Shibata Motoyuki 柴田元幸

Sunday, 13 March 2016

The Penitent (from Fables) by Robert Louis Stevenson スティーヴンソン / スティーヴンスン(『寓話集』から)「悔い改めた者」「悔悟者」「罪を悔いる人」「悔いる人」

■はじめに Introduction

「悔い改めた者」はロバート・ルイス・スティーヴンソンの著書 『寓話集』 のなかの一話。下にその全文を引用します。ご覧のとおりごく短い文章ですが、スティーヴンソンらしいユーモアと皮肉が効いています。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2015
 ある男が、しくしく泣いている子供に行きあたった。「なんで泣いてるんだ?」と男は訊いた。
 「自分の罪を悔やんで泣いてるんです」と子供は言った。
 「よっぽど暇なんだな」と男は言った。
 翌日二人はまた出会った。またしても子供はしくしく泣いていた。「今度はなんで泣いてるんだ?」と男は訊いた。
 「食べるものがなくて泣いてるんです」と子供は言った。
 「いずれそう来ると思った」と男は言った。

  • スティーヴンソン=作 柴田元幸=訳 「悔い改めた者」 『MONKEY Vol.6 Summer/Fall 2015』 スイッチ・パブリッシング 2015-06-15

(J2) 枝村 1976
 一人の男が泣いている若者に出逢(あ)った。「どうして泣くの?」男は訊(き)いた。
「罪のために泣いているのです」若者はいった。
「たぶん、することがないのでしょう」男はいった。
 翌日、二人はまた出逢った。ふたたび、若者は泣いていた。「こんどはなぜ泣くの?」男は訊いた。
「食べ物がないので泣いているのです」若者は答えた。
「そうなると思ったよ」男はいった。

  • スティーヴンスン=作 ハーマン=絵 枝村吉三=訳 「悔悟者」 『寓話』 牧神社 1976-10-30

(J3) 河田 1975
 ある男が泣いている一人の少年にあった。「何で泣いてるんだね?」と男はたずねた。
「自分が罪深いので悲しくて泣いてるんだよ」と少年は言った。
「お前はよっぽどひま人なんだね」と男は言った。
 翌日、二人は再会した。少年はまた泣いていた。「今度は何で泣いてるんだね?」と男はたずねた。
「食べ物がないんで泣いてるんだよ」
「そうなるだろうと思ってたよ」


(J4) 斎藤 1958
 ある人が泣いている青年と行きあった。「何を泣いているの」と聞いたら、
 「わが罪のために泣いているのです」と青年は言った。
 「よほどすることがないと見えるネ」とその人は言った。
 翌日二人はまた会った。また青年は泣いていた。「こんどはなぜ泣くの」と聞いたら、
 「食べる物がなくて泣いているのです」と青年は言った。
 その人は言った、「おおかたそんなことになるだろうと思っていたよ」

  • スティーヴンスン=作 斎藤美洲=訳注 「悔いる人」 寓話 『びんづめの小鬼』 研究社新訳註叢書   研究社 1958-11-25

■ロシア語訳 Translation into Russian

     Один человек повстречал плачущего  юношу. "О  чем ты плачешь?"  спросил он.
     "Я плачу о моих грехах", сказал юноша.
     "Тебе, должно быть, нечем заняться", сказал человек.
     На следующий день они встретились снова. Юноша опять плакал. "Почему ты плачешь сегодня?" - спросил человек.
     "Я плачу, потому что мне нечего есть", сказал парень.
     "Я так и думал, что до этого дойдет", сказал человек.

  • VI. Кающийся. Роберт Льюис Стивенсон. Басни © Александр Сорочан (bvelvet@rambler.ru), перевод, 2006
  • E-text at Lib.Ru.

■スペイン語訳 Translation into Spanish

Un hombre se encontró con un joven que estaba llorando.
-¿Por qué lloras? -le preguntó.
-Lloro por mis pecados -respondió el joven.
-Tendrás muy poco que hacer -dijo el hombre.
Al día siguiente volvieron a encontrarse. El joven seguía llorando.
-¿Por qué lloras ahora? -preguntó el hombre.
-Lloro porque no tengo nada que comer -respondió el joven.
-Pensé que acabarías así -dijo el hombre.

  • El penitente by Robert Louis Stevenson. Translated by Jorge Luis Borges & Roberto Alifano. Fábulas Editorial Universitaria, 2004
  • Preview at Google Books

■バーチャルブック Virtual book


■英語原文 The original text in English

A man met a lad weeping. “What do you weep for?” he asked.
“I am weeping for my sins,” said the lad.
“You must have little to do,” said the man.
The next day they met again. once more the lad was weeping. “Why do you weep now?” asked the man.
“I am weeping because I have nothing to eat,” said the lad.
“I thought it would come to that,” said the man.


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Odd Shop by Walter de la Mare ウォルター・デ・ラ・メア 「奇妙な店」

■はじめに Introduction

「奇妙な店」はイギリスの詩人・作家ウォルター・デ・ラ・メア (1873-1956) の短篇小説。1955年に出版された A Beginning and Other Stories という本に収録されています。その冒頭の一段落を下に引用します。邦訳は、これまでに少なくとも3種類出ています。訳者は柴田元幸、橋本槇矩、荒俣宏の各氏です。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2012
一種独特の沈黙が、川べりからはじまっている裏通りの小さな暗い店にとり憑いているように思えた。真剣に聴き入っている者たちの沈黙、とでも言うか。その沈黙が突如、隅に吊るした、緑青のついた小さな鈴のくぐもった響きによって破られると、二段だけの木の階段をそろそろと降りてきた訪問者はただちにそれを耳にとめ、ジャランという歓迎の音がふたたび沈黙に吸い込まれると、なぜかその音をいっそう強く意識したのだった。


(J2) 橋本 1981, 1989
川岸からのぼる裏露路に面した小さな暗いその店には、独特な静寂がただよっていた。じいっと耳をすましているものたちがかもしだす、そんな静寂である。店のかたすみにつるした緑青(ろくしょう)だらけの小さな鈴が、くぐもった音で、突然その静寂を破った。二段しかない木の段(ステップ)を手さぐりするようにおりてきたのは通りがかりの客である。彼はすぐに静寂に気がついた。彼をむかえる鈴の音がやんでしまうと、いっそう静寂が深く感じられる。

  • W・デ・ラ・メア=作 橋本槇矩(はしもと・まきのり)=訳 「奇妙な店」
  • 引用は b. 旺文社文庫版 1981 に拠りました。

(J3) 荒俣 1979, 1989
静寂(しじま)が——といっても、静寂には付きものの現象なのだが——川からつづいている裏路にある、小さくてうす暗い店を、閉ざしこんでいるようだった——その静寂は、いってみれば、一心に耳を澄ましている者の沈黙であった。ふいにそれが、隅に吊るしてある小さな緑青(ろくしょう)のふいた鈴のたてた、籠もるような響きに破られた。そしてその店の、木でできた二段の階段につづく路を、当てもなく歩いてきた通りすがりの客がひとり、ふと店の存在に気づき、親しげな鈴の響きが静かになったとき、ほんとうに妙な成りゆきからその店に興味を惹かれたのだった。


■英語原文 The original text in English

A silence, peculiar to itself, seemed to possess the little dark shop in the back street running up from the river — the silence, as it were, of intent listeners. It was suddenly shattered by the muffled ringing of a little verdigrised bell hanging up in the corner, and a chance visitor groping his way down its two wooden steps at once perceived it, became indeed curiously aware of it when the hospitable jangle had fallen into silence.


■ "it" は何を指すか? 日本語訳のばらつき

引用した英語原文の終わり近くに、

    ... a chance visitor [ 略 ] at once perceived it, became indeed 
    curiously aware of it ...

とあります(下線は引用者 山林)。これら2つの it はおなじものを指すと思われます。さて何を指すでしょう? 邦訳者たちの理解は、上に見るとおり三者三様です。第一線の訳者たちにしては意外です。

具体的にいうと、it は柴田訳では鈴の「音」、橋本訳では「静寂」、荒俣訳では「店」を指すように読めます。このうち正解は柴田訳だと思います。作品を読み進めるとわかるとおり、この短篇は音をモチーフにしています。柴田訳以外では、ちょっと不自然です。橋本訳や荒俣訳だと物語がスムーズに流れず、ぎこちない感じがするのです。


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Tuesday, 03 December 2013

Wakefield by Nathaniel Hawthorne ホーソーン / ホーソン 「ウェイクフィールド」「ウェークフィールド」

           目次 Table of Contents

   ■はじめに Introduction
   ■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
   ■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
   ■日本語訳 Translations into Japanese
     (J1) 清水 2014
     (J2) 阿野 2013
     (J3) 柴田 2004, 2013
     (J4) 國重 1994
     (J5) 坂下 1993
     (J6) 酒本+竹村 1988, 2012
     (J7) 大橋 1980, 1995
     (J8) 荒 1956
     (J9) 佐藤 1934
   ■ロシア語訳 Translation into Russian
   ■ドイツ語訳 Translation into German
   ■イタリア語訳 Translation into Italian
   ■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
     Video   スペイン語版プロモーションビデオ Booktrailer for a Spanish edition
   ■スペイン語訳 Translations into Spanish
     (Es1) Chuliá
     (Es2)
     (Es3)
    Audio 1  フランス語オーディオブック Audiobook in French
   ■フランス語訳 Translations into French
     (F1) Spoll 2014
     (F2)
    Audio 2  英語朗読: ポール・オースター Wakefield read by Paul Auster
    Audio 3  英語朗読: ボブ・ニューフェルド Wakefield read by Bob Neufeld
   ■英語原文 The original text in English
    e-Book  1837年版の電子本 Scanned e-Book of the 1837 edition
   ■外部リンク External links
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■はじめに Introduction

「ウェイクフィールド」はアメリカの作家ナサニエル・ホーソーン (1804-1864) が書いた短編小説。1837年に出版された短編集『トワイス・トールド・テールズ』に収められている。下に引用するのは、その冒頭部分の翻訳と原文。

 

■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

记得哪份旧杂志还是报纸上登过一篇故事,据说是真人真事。说是有个男人——姑且称他威克菲尔德吧——离家出走为时多年。这种事就这么抽象地讲讲,倒并不少见,而且不考虑其特殊情况,就不能横加指责,斥为胡闹或荒唐。话虽如此,此事纵然算不上最恶劣的,也算得上记录在案的最离奇的丈夫失职事例了。并且,在人类一切怪行中也堪称了不起的任性举动。


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

記得哪份舊雜誌還是報紙上登過一篇故事,據說是真人真事。說是有個男人——姑且稱他威克菲爾德吧——離家出走為時多年。這種事就這麼抽象地講講,倒並不少見,而且不考慮其特殊情況,就不能橫加指責,斥為胡鬧或荒唐。話雖如此,此事縱然算不上最惡劣的,也算得上記錄在案的最離奇的丈夫失職事例了。並且,在人類一切怪行中也堪稱了不起的任性舉動。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 清水 2014
あれは古い雑誌か新聞だったと思うが、そこに実話として一人の男性のことが紹介されていたのを記憶している。今仮(かり)にウェイクフィールドとしておこう。この男、事も有ろうに、連れ添った妻のもとから長きにわたって姿を暗ましていたというのだ。この出来事は、そうした抽象的な説明だけでは、さほど異様でもなく、また、きちんと事情を述べない限り、人の道に悖(もと)るとか笑止千万などといって非難されることでもあるまい。しかし、これは最悪の事態からは程遠いものであるにせよ、恐らく夫婦間の義務不履行の事例としては、記録に残っているものの中で最も奇抜なものと言えようし、更に言うなら、人間の奇行を綴った一覧表の何処を探しても、これほど尋常ならざる奇怪な例は見つかるまい。


(J2) 阿野 2013
何かの古い雑誌か新聞に、長いこと妻のもとを離れていたある男——仮に名前をウェイクフィールドと呼んでおこう——の話が実話として出ていたのを覚えている。漠然とこう言ってしまえば、そのこと自体さほど珍しい話でもなく、事情をちゃんと見定めぬことには、いかがわしいとか馬鹿げていると言って非難するわけにもいかない。だが、悪質極まりないとは言えないまでも、婚姻義務の不履行でこれほど奇妙な例はおそらく記録にないだろう。おまけに、人間のありとあらゆる奇行の中でも、これは注目に値する気まぐれである。


(J3) 柴田 2004, 2013
何かの古い雑誌か新聞で、ある男の物語が実話として語られていたのを筆者は記憶している。それは妻の前から長いあいだ姿を消していた男——かりにウェイクフィールドと呼んでおこう——の話であった。かように抽象的に言ってしまうと、さほど異様な話には思えまいし、また、事情をきちんと具体的に述べぬかぎり、人の道にもとるとか、笑止千万とかいった非難も当たるまい。しかしながらこれは、夫婦間の義務不履行の例として、記録上最も悪質というには程遠くとも、おそらく最も奇妙な例であろう。さらに言えば、人間の奇行を列挙した一覧表に目を通しても、これほど酔狂な行為はそうざらにあるまい。


(J4) 國重 1994
古い雑誌だったか新聞だったかに、長いあいだ妻の許を離れていた男のことが——ウェイク フィールドとでもしておきましょう——実話として載ったことがあります。こう要約してしまうと、それほど異常というわけではないし、背後の事情をはっきりさせない限り、人の道に悖るとか馬鹿げているとかいって非難することはできません。とはいえ極悪非道というには程遠くても、記録の上では、妻に対する夫の仕打ちの内で一番奇怪なものではないでしょうか。それどころか、酔狂であることにかけては、人間の奇行を網羅したリストに見つかってもおかしくはないと思われます。


(J5) 坂下 1993
昔のある雑誌だったか新聞だったか、ある男の実話として報道された話を僕は思い出す——仮にその名をウェークフィールドとしておこう——この男は永い間、自分の妻からゆくえを暗ましていたのである。この行為はこう抽象的に述べる限り、あながち異例ともみえず、さりとて——適切な事情説明がない間は——悪戯心(いたずらごころ)だとか、たわいもない行為だとかいった悪名で片づけていい性質のものともみえない。さりとて、この事例が夫婦関係不履行の事案として、記録に残る最悪のものだとは到底いえないにしても、恐らくは最も不思議な事例であることに変わりはないだろう。のみならず、人間の奇癖悪癖も数々あるなかで、驚くべき点にかけては、いずれ劣らぬ奇抜な出来心のなせる事件だった。

  • 「ウェークフィールド」 ホーソーン=作 坂下昇(さかした・のぼる)=訳 『ホーソーン短篇小説集』 岩波文庫 1993-07-16

(J6) 酒本+竹村 1988, 2012
以前、何かの雑誌か新聞で、ある男の物語が実話として披露されていたのを覚えている。名前はかりにウェイクフィールドとしておくが、長いあいだ妻のまえから姿を消した男の話だ。こんなふうに抽象的な言い方をすると、そういう所行もさして異常ではなく、事情をきちんと見さだめないと、不届きだとも愚行だとも断じがたい。にもかかわらずこれは、むろん極悪とは言えないまでも、婚姻義務の不履行(ふりこう)で、おそらくこれほど奇妙な例は記録にはない。そればかりか、人間の奇行リストを調べあげても、見つからぬぐらい珍しい気まぐれなのだ。


(J7) 大橋 1980, 1995
なにかの古い雑誌であったか、それとも新聞であったか、長いあいだ妻のもとをはなれていた一人の男——彼(かれ)をウェーク フィールドと呼ぶことにしよう——のことが実話として載(の)っていたのを、わたしはおぼえている。こうした事実は、いまは右のように抽象的(ちゅうしょうてき)に述べたにすぎないが、たいへん稀(まれ)にしか起こらぬことともいえぬし、また——情況(じょうきょう)をちゃんと識別しもせずに——下品だとか、無意味だとかいって非難さるべきものでもない。しかしながら、これは、夫婦生活不履行(ふりこう)のもっともひどい例とはけっしていえないまでも、おそらくもっとも異様な例といえるであろうし、そのうえ、人間のあらゆる奇行(きこう)のなかでももっともいちじるしい気紛(きまぐ)れといえるかもしれない。


(J8) 荒 1956
或る古雑誌だったか、新聞だったかで、一人の男について,真実として語られていた一つの物語のでていたのを記憶している。その男をかりにウェークフィールドと呼ぶことにしたい。かれは長い間、自分の妻と別れて暮していた。この事実は、こんな具合に抽象的に述べれば、それほど異常なことでもないし、また周囲の特別な事情を無視すれば、悪いことでもないし、また不条理のことでもないので、責めるにもあたらない。しかしながらこれは、夫が妻に対して義務を果たさなかったという事実のうちで、もっとも悪性のものでは決してないが、恐らくもっとも奇妙な実例であろう。そしてまた、人間の奇妙な癖のすべてのリストのなかにみいだされる、著しい気紛れに数えることができる。

  • 「ウェークフィールド」 『予言の肖像画』 ナザニエル・ホーソン=著 荒正人(あら・まさひと)=訳 時事通信社出版局 1956

(J9) 佐藤 1934
或る古雜誌又は新聞に、永い間自分の妻と別れて暮してゐた或る一人の男——假にその男をウェイクフィールドと呼んで置かう——に就いて事實として語られてゐる一つの物語を私は記憶してゐる。こんな風に漠然と述べて見ると、この事實は大して異常でもないし、又、——周圍の事情を無視すれば——惡いこと、又は、不條理の事として責むべきでもない。とは言へ、これは夫が妻に對して、義務を盡さなかつた事實の、最も惡性の例ではないとしても、最も奇妙な實例であらう。そして又人間の「奇癖表」全體に見出される、これつきりといふ著しい氣紛れであらう。

  • 「ウェイクフィールド」 『優しき少年 : ホーソン短篇集』 ホーソン=著 佐藤清=訳 岩波文庫 1934(昭和9)
  • 又・述・情の旧字はそれぞれ新字で置き換えました。

■ロシア語訳 Translation into Russian

В каком-то старом журнале или в газете я, помнится, прочел историю, выдававшуюся за истину, о том, что некий человек - назовем его Уэйкфилдом долгое время скрывался от своей жены. Самый поступок, отвлеченно рассуждая, не так уж удивителен, и нет основания, не разобравшись внимательно во всех обстоятельствах, считать его безнравственным или безрассудным. Тем не менее этот пример, хотя и далеко не самый худший, может быть, самый странный из всех известных случаев нарушения супружеского долга. Более того, его можно рассматривать в качестве самой поразительной причуды, какую только можно встретить среди бесконечного списка человеческих странностей.

  • Готорн Натаниель. Уэйкфилд. Translated by Метальникова
  • E-text at BookReader

■ドイツ語訳 Translation into German

Aus irgendeinem alten Journal erinnere ich mich einer Erzählung, als wahr erzählt von einem Manne namens Wakefield, der sich für eine lange Zeit von seiner Frau entfernte. Das ist, so kurz mitgeteilt, nichts Ungewöhnliches und wäre ohne den Bericht der begleitenden Umstände auch weder als schlecht noch unsinnig zu verurteilen. Aber was diesen Wakefield betrifft, so ist es sicher nicht das schlimmste, aber das sonderbarste Beispiel ehelicher Vernachlässigung und zudem das Grillenhafteste unter allen menschlichen Sonderbarkeiten.


■イタリア語訳 Translation into Italian

In qualche vecchia rivista o giornale, ricordo d’aver letto la storia, riferita come vera, di un uomo, cui daremo il nome di Wakefield, il quale abbandonò per lungo tempo sua moglie. Questo fatto, così astrattamente enunciato, non è particolarmente insolito, e senza un’opportuna descrizione delle circostanze, non può nemmeno essere giudicato crudele o insensato. Nondimeno, anche se non è il più grave, questo è forse il più strano caso registrato di inadempienza nei doveri coniugali, e anche un singolare esempio tra quanti se ne possono trovare in tutti gli annali delle umane stravaganze.


