Proust, Marcel

Wednesday, 25 March 2009

Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain by Maryanne Wolf メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?』

■表紙画像 Cover photos

a. プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
著者:メアリアン・ウルフ
ハードカバー
出版社:インターシフト
発売日:2008-10-15
ISBN-10 : 4772695133

b. Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain
著者: Maryanne Wolf
ペーパーバック
出版社:Icon Books Ltd
発売日:2008-11-06
ISBN-10 : 1848310307

c. The Psychology and Pedagogy of Reading - Special Edition
著者: Edmund Burke Huey
Available from the International Reading Association (IRA).
発売日:2009
ISBN-13 : 978-0-87207-696-9
Table of contents is here.

This book by Sir Edmund Huey was originally published in 1908 by MacMillan, and reprinted in 1968 by MIT Press. For other editions, click here.
上のサー・エドモンド・ヒュ-イの著書は読字/読書に関わる古典的研究。メアリアン・ウルフは『プルーストとイカ』の「はじめに」など多くの場所でヒューイを引用している。

↓ Click to enlarge ↓

a. Puruusuto_to_ika b. Maryanne_wolf_proust_and_the_squid c. Edmund_huey_psychology_pedagogy_rea

■はじめに Introduction

字を読む。言葉を読む。本を読む。

「読む」という行為は、特殊で複雑で美しい。およそ自明というには程遠いプロセスだ――と、メアリアン・ウルフは言う。彼女は米国の大学で小児発達学・認知神経科学を教え、ディスレクシア(読字障害)の研究を専門とする。彼女の2人の子供のうち1人はこの症状を有する。

ウルフは、読むという、この奥深く創造的な行為を、脳との関わりにおいて解き明かしてゆく。


■日本語訳 Translation into Japanese

私の人生は言葉とともにある。脳の入り組んだ溝に潜んでいる言葉を探し出し、その幾重にも重なった意味と形状を研究し、言葉の秘密を子どもたちに教える日々である。
   ――はじめに

文字を読む脳の発達と進化のこの二つの次元、つまり、個人的・知的次元と生物学的次元が併せて語られることはまれだが、そうすることで発見できるきわめて重要で素晴らしい手本がある。本書では、読字のまったく異なる二つの側面を説明するため、メタファーとしては有名なフランスの作家マルセル・プルーストを、また、研究例としては非常に過小評価されているイカを取り上げてみる。プルーストは読書を、人間が本来ならば遭遇することも理解することもなく終わってしまう幾千もの現実に触れることのできる、一種の知的〝聖域〟と考えていた。これらの初めて触れた現実は、どれも読者がアームチェアにくつろいだままで、その知的生活を一変させる力を秘めているというのである。
   ――第1章 プルーストとイカに学ぶ

   メアリアン・ウルフ=著 小松淳子(こまつ・じゅんこ)=訳
   『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
   インターシフト 2008-10-15


■英語原文 The original text in English

I have lived my life in the service of words: finding where they hide in the convoluted recesses of the brain, studying their layers of meaning and form, and teaching their secrets to the young.
   -- Preface

These two dimensions of the reading brain's development and evolution—the personal-intellectual and the biological—are rarely described together, but there are critical and wonderful lessons to be discovered in doing just that. In this book I use the celebrated French novelist Marcel Proust as metaphor and the largely underappreciated squid as analogy for two very different aspects of reading. Proust saw reading as a kind of intellectual "sanctuary," where human beings have access to thousands of different realities they might never encounter or understand otherwise. Each of these new realities is capable of transforming readers' intellectual lives without ever requiring them to leave the comfort of their armchairs.
   -- Chapter One: Reading Lessons From Proust and the Squid

   Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain
   by Maryanne Wolf
   New York : HarperCollins, 2007

   Excerpt at:
   * Barnes & Noble
   * HarperCollins
   * Amazon.co.jp
   * Keenzo.com

