etc.
ところが、時間旅行家には、いろいろとつかみにくいところがあって、どうも信用できなかったのだ。もっと頭のよくない人間がやったのなら、あたりまえに思えたようなことでも、かれがやると、トリックのように見えたのだ。なにごともあんまりやすやすとやってのけるのは、考えものだ。
 
 
(9) 石川 1966, 2002
ところが、タイム・トラヴェラーは、一ひねりも二ひねりもある性格だから、信用しがたいのだ。彼ほど利口でない男がやれば称賛されるようなことも、彼の手にかかるとトリックに見えてしまう。とかくものごとをあまり易々とやるのは考えものだ。
 
 
(10) 阿部 1965
ところが、タイム・トラヴェラーには、一癖も二癖もあってひねったところがあるので、信用できなかった。彼ほど利口でない人間がやれば称賛されるようなことも、彼がやると、トリックにみえた。ものごとをあまりやすやすとやってのけるのはまちがいだ。
 
 
(11) 宇野 1962, 1978
ところが、時間航行家(タイム・トラベラー)ときては、性格が気まぐれどころのさわぎでなく、なにをやり出すのかわかったものでないのである。(……)ほかの連中なら、一生けんめい研究して、世間の賞賛を克ち得るものも、彼の場合だと、トリックではないかと疑いたくなる。あまりにも容易に仕事をやってのけるのも考えものである。
 
 
■ロシア語訳 Translation into Russian

Но характер Путешественника по Времени был слишком причудлив, и мы инстинктивно не доверяли ему. Открытия и выводы, которые доставили бы славу человеку менее умному, у него казались лишь хитрыми трюками. Вообще достигать своих целей слишком легко - недальновидно.

   Герберт Уэллс. Машина времени
   E-text at Lib.Ru


■ドイツ語訳 Translation into German

Der Zeitreisende dagegen vereinigte in seinem Charakter die wunderlichsten Elemente, und wir mißtrauten ihm. Dinge, die einen weniger genialen Mann berühmt gemacht hätten, wirkten bei ihm wie zweifelhafte Kunststücke. Es ist ein Fehler, große Leistungen allzu mühelos zu vollbringen.

   Die Zeitmaschine by H. G. Wells
   Excerpt at Leseprobe (PDF) - Home | Deutscher Taschenbuch Verlag


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Tal não se dava com o Viajante do Tempo: havia mais do que um toque de fantasia no seu temperamento, e desconfiávamos dele. Coisas que teriam proporcionado fama a um indivíduo bem menos habilidoso, pareciam truques nas mãos dele. É um erro fazer as coisas muito facilmente.

   A Máquina do Tempo by H. G. Wells
   E-text at Scribd


■英語原文 The original text in English

But the Time Traveller had more than a touch of whim among his elements, and we distrusted him. Things that would have made the fame of a less clever man seemed tricks in his hands. It is a mistake to do things too easily.

   The Time Machine (1895) by H. G. Wells

   Recent editions include:
   * The Time Machine, Phoenix Pick, 2008/06
   * The Time Machine, Penguin Classics, 2006/08
   * The Time Machine, Signet Classics, 2002/10

   E-text at:
   * Project Gutenberg Australia
   * PublicLiterature.Org
   * Project Gutenberg
   * eBooks@Adelaide
   * 4Literature.net
   * Fourmilab.ch


■表記・翻訳の異同 Variations of translation and transliteration

 A) 著者名:Wells
  ウェルズ  山形 2003
   〃    金原 2000
   〃    雨沢 1998
   〃    眉村 1997
   〃    新庄 1978, etc.
   〃    塩谷 1972, 1979, etc.
   〃    阿部 1970
   〃    石川 1966, 2002
   〃    宇野 1962
  ウエルズ  橋本 1980, 1990, etc.
   〃    宇野 1978
   〃    瀬尾 1976

 
 B) 表題:The Time Machine
  「タイム・マシーン」 瀬尾 1976
  「タイム・マシン」  橋本 1991
     〃       新庄 1978, etc.
     〃       石川 1966
     〃       阿部 1965
     〃       宇野 1962, 1978
  「タイムマシン」   山形 2003
     〃       石川 2002
     〃       金原 2000
     〃       雨沢 1998
     〃       眉村 1997
     〃       塩谷 1972, 1979, etc.


■外部リンク External links

 [en] English
   * List of H.G. Wells works currently in print
    in the United Kingdom and abroad (updated through February 2005)
    by The H.G. Wells Society (UK)
   * The Time Machine - Wikipedia
   * Spacetime - Wikipedia
   * The Time Machine - Wikiquote
   * The H.G. Wells Society

 [ja] 日本語
   * ハーバート・ジョージ・ウェルズ - Wikipedia (1866-1946)
   * H・G・ウェルズ - 翻訳作品集成
   * H・G・ウェルズ - MISDAS ミスダス
   * H・G・ウェルズ - PIPITTO (BiblioStyle)


■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

(1) 山形 2003
   ハーバート・ジョージ・ウェルズ 著 山形浩生(やまがた・ひろお)=訳
   『タイムマシン』プロジェクト杉田玄白 正式参加作品 2003
 
(2) 金原 2000
   H・G・ウェルズ=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
   『タイムマシン』岩波少年文庫 2000/11
   上掲引用文中では、ルビを省略しました。
 
(3) 雨沢 1998
   H・G・ウェルズ=作 雨沢泰(あめざわ・やすし)=訳
   『タイムマシン』偕成社文庫 1998/07
   上掲引用文中では、ルビを省略しました。
 
(4) 眉村 1997
   H・G・ウェルズ=原作 眉村卓(まゆむら・たく)=文(再話)
   『タイムマシン』痛快 世界の冒険文学2 講談社 1997/11 
   原文は総ルビですが、上掲引用文中では、これを省略しました。
 
(5) 橋本 1991
   H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
   『タイム・マシン 他九篇』岩波文庫 1991/05
   原書:
   The Short Stories of H. G. Wells. London, Ernest Benn, 1952.
 
(6) 新庄 1978, etc.
   H・G・ウェルズ=著 新庄哲夫=訳「タイム・マシン」
   6a.タイム・マシン』グーテンベルク21 電子テキスト
   6b. 五木寛之〔ほか〕=編『世界文学全集47 世界SF傑作集
     学習研究社 1978/11/01 所収
   引用は 6b. に拠りました。
 
(7) 瀬尾 1976
   H・G・ウエルズ=著 瀬尾裕(せお・ゆたか)=訳
   「タイム・マシーン」
   木村彰一〔ほか〕=編集委員
   『世界文学全集84 ウエルズ, ハックスリー』講談社 1976/03 所収
 
(8) 塩谷 1972, 1979, etc.
   H・G・ウェルズ=著 塩谷太郎(しおや・たろう)=訳
   8a.タイムマシン』今井修司=さし絵 SF名作コレクション2 岩崎書店 2005/10
   8b.タイムマシン』SFロマン文庫 岩崎書店 1986/01
   8c.タイムマシン』岩淵慶造(いわぶち・けいぞう)=画 フォア文庫
     岩崎書店 1979/10
   8d.タイム・マシン』岩淵慶造=絵 SF少年文庫21 岩崎書店 1972
   8a. の底本は 8d.。引用は 8a. に拠りました。
 
(9) 石川 1966, 2002
   H・G・ウェルズ=著 石川年(いしかわ・ねん)=訳
   9a.タイムマシン』角川文庫 2002/06
   9b.タイム・マシン 他六篇』角川文庫 1966/12
   9a.9b. を一部改題し、再文庫化したもの。引用は 9a. に拠りました。
 