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Numa velha revista ou jornal, lembro haver lido uma história, contada como verdadeira, de um homem – vamos chamá-lo de Wakefield – que se afastou voluntariamente por um longo tempo de sua esposa. O fato, visto assim de maneira abstrata, não é propriamente incomume nem deve – sem uma conveniente distinção de circunstâncias – ser conde nado por maldade ou por disparate. Seja como for, ainda que distanciado de outros piores, este é talvez o mais estranho exemplo, em registro, de delinqüência marital; e, além do mais, um capricho entre os mais notáveis que se possa encontrar na lista das extravagâncias humanas.


  Video  
スペイン語版プロモーションビデオ Booktrailer for a Spanish edition

下に引用する María José Chuliá 訳、Ana Juan イラストレーションによる版の広告ビデオ。 A booktrailer for the Spanish edition quoted below, with translation by María José Chuliá and illustrations by Ana Juan. Uploaded to YouTube by Canal de Estandartenews on 17 Mar 2011.


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1) Chuliá, 2011
Recuerdo haber leído en algún viejo periódico o en alguna revista antigua una crónica que, relatada como si fuera real, contaba la historia de un hombre, de nombre Wakefield, que decidió marcharse a vivir lejos de su mujer una temporada larga.  Contado de manera abstracta, este acontecimiento no resulta muy raro; y tampoco debe ser tildado de pícaro o disparatado, sin la adecuada aclaración de las circunstancias.  Sin embargo, aunque lejos de ser el más grave, quizá represente el ejemplo de fechoría marital más insólito que se conozca.  Y, por otra parte, nos hallamos ante una monstruosidad tan digna de mención como cualquiera de las que aparecen en el catálogo de rarezas humanas.


(Es2)
El alguna revista o diario viejo recuerdo haber leído la presunta historia de un hombre-llamémosle Wakefield-que se ausentó durante mucho tiempo de su hogar. Presentado de una manera abstracta, este acto no es extraordinario, y  a menos que hagamos una conveniente distinción de circunstancias, tampoco merece condenarse por perverso o insensato. Sin embargo, es el ejemplo más raro que conozco en los anales de la delincuencia conyugal y por añadidura el capricho más notable  que pueda hallarse  en toda de la escala de las extravagancias humanas.


(Es3)
Recuerdo que hace años, en un antiguo periódico o en alguna vieja revista, leí una historia, contada como real, de un hombre -llamémosle Wakefield- que se ausentó de su casa, abandonando a su mujer, durante un largo periodo de tiempo. El caso, expuesto de esta manera resumida, podría decirse que no es nada excepcional, y, sin conocer los detalles y circunstancias que lo originaron, no debería condenarse por absurdo o disparatado. Esta historia constituye para mí, sin la menor duda, si no el más grave, sí el más extraño caso de delincuencia marital de que se tenga noticia. Y más aún, se trata de la extravagancia más increíble y notable de todas las que se puedan encontrar en la crónica de los disparates humanos.


 Audio 1 
フランス語オーディオブック Audiobook in French

Uploaded to YouTube by Littérature - Livres Audio Poesis.fr on 14 Jan 2015.


■フランス語訳 Translations into French

(F1) Spoll 2014
C'est dans quelque revue, ou dans un vieux numéro de journal que j'ai lu cette histoire, soi-disant véritable, d'un homme, appelons-le Wakefield, qui avait abandonné sa femme pendant de longues années. Ce fait, en lui-même regrettable, n'a rien d'extraordinaire. Cependant, bien que celui dont il est ici question ne soit pas des plus graves, c'est peut-être le plus étrange exemple que l'on puisse rapporter touchant ce genre de délit matrimonial, et la manie la plus curieuse dans la liste des bizarreries humaines.


(F2)
Je me souviens de cette histoire, qu’on dit véridique, lue dans un vieux magazine, ou journal, d’un homme — appelons-le Wakefield — qui s’était absenté très longtemps, laissant sa maison et sa femme. Un tel fait effectué par distraction est assez inhabituel, et — en l’absence de circonstances spécifiques — doit être qualifié d’aberration ou de non sens. Il est un fait établi qu’il s’agit peut-être là d’un exemple des plus étranges de la défaillance maritale, encore que ce soit loin d’être un cas des plus graves. De plus, c’est un des phénomènes les plus remarquables qu’on puisse trouver dans la litanie des bizarreries humaines.


 Audio 2 
ポール・オースターがホーソーンを読む
Paul Auster reading Nathaniel Hawthorne | 92Y Readings

Uploaded to YouTube by 92nd Street Y on 6 Jun 2012.


 Audio 3 
英語原文のオーディオブック 朗読: ボブ・ニューフェルド
Audiobook in English read by Bob Neufeld
Wakefield_librivox
録音を聴くには  ここをクリック  してリブリヴォックスへ行ってください。
To listen  CLICK HERE  and go to LibriVox.


■英語原文 The original text in English

In some old magazine or newspaper I recollect a story, told as truth, of a man--let us call him Wakefield--who absented himself for a long time from his wife. The fact, thus abstractedly stated, is not very uncommon, nor--without a proper distinction of circumstances--to be condemned either as naughty or nonsensical. Howbeit, this, though far from the most aggravated, is perhaps the strangest, instance on record, of marital delinquency; and, moreover, as remarkable a freak as may be found in the whole list of human oddities.


 e-Book 
アメリカン・ステイショナーズ社刊1837年版の電子本
Scanned e-Book of the 1837 edition published by American Stationers Co.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2015-09-13 清水武雄=訳 2014、坂下昇=訳 1993、および E. A. Spoll による、もう1種類のフランス語訳を挿入しました。また、フランス語オーディオブックの YouTube 画面も追加しました。
  • 2014-11-26 荒正人=訳 1956 の訳文を挿入しました。また、スペイン語版プロモーションビデオとポール・オースターによる朗読の YouTube 動画を追加しました。

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Friday, 11 May 2012

A Perfect Day for Bananafish by J. D. Salinger J・D・サリンジャー 「バナナフィッシュ日和」「まるでバナナフィッシュの一日」「バナナフィッシュに最適の日」「バナナフィッシュにうってつけの日」「バナナ魚日和」「バナナ魚にはもってこいの日」「バナナフィッシュに最良の日」「バナナ魚には理想的な日」「ばななうおにはあつらえむきの日」

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
 Video 1  サリンジャー[原題] (2013) 公式予告編 Salinger (2013) Official trailer
 Video 2  A Perfect Day for Bananafish, directed by Alexander Charles Roché
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 鴻巣 2014
  (J2) 柴田 2008, 2009
  (J3) 野間 2005
  (J4) 片岡 1979, 2014
  (J5) 中川 1977, 1978, etc.
  (J6) 野崎 1974
  (J7) 沼澤 1973, 1976, etc.
  (J8) 鈴木 1969, 1981, etc.
  (J9) 繁尾 1969, 2000
  (J10) 橋本 1969
  (J11) 繁尾 1964
  (J12) 山田 1963
  (J13) 福井 1963
■トルコ語訳 Translation into Turkish
 Video 3  Yom Nifla LeDgey Banana (A Perfect Day for Bananafish), a video short
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
■チェコ語訳 Translation into Czech
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translations into French
  (F1) Rossi, 2002
  (F2)
 Video 4  A Perfect Day for Bananafish (2007)
■英語原文 The original text in English
■邦題のいろいろ Variations of the Japanese title
■訳文の比較 Comparison of translations
  (1) "Sex Is Fun-or Hell"
  (2) her Saks blouse
  (3) the window seat
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

J・D・サリンジャーの短篇代表作。初出は1948年1月31日号のニューヨーカー誌。1953年5月に、ほかの8篇の短篇とともにサリンジャーの自選短篇集『ナイン・ストーリーズ』に収められた。下に引用するのは小説冒頭の第一パラグラフの全文。


 Video 1 
映画 サリンジャー[原題] (2013) 公式予告編 Salinger (2013) Official trailer

J・D・サリンジャーに関する長編ドキュメンタリー。監督: シェーン・サレルノ。米国では2013年9月6日から限定公開。邦題と日本公開予定は未確認(2013-09-21 現在)。関連報道: 映画.com 2013-03-07 映画.com 2014-05-03 Uploaded to YouTube by Film Festivals and Indie Films on 13 Jun 2013. Directed by Shane Salerno. Official site.


 Video 2 
A Perfect Day for Bananafish, a 16mm film directed by Alexander Charles Roché

Uploaded by TheRocheification on 1 Apr 2010. Presented by the University of Miami. Written & Directed by Alexander Charles Roché. Starring Philip de la Cal.


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

旅馆单住了九十七位纽约来的广告业务员,他们简直把长途电话线全给霸占了,住507号房间的那位姑娘为要通长途只好从中午一直等到快两点半。不过她倒也没闲着。她看了小开本妇女杂志上登的一篇文章,标题是《性是乐趣——也可能是受罪》。她洗了她的梳子和头发刷子,把她那身米色套服裙子上的一处行债刮掉,又把她在萨克斯买的那件衬衫上的纽扣挪了挪位置。而且,还用镊子把她一颗痣上新冒出来的两根毛拔掉。在接线生终于拨响她房间的电话时,她止坐在窗前座位上染指甲,左手上的已经快染完了。

   逮香蕉鱼的最佳日子
    《九故事》 J.D. 塞林格作品系列
   作者: [美] J. D. 塞林格 译者: 李文俊 / 何上峰
   人民文学出版社 2007-08
   E-text at 努努书坊


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

旅館單住了九十七位紐約來的廣告業務員,他們簡直把長途電話線全給霸佔了,住507號房間的那位姑娘爲要通長途只好從中午一直等到快兩點半。不過她倒也沒閑著。她看了小開本婦女雜誌上登的一篇文章,標題是《性是樂趣——也可能是受罪》。她洗了她的梳子和頭髮刷子,把她那身米色套服裙子上的一處行債刮掉,又把她在薩克斯買的那件襯衫上的紐扣挪了挪位置。而且,還用鑷子把她一顆痣上新冒出來的兩根毛拔掉。在接線生終於撥響她房間的電話時,她止坐在窗前座位上染指甲,左手上的已經快染完了。

   逮香蕉魚的最佳日子
   九故事 【美】J.D.塞林格著
   E-text at 子乌书简


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 鴻巣 2014
そのホテルにはニューヨークから来た広告マンが九十七人ぐらい泊まりこみ、みんなして長距離電話の回線を占拠していたから、五〇七号室の娘は電話が通じるまでに正午から二時半近くまで待つはめになった。とはいえ、彼女はこの時間を無駄にはしなかった。ポケット判の女性誌をめくって「セックスって天国ーーそれとも地獄」なる記事を読んだ。櫛とブラシをきれいに洗った。ベージュのスーツについた染みを落とした。〈サックス〉で買ったブラウスのボタンの位置を付け替えた。ホクロにまたまた生えてきた毛を二本抜いた。ようやくオペレーターが部屋に電話をかけてきた頃には、窓際の造りつけのシートに腰かけ、そろそろ左手のマニキュアが仕上がるところまで来ていた。

  • J・D・サリンジャー=著 鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)=部分訳 『バナナフィッシュ日和』 片岡義男+鴻巣友季子=著 『翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり』 左右社 2014-08-20
  • 上の対談本のための試訳。「ベージュのスーツのスカート」のうち「スカート」を訳し落としたことを、鴻巣氏は片岡氏との対談のなかで、みずから認めておられる。

(J2) 柴田 2008, 2009
ホテルにはニューヨークの広告マンが九十七人泊まっていて、長距離回線を独占しているものだから、五〇七号室の女の子は電話がつながるまで正午から二時間半近く待たねばならなかった。でもそのあいだの時間はしっかり活用した。ポケットサイズの女性誌で「セックスは楽しいーーそれとも地獄?」と題した記事を読んだし、櫛とブラシも洗った。ベージュのスーツのスカートについた染みも抜いた。サックスで買ったブラウスのボタンの位置を変え、ほくろに新たに出現した毛二本も抜いた。オペレーターがやっと電話してきたとき、女の子は窓際の作りつけの椅子に座って、左手の爪にマニキュアをほぼ塗り終えたところだった。


(J3) 野間 2005
ホテルにはニューヨークの広告業者が九七人もいて、長距離電話を独占していたため、五〇七号室の若い女は電話がかかるまで正午から二時半ごろまで待たねばならなかった。もっとも、その時間を無駄にはしなかった。ポケットサイズの婦人雑誌の「セックスは喜びだ、だが地獄か」という記事を読んだ。櫛とブラシを洗った。ベージュのスーツのスカートのシミを取った。サックスで買ったブラウスのボタンの位置をつけかえた。ホクロに新しく生えてきた二本の毛を毛抜きでぬいた。交換手が彼女の部屋を呼び出したとき、窓際の椅子に座って、左手の爪にマニキュアをもう少しで塗り終えるところだった。


(J4) 片岡 1979, 2014
ニューヨークの広告業界で仕事をしている人たちがいっときに九十七人も宿泊して電話をさかんに使うものだから、五〇七号室の女性は正午に電話をかけてみようと思って二時半になってようやく電話の空きをみつけることができた。だがそのあいだの時間をまったく無駄にしてしまったわけではなかった。女性向きのポケット判の雑誌に載っていた「セックスは楽しい――でもひとつまちがえればとたんに地獄」という記事を読んだ。そして、櫛とブラシを洗った。べージュのスーツのスカートにシミがついていたのだが、そのシミを取った。サクスで買ったブラウスのボタンの位置をかえた。ホクロにあらたに生えてきた二本の毛を抜いた。ホテルの交換台がついに彼女の電話をつないでくれたとき彼女はウィンドー・シートにすわっていて、左手の爪にラッカーをほぼ塗りおえたところだった。

  • サリンジャー=著 片岡義男(かたおか・よしお)=訳 「まるでバナナフィッシュの一日」
  • 引用は a. 左右社版 2014に拠りました。

(J5) 中川 1977, 1978, etc.
ホテルにはニュー・ヨークの広告業者が九十七人もいて、彼らが長距離電話を独占しているために、五〇七号室にいる若い女は正午に申し込んで二時半近くまで待たなければならなかった。もっとも、そのあいだ彼女は時間をうまく使ってはいたのだが。ポケット版婦人雑誌に載(の)っている「セックスは快楽か苦痛か」という記事を読む。櫛(くし)とブラシを洗い、ベージュの服のスカートについていた染(し)みを取る。サックス百貨店製のブラウスのボタンをつけかえる。黒子(ほくろ)に生えた新しい毛を二本抜き取る。交換手がやっと彼女の部屋を呼び出したとき、窓際の椅子に坐(すわ)って、左手の爪(つめ)にマニキュアをもう少しで塗り終えるところだった。


(J6) 野崎 1974
ホテルにはニューヨークの広告マンが九十七人も泊り込んでいて、長距離電話は彼らが独占したような格好、五〇七号室のご婦人は、昼ごろに申し込んだ電話が繋(つな)がるのに二時半までも待たされた。でも彼女はその間(かん)を無為に過したわけじゃない。ポケット判の婦人雑誌の「セックスは楽しーーもしくは苦し」と題する記事を読んだ。櫛(くし)とブラシを洗った。ベージュのスーツのスカートの汚点(しみ)をとった。それからサックス(訳注 ニューヨーク五番街にある婦人服装品で有名な高級デパート)で買ったブラウスのボタンの位置もつけ変えたし、黒子(ほくろ)のとこにまたまた生えてきた二本の毛を毛抜きを使って抜きもした。そして、窓辺に作りつけたソファに坐(すわ)り、左手の爪(つめ)のマニキュアももう少しで終るというとこへようやく交換手からの呼び出し電話がかかってきたのである。


(J7) 沼澤 1973, 1976, etc.
ホテルにはニューヨークの広告業者が九十七人も泊まっていて、長距離電話はほとんど彼等が独占し、五〇七号室の若い女はお昼に申し込み、二時半になってやっとつないでもらったほどである。とはいうものの、この女性、けっして時間を無駄にはしなかった。ポケット・サイズの婦人雑誌で、「セックスは快楽? ——それとも地獄?」という記事を読む。櫛とヘア・ブラシを洗う。ベージュのスーツのスカートの染(し)みを抜く。サックス(ニューヨーク五番街の高級デパート)のブラウスのボタンをずらす。黒子の中にまたまた生えてきた二本の毛を毛抜きで抜く。交換手がやっと部屋の電話のベルを鳴らした時には、窓枠の前に腰を乗せて、左手のマニキュアを後一息で塗り終える所だった。


(J8) 鈴木 1969, 1981, etc.
そのホテルにはニューヨークの広告業者が九十七人いて長距離電話を独占していたので、五〇七号室の若い女は、相手を呼びだすのに正午から二時半ちかくまで待たされた。それでも彼女はその時間をむだには使わなかった。ポケット版の婦人雑誌の、「性は喜び――か地獄だ」という題の記事を読んでいたのだ。それから、櫛(くし)とブラシを洗った。べージュのスーツのスカートから、しみを抜いた。《サックス》のブラウスの、ボタンの位置を変えた。新しく生えてきた毛を二本、毛抜きでほくろから抜きとった。ついに交換手が呼びだしのベルを鳴らしてきたときには、彼女は窓下腰掛に腰かけて、もうすこしで左手の爪にマニキュアを塗りおえるところだった。


(J9) 繁尾 1969, 2000
そのホテルには、ニューヨークの広告業者が九十七人もたむろしていた。彼らの長距離電話の独占ぶりといったら、五〇七号室の娘が、自分の申し込みを通じさせるのに、なんと昼から二時三十分近くまで待たされる有様であった。しかし、娘はその時間を利用した。彼女はポケット版の婦人雑誌で「セックスは苦か楽か」という記事を読んだ。くしとブラシを洗った。べージュの服のスカートについたしみも抜いた。サックス百貨店のブラウスのボタンをつけ替えた。ほくろの表面に生えてきた二本の新しい毛を抜きとった。ようやく交換手が娘の部屋を呼んだときは、彼女は窓辺の椅子に坐って、まさに左手の爪にマニキュアを塗り終えるところであった。

  • ジェローム・サリンジャー=著 繁尾久(しげお・ひさし)=訳 「バナナフィッシュに最良の日」 九つの物語
  • 引用は b. 荒地出版社 1969 に拠りました。

(J10) 橋本 1969
そのホテルには、九十七人ものニューヨークの広告業者たちが泊まりこんでいて、長距離電話を独占していたものだから、五〇七号室の若い女は、自分の電話が通じるまでには、正午から二時半近くまで待つしかなかった。もっとも、彼女もそのあいだの時間をむだにすごしていたわけではなかった。ポケット判の婦人雑誌の『セックスは快楽か——それとも地獄』という記事を読んだ。櫛やブラッシを洗いもした。べージュ色のスーツのスカートのしみを抜き取りもした。サクスのブラウスのボタンをつけかえたりもした。ホクロに新たに生え出た二本の毛を抜きとりもした。やっと交換手からのベルが鳴った時には、彼女は窓ぎわの腰かけに坐りこんでいて、もう少しで左手の爪にラッカーをかけ終えるところだった。

  • J・D・サリンジャー=著 橋本福夫(はしもと・ふくお)=訳 「バナナ魚には理想的な日」 『ニューヨーカー短篇集 2』 早川書房 1969-01

(J11) 繁尾 1964
そのホテルには、ニューヨークの広告業者が九十七人もたむろしていた。彼らの長距離電話の独占ぶりといったら、五〇七号室の娘が、自分の申込みを通じさせるのに、なんと昼から二時三○分近くまで待たされる有様であった。しかし、娘はその時間を利用した。彼女はポケット版の婦人雑誌で「セックスは苦か楽か」という記事を読んだ。くしとブラシを洗った。べージュの服のスカートについたしみもぬいた。サックス百貨店のブラウスのボタンをつけかえた。ほくろの表面に生えてきた二本の新しい毛を抜きとった。ようやく交換手が娘の部屋を呼んだとき、彼女は窓辺の椅子に坐って、まさに左手の爪にマニキュアを塗りおえるところであった。