   Audiobook excerpt of Preface
   * HighBridge Audio (in MP3 format)
   * Wisconsin Public Library Consortium (in WMA format)
   * Daniel Boone Regional Library (WMA)
   * State Library of Kansas (WMA)


■外部リンク External links

 [en] English
   * Proust and the Squid.com
   * Maryanne Wolf - Faculty Profiles Tufts University
   * Proust and the Squid - LibraryThing
   * Is Google Making Us Stupid? by Nicholas Carr
      An article in July/August 2008 issue of The Atlantic magazine.
      Technology writer Nicholas G. Carr is highly critical of the
      Internet's effect on cognition. Carr cites Maryanne Wolf in
      this article.

 [ja] 日本語
   * プルーストとイカ - インターシフト
      出版社による、この本の詳しい紹介。立ち読み (PDF) もできる。
      識者や主要メディア各社による多数の書評へのリンクも張られている。


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Saturday, 08 September 2007

À la recherche du temps perdu by Marcel Proust マルセル・プルースト 『失われた時を求めて』『失はれし時を索めて』『失ひし時を索めて』

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
 Video 1  映画 スワンの恋 (1984) Film Swann in Love (1984)
 Gallery   表紙画像 Cover photos
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 吉川 2010
  (J2) 高遠 2010
  (J3) 鈴木 1990, 2002, etc.
  (J4) 井上 1973, 1984, etc.
  (J5) 淀野+井上 1953, 1974
  (J6) 五來 1934
  (J7) 淀野+佐藤 1931
■日本語ラジオドラマ (1953) とそのシナリオの書籍化 (1985)
 Radio drama in Japanese (1953) and publication of its script (1985)
 Audio 1  ラジオドラマ スワン家のほうへ Swann's Way, a radio drama in English
■ロシア語訳 Translation into Russian
■英訳 Translations into English
  (E1) Davis, 2002
  (E2) Moncrieff, 1922
■スペイン語訳 Translation into Spanish
 Video 2  マルセル・プルーストの生と死 Vie et mort de Marcel Proust
 Audio 2  プチット・マドレーヌ La petite madeleine
■フランス語原文 The original text in French
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

プチット・マドレーヌ。あの有名な場面。


 Video 1 
[ja] スワンの恋 (1984) 1/7 フランス・西ドイツ合作 フランス語音声、ドイツ語字幕
[fr] Un amour de Swann (1984) 1/7 Audio: français, Sous-titres: allemand
[de] Eine Liebe von Swann (1984) 1/7 Sprachen: Französisch; Untertitel: Deutsch
[en] Swann in Love (1984) 1/7 Sound in French, Subtitles in German

監督: フォルカー・シュレンドルフ 出演: ジェレミー・アイアンズ、オルネラ・ムーティ
Directed by Volker Schlöndorff. Starring Jeremy Irons, Ornella Muti.


 Gallery 
表紙画像 Cover photos

a. 2010_proust_yoshikawa b. Proust_takato_kobunsha c. Proust_manga_east_press

d. Proust_suzuki_shueisha e. Proust_heuet_comic f. Proust_inoue_chikuma_bunko

g. Proust_nrf_french

↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑

■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

母亲着人拿来一块点心,是那种又矮又胖名叫“小玛德莱娜”的点心,看来象是用扇贝壳那样的点心模子做的。[略] 带着点心渣的那一勺茶碰到我的上腭,顿时使我混身一震,我注意到我身上发生了非同小可的变化。一种舒坦的快感传遍全身,我感到超尘脱俗,却不知出自何因。[略]

  然而,回忆却突然出现了:那点心的滋味就是我在贡布雷时某一个星期天早晨吃到过的“小玛德莱娜”的滋味(因为那天我在做弥撒前没有出门),我到莱奥妮姨妈的房内去请安,她把一块“小玛德莱娜”放到不知是茶叶泡的还是椴花泡的茶水中去浸过之后送给我吃。