(10) 阿部 1965
   H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳
   『ウェルズSF傑作集1 タイム・マシン』創元SF文庫 1965/12
   詳細は ここ
 
(11) 宇野 1962, 1978
   11a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
     『H・G・ウエルズ傑作集2 タイム・マシン
     ハヤカワ文庫SF 1978/01 著者名の表記は「ウエルズ」
   11b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳
     早川書房編集部=編『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
     ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962/05 著者名の表記は「ウェルズ」
   引用は 11a. に拠りました。


■更新履歴 Change log

2012/11/20 繁體字中國語、トルコ語、ブルガリア語、スロベニア語、
         およびポルトガル語の画像を追加しました。
2011/04/16 新庄哲夫=訳 1978/11/01 の訳文を挿入しました。
2011/04/01 中国語訳(簡体字)を追加しました。
2011/02/14 ポルトガル語訳を追加しました。
2011/02/13 ロシア語訳とドイツ語訳を追加しました。
2008/12/04 山形浩生=訳 2003 を追加しました。
2008/11/09 塩谷太郎=訳 2005/10 を追加しました。
2008/08/27 新庄哲夫=訳 1978/11/01 の書誌情報を追加しました。
         訳文は追って挿入するつもりです。

 

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Wednesday, 09 July 2008

The Time Machine by H. G. Wells (1) H・G・ウェルズ 『タイム・マシン』『タイムマシン』『タイム・マシーン』 (1)

« The Time Machine 2 3 4 »
« タイムマシン 2 3 4 »

        目次 Table of Contents

 Video 1  タイムマシン (2002) The Time Machine (2002)
 Video 2  タイム・マシン/80万年後の世界へ (1960) The Time Machine (1960)
■Book and DVD covers 本の表紙とDVDのジャケット
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese

  1. 山形 2003
  2. 金原 2000
  3. 雨沢 1998
  4. 眉村 1997
  5. 橋本 1991
  6. 新庄 1978
  7. 瀬尾 1976
  8. 塩谷 1972, 1979, etc.
  9. 石川 1966, 2002
  10. 阿部 1965
  11. 宇野 1962, 1978

■ロシア語訳 Translation into Russian
■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
■チェコ語訳 Translation into Czech
■スウェーデン語訳 Translation into Swedish
■ドイツ語訳 Translation into German
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translation into French
■英語原文 The original text in English
■表記・翻訳の異同 Variations of translation and transliteration
  A) 著者名:Wells
  B) 表題:The Time Machine
■外部リンク External links
■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

  1. 山形 2003
  2. 金原 2000
  3. 雨沢 1998
  4. 眉村 1997
  5. 橋本 1991
  6. 新庄 1978
  7. 瀬尾 1976
  8. 塩谷 1972, 1979, etc.
  9. 石川 1966, 2002
  10. 阿部 1965
  11. 宇野 1962, 1978

■更新履歴 Change log


 Video 1 
タイムマシン (2002)』 1/10 英語音声 スペイン語字幕
The Time Machine (2002) Part 1 of 10. Sound in English, Subtitles in Spanish.

監督: サイモン・ウェルズ 出演: ガイ・ピアース、サマンサ・ムンバ
Directed by Simon Wells. Starring Guy Pearce, Samantha Mumba


 Video 2 
タイム・マシン/80万年後の世界へ (1960)』 Part 1
The Time Machine (1960) Part 1

監督: ジョージ・パル 出演: ロッド・テイラー、アラン・ヤング
Directed by George Pal. Starring Rod Taylor, Alan Young


■Book and DVD covers

[zh] 時間機器, 人魔島 海天出版社 (2005) 中国版(簡体字)
[ja] タイムマシン 岩波少年文庫 (2000)
[br] A Máquina do Tempo ブラジル版
[de] Die Zeitmaschine, DVD of the 1960 film adaptation. ドイツ版
[nl] De Tijdmachine en Andere Verhalen (1959) オランダ版
[en] The Time Machine, Signet Classics (2002)

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

zh Zh_time_machine ja Ja_time_machine br Br_a_maquina_do_tempo

de De_zeitmaschine nl Nl_de_tijdmachine en En_signet_classics


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

时间和空间三维的任何一维之间都没有什么不同,区别只是我们的意识是沿着时间向前运动的。

   《时间机器》 赫伯特.乔治.威尔斯
   E-text at:
   * 语文备课大师
   * 我有闲书库 (WoYouXian.com)


■日本語訳 Translations into Japanese

  1. 山形 2003
    時間と、空間の3つの次元との間には、なんらちがいはありません。唯一の差は単にわれわれの意識が時間に沿って動くというだけです。

  2. 金原 2000
    時間というのは、ひとつの次元の呼び方といってもいい。だから、縦、横、高さ、時間と四つ並べちゃっていいんだ。ただぼくたちの意識ってやつが、この時間にそって動いている、それだけさ。

  3. 雨沢 1998
    時間と、空間の三次元とのちがいは、われわれの意識が時間の流れとともに動くという点だけさ。

  4. 眉村 1997
    たて・横・高さの空間の三つの次元と、この四つめの時間の次元には、なんのちがいもない。ぼくたちの意識が、時間に沿ってうつっていく——ということをのぞいては、だ。

  5. 橋本 1991
    時間と空間の三次元との唯一の相違は、ぼくたちの意識が時間にそって動くということだけなんだ。

  6. 新庄 1978
    時間と空間の三次元とのあいだには
    われわれの意識が時間の流れに沿って動くということ以外に何ひとつ相違はない

  7. 瀬尾 1976
    時間と空間の三次元のうちのどれかとの相違は、われわれの意識が時間に沿って動くということだけなんです。

  8. 塩谷 1972, 1979, etc.
    時間と空間の三次元のあいだには、われわれの意識が時間にそって移行するということのほかには、なんのちがいもないのだ。

  9. 石川 1966, 2002
    時間と空間の三次元の間には、われわれの意識が時間に沿って移行するという点以外には、何らの差がないんだ。

  10. 阿部 1965
    空間の三次元と時間との間には、何の差異もない。われわれの意識が時間に沿って移行するという点を除けばね。

  11. 宇野 1962, 1978
    われわれの意識が一定方向にのみ動くという事実に制約されてはいるが、時間と空間の三次元とのあいだに本質的な差異はすこしもない。

■ロシア語訳 Translation into Russian

Единственное различие между Временем  и  любым  из трех пространственных измерений  заключается  в  том,  что  наше  сознание движется по нему.

   Герберт Уэллс. Машина времени
   E-text at Lib.Ru


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

Між Часом та будь-яким з інших трьох вимірів тільки та різниця, що наша свідомість повсякчас пересувається вздовж нього.

   Герберт Джордж Веллс. Машина часу
   Translated by Миколи Іванов
   E-text at Ae Lib


■チェコ語訳 Translation into Czech

Není žádný rozdíl mezi časem a kteroukoliv z ostatních tří prostorových dimenzí kromě toho, že naše vědomí se v něm pohybuje stejným směrem.

   Stroj času - Herbert George Wells
   E-text at Wattpad


■スウェーデン語訳 Translation into Swedish

Det finns ingen skillnad mellan tiden och rummets tre dimensioner, utom i vårt medvetande som rör sig längs den.

   Tidmaskinen (The Time Machine) - Herbert George Wells
   Quoted in Passagen


■ドイツ語訳 Translation into German

Es gibt keinen Unterschied zwischen der Zeit und einer der drei Dimensionen des Raumes, abgesehen davon, dass unser Bewusstsein sich entlang der Zeitlinie bewegt.

