Twain, Mark

Sunday, 08 July 2007

Tom Quartz by Mark Twain マーク・トウェイン「トム・クォーツという猫」

Twaro440 Twaro441 Twaro442
 
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Left: Tom Quartz.
Centre: An advantage taken.
Right: After an excursion.
All the three images taken from Roughing It, Electronic Text Center, University of Virginia Library
 
 
■日本語訳 Translations into Japanese

西部開拓時代、カリフォルニアの金鉱。ディック・ベイカーという男が、むかし飼っていた猫、トム・クォーツについての思い出を語る——

(1) 木内 1998
(……)導火線に火をつけてから穴から這い出て五十ヤードくらい離れたんだ——ところがよ、トム・クウォーツが袋にうずくまって寝てるのをうっかり忘れてそのままにしてきちまった。そんとき穴から煙がボンって吹きでたんだ。すげえ爆発で、なんでもかんでもすっとんだ。だいたい四百万トン分の岩と泥と煙とごみが空中高く一マイル半ぶっとんだ。おったまげたのはよ、そのごみのまん真んなかによ、あのトム・クウォーツがくるくるまわりながら上がってくんだ。鼻息荒くしてくしゃみしたりもがいたり、なんだか夢中になってなにかにしがみつこうとしてたな。(……)

   マーク・トウェイン=著 木内徹(きうち・とおる)=訳
   「第61章 トム・クウォーツという猫」
   『西部放浪記(下)』マーク・トウェイン コレクション11-B
   彩流社 1998/11 所収
 
 
(2) 青木 1995
(……)おれたちは、導火線に火をつけて穴からはい出し、五十ヤードほども離れたところに陣取った。麻袋の上でぐっすり眠っていたトム・クォーツのことはすっかり忘れちまったんだ。一分ほどたつと、穴からぱっと煙が吹き上がるのが見えて、それから、ものすごい音がして何もかもが吹っ飛び、四百万トンほどの岩やら土や煙やら木の破片やらが、一マイル半ほども空に吹き上げられた。しまった、そのど真ん中で、トム・クォーツがくるくる回って飛んでいたんだ。鼻からフウフウ息をして、くしゃみをしながら、そばにあるものをつかもうと気が狂ったように手足をのばしながらな。(……)
 
   マーク・トウェイン=著 青木榮一(あおき・えいいち)=訳
   「ディック・ベイカーの猫」
   クリーヴランド・エイモリー=編 ロビン・アップワード〔ほか〕=写真
   『お気に入りの猫物語—世界の猫文学10選
   ディーエイチシー (DHC) 1995/12 所収
 
   原書:
   Cat Tales: Classic Stories from Favorite Writers,
   edited by Cleveland Amory, photographed by Robin Upward et al.
   * Paperback: Studio (1993)
   * Hardcover: Viking Press (1989)
 
 
(3) 勝浦 1993
(……)導火線に火をつけて這い出し、五十ヤードばかり離れた所まできて——そこでやっと気がついた。つまり、南京袋にくるまってぐっすり寝こんでるトム・クォーツを置いてきぼりにしちまったのよ。およそ一分ばかりして、パッと一条の煙が穴から上った次の瞬間、おっそろしい大音響と一緒に何もかも吹っ飛んじゃった。見れば四百万トンもあろうかという大岩と、それに土塊やら、もうもうたる煙に岩の細片が一マイル半ほども空中に吹き上がった。ああ、なんてことよ、そのどまん中に、俺が大事にしているトム・クォーツがクルリクルリ宙返りをしながら飛んでるんだ。ニャンニャン、ギャーギャー鳴いたり叫んだり、無我夢中で何かにつかまろうってんで手足を伸ばしてた。(……)
 
   マーク・トウェイン=著 勝浦吉雄(かつうら・よしお)=訳
   「19 トム・クォーツ」
   『マーク・トウェイン短編全集(上)』(全3巻)
   文化書房博文社 1993/11 所収
 
 
(4) 須山 1980
(……)おれたちは導火線に火をつけて、穴から出て、五十メートルばかりはなれた。トム・クォーツがナンキン袋の上でぐっすり眠っていたことはすっかり忘れて、そのままにしてきてしまった。一分ほどすると、煙が穴から噴きあがるのが見えて、それから轟音とともにいっさいが吹っ飛んだ。四百万トンばかりの岩と、土と、破片が二、三千メートルも空中に吹きあがった。そして、なんと、そのどまんなかにトム・クォーツのやつが引っくりかえしになって、鼻を鳴らし、くしゃみをし、まったく悪魔に取りつかれたように手あたり次第に何かをつかまえようとしていた。(……)
 
   マーク・トウェイン=著 マックスウェル・ガイスマー=編
   須山静夫(すやま・しずお)=訳 ジャン-クロード・スワレス=絵
   「トム・クォーツ」
   『マーク・トウェイン動物園』晶文社 1980/05 所収

   原書:
   The Higher Animals: A Mark Twain Bestiary
   edited by Maxwell Geismar, with drawings by Jean-Claude Suares
   Hardcover: Crowell (1976)
 
 
(5) 鍋島 1959
(……)俺たちは道火(みちび)に火をつけて、這い出して五十ヤードぐらい離れたところが、トム・クォーツは麻袋の上にぐっすり寝込んだままに置いてきてしまったんだ。五分ばかりで、煙がもくもく穴から立ち上るのが見えると何もかも恐ろしくドカンとやられ、四百万トンばかりの岩と土や煙や破片が一マイル半ぐらい空中に吹き上げられたが、本当にそのど真んなかに、年とったトム・クォーツがいて、死にそうにになって、鼻を鳴らしたり、くしゃみをしたりして、一生懸命に何かに爪を立ててとどこうとしていた。(……)
 
   マーク・トウェーン=著 鍋島能弘(なべしま・よしひろ)=訳
   「トム・クォーツ」
   『マーク・トウェーン短篇全集1
   鏡浦(かがみうら)書房 1959/05 所収
 
 
■蛇足
じつは、このあとのトムくんの顔つきと態度がよいのです - tomoki y.
 
 
■英語原文 The original text in English

(...) An' then we lit the fuse 'n' clumb out 'n' got off 'bout fifty yards -- 'n' forgot 'n' left Tom Quartz sound asleep on the gunny sack. In 'bout a minute we seen a puff of smoke bust up out of the hole, 'n' then everything let go with an awful crash, 'n' about four million ton of rocks 'n' dirt 'n' smoke 'n; splinters shot up 'bout a mile an' a half into the air, an' by George, right in the dead centre of it was old Tom Quartz a goin' end over end, an' a snortin' an' a sneez'n', an' a clawin' an' a reachin' for things like all possessed. (...)

   Tom Quartz
   from Roughing It, Chapter 61
   by Mark Twain

   E-text at:
   * Electronic Text Center, University of Virginia Library
   * World Wide School
   * Project Gutenberg
   * Whitewolf
 
 
■更新履歴 Change log

2007/07/10
勝浦吉雄=訳 1993/11、および鍋島能弘=訳 1959/05 を追加しました。

2007/07/09
「蛇足」を書き加えました(苦笑)
 
 
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■洋書 Books in non-Japanese languages

■和書 Books in Japanese
(1) 猫文学

(2) マーク・トウェイン『西部放浪記』

(3)『マーク・トウェイン動物園』

 
 

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Monday, 09 April 2007

The Adventures of Huckleberry Finn by Mark Twain (2) マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒険』 (2)

« 1 The Adventures of Huckleberry Finn »
« 1 ハックルベリー・フィンの冒険 »

1からつづく]

        目次 Table of Contents

 Images  表紙画像 Cover photos
■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 柴田 2017
  (J2) 土屋 2014
  (J3) 訳者未確認 2005
  (J4) 加島 2001
  (J5) 大久保 1999, 2004
  (J6) 勝浦 1998
  (J7) 大塚 1997
  (J8) 斉藤 1996
  (J9) 山本 1996
  (J10) 渡辺 1980, 1991
  (J11) 大岩 1979
  (J12) 加島 1979
  (J13) 西田 1977
  (J14) 久保田 1976
  (J15) 野崎 1971, 1976
  (J16) 西村 1970
  (J17) 刈田 1969
  (J18) 小島 1966, 1993
  (J19) 斎藤 1962
  (J20) 石川 1958, 1966, etc.
  (J21) 村岡 1959
[ここまでは1

[2はここから]
  (J22) 吉田 1956, 1976, etc.
  (J23) 佐々木 1951
  (J24) 中村 1941, 1950
  (J25) その他
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
■ドイツ語訳 Translation into German
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳(部分) Translation into French (fragmental)
 Audio 1  朗読: ジョン・グリーンマン Audiobook read by John Greenman
 Audio 2  朗読: アニー・コールマン Audiobook read by Annie Coleman Rothenberg
 Audio 3  朗読: マーク・F・スミス Videobook read by Mark F. Smith
■英語原文 The original text in English
■邦題の異同 Variations of the title in Japanese
■Mark Twainの日本語表記の異同 Transliteration variations of "Mark Twain" in Japanese
■一人称 First-person pronouns (What does Huck Finn call himself in Japanese?)
■更新履歴 Change log


(J22) 吉田 1956, 1976, etc.
 わたしは、苦しい立場であった。わたしは、その手紙をつまみあげた。わたしは、ぶるぶるふるえた。二つのうち、どちらをとるか、なんとしてもきめなければならないからだ。わたしは、息をこらして、ちょっと考えていたが、すぐ、自分に言った。
「こうなりゃ、やぶれかぶれだ、地獄にいこう。」——そう言って、わたしは、その紙きれをやぶいてしまった。
 それはおそろしい考えだった。またおそろしいことばであった。だが、わたしはそう言ったのだ。そして、言ったまま、とり消しはしなかった。言いあらためようなどとは、考えてもみなかった。わたしは、そんなことを考えないことにしたのだ。そして、わたしは、やはりばちあたりな暮らしをつづけよう。そういうふうに、そだったのだから、そういう暮らしこそわたしのがらにあっているのだ。りっぱな生活は、わたしにはむかないのだ、とそう言った。そして、その手はじめに、ジムをまた、こっそり奴隷の身からぬけださしてやるしごとにとりかかろう。そのうえで、もっと悪いことを考えつけたら、それもやってのけよう。毒を食らわば、皿までだ。
[原文にあるルビは省略しました - tomoki y.]


(J23) 佐々木 1951
(……)書いた手紙がそこにあった。ぼくはそれを取り上げて、一読し、身をふるわしながら、
「よろしい、おれはジムのために地獄に落ちよう。自分だけよい子になろうと思えばこそ苦労をするのだ。」
といって、さきやぶってしまった。
[原文は総ルビですが、ここでは省略しました - tomoki y.]

  • 佐々木邦(ささき・くに)=著 『ハックルベリーの冒険』 世界名作全集 19 大日本雄弁会講談社 1951/05
  • 完訳ではありません。

(J24) 中村 1941, 1950
 それは苦しい立場であつた。私はそれを取り上げて、手に持つてゐた。私は震へてゐた。何故といふに私は、永久に、二つのうちのどちらかを取るやうに決(き)めなければならなかつたから。私は、息をこらすやうにして、一分間じつと考へた。それからかう心の中で言ふ。
 「ぢやあ、よろしい、僕は地獄に行かう」——さう言つてその紙片(かみきれ)を引き裂いた。
 それは恐ろしい考へであり、恐ろしい言葉であつた。だが私はさう言つたのだ。そしてさう言つたままにしてゐるのだ。そしてそれを變へようなどとは一度だつて思つたことがないのだ。私はこのことを全部頭から押し出してしまつた。そして育ちがさうなのだから、私の得手である邪(よこしま)な生活をまた讀けてゆかうと言つた。その反對の方は私の得手ではないのだ。そしてその手始めに私はまたジムを奴隷の状態から盗み出してやらう。そしてこれよりもつと惡いことを考へつけたら、それもやつてやらう。何故といふに私はもう落ち込んでしまひ、永久に落ち込んでしまつたのだから、毒喰わば皿までといふ状態になつてゐるのだ。


(J25) その他
邦訳には、以上のほかに、たとえばつぎのようなものがあります。

  • 渕脇 1997
    • マーク・トウェイン=原作 アンドルー・ジェイ・ホフマン=解説 平野信行=監修 渕脇耕一(ふちわき・こういち)=訳 『ハックルベリー・フィンの冒険』Newton Classics 6 ニュートン プレス 1997/07
    • マンガ、解説、会話部分の対訳の3部構成になった冊子。ダイジェスト本で、本稿の引用部分は収録されていません。一見、平易な児童書のようですが、人種問題など、解説部分で指摘されている問題の多くは、今日の大人でも真剣に考察するに値する内容を含んでいます。

■ロシア語訳 Translation into Russian

Оно лежало совсем близко. Я взял его и подержал в руке. Меня даже в дрожь бросило, потому что тут надо было раз навсегда решиться, выбрать что-нибудь одно, — это я понимал. Я подумал с минутку, даже как будто дышать перестал, и говорю себе:

«Ну что ж делать, придется гореть в аду». Взял и разорвал письмо.

Страшно было об этом думать, страшно было говорить такие слова, но я их все-таки сказал. А уж что сказано, то сказано — больше я и не думал о том, чтобы мне исправиться. Просто выкинул все это из головы; так и сказал себе, что буду опять грешить по-старому, — все равно, такая уж моя судьба, раз меня ничему хорошему не учили. И для начала не пожалею трудов — опять выкраду Джима из рабства; а если придумаю еще что-нибудь хуже этого, то и хуже сделаю; раз мне все равно пропадать, то пускай уж недаром.

  • Глава XXXI. Твен Марк. Приключения Гекльберри Финна
  • E-text at ModernLib.Ru

■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian

Він лежав напохваті. Я взяв його й потримав у руці. Я весь тремтів, бо мусив оце зараз, раз і назавжди, вирішити - туди чи сюди. Я замислився на мить, аж мені затамувало дух у грудях, а тоді мовив сам до себе:

«Нічого не вдієш, піду таки до пекла!» - та й подер листа на дрібненькі клаптики.

Страшні то були думки, та страшні були й слова, але чи так чи сяк, а я вже їх сказав. Хай там що, все одно мені вже не виправитися. Ну то я й кинув про все це думати і сказав собі, що знову буду грішити: така вже моя доля, якщо в неправді мене виховували. І для початку щось я придумаю, щоб Джіма знову з неволі викрасти; а якби й більший гріх спав мені на думку, я б і більший гріх учинив; якщо вже пропадати, то хоч не дурно.

  • Розділ XXXI. Марк Твен. Пригоди Гекльберрі Фінна. Translated by Ірини Стешенко
  • E-text at Ae Lib (ae-lib.org.ua)

■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian

То беше до мене. Взех го и го подържах в ръка. Потреперах, защото трябваше да избера завинаги пътя си. Знаех, че е така. Размислих една минута, не смеех даже дъх да си поема, после си рекох:

— Да става, каквото ще… ще се върви в ада — и скъсах писмото.

Страшни бяха тия думи, но ги казах. А казаното е казано — и не помислих вече да го променям. Заличих цялата случка от ума си и си рекох, че пак ще стана грешник, както ми е писано, щом не са ме научили на нищо хубаво. Най-напред ще се заема да измъкна Джим от робство; ако измисля нещо по-лошо — ще направя и него: щом ще се гори в ада, да има защо.

  • 31. Марк Твен. Приключенията на Хъкълбери Фин. Translated by Невяна Розева, 1965
  • E-text at Моята библиотека (chitanka.info)

■ドイツ語訳 Translation into German

Ich guckte wieder auf den Brief, dann hab ich ihn in die Hand genommen; ich hab gehörig dabei gezittert, denn ich musste jetzt zwischen zwei Dingen entscheiden. Nur 'nen kleinen Augenblick hab ich noch gezögert, dann habe ich mir gesagt:

Na ja, dann muss ich eben in die Hölle! Und dann habe ich den Brief zerrissen.