   《追忆似水年华》 第一卷 贡布雷 一
   【法】马塞尔·普鲁斯特
   E-text at:
   * 兴塔小学 数字图书馆
   * 语文备课大师


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 吉川 2010
そこで母が持って来させたのは、溝のあるホタテ貝の殻に入れて焼きあげたような「プチット・マドレーヌ」という小ぶりのふっくらしたお菓子だった。[略]なにげなく紅茶を一さじすくって唇に運んだが、そのなかに柔らかくなったひとかけらのマドレーヌがまじっていた。ところがお菓子のかけらのまじったひと口が口蓋(こうがい)にふれたとたん、私は身震いし、内部で尋常ならざることがおこっているのに気づいた。えもいわれぬ快感が私のなかに入りこみ、それだけがぽつんと存在して原因はわからない。[略]

 すると突然、想い出が私に立ちあらわれた。その味覚は、マドレーヌの小さなかけらの味で、コンブレーで日曜の朝[略]、おはようを言いにレオニ叔母の部屋に行くと、叔母はそのマドレーヌを紅茶やシナノキの花をハーブティーに浸して私に出してくれたのである。[略]

   第一部 コンブレー
   プルースト=作 吉川一義(よしかわ・かずよし)=訳
   『失われた時を求めて1 第一篇 スワン家のほうへ1』(全14冊)
   岩波文庫 2010/11/16


(J2) 高遠 2010
母は溝の入った帆立貝の貝殻で型をとったように見える、「プチット・マドレーヌ」と呼ばれる、小ぶりのぽってりしたお菓子をひとつ持ってこさせた。[略]マドレーヌのひと切れを柔らかくするために浸しておいた紅茶を一杯スプーンにすくって口に運んだ。とまさに、お菓子のかけらのまじったひと口の紅茶が口蓋に触れた瞬間、私のなかで尋常でないことが起こっていることに気がつき、私は思わず身震いをした。ほかのものから隔絶した、えもいわれぬ快感が、原因のわからぬままに私のうちに行きわたったのである。[略]

 そのとき突然、思い出が姿を現した。これは日曜の朝、コンブレーで[略]、レオニ叔母の部屋へおはようを言いに行ったときに、叔母がいつも飲んでいる紅茶か菩提樹(ティユール)のハーブティーに浸して私に差し出してくれたマドレーヌの味だった。[略]

   第一部 コンブレー
   マルセル・プルースト=作 高遠弘美(たかとお・ひろみ)=訳
   『失われた時を求めて1 第一篇「スワン家のほうへ1」
   光文社古典新訳文庫 2010/09/20


(J3) 鈴木 1990, 2002, etc.
母は、「プチット・マドレーヌ」と呼ばれるずんぐりしたお菓子、まるで帆立貝の筋のはいった貝殻で型をとったように見えるお菓子を一つ、持ってこさせた。[略]お茶に浸してやわらかくなったひと切れのマドレーヌごと、ひと匙(さじ)の紅茶をすくって口に持っていった。ところが、お菓子のかけらの混じったそのひと口のお茶が口の裏にふれたとたんに、私は自分の内部で異常なことが進行しつつあるのに気づいて、びくっとしたのである。素晴らしい快感、孤立した、原因不明の快感が、私のうちにはいりこんでいた。[略]

 そのとき一気に、思い出があらわれた。この味、それは昔コンブレーで日曜の朝[略]、レオニ叔母の部屋に行っておはようございますを言うと、叔母が紅茶か菩提樹(ぼだいじゅ)のお茶に浸してさし出してくれた小さなマドレーヌの味だった。[略]

   「スワン家の方へ」
   第一部 コンブレー
   マルセル・プルースト=作 鈴木道彦(すずき・みちひこ)=訳
   3a.失われた時を求めて1 第一篇 スワン家の方へ1
      集英社文庫ヘリテージシリーズ 2006/03
   3b.抄訳版 失われた時を求めて1』 集英社文庫 2002/12
   3c.集英社ギャラリー[世界の文学]8 フランス3』 集英社 1990/12
   引用は 3b. に拠りました。