   Die Zeitmaschine by H. G. Wells
   Excerpt at Zitate - Science Fiction


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Não existe diferença entre o Tempo e qualquer das três dimensões do Espaço, exceto que nossa consciência se move ao longo dele.

   A Maquina do Tempo by Herbert George Wells
   E-text at Scribd


■スペイン語訳 Translation into Spanish

No hay diferencia entre el Tiempo y cualesquiera de las tres dimensiones salvo que nuestra conciencia se mueve a lo largo de ellas.

   La Máquina del Tiempo by Herbert George Wells
   Excerpt at Nulla dies sinne meditatione


■フランス語訳 Translation into French

Il n'y a aucune différence entre le Temps, Quatrième Dimension, et l'une quelconque des trois dimensions de l'Espace sinon que notre conscience se meut avec elle.

   La Machine à explorer le temps by Herbert George Wells
   E-text at Ebooks libres et gratuits


■英語原文 The original text in English

There is no difference between Time and any of the three dimensions of Space except that our consciousness moves along it.


■表記・翻訳の異同 Variations of translation and transliteration

 A) 著者名:Wells
   ウェルズ  山形 2003
    〃    金原 2000
    〃    雨沢 1998
    〃    眉村 1997
    〃    新庄 1978
    〃    塩谷 1972, 1979, etc.
    〃    阿部 1970
    〃    石川 1966, 2002
    〃    宇野 1962
   ウエルズ  橋本 1980, 1990, etc.
    〃    宇野 1978
    〃    瀬尾 1976

 
 B) 表題:The Time Machine
  「タイム・マシーン」 瀬尾 1976
  「タイム・マシン」  橋本 1991
     〃       新庄 1978
     〃       石川 1966
     〃       阿部 1965
     〃       宇野 1962, 1978
  「タイムマシン」   山形 2003
     〃       石川 2002
     〃       金原 2000
     〃       雨沢 1998
     〃       眉村 1997
     〃       塩谷 1972, 1979, etc.


■外部リンク External links


■日本語訳の書誌情報 Bibliography on Japanese translations

  1. 山形 2003
       ハーバート・ジョージ・ウェルズ 著 山形浩生(やまがた・ひろお)=訳
       『タイムマシン』 プロジェクト杉田玄白 正式参加作品 2003
     
  2. 金原 2000
       H・G・ウェルズ=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳
       『タイムマシン』 岩波少年文庫 2000/11
     
  3. 雨沢 1998
       H・G・ウェルズ=作 雨沢泰(あめざわ・やすし)=訳
       『タイムマシン』 偕成社文庫 1998/07
     
  4. 眉村 1997
       H・G・ウェルズ=原作 眉村卓(まゆむら・たく)=文(再話)
       『タイムマシン』 痛快 世界の冒険文学2 講談社 1997/11
     
  5. 橋本 1991
       H・G・ウエルズ=作 橋本槙矩(はしもと・まきのり)=訳
       『タイム・マシン 他九篇』 岩波文庫 1991/05
       原書: The Short Stories of H. G. Wells. London, Ernest Benn, 1952.
     
  6. 新庄 1978
       H・G・ウェルズ=著 新庄哲夫(しんじょう・てつお)=訳 「タイム・マシン」
       『世界文学全集47』 世界SF傑作集 学習研究社 1978/11/01
       原文の傍点を下線で置き換えました。
     
  7. 瀬尾 1976
       H・G・ウエルズ=著 瀬尾裕(せお・ゆたか)=訳 「タイム・マシーン」   
       木村彰一〔ほか〕=編集委員 『世界文学全集84 ウエルズ, ハックスリー
       講談社 1976/03 所収
     
  8. 塩谷 1972, 1979, etc.
       H・G・ウェルズ=著 塩谷太郎(しおや・たろう)=訳
       a.タイムマシン』 今井修司=さし絵 SF名作コレクション2
         岩崎書店 2005/10
       b.タイムマシン』 SFロマン文庫 岩崎書店 1986/01
       c.タイムマシン』 岩淵慶造(いわぶち・けいぞう)=画 フォア文庫
         岩崎書店 1979/10
       d. タイム・マシン』 岩淵慶造=絵 SF少年文庫21 岩崎書店 1972
       a. の底本は d.。引用は a. に拠りました。
     
  9. 石川 1966, 2002
       H・G・ウェルズ=著 石川年(いしかわ・ねん)=訳
       a.タイムマシン』 角川文庫 2002/06
       b.タイム・マシン 他六篇』 角川文庫 1966/12
       a.8b. を一部改題し、再文庫化したもの。引用は a. に拠りました。
     
  10. 阿部 1965
       H・G・ウェルズ=著 阿部知二=訳
       『ウェルズSF傑作集1 タイム・マシン』 創元SF文庫 1965/12
       詳細は ここ
     
  11. 宇野 1962, 1978
       a. H・G・ウエルズ=著 宇野利泰(うの・としやす)=訳
         『H・G・ウエルズ傑作集2 タイム・マシン
         ハヤカワ文庫SF 1978/01 著者名の表記は「ウエルズ」
       b. H・G・ウェルズ=著 宇野利泰=訳 早川書房編集部=編 
         『H・G・ウェルズ短篇集2 タイム・マシン
         ハヤカワ・SF・シリーズ 早川書房 1962/05 著者名の表記は
         「ウェルズ」
       引用は a. に拠りました。

■更新履歴 Change log

  • 2014/06/01 目次を新設しました。
  • 2013/02/10 ウクライナ語訳、チェコ語訳、スウェーデン語訳、およびスペイン語訳を追加しました。
  • 2012/04/10 新庄哲夫=訳 1978/11/01 を追加しました。
  • 2011/11/21 英語原文の朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2011/02/14 映画 『タイムマシン (2002)』 と映画 『タイム・マシン/80万年後の世界へ (1960)』 の2本の YouTube 動画を追加しました。
  • 2011/01/26 ドイツ語訳、ポルトガル語訳、フランス語訳、およびロシア語訳を追加しました。
  • 2010/05/20 中国語訳(簡体字)を追加しました。
  • 2008/12/04 山形浩生=訳 2003 を追加しました。
  • 2008/11/09 塩谷太郎=訳 2005/10 を追加しました。

 