  • ジェローム・サリンジャー=著 繁尾久=訳 「バナナフィッシュ」 『J・D・サリンジャ−作品集』 文建書房 1964-01-25
  • 邦題が「バナナフィッシュ」となっている点、用字がすこし異なる点などを除けば、上掲 (J9) 繁尾 1969 とほとんど同じ。

(J12) 山田 1963
ホテルにはニュー・ヨークの広告業者が九十七人も泊っていた。彼らが長距離電話を独占しつづけていたものだから、五〇七号室の若い女は、正午から二時半ちかくまで待たされたあげくに、ようやく自分の呼びだしを通じさせることができた。でも彼女はそのあいだの時間をむだにしてはいなかった。婦人むけのポケット判の雑誌の「性は楽しみ——でなければ地獄」という記事を読んだし、くしとブラシとを洗ったし、べージュのスーツのスカートのしみを抜いたし、サックスのブラウスのボタンをつけかえたし、ほくろに新しく生えだした二本の毛を毛ぬきで抜いた。交換手がようやく彼女の部屋をよびだした時には、彼女は窓腰かけにかけていた。そして左手の爪にラッカーをぬりおわろうとするところだった。

  • J・D・サリンジャー=著 山田良成(やまだ・よしなり)=訳 「ばななうおにはあつらえむきの日」 『九つの物語』 現代の芸術双書 3 思潮社 1963-11-15

(J13) 福井 1963
そのホテルには九十七人のニューヨークから来た広告勧誘員が滞在中で、彼等が長距離線を独占してしまっていたので、五〇七号室の若い女は電話が通じるまでに、正午から二時半頃まで待たされた。だが彼女はその待っている時間も無駄にはしなかった。ポケッ ト版の婦人雑誌の「性は快楽か地獄か」という論説を読んだ。櫛とブラッシュも洗った。毛のスーツのスカートのしみも取った。サックスブラウスのボタンの位置も変えてみた。近ごろほくろの上に生えて来た毛を二本毛抜きで抜きもした。やっと交換手が彼女の部屋をベルで呼び出した時、彼女は窓下の腰掛に腰をおろして左手の指にラッカーを塗り終えようとしているところだった。

  • ジェローム・サリンジャー=著 福井正城=訳 「バナナ魚最良の日和」 『よごれのエマ・笑う男』 双書・20世紀の珠玉15 南雲堂 1963-09-20
  • 櫛の正字は新字で置き換えました。

■トルコ語訳 Translation into Turkish

Otele New Yorklu doksan yedi reklamcı doluşmuş ve adamların şehirlerarası hatlara koyduğu tekel yüzünden 507 no’lu odadaki kız, öğlende yazdırdığı telefonu saat iki buçuğa kadar beklemek zorunda kalmıştı. Bu süre içinde boş durmamıştı ama. Küçük boy bir kadın dergisinden “seks bir eğlence ya da cehennemdir” adlı bir yazı okumuş, tarağıyla fırçasını yıkamış, bej renkli tayyörünün eteğindeki lekeyi silmiş, bluzundaki düğmenin yerini değiştirmiş, beninde peydah olan iki tüyü cımbızla almıştı. Sonunda santraldan aradıklarında, pencere kenarına oturmuş, sol elinin ojesini bitirmek üzereydi.

  • Muz Balığı İçin Mükemmel Bir Gün by J. D. Salinger. E-text at endiseliperi

 Video 3 
Yom Nifla LeDgey Banana (A Perfect Day for Bananafish), a video short
He_salinger_babanafish_2
יום מושלם לדגי בננה  Uploaded by scionna on 28 Sep 2009. A Tel Aviv University Film School 1st year project, made in 1993. Starring Ran Telem, Liora Kaplan. Embedding disabled by request. To view the video, click here. ヘブライ語。テルアビブ大学映画学校1年生による課題作品。ビデオの埋め込みは禁じられているので、ご覧になりたいかたは ここ をクリックしてください。


■ロシア語訳 Translation into Russian

В гостинице жили девяносто семь нью-йоркцев, агентов по рекламе, и они так загрузили междугородный телефон, что молодой женщине из 507-го номера пришлось ждать полдня, почти до половины третьего, пока ее соединили. Но она не теряла времени зря. Она прочла статейку в женском журнальчике - карманный формат! - под заглавием "Секс - либо радость, либо - ад! ". Она вывела пятнышко с юбки от бежевого костюма. Она переставила пуговку на готовой блузке. Она выщипнула два волосика, выросшие на родинке. И когда телефонистка наконец позвонила, она, сидя на диванчике у окна, уже кончала покрывать лагом ногти на левой руке.

   Джером Сэлинджер. Хорошо ловится рыбка-бананка
   from Шесть рассказов
   Translated by Рита Райт-Ковалева
   E-text at Lib.Ru


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

У готелі перебувало дев’яносто сім нью-йоркських рекламних агентів, котрі окупували міжміський телефонний зв’язок. Через це дівчина з 507 номеру змушена була прочекати із дванадцятої до пів на третю, доки її з’єднали. Проте час вона не марнувала. Вона прочитала статтю з жіночого кишенькового журнальчика, що називалась "Секс: задоволення чи пекло". Вона помила свій гребінець і щітку. Вона відчистила пляму на спідниці від її бежевого костюму із "Саксу". Вона вискубнула дві нові волосинки на її родимці. Коли оператор подзвонив у кімнату, вона сиділа на підвіконні і вже майже закінчила лакувати нігті лівої руки.

   Дж.Д. Селінджер. Чудовий день для рибки-бананки.
   Translated by Дмитра Кузьменка
   Опубліковано: "Всесвіт", 2004, №7-8, с.: 159-167.
   E-text at Дмитро Кузьменко (kuzmenko.org.ua)


■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

В хотела имаше деветдесет и седем рекламни агенти от Ню Йорк, които така бяха окупирали линиите за междуградски разговори, че младата жена от стая 507 трябваше да чака за своя разговор от пладне близо до два и половина. Но тя не пропиля това време. Прочете статията „Сексът — наслада или ад“ в едно женско списание, джобен формат. Изми си гребена и четката. Изчисти петното от полата на бежовия си костюм. Премести копчето на готовата си блуза. Изскубна от бемката си две новопокарали косъмчета. Когато най-после телефонистката позвъни в нейната стая, тя, седнала на прозореца, вече привършваше лакирането на ноктите на лявата си ръка.

   Дж. Д. Селинджър. Идеален ден за лов на рибка-бананка.
   from Девет разказа.
   Translated by Тодор Вълчев, 1985
   E-text at Моята библиотека (chitanka.info)


■チェコ語訳 Translation into Czech

Devadesát sedm mužů z newyorských reklamních kanceláří okupovalo meziměstské linky hotelu tak strašným způsobem, že dívka z č. 507 musela čekat od oběda skoro do půl třetí, než se dostala k hovoru. Ale ona ten čas nepromarnila. Přečetla si v jednom kapesním časopisu pro ženy článek s názvem „Sex může být zábavou nebo peklem". Vyprala si hřeben a kartáč, vyčistila si skvrnu na sukni od béžového kostýmu, popošila si knoflík na halence od Sakse. Vytrhla si z mateřského znamínka dva chlupy, které právě vyrazily na povrch. Když se konečně v jejím pokoji ozvalo zvonění, seděla na okenním parapetu a byla už skoro hotová s lakováním nehtů na levé ruce.

   Den jako stvořený pro banánové rybičky
   in Devět povídek by J. D. Salinger
   Translated by Luba & Rudolf Pellarovi
   ERM, 1993
   E-text at Genezis.sk [PDF]


■イタリア語訳 Translation into Italian

Nell'albergo c'erano novantasette agenti pubblicitari di New York e tenevano le linee interurbane talmente monopolizzate che la ragazza del 507 dovette attendere la sua chiamata da mezzogiorno fin quasi alle due e mezzo. Ma non rimase con le mani in mano. Lesse in una rivista femminile un articolo intitolato Il sesso: paradiso... o inferno. Lavò il pettine e la spazzola. Tolse la macchia dalla gonna del tailleur nocciola. Spostò il bottone sulla camicetta di Saks. Strappò due peli da poco spuntati alla superficie del neo. Quando finalmente la centralinista fece il numero della sua stanza, se ne stava seduta nel vano della finestra e aveva quasi finito di laccarsi le unghie della mano sinistra.

   Un giorno ideale per i pescibanana
   Nove Racconti by J. D. Salinger
   Translated by Carlo Fruttero
   Einaudi, Torino, 2004
   E-text at:
   * I libri in testa
   * Paperblog


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Noventa e sete agentes de publicidade de Nova York estavam hospedados no hotel e, do jeito que vinham monopolizando as linhas interurbanas, a moça do 507 teve de esperar do meio-dia até quase às duas e meia para completar sua ligação. Mas ela tratou de aproveitar bem o tempo. Leu um artigo numa revista feminina, intitulado "O Sexo é Divertido... ou um Inferno". Lavou o pente e a escova. Tirou uma mancha da saia do conjunto bege. Mudou de lugar um botão da blusa que comprara nas Lojas Saks. Arrancou dois cabelinhos que haviam acabado de aflorar numa verruga. Quando a telefonista afinal ligou para seu quarto, estava sentada no sofá ao lado da janela e quase terminado de pintar as unhas da mão esquerda.

   Um dia ideal para os peixes-banana
   Nove Estórias by J. D. Salinger
   Translated by Jorio Dauster and Álvaro Gurgel
   E-text at:
   * pt.scribd.com
   * Revista Bula


■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan

Hi havia noranta-set publicitaris novaiorquesos a l'hotel, i monopolitzaven les línies telefòniques de llarga distància de tal manera que la noia de la 507 va haver d'esperar-se des del migdia fins a gairebé dos quarts de tres perquè li passessin la trucada. No va perdre el temps, però. En una revista femenina de butxaca va llegir un article titulat «El sexe és divertit... o infernal». Va netejar la pinta i el raspall. Va treure la taca de la faldilla del vestit beix. Va desplaçar el botó de la brusa de Saks. Es va pinçar dos pèls que li havien sortit feia poc a la piga. Quan, a la liva trucar, estava fi,latelefonista assegudaal costat de la finestra i gairebé havia acabat de pintar-se les ungles de la mà esquerra.

   Un dia esplèndid pels peixos plàtans
   in Nou contes: Empúries- 25 anys by J. D. Salinger
   Editorial Empúries, 2009
   Preview at Google Books


■スペイン語訳 Translation into Spanish

En el hotel había noventa y siete agentes de publicidad neoyorquinos. Como monopolizaban las líneas telefónicas de larga distancia, la chica del 507 tuvo que esperar su llamada desde el mediodía hasta las dos y media de la tarde. Pero no perdió el tiempo. En una revista femenina leyó un artículo titulado «El sexo es divertido o infernal». Lavó su peine y su cepillo. Quitó una mancha de la falda de su traje beige. Corrió un poco el botón de la blusa de Saks. Se arrancó los dos pelos que acababan de salirle en el lunar. Cuando, por fin, la operadora la llamó, estaba sentada en el alféizar de la ventana y casi había terminado de pintarse las uñas de la mano izquierda.

   Un día perfecto para el pez plátano by J. D. Salinger
   E-text at apocatastasis.com


■フランス語訳 Translations into French

(F1) Rossi, 2002
Il y avait à l'hôtel quatre-vingt-dix-sept publicistes de New York. Comme ils monopolisaient les lignes interurbaines, la jeune femme du 507 dut patienter de midi à deux heures et demie pour avoir sa communication. Elle ne resta pas pour autant à ne rien faire. Elle lut un article d'une revue féminine de poche intitulée 'Le sexe, c'est le paradis ou l'enfer'. Elle lava son peigne et sa brosse. Elle enleva une tache sur la jupe de son tailleur beige. Elle déplaça le bouton de sa blouse de chez Saks. Elle fit disparaître deux poils qui venaient de repousser sur son grain de beauté. Lorsque enfin le standard l'appela, elle était assise sur le rebord de la fenêtre et finissait de vernir les ongles de sa main gauche.

   Un jour rêvé pour le poisson banane
   Nouvelles by J. D. Salinger
   Translated by Jean-Baptiste Rossi
   Pocket, 2002-05-24
   Excerpt at Amazon.fr


(F2)
Il y avait quatre vingt dix sept publicitaires New Yorkais dans l’hôtel, et, vu comme ils monopolisaient les lignes longues distances, la fille du 507 avait dû attendre son appel de midi à près de deux heures trente. Mais elle n’avait pas perdu son temps. Elle avait lu un article d’un magazine féminin petit format, intitulé « Le sexe c’est bien --- ou c’est affreux ». Elle avait lavé son peigne et sa brosse. Elle avait enlevé la tâche de la jupe de son tailleur beige. Elle avait déplacé le bouton de son chemisier de chez Saks. Elle avait épilé deux poils qui venaient d’émerger de son grain de beauté. Et quand l’opératrice appela finalement la chambre, elle était assise sur le fauteuil, près de la fenêtre, et avait presque fini de se vernir les ongles de la main gauche.

   Un jour rêvé pour le poisson banane by J. D. Salinger
   E-text at Poésie Chinoise


 Video 4 
A Perfect Day for Bananafish (2007)

Uploaded by musicmediapro on 24 Mar 2009. Summer Media Studio, 2007. Directed by Lina Lužyte. Written and co-produced by Paul Rickards. Starring Daniel McGinley, Samantha Firth.


■英語原文 The original text in English

There were ninety-seven New York advertising men in the hotel, and, the way they were monopolizing the long-distance lines, the girl in 507 had to wait from noon till almost two-thirty to get her call through. She used the time, though. She read an article in a women's pocket-size magazine, called "Sex Is Fun-or Hell." She washed her comb and brush. She took the spot out of the skirt of her beige suit. She moved the button on her Saks blouse. She tweezed out two freshly surfaced hairs in her mole. When the operator finally rang her room, she was sitting on the window seat and had almost finished putting lacquer on the nails of her left hand.


■邦題のいろいろ Variations of the Japanese title

  「ばななうおにはあつらえむきの日」………山田 1963
  「まるでバナナフィッシュの一日」…………片岡 1979, 2014
  「バナナフィッシュ」…………………………繁尾 1964
  「バナナフィッシュにうってつけの日」……野間 2005
  「バナナフィッシュにうってつけの日」……野崎 1974
  「バナナフィッシュに最良の日」……………繁尾 1969, 2000
  「バナナフィッシュに最適の日」……………中川 1977, 1978, 2007

  「バナナフィッシュ日和」……………………鴻巣 2014

  「バナナフィッシュ日和」……………………柴田 2008, 2009
  「バナナ魚にはもってこいの日」……………鈴木 1969, 1981
  「バナナ魚には理想的な日」…………………橋本 1969
  「バナナ魚日和」………………………………沼澤 1973, 1976, 1980
  「バナナ魚最良の日和」………………………福井 1963


■訳文の比較 Comparison of translations

 (1) "Sex Is Fun-or Hell"
   Sex_is_fun_3
   Sex_is_hell_3
  «El sexo es divertido o infernal» ……………Spanish
  "Il sesso: paradiso... o inferno" ……………Italian
  « Le sexe c'est bien --- ou c'est affreux » (F2)
  'Le sexe, c'est le paradis ou l'enfer'………(F1) Rossi, 2002
  "O Sexo é Divertido... ou um Inferno" ………Portuguese
  「セックスは喜びだ、だが地獄か」………………野間 2005
  『セックスは快楽か——それとも地獄』…………橋本 1969
  「セックスは快楽か苦痛か」………………………中川 1977, 1978, etc.
  「セックスは快楽? ——それとも地獄?
……沼澤 1973, 1976, etc.
  
セックスは楽しい――でもひとつまちがえればとたんに地獄
                  ………………片岡 1979, 2014
  「セックスは楽しいーーそれとも地獄?」………柴田 2008, 2009
  「セックスは楽しーーもしくは苦し」……………野崎 1974
  「セックスは苦か楽か」……………………………繁尾 1969, 2000
  「セックスは苦か楽か」……………………………繁尾 1964
  「性は喜び――か地獄だ」…………………………鈴木 1969, 1981, etc.
  「性は快楽か地獄か」………………………………福井 1963
  「性は楽しみ——でなければ地獄」………………山田 1963
  《性是乐趣——也可能是受罪》……………………simplified Chinese
  《性是樂趣——也可能是受罪》……………………traditional Chinese

 (2) her Saks blouse
   Saks_fifth_avenue_3
  da blusa que comprara nas Lojas Saks…………Portuguese
  la blusa de Saks……………………………………Spanish
  sa blouse de chez Saks……………………………(F1) Rossi, 2002
  son chemisier de chez Saks………………………(F2)
  sulla amicetta di Saks……………………………Italian
  サクスで買ったブラウス……………………………片岡 1979, 2014
  サクスのブラウス……………………………………橋本 1969
  サックスで買ったブラウス…………………………柴田 2008, 2009
  サックスで買ったブラウス…………………………野間 2005
  《サックス》のブラウス……………………………繁尾 1969, 2000
  サックスのブラウス…………………………………山田 1963
  サックスブラウス……………………………………福井 1963
  サックス百貨店のブラウス…………………………鈴木 1969, 1981, etc.
  サックス百貨店のブラウス…………………………繁尾 1964
  サックス百貨店製のブラウス………………………中川 1977, 1978, etc.
  サックス(ニューヨーク五番街の高級デパート)のブラウス
                  ………………沼澤 1973, 1976, etc.
  サックス(訳注 ニューヨーク五番街にある婦人服装品で
    有名な高級デパート)で買ったブラウス……野崎 1974
  她在萨克斯买的那件衬衫……………………………simplified Chinese
  她在薩克斯買的那件襯衫……………………………traditional Chinese

 (3) the window seat
   Window_seat_3
  el alféizar de la ventana ………………Spanish
  le fauteuil, près de la fenêtre ………(F2)
  le rebord de la fenêtre …………………(F1) Rossi, 2002
  no sofá ao lado da janela ………………Portuguese
  vano della finestra ………………………Italian
  ウィンドー・シート…………………………片岡 1979, 2014
  窓ぎわの腰かけ………………………………橋本 1969
  窓下の腰掛……………………………………福井 1963
  窓下腰掛………………………………………鈴木 1969, 1981, etc.
  窓枠の前………………………………………沼澤 1973, 1976, etc.
  窓腰かけ………………………………………山田 1963
  窓辺に作りつけたソファ……………………野崎 1974
  窓辺の椅子……………………………………繁尾 1969, 2000
  窓辺の椅子……………………………………繁尾 1964
  窓際の作りつけの椅子………………………柴田 2008, 2009
  窓際の椅子……………………………………野間 2005
  窓際の椅子……………………………………中川 1977, 1978, etc.
  窗前座位………………………………………simplified Chinese
  窗前座位………………………………………traditional Chinese


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014-10-30 トルコ語訳を追加しました。
  • 2014-09-01 鴻巣友季子=部分訳 2014-08-20 と片岡義男=部分訳 2014-08-20 を追加しました。
  • 2013-09-21 サリンジャー[原題] (2013) 公式予告編の YouTube 動画と関連リンクを追加しました。
  • 2013-06-15 目次を新設しました。
  • 2013-02-08 ロシア語訳、ウクライナ語訳、ブルガリア語訳、チェコ語訳、およびカタルーニャ語訳を追加しました。
  • 2012-06-22 「邦題のいろいろ」の項と「訳文の比較」の項を補足しました。
  • 2012-06-12 外部リンクを補足しました。
  • 2012-06-11 野間正二=部分訳 2005-10-10 を追加しました。
  • 2012-05-26 福井正城=訳 1963-09-20 の訳文を挿入しました。
  • 2012-05-20 繁尾久=訳 1964-01-25 と山田良成=訳 1963-11-15 の訳文を挿入しました。