(J4) 井上 1973, 1984, etc.
彼女はお菓子をとりにやったが、それは帆立貝のほそいみぞのついた貝殻で型をつけられたように見える、あの小づくりでまるくふとった、「プチット・マドレーヌ」と呼ばれるお菓子の一つだった。[略]一さじの紅茶、私がマドレーヌの一きれをやわらかく溶かしておいた紅茶を、唇にもっていった。しかし、お菓子のかけらのまじった一口の紅茶が、口蓋にふれた瞬間に、私は身ぶるいした、私のなかに起こっている異常なことに気がついて。すばらしい快感が私を襲ったのであった[略]

 突如として、そのとき回想が私にあらわれた。この味覚、それはマドレーヌの小さなかけらの味覚だった、コンブレーで、日曜日の朝[略]、私がレオニー叔母の部屋へおはようを言いに行くと、叔母は彼女がいつも飲んでいる紅茶、またはぼだい樹花を煎じたもののなかに、そのマドレーヌをひたしてから、それを私にすすめてくれるのであった。[略]

   失われた時を求めて 第1篇 スワン家のほうへ
   第一部 コンブレー
   マルセル・プルースト=作 井上究一郎(いのうえ・きゅういちろう)=訳
   4a.失われた時を求めて1 第1篇 スワン家のほうへ
      ちくま文庫 1992/09
   4b.プルースト全集1』 筑摩書房 1984/01
   4c.筑摩世界文學大系57 プルースト1』 筑摩書房 1973/07
   引用は 4c. に拠りました。


(J5) 淀野+井上 1953, 1974
母はお菓子をとりにやつた。それは帆立貝の細い溝のある貝殻にでも流しこんで焼いたかと思われる、あのころつとして膨らんだ、プチット・マドレーヌと呼ばれる菓子だつた。[略]私は、そのマドレーヌの一片を浸(つ)けてほとびさせたお茶を一匙(ひとさじ)、機械的に、脣にもつていつた。ところが、菓子の細かいかけらのまじつた一口のお茶が、口うらにふれた瞬間、私は身顫いした、何か異常なものが身内に生じているのに氣づいて。なんとも言えぬ快感が、孤立して、どこからともなく湧き出し、私を浸してしまつているのだ。[略]

 と突然、追憶が浮び上つた。この味、これはコンブレ時代に、日曜の朝[略]、私がレオニ叔母の部屋へお早うを言いにいつたとき、叔母がよくそのお茶や菩提樹花の藥湯に浸(ひた)してすすめてくれた、あのマドレーヌの小さいかけらの味だつたのだ。[略]
   
   第一部 コンブレ1
   5a. マルセル・プルースト=著
     淀野隆三(よどの・りゅうぞう)+井上究一郎(いのうえ・きゅういちろう)=訳
     『失われた時を求めて1 スワンの恋』 新潮社 1974/05
   5b. マルセル・プルースト=著 淀野隆三+井上究一郎=譯
     『失われた時を求めて1 スワンの戀1』 新潮社 1953/03
   引用は 5b. に拠りました。


(J6) 五來 1934
母は、「プティット・マドレエヌ」といふ、短いふつくりとした菓子を取りにやつたが、この菓子は、サン・ジャック貝の細い溝のついた貝殻の中で、型をつけられもののやうに思はれる。[略]私は一片(きれ)のマドレエヌを浸したお茶を、一匙口に持つて行つた。だが、菓子の切れ端の雜つた一口の茶が、口蓋に觸れた一刹那、私は身顫ひして、異常なものが心内に生じたのに注意した。快い喜びが、何故といふ理由もなく、私を侵し、孤立させた。[略]

 一氣に、思ひ出が浮び上つて來た。この味は、日曜日の朝、[略]コンブレエで、レオニイ伯母の部屋にお早うを言ひに行つた時、よく彼女が、煎茶の菩提樹花の煎汁に浸して出してくれた、マドレエヌの小片の味だつた。[略]

