「上つ毛野……」萬葉集巻14-3404 Anon. "Kamitsuke no...." from Man'yoshu 14-3404
■表紙画像 Cover photos
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Japan-Handbuch: Land und Leute, Kultur- und Geistesleben by Horst Hammitzsch. Steiner Franz Verlag (1990)
- Man.Yoshu : Livres XIV a XX translated by Rene Sieffert. Publications Orientalistes de France (2003)
- 1000 Poems from the Manyoshu: The Complete Nippon Gakujutsu Shinkokai Translation edited by Japanese Classics Translation Committee. Dover Publications (2005)
- Japanese Love Poems: Selections from the Manyoshu edited by Evan Bates. Dover Publications (2005)
- The Ten Thousand Leaves: A Translation of the Man Yoshu, Japan's Premier Anthology of Classical Poetry, Vol. 1 translated by Ian Hideo Levy. Princeton University Press (1987)
- 日本古典文學評介 余我=編著 新人人文庫 台灣商務印書館 ISBN: 9570505281 初版日期:1982/09
■現代日本語訳 Translations into cotemporary Japanese
- 新大系 2002
上野の安蘇の麻束を抱えるように、抱いて寝ても飽きないのを、私はどうしたらいいのだろう。 - 佐々木 2002
抱いても抱いても抱き飽きない。もうどうしようもないよ。 -
稲岡 2004
上野の安蘇の麻の束を抱きかかえるように、いとしいそなたを抱いて寝たが飽きることがない。どうしたらいいのか。
- 伊藤 1997
上野の安蘇の群れ立つ麻、その麻の群れを抱きかかえて引き抜くように、しっかと抱いて寝るけれど、それでも満ち足りない。ああ、俺はどうしたらいいのか。 - 新編全集 1995
上野(こうずけ)の 安蘇(あそ)のま麻群(そむら)のように 抱きついて寝ても飽きないが これ以上どうすればよいか -
水島 1986
上野(かみつけ)の国の安蘇の麻束を抱きかかえるように 抱いて寝ても、まだ飽きたらないが、この上、俺はいったいどうしたらいいんだ。 -
清川 1986, 1996
上野(かみつけ)の安蘇(あそ)の麻の束をかき抱くように、おまえをわが腕にしっかりと抱いて寝ても、まだまだ、ああ、これで満足だという気がしない。ああ、いったいこれ以上、どうしたらいいのだろう。(あいつって、この麻の束みたいにやわらかく、抱きしめるとぐっとしまって、そして、暖かいひなたの匂いを夜まで残している。抱いて寝ても、まだまだ愛したりない。おれって、あいつをいったいどこまで愛しているんだろう) - 中西 1984
上野の安蘇でとれた麻束を抱いて寝ているのだけれど、満足しない。私はどうしたらよいだろう。 - 集成 1982
上野(こうずけ)の安蘇の群れ立つ麻を抱(だ)きかかえるように、しっかと抱いて寝るけれど、それでも満ち足りない、ああ、私はどうしたらいいのか。 - 犬養 1978, 1981
麻の群れをかきいだくように、あなたをかきいだいて共に寝るけれど寝ても寝ても寝足りないのを、どう私はしたらいいでしょうか - 中西 1976
上野の野の、安蘇に収穫する麻束をかき抱いて寝ているのに、私はなお飽き足りない。どうしたらよいのだろう。 - 犬養 1975, 1983
麻の束をだくようにおまえさんをかき抱いて、共寝をするけれども、してもしても足りないのを、いったい私はどうしたらいいんだろう - 桜井 1974
[To be inserted later] - 全集 1973
上野(こうずけ)の 安蘇(あそ)のま麻(そ)の群(むら)のように 抱きかかえ 寝ても飽きないが これ以上どうしたものか - 永井 1972, 1979, etc.
かわいい恋人を掻きいだき、愛撫抱撫をくり返しているけれども、まだそれでもものたりないほど、いとしくてならない。ああ、いったいおれはどうしたらいいんだ……。 - 窪田 1967
上野の安蘇の麻むらを抜き取ろうとして抱くように、抱いて共寝をしているが、かわゆさに満足しないのを、我はどうしたならばよいのであろうか。 - 澤瀉 1965
上野の安蘇の麻の束をかき抱くやうに、あの子をかき抱いて寢ても飽かぬのを、何と私はしよう。 -
大系 1960
かき抱いて寝てもまだ満ち足りた心地がしない。ああ私はどうしたらいいだろう。 -
土屋 1954
上野の安蘇の、まその束を績ぐごとく、抱いて寢るけれども、まだ十分でないのを、何と私はしよう。 -
斎藤 1938, 1948, etc.