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Saturday, 07 April 2012

Matilda (from Cautionary Tales for Children) by Hilaire Belloc ヒレア・ベロック 「マチルダ」「マティルダ」(『悪いことをして罰があたった子どもたちの話』『子供のための教訓詩集』より)

■はじめに Introduction

ヴィクトリア朝イギリスの子ども向けの説教くさい話のパロディが、暗いユーモアのまじったナンセンス詩のようなものに仕立てられている。作者ヒレア・ベロックは英仏の混血でフランス生まれ、のちにイギリスに帰化した作家・歴史家。20世紀初頭のイギリスでは最も多作の著述家のひとりだったそうだ。


■Matilda- Who Told Lies, and was Burned to Death

SilverHouseBooks


■表紙画像コレクション Cover photo collection

↓ Click to enlarge ↓

ja Ja_9784309272245 ja Ja_9784336049537

en En_9780151007158 en En_9781176569874

■言語と書誌情報 Linguistic and bibliographic information

[ja] 日本語
タイトル: 悪いことをして罰があたった子どもたちの話
著者:エドワード・ゴーリー ヒレア・ベロック 
大型本 河出書房新社
発売日:2010-12-14
ISBN-10 : 430927224X
ISBN-13 : 9784309272245


[ja] 日本語
タイトル: 子供のための教訓詩集
著者:ヒレア ベロック BTB 
単行本 国書刊行会
発売日:2007-09
ISBN-10 : 433604953X
ISBN-13 : 9784336049537


[en] 英語
タイトル: Cautionary Tales for Children
著者: Hilaire Belloc Edward Gorey 
ハードカバー
出版社:Houghton Mifflin (Juv)
発売日:2002-12-01
ISBN-10 : 0151007152
ISBN-13 : 9780151007158


[en] 英語
タイトル: Cautionary Tales for Children, Designed for the Admonition of Children Between the Ages of Eight and Fourteen Years
著者: Hilaire Belloc Ill B. T. B. 1870-1917 
ペーパーバック
出版社:Nabu Press
発売日:2010-08
ISBN-10 : 1176569872
ISBN-13 : 9781176569874


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2010
マチルダはとにかく大層なうそをつくものですから、
それを聞くとみんな息をのんで 目を丸くしました。
いっぽう彼女の叔母さまは 幼いころから
真実こそ何より大事 と念じて生きてきたものですから、
マチルダのことばを なんとか信じようとつとめました。
あんまりがんばったので あやうく死にそうになったほどで、
もしこの子の悪癖に気がつかなかったら
ほんとうに死んでしまったことでしょう。
ある日暮れどき、

[中略]

かくして 叔母さまが帰ってくると、
マチルダも屋敷も焼けてなくなっておりました。

   〈マチルダ うそをついて焼け死んだ子の話〉
   ヒレア・ベロック=文 エドワード・ゴーリー=絵
   柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 渡辺和雄=装幀
   『悪いことをして罰があたった子どもたちの話
   河出書房新社 2010-12-30
   原文は総ルビですが、上の引用ではすべて省略しました。


(J2) 横山 2007
マティルダはとってもひどい嘘つき
みんなは口をあんぐり、我が耳を疑いました
彼女のおばさんは幼い頃から
真実をいたく尊重していたので
マティルダの話を信じようとしましたが
そのおかげであわや死にかけたし
姪(めい)の欠点を発見していなければ
実際に死ぬ羽目になっていたでしょう
というのは、ある日の夕暮頃

[中略]

かくて、おばさんが帰ってきたときには
マティルダも屋敷もすっかり焼けていたのです

   マティルダ——嘘をついて、焼け死ぬ
   子供のための教訓物語
   ヒレア・ベロック=著 横山茂雄(よこやま・しげお)=訳
   B・T・B(バジル・ブラックウッド)=絵 澤地真由美=造本・装丁
   『子供のための教訓詩集』 国書刊行会 2007-09-20


■英語原文 The original text in French

Matilda told such Dreadful Lies,
It made one Gasp and Stretch one's Eyes;
Her Aunt, who, from her Earliest Youth,
Had kept a Strict Regard for Truth,
Attempted to Believe Matilda:
The effort very nearly killed her,
And would have done so, had not She
Discovered this Infirmity.
For once, towards the Close of Day,

[Omission]

And therefore when her Aunt returned,
Matilda, and the House, were Burned.

   Matilda, Who told lies, and was Burned to Death.
   Cautionary Tales for Children (1907) by Hilaire Belloc
   E-text at:
   * The Baldwin Project
   * Project Gutenberg
   * Poetry Archive
   * Wikisource
   * All Poetry


■外部リンク External links

 [en] Hilaire Belloc - Wikipedia (1870-1953)
 [ja] ヒレア・ベロック - Wikipedia (1870-1953)


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Thursday, 05 April 2012

I'm Nobody! Who are you? by Emily Dickinson (J288, F260) エミリ・ディキンソン 「わたしは誰でもない あなたは誰?」 (J288, F260)

        目次 Contents

   ■はじめに Introduction
    Video 1  I'm Nobody! Who are you? - BackToTheArchives (2012-11-23)
   ■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
      我是无名之辈! 你是谁?
   ■日本語訳 Translations into Japanese
      (J0) 内藤 2017      「わたしは 名前がない あなたは だれ?」
      (J1) 成田 2012      「私は取るに足りない! 貴方はどんな人?」
      (J2) 浜田 2011      「私は誰でもない人! あなたは誰なの?」
      (J3) ビナード+木坂 2010 「わたしは無名! あなたは?」
      (J4) 東  2008   「わたしはどこにでもいる女の子 あなたはだれ?」
      (J5) 川名 2008      「わたしは誰でもない」
      (J6) 岩田 2005      「わたしはノーボディー あなたは誰?」
      (J7) 柴田 2000, 2013   「わたしは誰でもない! あなたは誰?」
      (J8) 亀井 1998      「わたしは誰でもない人! あなたは誰?」
      (J9) 酒本 1992      「わたしは誰でもない。あなたは誰なの。」
      (J10) 岩田 1997      「私 誰でもないの あなたは誰?」
      (J11) 中林 1986      「わたしは名もないひと! あなたは誰?」
      (J12) 広岡 1985      「わたしは無名の人間!あなたはだれ?」
      (J13) 稲田 1985      「私は名無し、あなたはだーれ?」
      (J14) 山川+武田 1984   「私は名無し あなたはだれ?」
      (J15) 佐藤 1980      「私は無名」
      (J16) 加藤 1976      「私は名なし、あなたはどなた。」
      (J17) 中島 1973, 1999   「私は名前なし あなたはだれ?」
      (J18) 村岡 1968      「わたしは誰でもない! あなたは誰!」
    Video 2  I'm Nobody! Who are you? - PearlsofWisdom (2012-09-27)
   ■トルコ語訳 Translation into Turkish
      Hiçkimse’yim ben! Sen kimsin?
   ■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian
      Én senki vagyok! Te ki vagy?
   ■ロシア語訳 Translations into Russian
      (R1) Я - Никто. А ты - ты кто?
      (R2) Я - Никто! Скажи, ты кто?
      (R3) Я - никто. А Вы- кто здесь?
   ■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
      У світі я - ніхто - а ти?
   ■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
      Аз никоя съм. А ти кой си?
    Video 3  I'm Nobody! Who are you? - poetictouch2012 (2011-11-15)
   ■ポーランド語訳 Translations into Polish
      (P1) Marjańska:   Jestem Nikim! A kim ty jesteś?
      (P2) Międzyrzecki  Ja jestem nikt! Kto jesteś ty?
      (P3) Barańczak:   Jestem Nikim! A ty?
      (P4) [Unknown]:    Jestem nikim a ty kim
      (P5) Iłłakowiczówna: Jam nikt! A ty ktoś, bracie, jest?
   ■チェコ語訳 Translation into Czech
      Jsem nikdo! Kdo jste vy?
   ■ドイツ語訳 Translation into German
      Ich bin Niemand! Wer bist Du?
    Video 4  I'm Nobody! Who are you? - valiuc79 (2010-06-23)
   ■イタリア語訳 Translation into Italian
      Io non sono Nessuno! Chi sei tu?
   ■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
      Eu não sou Ninguém! Quem é você?
   ■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
      Jo no sóc ningú. Qui ets tu?
   ■スペイン語訳 Translation into Spanish
      Soy nadie. ¿Tú quién eres?
   ■フランス語訳 Translations into French
      (F1) Je ne suis personne ! et toi?
      (F2) Je ne suis personne! Qui êtes-vous?
    Video 5  I'm Nobody! Who are you? - GreenlandCat (2010-02-15)
   ■英語原詩(全文) The complete original text in English
      I'm Nobody! Who are you?
   ■「宣伝する」か「追い払う」か? 原詩テキストの異同
    "Advertise" or "banish"? Variations in the original English text
   ■外部リンク External links
   ■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

エミリ・ディキンスンの詩のなかで、もっとも親しみやすい作品のうちのひとつ。もちろん、解釈のしかたはいろいろだ。


 Video 1  Emily Dickinson - I'm Nobody! Who are you?

Uploade to YouTube by BackToTheArchives on 23 Nov 2012


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

我是无名之辈! 你是谁?
你也是无名之辈吗?
那么我们为一对!
别说! 他们会传开去-- 你知道!
[略]

   艾米莉·狄金森 《我是无名之辈! 你是谁?》
   E-text at 百度百科


■日本語訳 Translations into Japanese

(J0) 内藤 2017
わたしは 名前がない
あなたは だれ? あなたも!
わたしたち ふたごのようね!
ないしょよ 言いふらされるから
[以下略]

   [邦題なし]
   エミリー・ディキンスン=作 内藤里永子(ないとう・りえこ)=訳   
   『わたしは 名前がない。あなたは だれ? : エミリー・ディキンスン詩集
   KADOKAWA 2017-07-20


(J1) 成田 2012
私は取るに足りない! 貴方はどんな人?
貴方も取るに足りない?
要するに私達は似た者同士?
打ち明けないで! 人は売名を事とするでしょ
[以下略]

   [邦題なし]
   Emily Dickinson=著 成田悦子=訳 I'm Nobody! Who are you? 288
   ブログ たそがれ:歌詞翻訳成田悦子 2012-07-26


(J2) 浜田 2011
私は誰でもない人! あなたは誰なの?
あなたも——誰でもない——人?
なら私たちはペアってことね!
言ってはダメ! みんな広告を出すわよ——知ってるでしょ!
[以下略]

   [邦題なし] (260)
   浜田美佐子(はまだ・みさこ)=著 「エミリ・ディキンスンという遺跡」の文中
   新倉俊一(にいくら・しゅんいち)=編 『エミリ・ディキンスンの詩の世界
   国文社 2011-03-10


(J3) ビナード+木坂 2010
わたしは無名(むめい)! あなたは?
もしかしてあなたも無名かしら? それなら
わたしたち仲間(なかま)ね! でもいわないでおいて
だって、彼(かれ)らはすぐに宣伝(せんでん)するから
[以下略]

   エミリー・ディキンスン=作 アーサー・ビナード+木坂涼(きさか・りょう)=訳
   「わたしは無名! あなたは?」
   アーサー・ビナード+木坂涼=編訳 『ガラガラヘビの味 : アメリカ子ども詩集
   岩波少年文庫 2010-07-14


(J4) 東 2008
わたしはどこにでもいる女の子 あなたはだれ?
あなたもどこにでもいる女の子??
それならわたしたちは一緒じゃない
ねっ 内緒よ! 言いふらされるから
[以下略]


(J5) 川名 2008
わたしは誰でもない あなたは誰ですか
あなたも 名無しさん ですか
それなら似た者どうしだわ
秘密にしてね ばれたら ただではすまないから
[以下略]


(J6) 岩田 2005
わたしはノーボディー(名もない人) あなたは誰?
あなたもノーボディー
それじゃ 私たちコンビってこと?
人に言っちゃ駄目よ! 私たちのこと追い払うから!
[以下略]

   エミリー・ディキンスン=作 岩田典子(いわた・みちこ)=訳
   「わたしはノーボディー(名もない人) あなたは誰?」
   F260, J288, 1861年終わり頃
   岩田典子=著 『エミリー・ディキンソン—わたしは可能性に住んでいる
   開文社出版 2005-10-20


(J7) 柴田 2000, 2013
わたしは誰でもない! あなたは誰?
あなたも - 誰でもないの?
じゃあわたしたち二人組ね!
人に言っちゃだめ! 宣伝されるから - ね!
[以下略]

   a. エミリー・ディキンソン=作 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳
     『アメリカンマスターピース 古典篇』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2013/10/19
   b. 柴田元幸=著 『アメリカ文学のレッスン』 講談社現代新書 2000-05-20
   引用は a. に拠りました。


(J8) 亀井 1998
わたしは誰でもない人! あなたは誰?
あなたも——また——誰でもない人?
それならわたし達お似合いね?
だまってて! ばれちゃうわ——いいこと!
[以下略]


(J9) 岩田 1997
私 誰でもない(ノーボディー)の あなたは誰?
あなたも誰でもないの?
それじゃ わたしたちコンビってことなのね?
人に言ってはダメよ! 私たちのこと言いふらすからね!
[以下略]

   エミリー・ディキンスン=作 岩田典子(いわた・みちこ)=訳
   「私 誰でもないの あなたは誰?」 P-288, 1861年頃
   岩田典子=著 『エミリ・ディキンスンを読む』 思潮社 1997-11-20


(J10) 酒本 1992
わたしは誰でもない。あなたは誰なの。
あなたも——もしかすると——誰でもない人かしら。
それならわたしたち、お似合いね。
秘密よ、分ってしまうわ——いいこと。
[以下略]

   エミリー・ディキンソン=作 酒本雅之(さかもと・まさゆき)=訳 P288
   酒本雅之=著 『ことばと永遠——エミリー・ディキンソンの世界創造
   研究社出版 1992-05-15


(J11) 中林 1986
わたしは名もないひと! あなたは誰?
あなた——名もないひと——なの?
それじゃわたし達仲間なのね?
言っては駄目よ! あの人達教えるといけないから——ね!
[以下略]

   エミリ・ディキンスン=作 中林孝雄(なかばやし・たかお)=訳
   「わたしは名もないひと! あなたは誰?」 (1861年)
   『エミリ・ディキンスン詩集』 松柏社 1986-05-15
   傍点を下線で置き換えました。


(J12) 広岡 1985
わたしは無名の人間!あなたはだれ?
あなたもまた無名の人間?
ではわたしたちは一対だね?
言わないで!人びとは言いふらすだろうから!
[以下略]


(J13) 稲田 1985
私は名無し、あなたはだーれ?
あなたも名無しなの?
じゃあこれで二人ってわけね
言ってはだめよ、追い払われるわ
[以下略]

   エミリ・ディキンスン=作 稲田勝彦(いなだ・かつひこ)=訳 [邦題なし]
   第七章 ディキンスンと俳句
   稲田勝彦=著 『エミリ・ディキンスン—天国獲得のストラテジー
   金星堂 1985-03-01


(J14) 山川+武田 1984
私は名無し あなたはだれ?
あなたも 名無し?
それでは二人で対になる
言ってはだめ 追い出されてしまう
[以下略]

   エミリ・ディキンソン=作
   山川瑞明(やまかわ・たまあき)+武田雅子(たけだ・まさこ)=編訳
   [邦題なし]
   『エミリ・ディキンスンの手紙』 弓書房 1984-04-20


(J15) 佐藤 1980
私は無名、あなたは誰
あなたも同じ無名なら
わたしたちは仲間同士
宣伝されないようにね

[以下略]

   エミリ・ディキンソン=作 佐藤健一(さとう・けんいち)=訳 「私は無名」 (288)
   『エミリ・ディキンソンの詩』 栗林書房 1980-09-01


(J16) 加藤 1976
私は名なし、あなたはどなた。
あなたも名なしなの。
では対の二人ね、
名を言うのはよしなさい、追われますよ、ね。
[以下略]

   エミリィ・ディキンスン=作 加藤菊雄(かとう・きくお)=訳 (288)
   『完訳エミリィ・ディキンスン詩集』 研友社 1976-09-27


(J17) 中島 1973, 1999
私は名前なし あなたはだれ?
あなたも名前なし?
じゃ二人は同じね だれにも言わないで!
みんなは私たちを追い出してしまう
[以下略]

   中島完(なかじま・たもつ)=訳 〈288〉
   a. 『エミリ・ディキンスン詩集 続自然と愛と孤独と』 国文社 改訂版 1999-02
   b. 『エミリ・ディキンスン詩集 続自然と愛と孤独と』 国文社 初版 1973-01-25
   引用は b. に拠りました。
   上の数字 (288) は次の本に拠る。
   The Poems of Emily Dickinson (1955) edited by Thomas. H. Johnson


(J18) 村岡 1968
わたしは誰でもない! あなたは誰!
あなたも——誰でもないのですか——やはり?
ではわたし達は一対ですね!
言ってはいけない! 彼等はわたし達を追い払うでしょう——ねえ!
[以下略]


 Video 2  Emily Dickinson - I'm Nobody! Who are you?

Uploaded to YouTube by PearlsofWisdom on 27 Sep 2012


■トルコ語訳 Translation into Turkish

Hiçkimse’yim ben! Sen kimsin?
Sen de Hiçkimse’sin, ha?
Bir çift var bizden öyleyse.
Açık etme! Reklam ederler, biliyorsun ya!
[Omission]

   Hiçkimse’yim ben! Sen kimsin? by Emily Dickinson
   Translated by Osman Tuğlu
   E-text at Antoloji.Com


■ハンガリー語訳 Translation into Hungarian

Én senki vagyok! Te ki vagy?
Te is tán senki vagy?
Akkor éppen egy pár vagyunk.
Ne mondd, mert elhírlik - tudod.
[Omission]

   Én senki vagyok! Te ki vagy? by Emily Dickinson
   E-text at Magyarul Bábelben


■ロシア語訳 Translations into Russian

(R1) Марковой
Я - Никто. А ты - ты кто?
Может быть - тоже - Никто?
Тогда нас двое. Молчок!
Чего доброго - выдворят нас за порог.

[Omission]

   Эмили Дикинсон - Я - Никто. А ты - ты кто?
   Translated by В. Марковой
   E-text at Lib.Ru


(R2)
Я - Никто! Скажи, ты кто?
Может быть, и ты - Никто?
Нас уж двое! Но - ни слова! -
Или нас прогонят снова.

   Я - Никто! Скажи, ты кто?
   Excerpt at laidinen.ru


(R3) Рэмтон
Я - никто. А Вы- кто здесь?
Ах, и Вы - никто?
Вот - уже и пара есть.
Тише! - Надо ведь и честь иметь!

   Я - никто. А Вы- кто здесь?
   Translated by В.Рэмтон
   E-text at laidinen.ru


■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

У світі я - ніхто - а ти?
Ти теж ніхто мабуть?
Отож собі помовчмо вдвох
Бо нас ще проженуть

[Omission]

   Емілі Елізабет Дікінсон. У світі я - ніхто - а ти?
   Translated by Г. Кочура
   E-text at Український Центр (ukrcenter.com)


■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

Аз никоя съм. А ти кой си?
Ти също ли си никой?
Тогава двама сме. Но не издавай -
че те ще ни навикат.