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Monday, 16 July 2007

The Tell-Tale Heart by Edgar Allan Poe エドガー・アラン・ポー 「告げ口心臓」「裏切る心臓」「物言ふ心臟」

         目次 Table of Contents

  Images   グラフィック・ノヴェル、フランス語訳、DVD
 A graphic novel, a French translation and a DVD
■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 高家 2010
  (J2) 西崎 2007
  (J3) 小川(高)2006
  (J4) 金原 2006
  (J5) 李 2002
  (J6) 中野 1978
  (J7) 田中 1974
  (J8) 八木 1971, 1974
  (J9) 小川(和)1968
  (J10) 田桐 1964
  (J11) 谷崎 1948, 1956, etc.
  (J12) 江戸川 1929
  (J13) 谷崎 1929
  (J14) 小日向 1900, 1996
■ロシア語訳 Translation into Russian
 Audio  1  ポーランド語版の朗読 Audiobook in Polish
■ポーランド語訳 Translation into Polish
■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian
■チェコ語訳 Translation into Czech
■スウェーデン語訳 Translation into Swedish
■ノルウェー語訳 Translation into Norwegian
■デンマーク語訳(部分) Translation into Danish (fragment)
 Audio  2  ドイツ語版の朗読 Audiobook in German
■ドイツ語訳 Translations into German
  (D1)
  (D2)
■オランダ語訳 Translation into Dutch
■ルーマニア語訳 Translation into Romanian
 Audio  3  イタリア語版の朗読 Audiobook in Italian
■イタリア語訳 Translations into Italian
  (It1) Baldini
  (It2) Arbib, 1903
■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese
  (Pt1) Portocarrero, 2007
  (Pt2) Schiller, 2004
■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
 Audio  4  スペイン語版の朗読 Audiobook in Spanish
■スペイン語訳 Translation into Spanish
 Audio  5  フランス語版の朗読 Audiobook in French
■フランス語訳 Translation into French
 Audio  6  英文朗読: デイヴィッド・ローレンス Read by David Lawrence
 Audio  7  英文朗読: ミスタークリーピーパスタ Read by MrCreepyPasta
 Audio  8  英文朗読: ジョーダン・ラナン Read by Jordan Lannan
 Audio  9  英文朗読: イギー・ポップ Read by Iggy Pop
 Audio 10  英文朗読: ベラ・ルゴシ Read by Bela Lugosi
 Video  1  The Tell Tale Heart (2009) by Travis Mays, Darren Walker
 Video  2  The Tell Tale Heart (2008) by Ryan Shovey
 Video  3  Der Verrückte, das Herz und das Auge (2006) by Dashuber & Jung
 Video  4  The Tell Tale Heart (2004) by Stephanie Sinclaire
 Video  5  The Tell Tale Heart by Stephen J Conley and John Dur
 Video  6  The Tell-Tale Heart (1960) by Ernest Morris
 Video  7  The Tell-Tale Heart (1953) by Ted Parmelee
 Video  8  The Tell-Tale Heart (1941) by Jules Dassin
■英語原文 The original text in English
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■tomokilog 関連記事 Related articles from tomokilog
■更新履歴 Change log


  Images  
グラフィック・ノヴェル、フランス語訳、DVD
A graphic novel, a French translation and a DVD

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓
a. Telltale_heart b. Poe_french_3 c. Telltaleheart

■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese

对!——我神经过敏,非常,非常过敏,十二万分过敏,过去是这样,现在也是这样;可您干吗偏偏说人家疯了呢饿?犯了这种病,感觉倒没失灵,倒没迟钝,反而敏锐了。尤其是听觉,分外灵敏。天上人间的一切声息全都听见。阴曹地府的种种声音也在耳边。那么怎是疯了呢?听!瞧我哦跟您谈这一切,有多精神,有多镇静。

   《泄密的心》 艾德加-爱伦-坡
   E-text at 豆瓣电影


■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese

對!——我神經過敏,非常,非常過敏,十二万分過敏,過去是這樣,現在也是這樣;可您干嗎偏偏説人家瘋了呢餓?犯了這種病,感覺倒沒失靈,倒沒遲鈍,反而敏鋭了。尤其是听覺,分外靈敏。天上人間的一切聲息全都听見。陰曹地府的種種聲音也在耳邊。那麼怎是瘋了呢?听!瞧我哦跟您談這一切,有多精神,有多鎮靜。

   《泄密的心》 愛倫·坡
   E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 高家 2010
たしかに私は、すごく、すごく神経質になっていましたし、いまでもそうだと思います。だけど、なんで、どうして私のこと、病んでるなんて言うんですか? 私は病んでなんかいません。精神が侵されているとか鈍くなっているなんて思わないでください。むしろ、鋭敏になっているのですから。特に、聴覚は、これまでにないくらい研ぎ澄まされています。天界で起きていること、地上で起きていること、ぜーんぶ耳にはいってきます。地獄の底の音だって、ほとんど……。ね、病んでなんかいないでしょう? だから、口を挟まないでいただけますか。私が病んでいるかどうかは、私がこれから語る内容を聞いてから判断してください。とても落ち着いて、論理的に話すことができるのですから。

   エドガー・アラン・ポオ=作 高家あさひ=訳 「てるてる☆はあと」
   ブログ アーカムなう。 (ミスカトニック大学留学日記) 2010-01-19


(J2) 西崎 2007
それは確かだ――神経が昂(たか)ぶっていた――とても、とても、昂ぶっていたし、いまもそうだ。けれど、なぜあんたたちは狂っていると言うのか。神経の昂ぶりは感覚を鋭敏にしただけだ――損なったわけじゃない――鈍らせたわけでもない。とくに聴覚が鋭くなった。天国の音も、地上の音も、何によらず聞き取れる。おれの耳には地獄の音さえ少なからず聞こえた。しかし、どこが狂っていると言うのだろう。あんたたちはおれの話を聞くべきだ。そうしてどれほど正気か知るべきだ――おれがどんなに冷静に一切を語るかを。

   エドガー・アラン・ポー=著 西崎憲(にしざき・けん)=訳 「告げ口心臓」
   『エドガー・アラン・ポー短篇集』 ちくま文庫 2007/05 所収


(J3) 小川(高)2006
もちろんだ! たしかに緊張した。とんでもなく神経が張りつめていた。まだおさまらない。だからといって異常だとは決めつけないでもらいたい。感覚は病気のせいで鋭くなっていたのであって、おかしくなったり鈍くなったりはしていない。それに何より聴覚が研ぎすまされていた。天地の音を聞き逃すことがなかった。地獄の音だって聞こえた。そういう人間がおかしいわけはなかろう。まあ、聞くがいい。どれだけ健全に、冷静に、語りつくせるか、とくとご覧(ろう)じろ。

   エドガー・アラン・ポー=作 小川高義=訳 「告げ口心臓」
   『黒猫/モルグ街の殺人』 光文社古典新訳文庫 2006/10 所収


(J4) 金原 2006
うそじゃない! 神経がぴりぴりしてしょうがなかったんだ。今もそうだ。だが、頭はまともだ。ただ、神経をやられて、感覚が鋭くなってしまったんだ。感覚がなくなったわけでも、鈍くなったわけでもない。とくに耳が鋭くなった。天上のことも、地上のこともすべてきこえる。地獄のことまで、あれこれきこえてくる。頭がおかしいなんてことがあるものか。まあ、きいてくれ! そして判断してくれ。落ちついて冷静に話してみるから。最初から最後までな。

   エドガー・アラン・ポー=作 金原瑞人(かねはら・みずひと)=訳 「告げ口心臓」
   R・スティーヴンスン、C・ディケンズ〔ほか〕=著
   金原瑞人=編 『英米ホラーの系譜』 ホラーセレクション9
   ポプラ社 2006/03 所収
   原文にあるルビは省略しました。


(J5) 李 2002
本当なのです。私は神経質に、それもかなり酷い神経質になっていたのでございます。それは今も続いております。それなのに、どういうわけ理由であなた様は私の気がふれているなどとおっしゃるのでしょうか? 病気のせいで神経が過敏になっていただけのことでございます。私の精神は鈍りも壊れもしてはおりません。何よりも聴覚が人一倍鋭くなっていたのです。私には天上と地上のどんな音でも聞き取ることができました。地獄の音もたくさん耳にしました。それなのに、どうして私の気がふれているのでしょうか? それなら、どうぞよくお聴きになって下さいませ。私がいかにまともに、いかに落ち着いて事の一部始終をお話できるかお聴きになるとよろしいでしょう。