   コンブレエ
   マルセル・プルウスト=著 五來達(ごらい・とおる)=譯
   『プルウスト全集 失はれし時を索めて 第一卷 スワン家の方1
   三笠書房 豫約頒價金一圓五十錢 1934/09(昭和9)


(J7) 淀野+佐藤 1931
母はお菓子をとりにやつた。それは、プッチット・マドレエヌと言はれてゐる、太くて短い菓子で、海扇(ほたてがひ)の、細い溝のある貝殻のなかで型どられたやうに見える菓子だつた。[略]一匙の茶——私はそのなかでマドレエヌがほとびるままに放つておいた茶を唇にもつていつた。だが、菓子の缺片(かけら)のまじつた一口の茶が、私の口うらに觸れたその瞬間に、私は身顫ひしたのだ、異常なことが身うちに起つたのに注意を向けて。いひやうのない快さが、孤立して、理由もわからずに、私のなかに襲つてきた。[略]

 だが俄に思ひ出が現はれた。この味、それはマドレエヌの缺片(かけら)の味だつた。それをコンブレエで、日曜日の朝[略]私が叔母のレオニィの部屋ヘ朝の挨拶に行つたとき、煎茶か菩提樹花の湯に浸して、彼女が私に勸めた、あのマドレエヌの缺片の味だつたのだ。[略]

   第一部 コンブレエ
   マルセル・プルウスト=著
   淀野隆三(よどの・りゅうぞう)+佐藤正彰(さとう・まさあき)=譯
   『失ひし時を索めて 第一卷 スワン家の方
   武藏野書院 定價金一圓七十錢 1931/07(昭和6)


■日本語版ラジオドラマ化 (1953) とそのシナリオの書籍化 (1985)
 Radio drama adaptation in Japanese (1953) and publication of its script (1985)

古本屋さん HoneyBeeBrand(みつばち印)によると、『失われた時を求めて』は1953年に日本でラジオドラマ化されたことがあるそうだ。脚本は中村真一郎で、全5回の放送だった由。

そのシナリオ(ドラマ台本)が井上究一郎氏のもとで発見され、放送後32年を隔てて出版されたのが、下の表紙画像にご覧の『失われた時を求めて—ラジオ・ロマン』 (筑摩書房 1985/11)。「関係者の驚きも大きかったようで、本の半分が回想、説明にあてられています」(上記みつばち印)とのこと。

Nakamura_radio_roman_ushinawareta
   情報源: 特ダネ03*みつばち印
   Image source: フランス文学−ぱらぶら屋書店目録


 Audio 1 
英語版ラジオドラマ『失われた時を求めて』 (スワン家のほうへ) 2/6
In Search of Lost Time (Swann's Way), a radio drama series in English. 2 of 6

マイケル・バット脚色による全6回シリーズ(各回60分)。出演: ジェームズ・ウィルビー。フィクション・ファクトリー制作。オリジナル放送は2005年2月6日〜2005年3月13日。「私」がレオニ叔母の部屋へおはようを言いに行き、お茶にマドレーヌを浸すシーンは、2:15あたりから始まる。全録音は i-Tunes でダウンロード購入できる。

A six-part series (60 min. each) dramatised by Michael Butt for the "The Classic Serial", broadcast between 6 February 2005 and 13 March 2005. Starring James Wilby. Produced by Fiction Factory. The entire series is downloadable with fee from i-Tunes. The scene in which "I" dip a piece of madeleine in tea at Aunt Leonie's starts around 2:15.


■ロシア語訳 Translation into Russian

Мама велела подать мне одно из тех кругленьких и пузатеньких пирожных, называемых Petites Madeleines, формочками для которых как будто служат желобчатые раковины моллюсков из вида морских гребешков. [Omission] я машинально поднес к своим губам ложечку чаю, в котором намочил кусочек мадлены. Но в то самое мгновение, когда: глоток чаю с крошками пирожного коснулся моегь неба, я взррогнул, пораженный необыкновенностью происходящего во мне. Сладостное ощущение широкой волной разлилось по мне, казалось, без всякой причины. [Omission]

И вдруг воспоминание всплыло передо мной. Вкус этот был вкусом кусочка мадлены, которым по воскресным утрам в Комбре [Omission] угощала меня тетя Леония, предварительно намочив его в чае или в настойке из липового цвета, когда я приходил в ее комнату поздороваться с нею.