Es waren schreckliche Gedanken und schreckliche Worte, aber sie waren gesagt. Ich wollte an die Arbeit gehen und Jim noch mal stehlen - jetzt kam's ja sowieso nicht mehr darauf an. Wieder dachte ich hin und her und wie ich die ganze Sache wohl anfassen sollte, bis ich schließlich einen Plan ausgeknobelt hatte, der mir passte.


■イタリア語訳 Translation into Italian

Beh, devo proprio decidermi. Lo prendo su e lo tengo in mano. Tremavo perché dovevo scegliere fra due cose, ed era una scelta che facevo per sempre, e lo sapevo. Ci ho studiato per un minuto, che quasi non respiravo, e poi dico fra me:

«E va bene, allora andrò all'inferno!», e straccio il foglio.

Sto male, dopo che ho detto quelle parole terribili, ma ormai quello che è detto è detto, e non ci penso neanche a cambiare idea. Quella cosa lì me la tolgo proprio dalla testa, e quindi torno a fare il ragazzo cattivo, che mi riesce bene, mentre la vita del bravo ragazzo, be', non è proprio una cosa che fa per me. Così, per cominciare libererò di nuovo Jim dalla schiavitù, e magari poi farò anche di peggio, perché già che ci sono voglio proprio darci dentro.

  • XXXI • I bugiardi non riescono a pregare. Le avventure di Huckleberry Finn by Mark Twain a cura di Patrizio Sanasi
  • E-text at Readme.it

■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

[Omission] Estava tremendo, porque tinha de tomar uma decisão de uma vez por todas, escolhendo entre duas coisas, e sabia disso. Passei mais ou menos um minuto só pensando, quase sem respirar, e aí resolvi:

'Pois bem! Prefiro ir para o inferno!' - e rasguei-o.

Nunca mais pensei em reformar-me. Tirei aquilo tudo da cabeça e pensei que continuaria no mau caminho, no qual fora criado. E para começar, ia tratar de roubar Jim da escravidão, de novo; porque, no ponto em que estava, não tinha mais que recuar. [Omission]


■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan

Era un lloc proper. El va prendre i ho va sostenir a la mà. -Jo era un tremolor, perquè havia arribat a decidir, per sempre, entre dues coses, i jo sabia que. Vaig estudiar un minut, una mena de celebració de la meva alè, i després diu a mi mateix:

"Molt bé, llavors, vaig a anar a l'infern" - i va trencar.

Es pensaments terribles i horribles paraules, però que es va dir. I que es quedin, va dir, i va pensar que mai no més sobre la reforma. Vaig ficar tot l'assumpte del meu cap, i em va dir que s'ocuparà de la maldat de nou, que estava en la meva línia, sent brung a ella, i el warn't altres.

  • Capítol 31. Les aventures de Huckleberry Finn by Mark Twain
  • E-text at vidqt.com

■スペイン語訳 Translation into Spanish

Me costó trabajo decidirme. Agarré el papel ylo sostuve en la mano. Estaba temblando, porque tenía que decidir para siempre entre dos cosas, y lo sabía. Lo miré un minuto, como conteniendo el aliento, y después me dije:

« ¡Pues vale, iré al infierno!», y lo rompí.

Eran ideas y palabras terribles, pero ya estaba hecho. Así lo dejé, y no volví a pensar más en lo de refor-marme. Me lo quité todo de la cabeza y dije que volvería a ser malo, que era lo mío, porque así me habían criado, y que lo otro no me iba. Para empezar, iba a hacer lo necesario para sacar a Jim de la esclavitud, y, si se me ocuría algo peor, también lo haría, porque una vez metidos en ello, igual daba ocho que ochenta.

  • Capítulo 31. Las aventuras de Huckleberry Finn by Mark Twain
  • E-text at Wikisource

■フランス語訳(部分) Translation into French (fragmental)

J’étais dans un lieu isolé. Je le pris et le tins dans ma main. J'en tremblais, parce que j'avais à décider, pour toujours, entre deux choses, et je le savais. J'étudiai la question une bonne minute, plus ou moins retenant mon souffle, et ensuite je me suis dit:

"D'accord, j'irai donc en enfer" — et je le déchirai.


 Audio 1 
英語原文の朗読 Audiobook read by John Greenman

下に引用した箇所は 11:08 から始まります。 Uploaded to YouTube by CBGP Literature on 1 Apr 2015. Audio courtesy of LibriVox. The excerpt below starts at 11:08.


 Audio 2 
英語原文の朗読 Audiobook read by Annie Coleman Rothenberg

下に引用した箇所は 12:58 から始まります。 Uploaded to YouTube by GreenAudioBooks on 11 Nov 2012. The excerpt below starts at 12:58.


 Audio 3 
英語原文の朗読 Videobook read by Mark F. Smith.

下に引用した箇所は 12:57 から始まります。 Uploaded to YouTube by CCProse on 5 Jun 2011. Audio courtesy of LibriVox. The excerpt below starts at 12:57.


■英語原文 The original text in English

It was a close place.  I took it up, and held it in my hand.  I was a-trembling, because I'd got to decide, forever, betwixt two things, I knowed it.  I studied a minute, sort of holding my breath, and then says to myself:

"All right, then, I'll GO to hell"--and tore it up.

It was awful thoughts and awful words, but they was said.  And I let them stay said; and never thought no more about reforming.  I shoved the whole thing out of my head, and said I would take up wickedness again, which was in my line, being brung up to it, and the other warn't.  And for a starter I would go to work and steal Jim out of slavery again; and if I could think up anything worse, I would do that, too; because as long as I was in, and in for good, I might as well go the whole hog.


■邦題の異同 Variations of the title in Japanese

  ハックルベリ・フィンの冒険   加島 祥造=訳 1979, 2001
        〃         大久保 博=訳 1999, 2004
        〃         勝浦 吉雄=訳 1998
        〃         刈田 元司=訳 1969

  ハックルベリー・フィンの冒けん 柴田 元幸=訳 2017
  ハックルベリー・フィンの冒険  土屋 京子=訳 2014

        〃         訳者未確認   2005
        〃         大塚 勇三=訳 1997
        〃         渕脇 耕一=訳 1997
        〃         大岩 順子=訳 1979
        〃         西田 実 =訳 1977
        〃         野崎 孝 =訳 1971, 1976
        〃         斎藤 正二=訳 1962
        〃         吉田甲子太郎=訳 1956
        〃         石川 欣一=訳 1958, 1966, 1973
  ハックルベリー=フィンの冒険  斉藤 健一=訳 1996
        〃         吉田甲子太郎=訳 1985
        〃         西村 孝次=訳 1970
  ハックルベリ=フィンの冒険   久保田輝男=訳 1976
  ハックルベリィ・フィンの冒険  山本 長一=訳 1996
        〃         小島 信夫=訳 1993
        〃         渡辺 利雄=訳 1980, 1991
  ハックルベリイ フィンの冒險  中村 爲治=譯 1941, 1950
  ハックルベリイ・フィンの冒険  小島 信夫=訳 1966
        〃         村岡 花子=訳 1959
  ハックルベリーの冒険      佐々木 邦=著 1951


■Mark Twainの日本語表記の異同
 Transliteration variations of "Mark Twain" in Japanese

   --  トウェーン 大岩 1979
  マーク トウェーン 中村 1941
  マーク・ツウェーン 吉田 1956
  マーク・トウェーン 野崎 1971, 1976
      〃     佐々木 1951
      〃     中村 1950
  マーク・トウェイン 柴田 2017
      〃     土屋 2014
      〃     大久保 1999, 2004
      〃     勝浦 1998
      〃     大塚 1997
      〃     渕脇 1997
      〃     山本 1996
      〃     村岡 1988
      〃     吉田 1985
      〃     渡辺 1980, 1991
      〃     加島 1979, 2001
      〃     西田 1977
      〃     刈田 1969
      〃     小島 1966, 1993
      〃     斎藤 1962
      〃     石川 1958, 1966, 1973
  マーク・トウエン  村岡 1959
  マーク=トウェーン 斉藤 1996
      〃     久保田 1976
  マーク=トウェイン 西村 1970


■一人称 First-person pronouns
 (What does Huck Finn call himself in Japanese?)

  おいら  土屋 2014
   〃   訳者未確認 2005
   〃   斉藤 1996
  おいら/オレ(間接話法/直接話法?)
       大久保 1999, 2004
  おれ   柴田 2017
   〃   加島 1979, 2001
   〃   大塚 1997
   〃   山本 1996
   〃   渡辺 1980, 1991
   〃   大岩 1979
   〃   久保田 1976
   〃   刈田 1969
   〃   石川 1958, 1966, etc.
  おら   西田 1977
   〃   野崎 1971, 1976
  ぼく   勝浦 1998
   〃   渕脇 1997
   〃   西村 1970
   〃   斎藤 1962
   〃   佐々木 1951
  僕    村岡 1959
  わたし  吉田 1956, 1976, etc.
  私/僕(間接話法/直接話法)
       中村 1941, 1950

  • 2016-05-15 追記 次のようなブログ記事を見かけました。一人称に関して、わたし自身の発想に似たものを感じました。

■更新履歴 Change log

  • 2018/02/22 柴田元幸=訳 2017/12/28 を追加しました。
  • 記事の最後の「一人称」の項に、関連リンクを追加しました。
  • 2014/10/29 カタルーニャ語訳を追加しました。
  • 2014/07/27 土屋京子=訳 2014/06/20 を追加しました。
  • 2013/09/02 オーディオブックの YouTube 画面を追加しました。
  • 2013/03/04 ロシア語訳、ウクライナ語訳、ブルガリア語訳、ドイツ語訳、イタリア語訳、ポルトガル語訳、およびフランス語訳(部分)を追加しました。
  • 2012/08/02 The Audio Archive による朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2011/11/21 英語原文の朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2011/01/28 スペイン語訳を追加しました。
  • 2007/08/21 加島祥造=訳 1979/01 を追加しました。
  • 2007/07/11 佐々木邦=著 1951/05 を追加しました。
  • 2007/06/24 大岩順子=訳 1979/03 の現物にあたって、この本が完訳ではなく抄訳であることを確認しました。
  • 2007/06/21 斎藤正二=訳 1962/11 を追加しました。また、渕脇耕一=訳 1997/07 についての紹介を補足しました。
  • 2007/04/15 勝浦吉雄=訳 1998/09 と野崎孝=訳 1971, 1976/09 を追加しました。また、勝浦吉雄=訳 1998/09 と野崎孝=訳 1971, 1976/09 におけるハックの一人称について、追加しました。
  • 2007/04/11 吉田甲子太郎=訳の複数の版の異同を確認しました。また、中村爲治=譯 1941/05 の訳文に、用字・送り仮名など、数か所誤りがありましたので、訂正しました。さらに、一人称についての項を新設しました。

 

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The Adventures of Huckleberry Finn by Mark Twain (1) マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒険』 (1)

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        目次 Table of Contents

◾️はじめに Introduction
 Images  表紙画像 Cover photos
■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 柴田 2017
  (J2) 土屋 2014
  (J3) 訳者未確認 2005
  (J4) 加島 2001
  (J5) 大久保 1999, 2004
  (J6) 勝浦 1998
  (J7) 大塚 1997
  (J8) 斉藤 1996
  (J9) 山本 1996
  (J10) 渡辺 1980, 1991
  (J11) 大岩 1979
  (J12) 加島 1979
  (J13) 西田 1977
  (J14) 久保田 1976
  (J15) 野崎 1971, 1976
  (J16) 西村 1970
  (J17) 刈田 1969
  (J18) 小島 1966, 1993
  (J19) 斎藤 1962
  (J20) 石川 1958, 1966, etc.
  (J21) 村岡 1959
[1はここまで]

2へ続く]
  (J22) 吉田 1956, 1976, etc.
  (J23) 佐々木 1951
  (J24) 中村 1941, 1950
  (J25) その他
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ウクライナ語訳 Translation into Ukrainian
■ブルガリア語訳 Translation into Bulgarian
■ドイツ語訳 Translation into German
■イタリア語訳 Translation into Italian
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳(部分) Translation into French (fragmental)
 Audio 1  朗読: ジョン・グリーンマン Audiobook read by John Greenman
 Audio 2  朗読: オーディオ・アーカイブ Audiobook presented by The Audio Archive
 Audio 3  朗読: マーク・F・スミス Videobook read by Mark F. Smith
■英語原文 The original text in English
■邦題の異同 Variations of the title in Japanese
■Mark Twainの日本語表記の異同 Transliteration variations of "Mark Twain" in Japanese
■一人称 First-person pronouns (What does Huck Finn call himself in Japanese?)
■更新履歴 Change log


 Images 
表紙画像 Cover photos

a. 693533 b. 448003650409 c. Huck_finn_german

d. C e. 849764697501 f. 7218138
 
             ↑ クリックして拡大 Click to enlarge ↑  


◾️はじめに Introduction

マーク・トウェインの小説『ハックルベリー・フィンの冒険』の第31章から引用します。


■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese

  这可是个叫人左右为难的事啊。我把纸拣了起来,拿在手里。我在发抖。因为我得在两条路中选择一条,而且永远也不能反悔。这是我深深知道的。我认真考虑了一分钟,并且几乎屏住了气考虑的,随后我对自个儿说:
  “那好吧,就让我去下地狱吧。”——随手把纸给撕了——
  这可是可怕的念头,可怕的话语啊,不过我就是这么说了。并且我既然说出了口,我就从没有想过要改邪归正。我把整个儿这件事从脑袋里统统赶了出去。我说,我要重新走邪恶这一条路,这是我的本行,从小就这样长大的嘛。走别的路就不内行了。作为开头第一件事,我要去活动起来,把杰姆从奴隶的境地给偷出来。要是我还能想出比这更为邪恶的主意,我也会照干不误。因为既然我是干的这一行,那么,只要有利,我便要干到底。

  • 《哈克贝利.费恩历险记》 作者:马克·吐温
  • E-text at 21works 经典阅读 (www.21works.cn)

■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese

  這可是個叫人左右為難的事啊。我把紙揀了起來,拿在手里。我在發抖。因為我得在兩條路中選擇一條,而且永遠也不能反悔。這是我深深知道的。我認真考慮了一分鐘,并且几乎屏住了气考慮的,隨后我對自個儿說:
  “那好吧,就讓我去下地獄吧。”——隨手把紙給撕了。
  這可是可怕的念頭,可怕的話語啊,不過我就是這么說了。并且我既然說出了口,我就從沒有想過要改邪歸正。我把整個儿這件事從腦袋里統統赶了出去。我說,我要重新走邪惡這一條路,這是我的本行,從小就這樣長大的嘛。走別的路就不內行了。作為開頭第一件事,我要去活動起來,把杰姆從奴隸的境地給偷出來。要是我還能想出比這更為邪惡的主意,我也會照干不誤。因為既然我是干的這一行,那么,只要有利,我便要干到底。

  • 馬克·吐溫 《哈克貝里·芬歷險記》
  • E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)

■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 柴田 2017
 きわどいところだった。おれはその紙をひろって、にぎりしめた。からだがふるえていた。ふたつにひとつ、どっちかにキッパリきめなくちゃいけない。おれはイキを半ぶんとめて、しばしかんがえた。それから、ムネのうちで言った——
「よしわかった、ならおれは地ごくに行こう」。そして紙をビリビリにやぶいた。
 さいこうにわるいかんがえ、さいこうにわるいコトバだったけど、とにかく言ってしまった。そして言ってしまったままとりけさなかったし、それっきりおれは、心を入れかえるなんてこともかんがえなかった。まるごとぜんぶ、アタマの外にほうりだした。おれはまたわるいことやるんだ、それがおれのりょうぶんなんだ。そういうふうにそだったんだから、いいことするのはおれのりょうぶんじゃない、そうおもった。手はじめにまず、ジムをもういっぺんドレイの身からぬすみだすシゴトにかかる。もっとひどいことおもいついたら、それもやる。どうせやるんだったら、どうせずっとやるんだったら、とことんやっちまったほうがいい。