   エドガー・アラン・ポー=作 李三宝=訳 「暴露させる心臓
   プロジェクト杉田玄白 正式参加テキスト 2002


(J6) 中野 1978
いかにも! 私は、——ひどい神経質、——いや、神経質も神経質、病的なまでにひどい神経質になっておりました。今もそうでございます。だが、それにしても貴下方は、なぜ私を狂人だとおっしゃりたいのでございます? 病気のために、私の感覚は、異常に鋭敏になっておりました。——駄目になるどころか、——鈍らされてもおりませんでした。とりわけ物音を聞きつける感覚は、恐ろしいほどでございました。天地の間のあらゆる物音を、私の耳は聞きました。地獄の音さえ聞きました。だが、それにしても、なぜ私が狂人なのでございましょう? お聞き下さいませ、この通り一部始終を私は立派に、常人同様に、——冷静に申し上げることができるのでございます。

   ポオ=作 中野好夫=訳 「裏切る心臓」
   『黒猫・モルグ街の殺人事件 他五篇』 岩波文庫 1978/12 所収


(J7) 田中 1974
その通りです!——神経が——そりゃもう、怖ろしく神経が立っていました、いまだって立っていますぜ! だがなぜお前さんがたは、わしを狂人(きちがい)だと言いたがるんです? その神経の病気で、わしの五官は——いいや、五官が駄目になったんじゃありません——鈍ったんでもねえ——逆に鋭くなったんです。なかでも耳が、ばかにはっきりしちまいました。空の上でも地の底でも、ありとあらゆる物音が聞えるんです。地獄の物音まで聞えました。どうです、これでもわしは狂人かね? 聴いて下さい! どのくらい尋常に、どのくらい落着いて、話の一部始終をわしが話せるか、見てやって下さい。

   エドガー・アラン・ポオ=作 田中西二郎=訳 「告げ口心臓」
   『ポオ小説全集3』 創元推理文庫 1974/06 所収


(J8) 八木 1971, 1974
ええ——神経質のなんのって——小生、まったくもってひどく神経質でしたし、げんにそうですが、だからといって、なんだってわたしを気違いとおっしゃりたいのか。病気で小生の感覚は鋭くなったものの——だめになったわけでも——にぶくなったわけでもない。とりわけ聴覚が鋭敏になって、天のこと、地のこと、なんでも聞きました。地獄のことも、たんと聞きました。となると、わたしのどこがどう狂っているのか。まずはとくとお聞きください——わたしがどんなに尋常に、どんなに冷静にことの次第を物語るかを——そして、そのうえでご判断のほどを。

   ポオ=作 八木敏雄=訳 「告げ口心臓」
   8a.世界文学全集32 ポー/ホーソン』 講談社 1974/09 所収
   8b.世界文学ライブラリー8』 講談社 1971 所収
   8c.黄金虫・黒猫・アッシャ−家の崩壊 ほか五編
      講談社文庫 1971/07 所収
   引用は 8c. に拠りました。


(J9) 小川(和)1968
いえ、本当でございます! じっさい私は神経過敏、そりゃもう、ひどく、おそろしいほど神経過敏でございましたし、いまでもそうなんでございます。しかし、どうしてまた旦那がたは、私が気違いだとおっしゃりたいんで? 病気で私の感覚はかえって鋭くなっていたんでして、滅茶苦茶になったのでもなければ、鈍(にぶ)くなったのでもございません。とりわけ聴覚が鋭くなっておりました。天の上、地の底、一切の音が聞えたのでございます。地獄の音もたんと聞きました。その私がなんで気が違っているものですか。まあ聞いてくださいまし! この通り、尋常に、冷静に、一部始終のお話が申しあげられるじゃございませんか。

   ポオ=著 小川和夫=訳 「告げ口心臓」
   『世界文学全集26 ポオ、ボオドレール集
   筑摩書房 1968 所収


(J10) 田桐 1964
いかにも仰(おお)せのとおり!――私は神経過敏だ――全く救いがたいほどの神経過敏に悩まされてきた、いや現に今だってそうなのだ。しかし、だからと言って、君は 一体 なぜこの私を気違い呼ばわりしようというのだ。病気したおかげで私の感覚はとぎすまされていた――だめになるどころか――鈍ってさえいなかった。五感のなかでもとりわけ聴覚は鋭かった。天の物音も地の物音も、私は残らず聞きつけたのだ。地獄の物音だっていろいろ聞こえたくらいなんだ。それなのに何だってこの私が気違いなんだ。まあ聞いてもらいたい! 私が一から十までどんなに理路整然と常人とおんなじに、どんなに落ち着いて話ができるか見てもらいたいものだ。

   エドガー・アラン・ポオ=作 田桐大澄(たぎり・ひさずみ)=訳 「告げ口する心臓」
   『ポオ短篇集』 八潮版・アメリカの文学 八潮出版社 1964/08 所収
   文中の太字箇所は、原文では太字でなく傍点。


(J11) 谷崎 1948, 1956, etc.
本当だ! 私は神経衰弱——非常に恐ろしく神経過敏であったし、いまもそうなのだ。それだのになぜ諸君は私を気違いだと言おうとするのか! 病気は私の感覚をただ鋭くしたのだ——いためたのでも、にぶくしたのでもない。ことに聴覚は鋭敏であった。私は天地のあらゆる物音を聞いた。地獄のさまざまの物音さえも聞いた。それだのに、どうして私は気違いであろう? まあ聞きたまえ、そしていかに健全に、いかに静かに、私がいっさいの顛末(てんまつ)を物語るかに注意したまえ。

   エドガア・アラン・ポオ=作 谷崎精二=訳 「告げ口心臓」
   11a. ポオ小説全集1 推理小説』(全4巻) 新装版 春秋社 1998/09 所収
   11b.エドガア・アラン・ポオ全集1』(全6巻) 新装版
       春秋社 1969/10 所収
   11c.エドガア・アラン・ポオ小説全集1 推理小説』(全4巻・別巻1)
       春秋社 1962/05 所収
   11d.ポオ小説全集3 モルグ街の殺人』 春陽堂 1956 所収
   11e.ポオ小説全集3』 春陽堂 1948 所収
   引用は 11a. に拠りました。11a. の底本は 11b. です。


(J12) 江戸川 1929
さうです。——神經過敏——その時私は、實に實に世にも恐しい神經過敏症でした。いや今に到るもその通りです。けれどそれであなたは私を狂人だと仰有いますか。勿論病氣は私の神經を磨き尖らせました。然し、役に立たなくしたのでも痴呆にしたのでもないのです。中にも聽覺の鋭さと言つたら素晴らしいものでした。私は天地萬物に籠るあらゆる音を聞きました。地獄のどよめきも聞きました。それでも私を狂人と言ふんですか、まあ御聞きなさい。私が如何に正確に、どんなに平然と一部始終をお話するか御聞きなさい。

[原文は以下のとおり、総ルビです]
さうです。——神經過敏(しんけいくわびん)——その時(とき)私(わたし)は、實(じつ)に實(じつ)に世(よ)にも恐(おそろ)しい神經過敏症(しんけいくわびんしやう)でした。いや今(いま)に到(いた)るもその通(とほ)りです。けれどそれであなたは私(わたし)を狂人(きちがひ)だと仰有(おつしや)いますか。勿論(もちろん)病氣(びやうき)は私(わたし)の神經(しんけい)を磨(みが)き尖(とが)らせました。然(しか)し、役(やく)に立(た)たなくしたのでも痴呆(ばか)にしたのでもないのです。中(なか)にも聽覺(ちやうかく)の鋭(するど)さと言(い)つたら素晴(すば)らしいものでした。私(わたし)は天地萬物(てんちばんぶつ)に籠(こも)るあらゆる音(おと)を聞(き)きました。地獄(じごく)のどよめきも聞(き)きました。それでも私(わたし)を狂人(きちがひ)と言(い)ふんですか、まあ御聞(おき)きなさい。私(わたし)が如何(どんな)に正確(せいかく)に、どんなに平然(へいぜん)と一部始終(ぶしじう)をお話(はなし)するか御聞(おき)きなさい。