  • Марсель Пруст. В поисках утраченного времени. Книга I. В сторону Свана. Сов. писатель, Ленинградское отд-ние, 1992. Translated by А. А. Франковского
  • E-text at Lib.ru: "Классика"

■英訳 Translations into English

(E1) Davis, 2002
She sent for one of those squat, plump cakes called petites madeleines that look as though they have been molded in the grooved valve of a scallop-shell. [Omission] I carried to my lips a spoonful of the tea in which I had let soften a piece of madeleine. But at the very instant when the mouthful of tea mixed with cake-crumbs touched my palate, I quivered, attentive to the extraordinary thing that was happening in me. A delicious pleasure had invaded me, isolated me, without my having any notion as to its cause. [Omission]

And suddenly the memory revealed itself. The taste was that of the little piece of madeleine which on Sunday mornings at Combray [Omission], when I went to say good morning to her in her bedroom, my aunt Leonie used to give me, dipping it first in her own cup of tea or tisane.

  • The Way by Swann's by Marcel Proust. In Search of Lost Time. Translated by Lydia Davis, 2002. Paperback: Penguin Classics, 2004/12
  • Excerpt at Reading Proust

(E2) Moncrieff, 1922
She sent out for one of those short, plump little cakes called 'petites madeleines,' which look as though they had been moulded in the fluted scallop of a pilgrim's shell. [Omission] I raised to my lips a spoonful of the tea in which I had soaked a morsel of the cake. No sooner had the warm liquid, and the crumbs with it, touched my palate than a shudder ran through my whole body, and I stopped, intent upon the extraordinary changes that were taking place. An exquisite pleasure had invaded my senses, but individual, detached, with no suggestion of its origin. [Omission]

And suddenly the memory returns. The taste was that of the little crumb of madeleine which on Sunday mornings at Combray [Omission], when I went to say good day to her in her bedroom, my aunt Leonie used to give me, dipping it first in her own cup of real or of lime-flower tea.


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Mandó mi madre por uno de esos bollos, cortos y abultados, que llaman magdalenas, que parece que tienen por molde una valva de concha de peregrino. [Omission] me llevé a los labios unas cucharadas de té en el que había echado un trozo de magdalena. Pero en el mismo instante en que aquel trago, con las miga del bollo, tocó mi paladar, me estremecí, fija mi atención en algo extraordinario que ocurría en mi interior. Un placer delicioso me invadió, me aisló, sin noción de lo que lo causaba. [Omission]

Y de pronto el recuerdo surge. Ese sabor es el que tenía el pedazo de magdalena que mi tía Leoncia me ofrecía, después de mojado en su infusión de té o de tilo, los domingos por la mañana en Combray [Omission], cuando iba a darle los buenos días a su cuarto.

  • Primera Parte. Combray. I. Por el camino de Swann. En busca del tiempo perdido I by Marcel Proust
  • E-text at Lector Online

 Video 2 
マルセル・プルーストの生と死 Vie et mort de Marcel Proust

プチット・マドレーヌのシーンは 30:47 あたりから。 Uploaded to YouTube by Julien Nizos on 22 Sep 2012. The petite madeleine scene starts around 30:47.


 Audio 2 
1. スワン家のほうへ オーディオブック
1. Du côté de chez Swann - Livre audio

Uploaded to YouTube by Poesis fr on 24 Sep 2013.