(J2) 土屋 2014
 どうしよう? おいら、手紙を拾い上げて、手に持った。からだがぶるぶる震えた。ここでどっちかに決めたらそれっきりだってわかってたから。おいらは一分ぐらい息を止めて考えて、それから自分に向かって言った。
「いいや、おいら、地獄に行く」——そんで、おいらは手紙を破った。
 恐(おっそ)ろしい考えだし、恐(おっそ)ろしい言葉だけど、言っちまったもんは言っちまったもんだ。取り消すつもりはねえ。もう改心なんか考えねえぞ。ぜんぶ頭ん中から追い出して、おいら悪ガキにもどるんだ、ってつぶやいた。それがおいらには合ってる。おいら、そういうふうに育ったんだもん。いい子なんか、似合わねえや。で、手はじめに、ジムをもういっぺん奴隷の身から逃してやることにした。もっと悪いことを思いついたら、それだってやってやる。どうせ悪ガキで、この先もずっと悪ガキでいるんなら、とことんやってやるぞって思った。


(J3) 訳者未確認 2005
 今考えてもギリギリのところだった。その紙を拾って手に握り締めた。おいらはその時点で善か悪かを決めないといけないので震えていた。ほんのちょっとその紙に目を落とし、息を止めて、そして自分にこういった。
「わかったよ、こうなったら地獄にでもどこへでもいってやらぁ」といって紙を千切り捨てた。
 それは恐ろしい考えで、恐ろしい言葉だったけれど、もう後には戻れない。もう二度と改心することなんか考えない。頭からすっぱり忘れ去ってやる。育ちが悪いのだからもっと悪さをしてやるぜ。手始めにジムを盗み出して、もっと悪いことを思いついたらそれもやってやらぁ。本当にやるぜ、だってもう二度と後戻りはできないのだから地に落ちるのならトコトンやるまでさ。


(J4) 加島 2001
 ああ、ジムを密告しようか、助けようか。ああ、どっちにするか。おれ、ほんとに思い迷った。その手紙をとりあげて、手にじっと持ったまま、身を震わせたよ。だって、どっちにするか、ここで最後の腹をきめなきゃならないってことが、自分でも分かってたからだ。しばらく息を殺して考えてたけど——それから、こう言ったよ——
「ようし、こうなったら、おれ、地獄へ堕ちてやれ」——そして、手紙を破いちまった。
 それは恐ろしい考えだし、恐ろしい言葉だけど、もう口から出ちまったんだ。口に出した以上は、もう悔い改めようなんて考えなかった。頭の中から世間の教えなんかきっぱり追っ払っちまって、よこしまな生き方のほうを取ってやれって、そう思った。そのほうがおれらしいんだ。どうせそういうふうに育てられたんだから、その反対の生き方はおれには向いてないんだ。だから、まず手始めに、うまくジムを盗み出して奴隷の身からもういっぺん自由にしてやろう、その後で、もっと世間では正しくないことを考えついたら、そいつもやってやろう、と思ったね。どうせもう、正しくない横道にはまり込んだんだ、引っ返しがきかないなら、とことんまで行ってやれ、とそう思ったんだ。


(J5) 大久保 1999, 2004
 それは、重大な選択を迫る紙切れだった。おいらは、それを取り上げた。そして、手に持った。体はブルブルと震えていた。なぜって、おいらは決めなけりゃならなかったからだ。永久に、二つのうちのどちらかをだ。そして、そのことは、自分でも分かっていた。おいらは、チョットのあいだ、考えた。息は止まっているようだった。そのうちに、おいらは、心の中でこう言った。
「よし、それなら、オレは地獄に行こう」——そして、その紙を破いた。
 それは、恐ろしい考えだった。そして、恐ろしい言葉だった。だが、もう口から出てしまった。おいらはそれを、口から出たままにしておいた。悔い改めようなんて、もう考えなかった。そんなことは、みんな頭から追い出しちまった。そして言った。オレはまた性悪な人間にもどろう、それがオレの性に合ってるんだ、そのように育てられたんだからな、その反対のほうはダメなんだ、ってな。そして手始めに、ジムを盗み出して、また奴隷の身から救ってやる仕事にとりかかろう、と思った。そして、もっと悪いことを考えることができたら、そいつもやってやろう、と思った。なぜって、いったん嵌(は)まり込んだからには、永久に嵌まり込んだからには、トコトンまでやっちまったほうがいいからだ。

  • マーク・トウェイン=著 大久保博=訳 『ハックルベリ・フィンの冒険』 角川書店(単行本 1999/09|文庫 2004/08)

(J6) 勝浦 1998
 ぼくは追いつめられ、その紙切れを取り上げて手に持った。身体がブルブル震えだした。だって、二つのうちのどっちかに覚悟を決めなきゃならないことが自分でも分かってたからだ。ぼくは息を止めるみたいにして、ちょっと考え、それから、こう言った—
「よーし、こうなったら、ぼくは地獄へ行こう!」—そしてぼくはその紙を破いてしまった。
 恐ろしいことを考え、恐ろしいことを言ったもんだけど、もう口から出てしまったのだ。そしてぼくはその言葉を引っこめようとはしなかった。また、心を入れ替えようとも思わなかった。そういうことは一切合財ふりすててしまって、どうせぼくは育ちが悪いんだから、その方が性に合っている。その反対の方は駄目、また悪の道を歩こう、とぼくは言った。その手始めに、ジムを奴隷の境涯からまた救い出す仕事にとりかかろう。それよりもっと悪いことを思いついたら、そいつもやってのけるんだ。こうなったら、とことん行けるとこまで行くんだ、とぼくは考えた。


(J7) 大塚 1997
 ひどく切羽(せっぱ)つまったとこだった。おれは、その紙を拾いあげて、手にもった。身体(からだ)が、ふるえてた。なぜって、今おれは、この先(さき)いつまでも、二つのうちのどっちにするかを、きっぱり決めなきゃいけないんだし、それが自分にも分かっていたからだ。おれは、息(いき)を止(と)めるみたいにして、ちょっとのあいだ考え、それから、心のうちで、こう言った。
 「よし、それなら、おれは地獄(じごく)に行こう!」……そして、その紙を破(やぶ)いちまった。
 それは、おそろしい考えだったし、おそろしい言葉だった。けれど、もう、言っちまってた。そしておれは、その言葉を言っちまったまんまにしておいた。そうして、もう、改心(かいしん)しようなんてことも考えなかった。そんなことは、そっくり、頭から押(お)し出(だ)しちまった。そして、思った、……おれはまた、よこしまで(#「よこしま」に傍点)で悪いほうをつづけることにしよう。おれは、そうなるように育てられたから、そっちのほうが性(しょう)に合ってて、その逆(ぎゃく)のほうは、だめなんだ。それで、まず手はじめに、奴隷(どれい)の身(み)になってるジムを、また盗(ぬす)みだすのに、とりかかってやろう。そして、もしか、もっと悪いことを考えつくようだったら、それも、やってやろう。だって、いっぺん、はまりこんで、しかも、しっかりはまりこんじゃったら、もう、とことん、やっちまうほうがいいんだ。……


(J8) 斉藤 1996
 たちまちおいらは、いても立ってもいられなくなって、手紙をつかんだ。手がぶるぶるふるえた。ああ、どうしよう。今度こそ、どっちかにするかきっぱりきめなきゃならない。おいらは息をとめたまま、ちょっとのあいだ手紙をにらんだ。それから自分に向かってつぶやいた。
「よーし、それならおいらは、地獄に行ってやる。」そして手紙をビリビリッと引(ひ)きさいた。
 おいらが口に出したのは、考えただけでもおそろしい、ばちあたりな言葉だった。だけど、もういっちまったんだ。おいらはその言葉を取り消そうとも思わなかったし、心を入れかえようとも思わなかった。心を入れかえるなんてことはきっぱりと頭のなかから追い出して、これまでどおりまた悪いことをやっていけばいい。おいらはそう自分にいい聞かせた。そういう育ち方をしたんだから、それがぴったりなんだ。いいことをするなんて、ちっともおいららしくない。じゃあ、まず手はじめに、ジムを取り返して、奴隷の身から自由にしてやるか。もちろん、もっと悪いことを思いついたら、それもやってやる。どうせやるなら、とことんやらなきゃ。
[原文にあるルビは省略しました - tomoki y.]


(J9) 山本 1996
 これはこまった立場になった。その紙を取り上げて手にもってみた。体が震えた。だって、あれかこれかどっちかに決めなければならないからで、おれには分かっていたことだ。息をこらしてるみたいにして、ちょっとの間考えてから、心の中でこう言った。
「ええい、こうなったら地獄まで行ってやろうぜ」——それで紙を破いちまった。
 恐ろしい考えで、恐ろしい言葉だけど言ってしまった。だからおれは言ったままに放っておくことにして、心を改めようなんてもう考えなかった。頭の中から全部こんなことを追い出した。おれは悪い子に育てられたんで、悪い子にまたもどろう、それが自分にはお似合いなんだ、ほかには考えられねえと思った。それでまず始めに、ジムを奴隷の身から盗み出してやろうと思った。もし何かもっと悪いことを思いついたら、それもやってやろうと思った。だって、その道に入ったら、徹底的にやり通したほうがいいからだ。

  • マーク・トウェイン=著 山本長一(やまもと・ちょういち)=訳 『ハックルベリィ・フィンの冒険』 マーク・トウェイン コレクション 7 彩流社 1996/03

(J10) 渡辺 1980, 1991
 きわどいとこだったね。おれその紙取りあげると、しばらく手に持ってた。おれからだが震えてきた。てえのは、おれって、年がら年じゅう、二つのことのどっちかひとつ選ばなきゃならねえからだ。それはおれにもわかってた。おれ息止めたみてえにして、ちょっとばかり考えてみた。それから、心ん(#原文は小さい「ん」)なかで言った。
「よし、それだったら、おれ地獄だって行ってやる」——そして、その紙破いちまった。
 そいつぁ恐ろしい考えだし、恐ろしい言葉なんだけど、おれもうその通りに言っちまったんだ。そしてまた、言った通りにしといて、取り消すこともしなかった。自分の行ない改めるなんてえことも、もう考えねえで、このこたぁぜんぶ頭から押しだすと、そういったこたぁきれいさっぱり忘れちまった。おれはまた悪い行ないやってこうって自分自身に言ったんだ。そのほうが、おれそういったふうに育ってるんで、性(しょう)に合ってるしな。その反対てえのはどうも性に合わねえんだ。それで、まず手はじめにだね、ジムをまた盗みだして、奴隷の身分から救いだすっていう仕事にとりかかろうって思ったんだ。そして、それよりもっと悪いこと思いついたら、そのときゃ、それだってやるつもりだった。てえのは、悪の世界に入ってだね、一生そこにいるんだったら、なんでもとことんまでやったほうがいいって思ったからだ。


(J11) 大岩 1979

  • トウェーン=著 大岩順子=訳『ハックルベリー・フィンの冒険』 世界の名作・日本の名作 83 春陽堂少年少女文庫 1979/03
  • 児童向け抄訳。ほかの訳の引用部分に相当する箇所は訳出されていないようです。

(J12) 加島 1979
 せつない立場だった。おれはその紙を拾い上げて、じっと手に持った。身体が震えてたっけ。だって、右か左か、ここで最後の腹をきめなきゃならないことが、自分でも分かってたからな。しばらく息を殺すみたいにして考えてたけど、それから胸の中でこう言った——
「ようし、こうなったらおれ、地獄へ落ちてやれ」とね——そしておれは、その紙を破いちまったよ。
 それは恐ろしい考えだし、恐ろしい言葉だけど、もう口から出ちまったんだもんな。それはそのままにして、もう悔い改めようなんて考えないことにしたよ。そんなことは、頭の中からきれいさっぱり追っ払っちまって、よこしまな生き方のほうを取ってやれって、そう思ったんだ。そのほうがおれらしいしよ、どうせそういうふうに育てられたんだから、その反対の生き方はおれには向いてないんだ。だもんだから、まず手始めに、うまくジムを奴隷の身からもういっぺん自由にしてやって、で、その後で、もっとよこしまなことを考えついたら、そいつもやらかしてやろう、と思ったね。どうせもう、よこしまの道にはまり込んだんだんじゃないか、引っ返しがきかないなら、とことんまで行ってやれ、とそう思ったんだ。


(J13) 西田 1977
 おらは追いつめられた。おらはその紙を取り上げて手に持った。からだがブルブルふるえだした。だって、右か左か、ここで最後の腹をきめなきゃなんねえことが、自分でもわかっていたからだ。おらは、息を止めるみたいにしてちょっと考えてから、心の中でこう言った。
 「よし、こうなったら地獄へ落ちてやれ」——そしておらは、その紙を破いちまった。
 恐ろしいことを考えて、恐ろしいことを言ったもんだけど、もう口から出ちまったことだ。おれはそれをそのままにして取り消さなかった。悔い改めようなんて、もう考えなかった。そんなことはいっさい頭の外へ追い出しちまった。おらは悪者に育てられたので、悪者のほうが性に合っていて、その反対のほうはだめなんだから、また悪者に戻ろう、とおらは言った。そしてまず手はじめに、ジムを奴隷の身分からまた救い出す仕事にとりかかろうと思った。その後でもっと悪いことを考えついたら、それもやってやろうと思った。いったん悪の道にはまりこんで、もう抜けられないとなったからは、とことんまでやっちまったほうがいいんだ。


(J14) 久保田 1976
 ここがだいじなわかれ道だった。おれは紙きれをとりあげて手の中ににぎりしめた。おれはがたがたふるえていた。のるか、そるか、二つに一つ、最後の決心(けっしん)をしなけりゃならないのだ。おれにはそれがよくわかっていた。おれは一分ほど、息をころすようにして考えた。それから、きっぱりとこういった。
「よし、そんなら地獄(じごく)へゆこう!」
 そして、紙きれをひきさいた。
 考えるのもおそろしかった。口に出すのもこわかった。しかし、もう口に出していってしまったことだった。そして、いったことはいったことだ、もう二度とひるがえしはすまいと思った。おれは神妙(しんみょう)な考えのいっさいを頭の外へおいはらい、もう一度悪の道をつっぱしる腹をきめた。それがおれの柄(がら)にあってるんだ。そんなふうに育ってるんだ。いいことをするのは柄じゃないんだ。そう自分にいいきかせた。まず手はじめにジムをなんとかしてもう一度奴隷(どれい)の境涯(きょうがい)からぬすみ出そう。もし、もっとましな、もっと悪いことを思いついたら、それもえんりょなくやらかそう。毒(どく)食(く)わば皿(さら)までというやつだ。


(J15) 野崎 1971, 1976
 どっちもきめにくいとこだった。おらはその紙を拾い上げて、じっと手に持ったんよ。身体がぶるぶると震えたっけ。だってよ、二つのうちのどっちかに、きめたが最後、とり返しはつかねえし、それがおらにはよっく分かってたけにな。おらは息を殺したみたくにして、しばらくの間考えて、それから腹の中で言ったんだ。
「よし、そんなら、おらは地獄へ行く」ってな——そう言っておらは、その紙をひっちゃぶいたんよ。
 おっかねえ考えだし、おっかねえ言葉だけんど、もう言っちまったこった。おらは言ったことはそのまんまにして、心を入れ替えるなんてことはもう考えねえことにした。そうして、そのことはそっくり頭の中から追っ払っちまった。もういっぺんよこしまな方をとってやれ、おらはよこしまに育てられたんだけん、こっちの方が性に合うちょるんだ。もう一つの方は性に合わねえ。その手始めにはひとつ、ジムの野郎を、奴隷の身分から盗み出す算段をするこった。それからもっと悪いことを思いついたらば、そいつもうめえとこやらかしてやる。もはやはまりこんじまったおらじゃねえか、おまけにはまりこんだが最後引っ返しはきかねえときてやがる。そんならばいっそ、とことん行けるとこまで行った方がいいや、おら、そう思ったんだ。