[Omission]

   Емили Дикинсън. Аз никоя съм. А ти кой си?
   Translated by Цветан Стоянов
   E-text at Блогът на mese4inkata


 Video 3  Emily Dickinson - I'm Nobody! Who are you?

Uploaded to YouTube by poetictouch2012 on 15 Nov 2011


■ポーランド語訳 Translations into Polish

(P1) Marjańska
Jestem Nikim! A kim ty jesteś?
Czy także - jesteś - Nikim?
A więc dwoje nas? Nic nie mów,
Bo ogłoszą to - z krzykiem!
[Omission]


(P2) Międzyrzecki
Ja jestem nikt! Kto jesteś ty?
Czyś także nikt? Co za spotkanie!
Jest więc nas dwoje, ale milcz:
Skazano by nas na wygnanie!
[Omission]


(P3) Barańczak
Jestem Nikim! A ty?
Czy jesteś - Nikim - Też?
Zatem jest nas aż dwoje?
Pst! Rozejdzie się - wiesz!
[Omission]


(P4) [Unknown]
Jestem nikim a ty kim
Czy ty także jesteś nikim
To znaczy byłaby z nas para
I to by się rozniosło zaraz więc milcz
[Omission]

   Emily Dickinson [untitled]
   E-text at Poezja Emily Dickinson


(P5) Iłłakowiczówna
Jam nikt! A ty ktoś, bracie, jest?
Możeś ty nikim też?
Aż dwoje nas, więc cicho bądź,
bo nas wygonią stąd.
[Omission]


■チェコ語訳 Translation into Czech

Jsem nikdo! Kdo jste vy?
Jste také nikdo?
Tak jsme dva. A ani muk.
To bychom odnesli.
[Omission]

   Jsem nikdo! Kdo jste vy? by Emily Dickinson
   E-text at alarmo


■ドイツ語訳 Translation into German

Ich bin Niemand! Wer bist Du?
Zum-Niemand- auch ernannt?
Dann paßt Du gut zu Mir dazu!
Sag´nichts! - sonst wird´s - bekannt!
[Omission]

   Ich bin Niemand! Wer bist Du? by Emily Dickinson
   Translated by Walter A. Aue
   E-text at Die Deutsche Gedichte-Bibliothek


 Video 4  Emily Dickinson - I'm Nobody! Who are you?

Uploaded to YouTube by valiuc79 on 23 Jun 2010


■イタリア語訳 Translation into Italian

Io non sono Nessuno! Chi sei tu?
Sei - Nessuno - anche tu?
Allora siamo in due!
Non dirlo! spargerebbero la voce - lo sai!
[Omission]

   Emily Dickinson - The Complete Poems
   Translation and notes by Giuseppe Ierolli


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Eu não sou Ninguém! Quem é você?
Você é — Ninguém — também?
Então desse nós há um par
Não conte a ninguém!
Eles poderão aos outros revelar!
[Omission]

   Eu não sou Ninguém! Quem é você? by Emily Dickinson
   Translated by Alice Dias
   E-text at literatura em foco


■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan

Jo no sóc ningú. Qui ets tu?
Ets tu, ningú, també?
Som nosaltres, ja, un parell?
No ho diguis! Ho anunciarien, saps?
[Omission]

   Jo no sóc ningú. Qui ets tu? by Emily Dickinson
   Translated by Joan Cerrato
   E-text at Dr Read Good


■スペイン語訳 Translation into Spanish

Soy nadie. ¿Tú quién eres?
¿Eres tú también nadie?
Ya somos dos entonces. No lo digas:
lo contarían, sabes.
[Omission]

   Soy nadie. ¿Tú quién eres? by Emily Dickinson
   E-text at Salvo el crepúsculo


■フランス語訳 Translation into French

(F1)
Je ne suis personne ! et toi?
Tu n'es personne aussi?
Alors nous sommes deux, tais toi!
Ils nous chasseraient, tu sais!
[Omission]

   Je ne suis personne by Emily Dickinson
   E-text at Poésie Chinoise


(F2)
Je ne suis personne! Qui êtes-vous?
Vous n'êtes personne?
Alors nous ferons la paire - chut, ne le répétez Pas!
Ils nous banniraient, savez-vous.
[Omission]

   Je ne suis personne! Qui êtes-vous? by Emily Dickinson
   E-text at Eveil et philosophie, blog de José Le Roy


 Video 5  Emily Dickinson - I'm Nobody! Who are you?

Uploaded to YouTube by GreenlandCat on 15 Feb 2010


■英語原詩(全文) The complete original poem in English

I'm Nobody! Who are you?
Are you - Nobody - too?
Then there's a pair of us!
Don't tell! they'd advertise - you know!

How dreary - to be - Somebody!
How public - like a Frog -
To tell one's name - the livelong June -
To an admiring Bog!


■「宣伝する」か「追い払う」か? 原詩テキストの異同
 "Advertise" or "banish"? Variations in the original English text

第1連第4行を、Don't tell-they'd banish us, you know. とする版もある。翻訳版のなかに、advertise の訳としては明らかに異様な、[ru] "выдворят ," [fr] "chasseraient," "banniraient," [ja] 「追い払う」「追い出されてしまう」「追い出してしまう」などの語をあてているものがあるのは、このため。


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2018-03-01 内藤里永子=訳 2017-07-20 を追加しました。
  • 2013-11-27 柴田元幸=訳の訳文を差し替え、書誌情報を補足しました。
  • 2013-09-23 トルコ語訳を追加しました。
  • 2013-04-13 BackToTheArchives による朗読と、poetictouch2012 による朗読の2本の YouTube 動画を追加しました。
  • 2013-02-18 ハンガリー語訳、カタルーニャ語訳、およびドイツ語訳、ならびに Pearls of Wisdom による朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2013-01-29 ウクライナ語訳とブルガリア語訳を追加しました。
  • 2012-09-26 成田悦子=訳 2012-07-26 を追加しました。
  • 2012-07-09 稲田勝彦=著 1985-03-01 と5種類のポーランド語訳を追加しました。
  • 2012-07-01 もう2種類のロシア語訳を追加しました。
  • 2012-06-19 村岡花子=訳 1968-10-01 とチェコ語訳を追加しました。
  • 2012-06-04 加藤菊雄=訳 1976-09-27 を追加しました。また、「宣伝する」か「追い払う」か? 原詩テキストの異同の項を新設しました。さらに、英語原詩へのリンクが誤っていたのを修正しました。
  • 2012-05-26 酒本雅之=訳 1992-05-15 を追加しました。
  • 2012-05-04 もう1種類のフランス語訳を追加しました。
  • 2012-04-29 広岡實=訳 1985-07-10 および佐藤健一=訳 1980-09-01 の訳文を挿入しました。
  • 2012-04-24 浜田美佐子=著 2011-03-10 を追加しました。
  • 2012-04-20 岩田典子=訳 2005-10-20 を追加しました。

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Tuesday, 11 January 2011

Shooting an Elephant by George Orwell オーウェル 「象を撃つ」「象を射つ」

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
  Video   The Real George Orwell
 Images  表紙画像 Cover photos
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 柴田 2009
  (J2) 陰陽師 2005
  (J3) 小野寺 1982
  (J4) 高畠 1972, 2010
  (J5) 井上 1970, 1995, etc.
  (J6) 永川 1962, 1972, etc.
  (J7) 松浪 1961, 1985
  (J8) 小野 1957, 1959
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
■ドイツ語訳 Translation into German
■イタリア語訳 Translations into Italian
■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese
  (Pt1) Parreira, 2013
  (Pt2) Medeiros, 2003
  (Pt3) Barroso, 1959
■スペイン語訳 Translations into Spanish
  (Es1)
  (Es2)
  (Es3) Manero & Canales
■フランス語訳 Translation into French
 Audio 1  英語原文の朗読 Audiobook read by 29harveydinio
 Audio 2  英語原文の朗読 Audiobook read by Patrick E. McLean
■英語原文 The original text in English
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

1920年代ごろのビルマ(ミャンマー)は、イギリス領インドに属する一州だった。民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの父であり「ビルマ建国の父」とも称されるアウンサン将軍が、たぶんまだ少年だった頃のこと。

この植民地の支配機構の末端で警察官を務めていたのが、イギリス人の「私/わたし/ぼく」。ある日、職務の一環として、一頭の象を射殺しなければいけない事態に巻き込まれる。なぜ、わたしは象を撃たなければいけないのか?

現地に暮らす白人の目からみた帝国主義の実相。『動物農場』や『1984年』で知られるオーウェルの短篇。


  Video  
The Real George Orwell (1/6)

Biographer D.J. Taylor profiles Eric Blair for The South Bank Show in 2003.


 Images  
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

zh Zh_why_i_write ja Ja_orwell_hyoronshu_1 ru Ru_shooting_an_elephant

es Es_matar_a_un_elefante en En_shooting_an_elephant


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

但是我又不愿意射杀那头大象。我瞧着它卷起一束草在息头甩着,神情专注,像一个安详的老祖母。我觉得朝它开枪无异于是谋杀。


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

但是我又不願意射殺那頭大象。我瞧著祂捲起一束草在鼻頭甩著,神情專注,像一個安詳的老祖母。我覺得朝祂開槍無異於是謀殺。


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2009
だが私は象を撃ちたくなかった。いかにも象らしい、一心不乱の、どこかお祖母さんのような雰囲気をたたえて象が草の束を膝に叩きつけるのを私は見守った。この象を撃つのは犯罪だと私には思えた。


(J2) 陰陽師 2005
それでもわたしは象を撃ちたくなかった。象が、あの一種独特の老婆のような雰囲気を漂わせながら、ひとつかみの草を膝に無心でたたきつけているようすを見つめた。こんな生き物を撃つのは、殺人にほかならないように思える。

  • ジョージ・オーウェル=著 陰陽師=訳 「象を撃つ」 ghostbuster's book web. 初出 2005-03-29〜2005-04-03 改訂 2005-04-25

(J3) 小野寺 1982
だが、わたしは撃つ気になれず、ただ象が一種独特のあの老婆のような感じで、草の束を余念なく膝に叩きつけている姿をじっとみつめていた。こんな象を撃つのは虐殺のような気がした。

  • ジョージ・オーウェル=著 小野寺健(おのでら・たけし)=訳 「象を撃つ」 小野寺健=編訳 『オーウェル評論集』 岩波文庫 1982-04-16

(J4) 高畠 1972, 2010
そうはいうものの、わたしは射つのは気が進まなかった。わたしは、象独特の、あのいっしょうけんめいになっているおばあさんのようなようすで、草の束を自分の膝(ひざ)にたたきつけているのを、じっとみつめていた。これでは、まるで虐殺するようなものだな、という気がした。

  • ジョージ・オーウェル=著 高畠文夫(たかばたけ・ふみお)=訳 「象を射つ」
    • オーウェル、武田麟太郎、モーム=著 『』 百年文庫47 ポプラ社 2010-10-13
    • ジョージ・オーウェル=著 『動物農場』 角川文庫 1972-08-30
  • 引用は b. 角川文庫版に拠りました。

(J5) 井上 1970, 1995, etc.
しかし私は象を撃ちたくなかった。象が草の束をひざに打ちつけているのを私はじっと見つめていた。象という動物に特有の、あの余念のないおばあさんのような様子で、彼はその動作を続けていた。そんな彼を撃つのは虐殺にほかならないのではないか、と私には思われた。


(J6) 永川 1962, 1972, etc.
しかしぼくは象を撃ちたくなかった。象特有の、仕事に余念のないお婆さんのような態度で、雑草のかたまりを膝に打ちつけている彼をぼくは見まもっていた。象を撃つのがまるで殺人のような気がした。


(J7) 松浪 1961, 1985
[この対訳本は原著からの抜粋に訳と解説を付けたもの。引用箇所は収録されていません]


(J8) 小野 1957, 1959
しかし私は象を射ちたくなかった。私は彼が、象に特有の余念のないおばあさんのようなようすで、草の束を膝に打ちつけているのをみつめていた。私には、彼を射つことは虐殺にひとしいように思われた。

  • Orwell / オウエル=著 小野協一(おの・きょういち)=訳 「象を射つ」
  • 引用は b. 南雲堂 1957 版に拠りました。

■ロシア語訳 Translation into Russian

Но я не хотел убивать слона. Я смотрел, как он бьет пучками травы по колену, и была в нем какая-то добродушная сосредоточенность, так свойственная слонам. Мне подумалось, что застрелить его — настоящее преступление.

  • Джордж Оруэлл - Убийство слона. Translated by А. А. Файнгар (A. A. Fayngar), 1988
  • E-text at Orwell.ru

■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

Но аз не исках да застрелвам слона. Гледах го как удря своето снопче трева в коленете си с онзи разсеян бабешки израз, който слоновете имат. Струваше ми се, че би било престъпление да го застрелям.


■ドイツ語訳 Translation into German

Aber ich wollte den Elefanten nicht erschießen. Ich sah ihm zu, wie er sein Grasbüschel am Knie ausklopfte, auf diese selbstvergessene großmütterliche Art, wie Elefanten sie haben. Es schien mir, daß es glatter Mord wäre, ihn zu erschießen.


■イタリア語訳 Translations into Italian


■ポルトガル語訳 Translations into Portuguese

(Pt1) Parreira, 2013
Mas eu não desejava atirar no elefante. Olhava-o batendo os feixes de capim contra os joelhos, com aquele ar de avó preocupada que os elefantes têm. A mim, parecia-me um assassínio abatê-lo.

  • O Abate de um Elefante by George Orwell. Translated by Ana Parreira.
  • E-text at Villaaspie 2013-06-22

(Pt2) Medeiros, 2003
Mas eu não queria matar o elefante. Olhei para ele, batendo a grama contra os joelhos, com aquele ar preocupado de avó que elefantes têm. Pareceu-me que atirar nele seria assassinato.

  • Atirando num Elefante by George Orwell. Translated by Valéria da Silva Medeiros
  • E-text at Maxwell [HTM] [PDF]

(Pt3) Barroso, 1959
Mas eu não queria mesmo matar o elefante. Via-o batendo o punhado de mato contra os joelhos, com aquele ar preocupado e avoengo que os elefantes têm. Pareceu-me que matá-lo seria um crime.

  • Matar um elefante by George Orwell. Translated by Ivo Barroso. Originally published in the magazine SENHOR, número 7, August 1959.
  • E-text at Gaveta do Ivo 2014-05-31

■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
Pero yo no quería matar al elefante. Lo observé golpear el manojo de pasto contra sus rodillas, con ese aire preocupado de abuela que tienen los elefantes. Me parecía que sería un crimen matarlo.


(Es2)
Pero yo no quería matar al elefante. Lo observé batiendo su manojo de pasto contra sus rodillas, con ese aire de abuela preocupada que tienen los elefantes. Me pareció que matarlo sería un crimen.


(Es3) Manero & Canales
Sin embargo, no quería matar el elefante. Lo contemplé mientras golpeaba su manojo de hierba contra las rodillas, con ese aire de abuela ensimismada que tienen los elefantes. Me parecía que matarlo sería un asesinato.


■フランス語訳 Translation into French

Mais je n'avais toujours pas envie de tuer l'éléphant. Je le voyais battre les touffes d'herbe contre ses genoux, avec cet air de vieille grand-mère soucieuse qu'ont les éléphants. Il me semblait que le tuer serait un pur et simple assassinat.


 Audio 1 
英語原文のオーディオブック(朗読)
Audiobook in English read by 29harveydinio

Uploaded on 26 Nov 2011 by 29harveydinio


 Audio 2 
パトリック・E・マクリーンによる「象を撃つ」原文の朗読
Shooting an Elephant read by Patrick E. McLean

   The Seanachai


■英語原文 The original text in English

But I did not want to shoot the elephant. I watched him beating his bunch of grass against his knees, with that preoccupied grandmotherly air that elephants have. It seemed to me that it would be murder to shoot him.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016-11-16 松浪有=訳の書誌情報を修正しました。
  • 2014-11-25 ドイツ語訳と3種類のポルトガル語訳を追加しました。
  • 2014-11-21 小野協一=訳註 1957-06-25 の訳文を挿入しました。
  • 2013-02-28 ブルガリア語訳と、29harveydinio による朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2011-02-13 永川玲二=訳の書誌情報を補足しました。
  • 2011-01-30 井上摩耶子=訳の書誌情報を補足し、訳例の配列を修正しました。

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Sunday, 01 November 2009

Bartleby, the Scrivener, by Herman Melville メルヴィル 『書写人バートルビー』『代書人バートルビー』『書記バートルビ』『バートルビー』

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
  Video 1   映画 『バートルビー』 Bartleby (2001)
 Gallery 1  表紙画像 Cover photos
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■"the law-copyists or scriveners" in Japanese
■"I would prefer not to" in translation
  (1) 日本語訳 Translations into Japanese
    *牧野 2015
    *柴田 2013
    *柴田 2007, 2008
    *高桑 2005
    *原 1995
    *酒本 1988
    *杉浦 1983, 2008
    *坂下 1979
    *土岐 1979
    *寺田 1972
    *田中 1966
    *阿部 1961, 1972, etc.
    *北川 1960
    *林 1948, 1949
  (2) ヨーロッパ諸言語への訳 Translations into various European languages
  (3) 英語原文 The original text in English
■英語原文 The original text in English
■日本語訳の一覧 List of Japanese translations
■日本語訳の書誌情報詳細 Detailed bibliography on Japanese translations
  Video 2   『バートルビー』 スペイン語版のPV Book trailer in Spanish
 Gallery 2  舞台・映画・オーディオブック Audiobook, Cinema & Stage Adaptations
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

19世紀なかば。ニューヨーク、ウォール街。

変人バートルビー。法律事務所に雇われて、法律文書を手で書き写す仕事をしている。いわばコピー機のない時代の人間コピー機。はじめは、無口だがよく働く男であるかのように見えた。

ところが、バートルビーは決められた仕事以外一切しない。どんな簡単な用事でさえも引き受けない。何を訊かれても、答えは「そうしないほうがいいのですが」。やがて、この一言以外いっさい口をきかなくなる。さらに、決められた仕事さえもするのをやめてしまう。雇い主の法律家は、驚き、いきどおり、落胆し、いぶかしみ、あわれむのだが……。


  Video 1  
映画 『バートルビー』 Bartleby (2001)

Uploaded to YouTube by SlamdunkMovies on 18 Sep 2006. Bartleby (2001) - IMDb 日本未公開?(未確認)


 Gallery 1 
表紙画像 Cover photos

↓ クリックして拡大 Click to enlarge ↓

da Da_skriveren_bartleby de De_schreiberbartleby de De_bartleby_der_schreiber_inseltasc

it It_bartleby_lo_scrivano pt Pt_bartleby_o_escrivo br Br_bartlebyn_o_escriturario

es Es_bartleby_el_escribiente es Es_tapabartleby_large fr Fr_bartleby_une_histoire_de_wall_st

fr Fr_bartlebylescribe_folio en En_bartleby_cornell


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  •   「バートゥルビィ」………………原 1995
  •    「バートルビー」………………杉浦 1983, 2008
  •    「バートルビー」………………坂下 1979
  •    「バートルビー」………………土岐 1979
  •    「バートルビー」………………北川 1960
  •    「バートルビイ」………………寺田 1972
  •    「バアトルビ」…………………林 1948, 1949
  •  「書記バートルビ」…………………阿部 1961, 1972, etc.
  •  「書記バートルビィ」………………田中 1966
  •  「書記バートルビー」………………牧野 2015
  • 「書写人バートルビー」………………柴田 2007, 2008, etc.
  • 「代書人バートルビー」………………酒本 1988

■フレーズ "the law-copyists or scriveners" の日本語訳
 How to translate "the law-copyists or scriveners" into Japanese?