   アラン・ポー=作 江戸川亂歩=譯 「物言ふ心臟」
   『世界大衆文學全集30 ポー、ホフマン集
   改造社 1929/04(昭和4)所収


(J13) 谷崎 1929
本當だ! 私は神經衰弱——非常に恐ろしい神經過敏であつたし、今もさうなのだ。それだのに何故諸君は私を氣違ひだと言はうとするのか? 病氣は私の感覺をたゞ鋭くしたのだ——傷(いた)めたのでも、鈍(にぶ)くしたのでもない。就中聽覺は鋭敏であつた。私は天地のあらゆる物音を聞いた。地獄のさま/゛\の物音さへも聞いた。それだのにどうして私は氣違ひであらう? まあ聞き給へ、そして如何に健全に、如何に静かに、私が一切の顛末(てんまつ)を物語るかに注意し給へ。

   ポオ=作 谷崎精二=譯 「告げ口心臟」
   『世界文學全集11 ポオ傑作集 緋文字・其他
   新潮社(非賣品)1929/01 所収


(J14) 小日向 1900, 1996
わが極めて稀なる、神經質の男なること、何時も渝らざるが故に、我を狂へるものと言はむと欲したまふか、ことわりなきことなり。我ひとたび、重き病痾に罹りてより、神經はいやが上に、鋭くなりまさりつ、別きて聽覺の怪しきまでに、過敏となれる、天籟地籟、あらゆる物の音は、もれず、我耳に入らざるなく、地獄の鬼の、うそぶく聲をだに、聞き分くるに、難からざるがゆゑに、狂へるものとなし給ふか。毛一筋のみだれもなく、こゝろおちつきて、語る所を聽き給へ。

   小日向是因=譯 「心の音」
   14a. 川戸道昭+榊原貴教=編 ナダ出版センター=制作
       『明治翻訳文学全集《新聞雑誌編》19 ポー集』(全50巻・別巻2)
       大空社 1996/06 所収
   14b. 『帝國文學』 1900/05(明治33)収載
   初出誌は 14b.14a.14b. を複製したもの。


■ロシア語訳 Translation into Russian

Правда! Я нервный - очень даже нервный, просто  до  ужаса,  таким  уж уродился; но как можно называть меня сумасшедшим? От болезни  чувства  мои только  обострились  -  они  вовсе  не  ослабели,  не  притупились.  И   в особенности - тонкость слуха. Я слышал все, что совершалось на небе  и  на земле. Я слышал многое,  что  совершалось  в  аду.  Какой  я  после  этого сумасшедший?  Слушайте  же!  И  обратите  внимание,  сколь  здраво,  сколь рассудительно могу я рассказать все от начала и до конца.

   Эдар Аллан По. Сердце-обличитель
   "Эдгар По. Стихотворени. Проза",
   Изд-во "Худ.лит.", Москва, 1976
   E-text at Lib.Ru



 Audio 1 
「告げ口心臓」 ポーランド語版のオーディオブック(朗読) Audiobook in Polish
Serce oskarżycielem: Audiobook of German translation

Uploaded to YouTube by AudioBook PL on 21 Aug 2014


■ポーランド語訳 Translation into Polish

Bez wątpienia — jestem zbyt nerwowy, strasznie nerwowy, zawszem był taki… Na jakiej wszakże zasadzie chcecie koniecznie upatrzyć we mnie szaleńca? Choroba zaostrzyła moje zmysły — nie znicestwiła ich — nie przytłumiła. Ponad innymi zmysłami — słuch mój górował niezwykłą czujnością. Słyszałem wszystko, cokolwiek działo się w niebiosach i na ziemi. Słyszałem wieleć z tego, co się działo w piekle. Skądże mi do szaleństwa? Chwila uwagi! Baczcie jeno, z jakim nadmiarem zdrowia i pogody ducha mogę wam opowiedzieć wszystko, co się stało.

   Edgar Allan Poe. Serce — oskarżycielem
   Translated by Bolesław Leśmian
   E-text at Wolne Lektury


■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

Van-e, aki százszor is nem kapta rajta magát azon, hogy valami hitvány vagy együgyű dolgot követ el, pusztán azért, mert tudja, hogy nem volna szabad elkövetnie? Nem él-e bennünk örökösen az a hajlam, hogy legjobb belátásunk ellenére is megszegjük a törvényt, csak azért, mert tudjuk, hogy törvény? Fölébredt bennem, mondom, a csökönyösségnek ez a szelleme, hogy végképp tönkretegyen.

   A fekete macska by Edgar Allan Poe
   E-text at Olvasókuckó


■チェコ語訳 Translation into Czech

Nervy - ano, mé nervy byly a jsou stále strašlivě rozervány, strašlivě; ale proč chcete tvrdit, že jsem šílený? Choroba zbystřila mé smysly, nezničila je, neotupila. Především sluch jsem měl citlivý. Co se jen šustlo mezi nebem a zemí, všecko jsem slyšel. Slyšel jsem zvuky i ze samého pekla. Jak to tedy, že jsem šílený? Poslouchejte a sami posuďte, jak rozumně, jak chladně vám celý příběh vypovím.

   Zrádné srdce by Edgar Allan Poe
   E-text at V noci jsem snil, že jsem motýlem


■スウェーデン語訳 Translation into Swedish

Sant, så sant – jag har varit och är fruktansvärt nervös, men varför påstår ni att jag är galen? Sjukdomen har skärpt mina sinnen – inte förstört – eller avtrubbat dem. Framför allt var min hörsel god. Jag hörde allting i himlen och på jorden. Jag hörde många ting i helvetet. Hur skulle jag då kunna vara galen? Hör nu på! Och observera hur normalt och lugnt jag kan berätta hela historien.

   Det skvallrande hjärtat by Edgar Allan Poe
   E-text at edstromskasbkurs.weebly.com [DOC]


■ノルウェー語訳 Translation into Norwegian

Sant nok! - nervøs - veldig, veldig nervøs har jeg vært og er jeg; men hvorfor påstår du at jeg er gal? Sykdommen hadde skjerpet sansene mine - ikke ødelagt - ikke svekket dem. Fremfor alt var hørselsansen styrket. Jeg hørte alle ting i himmelen ogjorden. Jeg hørte mangt i helvete. Hvordan skulle jeg da være gal? Hør på! Å legg merke til - hvor rolig jeg kan fortelle deg hele historien.

   Sladrehjertet by Edgar Allan Poe
   E-text at Poe, Forster and T.S. Eliot in Norwegian


■デンマーク語訳(部分) Translation into Danish (fragment)

Javel, det er sandt... nervøs, ja... meget, overmåde meget, frygtelig nervøs har jeg været... og jeg er det endnu. Men hvorfor vil De absolut paastaa, at jeg er forrykt? Sygdommen har bare skærpet mine Sanser - ikke ødelagt eller forvirret dem. Frem for alt var det min Høresans. Min Evne til at høre skarpt. Jeg hørte alle Ting i Himlen og paa Jorden. Jeg kunde ogsaa høre mange Ting i Helvede. Hvorfor finder De saa paa, at jeg skulde være gal?