(J16) 西村 1970
 せつない立場(たちば)だった。ぼくは、その紙をとりあげて手にもっていた。ぶるぶるふるえていた。永久(えいきゅう)に、ふたつのうちのどちらかにきめねばならず、そのどちらにするか、わかっていたからだ。ぼくは息(いき)をこらし、ちょっとのあいだ考えてから、こう思った。
〈よし、それじゃあぼくは地獄(じごく)へいこう〉——こういって、ぼくは紙をひきさいてしまった。
 それは、おそろしい考えであり、おそろしいことばであったが、しかし、もう口にだしてしまったのだ。そして、いったことはいったままにして、それをかえようなどとは、けっして思わなかった。ぼくは、このことはいっさい、頭(あたま)からおしだしてしまい、自分はこんなふうに育(そだ)ったのだから、自分のえて(#「えて」に傍点)である、悪いおこないをまたつづけていこう、その反対のおこないはえて(#「えて」に傍点)ではないんだから、と自分で自分にいいきかした。その手はじめとして、ジムをどれいの状態(じょうたい)から、もう一度ぬすみだすことにしよう。またもっとなにか悪いことを思いついたら、それもやってやろう。ぼくは、もう落ちこんで、しかも永久に落ちこんだ以上、あくまでやりぬいたほうがいいのだから。


(J17) 刈田 1969
 さあ、せっぱ詰った羽目に追いこまれたぞ。おれは手紙をとりあげて手に持った。善か悪か二つにひとつ、ここできっぱり決めなくてはならない。そう思うとおれは身ぶるいが出た。おれは息を止めるようにして、しばらく考えてから、こうひとりごとを言った。
「ええい、よし地獄に行こう!」——そして手紙を破り捨てた。
 恐ろしい考えだった。恐ろしい言葉だった。だがもう口に出してしまっていた。そしておれはその言葉をひっこめようとは思わず、行ないを改めようという考えもやめてしまった。そんな考えは振り捨ててしまって、やっぱりおれは悪の道に戻ろう、それがおれには似合いなんだ、人さまとはちがって育ちが育ちだからしかたがないんだ、と自分に言いきかせた。手はじめに、まず、奴隷(どれい)の身になったジムのやつを何とか企(たくら)んでまた盗みだしてやろう。それよりもっと悪いことを思いついたら、そいつもやってのけよう。毒をくらわば皿(さら)までだ。


(J18) 小島 1966, 1993
(……)手紙をもつぼくの手はぶるぶるとふるえた。いつまで考えても、二つにひとつの道をとらぬわけにはいかないということはわかっていた。しばらく考えて、じっと息をとめ、
「よし、このために地獄におちてもかまやしない。」といって、ぼくはその手紙をやぶりすてた。こういうことをいうのは悪いことだが、どうせ悪いことをするように育てられてきたのだから、もう一ど悪の道にまいもどってやろう。そのぎゃくのまともな道は、どうもぼくの性にあわない。その悪いことの手はじめに、ジムをどれいの身分からもう一どすくいだしてやろう。
[原文にあるルビは省略しました - tomoki y.]


(J19) 斎藤 1962
 苦しい立場であった。ぼくはそれを取り上げ、そして、手に持った。ぼくは、ぶるぶる震えていた。なぜというのに、ぼくは、永劫(えいごう)に、ふたつのうちのどちらかを取るように、決めなければならなかったから。そして、ぼくは、どちらを取るか、知っていた。ぼくは、息をこらすようにして、一分間、じっと考えた。そして、それから、心の中で、こういう。
 「よろしい。では、ぼくは、地獄へ行こう」——そうして、その紙きれを引き裂いた。
 それは、恐ろしい考えであり、恐ろしい言葉であった。だが、その言葉は、発せられたのだ。そして、そういったままに、あえて取り消さなかった。そして、いい直そうなどとは、けっして、考えなかった。ぼくは、このことを、ぜんぶ、頭から押し出してしまった。そして、そういうふうに育ったいじょうは、ぼくの得手(えて)であるところの、不埒(ふらち)な行ないを、ふたたび、続けていこう、といった。その反対の行ないは、ぼくの得手ではないのだ。そして、その手はじめに、ぼくは、もう一ぺん、ジムを、奴隷の状態から盗み出してやろう。そして、これよりもっと悪いことを考えつくことができたら、そいつも、やってやろう。なぜというのに、ぼくは、もう落ち込んでしまい、それも、永久に落ち込んでしまったのだから、こうなったいじょう、毒をくらわば皿まで、というふうになったほうがよいのだ。


(J20) 石川 1958, 1966, etc.
 きわどいことだった。おれは紙をひろい上げて手で持った。永遠に二つのことの一つにきめなくてはならず、それがわかっているので、おれはがたがた震えた。おれはいわば息を殺してちょっと思案したあげく、自分にいって聞かせた、
「よし、それなら、おれは地獄へ行く」——そして紙を引きちぎった。
 これは恐ろしい考えで、恐ろしい言葉だが、おれは口に出していったのだ。おれはいったままにしておいて、もうそれ以上改心のことは考えなかった。頭の中から全部押し出し、もう一度悪業を取り上げよう、そんなふうに育ったんだからこれはおれの性に合っているが、もう一つの方は性に合っていないといった。まず手初めに、ジムをもう一度奴隷の身分から盗み出すことをたくらもう、それよりもっと悪いことが思いつけたら、それもやらかそう、悪業をやることにきめた以上、それもしっかりきめた以上、とことんまでやったほうがいい。


(J21) 村岡 1959
 切ない立場だった。僕は紙を取り上げて手に持っていた。僕はぶるぶる震えていた。永久に、二つのうちのどちらかに決めねばならず、どちらにするか分っていたからだ。僕は息をこらし、ちょっとのあいだ考えてから、こう思った。
「よし、それじゃあ僕は地獄へ行こう」——こう言うと、僕は紙を引き裂いてしまった。
 それは恐ろしい考えであり、恐ろしい言葉であったが、しかし、もう口に出してしまったのだ。そして、言い放しにしておき、それを変えようなどとは決して思わなかった。僕はこのことは一切、頭から押し出してしまい、そういうふうに育ったのだから、僕の得手である、悪い行いをまたつづけて行こう、その反対の行いは僕には得手でないから、と言った。その手始めとして、ジムを奴隷の状態からもう一度盗み出すことにしよう、またもっとなにか悪いことを思いついたらそれもしよう。僕はもう落ち込み、しかも永久に落ち込んだ以上は徹底的にやった方がいいから。

  • マーク・トウエン=著 村岡花子=訳 『ハックルベリイ・フィンの冒険』 新潮文庫(初版 1959/03|改版 1988/10)
  • 上の引用は初版に拠りました。のちの版では著者名の表記が「マーク・トウェイン」となり、用字や送り仮名やルビが、すこし異なります。

 

2へつづく]
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« ハックルベリー・フィンの冒険 2 »

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Sunday, 07 January 2007

Mark Twain on Insanity マーク・トウェイン:狂気について

 Video 
マーク・トウェインの無声動画(1909年) 撮影者はエジソン
Mark Twain at Stormfield, 1909 (Edison film)

トーマス・エジソンがマーク・トウェインを撮影した無声フィルム。1909年、コネティカット州レディングのマーク・トウェイン邸「ストームフィールド」にて。 Silent film footage taken in 1909 by Thomas Edison at Stormfield, Mark Twain's estate in Redding, Connecticut. Twain is shown walking around his home and playing cards with his daughters Clara and Jean. This is the only known footage of the great author.


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) ディスカヴァー21編集部 1999
人類は危険なまでに異常な人々と、
それほどではないが異常な人々とから
構成されている。

   ジョン・P・ホームズ+カリン・バジ=編
   ディスカヴァー21編集部=訳
   『世界一の毒舌家 マーク・トゥエイン150の言葉
   ディスカヴァー21 1999/11


(J2) 大久保博 1988
人類を構成しているもの
それは
危険なほどに狂った
人間と
それほどではない
狂人だ

   マーク・トウェイン=著 大久保博=編訳
   『ちょっと面白い話』 必読名作シリーズ
   旺文社文庫 1988/03


■フランス語訳 Translation into French

L'espèce humaine se divise entre les fous dangereux et les autres

   Mark Twain
   E-text at:
   * La republique des livres, le blog de Pierre Assouline
   * Alexandrie Online


■英語原文 The original text in English

The human race consists of the dangerously insane and such as are not.

   Mark Twain's Notebook, 1902-1903
   E-text at:
   * TwainQuotes.com
   * Cheap Thoughts by Mr. Kevin A. Boudreaux, Angelo State University


■マーク・トウェインのノートブック Mark Twain's notebook
Mt20
     Click the image to enlarge

Image source: Mark Twain at Large: His Travels Here and Abroad, An Exhibition from The Mark Twain Papers of The Bancroft Library, University of California, Berkeley


■Twain の日本語表記のゆれ
 Transliteration variations of "Twain" in Japanese

"Twain" の日本語表記としては、おもに次の4種類が行なわれているようです。
トウェイン……約 542,000 件(Google 検索のヒット数。2012-09-26 現在)
トゥエイン……約 189,000 件(〃)
トウェーン ……約 37,700 件(〃)
トゥエーン………約 3,620 件(〃)


■tomokilog 関連記事
 Related articles from tomokilog:

* Cannibalism in the Cars 人喰い列車 by Mark Twain, 2006/11/28
* Jumping Frog by Mark Twain, 2006/05/06
* The Adventures of Tom Sawyer by Mark Twain, 2005/10/29


■更新履歴 Change log

2010-04-15 トーマス・エジソンがマーク・トウェインを撮影した無声
         フィルムの YouTube 動画を追加しました。


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Tuesday, 28 November 2006

Cannibalism in the Cars by Mark Twain マーク・トウェイン 「列車内の人食い事件」「人喰い列車」「車中人肉を喰ふ話」「雪に埋もれた汽車」

 Video 
Biography of Mark Twain (1835-1910) Part 1 of 5

Uploaded to YouTube by dizzo95 on 5 Feb 2008


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

(……)
  “你打算给我讲——”
  “请不要打断我的话。早饭后我们推选了一个从底特律来的名叫沃克的人当晚餐。他很不错,我后来给他老婆写信就是这么说的。怎么夸他都不过份,我将永远怀念沃克。他煮得嫩了点儿,可是非常好。第二天早上,我们又把亚拉巴马州的摩尔根当早餐。他是我们享用过的最好的人之——仪表堂堂,很有教养,文质彬彬,能流利地讲几种语言——一个十全十美的绅士——他是个十全十美的绅士,油水多得出奇。晚饭我们选的是那个俄勒冈的老头儿,他的确是个骗人的货色,这一点毫无疑问——又老又瘦又粗,谁也无法形容那种状况。(……)”

   《火车上的嗜人事件》  马克·吐温 译者:蒲隆
   E-text at 语文备课大师


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

(……)
  “你打算給我講——”
  “請不要打斷我的話。早飯后我們推選了一個從底特律來的名叫沃克的人當晚餐。他很不錯,我后來給他老婆寫信就是這么說的。怎么夸他都不過份,我將永遠怀念沃克。他煮得嫩了點儿,可是非常好。第二天早上,我們又把亞拉巴馬州的摩爾根當早餐。他是我們享用過的最好的人之——儀表堂堂,很有教養,文質彬彬,能流利地講几种語言——一個十全十美的紳士——他是個十全十美的紳士,油水多得出奇。晚飯我們選的是那個俄勒岡的老頭儿,他的确是個騙人的貨色,這一點毫無疑問——又老又瘦又粗,誰也無法形容那种狀況。(……)”

   《火車上的嗜人事件》 作者:馬克·吐溫 譯者:蒲隆
   E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)


■日本語訳 Translations into Japanese

(1) 勝浦 1993
(……)
 「あなたが話そうとなさるのは——」
 「どうか口を出さないで下さい。朝食後わたしたちは、デトロイトから来たウォーカーという男を夕食に選びました。この人はとてもおいしかったです。わたしは後で、この男の奥さんにそう書いておきました。彼は絶賛するだけの値打はありました。ウォーカーは決して忘れません。少々生(なま)焼けだったが、実においしかった。それから翌朝は、アラバマのモーガンを朝食にしました。これまでじゃ最高のご馳走の一人でした——ハンサムで、教養もあり、洗練されていて、数カ国語をペラペラ——全く申し分のない紳士でした——確かに完璧な紳士で、珍しいほど汁っけの多い人でした。夕食には、オレゴンのあの長老をやりましたが、奴は確かに(#原文は太字でなく傍点)ペテン師で、この点についちゃ疑問の余地はありません——年をとっていて、痩せこけて、硬くて、何とも想像のしようもありません(……)」

   マーク・トウェイン=著 勝浦吉雄(かつうら・よしお)=訳
   「列車内の人食い事件」
   『マーク・トウェイン短編全集(上)』 文化書房博文社 1993/11 所収


(2) 坂下 1977
(……)
 「まさか、あなた、そんな馬鹿な——」
 「話の腰を折らんでくれよ、まあ。朝飯の次は、おいらは、デトロイトのウォーカーを昼飯用に選出したな。こいつがまた、とってもうめえんでよ。おれは後で奴の細君に手紙を書いちゃってさ。奴はあらゆる賞讃に値する人間よな。ウォーカーの味は生涯忘れるもんじゃねえ。ちょっぴり生焼(なまやけ)だったけどさ、それがとってもうめえんだぜ。それから翌る朝は、アラバマのモーガンを食っちまった。おれが箸(はし)をつけたもんで、あんな最高の美味は存在しないっていう人間の一人だろうぜ——美男で、教育があって、洗練されてて、数カ国語をぺらぺらやれて——完全な紳士ってとこよな——そうさ、完全な紳士で、汁もたっぷりあらあな。昼飯には、例のオレゴンのおっさんを食っちまったけどよ、こいつが詐欺師だってことはもう疑問の余地はねえや——おいぼれの、骨と皮だらけ、ごついのなんのって、この現実感を描ける文学者がいるもんかってんだ!(……)」

   マーク・トウェイン=作 坂下昇(さかした・のぼる)=訳
   「人喰い列車」
   『バック・ファンショーの葬式 他十三篇』 岩波文庫 1977/06 所収


(3) 鍋島 1976
(……)
 「あなたが話そうとなさるのは——?」
 「どうか口を出さないで下さい。朝飯の後、われわれは、デトロイトからきたウォーカーという名前の男を、夕飯の食物に選んだのだった。奴はなかなかうまかったのです。私は後で、女房へそう手紙に書いてやったんですがね。奴はどんなに褒めてもいいくらいだ。ウォーカーは決して忘れない。奴は少し珍しい方だったが、とてもうまかったのだ。それから次の朝、われわれはアラバマ州のモーガンを朝飯に食った。奴のような立派な男に向かったことはない。——男っぷりもよく、教育もあり、洗練されていて、二三カ国語もぺらぺら喋る——申し分のない紳士だった——たしかに申し分のない紳士であって、珍しいほど汁っ気も多かったのです。夕飯の食物には、あのオレゴン州の長老をやっつけた。奴は確かに(#「確かに」に傍点)まやかしものであった。これは疑いもないことだ。——年とって、痩せこけて、固くって、本当に何といってよいやら分らない。(……)」

   マーク・トウェーン=作 鍋島能弘(なべしま・のりひろ)=訳
   「列車内の人食い事件」
   『マーク・トウェーン短篇全集1』 出版協同社 1976/05 所収

   原文の "rare" を「レア=生焼け」でなく「珍しい」と誤訳しているのは、
   いまとなってみれば、ご愛嬌か?(笑) - tomoki y.