真麻(まそ)むらの麻の束を抱(だ)きかかえるように(序詞)可哀いお前を抱いて寝たが、飽きるということがない、どうしたらいいのか
■出典 Sources
- 新大系 2002
佐竹昭広+山田英雄+工藤力男(くどう・りきお)+大谷雅夫+山崎福之(やまざき・よしゆき)=校注 『新日本古典文学大系3 萬葉集3』 岩波書店 2002/07 - 佐々木 2002
佐々木幸綱=著 「相聞歌はどううたわれたか」 『朝日百科 世界の文学5 ヨーロッパ5』(全13巻) 朝日新聞社 2002/04 - 稲岡 2004
稲岡耕二(いなおか・こうじ)=著 『萬葉集3』 和歌文学大系3 明治書院 2004/02 - 伊藤 1997
伊藤博(いとう・はく)=著 『萬葉集釋注7』 集英社 1997/09 - 新編全集 1995
小島憲之(こじま・のりゆき)+木下正俊(きのした・まさとし)+東野治之(とうの・はるゆき)=校注・訳 『新編日本古典文学全集8 萬葉集3』(全4冊) 小学館 1995/12 - 水島 1986
水島義治(みずしま・よしはる)=著 『萬葉集全注 巻第十四』(全20巻) 有斐閣 1986/09 - 清川 1986, 1996
清川妙(きよかわ・たえ)=著 創美社=編
引用は 7b. に拠りました。 - 中西 1984
中西進=著 『万葉の秀歌(下)』 講談社現代新書 1984/06
- 集成 1982
青木生子(あおき・たかこ)+井手至(いで・いたる)+伊藤博+清水克彦+橋本四郎=校注 『新潮日本古典集成55 萬葉集4』 新潮社 1982/11 - 犬養 1978, 1981
犬養孝(いぬかい・たかし)=著
引用は 10a. に拠りました。 - 中西 1976
中西進=編 『鑑賞 日本古典文学3 万葉集』 角川書店 1976/10 - 犬養 1975, 1983
犬養孝=著
引用は 12a. に拠りました。
- 桜井 1974
桜井満(さくらい・みつる)=訳注 『現代語訳対照万葉集(中)』 旺文社文庫 1974/09 - 全集 1973
小島憲之(こじま・のりゆき)+木下正俊(きのした・まさとし)+佐竹昭弘(さたけ・あきひろ)=校注・訳 『日本古典文学全集4 萬葉集3』(全4冊) 小学館 1973/12 - 永井 1972, 1979, etc.
永井路子(ながい・みちこ)=著- 15a. 『万葉恋歌―日本人にとって「愛する」とは』 光文社文庫 2004/01
- 15b. 『名著愛蔵 万葉恋歌―日本人にとって「愛する」とは』 光文社 1995/10
- 15c. 『万葉恋歌』 角川文庫 1979/07
- 15d. 『万葉恋歌』 カッパ・ブックス 光文社 1972
- 窪田 1967
窪田空穂(くぼた・うつぼ)=著 『窪田空穂全集18 萬葉集評釋6』 角川書店 1967/01 - 澤瀉 1965
澤瀉久孝(おもだか・ひさたか)=著 『萬葉集注釋 卷第十四』 中央公論社 1965/03 - 大系 1960
高木市之助(たかぎ・いちのすけ)+五味智英(ごみ・ともひで)+大野晋(おおの・すすむ)=校注 『日本古典文学大系6 萬葉集3』 岩波書店 1960/10 - 土屋 1954
土屋文明=著 『萬葉集私注14』 筑摩書房 1954/05 - 斎藤 1938, 1948, etc.
斎藤茂吉=著 『万葉秀歌(下)』(全2冊) 岩波新書 1938/11
その他
21. 上野 2005
上野誠=著 佐藤秀明=写真『小さな恋の万葉集』小学館 2005/12
この記事でとりあげた歌は収録されていませんが、現代的で新鮮で大胆な意訳が試みられていて、万葉の世界への入門書としてはとても親しみやすい、オススメの本です。
■大意 The gist of the poem
あぁ、やりてぇ、やりてぇ、やりてぇ! ったくもう、どうしたらいいんだ!!
O, I need to fuck and fuck and fuck! What the heck should I do!!
- 出典:不明 Source: unknown
■原文 The original text in 7th-8th century Japanese
14-3404
[仮名] かみつけの, あそのまそむら, かきむだき, ぬれどあかぬを, あどかあがせむ
[訓読] 上つ毛野 安蘇のま麻むら かき抱き 寝れど飽かぬを あどか我がせむ
[原文] 可美都氣努 安蘇能麻素武良 可伎武太伎 奴礼杼安加奴乎 安杼加安我世牟
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萬葉集 巻第十四 東歌 3404
E-text at Japanese Text Initiative (Nishi Honganji bon 西本願寺本) -
貴重資料画像 - 京都大学電子図書館
- 京都大学附属図書館所蔵 古典籍(古典大系) 『萬葉集』 右から2行目の歌
- 京都大学附属図書館所蔵 近衛文庫 『万葉集(近衛本)』 左ページ最初の歌
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log
- 2009/05/14 永井路子=著 1995/10 を追加しました。なお、この本の存在は、下のコメント欄にご覧のとおり、かわうそさんに教えていただきました。かわうそさん、ありがとうございました。
- 2008/02/12 伊藤博=著 1997/09、水島義治=著 1986/09、中西進=著 1984/06、犬養孝=著 1983/06、犬養孝=著 1981/12、澤瀉久孝=著 1965/03、土屋文明=著 1954/05、および斎藤茂吉=著 1938/11 を追加しました。。
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