  • 下級の法律書記あるいは筆耕ども………………阿部 1961, 1972, etc.
  • 司法書士、代書人…………………………………土岐 1979
  • 代書人ないしは筆耕仲間…………………………杉浦 1983, 2008
  • 弁護士のとこの筆耕、書記………………………北川 1960
  • 法律の写本づくり、またの名を学士……………坂下 1979
  • 法律事務關係の筆耕とか書記……………………林 1948, 1949
  • 法律写字生あるいは筆耕…………………………寺田 1972
  • 法律筆耕人、すなわち書記………………………牧野 2015
  • 法律文書の筆耕、写字生…………………………原 1995
  • 法律文書の筆耕たちのことで、つまりは代書人…酒本 1988
  • 法律文書の筆者係ないし筆生……………………高桑 2005
  • 法律文書を書き写す、書写人たち  ……………柴田 2007, 2008, etc.

■ "I prefer not to" をどう翻訳するか?
 How to translate "I would prefer not to"?

(1) 日本語訳 Translations into Japanese

  • 「あまり気が進みません」…………………………土岐 1979
  • 「いたしたくございません」………………………寺田 1972
  • 「ごめんこうむりましょう」………………………阿部 1961, 1972, etc.
  • 「したくありません」………………………………林 1948, 1949
  • 「しないほうがいいのですが」……………………高桑 2005
  • 「せずにすめばありがたいのですが」……………酒本 1988
  • 「そうしないほうが好ましいのです(アイ・ウド・プリファー・ノット・トゥ)」………………………………………………柴田 2013
  • 「そうしないほうが好ましいのですが」…………柴田 2007, 2008
  • 「その気になれないのですが」……………………杉浦 1983, 2008
  • 「ぼく、そうしない方がいいのですが」…………坂下 1979
  • 「やりたくないのですが」…………………………原 1995
  • 「わたくしはしない方がいいと思います」………牧野 2015
  • 「気が進みません」…………………………………田中 1966
  • 「行きたくはありません」…………………………北川 1960

(2) ヨーロッパ諸言語への訳 Translations into various European languages


(3) 英語原文 The original text in English

   "I would prefer not to"


■英語原文 The original text in English

"I would prefer not to."


■「バートルビー」の日本語訳を収録した本や雑誌や電子テキストの一覧
 List of books and e-text containing a Japanese translation of Bartleby

牧野   1. 書記バートルビー/漂流船 -- 光文社, 2015.9
柴田   2. アメリカン・マスターピース 古典篇 -- スイッチ・パブリッシング, 2013.10
柴田   3. モンキービジネス Vol.1. -- ヴィレッジブックス, 2008.4
杉浦   4. 諸国物語. -- ポプラ社, 2008.2
柴田   5. 書写人バートルビー. -- 放送大学, 2007 --  (世界の名作を読む)
高桑   6. バートルビー / ジョルジョ・アガンベン[他]. -- 月曜社, 2005.7
原     7. メルヴィル中短篇集 / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 八潮出版社, 1995.12.
       -- (八潮版・アメリカの文学 ; 22)
酒本   8. 代書人バートルビー / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 国書刊行会, 1988.11.
       -- (バベルの図書館 ; 9)
杉浦   9. 乙女たちの地獄. 1. / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 国書刊行会, 1983.3.
       -- (ゴシック叢書 ; 24)
坂下 10. 幽霊船 / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 岩波書店, 1979.12. -- (岩波文庫)
土岐 11. 世界文学全集. 39. -- 集英社, 1979.11
阿部 12. 近代世界文学. 13(メルヴィル) / メルヴィル[他]. -- 筑摩書房, 1975.9
阿部 13. 筑摩世界文学大系. 36. -- 筑摩書房, 1972.10
田中 14. 世界の文学. 第53. -- 中央公論社, 1966.12
阿部 15. アメリカ短篇名作集 / 大橋健三郎. -- 学生社, 1961.9
北川 16. バートルビー・船乗りビリー・バッド / ハーマン・メルヴィル[他].
       -- 南雲堂, 1960. -- (双書・20世紀の珠玉)
寺田 17. 魔の群島・バートルビイ / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 英宝社, 1957.9
       -- (英米名作ライブラリー)
林  18. 地の涯の海 / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 思索社, 1949.8
林  19. 地の涯の海 / ハーマン・メルヴィル[他]. -- 思索社, 1948


■著者別・出版年順の日本語訳の書誌情報詳細
 Detailed bibliography on Japanese translations, sorted by year & translator

(1) 牧野 2015
   ハーマン・メルヴィル=作 牧野有通(まきの・ありみち)=訳
   「書記バートルビー——ウォール街の物語」
   『書記バートルビー/漂流船』 光文社古典新訳文庫 2015-09-20

(2) 柴田 2013
   ハーマン・メルヴィル=作 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳
   「書写人バートルビー——ウォール街の物語」
   『アメリカン・マスターピース 古典篇』 柴田元幸翻訳叢書
   スイッチ・パブリッシング 2013-10-19

(3) 柴田 2007, 2008
   ハーマン・メルヴィル=作 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳
   a. 「書写人バートルビー——ウォール街の物語」
     『モンキービジネス 2008 Spring vol.1 野球号
     ヴィレッジブックス 2008-04-19 版元によるこの雑誌の内容紹介
   b.書写人バートルビー ―― ウォール街の物語』 [PDF]
     放送大学 世界の名作を読む (2007) シラバス
     主任講師:工藤庸子 (放送大学教授) 大石和欣 (名古屋大学准教授)
     インターネット配信: 柴田元幸氏の講義録音を聞く (全45分)
   引用は b. に拠りました。

(4) 高桑 2005
   ハーマン・メルヴィル=著 高桑和巳(たかくわ・かずみ)=訳 「バートルビー」
   この邦訳はつぎの本に付録という扱いで収録されている。
   ジョルジョ・アガンベン=著
   『バートルビー―偶然性について』 月曜社 2005-07-30

(5) 原 1995
   ハーマン・メルヴィル=著 原光(はら・ひかる)=訳 「バートゥルビィ」
   『メルヴィル中短篇集』 八潮版・アメリカの文学22 八潮出版社 1995-12-15

(6) 酒本 1988
   ハーマン・メルヴィル=著 酒本 雅之(さかもと・まさゆき)=訳
   『バベルの図書館9 代書人バートルビー』 国書刊行会 1988-11-11

(7) 杉浦 1983, 2008
   メルヴィル=著 杉浦銀策(すぎうら・ぎんさく)=訳 「バートルビー」
   a. 諸国物語』 ポプラ社 2008-02-19
   b.乙女たちの地獄1』 ゴシック叢書24 国書刊行会 1983-03
   引用は a. に拠りました。

(8) 坂下 1979
   ハーマン・メルヴィル=作 坂下昇(さかした・のぼる)=訳 「バートルビー」
   『幽霊船 他一篇』 岩波文庫 1979-12-17

(9) 土岐 1979
   メルヴィル=著 土岐恒二(とき・こうじ)=訳 「バートルビー」
   『世界文学全集39 タイピー 他』 集英社 1979-11-25

(10) 田中 1966
   メルヴィル=著 田中西二郎(たなか・せいじろう)=訳
   『世界の文学53 イギリス名作集・アメリカ名作集
   中央公論社 1966-12-10

(11) 阿部 1961, 1969, etc.
   メルヴィル=著 阿部知二(あべ・ともじ)=訳 「書記バートルビ」
   a.近代世界文学13 メルヴィル)』 筑摩書房 1975-09
   b.筑摩世界文学大系36』 筑摩書房 1972-10-15
   c.世界文學大系55 メルヴィル』 筑摩書房 1969
   d.アメリカ短篇名作集』 学生社 1961-09-10
   引用は b. に拠りました。

(12) 北川 1960
   ハーマン・メルヴィル=著 北川悌二(きたがわ・ていじ)=訳 「バートルビー」
   『バートルビー・船乗りビリー・バッド
   双書・20世紀の珠玉 南雲堂 1960-01-10

(13) 寺田 1957
    ハーマン・メルヴィル=著 寺田建比古(てらだ・たけひこ)=訳
   「バートルビイ」
   『魔の群島・バートルビイ』 英米名作ライブラリー 英宝社 1957-09-10

(14) 林 1948, 1949
   ハーマン・メルヴィル=著 林哲也(はやし・てつや)=譯 「バアトルビ」
   a.地の涯の海』 思索選書 思索社 1949-08-20
   b.地の涯の海』 思索社 1948
   引用は a. に拠りました。


  Video 2  
『バートルビー』 スペイン語版書籍のプロモーション・ビデオ
Book trailer del libroBartleby, el escribiente

Uploaded to YouTube by Diego MORENO ZAMBRANA on 27 Nov 2007.


 Gallery 2 
舞台・映画・オーディオブック An audiobook and cinema & stage adaptations

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■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2016-04-09 牧野有通=訳 2015-09-20 の訳文を追加しました。
  • 2013-11-28 柴田元幸=訳 2013-10-19 を追加しました。
  • 2012-06-12 柴田元幸=訳の書誌情報のうち、放送大学に関連するリンクの一部がリンク切れになっていたことに気がつきましたので、とりあえず可能な範囲で修正しました。
  • 2012-05-21 北川悌二=訳 1960-01-10 の訳文を追加しました。
  • 2011-02-01 柴田元幸=訳の書誌情報を補足しました。
  • 2009-11-14 林哲也=譯 1949-08-20 の書誌情報と訳文を追加しました。

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(1) Bartleby

(2) Herman Melville

■和書 Books in Japanese
(1) バートルビー

(2) メルヴィル

■DVD
(1) Herman Melville

(2) Bartleby

■CD, VHS

   

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Tuesday, 15 September 2009

A Piece of Steak by Jack London ジャック・ロンドン 「一枚のステーキ」「ひと切れのビフテキ」「一切れのビフテキ」

■はじめに Introduction

「一枚のステーキ」は、落ち目のボクサーを描いたジャック・ロンドンの短篇小説。下に引用するのは、その冒頭部分です。


 Video 
短編アニメ映画 "U Buen Bistec"(一枚のステーキ)予告編
Un Buen Bistec: A short animated film by Pablo Oliveira - Trailer


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

汤姆·金用最后一小口面包,揩干净最后一滴肉汁,然后放在嘴里慢慢咀嚼,沉思着。当他从桌子边站起来时,他明显感到饥饿的压迫感。然而只有他一个人吃过东西。隔壁房间里的两个孩子早就被打发去睡觉了,为的是他们在睡梦中会忘记自己还没有吃过晚饭。他妻子什么也没吃,默默坐着,用担忧的目光注视着他。她是一个消瘦而憔悴的工人阶级妇女,但是她脸上也不乏以前曾经漂亮过的痕迹。做肉汁用的面粉是她向过道对面的邻居借来的。最后的两个子儿花完了,用来买了面包。


 Images 
ジャック・ロンドン「一枚のステーキ」(邦訳・原文・コミック版)を収めた本
Books containing Jack London's A Piece of Steak or its translation/adaptation

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a. Ja_hi_o_okosu_shibata_motoyuki b. Boxings_best_short_stories c. A_piece_of_steak

■A Piece of Steak の日本語訳を収録した本と雑誌の一覧
 List of books and a magazine that contain a Japanese translation of
 A Piece of Steak

   1.  柴田 火を熾す / ジャック・ロンドン. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.10
   2.  柴田 Coyote (コヨーテ) No.26. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.3
   3.  柴田 Coyote (コヨーテ) No.25. -- スイッチ・パブリッシング, 2008.2
   4.  辻井 ジャック・ロンドン選集. 6 / ジャック・ロンドン[他]. -- 本の友社, 2005.10
   5.  辻井 試合 / J.ロンドン[他]. -- 社会思想社, 1987.7.
          -- (現代教養文庫 ; 1168)
   6.  西崎 現代アメリカ文学選集. 第6. -- 荒地出版社, 1968.2
   7.  西崎 現代アメリカ文学全集. 第14 / 刈田元司. -- 荒地出版社, 1958
   8.  尾上 荒野の呼び声 / ロンドン[他]. -- 研究社出版, 1957.9
          -- (アメリカ文学選集)
   9.  瀧川 小麥相場・たき火. -- 英宝社, 1956.8 -- (英米名作ライブラリー)


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2008
 パンの最後のひとかけらでトム・キングは皿から小麦ソースの最後のひとしずくを拭き取り、その一口分をゆっくり、考え深げに噛んだ。食卓を立つと、まだ全然腹ぺこだ、という思いが襲ってきた。けれど食べたのは彼一人なのだ。隣の部屋にいる二人の子供は、夕食をもらえなかったことを忘れてしまうよう早寝させられた。妻も何ひとつ手をつけず、黙って座って、案じるような目でじっと彼を夫を見ていた。妻は痩せた、やつれた労働階級の女だったが、かつては綺麗だった面影も残っていた。小麦ソースを作る小麦粉は廊下をはさんだ向かいの家族から妻が借りたものだった。最後の半ペニー貨二枚はパンを買うのに使った。

   ジャック・ロンドン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳 「一枚のステーキ」
   a.火を熾す(ひをおこす)』 柴田元幸翻訳叢書
     スイッチ・パブリッシング 2008-10
   b. Coyote (コヨーテ) 26号. スイッチ・パブリッシング 2008-03
   c. Coyote (コヨーテ) 25号. スイッチ・パブリッシング 2008-02
   初出誌は b.c. の二分載。a.b. および c. に加筆・訂正したもの。
   引用は a. に拠りました。


(J2) 辻井 1987, 2005
 トム・キングは、パンの最後のひと切れで小麦粉ソースの最後の一滴まできれいにふき取ると、ようやくひと口分になったものを、ゆっくりと瞑想にふけるように噛んだ。テーブルから立ちあがったとき、彼はまぎれもない空腹感に悩まされた。それでも、彼だけは食事をしたのだ。もう一つの部屋にいる二人の子供たちは、眠れば夕食ぬきだったことを忘れるだろうと、早くから寝かしつけられていた。彼の連れあいは食べ物には何も手をつけず、黙ってすわって、心配そうなまなざしで夫を見守った。労働者階級の、やせてやつれた女であった。とはいっても、若い頃にはきれいだった面ざしが、まだなくなってはいなかったが。ソース用の小麦粉は、廊下を隔てた向かい側の家から、彼女が借りてきたのだった。最後に残っていた半ペニー銅貨二枚は、パンを買うのに使い果たしてしまっていた。

   ジャック・ロンドン=著 辻井栄滋(つじい・えいじ)=訳 「ひと切れのビフテキ」
   a.決定版 ジャック・ロンドン選集2』 本の友社 2005-10
   b.試合―ボクシング小説集』 現代教養文庫 社会思想社 1987-07
   引用は a. に拠りました。


(J3) 西崎 1958, 1968
 トム・キングはパンの最後の一かけらで皿に残っている僅かの小麦粉ソースをきれいに拭いとると、こうして一口分になった食物を、瞑想にでもふけっているようにゆっくりと噛んだ。テーブルから立上ったとき、彼ははっきりした空腹感にしめつけられた。それでも食事ができたのは、彼だけだった。二人の子供はもう一つの部屋で、眠っていれば夕飯を食べなかったことを忘れるだろうというので早くから寝かせつけられていた。彼の妻は何一つ口にせず、黙って坐ったまま心配そうな眼で彼を見まもっていた。彼女は若い頃きれいだった面影がまだなくなってはいないが、労働者階級の痩せた、くたびれた女だった。ソース用小麦粉は彼女が廊下を隔てた家から借りたものだった。最後に残っていた二つの半ペニ銅貨はパンを買うのになくなっていた。

   ジャック・ロンドン=著 西崎一郎=訳 「一切れのビフテキ」
   a.現代アメリカ文学選集6 ヘンリー・ジェイムズ、ジャック・ロンドン、
     トマス・ウルフ』 荒地出版社 1968-02
   b.現代アメリカ文学全集14』 荒地出版社 1958
   引用は a. に拠りました。


(J4) 尾上 1957
パンの最後の一かけらでトム・キングは、小麦粉ソースの僅かの残りを皿からきれいに拭きとり、このようにして得た一口分の食物を、瞑想にふけっているかのように、ゆっくり噛んだ。食卓から立ち上ったとき、彼ははっきりした空腹感になやまされた。しかも、彼だけが食事をすませたのだった。隣りの部屋にいる子供たちは、眠っている間に、彼等が晩御飯を抜きにしたことを忘れるようにと、早くから寝かせつけられていた。妻は何一つ口にせず、黙ったまま坐り、心配げな眼で彼を見まもっていた。彼女は、昔の美しさの面影をまだ顔に残していないわけではなかったが、労働者階級出の生活に疲れた痩せた女であった。ソース用の小麦粉は、彼女が廊下を隔てた隣人から借りたものだった。残った最後の二セントはパンを買うのに消えてしまっていたのである。

   ジャック・ロンドン=著 尾上政次(おのえ・まさじ)=訳 「一切れのビフテキ」
   『荒野の呼び声』 アメリカ文学選集 研究社出版 1957-09-25


(J5) 瀧川 1956
 トム・キングは、パンの最後の一切れで皿のメリケン粉ソースの残りかすをきれいに拭い、口にほおりこんでゆっくりと、思案しているように噛みしめた。テーブルから立ちあがると、救いがたい空腹感がどっと襲ってくる。しかも食ったのは彼だけだ。別の部屋にいる二人の子供たちは、夕飯ぬきのひもじさを忘れるようにと早くから寝かされている。女房は何も食わず、すわって、彼が食うのをさもしい目つきでじっと見ていた。下層階級の痩せてやつれた女だが、おもだちに若いころの美しさがまだ残っている。ソースを作るメリケン粉は、廊下を隔てた向う隣りから彼女が借りて来たものだ。なけなしの半ペニー貨二枚は、パンを買うのに使いはたされていた。

   ジャック・ロンドン=著 瀧川元男(たきがわ・もとお)=訳 「一切れのビフテキ」
   『小麥相場・たき火』 英米名作ライブラリー 英宝社 1956-08


■ロシア語訳 Translation into Russian

Последним  кусочком  хлеба Том  Кинг  подобрал последнюю каплю  мучного соуса, начисто вытер им тарелку и  долго,  сосредоточенно жевал  его.  Из-за стола  он  встал с гнетущим ощущением голода.  А ведь только он один и поел. Обоих ребятишек уложили спать пораньше в  соседней комнате в надежде, что во сне  они забудут о  пустых  желудках. Жена не притронулась  к еде  и  сидела молча, озабоченно наблюдая за  мужем. Это  была худая, изможденная  женщина, дочь рабочего,  сохранившая еще  остатки былой  привлекательности. Муку  для соуса она заняла у соседей. Последние два полпенни ушли на покупку хлеба.

  • Джек Лондон. Кусок мяса
    перевод Н. Аверьяновой (N. Averyanova)
    OCR, spellcheck: Сайт "Борьба САМБО" (sombo@mail.ru)
  • E-text at Lib.Ru

■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

С последния залък хляб Том Кинг обра сетните остатъци от кафявия сос по чинията си, лапна го и бавно и замислено го сдъвка. Когато стана от масата, усети с гнетящо чувство, че е много гладен. А при това бе ял само той. Двете деца в съседната стая бяха сложени да спят по-рано, та като заспят, да забравят, че са си легнали без вечеря. Жена му не хапна нищо; седнала мълчаливо, тя го бе наблюдавала със загрижен поглед. Беше слаба, състарена жена от работническата класа, запазила още следи от предишната си хубост. Брашното за соса бе взела назаем от съседката в отсрещната квартира. Последните две монети по половин пени бе похарчила, за да купи хляб.