(4) 杉木 1932
(……)
 「ぢや、どうでせう、一つお話して下さらないでせうか——」
 まあ、默つて聽いてゐて下さい、どうぞ。朝食後、私たちは、デトロイトのウォーカーといふ人を夕食に選びました。この人は素的でしたね。後になつて、私はその人の奥さんにそのことを書き送つて上げました。あの人は實に賞讃に値した人でしたよ。私はウォーカーといふ名前はいつも忘れないことゝ思ひます。少し生燒けでしたが、實に素的でした。それから翌朝はアラバマのモーガンを朝食にしました。その人は私が御馳走になつた人のうちでは一等素的な人でした——美男で、教育があり、洗練されてゐて、數ヶ國の言葉を流暢に喋り——何といひますか、まあ完全な紳士ですね——全く完全な紳士で、而も非常に汁氣(つゆけ)の多い人でした。夕食にはあのオレゴンの大長老を御馳走になりましたが、あの人はぺてん師でしたよ。それはたしかです——年を老つてゐて、骨張つてゐて、硬くつて、誰もその本當の姿を想像しかねますね。(……)

   Mark Twain 著 杉木喬(すぎき・たかし)=譯註 「車中人肉を喰ふ話」
   『ユーモア・小説集』 英學生文庫 第16卷
   春陽堂 1932/10(昭和7)所収
   (奥付の譯註者表示は、末弘淺次郎)


(5) 梅田=編 1928
 朝の食事がすんでから、私たちは夕食のためにデトロイド州のウォーカといふ男を選出いたしました。この男は非常に結構でした私はこの男の細君に、そのことを後日報告してやりましたよ。實にその味ひは賞讃に値するものがありましたからね。私はウォーカを永久に忘れません。ちよつと風變りな味ひではあつたが、なか/\うまかつたです。
 さて、又、その翌朝はアラバマのモルガンを採用しました。モルガンは今までのうちで最も美味でした。彼は美男で、上品で、數ヶ國語を自由にあやつる、完全な紳士でした。しかもたつぷりと汁氣(しるけ)がありました。
 その夕食には、あのオリガンの長老ドエイビスが選に當つたといふわけです。この人はあの議會討論の時に、ごまかしものだと云はれましたが、なる程やつぱりその通りでしたね。老ぼれてゐて、骨と皮ばかりで、硬(かた)くて、全く齒のたゝない代物(しろもの)でしたよ。それも貴方がたの想像も及ばぬ程度の代物なんです。(……)

   原作: マーク・トウェイン(目次の表記)
       マーク・トゥウェイン(本文13ページの表記)
    「二、ユーモラスな話五篇」 雪に埋もれた汽車
   梅田寛=編 『諧謔文學 外國後篇』 名作物語
   文敎書院 1928/08/01(昭和3)所収
   雪・選・又・採・通の旧字は新字で置き換えました。


■Sketches New and Old

Cannibalism_1
↑Click to enlarge↑

Cannibalism in the Cars in Sketches New and Old, Part 7, by Mark Twain. Image source: Project Gutenberg


■スペイン語訳 Translation into Spanish

  —¿Me quiere usted decir que realmente usted...?
  —No me interrumpa, se lo ruego.
  «Después de aquel frugal almuerzo, había que pensar en la comida; elegimos a un talWalker, oriundo de Detroit. Era excelente; se lo escribí a su mujer algo después. Noolvidaré en mi vida a Walker. ¡Qué plato tan delicioso! Algo delgado, pero suculento a pesar de todo. Al día siguiente, nos regalamos con Morgan, de Alabama, para almorzar.Era uno de los hombres más atractivos que yo haya visto nunca; apuesto, elegante, demodales distinguidos; hablaba corrientemente varios idiomas; en suma, un muchachocompleto, que nos proporcionó un jugo muy gustoso. Para la comida, nos prepararon elviejo patriarca del Oregón. Con él recibimos un buen «escopetazo»: viejo, seco, coriáceo,fue imposible de comer.

   Canibalismo en los vagones
   in Narraciones by Mark Twain
   E-text at Scribd


 Audio 1 
フランス語訳のオーディオブック(朗読) Audiobook in French

下に引用する箇所は 20:05 あたりから。 The excerpt below starts around 20:05.


■フランス語訳 Translation into French

— Me donnez-vous à entendre que réellement vous... ?
— Ne m'interrompez pas, je vous en prie.
« Après ce frugal déjeuner, il fallait songer au dîner ; nous portâmes notre choix sur un nommé Walker, originaire de Détroit. Il était excellent ; je l'ai d'ailleurs écrit à sa femme un peu plus tard. Ce Walker ! je ne l'oublierai de ma vie ! Quel délicieux morceau ! Un peu maigre, mais succulent malgré cela. Le lendemain, nous nous offrîmes Morgan de l'Alabama pour déjeuner. C'était un des plus beaux hommes que j'aie jamais vus, bien tourné, élégant, distingué de manières ; il parlait couramment plusieurs langues ; bref un garçon accompli, qui nous a fourni un jus plein de saveur. Pour le dîner, on nous prépara ce vieux patriarche de l'Orégon. Là, nous reçûmes un superbe « coup de fusil » ; — vieux, desséché, coriace, il fut impossible à manger. Quelle navrante surprise pour tous !

   Cannibalisme en voyage
   in Plus fort que Sherlock Holmès by Mark Twain
   E-text at Project Gutenberg


 Audio 2 
英語原文のオーディオブック(朗読: マイク・ベネット)
The Cannibalism in the Cars. Audiobook in English. Read by Mike Bennett.

下に引用する箇所は 20:16 あたりから。 Uploaded to YouTube by angrypyjamas on 12 Nov 2011. The excerpt below starts around 20:16.


■英語原文 The original text in English

(......)
"Do you mean to tell me that--"
"Do not interrupt me, please. After breakfast we elected a man by the name of Walker, from Detroit, for supper. He was very good. I wrote his wife so afterward. He was worthy of all praise. I shall always remember Walker. He was a little rare, but very good. And then the next morning we had Morgan of Alabama for breakfast. He was one of the finest men I ever sat down to handsome, educated, refined, spoke several languages fluently a perfect gentleman he was a perfect gentleman, and singularly juicy. For supper we had that Oregon patriarch, and he was a fraud, there is no question about it--old, scraggy, tough, nobody can picture the reality. (......)"

   Cannibalism in the Cars
   Written circa 1867 by Mark Twain
   Sketches New and Old, Part 7
   E-text at Project Gutenberg


■更新履歴 Change log

2013/07/16 スペイン語訳を追加しました。
2013/07/15 フランス語版朗読の YouTube 画面とフランス語訳を追加しました。
2012/09/02 梅田寛=編 1928/08/01 とマイク・ベネットによる朗読の YouTube
         動画を追加しました。
2011/04/01 中国語訳(簡体字)を追加しました。
2010/05/20 Biography of Mark Twain (1835-1910 part 1 of 5) の
         YouTube 動画を追加しました。
2007/09/04 杉木喬=譯註 1932/10 を追加しました。
2007/07/27 勝浦吉雄=訳 1993/11 を追加しました。


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Saturday, 06 May 2006

The Celebrated Jumping Frog of Calaveras County by Mark Twain マーク・トウェイン 「その名も高きキャラヴェラス郡の跳び蛙」

        目次 Table of Contents

■はじめに Introduction
 Video 1  マーク・トゥエインの大冒険 (1986) The Adventures of Mark Twain (1986)
■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese
■邦訳リスト(未完) Incomplete list of Japanese translations
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J0) 堀川 2017
  (J1) 柴田 2010, 2013, etc.
  (J2) 勝浦 1993
  (J3) 野崎 1988
  (J4) 大久保 1985
  (J5) 浅倉 1984
  (J6) 須山 1980, 2007
  (J7) 三浦 1979
  (J8) 坂下 1977
  (J9) 井上 1968, 1986
  (J10) 大橋 1961, 1976
  (J11) 古沢 1961
  (J12) 上野 1960
  (J13) 鍋島 1959, 1976
  (J14) 杉木 1932
  (J15) 梅田=編 1928
  (J16) 柳田 1926
  (J17) 佐々木 1912, 1929, etc.
  Image   イラストレーション Illustration
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ドイツ語訳 Translation into German
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■スペイン語訳 Translations into Spanish
  (Es1) Calvo, 2002
  (Es2)
■フランス語訳 Translations into French
  (F1) 1867 (from the English edition of 1865)
  (F2) de Lautrec, 1865
 Audio 1  朗読 Audiobook in English 1
 Audio 2  朗読 Audiobook in English 2. Read by Kara Shallenberg (LibriVox)
 Video 2  ビデオブック Videobook in English with Shep O'Neal
■英語原文 The original text in English
■出版履歴、題・版の異同 Publication history and alternate titles and editions
■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese
 Video 3  マーク・トウェイン (2001) TV documentary Mark Twain (2001)
■外部リンク External links
■更新履歴 Change log


■はじめに Introduction

短篇「その名も高きキャラヴェラス郡の跳び蛙」はマーク・トゥエインの作家としての最初の大ヒット作。彼はこの作品で全米に知られるようになった。


 Video 1 
ウィル・ヴィントン監督によるクレイ・アニメ
マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅 (1986)
The Adventures of Mark Twain (1986) directed by Will Vinton


■中国語訳(簡体字)Translation into simplified Chinese

(……)别的不说,要比谁最古怪,他算得上天下第一。只要能找到一个人愿打赌,他就赔,碰上什么就赌什么。别人要是不愿赌黑,他就赔黑;别人不愿赌白,他就赌白。不管怎么样,别人想怎么赌,他都陪着——不管怎么样,只要能赌得起来,他就舒服了。(……)赛的要是马,收场的时候他不是赢得满满当当,就是输得一干二净;如果斗的是狗,他赌;斗的是猫,他赌;斗的是鸡,他还赌;嘿,就算有两只鸟落在篱笆上,他也要跟你赌哪一只先飞(……)

   《卡县名蛙》 作者:马克·吐温
   E-text at 天涯在线书库 (www.tianyabook.com)


■中國語譯(繁體字)Translation into traditional Chinese

(……)別的不說,要比誰最古怪,他算得上天下第一。只要能找到一個人愿打賭,他就賠,碰上什么就賭什么。別人要是不愿賭黑,他就賠黑;別人不愿賭白,他就賭白。不管怎么樣,別人想怎么賭,他都陪著——不管怎么樣,只要能賭得起來,他就舒服了。(……)賽的要是馬,收場的時候他不是贏得滿滿當當,就是輸得一干二淨;如果斗的是狗,他賭;斗的是貓,他賭;斗的是雞,他還賭;嘿,就算有兩只鳥落在篱笆上,他也要跟你賭哪一只先飛(……)

   《卡縣名蛙》 作者:馬克·吐溫
   E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)


国立国会図書館 NDL-OPAC 等による邦訳リスト(未完)
 Incomplete list of Japanese translations according to the
 National Diet Library NDL-OPAC, etc.

以下のリストは「タイトル:蛙、著者:トウェイン」などで検索した結果です。出版年順の新→旧。邦題の異同、表記のゆれなどのため、完全に網羅的な検索には、なっていません。★の付いたタイトルは、下に訳文の抜粋を紹介したものです。
Excerpt from the title with a star (★) is shown below.

★ 0.     世界が若かったころ / 堀川志野舞. -- 理論社, 2017.01
  1.     ジム・スマイリーの跳び蛙 / 柴田元幸. -- 2014. -- (新潮文庫)
★ 2.     アメリカンマスターピース 古典篇 -- スイッチ・パブリッシング, 2013.10.
  3.     モンキービジネス / ヴィレッジブックス, 2010.7. -- (vol.10 アメリカ号)
★ 4.     パックンマックンが選ぶ旅と冒険の話集 / 学習研究社, 2007.2.
★ 5.     明治翻訳文学全集. 新聞雑誌編 20 / 大空社, 1996.10
  6.     クイーンの定員. 1 / エラリー・クイーン[他]. -- 1992.3. -- (光文社文庫)
★ 7.     ちくま文学の森. 10 / 筑摩書房, 1988.7
★ 8.     新選マーク・トウェイン傑作集 / 大久保博. -- 1985.1. -- (旺文社文庫)
★ 9.     クイーンの定員. 1 / エラリー・クイーン[他]. -- 光文社, 1984.5
★10.     バック・ファンショーの葬式 / マーク・トウェイン[他]. -- 1977.6. -- (岩波文庫)
★11.     マーク・トウェーン短篇全集. 第1巻 / 鍋島能弘. -- 出版協同社, 1976.5
★12.     世界文学全集. 第25. -- 筑摩書房, 1968
★13.     マーク・トウエン短編集 / 古沢安二郎. -- 1961. -- (新潮文庫)
★14.     キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙・怪物 / 南雲堂, 1960.
★15.     マーク・トウェーン短篇全集. 第1巻. -- 鏡浦書房, 1959
★16.     ユーモア・小説集 / Mark Twain[他]. -- 春陽堂, 1932.10.(昭和7)
★17.     諧謔文學 外國後篇 / 文敎書院, 1928.8.(昭和3)
★18.     世界短篇小説大系. 亞米利加篇 / 近代社. -- 近代社, 1926(大正15)


■日本語訳 Translations into Japanese

(J0) 堀川 2017
……だがとにかく、スマイリーって男はとんでもない変わり者で、目の前にあるもんはなんでも賭けの種にしてた。自分の裏に賭けるやつがいれば賭けて、裏に賭けるやつがいなけりゃ自分が裏に回って、表に賭けるやつを探して——相手がどっちに賭けようと、こっちはお構いなしってわけよ——とにかく賭けさえできりゃ、それだけで満足だったんだ。(中略)競馬があれば、レースが終わる頃にはボロ儲けしてるか、すっからかんになってるかのだっちかだった。犬が闘ってりゃあ、賭けた。猫が闘ってりゃあ、賭けた。鶏が闘ってりゃあ、賭けた。塀に鳥が二羽止まってりゃあ、どっちの鳥が先に飛び立つか賭けようぜって言う……


(J1) 柴田 2010, 2013, etc.
……けど何にせよあんなに変わった男はおらんかったな、何せ賭けの種と見ればとにかく何にでも相手を探すんだ、で、誰も賭けないと見ると、じゃあ俺がそっちに賭けるからあんたこっちに賭けないか、あんたがよければ俺もそれでいいから、なんて言って、とにかく賭けさえできりゃ満足なわけさ。(中略)競馬をやってたら、レースが終わったときにはたんまり儲けてるか文なしになってるか。闘犬やってりゃ犬に賭ける。闘猫(とうびょう)やってりゃ猫に賭ける。闘鶏やってりゃ鶏に賭ける。何しろ柵に鳥が二羽とまってたって、どっちが先に飛び立つか賭けようぜって言ってくるし……

   マーク・トウェイン=著 柴田元幸(しばた・もとゆき)=訳
   「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」
   1a. 柴田元幸=訳 『ジム・スマイリーの跳び蛙 マーク・トウェイン傑作選
      名作新訳コレクション  新潮文庫 2014/09/01
   1b. 柴田元幸=編訳 『アメリカンマスターピース 古典篇』 柴田元幸翻訳叢書
      スイッチ・パブリッシング 2013/10/19
   1c. 柴田元幸=責任編集 『モンキービジネス 2010 Summer vol.10
      ヴィレッジブックス 2010/07/20 所収
   1b.1c. に加筆・訂正を施したもの。1a. はさらに修正を加え、1b. 1c.
   異なり、題を「ジム・スマイリーの跳び蛙」に変更したもの。引用は 1b.
   拠りました。


(J2) 勝浦 1993
……奴は賭けの相手さえいれば、見るもの何でも必ず賭(か)けをせずにはおれん、全くもって妙な性分の男よ。相手が自分と同(おんな)じ丁(#「丁」に傍点)じゃ賭けにならんから、その時は自分は半(#「半」に傍点)に回る。とにかく、相手が満足なら、自分は(#「自分は」に傍点)どっちでもいいってわけだ。(中略)競馬でもありゃ、終り時分には、札ビラを切ってるか、文なしになってるかの、どっちかだ。闘犬があるっていうと、それに賭ける。ネコの喧嘩がありゃ賭ける。闘鶏にも賭ける。さらにだよ、塀に小鳥が止まってると、どっちが先に飛び立つかってんで賭ける。……

   マーク・トウェイン=著 勝浦吉雄=訳
   「キャラヴェラス郡の跳び蛙が評判になる」
   『マーク・トウェイン短編全集(上)』 文化書房博文社 1993/11 所収