■フランス語原文 The original text in French

1:53:36 Elle envoya chercher un de ces gâteaux courts et dodus appelés Petites Madeleines qui semblaent avoir été moulés dans la valve rainurée d’une coquille de Saint-Jacques [Omission] 1:53:55 je portai à mes lèvres une cuillerée du thé où j’avais laissé s’amollir un morceau de madeleine. Mais à l’instant même où la gorgée mêlée des miettes du gâteau toucha mon palais, je tressaillis, attentif à ce qui se passait d’extraordinaire en moi. Un plaisir délicieux m’avait envahi, isolé, sans la notion de sa cause.  [Omission]

1:59:27 Et tout d’un coup le souvenir m’est apparu. Ce goût celui du petit morceau de madeleine que le dimanche matin à Combray [Omission], 1:59:43 quand j’allais lui dire bonjour dans sa chambre, ma tante Léonie m’offrait après l’avoir trempé dans son infusion de thé ou de tilleul.

  • Première Partie. Combray. I. Du côté de chez Swann (1913). À la recherche du temps perdu, Tome I, by Marcel Proust.
  • E-text at eBooks@Adelaide
  • 青い数字は上のビデオ画面に表示されている時間です。クリックすると新しいウインドウが開いて、その箇所の録音にジャンプします。 The numerals in blue indicate the time displayed on the video above. To jump to the recording of each passage, click the numerals; a new window will open and the recording will jump to that section.

■更新履歴 Change log

  • 2014/08/20 リンク切れになっていたフランス語原文オーディオブックを他のリンクと差し替えました。
  • 2013/09/17 目次を新設しました。
  • 2013/04/12 フランス語原文オーディオブックと、「マルセル・プルーストの生と死」の YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/08/11 ロシア語訳とスペイン語訳を追加しました。
  • 2011/04/01 中国語訳(簡体字)を追加しました。
  • 2010/11/29 吉川一義=訳 2010/11/16 と、その表紙画像を追加しました。また、「はじめに」の項を新設しました。
  • 2010/09/23 「日本語版ラジオドラマ化 (1953) とそのシナリオの書籍化 (1985)」の項、および英語版ラジオドラマ「スワン家のほうへ」の YouTube 画面を追加しました。
  • 2010/09/21 映画 『スワンの恋』 (1984) の YouTube 動画、表紙画像、および高遠弘美=訳 2010/09/20 を追加しました。また、このブログ記事のタイトルに古い邦題を追加して、つぎのように変更しました:
      旧題: A la Recherche du Temps Perdu by Marcel Proust
          マルセル・プルースト『失われた時を求めて』
      新題: A la Recherche du Temps Perdu by Marcel Proust
          マルセル・プルースト『失われた時を求めて』
          『失はれし時を索めて』『失ひし時を索めて』
  • 2007/09/12 淀野隆三+井上究一郎=譯 1953/03、五來達=譯 1934/09、および淀野隆三+佐藤正彰=譯 1931/07 を追加しました。

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■DVD

■洋書 Books in non-Japanese languages
(1) A la Recherche du Temps Perdu

(2) The Remembrance of Things Past

(3) In Search of Lost Time

(4) Marcel Proust

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Saturday, 23 December 2006

How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (2)

<< How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (1)
 
 
4560046646 De_botton

Como_cambiar_tu_vida_con_pr 2264033568
Clockwise from the top left:
* JP『プルーストによる人生改善法』(1999)
* EN How Proust Can Change Your Life (1997)
* FR Comment Proust peut changer votre vie (2002)
* ES Como Cambiar Tu Vida Con Proust (1998)
 
 
■日本語訳 Translation into Japanese

第一章 今日、人生を愛するには

 「不幸」ほど、人間が熱意を注いでいるものも少ない。もし私たちが、悪意をもった創造主によって、もっぱら苦しむために地上に置かれたのだとしても、その課題に熱心に応えていると自負してしかるべきだろう。私たちが生を嘆く理由はいくらでもある。肉体のはかなさ、愛のうつろいやすさ、偽善的な社交生活、妥協に満ちた友情、習慣がもたらす無感覚化。こうした執拗なる諸悪を思えば、私たちがこのうえなく待ち望んでいるものが、おのれの絶滅の瞬間だとしても驚くにはあたるまい。