■イタリア語訳 Translation into Italian

Con l’ultimo pezzetto di pane, Tom King ripulì il piatto del sugo che vi rimaneva. Poi, s’infilò il pane in bocca e prese a masticarlo lentamente, con aria assorta. Quando infine s’alzò da tavola, lo fece con la netta sensazione di non aver mangiato abbastanza. Pure, era stato l’unico della famiglia a toccar cibo; i bambini erano stati messi a letto nella stanza accanto perché s’addormentassero dimenticando d’aver saltato la cena, e sua moglie gli aveva fatto compagnia a tavola, seduta in silenzio a osservarlo piena d’ansia, senza mangiare: una donna della classe operaia, esile e dall’aria stanca, sfibrata, sebbene sul volto recasse ancora i segni di una passata bellezza. La farina per il sugo l’aveva presa a prestito dal vicino che abitava in fondo al corridoio, il pane l’aveva comprato con gli ultimi spiccioli che le erano rimasti.


 Audio 1 
スペイン語版オーディオブック(朗読) Audiobook in Spanish

Uploaded to YouTube by Polsdk de Cardona on 23 Mar 2011.


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
Con el último fragmento de pan, Tom King limpió su plato de la última partícula de salsa de harina y mascó el bocado resultante, en forma lenta y meditativa. Cuando se levantó de la mesa, lo oprimía la sensación de estar indudablemente hambriento. Y sin embargo, sólo él había comido. Los dos niños de la otra habitación fueron enviados temprano a la cama, para que en el sueño olvidasen que habían quedado sin cenar. Su esposa no tocó un bocado, y permaneció sentada en silencio, mirándolo con ojos solícitos. Era una mujer delgada, gastada, de la clase obrera, aunque no faltaban en su rostro las señales de una belleza anterior. La harina para la salsa la había pedido prestada a una vecina del otro lado del corredor. Los últimos dos medios peniques fueron destinados a comprar pan.

  • Un trozo de carne by Jack London
  • E-text at Edu MEC [PDF]

(Es2)
Tom King rebañó el plato con el último trozo de pan para recoger la última partícula de gachas, y masticó aquel bocado final lentamente y con semblante pensativo. Cuando se levantó de la mesa, le embargaba una inconfundible sensación de hambre. Él era el único que había cenado. Los dos niños estaban acostados en la habitación contigua. Los habían llevado a la cama antes que otros días para que el sueño no les dejara pensar en que se habían ido a dormir sin probar bocado. La esposa de Tom King no había cenado tampoco. Se había sentado frente a él y lo observaba en silencio, con mirada solícita. Era una mujer de clase humilde, flaca y agotada por el trabajo, pero cuyas facciones conservaban restos de una antigua belleza. La vecina del piso de enfrente le había prestado la harina para las gachas. Los dos medio peniques que le quedaban los había invertido en pan.


■フランス語訳 Translation into French

Avec son dernier morceau de pain, Tom King essuya sur son assiette les moindres traces de sauce blanche et mâcha cette ultime bouchée lentement et d’un air préoccupé. Il se leva de table avec la sensation d’avoir encore faim. Pourtant lui seul avait mangé. Dans la chambre voisine on avait fait coucher de bonne heure les enfants, avec l’espoir que le sommeil leur ferait oublier l’absence de souper. Sa femme n’avait rien avalé non plus. Assise en silence, elle fixait sur lui des regards inquiets. C’était une pauvre créature de la classe ouvrière, maigre et usée, et cependant son visage conservait maintes traces de sa gentillesse de jadis. Elle avait dépensé ses derniers sous à acheter du pain, et emprunté à une voisine de quoi faire la sauce.

  • Une tranche de bifteck by Jack London
  • E-text at Wikisource

 Audio 2 
英語原文のオーディオブック(朗読) Audiobook in English

Uploaded to YouTube by Warren Smith on 10 Feb 2014.


■英語原文 The original text in English

With the last morsel of bread Tom King wiped his plate clean of the last particle of flour gravy and chewed the resulting mouthful in a slow and meditative way. When he arose from the table, he was oppressed by the feeling that he was distinctly hungry. Yet he alone had eaten. The two children in the other room had been sent early to bed in order that in sleep they might forget they had gone supperless. His wife had touched nothing, and had sat silently and watched him with solicitous eyes. She was a thin, worn woman of the working-class, though signs of an earlier prettiness were not wanting in her face. The flour for the gravy she had borrowed from the neighbor across the hall. The last two ha'pennies had gone to buy the bread.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2014-11-14 尾上政次=訳 1957-09-25 の訳文を挿入しました。
  • 2014-11-08 ブルガリア語訳を追加しました。
  • 2014-11-03 イタリア語訳、フランス語訳、およびもう1種類のスペイン語訳の訳文、ならびにスペイン語版と英語原文のオーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2011-02-05 中国語訳(簡体字)とロシア語訳を追加しました。

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Saturday, 20 June 2009

Economy (from Walden) by Henry David Thoreau ヘンリー・D・ソロー 「経済」「生計」「經濟」(『ウォールデン―森の生活』より)

        目次 Table of Contents

 Images  表紙画像 Cover photos
■はじめに Introduction
■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 柴田 2013
  (J2) 今泉 2004
  (J3) 酒本 2000
  (J4) 飯田 1995, 2001
  (J5) 佐渡谷 1991
  (J6) 神原 1983
  (J7) 真崎 1981, 1989, etc.
  (J8) 出水 1957, 1976
  (J9) 富田 1953, 1963
  (J10) 神吉 1951, 1979, etc.
  (J11) 宮西 1950
  (J12) 酒井 1948
  (J13) 今井(規) 1948
  (J14) 古舘 1930, 1933
  (J15) 和田 1927
  (J16) 今井(嘉) 1925, 1934
  (J17) 水島 1911, 1913, etc.
■トルコ語訳 Translation into Turkish
■ギリシャ語訳 Translation into Greek
■ロシア語訳 Translation into Russian
■チェコ語訳 Translation into Czech
■スウェーデン語訳 Translation into Swedish
■ドイツ語訳 Translation into German
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translations into Spanish
  (Es1)
  (Es2)
■フランス語訳 Translation into French
 Video  Walden: Videobook by CCProse
■英語原文 The original text in English
■ネット上の電子テキストや朗読録音など Online resources, etc.
■日本語訳の比較 Comparison of Japanese translations
■日本語訳のリスト - 出版年順 Japanese translations: From new to old
■日本語訳のリスト - 訳者別 Japanese translations: By translators
■解説書・研究書その他 Guides, Studies, etc. in Japanese
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
■その他の外部リンク Other external links
■更新履歴 Change log


 Image gallery 
表紙画像 Cover photos

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a. 2005_walden_masaki_yoshihiro b. 2004_walden_imaizumi_yoshiharu c. 2000_walden_sakamoto_masayuki

d. 1995_walden_iida_minoru e. 1991_walden_sadoya_shigenobu f. Walden_motto_shiritai

■はじめに Introduction

『ウォールデン』本文冒頭の第一パラグラフ。


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

當我寫後面那些篇頁,或者後面那一大堆文字的時候,我是在孤獨地生活著,在森林中,在馬薩諸塞州的康科德城,瓦爾登湖的湖岸上,在我親手建築的木屋裏,距離任何鄰居一英里,只靠著我雙手勞動,養活我自己。在那裏,我住了兩年又兩個月。目前,我又是文明生活中的過客了。

   經濟篇
   《瓦爾登湖(中英對照)》 學生必讀世界名著
   [美]亨利·戴維·梭羅 著 徐遲 譯
   中國國際廣播出版社 2008-01-01
   Excerpt at 精彩香港書城 (www.exvv.hk)


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 柴田 2013
以下の文章を、もしくはその大半を書いたとき、私は一人で森に住んでいた。どの隣人からも一マイル離れた、マサチューセッツ州コンコードのウォールデン池の畔(ほとり)に自分で建てた家に住んで、専(もっぱ)ら自分の手を使って働いて生計を立てていた。私はそこに二年二か月住んだ。現在は再び文明生活の一時滞在者である。

   ヘンリー・デイヴィッド・ソロー=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=部分訳
   「ウォールデン——森の生活」
   柴田元幸=編・訳 『書き出し「世界文学全集」』 河出書房新社 2013/08/30


(2) 今泉 2004
私がこの本を書いたのは――正確には多くの部分を書いたのは――いちばん近い人家から一マイルほど離れたマサチューセッツ州コンコードの森に入って、ひとりで暮らした時のことです。私はウォールデン池のほとりに家を建て、自分の手で得た糧(かて)で生きました。私はそこで二年と二か月を暮らしました。私は今ふたたび、文明化した社会をうごめいて生きる身になっています。

   「第1章 経済」
   ヘンリー・D・ソロー=著 今泉吉晴(いまいずみ・よしはる)=訳
   『ウォールデン―森の生活』 小学館 2004-05-01


(3) 酒本 2000
以下の文章を、と言うよりむしろその大部分を書いた頃、ぼくはマサチューセッツ州コンコードにあるウォールデン池のほとりの森の中で、どんな隣人からも一マイル離れて一人で暮らしていた。住居(すまい)はぼくが自分で作り、生計も人手はいっさい借りずに自分でたてた。そこで暮らしたのは二年と二ヵ月、そして今はとりあえず文明生活にもどっている。

   「生計」
   ヘンリー・D・ソロー=著 酒本雅之(さかもと・まさゆき)=訳
   『ウォールデン―森で生きる』 ちくま学芸文庫 2000-03


(4) 飯田 1995, 2001
以下の頁、というよりもその大部分を書いたとき、私はどの隣人からも一マイル離れた森のなかにひとりで暮らしていた。マサチューセッツ州コンコードにあるウォールデン湖のほとりに自分で建てた小屋を住処(すみか)とし、手を使った労働だけで生活の糧(かて)を得ていたのである。私は二年二ヵ月のあいだ、そこで暮らした。現在はふたたび文明社会の逗留者となっている。

   「経済」
   H・D・ソロー=著 飯田実(いいだ・みのる)=訳
  ★a.森の生活―ウォールデン(上)』 (全2冊)
     ワイド版岩波文庫 2001-01-16
   b.森の生活―ウォールデン(上)』 (全2冊) 岩波文庫 1995-09


(5) 佐渡谷 1991
私が本書の大部分のページを書いたのは、マサチューセッツ州のコンコードにあるウォールデン池畔に自分で建てた家においてである。そこは近隣から一マイル離れた森の中にあり、私一人が住んでいた。しかも私は自分の手仕事だけで生計を立てていたのだ。そこに二年二ヵ月暮した。現在は再び文明生活の住人に戻っている。

   「経済」
   ヘンリー・D・ソロー=著 佐渡谷重信(さどや・しげのぶ)=訳
   『森の生活―ウォールデン』 講談社学術文庫 1991-03-10


(6) 神原 1983
以下のページ、と言うよりもその大部分を書いた当時、私はマサチューセッツ州はコンコードの森の中にいて、最も近い隣人から一マイルも離れたウォールデン池(ポンド)のほとりに自分で建てた家に住み、自分の手による労働だけで暮らしを立てていた。私はそこで二年二ヶ月生活した。現在はふたたび文明生活にもどっている。

   「経済」
   H・D・ソーロウ=著 神原栄一(かんばら・えいいち)=訳
   『森の生活』 荒竹出版 1983-06-20


(7) 真崎 1981, 1989, etc.
これからの話の大半は、マサチューセッツ州コンコードの森にあるウォールデン湖のほとりで、ぼくが自分で作った家に住んでいたときに書いたものだ。そこは、いちばん近くの家でさえ一マイルも離れているという人里離れた所で、生活に必要なものはすべてぼくの肉体労働だけで手に入れていた。そして、そこには二年と二か月の間暮していた。いまは、また文明社会の世話になっている。

   第1章 衣食住の基本問題
   「生活をみつめなおす目」
   ヘンリー・D・ソロー=著 真崎義博(まさき・よしひろ)=訳
  ★a.森の生活』 本山賢司 イラスト 宝島社 2005-12-15(新装版)
     版元による紹介ページ
   b.森の生活―ウォールデン』 宝島社文庫 2002-11(新装版)
   c.森の生活―ウォールデン』 宝島社文庫 1998-11
   d.森の生活―ウォールデン 愛蔵版』 本山賢司 絵
     JICC出版局 1989-03-10
   e.新訳・森の生活―ウォールデン』 本山賢司 絵
     JICC出版局 1981-02-01


(8) 出水 1957, 1976
[訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]

   「章題未確認」
   ソロー=著 出水春三(でみず・はるぞう)=訳注
  ☆a. 対訳 森の生活』 南雲堂 英和対訳・学生文庫44 1976-12
   b.森の生活―ウォールデン』 南雲堂 Phoenix library 1957


(9) 富田 1953, 1963
私が本書を、と言ってもその大部分を書いた頃には、私は、マサチューセッツ州コンコードのウォールデン池畔の一哩(マイル)も行かねば一人の隣人もいない森の中で、自分自身で建てた家に一人で住み、自分の手の働きだけを頼りに生計を立てていた。私はそこに二年と二ヵ月の間住んでいた。現在では、また文明生活の寄寓者となっている。

   「経済」
   ソーロー=著 富田彬(とみた・あきら)=訳
  ★a. 「森の生活(抄)」『世界人生論全集6』 筑摩書房 1963-07-15
   b.森の生活―ウォールデン』 角川文庫 1953-06-30


(10) 神吉 1951, 1979, etc.
以下のページの大部分を書いたのは、わたしがマサチュセッツ州のコンコードの森のなかで、いちばん近い隣人が一哩もはなれているウォールデンの池のほとりに自分で建てた家に住み、自分の手による勞働だけにたよって生活の料(しろ)をえていた時のことであった。わたしはそこで二年と二ヶ月くらした。現在はふたたび文明社會にもどっている。

   「經濟」
   ヘンリー・D・ソロー=著 神吉三郎 (かんき・さぶろう)=訳
   a.森の生活―ウォールデン』 ワイド版岩波文庫 1991-12-05
   b.森の生活―ウォールデン』 岩波文庫 1979-05-16(改版)
  ★c. 『森の生活―ウォールデン(上)』 岩波文庫 1951-05-25


(11) 宮西 1950
森のなかに獨り棲んでいた頃、私はこの文章の殆ど大部分を書いた。マサチューセッツ州コンコードのウォールデン湖畔、いずれの人家からも一哩離れた森の中に、私は自分自身で建てた家に棲み、自分の腕で働くだけで生活の資を得ていた。其處で私は二年と二ヵ月のあいだ暮した。現在はまた文明生活の寄寓者にかえつている。

   「經濟」
   ソロー=著 宮西豐逸(みやにし・ほういつ)=譯
   『森の生活』 世界思想選書15 三笠書房 1950-07-31


(12) 酒井 1948
[この章は訳出されていません - tomoki y.]

   ソロー=著 酒井賢(さかい・けん)=訳
   『ウォルデン池畔にて』 養德社 1948-10-30
   抄訳。書名は表紙に拠る。奥付の表記は「ウォールデン池畔にて」。


(13) 今井(規) 1948
私が、本書をと云ふよりは寧ろ本書の大部分を書いた頃は、マサチューセッツ州コンコードのウォルデン池畔、一哩四方の間には、一軒の隣家も無い森の中で、自分で建てた家の中に、只一人で住んでゐた。そして自分の手の勞働のみに依つて生計を立てゝゐた。私は其處で二年と二ヶ月間暮したのであつた。今では、私は又再び、文明社會の寄寓者の一人である。

   「經濟」
   ソロオ=著 今井規清(いまい・のりきよ)=訳
   『森の生活』 大泉書店 1948-10-10


(14) 古舘 1930, 1933
私が次ぎの記録を、と云つても全部ではなくその大部分を書いた頃は、マサチューセット州コンコードのウォルデン池畔で、一哩の間一軒の人家もない森の中に、しかも私自身の建てた家に、私はたゞ一人住んでゐた。そして、自分の手の勞働だけで生計を立てゝゐた。私は其處で二年二ヶ月間暮した。現在では、私は又、文明生活の寄寓者である。

   「經濟」
   ヘンリー・ダヴィッド・ソロー=著
   古舘淸太郎(ふるだち・せいたろう)=譯
   a.森の生活』 春秋社 春秋文庫 1933(昭和8)
  ★b. 「ウオルデン」『世界大思想全集32』 春秋社 1930-06-10(昭和5)


(15) 和田 1927
[この章は訳出されていません - tomoki y.]

   ヘンリイ・デヴィッド・ソロオ=著 和田傳(わだ・つとう)=譯述
   「森の生活」
   『名作選集世界田園文學』 文敎書院 1927-10-05(昭和2) 抄訳


(16) 今井(嘉) 1925, 1934
私が本書を、と云ふよりは寧ろ本書の大部分を書いた頃は、マサチューセッツ州コンコードのウォルデン池畔、一哩四方の間には、一軒の隣家も無い森の中で、自分で建てた家の中に、只一人で住んでゐた。そして自分の手の勞働のみに依つて生計を立てゝゐた。私は其處で二年と二ヶ月暮したのであつた。今では、私は又再び、文明社會の寄寓者の一人である。

   「經濟」
   ソロオ=著 今井嘉雄(いまい・よしお)=譯
  ★a.森の生活』 新潮文庫 1934-03-20(昭和9)
   b.森の生活』 新潮社 1925(大正14)
   引用は a. に拠りました。引用箇所について見るかぎり、今井嘉雄譯は、
   上の今井規清訳と同文である。規清氏と嘉雄氏は同一人物だろうか?
   それとも、規清氏は嘉雄氏の親族その他の著作権継承者だろうか?


(17) 水島 1911, 1913, etc.
余は以下のページ或は寧ろその大體を書いたころ、マサチユーセツツ州、コンコードの、ワルデン池畔に、自ら家を造り、たゞ我雙手を役して生計を立てつゝ、四方一哩の間には一軒の隣家もない森林中に、孤獨の生活を送つてゐた。其間二年と二ヶ月。而して今や余は再び文明社會の寄寓者である。

   「經濟」
   トロー=原著 水島耕一郎(みずしま・こういちろう)=譯
   a.哲人の森林生活』 南天堂出版部 1933(昭和8)
  ★b.森林生活―生の價値』 中央出版社 1925-06-17 (大正14)
   c.森林生活』 中央出版社 1921-07-17 (大正10)
   d.森林生活』 成光館書店 1911(明治44)
   e.森林生活』 文成社 1911(明治44)


■トルコ語訳 Translation into Turkish

Ben bu sayfaları yazdığım zaman Walden Gölü'nün kıyılarındaki bir korulukta kendi elimle inşa ettiğim bir kulübede, en yakın komşumdan bir buçuk kilometre uzakta, yalnız başıma, yaşamımı kendi emeğimin gücüyle sağlayarak yaşıyordum. Orada iki yıl yaşadım, şimdi uygarlığa tekrar dönmüş durumdayım.

   Walden by Henry David Thoreau
   Excerpt at zamanın geçtiği hayaller


■ギリシャ語訳 Translation into Greek

Όταν έγραψα τις παρακάτω σελίδες, ή μάλλον το μεγαλύτερο μέρος τους, ζούσα μόνος στο δάσος, σε απόσταση ενός μιλίου από τον πλησιέστερο γείτονά μου, σ’ ένα σπίτι που είχα χτίσει ολομόναχος στις όχθες της λίμνης Ουόλντεν, κοντά στο Κόνκορντ της Μασαχουσέτης, και ως μοναδικό μέσο βιοπορισμού είχα τα χέρια μου. Έζησα εκεί δύο χρόνια και δύο μήνες. Τώρα βρίσκομαι γι’ άλλη μια φορά να παρεπιδημώ στον πολιτισμό.