(J3) 野崎 1988
……賭(か)けの相手が見つかりさえすれば、手当り次第になんにでも賭けるんだよ。相手がいやだといえば、じゃ逆のほうへ賭けろという。どっちだって、相手の気に入りさえすれば、それで自分も異存はねえ——とにかく、賭けになりさえすれば、それでやっこさんは満足なんだな。(中略)競馬でもあれば、やっこさん、にわかに大尽(だいじん)になったり、おしまいにすってんてんになってみたり。犬の喧嘩(けんか)があるといっては賭け、猫(ねこ)の喧嘩があるといっては賭け、鶏(にわとり)の喧嘩があるといっては賭け、それどころか、おまえさん、鳥が二羽、柵(さく)の上にとまっているとするだろう、そうするてえと、やっこさん、どっちの鳥が先に飛び立つかで賭けをやるんだ。……

   マーク・トウェイン=著 野崎孝=訳
   「その名も高きキャラヴェラス郡の跳び蛙」
   安野光雅[ほか]=編 『ちくま文学の森10 賭けと人生
   筑摩書房 1988/07 所収


(J4) 大久保 1985
……とにかく実に奇妙な男でな、いつも手あたり次第、なんにでも賭けておった。誰かをつかまえて、反対の側に賭けさせることができれば、すぐに賭けておった。そして相手がそっちの側じゃいやだと言えば、そんならオレがそっちへ回ろうってんで、——とにかく相手が自分の気に入る方に賭けさえしてくれりゃあ、それでいいんだ。——どっちだって相手が賭けてくれりゃあ、奴(やっこ)さん満足しておった。(中略)競馬がありゃあ、また賭ける。その終わったときの奴は、ガッポリかスッテンテンかのどちらかだった。犬のケンカがありゃああったでまた賭ける。ネコのケンカでも賭ける。ヒヨコのケンカだって賭けるんだ。それどころか、小鳥が二羽、柵の上にとまっていりゃあ、そのどっちが先に飛ぶかで賭けてくるんだ。……

   大久保博=編訳 「ジム・スマイリーと彼のだいじな跳び蛙」
   『新選マーク・トウェイン傑作集』 旺文社文庫 1985/01 所収


(J5) 浅倉 1984
……これが世にもふしぎな野郎で、見るもの、見るもの、手当たりしだい金を賭けなきゃおさまらんたちなんよ、賭けに応じる相手がいればよし、いねえとなりゃ自分が反対側に張ろうと言い出す。とにかく、相手が好きなほうに賭けてくれりゃそれで結構——賭けができるだけでこっちは満足だとな。(中略)競馬がありゃ、やつは最後の最後まで張って、お大尽になるか、すってんてんになる。闘犬がありゃ、それに賭ける。闘鶏がありゃ、それに賭ける。闘ネコがありゃ、それに賭ける。なあに、鳥が二羽柵にとまっているのを見てもよ、どっちが先に飛ぶか賭けようとおいでなさる。……

   マーク・トウェイン=著 浅倉久志=訳
   「世にも名高いキャラヴェラス郡の跳び蛙」
   エラリー・クイーン=原編 各務三郎=編
   『クイーンの定員1』 光文社 1984/05 所収
 
   原書:
   Queen's Quorum: A History of the Detective Crime Short Story
   As Revealed in the 106 Most Important Books
   Published in This Field Since 1845,
   Edited by Ellery Queen.
   Hardcover: Biblo-Moser (1969)


(J6) 須山 1980, 2007
……やつはこのあたりじゃいちばん風変わりな男で、賭けをする相手がいさえすれば、どんな物が出てこようと、それで賭けをするんだ。もし相手がなければ、一人二役で敵味方になる。とにかくどんなやりかたでも相手がこれでいいと言えば、やつはそれでいいんだな——とにかく、賭けができさえすれば、やつ(#原文は太字でなく傍点)は満足している。(中略)競馬があれば、終わったころには、やつは大金持ちになっているか、さもなけりゃすっからかんになっている。闘犬があれば、やつはそれに賭ける。闘猫があればそれに賭ける。闘鶏があればそれに賭ける。いやはや、柵に鳥が二羽とまっていりゃ、どっちが先に飛び立つかと言って賭ける。……

   マーク・トウェイン=作 須山静夫(すやま・しずお)=訳
   「キャラヴェラス郡の有名な跳び蛙」
   6a. パックンマックン=選 『パックンマックンが選ぶ旅と冒険の話集
      中学生のためのショート・ストーリーズ2(全8巻)
      学習研究社 2007/02 所収
   6b. マーク・トウェイン=著 マックスウェル・ガイスマー=編
      ジャン-クロード・スワレス=絵
      『マーク・トウェイン動物園』 晶文社 1980/05 所収

   原書:
   The Higher Animals: A Mark Twain Bestiary
   edited by Maxwell Geismar, with drawings by Jean-Claude Suares
   Hardcover: Crowell (1976)


(J7) 三浦 1979
……あんな奇妙な男っていないよ。手近に相手さえいれば目の前のものは何でも賭けの種にしてしまうんだから。相手がどちらに賭けようとも、あいつは反対に賭ける奴だった。とにかく相手がやると言えば必ず受けてたつ。賭けさえできれば満足なんだから。(中略)競馬に行けば凄く勝つか文無しになるか。犬がけんかをすればそれに賭ける。猫がけんかをすればそれに賭ける。鶏がけんかをすればそれも賭ける。垣根に鳥が二羽いれば、どちらが先に飛ぶかでそれに賭ける。……

   マーク・トウェイン=著 三浦朱門=訳
   「キャラベラス郡の有名な跳ぶカエル」
   『世界文学全集2 マーク・トウェイン』(全50巻)
   学習研究社 1979/01 所収


(J8) 坂下 1977
……世にも不思議な野郎もいたもんで、物を見りゃ、手当たりしだいに賭(か)けたがるって癖があったもんよ。誰でもいいから、さし(#「さし」に傍点)でくる相手がいればそれでいいんだし、さし(#「さし」に傍点)でくる相手がいないんなら、手前がそっちに回ってでも賭けようというんだからな。相手がそっちで気がすむんなら、どっちだろうが、おれ(#「おれ」に傍点)はそれで気がすむのよ——どっちだろうが、いっちょ賭けができるってんなら、おれは(#「おれ」に傍点)それで満足よ、とそういうんだな。(中略)もしも競馬があるならば、きてみなよ。野郎は『フラッシュ』で大山(おおやま)を当てるか、どんづまりには、すってんてんになってるかのだっちかよ。もしも犬の喧嘩がありゃ賭ける。もしも猫が喧嘩をしてりゃ、また賭ける。軍鶏(しゃも)の喧嘩がありゃ、また賭ける。なあに、鳥が二羽、柵に棲(と)まってたって、どっちが先に飛び立つか、賭けてみねえかとくるんだからよ。……

   マーク・トウェイン=作 坂下昇=訳
   「その名も高きキャラヴェーラス郡の跳び蛙」
   『バック・ファンショーの葬式 他十三篇』 岩波文庫 1977/06 所収


(J9) 井上 1968, 1986
……いつでもなんでも賭けのたねにしちまう、世にも珍らしい男じゃった。反対に賭ける相手さえいればな。相手が反対に賭けねば、おのれが反対のほうに変るというくらいじゃ。どんな賭けじゃろうと、相手さえいれば、賭けるんじゃ。なんでもいいから、賭けにさえなれば満足なんじゃな。(中略)競馬があれば、あとでかならずあの男の、大もうけしとるとこか、すってんてんになったところが見られたじゃろう。犬の喧嘩がありゃ、それに賭けるし、猫の喧嘩があれば、それも賭け、鶏の喧嘩があれば、それも賭けじゃ。そうそう、垣根に小鳥が二羽とまってたら、あの男はどっちが先に飛び立つかというて、賭けにしたろ。……

   井上一夫(いのうえ・かずお)=訳 「その名も高きジャンプがえる」
   9a. 井上一夫=編訳 『アメリカほら話』 ちくま文庫 1986/07 所収
   9b. 井上一夫=編訳 『アメリカほら話』 筑摩書房 1968/08 所収


(J10) 大橋 1961, 1976
……この男は、このあたりでいちばんおかしなやろうでな、だれでも賭けの相手になる人間がいさえすれば、なんでも目についたもんで、しょっちゅう賭けごとをしおったもんじゃ。なに、相手側に賭ける人間がいなきゃ、賭ける側を交換しおったもんじゃよ。相手がよしといいさえすれば自分もええ——どんなあんばいでも、賭けごとができさすりゃ、やつのほうは(#「やつのほうは」に傍点)満足じゃといったありさまでな。(中略)競馬がありゃァ、しこたま儲けるか、それとも最後には一文なしになっちまう、闘犬がありゃァそれに賭ける、猫の喧嘩がありゃァそれに賭ける、闘鶏がありゃアまたそれに賭ける。いや、二羽の小鳥が柵にとまってりゃ、どっちが先に飛びたつかで賭けるし、……

   10a. マーク・トゥエーン=著 大橋健三郎=訳
      「キャラヴェラス郡の有名な跳びがえる」
      大橋健三郎=編 『アメリカ短篇名作集
      学生社 1961/09 所収
   10b. マーク・トウェーン=著 大橋健三郎=訳
      「キャラヴェラス郡の有名な跳びがえる」
      『豪華版 世界文学全集19 マーク・トウェーン』 講談社 1976/10
      に再録。
   10a.10b. とでは細部が異なります。たとえば下のように:
        10a.    10b.
        相手側 → 反対側
    競馬がありゃァ → 競馬がありゃア
      トゥエーン → トウェーン


(J11) 古沢 1961
……その男は実に妙な男で、賭けの相手さえあれば、いつだって目についたものは何にでも賭けないではいられない男で、相手が反対側に賭けるのがいやだと言えば、必ず自分がそのほうにまわるという具合で、とにかく相手さえ気に入ってくれれば、自分はどちらに賭けても構わない——つまり、賭けさえやっていれば満足しているという男だったよ。(中略)もし競馬があれば、終わると金をうんとポケットに入れたあいつか、さもなければ一文なしになっているあいつの姿を人は見かけるだろう。犬の喧嘩があれば、あいつはそれに賭けるし、猫の喧嘩があれば、それにも賭けるし、鶏の喧嘩があれば、それにも賭けるといった具合で、いや、それどころか、垣根の上に小鳥が二羽とまっていれば、どっちが先に飛び立つかということまで誰かと賭けをするんだ。……

   マーク・トウェイン=著 古沢安二郎=訳
   「噂になったキャラベラス郡の跳ぶ蛙」
   『マーク・トウェイン短編集』 新潮文庫 1961/01 所収


(J12) 上野 1960
……飛び切り妙な奴で、誰でも相手側に廻せさえすりゃ、何でも見る物を材料にして賭ける。出来ねえと、立場を変えてやる。相手方に都合が良けりゃ、自分の方も都合が良い——どんなにしても賭さえ出来りゃ、満足しとりました。(中略)競馬でもありゃ、それが終る頃にゃ、たんまり金を儲けておるか、一文なしになっておるか、どちらかなんで。犬の喧嘩があっても、それに賭ける、猫の喧嘩があっても、鶏の突合いがあっても、それぞれに賭ける。それどころか、垣根に小鳥が二羽とまっていても、どっちが先に飛び立つか賭ける。……

   マーク・トウェイン=著 上野直蔵(うえの・なおぞう)=訳
   「キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙」
   マーク・トウェイン、スティーヴン・クレイン=著
   『キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙・怪物
   双書・20世紀の珠玉19 南雲堂 1960/05 所収


(J13) 鍋島 1959, 1976
……奴は賭けの相手がいさえすりゃ、見るもの何にでも、きっと賭けをせずにはいられん性分の男じゃ。もし相手が出なけりゃ、立場を取っかえるんだ。相手にさえ気に入りゃ、自分は(#「自分は」に傍点)どちらの方でもいいってわけさ。——何でも賭けさえやれりゃ、やっこさん(#「やっこさん」に傍点)満足してたよ。(中略)競馬がありゃ、金持になるか、一文なしになるかどっちかだ。犬のけんかがありゃ、金を賭けるだろうし、猫のけんかがあればそれにも賭ける。ひよこのけんかがあっても、金を賭ける。鳥が二羽塀にとまっていれば、どっちが先に飛んでくかと賭けをやる。……

   13a. マーク・トウェーン=著 鍋島能弘(なべしま・のりひろ)=訳
      「キャラヴェラス郡の跳び蛙が評判になる話」
      『マーク・トウェーン短篇全集1』 出版協同社 1976/05 所収
   13b. マーク・トウェーン=著 鍋島能弘=訳
      「キャラヴェラス郡の蛙が跳びはねて評判になる」
      『マーク・トウェーン短篇全集 第1巻』 鏡浦書房 1959/05 所収


(J14) 杉木 1932
……一風變つた奴さんで、もし何でも其處いらに物があると、どんな物にでも賭ける。又、もしさういふ相手のない場合は自分が相手と變りもしたでせう。兎に角どつちでもこつちでもよかつたんですよ——いづれにせよ、賭事に浮身をやつしてゐれば、奴さん、それで天下泰平といふ譯でしたね。(中略)競馬でもあらうものなら、奴さん、終り時分には、きつと紙幣びらを切つてゐるか、一文なしになつてゐるかしてゐますよ。又、鬪犬があつたつて、奴さんはいつも賭ける。猫の喧嘩にだつて賭ける。鷄の蹴合ひにも賭けるといつた風です。まだまだ、垣根の上に鳥が二羽とまつてゐてさへ、どつちが先に飛び出すかつて賭けをする。……

   Mark Twain 著 杉木喬(すぎき・たかし)=譯註 「跳ねる蛙」
   『ユーモア・小説集』 英學生文庫 第16卷
   春陽堂 1932/10(昭和7)所収
   (奥付の譯註者表示は、末弘淺次郎)


(J15) 梅田=編 1928
だが、それにしても奴はとんでもない變りものでしたな。誰でも相手さへできりやあ、見るもの聞くもの何にだつて賭(かけ)をするんでさ。相手も自分も同じ丁(てう)で、それよかほかに仕方がないやうな賭にでも、奴はそれぢや俺は半(はん)だと出ると云つた工合で、どちら側から賭けようが苦情はない、とに角、賭けさへすれば大恐悅でしたよ。(中略)競馬があつたとなると、奴は紙幣(さつ)びらを切つてゐるか、それとも一文なしになつてゐる。鬪犬があれば、それに賭ける。猫の喧嘩にでも、鷄の蹴合(けあ)ひにでもかける。はては、垣根に鳥が二羽とまつてゐりや、おい君、ありやどちらが先に飛ぶだらう賭けをしようとやる。……

   マーク・トウェイン=著 二、ユーモラスな話五篇 「蛙の賭(かけ)ごと」
   梅田寛=編 『諧謔文學 外國後篇』 名作物語
   文敎書院 1928/08/01(昭和3)所収
   半・情の旧字は新字で置き換えました。


(J16) 柳田 1926
……此の男程何時も何時も賭け物の好きな男といつちやなかつたものさ、誰か相手方に立つて賭けてくれる人間さへあれば、何とはなしに眼の前に見える何んな品物にでも賭けるのだ、若し相手に自分と反對に賭けさせることが出來ないやうな場合が出來ると、自分が買つて出てその反對に賭けるといふ程だつた。兎にかく、相手がいゝといふものなら、自分でもいゝ、——何でもいゝ、たゞさうして賭けをしさへすれば、彼の方ぢやそれで滿足なんだ。(中略)競馬がある、と、すぐ彼の赤い顏して跳び出す姿が見える、或は端の方に身體を半分乘出してゐる姿が見える、犬の喧嘩がある、と、彼はすぐそれに賭けようといふ、猫の喧嘩がある、と、彼はすぐにそれに賭けようといふ、鷄の蹴合ひがある、と、彼はそれに賭けようといふ。それどころぢやない、垣根に小鳥が二羽とまつてゐる。と、何方が先にとぶか、それに賭けようといふ……

   マーク・トウエイン=作 柳田泉=譯 「名物跳び蛙」
   16a. 国立国会図書館マイクロフィッシュ YD5-H-520-45
   16b.世界短篇小説大系 亞米利加篇
      近代社(非賣品)1926/05(大正15)所収 この本の内容詳細は ここ
   引用は 16b. に拠りました。かなり傷んだ状態であるにもかかわらず、
   寛大にも、この本を貸し出してくださった、K県立図書館の皆さん、
   ならびに、いつもながら、取り寄せの労をとってくださった府立図書
   館の皆さんにお礼申し上げます。


(J17) 佐々木 1912, 1929, etc.