   アラン・ド・ボトン=著 畔柳和代(くろやなぎ・かずよ)=訳
   『プルーストによる人生改善法』白水社 1999/01
 
 
■英語原文 The original text in English

How to Love Life Today

There are few things humans are more dedicated to than unhappiness. Had we been placed on earth by a malign creator for the exclusive purpose of suffering, we would have good reason to congratulate ourselves on our enthusiastic response to the task. Reasons to be inconsolable abound: the frailty of our bodies, the fickleness of love, the insincerities of social life, the compromises of friendship, the deadening effects of habit. In the face of such persistent ills, we might naturally expect that no event would be awaited with greater anticipation than the moment of our own extinction.

   How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (1997)
   * Hardcover: Pantheon Books, 1st edition (1997/05)
   * Paperback: Vintage Books (1998/05)
   * Excerpt at Salon | How Proust Can Change Your Life: Not ...
 
 
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Sunday, 03 September 2006

How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (1)

      How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (2) >>

Alaindebotton_proust
 
 
ジョイスとプルーストの邂逅について
On the meeting of James Joyce and Marcel Proust
 
 
■日本語訳 Translation into Japanese

(……)一九二二年、ホテル・リッツで開かれた、ブラック・タイ着用のディナーに二人の作家はそろって出席していた。そのディナーは、ストラヴィンスキー、ディアギレフ、ロシア・バレエの団員たちのために催された、ストラヴィンスキーの『狐』の初日を祝う宴だった。ジョイスは遅刻し、タキシードを着ていなかった。プルーストは一晩じゅう毛皮のコートを着たままだった。ジョイスはのちに、二人が互いに紹介されたあとの経緯を、ある友人に報告している。

  我々の会話を成していた言葉は「ノン」だけだった。プルーストは私に、なんと
  か侯爵を知っているかと訊ねてきた。「ノン」と答えた。女主人がプルーストに、
  『ユリシーズ』のどこそこを読んだかと質問した。プルーストは「ノン」と言っ
  た、以後も同様。

ディナーのあと、プルーストはディナーの主催者であったヴァイオレットとシドニー・シフとともにタクシーに乗り込んだ。ジョイスは許可も得ずにそれにつづいた。(……)

   アラン・ド・ボトン=著 畔柳和代(くろやなぎ・かずよ)=訳
   『プルーストによる人生改善法』白水社 1999/01
 
 
■イタリア語訳 Translation into Italian

Botton_italian
    * Guanda (2003)
    * Excerpt at noveporte.it
    * Excerpt at MarcelProust.it
 
 
■フランス語訳 Translation into French

Botton_french

    Alain de Botton "Comment Proust peut changer votre vie"
    Paperback: Editions 10/18 (2002/04)
    Excerpt at: Rencontre & rencontre
 
 
■英語原文 The original text in English

(……)In 1922, both writers were at a black-tie dinner given at the Ritz for Stravinsky, Diaghilev and members of the Russian Ballet, in order to celebrate the first night of Stravinsky's Le Renard. Joyce arrived late and without a dinner jacket, Proust kept his fur coat on throughout the evening and what happened once they were introduced was later reported by Joyce to a friend:

  'Our talk consisted solely of the word "Non". Proust asked me if I
  knew the work of so-and-so. I said, "Non." Our hostess asked Proust
  if he had read such and such a piece of Ulysses. Proust said, "Non."
  And so on.'

After dinner, Proust got into his taxi with his hosts, Violet and Sydney Schiff, and without asking, followed them in.(……)

   How Proust Can Change Your Life by Alain de Botton (1997)
   * Hardcover: Pantheon Books, 1st edition (1997/05)
   * Paperback: Vintage Books (1998/05)
   * Excerpt at Salon | How Proust Can Change Your Life: Not ...
   * Excerpt at AlainDeBotton.com
 
 
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