   ΧΕΝΡΙ ΝΤΕΪΒΙΝΤ ΘΟΡΩ - Walden Ή Η ΖΩΗ ΣΤΟ ΔΑΣΟΣ
   Translated by ΑΘΑΝΑΣΙΑΔΗΣ ΒΑΣΙΛΗΣ
   ΚΕΔΡΟΣ, 2007
   Excerpt at:
   * Βιβλιοπωλείο Πολιτεία
   * Εκδόσεις ΚΕΔΡΟΣ


■ロシア語訳 Translation into Russian

Когда я писал эти страницы - вернее, большую их часть, - я жил один в лесу, на расстоянии мили от ближайшего жилья, в доме, который сам построил на берегу Уолденского пруда в Конкорде, в штате Массачусетс, и добывал пропитание исключительно трудом своих рук. Так я прожил два года и два месяца. Сейчас я снова временный житель цивилизованного мира.

   Хозяйство
   Генри Дэвид Торо. Уолден, или Жизнь в лесу
   Пер. - З.Александрова. М., "Наука", 1979.
   E-text at Lib.Ru


■チェコ語訳 Translation into Czech

Když jsem psal tyto stránky, či spíše jejich podstatnou část, žil jsem sám v lesích na míli daleko od nejbližšího souseda, v domě, který jsem si sám postavil na břehu rybníka Walden poblíž městečka Concord ve státě Massachusetts a živil se výhradně prací svých rukou. Žil jsem tam dva roky a dva měsíce. Nyní se opět zdržuji v civilizovaném světě.

   Jak hospodařit
   Walden aneb Život v lesích by Henry David Thoreau
   Translated by Josef Schwarz
   Praha a Litomyšl 2006
   Excerpt at iLiteratura.cz


■スウェーデン語訳 Translation into Swedish

När jag skrev denna bok, eller i alla fall det mesta av den, levde jag ensam, i skogarna, en mil från närmaste granne, i ett hus jag själv byggt vid stranden av en skogstjärn, benämnd Walden Pond, i Concord, Massachusetts; jag förskaffade mig under denna tid mina existensmöjligheter uteslutande genom mina händers arbete. [Omission]

   Skogsliv vid Walden by Henry David Thoreau
   Excerpt at Sydsvenskan


■ドイツ語訳 Translation into German

Als ich die folgenden Seiten, oder vielmehr den größten Teil derselben schrieb, lebte ich allein im Walde, eine Meile weit von jedem Nachbarn entfernt in einem Hause, das ich selbst am Ufer des Waldenteiches in Concord, Massachusetts, erbaut hatte und erwarb meinen Lebensunterhalt einzig durch meiner Hände Arbeit. Ich lebte dort zwei Jahre und zwei Monate. Jetzt nehme ich wieder am zivilisierten Leben teil.

   Kapitel 3. Sparsamkeit
   Walden oder Leben in den Wäldern by Henry Thoreau
   Translated from English by Wilhelm Nobbe
   E-text at Projekt Gutenberg-DE - SPIEGEL ONLINE


■イタリア語訳 Translation into Italian

Quando scrissi le pagine che seguono - o meglio la maggior parte di esse - vivevo da solo, nei boschi, a un miglio di distanza dal più prossimo vicino, in una casa che m'ero costruito da me sulle rive del lago di Walden, a Concord, Massachusetts, e mi guadagnavo da vivere con il solo lavoro delle mie mani. Vissi colà per due anni e due [Omission]

   Economia
   Walden ovvero la vita nei boschi e il saggio La disobbedienza civile
   by Henry David Thoreau
   Translated by Piero Sanavio. Milano : Mondadori, 1970
   Excerpt at TecaLibri


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

Quando escrevi as páginas que se seguem, ou melhor, a maioriadelas, vivia sozinho, a mais de quilômetro e meio de qualquer vizinho, numa casa que eu mesmo construíra à margem do lago Walden, em Concord, Massachusetts, e ganhava a vida apenas com o trabalho de minhas mãos. Aí vivi dois anos e dois meses. Atualmente estou de volta à civilização.

   Economia
   Walden; ou, A Vida nos Bosques by Hery David Thoreau
   E-text at Scribd


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1)
Cuando escribí las páginas que siguen, o más bien la mayoría de ellas, vivía solo en los bosques, a una milla de distancia de cualquier vecino, en una casa que yo mismo había construido, a orillas de la laguna de Walden en Concord (Massachusetts), y me ganaba la vida únicamente con el trabajo de mis manos. En ella viví dos años y dos meses. Ahora soy de nuevo un morador en la vida civilizada.

   Walden, La Vida en los Bosques by Henry David Thoreau
   E-text at Oshogulaab
   Quoted at Masdearte.com


(Es2)
Cuando escribí las páginas que siguen, o más bien la mayoría de ellas, vivía solo en los bosques, a una milla del vecino más próximo, en una cabaña que construí yo mismo junto a la orilla de la laguna de Walden, en Concord, Massachusetts, al tiempo que me ganaba el sustento con la labor de mis manos. Allí viví dos años y dos meses. Héme aquí de nuevo en la civilización.

   Walden. La vida en los bosques (1854) by H. D. Thoreau
   Excerpt at estratègies per desaparèixer


■フランス語訳 Translation into French

Quand j'ai écrit les pages suivantes, ou plutôt la plupart d'entre elles, je vivais seul, dans les bois, à un mille de tout voisin, dans une maison que j'avais construite moi-même, sur les rives de l'étang de Walden, à Concord, Massachusetts, et je gagnais ma vie uniquement par le travail de mes mains. J'ai vécu là deux ans et deux mois. À présent, je suis à nouveau en séjour dans la vie civilisée.

   Chapitre I - Économie
   Walden ou la vie dans les bois by Henry David Thoreau
   Translated by Louis Fabulet in 1922
   E-text at Wikisource


 Video 
Walden: Videobook by CCProse

Classic Literature VideoBook with synchronized text, interactive transcript, and closed captions in multiple languages. Audio courtesy of Librivox. Read by Gord Mackenzie.


■英語原文 The original text in English

When I wrote the following pages, or rather the bulk of them, I lived alone, in the woods, a mile from any neighbor, in a house which I had built myself, on the shore of Walden Pond, in Concord, Massachusetts, and earned my living by the labor of my hands only. I lived there two years and two months. At present I am a sojourner in civilized life again.

   Chapter 1. Economy
   Walden (1854) by Henry David Thoreau


■ネット上の電子テキストや朗読録音など Online resources, etc.

   * E-text at:
     The Thoreau Reader (an annotated edition)
     PublicLiterature.Org
     Project Gutenberg
     eBooks@Adelaide
     Wikisource
   * Excerpts at Wikiquote
   * Audio CD/mp3 CD at Amazon.com
   * Free audiobook at Librivox


■日本語訳の比較 Comparison of Japanese translations

(a) . . .earned my living by the labor of my hands only

たゞ我雙手を役して生計を立てつゝ……………………水島 1911, 1913, etc.
自分の手で得た糧で生きました。
…………………………今泉 2004
自分の手による労働だけで暮らしを立てていた。…………神原 1983
自分の手による勞働だけにたよって生活の料をえていた…神吉 1951, 1979, etc.
自分の手の働きだけを頼りに生計を立てていた。…………富田 1953, 1963  
自分の手の勞働だけで生計を立てゝゐた。
………………古舘 1930, 1933
自分の手の勞働のみに依つて生計を立てゝゐた。
………今井(嘉) 1925, 1934
自分の手の勞働のみに依つて生計を立てゝゐた。
………今井(規) 1948
自分の手仕事だけで生計を立てていたのだ。………………佐渡谷 1991
自分の腕で働くだけで生活の資を得ていた。 ……………宮西 1950
手を使った労働だけで生活の糧を得ていたのである。……飯田 1995, 2001
生活に必要なものはすべてぼくの肉体労働だけで手に入れていた。真崎 1981, 1989, etc.
生計も人手はいっさい借りずに自分でたてた。……………酒本 2000
専ら自分の手を使って働いて生計を立てていた。…………柴田 2013
 [訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]……出水 1957, 1976

(b) a sojourner in civilized life again

とりあえず文明生活にもどっている。……………………酒本 2000
ふたたび、文明化した社会をうごめいて生きる身になっています。
今泉 2004
ふたたび文明生活にもどっている。
………………………神原 1983
ふたたび文明社会の逗留者となっている。
………………飯田 1995, 2001
ふたたび文明社會にもどっている。
……………………神吉 1951, 1979, etc.
また文明社会の世話になっている。
……………………真崎 1981, 1989, etc.
また文明生活の寄寓者となっている。
……………………富田 1953, 1963
また文明生活の寄寓者にかえつている。
…………………宮西 1950
再び文明生活の一時滞在者である。
………………………柴田 2013
再び文明社會の寄寓者である。
………………………水島 1911, 1913, etc.
再び文明生活の住人に戻っている。
………………………佐渡谷 1991
又、文明生活の寄寓者である。
……………………………古舘 1930, 1933
又再び、文明社會の寄寓者の一人である。
………………今井(嘉) 1925, 1934
又再び、文明社會の寄寓者の一人である。
………………今井(規) 1948
 [訳文は追って挿入するつもりです - tomoki y.]……出水 1957, 1976


■Walden 日本語訳 - 出版年順の、まあまあ詳しいリスト
 Japanese translations of Walden:
 A somewhat detailed list in chronological order

1909年から2004年の約100年間に出版された『ウォールデン』の邦訳の詳しいリストは、日本ソロー学会編 『新たな夜明け―「ウォールデン」出版150年記念論集』(金星堂 2004年5月)の、長島良久編「ヘンリー・D・ソロー著作邦訳書誌(1909-2004)」という稿に載っているそうだ。まだ実物は見ていない。ちかいうちに図書館で借りてみるつもり。

下の複数のリストは、わた

くしが自分用に拵えたもの。不完全な間に合わせに過ぎない。ただ、ネットでいつでも閲覧できるし、在庫がある本はリンク先のオンライン書店ですぐ購入できるから、すこしは便利かもしれない。「ヘンリー・デイヴィッド・ソロー - Midori's Room」というページを大いに参照させていただきました。緑さん、ありがとうございます。

   ★=上に訳文の抜粋を掲載したもの。☆=追って掲載する予定のもの。

★ 1.    真崎    『森の生活』真崎義博 訳 本山賢司 イラスト
          宝島社 2005年12月(新装版)
★ 2.    今泉    『ウォールデン―森の生活』今泉吉晴 訳 小学館 2004年5月
    3.    真崎    『森の生活―ウォールデン』真崎義博 訳
          宝島社文庫 2002年11月(新装版)
★ 4.    飯田    『森の生活―ウォールデン(上)』飯田実 訳 岩波書店
          ワイド版岩波文庫 2001年1月
★ 5.    酒本    『ウォールデン―森で生きる』酒本雅之 訳 筑摩書房
          ちくま学芸文庫 2000年3月
    6.    真崎    『森の生活―ウォールデン』真崎義博 訳
          宝島社文庫 1998年11月
    7.    飯田    『森の生活―ウォールデン(上)』飯田実 訳 岩波書店
          岩波文庫 1995年9月
※ 8.    金関    『森の生活』スティーブ・ロウ 編 金関寿夫 訳
          ロバート・サブダ 画 佑学社 1993年9月
    9.    神吉    『森の生活―ウォールデン』神吉三郎 訳 岩波書店
          ワイド版岩波文庫 1991年12月
★10.    佐渡谷    『森の生活―ウォールデン』佐渡谷重信 訳 講談社学術文庫
          1991年3月
  11.    真崎    『森の生活―ウォールデン 愛蔵版』真崎義博 訳 本山賢司 絵
          JICC出版局 1989年3月
★12.    神原    『森の生活』神原栄一 訳 荒竹出版 1983年6月
  13.    真崎    『新訳・森の生活―ウォールデン』真崎義博 訳 本山賢司 絵
          JICC出版局 1981年2月
  14.    真崎    『森の生活―新訳 ウォールデン』真崎義博 訳 本山賢司 絵
          宝島社 1981年1月
  15.    神吉    『森の生活―ウォールデン』神吉三郎 訳 岩波書店 岩波文庫
          1979年5月16日(改版)
☆16.    出水    『対訳 森の生活』出水春三 訳注 南雲堂
          英和対訳・学生文庫44 1976年12月
★17.    富田    「森の生活(抄)」『世界人生論全集6』筑摩書房 1963年7月
  18.    出水    『森の生活―ウォールデン』出水春三 訳註 南雲堂
          Phoenix library 1957年
  19.    富田    『森の生活―ウォールデン』富田彬 訳 角川書店
          角川文庫 1953年
★20.    神吉    『森の生活―ウォールデン(上)』神吉三郎 訳 岩波書店
          岩波文庫 1951年5月
★21.    宮西    『森の生活』宮西豊逸 訳 三笠書房 世界思想選書 1950年
★22.    酒井    『ウォルデン池畔にて』酒井賢 訳 養徳社 1948年
★23.    今井(規)    『森の生活』今井規清 訳 大泉書店 1948年10月
★24.    今井(嘉)    『森の生活』今井嘉雄 訳 新潮社 新潮文庫
          1934(昭和9)年3月
  25.    古館    『森の生活』古館清太郎 訳 春秋社
          春秋文庫 1933(昭和8)年
  26.    水島    『哲人の森林生活』水島耕一郎 訳 南天堂出版部
          1933(昭和8)年
★27.    古館    「ウオルデン」3編『世界大思想全集第32巻』古館清太郎 訳
          春秋社 1930(昭和5)年6月
★28.    和田    「森の生活」『名作選集世界田園文学』和田伝 訳述 文教書院
          1927(昭和2)年10月
  29.    今井(嘉)    『森の生活』今井嘉雄 訳 新潮社 1925(大正14)年
★30.    水島    『森林生活―生の価値』水島耕一郎 訳 中央出版社
          1925(大正14)年6月
  31.    水島    『森林生活』水島耕一郎 訳 中央出版社
          1921(大正10)年7月
  32.    水島    『森林生活』水島耕一郎 訳 成光館書店
          1911(明治44)年7月
  33.    水島    『森林生活』水島耕一郎 訳 文成社 1911(明治44)年

※ 8. 金関 1993年9月は児童向けの抄訳絵本だが、いわゆるリライトとか再話ではない。テキストは編者スティーブ・ロウが抜粋したソロー自身の原文で構成されている。


■Walden 日本語訳 - 訳者別リスト
 Japanese translations of Walden - A list by translators

今泉吉晴 2004
   ★『ウォールデン―森の生活』 小学館 2004-05
酒本雅之 2000
   ★『ウォールデン―森で生きる』 ちくま学芸文庫 2000-03
飯田実 1995, 2001
   ★『森の生活―ウォールデン(上)』 ワイド版岩波文庫 2001-01
     『森の生活―ウォールデン(上)』 岩波文庫 1995-09
金関寿夫 1993
     『森の生活』スティーブ・ロウ 編 ロバート・サブダ 画
     佑学社 1993-09
佐渡谷重信 1991
   ★『森の生活―ウォールデン』 講談社学術文庫 1991-03
神原栄一 1983
   ★『森の生活』 荒竹出版 1983-06
真崎義博 1981, 1989, etc.
   ★『森の生活』 本山賢司 イラスト 宝島社 2005-12(新装版)
     『森の生活―ウォールデン』 2002-11(新装版)
     『森の生活―ウォールデン』 宝島社文庫 1998-11
     『森の生活―ウォールデン 愛蔵版』 本山賢司 絵
     JICC出版局 1989-03
     『新訳・森の生活―ウォールデン』 本山賢司 絵
     JICC出版局 1981-02
出水春三 1957, 1976
   ☆『対訳 森の生活』 南雲堂 英和対訳・学生文庫44 1976-12
     『森の生活―ウォールデン』 南雲堂 Phoenix library 1957
富田彬 1953, 1963
   ★「森の生活(抄)」『世界人生論全集6』 筑摩書房 1963
     『森の生活―ウォールデン』 角川文庫 1953
神吉三郎 1951, 1979, etc.
     『森の生活―ウォールデン』 ワイド版岩波文庫 1991-12
     『森の生活―ウォールデン』 岩波文庫 1979-05-16(改版)
   ★『森の生活―ウォールデン(上)』 岩波文庫 1951-05-25
宮西豊逸 1950
   ★『森の生活』 三笠書房 世界思想選書 1950
酒井賢 1948
   ★『ウォルデン池畔にて』 養徳社 1948
今井規清 1948
   ★『森の生活』 大泉書店 1948-10
古館清太郎 1930, 1933
     『森の生活』 春秋社 春秋文庫 1933(昭和8)
   ★「ウオルデン」3編『世界大思想全集第32巻』 春秋社
     1930-06(昭和5)
和田伝 1927
   ★「森の生活」『名作選集世界田園文学』 文教書院 1927-10(昭和2)
今井嘉雄 1925, 1934
   ★『森の生活』 新潮文庫 1934-03(昭和9)
     『森の生活』 新潮社 1925(大正14)
水島耕一郎 1911, 1913, etc.
     『哲人の森林生活』 南天堂出版部 1933(昭和8)
   ★『森林生活―生の價値』 中央出版社 1925-06(大正14)
     『森林生活』 中央出版社 1921-07(大正10)
     『森林生活』 成光館書店 1911(明治44)
     『森林生活』 文成社 1911(明治44)


■解説書・研究書その他 Guides, Studies, etc. in Japanese


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

   『ウォールデン―森で生きる』 ……酒本 2000
   『ウォールデン―森の生活』………今泉 2004
   『ウォルデン池畔にて』……………酒井 1948
   『ウオルデン』  ……………………古館 1930(昭和5)
   『森の生活―ウォールデン』………飯田 2001
   『森の生活―ウォールデン』………真崎 1998
   『森の生活―ウォールデン』………飯田 1995
   『森の生活―ウォールデン』………佐渡谷 1991
   『森の生活―ウォールデン』………神吉 1991
   『森の生活―ウォールデン』………真崎 1989
   『森の生活―ウォールデン』………真崎 1981
   『森の生活―ウォールデン』………神吉 1979
   『森の生活―ウォールデン』………富田 1963
   『森の生活―ウォールデン』………富田 1953
   『森の生活―ウォールデン』………神吉 1951
   『森の生活』 ………………………真崎 2005
   『森の生活』 ………………………金関 1993
   『森の生活』 ………………………神原 1983
   『森の生活』 ………………………宮西 1950
   『森の生活』 ………………………今井(規) 1948
   『森の生活』 ………………………今井(嘉) 1934(昭和9)
   『森の生活』 ………………………古館 1933(昭和8)
   『森の生活』 ………………………和田 1927(昭和2)
   『森の生活』 ………………………今井(嘉) 1925(大正14)
   『森林生活―生の價値』 …………水島 1925(大正14)
   『森林生活』 ………………………水島 1921(大正10)
   『森林生活』 ………………………水島 1913(大正2)
   『森林生活』 ………………………水島 1911(明治44)
   『哲人の森林生活』 ………………水島 1933(昭和8)

おおざっぱに言って日本語訳題は次のように変遷している。
『森林生活』→『森の生活』→『森の生活―ウォールデン』→『ウォールデン』


■その他の外部リンク Other external links


■更新履歴 Change log

  • 2014-11-03 ギリシャ語訳を追加しました。
  • 2013-11-12 トルコ語訳を追加しました。
  • 2013-10-20 柴田元幸=部分訳 2013/08/30 を追加しました。
  • 2011-12-09 ロシア語訳、チェコ語訳、スウェーデン語訳、ドイツ語訳、イタリア語訳、ポルトガル語訳、および2種類のスペイン語訳を追加しました。
  • 2011-11-25 CCProse によるビデオブックの YouTube 動画を追加しました。
  • 2010-07-06 神原栄一=訳 1983-06-20 の訳文を挿入し、中國語譯(繁體字)とフランス語訳を追加しました。
  • 2009-07-08 佐渡谷重信=訳 1991-03-10 を追加しました。

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