[a. 原文からルビを取り除いたもの]
……大將餘つ程變つてゐましたぜ。向ふへ廻つて相手になる者があれば何にでも賭をする。否、相手が進まない顏をすれば、此方が其方になつても宜いからやらうといふ調子でね。全く奴さんは何方へ廻つても苦情はない——兎に角賭さえ出來れば氣が済むのでした。(中略)一競馬あつた後は奴さんは紙幣びらを切つてゐるか、さもなければ一文なしになつてゐる。犬の噛合があれば賭ける。猫の喧嘩にも鷄の蹴合にも賭ける。其どころか鳥が二羽垣根に止つてゐれば、君、何方が先に飛ぶだらうか賭をしようと言ふ。……

[b. 原文 - 総ルビ]
……大將(たいしやう)餘(よ)つ程(ぽど)變(かは)つてゐましたぜ。向(むか)ふへ廻(まは)つて相手(あひて)になる者(もの)があれば何(なん)にでも賭(かけ)をする。否(いや)、相手(あひて)が進(すゝ)まない顏(かほ)をすれば、此方(こつち)が其方(そつち)になつても宜(い)いからやらうといふ調子(てうし)でね。全(まつた)く奴(やつこ)さんは何方(どつち)へ廻(まは)つても苦情(くじやう)はない——兎(と)に角(かく)賭(かけ)さえ出來(でき)れば氣(き)が済(す)むのでした。(中略)一競馬(けいば)あつた後(あと)は奴(やつこ)さんは紙幣(さつ)びらを切(き)つてゐるか、さもなければ一文(もん)なしになつてゐる。犬(いぬ)の噛合(かみあひ)があれば賭(か)ける。猫(ねこ)の喧嘩(けんくわ)にも鷄(とり)の蹴合(けあひ)にも賭(か)ける。其(それ)どころか鳥(とり)が二羽(は)垣根(かきね)に止(とま)つてゐれば、君(きみ)、何方(どつち)が先(さき)に飛(と)ぶだらうか賭(かけ)をしようと言(い)ふ。……

   17a. マーク、トウエーン=作 佐々木邦(ささき・くに)=訳
      「賭け蛙(かけかはづ)」
      川戸道昭+榊原貴教=編 ナダ出版センター=制作
      『明治翻訳文学全集 新聞雑誌編20 マーク・トウェイン集
      (全50巻・別巻2)大空社 1996/10 所収
   17b. マーク・トウヱーン=作 佐々木邦=訳 「跳ね蛙」
      『世界大衆文學全集10 マーク・トウヱーン名作集
      改造社 1929/03(昭和4)所収
   17c. マーク、トウエーン=作 佐々木邦=訳 「賭け蛙」
      『文芸倶楽部』1912/06(明治45)収載
   17a.17c. を複製したもの。初出誌は 17c.


  Image  
イラストレーション Illustration
Jumping_frog
Image source: "The Celebrated Jumping Frog of Calaveras by Mark Twain"
Frog Postcards From Different Places II


■ロシア語訳 Translation into Russian

[Omission] чудак он был порядочный: вечно держал пари по поводу всего, что ни попадется на глаза, лишь бы нашелся охотник поспорить с ним, а если не находился, он сам держал против. На что угодно, лишь бы другой согласился держать пари, а за ним дело не станет; все что угодно, лишь бы держать пари, он на все согласен. [Omission] Идут конские скачки - он, в конце концов, либо загребет хорошие денежки, либо проиграется в пух и прах; собаки дерутся - он держит пари; кошки дерутся - он держит пари; петухи дерутся - он держит пари; да чего там, сядут две птицы на забор - он и тут держит пари: которая улетит раньше; [Omission].

   Марк Твен - Знаменитая скачущая лягушка из Калавераса
   E-text at Cеверная Америка


■ドイツ語訳 Translation into German

[Omission] Aber wie dem auch sei, das war der merkwürdigste Kerl in der Gegend, da er ständig auf irgend etwas, das ihm gerade über den Weg lief, eine Wette abschloß, wenn er jemand finden konnte, der dagegen hielt ; und wenn er keinen fand, wechselte er die Seite. Was immer dem anderen recht war, war ihm recht - wenn er nur zu einer Wette kam, ganz gleich wie, war er zufrieden. [Omission] Wenn ein Pferderennen stattfand, schwamm er am Ende in Geld, oder er war pleite ; gab´s einen Hundekampf, Wettete er ; gab´s einen Katzenkampf, wettete er ; gab´s einen Hahnenkampf, wettete er ; na, wenn da zwei Vögel auf einem Zaun saßen, wettete er, welcher zuerst auffliegen würde ; [Omission]

   Der Springfrosch von Calaveras by Mark Twain
   E-text at kreklau.de


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

[Omission] o fato é que ele era o homem mais notável que se pode imaginar. A propósito de qualquer coisa, estava sempre disposto a fazer uma aposta. Era a sua mania. Se não podia levar o adversário para o lado contrário, mudava de opinião. O que ele queria era apostar. [Omission] Se se tratava de uma corrida de cavalos o nosso homem enriquecia ou ficava a nenhum. Se era de luta de cães, apostava; se uma briga de galos, apostava; se estavam dois pássaros pousados numa árvore, queria logo apostar qual dos dois voaria primeiro; [Omission]

   A célebre rã saltadora do Condado de Calaveras by Mark Twain
   E-text at Projeto Releituras


■スペイン語訳 Translations into Spanish

(Es1) Calvo, 2002
[Omission] En cualquier caso, aquel tipo tenía una fijación curiosísima por apostar sobre cualquier cosa que viniera o no al caso, siempre que pudiera encontrar a alguien que apostara por lo contrario. Y si no lo encontraba, entonces se cambiaba de bando. Cualquier cosa que le pareciera bien a su oponente le parecía bien a él; con tal de poder hacer una apuesta, ya estaba satisfecho. [Omission] Si había una carrera de caballos, uno siempre lo encontraba a él arrebatado o bien desmoronado al final de la misma. Si había una pelea de perros, él apostaba. Si había una pelea de gatos, él apostaba. Si había una pelea de pollos, él apostaba. Caramba, si había dos pájaros posados en una cerca, él apostaba contigo acerca de cuál de los dos sería el primero en levantar el vuelo. [Omission]

   Mark Twain, La famosa rana saltarina de Calaveras County,
   in Richard Ford (ed).), Antologia del cuento norteamericano,
   Barcelona, Galaxia Gutenberg, 2002, translated by J. Calvo
   Reprinted in Tiempo de lectura. Textos para leer en clase
   by Antonio del Rey Briones. Ediciones AKAL‬, 2010-04
   Preview at Google Books


(Es2)
[Omission] siempre diré que jamás se ha visto hombre más particular: hacía apuestas sobre cualquier cosa, por cualquier cosa que a uno se le ponía por delante, con tal que hubiese alguien que apostase en contra; y si no había quien apostaba en contra, entonces era él quien apostaba contra el que apostaba a favor. Lo que él quería era que otro apostase, y él se acomodaba siempre a la apuesta… Con tal de apostar, estaba satisfecho. [Omission] Si se celebraba una carrera de caballos, al final de la misma lo veía usted cargado de dinero o despojado de hasta el último centavo; si surgía una pelea de perros, allá corría él a apostar; si dos gatos reñían, ya estaba él apostando; si se enzarzaban dos gallos, él apostaba por uno; bueno, hasta si dos pájaros se posaban en una rama, apostaba él a cuál de ellos volaría primero, [Omission]

   La célebre rana saltarina del distrito de Calaveras by Mark Twain
   E-text at Libros y Letras


■フランス語訳 Translations into French

(F1) 1867 (from the English edition of 1865)
[Omission] c’était l’homme le plus curieux, il pariait toujours sur tout ce qui se présentait, s’il pouvait avoir quelqu’un pour parier contre lui ; et sinon, il changeait de parti avec l’adversaire. [Omission] Les jours de courses, vous le trouviez, à la fin, rouge de plaisir ou dépouillé jusqu’au dernier sou. S’il y avait un combat de chiens, il pariait ; un combat de chats, il pariait ; un combat de coqs, il pariait. S’il voyait deux oiseaux perchés sur une haie, il pariait lequel s’envolerait le premier, [Omission].

   La Célèbre Grenouille sauteuse du comté de Calaveras
   by Mark Twain.
   Translation (1867) into French from the 1865 edition.
   E-text at Les Œuvres de Mark Twain (Utopia)


(F2) de Lautrec, 1865
[Omission] toujours est-il que jamais on ne vit homme plus curieux. Il pariait à propos de tout ce qui se présentait, pourvu qu’il trouvât un parieur. Tout ce qui allait à l’autre lui allait. Il lui fallait trouver son homme. Alors il était satisfait. Si l’on n’acceptait pas de parier dans un sens, il changeait de parti avec l’adversaire. [Omission] Les jours de courses, vous le trouviez, à la fin, rouge de plaisir ou dépouillé jusqu’au dernier sou. S’il y avait un combat de chiens, il pariait ; un combat de chats, il pariait ; un combat de coqs, il pariait. S’il voyait deux oiseaux perchés sur une haie, il pariait lequel s’envolerait le premier, [Omission].

   La Célèbre Grenouille sauteuse du comté de Calaveras
   by Mark Twain.
   Translation (1865) by Gabriel de Lautrec.
   E-text at Les Œuvres de Mark Twain (Utopia)


 Audio 1 
朗読 The Celebrated Jumping Frog of Calaveras County

下に引用する箇所は、2:21 あたりから始まる。Uploaded to YouTube by Myrmidon56 on Jul 11, 2011. The excerpt below starts around 2:21.


 Audio 2 
朗読 Celebrated Jumping Frog of Calaveras County - 1 of 2
Read by Kara Shallenberg. Audio courtesy of LibriVox

下に引用する箇所は、3:16あたりから始まる。 Uploaded to YouTube by ghettovr on Jun 14, 2009. The excerpt below starts around 3:16.


 Video 2 
ビデオブック Celebrated Jumping Frog of Calaveras County - 1 of 2
Videobook with Shep O'Neal

下に引用する箇所は、2:48あたりから始まる。 Uploaded by ListenAndReadAlong on 15 Jan 2013. The excerpt below starts around 2:48.


■英語原文 The original text in English

[Omission] he was the curiousest man about always betting on anything that turned up you ever see, if he could get anybody to bet on the other side; and if he couldn't he'd change sides. Any way that suited the other man would suit him any way just so's he got a bet, he was satisfied. [Omission] If there was a horse-race, you'd find him flush or you'd find him busted at the end of it; if there was a dog-fight, he'd bet on it; if there was a cat-fight, he'd bet on it; if there was a chicken-fight, he'd bet on it; why, if there was two birds setting on a fence, he would bet you which one would fly first; [Omission]


■出版履歴および題・版の異同 Publication history and alternate titles and editions

この作品には、原著者自身による複数の版があり、タイトルも

  1. Jim Smiley and His Jumping Frog
  2. The Celebrated Jumping Frog of Calaveras County
  3. The Notorious Jumping Frog of Calaveras County

の3種類が流通しています。テキストの異同など詳細については、上掲の各訳書の解説や Wikipedia などをご参照ください。

This story was first published in the November 18, 1865 edition of The Saturday Press as "Jim Smiley and His Jumping Frog. For more details, see Publication history - Wikipedia and other sources.


■邦題の異同 Variations of the title translated into Japanese

  「その名も高きキャラヴェーラス郡の跳び蛙」………坂下 1977
  「その名も高きキャラヴェラス郡の跳び蛙」…………野崎 1988
  「その名も高きジャンプがえる」………………………井上 1968, 1986
  「キャラベラス郡の有名な跳ぶカエル」………………三浦 1979
  「キャラヴェラス郡の蛙が跳びはねて評判になる」…鍋島 1959
  「キャラヴェラス郡の跳び蛙が評判になる」…………勝浦 1993
  「キャラヴェラス郡の跳び蛙が評判になる話」………鍋島 1976
  「キャラヴェラス郡の名高き跳び蛙」…………………上野 1960
  「キャラヴェラス郡の有名な跳びがえる」……………大橋 1961, 1976
  「キャラヴェラス郡の有名な跳び蛙」…………………須山 1980, 2007
  「ジム・スマイリーと彼のだいじな跳び蛙」…………大久保 1985
  「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」……………………柴田 2010, 2013
  「ジム・スマイリーと跳び跳ねる蛙」…………………堀川 2017
  「ジム・スマイリーの跳び蛙」…………………………柴田 2014
  「噂になったキャラベラス郡の跳ぶ蛙」………………古沢 1961
  「蛙の賭ごと」……………………………………………梅田 1928
  「世にも名高いキャラヴェラス郡の跳び蛙」…………浅倉 1984
  「跳ねる蛙」………………………………………………杉木 1932
  「跳ね蛙」…………………………………………………佐々木 1929
  「賭け蛙」…………………………………………………佐々木 1912, 1996
  「名物跳び蛙」……………………………………………柳田 1926


 Video 3 
テレビ・ドキュメンタリー 『マーク・トウェイン』 (2001)
TV documentary Mark Twain (2001)

監督: ケン・バーンズ ナレーター: キース・デヴィッド Uploaded to YouTube by Ken Burns on 30 Jul 2012. Director: Ken Burns. Narrator (voice): Keith David. More info at PBS.


■外部リンク External links


■更新履歴 Change log

  • 2018/03/04 堀川志野舞=訳 2017/01 を追加しました。
  • 2014/08/29 柴田元幸=訳の書誌情報を補足しました。
  • 2013/11/28 柴田元幸=訳の書誌情報を補足・修正しました。
  • 2013/07/08 外部リンクの項を新設しました。また、シェプ・オニールによるビデオブックの YouTube 動画も追加しました。
  • 2013/07/07 目次を新設しました。
  • 2012/12/02 「はじめに」の項とテレビ・ドキュメンタリー 『マーク・トゥエイン』 (2001) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2012/09/02 梅田寛=編 1928/08/01 を追加しました。また、朗読の YouTube 画面をもうひとつ追加しました。
  • 2012/06/25 ドイツ語訳と、もう1種類のスペイン語訳を追加しました。
  • 2011/05/09 ロシア語訳と2種類のフランス語訳を追加しました。
  • 2011/01/22 ポルトガル語訳とスペイン語訳を追加しました。
  • 2010/11/07 中国語訳(簡体字)と柴田元幸=訳 2010/07/20 を追加しました。
  • 2010/04/15 『マーク・トゥエインの大冒険/トム・ソーヤーとハックルベリーの不思議な旅』 (1986) の YouTube 動画を追加しました。
  • 2010/04/04 朗読の YouTube 動画を追加しました。
  • 2009/03/08 「邦題の異同」の項を追加しました。
  • 2008/07/29 柳田泉=譯 1926/05 を追加しました。
  • 2008/01/14 須山静夫=訳 2007/02 を閲読し、これが須山静夫=訳 1980/05 と同文であることを確認しました。
  • 2007/09/04 上野直蔵=訳 1960/05、および杉木喬=譯註 1932/10 を追加しました。
  • 2007/08/21 三浦朱門=訳 1979/01 を追加しました。
  • 2007/08/06 大久保博=編訳 1985/01 を追加しました。また、国立国会図書館 NDL-OPAC による邦訳リストの項を新設しました。
  • 2007/07/10 井上一夫=訳 1986/07, 1968/08 を追加しました。また、鍋島能弘=訳の2つの版、すなわち出版協同社1976年版と鏡浦書房1959年版とを比べて、両者が同文であることを確認しました。
  • 2007/07/06 須山静夫=訳 1980/05 を追加しました。また、書誌情報を補足しました。
  • 2007/07/02 佐々木邦=訳 1912/06, 1996/10 を追加しました。
  • 2006/11/27 大橋健三郎=訳 1976/10 を追加しました。また、書誌情報を修正・補足しました。
  • 2006/08/20 鍋島能弘=訳 1976 を追加しました。また、Amazon.co.jp の該当ページへのリンク、および電子テキストの該当ページへのリンクを張りました。

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(1) 「マーク・トウェイン短編」

(2) 「マーク・トウェーン短篇」

 

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Saturday, 29 October 2005

The Adventures of Tom Sawyer by Mark Twain マーク・トウェイン 『トム・ソーヤーの冒険』

        目次 Table of Contents

 Video 1  アニメ どうぶつ村のトム・ソーヤー (2000)  Tom Sawyer (2000)
 Video 2  アニメ トム・ソーヤ (1960)  Mel-O-Toons Tom Sawyer (1960)
 Video 3  トム・ソーヤ (1938) The Adventures of Tom Sawyer (1938)
 Video 4  トム・ソーヤの冒険 (1930)  Tom Sawyer (1930)
■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese
■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese
■日本語訳 Translations into Japanese
  (J1) 土屋 2012
  (J2) 柴田 2011, 2012
  (J3) 大久保(博) 2005
  (J4) 柿沼 1996
  (J5) 亀山 1987
  (J6) 高杉 1975
  (J7) 吉田 1975
  (J8) 大塚 1975
  (J9) 鈴木 1972
  (J10) 斎藤 1964
  (J11) 佐々木 1961
  (J12) 大久保(康) 1953
  (J13) 石井 1952
  (J14) 佐藤 1952
  (J15) 石田 1946
  (J16) 佐々木 1929
 Image  ノーマン・ロックウェルによる挿絵
■ロシア語訳 Translation into Russian
■ポーランド語訳 Translation into Polish
■ドイツ語訳 Translation into German
■オランダ語訳 Translation into Dutch
■イタリア語訳 Translations into Italian
  (It1) Oddera
  (It2) Guidi
  (It3)
■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese
■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan
■スペイン語訳 Translation into Spanish
■フランス語訳 Translation into French
 Audio  英語原文のオーディオブック The Adventures of Tom Sawyer Audiobook
■英語原文 The original text in English
■更新履歴 Change log


 Video 1 
どうぶつ村のトム・ソーヤー (2000) MGMオリジナルビデオ・アニメ
Tom Sawyer (2000), an MGM animated video

ペンキ塗りの場面は 3:50 あたりから。The whitewash scene starts around 3:50.