   [Hjertet der røbede] by Edgar Allan Poe
   Excerpt at Anne Frederiksen


 Audio 2 
「告げ口心臓」 ドイツ語版のオーディオブック(朗読)
Das verräterische Herz: Audiobook of German translation

Read by Bernd Kuschmann. Uploaded to YouTube by scyliorhinus on 3 Apr 2010.


■ドイツ語訳 Translations into German

(D1)
Es ist wahr! Nervös, schrecklich nervös war ich und bin ich noch; aber weshalb soll ich wahnsinnig sein? Mein Übel hatte meine Sinne nur geschärft, nicht zerstört oder abgestumpft. Vor allem war mein Gehörsinn außerordentlich empfindlich geworden. Ich hörte alle Dinge, die im Himmel und auf der Erde vor sich gingen, und auch vieles, was in der Hölle geschah. Wie könnte ich also wahnsinnig sein? Hören Sie nur zu, wie vernünftig und ruhig ich lhnen die ganze Geschichte erzählen werde.

   Das verräterische Herz by Edgar Allan Poe
   E-text at versalia.de


(D2)
Wahr ist es: nervös, entsetzlich nervös war ich damals und bin es noch. Warum aber müßt ihr durchaus behaupten, daß ich wahnsinnig sei? Mein nervöser Zustand hatte meinen Verstand nicht zerrüttet, sondern ihn geschärft, hatte meine Sinne nicht abgestumpft, sondern wachsamer gemacht. Vor allem hatte sich mein Gehörsinn wunderbar fein entwickelt. Ich hörte alle Dinge im Himmel und auf Erden. Ich hörte viele Dinge in der Hölle. Und das sollte Wahnsinn sein? Hört zu und merkt auf, wie sachlich, wie ruhig ich die ganze Geschichte erzählen kann.

   Das schwatzende Herz by Edgar Allan Poe
   Edgar Allan Poe - Gesammelte Werke Null Papier Verlag
   Preview at Google Books
   E-text at Zeno.org


■オランダ語訳(未完) Translation into Dutch (work in progress)

Of ik zenuwachtig was? Heel, heel erg zenuwachtig was ik en dat ben ik nog steeds. Maar waarom wilt u zeggen dat ik gek ben? De ziekte had mijn zintuigen verscherpt, niet vernietigd. Bovenal was het zintuig van het horen aanwezig. Ik hoorde alle dingen in de hemel en op aarde. Ik hoorde veel dingen in de hel. Waarom dan ben ik gek? Luister! En merk op hoe gezond en hoe rustig ik u het hele verhaal kan vertellen.

   Het verraderlijke hart by Edgar Allan Poe
   A wiki-based translation under construction.
   E-text at Wikisource
   ウィキソースのサイト上で共同制作進行中の訳稿


■ルーマニア語訳 Translation into Romanian

Adevărat! Nervos, foarte, îngrozitor de nervos am fost şi sînt încă; însă de ce să susţii că aş fi nebun? Boala mi‑a ascuţit simţurile, nu mi le‑a distrus, nu mi le‑a tocit. Mai presus de toate, auzul îmi era ascuţit. Auzeam toate lucrurile din cer şi de pe pămînt. Auzeam multe lucruri din iad. Cum atunci să fiu nebun? Ascultă! Şi observă cît de normal, cît de calm îţi pot relata întreaga poveste.

   Inima care-şi spune taina by Edgar Allan Poe
   E-text at Si totusi povestile...


 Audio 3 
バルディーニによるイタリア語訳の朗読 Audiobook of the Italian translation by Baldini

Uploaded to YouTube by TheCrusius on 23 Feb 2012


■イタリア語訳 Translations into Italian

(It1) Baldini
Sul serio! Io sono nervoso, molto nervoso, e lo sono sempre stato. Ma perché pretendete che io sia pazzo? Si, è vero, la malattia ha reso più penetranti i miei sensi, ma non li ha rovinati, non li ha distrutti! Io avevo, finissimo, il senso dell'udito e ho ascoltato tutte le voci del cielo e della terra. E molte anche dell'Inferno. Come potrei esser pazzo, allora? State dunque attenti e notate con quanto giudizio e, soprattutto, con quanta calma io posso narrarvi tutt'intero il fatto.

   Il cuore rivelatore by Edgar Allan Poe
   Translated by Gabriele Baldini
   E-text at:
   * Traduzione di Gabriele Baldini
   * Letteratura - homolaicus.com


(It2) Arbib, 1903
Sì; è vero – sono nervosissimo, spaventevolmente nervoso – e lo sono stato sempre; ma perché volete pretendere ch’io sia pazzo? La malattia m’ha aguzzato i sensi, ma non li ha distrutti, non li ha ottusi. Più di tutti gli altri, avevo finissimo il senso dell’udito. Ho sentito tutte le cose del cielo e della terra. Ne ho sentite molte dell’inferno. E dite che son pazzo? State attenti! E osservate con quale precisione, con quale calma vi posso raccontare tutta la storia.

   Il cuore rivelatore by Edgar Allan Poe
   Translated by Rodolfo Arbib
   Milano : Società editrice Sonzogno, 1903
   E-text at EdgarAllanPoe.it


■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese

(Pt1) Portocarrero, 2007
É verdade! Nervoso, muito, muito nervoso mesmo eu estive e estou; mas por que você vai dizer que estou louco? A doença exacerbou meus sentidos, não os destruiu, não os embotou. Mais que os outros estava aguçado o sentido da audição. Ouvi todas as coisas no céu e na terra. Ouvi muitas coisas no inferno. Como então posso estar louco? Preste atenção! E observe com que sanidade, com que calma, posso lhe contar toda a história.

   O coração delator by Edgar Allan Poe
   Translated by Celina Portocarrero
   Os melhores contos de loucura Ediouro, 2007
   E-text at Projeto Releituras


(Pt2) Schiller, 2004
É verdade! — nervoso —, eu estava assustadoramente nervoso e ainda estou; mas por que você diria que estou louco? A doença tinha aguçado os meus sentidos —não destruído —, não amortecido. Acima de tudo, aguçado estava o sentido da audição. Eu escutava todas as coisas no céu e na terra. Eu escutava muitas coisas do inferno. Como posso estar louco? Ouça com atenção! E veja com que sanidade,com que calma sou capaz de contar a história inteira.


■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan

És cert! Sempre he sigut nerviós, molt, molt nerviós, terriblement nerviós. Però... per què afirmen vostès que estic boig? La malaltia ha esmolat els meus sentits, no els ha pas destruïts, no els ha pas esmussats. I era el sentit de l'oïda el més agut de tots. He sentit totes les coses al cel i a la terra. He sentit moltes coses a l'infern. Com puc estar boig, doncs? Escoltin... i observin amb quin seny, amb quina calma puc explicar la meva història.

   El cor delator by Edgar Allan Poe
   Translated by Felipe Ortega
   Lo Càntich. N.13. Dilogia, 2012.
   E-text at Lo Càntich


 Audio 4 
スペイン語版の朗読 Audiobook in Spanish

Uploaded to YouTube by Terror Y Nada Más on 12 Jun 2013


■スペイン語訳 Translation into Spanish

¡Es cierto! Siempre he sido nervioso, muy nervioso, terriblemente nervioso. ¿Pero por qué afirman ustedes que estoy loco? La enfermedad había agudizado mis sentidos, en vez de destruirlos o embotarlos. Y mi oído era el más agudo de todos. Oía todo lo que puede oírse en la tierra y en el cielo. Muchas cosas oí en el infierno. ¿Cómo puedo estar loco, entonces? Escuchen... y observen con cuánta cordura, con cuánta tranquilidad les cuento mi historia.