 Video 2 
テレビアニメ トム・ソーヤ (1960)
Mel-O-Toons Tom Sawyer (1960)
Voice: Ralph Camargo (uncredited), Stan Freberg, Don Wilson, Jane Pickens

ペンキ塗りの場面は出てきません。The whitewash scene is not included.


 Video 3 
トム・ソーヤ (1938) 監督: ノーマン・タウログ 主演: トミー・ケリー
The Adventures of Tom Sawyer (1938)
Directed by Norman Taurog, Starring Tommy Kelly

ペンキ塗りの場面は 1:50 あたりから。The whitewash scene starts around 1:50.


 Video 4 
トム・ソーヤの冒険 (1930) 監督: ジョン・クロムウェル 主演: ジャッキー・クーガン
Tom Sawyer (1930) Directed by John Cromwell, Starring Jackie Coogan

ペンキ塗りの場面は 8:53 あたりから。The whitewash scene starts around 8:53.


■中国語訳(簡体字) Translation into simplified Chinese

“喜欢干?哎,我真搞不懂为什么我要不喜欢干,哪个男孩子能天天有机会刷墙?”
   〔美〕 马克·吐温 著 曹晓红 于晓光 译
   《汤姆·索亚历险记》 第二章 无奈刷墙,战绩辉煌
   E-text at 亦凡书库 (www.shuku.net)


■中國語譯(繁體字) Translation into traditional Chinese

“喜歡干?哎,我真搞不懂為什麼我要不喜歡干,哪個男孩子能天天有机會刷牆?”
   作者: 馬克・吐温 譯者: 曹曉紅 于曉光
   《湯姆・索亞歴險記》 第二章 無奈刷牆,戰績輝煌
   E-text at 龍騰世紀 (millionbook.net)


■日本語訳 Translations into Japanese

(J1) 土屋 2012
「なんで? 好きでやってちゃ悪いのか? フェンスのペンキ塗りなんて、そうそうやらしてもらえる仕事じゃないだろ?」
   マーク・トウェイン=作 土屋京子(つちや・きょうこ)=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 光文社古典新訳文庫 2012/06/20


(J2) 柴田 2011, 2012
「好きかって? 好きじゃいけない訳(わけ)でもあるのかい。塀に漆喰塗るチャンス、毎日来るか?」
   a. マーク・トウェイン=作 柴田元幸=訳
     『トム・ソーヤーの冒険』 新潮文庫 2012/07/01
   b. マーク・トウェイン=作 柴田元幸=訳 西岡千晶=絵
     『モンキービジネス 2011 Fall vol.15 最終号』 
     ヴィレッジブックス 2011/10/20
   引用は a. 新潮文庫版 2012/07/01 に拠りました。


(J3) 大久保(博) 2005
「好きだって? さあ、オレには分からねえな、どうしてオレが好きになっちゃいけねえってえ訳がよ。子どもにこんなチャンスがあるかい、毎日、塀を塗らしてもらえるなんてえチャンスがな?」
   マーク・トウェイン=作 大久保博=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 トウェイン完訳コレクション
   角川文庫 2005/01


(J4) 柿沼 1996
「好きかって? そりゃあ、好きであっちゃいけない理由はないよ。子供が塀を塗るなんて幸運が、毎日あると思う?」
   マーク・トウェイン=著 柿沼孝子=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン コレクション6
   彩流社 1996/01


(J5) 亀山 1987
「好(す)きだといけないのかい。へいをぬらしてもらえるチャンスなんて、そうざらにあることじゃないんだぜ。」
   マーク・トウェイン=著 亀山龍樹=訳
   『トム=ソーヤーの冒険』 少年少女世界文学館11
   講談社 1987/07


(J6) 高杉 1975
「すきかって? どうしてすきだといけないんだ? 子どもがへいをぬるなんて機会は、そう毎日あるもんじゃないだろ?」
   マーク・トウェーン=作 高杉一郎=訳 N・ロックウェル=画
   『トム=ソーヤーの冒険』 学研世界名作シリーズ13
   学習研究社 1975


(J7) 吉田 1975
「すきじゃあるまいって? ふうん、どうして、すきじゃいけないのさ。子どもが、へいをぬらしてもらえるなんてこと、毎日のようにあることだと思うかい?」
   マーク・トウェイン=作 吉田甲子太郎=訳
   『トム・ソーヤーの冒険(上)』(全2册) 偕成社文庫 1975/11


(J8) 大塚 1975
「すきかって? そう、どうしてすきじゃいけないか、ぼくにはわからないな。子どもが塀(へい)を塗(ぬ)らしてもらえるなんてチャンスは、そう毎日毎日あるもんだろうかね?」
   マーク・トウェイン=作 大塚勇三=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 福音館古典童話シリーズ17
   福音館 1975/10


(J9) 鈴木 1972
「好き、かって? そうだな、どうして好きだといけないんだ? こどもが塀をぬるなんて機会は、そう毎日ありっこないぜ」
   マーク・トウェイン=著 鈴木幸夫(すずき・ゆきお)=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 旺文社文庫(特装版)1972/06


(J10) 斎藤 1964
「好きだって? うん。ぼくが、これを好きじゃいけない、って理由(わけ)もない、と思うがね? 子供が塀を塗る機会なんてものが、そうそう、毎日、あるものかしらね?」
   マーク・トウェイン=訳 斎藤正二(さいとう・しょうじ)=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 角川文庫 1964/03


(J11) 佐々木 1961
「おもしろがってやっているって? そうさ、おもしろがっちゃ悪いというわけもないじゃないか。へいぬりなんぞはしたいといったって、そう毎日(まいにち)できるもんじゃない。」
   マーク・トウヱーン=作 佐々木邦(ささき・くに)=訳
   『トム・ソウヤーの冒険』 世界名作全集8
   (奥付には「トム・ソーヤの冒険」と表記)
   講談社 1961/12 所収
   下の (13) 佐々木 1929 を新字・新かなにし、若干の字句を改めたもの。


(J12) 大久保(康) 1953
「好きだって? うん、好きじゃいけないって理由はないと思うがね。塀を塗るなんて機会が、子供に毎日めぐまれると思うかい?」
   マーク・トウェイン=著 大久保康雄=訳
   『トム・ソーヤーの冒険』 新潮文庫 1953/10


(J13) 石井 1952
「すきかって? おれがすきじゃいけないって、わけでもあるのかい? しっくい(#「しっくい」に傍点)塗(ぬ)りなんて、そうそう毎日やれることかい?」
   マーク・トウェイン=作 石井桃子=訳
   『トム・ソーヤーの冒険(上)』(全2册) 岩波少年文庫 1952/07


(J14) 佐藤 1952
「好きだつて? さうだとも、僕にはどうして好きぢやいけないのかわからないね。子供が塀を塗るなんて機會がさうさう毎日あるものか?」
   マーク・ツウェーン=作 佐藤利吉(さとう・りきち)=譯
   『トム・ソーヤーの冒險』 角川文庫 1952/05/30


(J15) 石田 1946
「好きだつて? うん、好きでいけないつて云ふわけもないと思ふよ。子供が塀を塗るなんて機會が毎日あると思ふかい?」
   マーク・トウェーン=作 石田英二=譯
   『トム・ソーヤーの冒險』 岩波文庫 1946/05/05


(J16) 佐々木 1929
「面白がつてやるつて? さうさ、別に面白がつちや惡いといふわけもないぢやないか。塀塗りなんぞは爲たいと言つたつてさう毎日出來るもんぢやない。」
[原文は総ルビですが、ここでは省略しました - tomoki y.]
   マーク・トウヱーン=作 佐々木邦=譯 「トム・ソウヤー」
   『世界大衆文學全集10 マーク・トウヱーン名作集
   改造社 1929/03(昭和4)所収


 Image 
ノーマン・ロックウェルによる挿絵
whitewash_1
Illustration © 1936, 1964 by Norman Rockwell


■ロシア語訳 Translation into Russian

- Нравится? А почему же нет? Небось не каждый день нашему брату  дос-тается белить забор.
   Марк Твен - Приключения Тома Сойера.
   Translated by Н. Дарузес
   E-text at Библиотека RIN.ru


■ポーランド語訳 Translation into Polish

— Czy lubię? Głupie pytanie. Nie codziennie trafia się człowiekowi taka gratka, żeby malować parkan.
   Mark Twain. Przygody Tomka Sawyera
   Translated by Jan Biliński
   E-text at Wolne Lektury


■ドイツ語訳 Translation into German

„Spaß? Warum soll‘s denn kein Spaß sein? Kannst du vielleicht jeden Tag einen Zaun anstreichen?“
   Die Abenteuer Tom Sawyers by Mark Twain
   Translated by H. Hellwag
   E-text at Project Gutenberg


■オランダ語訳 Translation into Dutch

“Nu, het mag werken zijn of niet, wat ik weet, is, dat Tom Sawyer het dol prettig vindt.”
   De Lotgevallen van Tom Sawyer by Mark Twain
   E-text at Wikisource


■イタリア語訳 Translations into Italian

(It1) Oddera
«Se mi piace? Be’, non vedo perché non dovrebbe piacermi. Capita forse ogni giorno, a noi ragazzi, la possibilità di imbiancare a calce una recinzione?»
   Le avventure di Tom Sawyer by Mark Twain
   Translated by Bruno Oddera
   E-text at Bibliotecas Virtuales [PDF]


(It2) Guidi
"Se mi piace? Be', non vedo perché non dovrebbe piacermi. Mica capita tutti i giorni a un ragazzo d'imbiancare una recinzione".
   Le avventure di Tom Sawyer by Mark Twain
   Translated by Ercole Guidi
   E-text at Ercole Guidi Testi Bilingue


(It3)
«Se mi piace? Be', non vedo perché non dovrebbe piacermi. Non càpita tutti i giorni l'occasione d'imbiancare uno steccato.»
   Le avventure di Tom Sawyer by Mark Twain
   E-text at Readme.it


■ポルトガル語訳 Translation into Portuguese

- Gostar disto? Não vejo porque não hei-de gostar. Nem todos os dias um rapaz como nós tem ocasião de pintar um tapume.
   As Aventuras de Tom Sawyer by Mark Twain
   E-text at Scribd


■カタルーニャ語訳(カタロニア語訳) Translation into Catalan

–Si m'agrada? Bé, no veig per què no m'hauria d'agradar. Que vols dir que hi ha cada dia l'oportunitat d'emblanquinar una tanca?
   Les aventures de Tom Sawyer by Mark Twain
   E-text at Tom Sawyer - La Galera [PDF]


■スペイン語訳 Translation into Spanish

-¿Gustar? No sé por qué no va a gustarme. ¿Es que le dejan a un chico blanquear una cerca todos los días?
   Las aventuras de Tom Sawyer by Mark Twain
   E-text at:
   * Bibliotecas Virtuales
   * Wikisource


■フランス語訳 Translation into French

– Je ne vois vraiment pas pourquoi je n’aimerais pas ça. On n’a pas tous les jours l’occasion de passer une palissade au lait de chaux, à notre âge. »
   Les Aventures de Tom Sawyer by Mark Twain
   Translated by François de Gaïl
   E-text at:
   * Wikisource
   * Utopia (marktwain.fr)


 Audio 
英語原文のオーディオブック(朗読) The Adventures of Tom Sawyer Audiobook

下に引用する箇所は 0:22:10 あたりから始まります。 Uploaded by CCProse on Sep 27, 2011. The excerpt below starts around 0:22:10.


■英語原文 The original text in English

"Like it? Well, I don't see why I oughtn't to like it.  Does a boy get a chance to whitewash a fence every day?"

   Chapter 2
   The Adventures of Tom Sawyer by Mark Twain (Samuel Clemens)
   E-text at:  


■更新履歴 Change log

  • 2014/10/29 カタルーニャ語訳を追加しました。
  • 2013/05/08 目次を新設しました。また、テレビアニメ トム・ソーヤ (1960) の YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/08/04 CCProse による朗読の YouTube 画面を追加しました。
  • 2012/07/07 ポーランド語訳を追加しました。
  • 2012/07/04 土屋京子=訳 2012/06/20 を追加しました。また、柴田元幸=訳 2011/10/20 の書誌情報を修正・補足しました。
  • 2011/11/08 柴田元幸=訳 2011/10/20 を追加しました。
  • 2011/04/25 佐藤利吉=譯 1952/05/30 を追加しました。
  • 2011/03/17 ポルトガル語訳を追加しました。
  • 2010/05/08 石田英二=譯 1946/05/05 の訳文と、ロシア語訳、3種類のドイツ語訳、オランダ語訳、そしてイタリア語訳を追加しました。
  • 2010/04/15 『どうぶつ村のトム・ソーヤー』 (2000)、『トム・ソーヤ』 (1938)、『トム・ソーヤの冒険』 (1930) の3本の YouTube 動画、およびスペイン語訳、フランス語訳を追加しました。
  • 2010/04/14 中国語訳(簡体字) を追加しました。
  • 2007/07/10 佐々木邦=訳 1961/12、および佐々木邦=訳 1929/03 を追加しました。
  • 2007/05/11 高杉一郎=訳 1975 を追加しました。
  • 2006/08/15 斎藤正二=訳 1964/03 を追加しました。
  • 2006/08/05 曹暁紅+于暁光による中國語譯(繁體字)と鈴木幸夫=訳 1972 を追加し、書誌情報を修正・補足し、Amazon.co.jp の該当ページ、および電子テキストの該当ページへのリンクを張りました。また、訳例の配列を、旧→新から新→旧に変更しました。さらに、この記事のタイトルを次のとおり変更しました。

      旧題: Tom Sawyer - Whitewash
      新題: The Adventures of Tom Sawyer by Mark Twain

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