   El corazón delator by Edgar Allan Poe
   E-text at Ciudad Seva


 Audio 5 
ボードレールによるフランス語訳の朗読 Audiobook of the Italian translation by Baldini

Uploaded by pilmix12 on 20 Feb 2013


■フランス語訳 Translation into French

Vrai ! — je suis très nerveux, épouvantablement nerveux, — je l’ai toujours été ; mais pourquoi prétendez-vous que je suis fou ? La maladie a aiguisé mes sens, — elle ne les a pas détruits, — elle ne les a pas émoussés. Plus que tous les autres, j’avais le sens de l’ouïe très fin. J’ai entendu toutes choses du ciel et de la terre. J’ai entendu bien des choses de l’enfer. Comment donc suis-je fou? Attention ! Et observez avec quelle santé, — avec quel calme je puis vous raconter toute l’histoire.

  • Le Cœur révélateur by Edgar Allan Poe. Translated by Charles Baudelaire.
  • E-text at:

 Audio 6 
英文朗読: デイヴィッド・ローレンス Read by David Lawrence

Uploaded to YouTube by GreatestAudioBooks on 13 Jun 2013


 Audio 7 
英文朗読: ミスタークリーピーパスタ Read by MrCreepyPasta

Uploaded to YouTube by MrCreepyPasta on 4 Sep 2012


 Audio 8 
英文朗読: ジョーダン・ラナン Read by Jordan Lannan

Uploaded to YouTube by jordanslannan on 1 Nov 2010


 Audio 9 
朗読: イギー・ポップ Read by Iggy Pop

From the CD set: Closed on Account of Rabies: Poems and Tales of Edgar Allan Poe (1997) Disc 1


 Audio 10 
朗読: ベラ・ルゴシ Read by Bela Lugosi

ベラ・ルゴシによる「告げ口心臓」の朗読。おそらく1946〜47年ごろに録音されたと思われる。なお、このような録音が存在することは映画の國というサイトの「細川晋 世界映画DVD発見」というコラムで知りました。後日、YouTube にアップロードされたのを見つけました。

The Tell-Tale Heart read by Bela Lugosi. Uploaded to YouTube by Sally Zom Bie on 31 Oct 2011. The recording was perhaps made during the 1946-47 period. More details at lugosidvd.com, Open Culture and viewers' comments at YouTube.


 Video 1 
The Tell Tale Heart (2009) Directed by Travis Mays, Darren Walker

Uploaded by Travis Mays on Jul 14, 2010


 Video 2 
The Tell Tale Heart (2008) Directed by Ryan Shovey

Uploaded by Ryan Shovey on 18 Feb 2011


 Video 3 
Der Verrückte, das Herz und das Auge (2006) Directed by Gregor Dashuber, Annette Jung

Uploaded by Trickpiraten on 21 Aug 2013


 Video 4 
The Tell Tale Heart (2004) Directed by Stephanie Sinclaire

Uploaded by TheFilmandTVChannel on 21 Sep 2009


 Video 5 
The Tell Tale Heart Directed by Stephen J Conley and John Dur

Uploaded by Taletube1 on 16 Nov 2008. DVD is available from Amazon.com.


 Video 6 
The Tell-Tale Heart (1960) Directed by Ernest Morris

Uploaded by horrorsnark on 26 Apr  2011


 Video 7 
The Tell-Tale Heart (1953) Directed by Ted Parmelee

Uploaded by taromaru on 13 Jun 2006. Narrated by James Mason.


 Video 8 
The Tell-Tale Heart (1941) Directed by Jules Dassin

Published on 31 Oct 2012 by oobleckboy


■英語原文 The original text in English

TRUE! - nervous - very, very dreadfully nervous I had been and am; but why will you say that I am mad? The disease had sharpened my senses - not destroyed - not dulled them. Above all was the sense of hearing acute. I heard all things in the heaven and in the earth. I heard many things in hell. How, then, am I mad? Hearken! and observe how healthily - how calmly I can tell you the whole story. 


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「てるてる☆はあと」……高家 2010
  「告げ口する心臓」………田桐 1964
  「告げ口心臓」……………西崎 2007
  「告げ口心臓」……………小川(高)2006
  「告げ口心臓」……………金原 2006
  「告げ口心臓」……………田中 1974
  「告げ口心臓」……………八木 1971, 1974
  「告げ口心臓」……………小川(和)1968
  「告げ口心臓」……………谷崎 1948, 1956, 1962, 1969, 1998
  「告げ口心臟」……………谷崎 1929
  「心の音」…………………小日向 1900, 1996
  「物言ふ心臟」……………江戸川 1929
  「暴露させる心臓」………李 2002
  「裏切る心臓」……………中野 1978


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■更新履歴 Change log

  • 2015/10/31 ベラ・ルゴシ朗読の録音へのリンクを差し替え、情報を補足しました。
  • 2014/12/02 ポーランド語版朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/09/09 スペイン語版朗読と David Lawrence による英語原書朗読の2本の YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/05/27 フランス語訳の朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/03/08 スウェーデン語訳、ノルウェー語訳、デンマーク語訳(部分)、オランダ語訳(未完)、ルーマニア語訳、およびカタルーニャ語訳を追加しました。また、ベラ・ルゴシによる朗読へのリンクと The Tell Tale Heart (2008) の YouTube 動画も追加しました。
  • 2013/03/05 MrCreepyPasta による朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/11/20 つぎの2本の YouTube 画面を追加しました。
    1. Jordan Lannan による朗読
    2. The Tell-Tale Heart (1960) by Ernest Morris
  • 2012/11/19 つぎの3本の YouTube 動画を追加しました。これらのうち 2. について教えてくださった Y. M. さん、ありがとうございます!
    1. Der Verrückte, das Herz und das Auge (2006)
    2. The Tell-Tale Heart (1953) by Ted Parmelee
    3. The Tell-Tale Heart (1941) by Jules Dassin
  • 2012/08/14 もう1種類のドイツ語訳を追加しました。また、ドイツ語訳の朗読の YouTube 画面も追加しました。
  • 2012/08/08 2種類のイタリア語訳ともう1種類のポルトガル語訳を追加しました。また、イタリア語訳の朗読へのリンクを張りました。
  • 2012/07/07 ポーランド語訳を追加しました。
  • 2012/05/02 イギー・ポップによる朗読とステファニー・シンクレアによる映画の2本の YouTube 画面を追加しました。
  • 2011/12/01 高家あさひ=訳 2010-01-19 を追加しました。
  • 2011/01/24 ハンガリー語訳を追加しました。
  • 2011/01/22 ロシア語訳、ドイツ語訳、およびポルトガル語訳を追加しました。
  • 2010/04/24 アニメ映画 The Tell-Tale Heart の YouTube 動画を追加しました。また、中国語訳(簡体字)のリンクがリンク切れになっていたのを修正しました。
  • 2009/11/08 チェコ語訳を追加しました。
  • 2009/08/25 中國語譯(繁體字)を追加しました。
  • 2009/04/26 田桐大澄=訳 1964/08 を追加し、「邦題の異同」の項を新設しました。
  • 2008/12/04 李三宝=訳 2002 を追加しました。
  • 2008/01/21 小川和夫=訳 1968 を追加しました。

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